JP4413078B2 - サンドイッチ成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
1.ハロゲン系難燃剤を含有しない難燃性樹脂からなる表皮層と、非難燃性樹脂からなる内部層からなり、前記難燃性樹脂の難燃特性がUL難燃規格において1/8インチ、V−0以上であるサンドイッチ成形体。
2.前記難燃性樹脂が、シリコンとの共重合体樹脂、又はシリコン系難燃剤、リン系難燃剤及び窒素系難燃剤のいずれか一種以上の難燃剤を含む熱可塑性樹脂である1に記載のサンドイッチ成形体。
3.前記表皮層と、前記内部層の、厚みの比率が、1:40〜1:3である1又は2記載のサンドイッチ成形体。
4.前記表皮層の厚みが50μm〜500μmである1〜3のいずれかに記載のサンドイッチ成形体。
5.前記表皮層の難燃性樹脂が、ポリカーボネートとシリコンの共重合体からなるポリカーボネート系難燃性樹脂であり、内部層の非難燃性樹脂がポリカーボネート系樹脂である1〜4のいずれかに記載のサンドイッチ成形体。
6.難燃性樹脂を、第一シリンダより射出して、表皮層を形成し、
非難燃性樹脂を、第二シリンダより、射出速度500mm/sec以上で射出して、内部層を形成する、
1〜5のいずれかに記載のサンドイッチ成形体の製造方法。
内部層を形成する難燃性を有さない樹脂として、通常の樹脂が使用できるが、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ABS樹脂等に代表される汎用プラスチックスや、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂等に代表されるエンジニアリングプラスチックスや、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
例えば、表皮層にPC系難燃性樹脂を使用するとき、内部層はPC系樹脂を使用することが好ましい。
また、表皮層又は内部層を構成する樹脂は、2種以上の樹脂からなる組成物でもよい。
また、表皮層の厚みは、難燃性樹脂の種類により異なるが、通常50μm〜800μmであり、好ましくは100μm〜500μmである。
また、サンドイッチ成形体の厚さは、特に限定されるものではないが、通常通2mm〜4mmである。
ここで、サンドイッチ射出成形方法とは、金型内に表皮層を成形する第一樹脂と内部層を成形する第二樹脂を射出して、表皮層及び内部層からなる層構造を成形する方法をいう。
また、サンドイッチ射出成形方法における第一樹脂と第二樹脂の射出方法としては、第一樹脂と第二樹脂の逐次射出、同時射出及び逐次射出と同時射出の組み合わせ射出の三つの射出パターンがあるが、以下、逐次射出を例にとって説明する。
また、第一樹脂は、金型内のゲート部付近に射出してもよいし、金型に第一樹脂を一時的に溜めておく貯留室(図示せず)を設けて、この貯留室に第一樹脂を射出してもよい。
ここで、好ましくは、第一樹脂を射出した後、約0.2sec〜約1.0sec後に、第二シリンダから第二樹脂を射出するとよい。このような射出タイミングを設定することにより、金型内に射出された第一樹脂は、金型と接触した微小部分が冷え始めるものの、その他の大部分は、冷却されずにほぼ均一に射出された状態を維持できるので、より薄くかつ厚さが均一な表皮層を成形することができる。
第二樹脂を射出する射出速度を高速にする理由は、高速射出することにより、表皮層を従来技術では実現できなかったレベルまで薄く成形することができるからである。尚、射出機のスクリュウ径は、限定されないが、通常20mm以上、好ましくは20mm以上160mm以下である。
また、複数のシリンダを使用する場合、合流ノズルを用いて合流させる代わりに、金型内のゲート部等で合流させることも可能である。
表皮層を形成する難燃性樹脂(A)として、ポリカーボネート(PC)/シリコン共重合体(タフロンAC1030:出光石油化学製)を用いた。内部層を形成する樹脂(B)として、標準的なPC樹脂(タフロンA1900:黒着色)を用いた。尚、AC1030は、UL規格で1/16インチではV−0を示す。
参考のために、表皮層を有さないPC樹脂(タフロンA1900)だけの成形体を比較例1とした。また、表皮層を有さないポリカーボネート(PC)/シリコン共重合体(タフロンAC1030:出光石油化学製)だけの成形体を参考例とした。
各サンプルの表皮層の厚み(mm)と内部層との厚みの比を表1に示す。次に、コーンカロリメーター(型式C3:東洋精機製)を使用し、これらのサンプルの燃焼特性すなわち着火から300秒までの発熱速度を測定した。輻射熱50KW/m2での、測定結果を図2に示す。
実施例1において、表皮層を形成する難燃性樹脂(A)を、シリコン系、リン系、チッソ系難燃剤を含まない難燃性樹脂(C4F9SO3K)(AZ1900T:出光石油化学製)に変えた以外は、同様にしてサンプルを作成した。尚、AZ1900Tは、金属塩を用い難燃性を図ったもので、UL規格で1/16インチではV−0の難燃性を示す。
各サンプルの表皮層厚みを表2に示す。また燃焼特性を図3に示す。
2 表皮層
3 内部層
Claims (3)
- ハロゲン系難燃剤を含有しない、ポリカーボネートとシリコンの共重合体からなるポリカーボネート系難燃性樹脂からなる表皮層と、非難燃性樹脂からなる内部層からなり、
前記難燃性樹脂の難燃特性がUL難燃規格において1/8インチ、V−0以上であり、
前記表皮層の厚みが50μm〜500μmであり、
前記内部層の非難燃性樹脂がポリカーボネート系樹脂である、サンドイッチ成形体。 - 前記表皮層と、前記内部層の、厚みの比率が、1:40〜1:3である請求項1に記載のサンドイッチ成形体。
- ハロゲン系難燃剤を含有しない、ポリカーボネートとシリコンの共重合体からなるポリカーボネート系難燃性樹脂を、第一シリンダより射出して、表皮層を形成し、
ポリカーボネート系樹脂を、第二シリンダより、射出速度500mm/sec以上で射出して、内部層を形成する、
請求項1又は2に記載のサンドイッチ成形体の製造方法。
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