JP4413392B2 - 建物用付設物の取付具及び建物用付設物の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物用付設物を建物に取り付けるために用いる取付具及び建物用付設物の取付構造に係り、例えば、バルコニ、庇、集合住宅の外階段、外廊下等の建物用付設物の取り付けのために利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
建物用付設物であるバルコニは、取付具を介して建物に取り付けられる。図8〜図11は、支柱で支持されないタイプのバルコニ11を建物1に取り付けるために用いられている従来の取付具71を示す。図8は、取付具71を建物表面部材が取り付けられる前の建物1の躯体である柱2に取り付けた状態を示し、図9は、図8の後に、建物1の柱2、桁梁3等に胴縁4(図11参照)を介して建物1の表面部材である外装材5を取り付けたときを示し、図10は、取付具71と外装材5との間の隙間にシーリング材6を充填した後における図9のS10−S10線断面図であり、図11は、バルコニ11の妻梁12を取付具71を介して建物1に取り付けた後における建物1の縦断面図である。
【0003】
図8〜図11は、バルコニ構造材である妻梁12の本数が2本となっているバルコニ11を建物1に取り付ける場合であるため、図8で示されているとおり、取付具71は2個使用されている。それぞれの取付具71は、建物1の柱2にボルト75,76とナット77,78(図11参照)で結合されるベース部72と、このベース部72に基端部が溶接で接合され、ベース部72から直角に一定長さ延びるアーム部73と、ベース部72に固定されてアーム部73と同じ方向に延びるねじ軸74とからなる。
【0004】
図8に示すように、アーム部73はチャンネル材からなり、このため、アーム部73は、垂直のウェブ73Aと、このウェブ73Aの上下両端から同じ水平方向に延びる2個のフランジ73Bとからなる断面形状が、アーム部73の長さ方向に連続したものとなっている。したがって、アーム部73は、上下2個のフランジ73Bの間が欠部となった欠部付き材料で形成されており、この欠部を介してアーム部73の内外が連通している。
【0005】
ベース部73をボルト75,76、ナット77,78で柱2に結合した後、アーム部72を挿通させるための挿通部になっている切欠部5A(図9、図10、図11参照)及びねじ軸74を挿通させるための貫通孔5B(図10参照)が形成されている外装材5を図11のように胴縁4に結合し、アーム部73とねじ軸74を切欠部5Aと貫通孔5Bから建物外側へ延設させ、ベース部72を外装材5で覆う。次いで、図10に示すように、切欠部5Aの内部及び貫通孔5Bの内部にシーリング材6を充填し、切欠部5Aとアーム部73との間の隙間及び貫通孔5Bとねじ軸74との間の隙間をシーリング材6で埋める。
【0006】
この後、それぞれの取付具71に設けられているねじ軸74に、図9で示すように、根太受け部材13の両端部に形成されている孔を嵌合することにより、この根太受け部材13を2本のねじ軸74で支持させるとともに、それぞれのねじ軸74にナットを螺合することにより根太受け部材13をねじ軸74に取り付ける。また、それぞれの取付具71のアーム部73の外周にバルコニ11の中空に形成されている妻梁12を嵌合挿入し、そして、妻梁12をアーム部73にボルト、ナットで結合し、バルコニのそれぞれの根太の建物側の端部を根太受け部材13に載せ、これにより、根太を根太受け部材13で支持させる。
【0007】
なお、ベース部72を柱2に取り付けるためにボルト76、ナット78が使用されず、これの代わりに柱2にねじ込まれるスクリュー釘等が用いられる場合もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来の取付具71によると、アーム部73は、ウェブ73Aとフランジ73Bからなる断面形状が複雑なチャンネル材で形成されていて、その断面形状は欠部付き断面形状になっているため、図10に示されているように、このアーム部73を建物外装材5の四角形状の切欠部5Aに挿通させたとき、切欠部5Aの内部でアーム部73との間に生ずる隙間は、アーム部73の断面形状に対応して複雑なものとなり、しかも、アーム部73との間で大きな間隔となった部分も生ずる。
【0009】
このため、この切欠部5Aにシーリング材6を隙間なく充填する作業に手間がかかり、シーリング材施工作業の点で問題があった。
【0010】
本発明の目的は、建物の表面部材にアーム部を挿通させるための挿通部が形成されている場合に、この挿通部にシーリング材を充填する作業を容易に行えるようになる建物用付設物の取付具及び建物用付設物に取付構造を提供するところにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る建物用付設物の取付具は、建物躯体に結合され、かつ建物の表面部材で覆われるベース部と、このベース部から前記表面部材に挿通されて建物外側に延設されるとともに、長さ方向に連続する断面形状が内外を連通させる欠部を有する欠部付き断面形状になっていてかつ建物用付設物が取り付けられるアーム部とを備える建物用付設物の取付具において、前記アーム部には、このアーム部を挿通させるために前記表面部材に形成されている挿通部において前記欠部を塞いでアーム部内部に閉空間を形成する遮蔽部材が当てがわれ、この遮蔽部材が当てがわれた前記アーム部が前記挿通部に挿通され、この挿通部の内側と、前記遮蔽部材を含む前記アーム部の外側との間に生ずる隙間にシーリング材が充填されることを特徴とするものである。
【0012】
この取付具によると、アーム部の長さ方向に連続する断面形状がこのアーム部の内外を連通させる欠部を有する欠部付き断面形状になっていても、アーム部には、このアーム部を挿通させるために前記表面部材に形成されている挿通部において欠部を塞いでアーム部内部に閉空間を形成する遮蔽部材が当てがわれ、この遮蔽部材が当てがわれたアーム部が表面部材の挿通部に挿通されるため、この挿通部の内部における遮蔽部材を含むアーム部の断面形状を、例えば、四角形等の単純な形状にすることができる。このため、この挿通部の内側と、遮蔽部材を含むアーム部の外側との間に生ずる隙間にシーリング材を充填する作業を容易に行える。
【0013】
本発明に係る建物用付設物の取付具において、アーム部は、長さ方向に連続する断面形状が内外を連通させる欠部を有する欠部付き断面形状になっている材料で形成されていればよく、したがってアーム部は、例えば、チャンネル材で形成されていてもよく、I型鋼で形成されていてもよく、H型鋼で形成されていてもよく、アングル材で形成されていてもよく、さらには、断面E字状の材料で形成されていてもよい。また、これら材料は断面横向きに使用してもよく、断面縦向きに使用してもよく、断面斜め向きに使用してもよい。
【0014】
さらに、アーム部に対する遮蔽部材の配置位置は、アーム部の断面形状等に応じて任意に決めることができるものであり、前記表面部材の挿通部でアーム部の断面形状における欠部を塞いで前記閉空間を形成することができる任意な位置に遮蔽部材を配置できるとともに、閉空間を形成するために用いる遮蔽部材の個数も任意である。
【0015】
また、遮蔽部材の形状は、アーム部の欠部付き断面形状におけるその欠部に応じた任意な形状とすることができ、例えば、欠部の形状が平面形状であれば、遮蔽部材を平面形状としてもよく、あるいは、アーム部がアングル材で形成され、このためアーム部の欠部がL字形状となっている場合には、遮蔽部材をアングル材のように断面L字形状を有する材料で形成し、この遮蔽部材用材料とアーム部とを互いに上下を逆にして抱き合わせ結合することにより、アーム部の欠部を遮蔽部材用材料で塞ぐようにしてもよい。
【0016】
また、他の例としてアーム部が、ウェブと、このウェブの少なくとも両端から同一方向へ延びる2個のフランジとでアーム部の長さ方向に連続する断面形状が形成された材料からなる場合には、遮蔽部材は2個のフランジの先端間に架設される。これにより四角形状の閉空間が形成され、前記表面部材に四角形の挿通部を形成することにより、この挿通部の内側における遮蔽部材を含むアーム部との間の隙間を、狭い間隔がアーム部の外周全部に亘って連続したものとすることができる。これにより、挿通部の内部にシーリング材を充填する作業を容易に行えることになる。
【0017】
なお、この場合における遮蔽部材が架設される2個のフランジの先端間とは、2個のフランジの先端内側の間でもよく、2個のフランジの先端面同士の間でもよい。
【0018】
また、アーム部がチャンネル材、I型鋼、H型鋼、アングル材等の任意な材料で形成されている場合において、遮蔽部材を含むアーム部の外側全部に亘って表面部材の挿通部の内側との間で隙間が生ずるときは、アーム部の外側全部に亘ってシーリング材を充填する作業を行うようにし、また、遮蔽部材を含むアーム部の外側一部だけが挿通部の内面に接触し、このためアーム部の残りの部分だけに挿通部の内側との間で隙間が生じるときは、この残りの部分だけにシーリング材を充填してもよく、あるいは、アーム部の外側全部に亘ってシーリング材を充填するようにしてもよい。
【0019】
また、アーム部を挿通させるために表面部材に形成される挿通部は、表面部材の端部まで達する切り込み部が形成されていない無欠状のものでもよく、あるいは、このような切り込み部を有するもの又は表面部材の端部で開口するものでもよい。
【0020】
また、取付具のアーム部を挿通させる建物の表面部材は任意な部材でよく、この表面部材は、建物の外装材でもよく、取付具が前記ベース部を覆うカバー部材を有するときは、このカバー部材でもよい。すわなち、取付具が、建物の外装材と建物内外方向における同一位置又は略同一位置に配置されて建物外部に露出し、かつベース部を覆うカバー部材を備えたものとなっているときは、前記表面部材はこのカバー部材でもよい。
【0021】
また、以上の本発明において、建物用付設物が付設される建物は、軸組み工法によるものでもよく、パネル工法によるものでもよく、ユニット工法によるものでもよい。
【0022】
また、取付具のベース部が結合される建物躯体は任意であり、例えば、柱、梁、壁等でもよい。
【0023】
さらに、建物は木造建物でもよく、カーテンウォール等を使用するS造建物でもよく、RC造建物でもよく、SRC造建物等でもよい。
【0024】
本発明に係る建物用付設物の取付構造は、以上説明した取付具を使用して建物用付設物を建物に取り付けることを特徴とするものである。
【0025】
この建物用付設物は、例えば、バルコニでもよく、シャッター装置のシャッターケースでもよく、オーニング装置の収納ケースでもよく、ロールスクリーン装置の収納ケースでもよく、庇でもよく、アンテナでもよく、看板等でもよい。さらに、建物が集合住宅である場合には、建物用付設物は、外階段でもよく、外廊下でもよい。建物用付設物がバルコニである場合において、このバルコニは支柱で支持されないタイプでもよく、支柱で支持されるタイプでもよい。
【0026】
また、本発明に係る取付具によって建物用付設物が付設される建物は、軸組み工法によるものでもよく、パネル工法によるものでもよく、ユニット工法によるものでもよい。
【0027】
さらに、建物は木造建物でもよく、カーテンウォール等を使用するS造建物でもよく、RC造建物でもよく、SRC造建物等でもよい。
【0028】
本発明に係る建物用付設物の取付構造は、以上説明した取付具を使用して建物用付設物を建物に取り付けることを特徴とするものである。
【0029】
この建物用付設物は、例えば、バルコニでもよく、シャッター装置のシャッターケースでもよく、オーニング装置の収納ケースでもよく、ロールスクリーン装置の収納ケースでもよく、庇でもよく、アンテナでもよく、看板等でもよい。さらに、建物が集合住宅である場合には、建物用付設物は、外階段でもよく、外廊下でもよい。建物用付設物がバルコニである場合において、このバルコニは支柱で支持されないタイプでもよく、支柱で支持されるタイプでもよい。
【0030】
また、以上説明した本発明において、シーリング材は任意な種類のものでよく、例えば、充填前は液体状又はゲル状のものであって充填してから一定時間経過後に固体状又は弾力性を有するようになるものでもよく、また、ゴムや多孔質の合成樹脂等のように最初から弾力性を有し、充填作業が圧入によって行われるものでもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、建物用付設物が支柱で支持されないタイプのバルコニである場合であり、図1は、このバルコニ11を示している。バルコニ11は、図8、図9と同じ構造で建てられた建物1から延びる妻梁12と、2本ある妻梁12の間に架設された桁梁14とが構造材となって形成されており、妻梁12と桁梁14に手摺り15が立設されている。それぞれの妻梁12は、建物1の躯体に結合された本実施形態に係る取付具21を介して建物躯体に取り付けられ、妻梁12と取付具21との結合は、取付具21のアーム部23に妻梁12をボルト16、ナットで締結することによりなされている。また、手摺り15のトップレール17等は、建物1の躯体にビス等の止着具18で止められたブラケット19を介して建物躯体に結合されている。
【0032】
また、桁梁14の長手方向に複数並設されているバルコニ11の根太20の建物1側の端部は、建物1に固定された根太受け部材13に載せられて支持されている。
【0033】
取付具21の全体構造は、図2で示されている。この取付具21は、縦長で厚板状のベース部22と、このベース部22に基端部が溶接で接合され、ベース部22から直角に建物外側へ一定長さ延びるアーム部23と、このアーム部23に当てがわれて溶接で固定された板状の遮蔽部材24とからなる。ベース部22は建物1の柱2にボルト25,26とナット27,28(図6参照)で結合され、アーム部23は、図6で示されているとおり、建物1の表面部材となっている建物外装材5に形成された切欠部5Aを通って建物外側へ延びるものとなっている。
【0034】
この切欠部5Aは、外装材5にアーム部23を挿通させるために形成されたアーム部用の挿通部となっており、また、外装材5は、建物1の柱2、桁梁3(図2、図3参照)等に結合された図6で示す胴縁7に取り付けられている。
【0035】
図2に示すように、アーム部23はチャンネル材からなり、このため、アーム部23の縦断面形状は、垂直のウェブ23Aと、このウェブ23Aの上下両端から同じ水平方向に同じ長さだけ延びる2個のフランジ23Bとで形成され、この断面形状がアーム部23の長さ方向に連続している。したがって、アーム部23の長さ方向に連続する断面形状は、2個のフランジ23Bの間がアーム部23の内外を連通させる欠部となった欠部付き断面形状となっている。遮蔽部材24は、このような断面形状を有するアーム部23におけるベース部22との接続部において、2個のフランジ23Bの先端内側の間に架設され、これらのフランジ23Bに溶接で結合されている。これにより、アーム部23の上記欠部は遮蔽部材24で塞がれ、アーム部23の内部には、ウェブ23Aとフランジ23Bと遮蔽部材24で囲まれた閉空間が形成されている。
【0036】
遮蔽部材24の建物1側の端部はベース部22に当接されており、アーム部23の長さ方向における遮蔽部材24の長さは、ベース部22が柱2に結合されたときに、遮蔽部材24の建物1とは反対側の端部が前記建物外装材5の表面と同じ位置又はこの表面から突出する位置まで達する長さとなっている。
【0037】
図6に示すように、ベース部22の表面には凹部22A,22Bが形成され、これらの凹部22A,22Bに前記ボルト25,26の頭部25A,26Aが嵌入されるようになっている。
【0038】
また、図2に示されているとおり、ベース部22には側面で開口する欠部22Cが形成されている。
【0039】
建物1にバルコニ11を取り付ける作業を行うときは、先ず、バルコニ11の妻梁12と同じ個数用意した取付具21のそれぞれベース部22をボルト25,26、ナット27,28により建物躯体である柱2に結合する。なお、ボルト26、ナット28を使用せず、これの代わりに柱2にねじ込まれるスクリュー釘等の止着具を用い、この止着具でベース部22を柱2に仮止めしてからベース部22をボルト25、ナット27で柱2に本結合するようにしてもよい。次いで、柱2、桁梁3に外装材5を取り付ける作業を行い、この作業は、図3で示すように、外装材5にアーム部23の挿通部として形成されている切欠部5Aにアーム部23を挿通させて行う。これにより、ベース部22を外装材5で覆う。
【0040】
表面部材5の切欠部5Aは、遮蔽部材24を含むアーム部23の縦断面形状と相似形又は略相似形をなす形状であって、この縦断面形状よりも少し大きい。
【0041】
この後、図3で示されている孔明け加工治具30を用いることにより、外装材5に孔明け加工を行うための位置を定め、そして、外装材5に孔明け加工を行う。この孔明け加工治具30は板状のものであって、下面からアーム部23と同じ幅寸法で上方へ切り込まれた切り込み部30Aを有し、また、この切り込み部30Aをアーム部23に上側から落とし込み嵌合したときにベース部22の前記欠部22Cと一致する位置には、孔30Bが形成されている。切り込み部30Aをアーム部23に上側から落とし込み嵌合した後、孔30Bにドリル等の孔明け加工具を挿入し、欠部22Cと一致する外装材5の位置に孔を形成する。
【0042】
この孔明け加工治具30を用いた外装材5への孔明け加工作業は、それぞれの取付具21ごとに行い、図3の左側の取付具21のアーム部23に切り込み部30Bを落とし込み嵌合して外装材5の一箇所に孔明け加工を行った後、同じ孔明け加工治具30を表裏逆とし、図3の右側の取付具21のアーム部23に切り込み部30Bを落とし込み嵌合して外装材5の他の箇所に孔明け加工を行う。これにより、左右2個の取付具21のアーム部23の間において、外装材5に2個の孔を形成する。
【0043】
次いで、図4に示すように、外装材5に横長の根太受け部材13を当てがい、この根太受け部材13の両端部を、根太受け部材13に予め設けられている孔と、外装材5に孔明け加工治具30を用いて形成した孔と、ベース部22に形成されている欠部22Cとを通って柱2まで達するスクリュー釘等の止着具13Aによって建物1に取り付ける。
【0044】
そして、図4のS5−S5線断面図である図5で示すとおり、外装材5の切欠部5Aの内部にシーリング材6を充填する作業を行い、これにより、切欠部5Aの内側と、遮蔽部材24を含むアーム部23の外側との間の隙間Sをシーリング材6によって埋める。切欠部5Aにおいては、アーム部23の2個のフランジ23Bの先端内側の間に遮蔽部材24が架設され、これによってアーム部23の断面形状における前記欠部は遮蔽部材24で塞がれているため、この切欠部5Aの箇所でのアーム部23の断面形状は、内部が閉空間23Cとなった四角形となっており、切欠部5Aもこの四角形よりも少し大きい四角形となっているため、隙間Sは、遮蔽部材24を含むアーム部23の全周に亘って同じ幅寸法又は略同じ幅寸法で連続したものとなっている。このような隙間Sにシーリング材6を充填する作業を行うのである。
【0045】
この後、図4で示されているバルコニ11の中空状の妻梁12をアーム部23に嵌合挿入し、図6で示すように、妻梁12の先端を外装材5に当接させてから、図1で示したボルト16、ナットで妻梁12をアーム部23に締結する。また、バルコニ11のそれぞれの根太20の建物1側の端部を根太受け部材13に載せて支持させる。
【0046】
以上により、バルコニ11は取付具21を介して建物1に取り付けられたことになる。
【0047】
以上の本実施形態によると、取付具21のアーム部23がウェブ23Aとフランジ23Bとからなる複雑な断面形状となったチャンネル材で形成されていても、外装材5の切欠部5Aに対応するアーム部23の箇所には遮蔽部材24が当てがわれ、アーム部23の断面形状における前記欠部は遮蔽部材24で塞がれているため、この箇所でのアーム部23の断面形状を内部が閉空間23Cとなった単純な形状の四角形とすることができる。このため、切欠部5Aの形状を、ウェブ23Aとフランジ23Bとからなる本来のチャンネル材の複雑な断面形状よりも形成加工作業が簡単な四角形としても、切欠部5Aの内側と遮蔽部材24を含むアーム部23の外側との間にできる隙間Sを、アーム部23の全周に亘って同じ幅寸法又は略同じ幅寸法が連続したものにすることができる。このため、シーリング材6を切欠部5Aの内部に充填し、切欠部5Aを通って雨水等が建物内部に侵入するのを防止する作業を容易に行えるようになる。
【0048】
また、ベース部22には、図6で示したとおり、このベース部22を柱2に結合するためのボルト25,26の頭部25A、26Aを没入させることができる凹部22A,22Bが形成されているため、このような凹部が形成されていない図11の従来の取付具71と比べた場合、図6で示した胴縁7の厚さ寸法が図11の胴縁4の厚さ寸法よりも小さく、したがって柱2から外装材5までの間隔が小さくなっている建物についても、外装材5の内側にベース部22を配置し、ベース部22を外装材5で覆うことができるという効果を得られる。
【0049】
さらに、本実施形態の取付具21においては、図8で示した従来の取付具71のベース部72におけるねじ軸74は省略され、根太受け部材13を取り付け支持するためのこのねじ軸74に代わりに、孔明け加工治具30で外装材5に孔加工を行うことにより根太受け部材13を止着具13Aで建物1に固定するようにしたため、ねじ軸74が貫通する孔を外装材5に形成する作業、及びこの孔とねじ軸74との間にシーリング材を充填する作業を省略できるようになる。
【0050】
図7は別実施形態を示す。この実施形態は、取付具21のベース部22がカバー部材40で覆われる実施形態を示す。すなわち、この実施形態では、ベース部22と、アーム部23と、遮蔽部材24と、カバー部材40とで取付具21が形成されている。このカバー部材40には、アーム部23を挿通させる挿通部である貫通孔40Aが形成されている。
【0051】
カバー部材40は、ベース部22を覆った状態で釘等の止着具41で建物1の柱2に結合され、これによりカバー部材40は、このカバー部材40の配置位置を除いて胴縁7に結合されている建物外装材5と建物内外方向における同一位置又は略同一位置に配置される。このため、カバー部材40は建物外部に露出し、外装材5と共に建物1の表面部材を形成するものとなっている。
【0052】
この実施形態は、建物1の表面部材が、前記実施形態では建物外装材5であったのに対し、取付具21のベース部22を覆うカバー部材40となったものであり、カバー部材40の貫通孔40Aに対応するアーム部23の箇所に前記実施形態と同じく遮蔽部材24を設けることにより、この実施形態でもシーリング材6の充填作業に関する前記実施形態と同じ作用効果を得られる。
【0053】
なお、この実施形態において、カバー部材40の配置位置を除いて設けられる建物外装材の厚さを、図7で示した外装材5の厚さと胴縁7の厚さとの合計と同じ又は略同じとし、これにより、建物外装材を柱2に直接取り付けようにしてもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によると、建物の表面部材に取付具のアーム部を挿通させるための挿通部が形成されている場合に、この挿通部にシーリング材を充填する作業を容易に行えるようになるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る建物用付設物であるバルコニを示す建物の縦断面図である。
【図2】図1で示された取付具を建物外装材が取り付けられる前の建物躯体である柱に結合したときを示す斜視図である。
【図3】図2の後に、建物の柱等に建物外装材を取り付けたときを示す斜視図である。
【図4】図3の後に、建物にバルコニの根太を受けるための根太受け部材を取り付けたときを示す斜視図である。
【図5】図4のS5−S5線断面図である。
【図6】バルコニの妻梁を図2の取付具を介して建物に取り付けた後における建物の縦断面図である。
【図7】取付具のベース部がカバー部材で覆われる別実施形態を示す図6と同様の図である。
【図8】従来の取付具を建物外装材が取り付けられる前の建物の柱に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図9】図8の後に、建物の柱等に建物外装材を取り付けたときを示す斜視図である。
【図10】取付具と建物外装材との間の隙間にシーリング材を充填した後における図9のS10−S10線断面図である。
【図11】バルコニの妻梁を図8の取付具を介して建物に取り付けた後における建物の縦断面図である。
【符号の説明】
1 建物
2 建物躯体である柱
5 建物の表面部材である外装材
5A 挿通部である切欠部
6 シーリング材
11 建物用付設物であるバルコニ
21 取付具
22 ベース部
23 アーム部
23A ウェブ
23B フランジ
23C 閉空間
24 遮蔽部材
40 カバー部材
40A 挿通部である貫通孔
S 隙間
Claims (9)
- 建物躯体に結合され、かつ建物の表面部材で覆われるベース部と、このベース部から前記表面部材に挿通されて建物外側に延設されるとともに、長さ方向に連続する断面形状が内外を連通させる欠部を有する欠部付き断面形状になっていてかつ建物用付設物の梁が取り付けられるアーム部とを備える建物用付設物の取付具において、
前記アーム部には、このアーム部を挿通させるために前記表面部材に形成されている挿通部において前記欠部を塞いでアーム部内部に閉空間を形成する遮蔽部材が当てがわれ、この遮蔽部材が当てがわれた前記アーム部が前記挿通部に挿通され、この挿通部の内側と、前記遮蔽部材を含む前記アーム部の外側との間に生じていて前記遮蔽部材を含む前記アーム部の外側の全周に亘って生じている隙間の全体にシーリング材が充填されており、
前記遮蔽部材の前記建物の側の端部は前記ベース部に当接され、前記アーム部の長さ方向における前記遮蔽部材の長さは、この遮蔽部材の前記建物とは反対側の端部が前記表面部材の表面と同じ位置又はこの表面から突出する位置まで達する長さとなっていることを特徴とする建物用付設物の取付具。 - 請求項1に記載の建物用付設物の取付具において、前記ベース部は前記建物躯体にボルト、ナットで結合され、前記表面部材は前記ボルトの頭部を覆っていることを特徴とする建物用付設物の取付具。
- 請求項2に記載の建物用付設物の取付具において、前記ベース部には前記ボルトの頭部が嵌入される凹部が形成され、前記表面部材は前記ベース部の表面に接触していることを特徴とする建物用付設物の取付具。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の建物用付設物の取付具において、前記梁は、前記アーム部の外側に嵌合挿入される中空状の部材となっていることを特徴とする建物用付設物の取付具。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の建物用付設物の取付具において、前記ベース部には、根太受け部材を前記建物に取り付けるために前記建物躯体に達する止着具を通すための欠部が形成されていることを特徴とする建物用付設物の取付具。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の建物用付設物の取付具において、前記アーム部は、前記ウェブと、このウェブの少なくとも両端から同一方向へ延びる2個のフランジとで長さ方向に連続する前記断面形状が形成された材料からなり、前記遮蔽部材は前記2個のフランジの先端間に架設されていることを特徴とする建物用付設物の取付具。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の建物用付設物の取付具において、前記表面部材は前記建物の外装材であることを特徴とする建物用付設物の取付具。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の建物用付設物の取付具において、前記表面部材は、建物の外装材と建物内外方向における同一位置又は略同一位置に配置されて建物外部に露出するカバー部材であることを特徴とする建物用付設物の取付具。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の建物用付設物の取付具を用いて建物に建物用付設物が取り付けられることを特徴とする建物用付設物の取付構造。
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