JP4413057B2 - フランジ付き軸部材の製造方法及びフランジ付き軸部材 - Google Patents
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その結果、図9に示すように、このフランジ8の前面8aをバンパーリインフォース13の平らな後壁13aの所定位置に当接して固定するとき、フランジ8の前面8aと前記後壁13aとの間に隙間14が生じる。この隙間14があると、ボルト・ナット又はリベットにより固定するときはフランジ8に歪みが生じ、溶接によって固定する場合はフランジ8がバンパーリインフォース13の後壁13aから浮いた状態で固定されてしまう。
この電磁成形により、取付用フランジ23より前方側の周壁は拡開して軸フランジ25が形成され、かつ該軸フランジ25は取付用フランジ23の端面23aに密着重合し、取付用フランジ23より後方側の周壁は外径方向に張り出して張出部26が形成される。なお、この例では張出部は自由変形(金型による拘束なし)により張り出している。これにより、取付用フランジ23は軸フランジ25と張出部26により前後から挟まれた状態となり、かつ貫通穴24の内面には素材管22の周壁が密着するため、軸部材27の端部に取付用フランジ23が固く接合したフランジ付き軸部材21が製造される。なお、軸部材27の張出部26より後方側の部分30には、電磁成形による成形力が作用してなく、当該部分は管素材22のままの径を保っている。
その結果、図12に示すように、取付用フランジ23の前面23aをバンパーリインフォース29の平らな後壁29aの所定位置に当接して固定するとき、軸フランジ25の箇所では、その前面25aと前記後壁29aとの間に矢印で示す隙間hが生じ、その分だけバンパーリインフォース29を後方側から支持する機能が低下する。
なお、本発明において、軸部材の軸部からみた取付用フランジの方向が前方であり、逆方向が後方である。
この方法において、アルミニウム合金押出材からなる取付用フランジを用いることができる。その場合、前記軸フランジの背面が密着重合する前記貫通穴の周囲の端面形状を、前記軸フランジの放射方向での肉厚変化に合わせて、前記取付用フランジの押出方向に垂直な断面において浅いすり鉢状に形成し、前記断面において取付用フランジの前面と成形後の軸フランジの前面を同じ高さにして前記相手方部材の被取付面の形状に合わせるようにする。
この方法において、アルミニウム合金押出材からなる取付用フランジを用いることができる。その場合、前記軸フランジの背面が密着重合する前記貫通穴の周囲の端面形状を、前記軸フランジの放射方向での肉厚変化に合わせて、前記取付用フランジの押出方向に垂直な断面において前記貫通穴の縁に近いほど前記基準面より後退した形状に形成し、前記断面において取付用フランジの前面と成形後の軸フランジの前面を前記相手方部材の被取付面の形状に合わせるようにする。
まず、アルミニウム合金からなる管状の軸部材の端部に、電磁成形により取付用フランジを一体成形して、フランジ付き軸部材を製造する場合、特に相手方部材の被取付面の形状が傾斜した平面である場合について説明すると、本発明の方法に使用する金型33は、図1に示すように、円形断面の貫通穴37の周囲の端面(成形面)34が、浅いすり鉢状に形成され、電磁成形時、円形断面の素材管(図示せず)の端部周壁が拡開し、背面が前記端面34に打ち当って取付用フランジ38が形成される。金型33の端面34が浅いすり鉢用になっていることは、図1の断面において端面34を左右から延長したラインa,bが交差することから理解される。また、それゆえ、取付用フランジ38の前面38aが当接すべき相手方部材43の被取付面43aを基準面として想定した場合、同図に示すように、端面34の貫通穴37の縁に近い箇所の方が、遠い箇所よりも、前記基準面からの距離が大きくなっている(図1において、d1>d2>d3,d4>d5>d6)。言い換えれば、端面34は、貫通穴37の縁に近い箇所ほど、前記基準面から後方に下がった(後退した)形状に形成されている。
なお、金型33の貫通穴37と端面34のコーナー部39は円弧状の丸みを形成し、特に素材管の肉厚以上の半径の丸みに設定するのが望ましい。これは、丸みが形成されていないか小さすぎる場合、コーナー部39において素材管が絞られ、フランジ付き軸部材として強度的に最も重要な箇所(コーナー部)に肉厚減少が生じるためである。
この例では、取付用フランジ38を軸部41に対して傾斜させていたが、図7の取付用フランジ9のように、軸部に対し垂直な取付用フランジを成形する場合も、同じく貫通穴の周囲の端面を浅いすり鉢状に形成することにより、成形可能である。
なお、フランジ付き軸部材51と相手方部材63は、例えばバンパーステイとバンパーリインフォースである。
図3に示すフランジ付き軸部材51は、取付用フランジ58の前面58aの形状が基準面(相手方部材63の被取付面63a)と精度よく一致し、従って、フランジ付き軸部材51を白抜き矢印の方向(軸方向)に並進運動させてフランジ58の前面58aを前記基準面の位置まで前進させた場合を想定すると、前進後の取付用フランジ58の前面58aは前記基準面と重なる。
このフランジ付き軸部材81では、図5に示す断面(取付用フランジ83の押出方向に垂直な断面)において、取付用フランジ83の貫通穴84の周囲の端面83aが浅いすり鉢状になっている。また、それゆえ、取付用フランジ83の前面83b及び軸フランジ85が当接すべき相手方部材79の被取付面79a(平面)を基準面として想定した場合、前記断面において、取付用フランジ83の端面83aの貫通穴84の縁に近い箇所の方が、遠い箇所よりも、前記基準面からの距離が大きくなっている(d1>d2、d3>d4)。言い換えれば、端面83aは、前記断面において貫通穴84の縁に近い箇所ほど、前記基準面から後方に下がった(後退した)形状に形成されている。
フランジ付き軸部材81は、前記断面において取付用フランジ83の前面83bの形状が基準面(相手方部材79の被取付面79a)と一致するのは当然であるが、軸フランジ85の前面85aの形状も前記基準面とよく一致する。従って、フランジ付き軸部材81を白抜き矢印の方向(軸方向)に並進運動させて取付用フランジ83の前面83bを前記基準面の位置まで前進させた場合を想定すると、前進後の取付用フランジ83の前面83b及び軸フランジ85の前面85aは前記断面において前記基準面と重なる。これにより、フランジ83の前面83bを相手方部材79の被取付面79aに当接させたとき、軸フランジ85の箇所において前記断面に限定されるのであるが、従来のような隙間が生じないで済む。
取付用フランジと軸部材が接合したタイプのフランジ付き軸部材の場合、フランジの材質としては、強度が高く導電率が低いものが望ましく、アルミニウム合金であればJIS5000系や、JIS6000,7000系のT5調質材が好適であり、鋼材等の他の素材も利用できる。
33,53 金型
34,54 金型の端面(成形面)
37,57 金型の貫通穴
38,58,73,83 取付用フランジ
38a,58a 取付用フランジの前面(取付面)
38b,58b 取付用フランジの背面
73a、83a 取付用フランジの端面(軸フランジが密着重合する端面)
73b、83b 取付用フランジの前面(取付面)
41,77 軸部
43,79 相手方部材
43a,79a 相手方部材の被取付面
75,85 軸フランジ
75a,75b 軸フランジの前面
75b 軸フランジの背面
Claims (11)
- アルミニウム合金からなる管状の軸部材の周囲を貫通穴を有する電磁成形用の金型で囲繞するとともに、その端部を前記金型の端面から前方に突出させ、電磁成形により前記軸部材の端部周壁を放射方向に拡開し前記端面に打ち当てて取付用フランジに成形するフランジ付き軸部材の製造方法において、前記取付用フランジの前面が当接する相手方部材の被取付面の形状が平面であり、前記取付用フランジの背面が打ち当たる前記貫通穴の周囲の端面形状が、前記取付用フランジの放射方向での肉厚変化に合わせて、浅いすり鉢状に形成されており、これにより成形後の取付用フランジの前面を前記相手方部材の被取付面の形状に合わせることを特徴とするフランジ付き軸部材の製造方法。
- アルミニウム合金からなる管状の軸部材の周囲を貫通穴を有する電磁成形用の金型で囲繞するとともに、その端部を前記金型の端面から前方に突出させ、電磁成形により前記軸部材の端部周壁を放射方向に拡開し前記端面に打ち当てて取付用フランジに成形するフランジ付き軸部材の製造方法において、前記取付用フランジの前面が当接する相手方部材の被取付面の形状を基準面としたとき、前記取付用フランジの背面が打ち当たる前記貫通穴の周囲の端面形状が、前記取付用フランジの放射方向での肉厚変化に合わせて、前記貫通穴の縁に近いほど前記基準面より後退した形状に形成されており、これにより成形後の取付用フランジの前面の形状を前記基準面に合わせることを特徴とするフランジ付き軸部材の製造方法。
- 請求項1又は2に記載された製造方法により製造されたフランジ付き軸部材。
- アルミニウム合金からなる管状の軸部材を、貫通穴を有する板状の取付用フランジの前記貫通穴に嵌挿し、その端部を前記取付用フランジの端面から前方に突出させ、電磁成形により前記軸部材の周壁を放射方向に拡げて、前記軸部材の周壁を前記貫通穴の内面に密着させ、前記軸部材の前記取付用フランジより前方側の周壁を拡開して軸フランジを形成し、かつ該軸フランジを前記取付用フランジの端面に密着重合させ、前記軸部材の前記取付用フランジより後方側の周壁を外径方向に張り出させ、これにより前記軸部材の端部に前記取付用フランジを接合するフランジ付き軸部材の製造方法において、前記取付用フランジが当接する相手方部材の被取付面の形状が平面であり、前記軸フランジの背面が密着重合する前記貫通穴の周囲の端面形状を、前記軸フランジの放射方向での肉厚変化に合わせて浅いすり鉢状に形成し、取付用フランジの前面と成形後の軸フランジの前面を同じ高さにして前記相手方部材の被取付面の形状に合わせることを特徴とするフランジ付き軸部材の製造方法。
- アルミニウム合金からなる管状の軸部材を、貫通穴を有する板状の取付用フランジの前記貫通穴に嵌挿し、その端部を前記取付用フランジの端面から前方に突出させ、電磁成形により前記軸部材の周壁を放射方向に拡げて、前記軸部材の周壁を前記貫通穴の内面に密着させ、前記軸部材の前記取付用フランジより前方側の周壁を拡開して軸フランジを形成し、かつ該軸フランジを前記取付用フランジの端面に密着重合させ、前記軸部材の前記取付用フランジより後方側の周壁を外径方向に張り出させ、これにより前記軸部材の端部に前記取付用フランジを接合するフランジ付き軸部材の製造方法において、前記取付用フランジが当接する相手方部材の被取付面の形状が平面であり、前記取付用フランジがアルミニウム合金押出材からなり、前記軸フランジの背面が密着重合する前記貫通穴の周囲の端面形状を、前記軸フランジの放射方向での肉厚変化に合わせて、前記取付用フランジの押出方向に垂直な断面において浅いすり鉢状に形成し、前記断面において取付用フランジの前面と成形後の軸フランジの前面を同じ高さにして前記相手方部材の被取付面の形状に合わせることを特徴とするフランジ付き軸部材の製造方法。
- アルミニウム合金からなる管状の軸部材を、貫通穴を有する板状の取付用フランジの前記貫通穴に嵌挿し、その端部を前記取付用フランジの端面から前方に突出させ、電磁成形により前記軸部材の周壁を放射方向に拡げて、前記軸部材の周壁を前記貫通穴の内面に密着させ、前記軸部材の前記取付用フランジより前方側の周壁を拡開して軸フランジを形成し、かつ該軸フランジを前記取付用フランジの端面に密着重合させ、前記軸部材の前記取付用フランジより後方側の周壁を外径方向に張り出させ、これにより前記軸部材の端部に前記取付用フランジを接合するフランジ付き軸部材の製造方法において、前記取付用フランジが当接する相手方部材の被取付面の形状を基準面としたとき、前記軸フランジの背面が密着重合する前記貫通穴の周囲の端面形状を、前記軸フランジの放射方向での肉厚変化に合わせて、前記貫通穴の縁に近いほど前記基準面より後退した形状に形成し、取付用フランジの前面と成形後の軸フランジの前面を前記相手方部材の被取付面の形状に合わせることを特徴とするフランジ付き軸部材の製造方法。
- アルミニウム合金からなる管状の軸部材を、貫通穴を有する板状の取付用フランジの前記貫通穴に嵌挿し、その端部を前記取付用フランジの端面から前方に突出させ、電磁成形により前記軸部材の周壁を放射方向に拡げ、前記軸部材の周壁を前記貫通穴の内面に密着させ、前記軸部材の前記取付用フランジより前方側の周壁を拡開して軸フランジを形成し、かつ該軸フランジを前記取付用フランジの端面に密着重合させ、前記軸部材の前記取付用フランジより後方側の周壁を外径方向に張り出させ、これにより前記軸部材の端部に前記取付用フランジを接合するフランジ付き軸部材の製造方法において、前記取付用フランジがアルミニウム合金押出材からなり、前記取付用フランジが当接する相手方部材の被取付面の形状を基準面としたとき、前記軸フランジの背面が密着重合する前記貫通穴の周囲の端面形状を、前記軸フランジの放射方向での肉厚変化に合わせて、前記取付用フランジの押出方向に垂直な断面において前記貫通穴の縁に近いほど前記基準面より後退した形状に形成し、前記断面において取付用フランジの前面と成形後の軸フランジの前面を前記相手方部材の被取付面の形状に合わせることを特徴とするフランジ付き軸部材の製造方法。
- 貫通穴が形成された板状の取付用フランジと、前記貫通穴に嵌挿され、かつ前記貫通穴に密着して前記取付用フランジに接合された管状の軸部材からなるフランジ付き軸部材において、前記取付用フランジは被取付面の形状が平面である相手方部材に取り付けるもので、前記軸部材がアルミニウム合金からなり、前記貫通穴から前方側に突出した突出部が放射方向外向きに拡開して軸フランジを形成し、その背面が前記取付用フランジの貫通穴の周囲の端面に密着重合し、前記貫通穴の後方側が外径方向に張り出して張出部を形成し、前記軸フランジと張出部の間に前記取付用フランジが挟まれ、前記軸フランジの背面が密着重合する前記貫通穴の周囲の端面形状が、前記軸フランジの放射方向での肉厚変化に合わせて浅いすり鉢状に形成され、前記取付用フランジと軸フランジの前面が前記被取付面に当接する同じ高さの平面となっていることを特徴とするフランジ付き軸部材。
- 貫通穴が形成された板状の取付用フランジと、前記貫通穴に嵌挿され、かつ前記貫通穴に密着して前記取付用フランジに接合された管状の軸部材からなるフランジ付き軸部材において、前記取付用フランジは被取付面の形状が平面である相手方部材に取り付けるもので、前記軸部材がアルミニウム合金からなり、前記貫通穴から前方側に突出した突出部が放射方向外向きに拡開して軸フランジを形成し、その背面が前記取付用フランジの貫通穴の周囲の端面に密着重合し、前記貫通穴の後方側が外径方向に張り出して張出部を形成し、前記軸フランジと張出部の間に前記取付用フランジが挟まれ、前記取付用フランジがアルミニウム合金押出材からなり、前記軸フランジの背面が密着重合する前記貫通穴の周囲の端面形状が、前記軸フランジの放射方向での肉厚変化に合わせて、前記取付用フランジの押出方向に垂直な断面において浅いすり鉢状に形成され、前記断面において前記取付用フランジと軸フランジの前面が前記被取付面に当接するように同じ高さとなっていることを特徴とするフランジ付き軸部材。
- 貫通穴が形成された板状の取付用フランジと、前記貫通穴に嵌挿され、かつ前記貫通穴に密着して前記取付用フランジに接合された管状の軸部材からなるフランジ付き軸部材において、前記軸部材がアルミニウム合金からなり、前記貫通穴から前方側に突出した突出部が放射方向外向きに拡開して軸フランジを形成し、その背面が前記取付用フランジの貫通穴の周囲の端面に密着重合し、前記貫通穴の後方側が外径方向に張り出して張出部を形成し、前記軸フランジと張出部の間に前記取付用フランジが挟まれ、前記取付用フランジが当接する相手方部材の被取付面の形状を基準面としたとき、前記軸フランジの背面が密着重合する前記貫通穴の周囲の端面形状が、前記軸フランジの放射方向での肉厚変化に合わせて、前記貫通穴の縁に近いほど前記基準面より後退した形状に形成され、前記取付用フランジと軸フランジの前面が前記基準面に当接するようになっていることを特徴とするフランジ付き軸部材。
- 貫通穴が形成された板状の取付用フランジと、前記貫通穴に嵌挿され、かつ前記貫通穴に密着して前記取付用フランジに接合された管状の軸部材からなるフランジ付き軸部材において、前記軸部材がアルミニウム合金からなり、前記貫通穴から前方側に突出した突出部が放射方向外向きに拡開して軸フランジを形成し、その背面が前記取付用フランジの貫通穴の周囲の端面に密着重合し、前記貫通穴の後方側が外径方向に張り出して張出部を形成し、前記軸フランジと張出部の間に前記取付用フランジが挟まれ、前記取付用フランジがアルミニウム合金押出材からなり、前記取付用フランジが当接する相手方部材の被取付面の形状を基準面としたとき、前記軸フランジの背面が密着重合する前記貫通穴の周囲の端面形状が、前記軸フランジの放射方向での肉厚変化に合わせて、前記取付用フランジの押出方向に垂直な断面において前記貫通穴の縁に近いほど前記基準面より後退した形状に形成され、前記断面において前記取付用フランジと軸フランジの前面が前記基準面に当接するようになっていることを特徴とするフランジ付き軸部材。
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