JP4412858B2 - 通信装置及びファクシミリ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、回線との通信を制御する網制御装置を有する通信装置及びファクシミリ装置、特に省電力効果の向上と誤動作の防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリ装置は、通常、常時連続的に使用するものでないため省電力モードが設けらている。この省電力モードのときは、省電力モード制御部にだけ電力を供給し、他の回路には電力を供給せずに、省電力モードからの復帰要因によって全体に電力を供給するようにしている。この省電力モードから復帰する方法として、例えば特開平3−265268号公報に示すように、電話回線に印加されている電圧を検出することにより外付けの電話機がループ状態であることを認識する方法がよく使われている。
【0003】
このファクシミリ装置に、近年は半導体を使用した網制御装置(以下、NCUという)が使用されている。このNCUは、極給電によって動作する1次側に配置された回線制御回路と2次側に配置されたシリアルインターフェース部(以下、シリアルI/F部という)とでデータの送受信を行うことで回線制御と送受信が可能であり、従来のフォトカプラとリレー等を組み合わせて構成するものと比べて省スペースと低コスト化が可能である。この半導体NCUをファクシミリ装置に使用した場合、省電力モードのときに、NCUのシリアルデータを処理する2次側のシリアルI/F部を動作させておかなければ並列に接続された電話機の回線閉結を認識できないため、省電力モード制御部とともにNCUのシリアルI/F部にも電力を供給しておく必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように省電力モードのときに、省電力モード制御部とともにNCUのシリアルI/F部にも電力を供給しておくと、従来の省電力モード制御部による信号監視により外付け電話機の回線閉結を認識して省電力モードから復帰している場合と比べて消費電力が増加してしまうという短所がある。
【0005】
この発明は係る短所を改善し、省電力効果の向上と誤動作の防止を図ることができる通信装置及びファクシミリ装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る通信装置は、網制御装置と、網制御装置の1次側に接続され、回線閉結を検出する回線閉結検出手段とを有し、網制御装置は、1次側に設けられ極給電により動作し2次側とシリアルデータ送受信を行うことによって回線制御と送受信データの授受を行う回線制御回路と、2次側に設けられシリアルインタフェース制御を行うシリアルインタフェース回路と、回線制御回路とシリアルインタフェース回路との間で絶縁状態でデータを送受信するデータ受渡し回路とを有し、省電力状態のときに、網制御装置のシリアルインタフェース回路を使用せずに、回線閉結検出手段により並列に接続された電話機の回線閉結を検出して省電力モードを復帰させることを特徴とする。
【0007】
この発明のファクシミリ装置は、網制御装置と、網制御装置の1次側に接続され、回線閉結を検出する回線閉結検出手段と、網制御装置の2次側に接続されたファクシミリシステム部とを有し、網制御装置は、1次側に設けられ極給電により動作し2次側とシリアルデータ送受信を行うことによって回線制御と送受信データの授受を行う回線制御回路と、2次側に設けられシリアルインタフェース制御を行うシリアルインタフェース回路と、回線制御回路とシリアルインタフェース回路との間で絶縁状態でデータを送受信するデータ受渡し回路とを有し、省電力状態のときに、網制御装置のシリアルインタフェース回路を使用せずに、回線閉結検出手段により並列に接続された電話機の回線閉結を検出し、ファクシミリシステム部の省電力モード制御部は回線閉結検出手段からの信号により省電力モードを復帰させることを特徴とする。
【0008】
上記網制御装置の回線制御回路と回線閉結検出手段の間にライン切断手段を設けることが望ましい。
【0009】
また、ファクシミリシステム部の省電力モード制御部にダイヤルパルス認識手段を設け、ダイヤルパルス認識手段で回線閉結検出手段からの信号によりダイヤルパルスを認識すると良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明のファクシミリ装置は、読取処理部や記録処理部,圧縮・復元部,通信制御部,ラインメモリ等を有し、装置全体の動作を制御するファクシミリシステム部と、モデムと、半導体を使用した網制御装置(NCU)と、回線閉結認識手段と外付け電話機を有する。ファクシミリシステム部には省電力モード制御部を有し、省電力モードのときに、省電力モード制御部にだけ電力が供給される。NCUは、1次側に設けられ回線制御と送受信データの授受を行う回線制御回路と、2次側に設けられシリアルインタフェース制御を行うシリアルインタフェース回路と、回線制御回路とシリアルインタフェース回路との間でデータを送受信するデータ受渡し回路を有する。
【0011】
このファクシミリ装置において省電力モードのとき、ファクシミリシステム部の省電力モード制御部を除いた部分とモデム及びNCUのシリアルI/F部の電力供給を遮断して消費電力を低減する。この省電力モードの状態で回線閉結認識手段で外付け電話機の回線締結を検出すると、回線閉結認識手段はファクシミリシステム部の省電力モード制御部に回線閉結信号を送る。省電力モード制御部は回線閉結信号が送られると、省電力モードから復帰させる。
【0012】
【実施例】
図1はこの発明の一実施例のファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。図に示すように、ファクシミリ装置1は、読取処理部や記録処理部,圧縮・復元部,通信制御部,ラインメモリ等を有し、装置全体の動作を制御するファクシミリシステム部2と、モデム3と、半導体を使用した網制御装置(NCU)4と、回線閉結認識手段5と、切断手段6及び外付け電話機7を有する。ファクシミリシステム部2には省電力モード制御部8を有し、省電力モードのときに、省電力モード制御部8にだけ電力が供給される。この省電力モード制御部8には通話とファクシミリ通信を切り換えるダイヤルパルス(DP)を認識するDP認識手段9を有する。NCU4は、1次側に設けられ極給電により動作し2次側とシリアルデータ送受信を行うことによって回線制御と送受信データの授受を行う回線制御回路10と、2次側に設けられシリアルインタフェース制御を行うシリアルインタフェース回路11と、例えばフォトカプラから構成され、回線制御回路10とシリアルインタフェース回路11との間でデータを送受信するデータ受渡し回路12を有する。回線閉結認識手段5は、例えばフォトカプラと電流センサ等からなり、外付け電話機7の回線閉結を検出してファクシミリシステム部2の省電力モード制御部8に2値化された呼出信号を送る。切断手段6は、例えばリレーやフォトMOSIC等からなり、回線閉結認識手段5とNCU4の回線制御回路10との間を接続するブリッジ回路13の2次側に設けられ、通常時は回線閉結認識手段5と回線制御回路10を接続し、省電力モードのときは回線閉結認識手段5と回線制御回路10の接続を遮断する。
【0013】
上記のように構成したファクシミリ装置1の動作を図2のフローチャートを参照して説明する。
【0014】
ファクシミリ装置1のメイン電源がオンにすると(ステップS1)、切断手段6をオンにして回線閉結認識手段5と回線制御回路10を接続する(ステップS2)。この状態でファクシミリ送受信するとき、NCU4で通信を制御して送受信を行う。このファクシミリ送受信があらかじめ定めた時間経過しての次の送受信が行われないとき省電力モードに移行する(ステップS3)。省電力モードに移行すると、ファクシミリシステム部2の省電力モード制御部8を除いた部分とモデム3及びNCU4のシリアルI/F部11の電力供給を遮断して消費電力を低減し、切断手段6をオフにして回線閉結認識手段5と回線制御回路10の接続を遮断する(ステップS4)。この省電力モードのときに、回線閉結認識手段5で外付け電話機7の回線締結を検出すると、回線閉結認識手段5はファクシミリシステム部2の省電力モード制御部8に回線閉結信号を送る(ステップS5)。省電力モード制御部8は回線閉結信号が送られると、ファクシミリシステム部2の省電力モード制御部8を除いた部分とモデム3及びNCU4のシリアルI/F部11に対する電力の供給をオンにして省電力モードから復帰させ(ステップS6)、切断手段6をオンにして回線閉結認識手段5と回線制御回路10を接続する(ステップS7)。このように省電力モードから復帰してから回線閉結認識手段5と回線制御回路10を接続して回線制御回路10に回線閉結を認識させることにより、省電力モードの復帰前に回線制御回路10からシリアルI/F部11にシリアルデータを送信することを防ぐことができる。
【0015】
回線閉結認識手段5と回線制御回路10を接続した後、NCU4のシリアルI/F部11で通信を制御してファクシミリ通信を行う(ステップS8)。このファクシミリ通信が終了して、所定時間内にファクシミリ送受信がないときは、再び省電力モードに移行する(ステップS9,S3,S4)。
【0016】
このように省電力モードのときに回線閉結認識手段5で外付け電話機7の回線締結を検出して省電力モードを復帰させるから、省電力モードのときにNCU4のシリアルI/F部11に供給する電力を遮断することができ、消費電力を大幅に低減して省電力効果を高めることができる。
【0017】
また、ファクシミリ装置1の機能にはダイヤルパルス(DP)によるリモート切換、すなわち外付け電話機からダイヤルパルスを発呼することで回線を電話通信とファクシミリ通信を切り換える機能がある。半導体を使用したNCU4ではダイヤルパルスを認識できず、逆に回線電圧が変動するため誤動作してしまう。このダイヤルパルス発呼時は回線電流がオン−オフするため回線閉結認識手段5にオン−オフ信号が入力される。そこで省電力モード制御部8のDP認識手段9はNCU4の情報ではなく回線閉結検出手段5に入力したオン−オフ信号を認識してリモート切換を行い、リモート切換の誤動作を防ぐ。
【0018】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、省電力状態のときに、回線制御と送受信データの授受を行う回線制御回路と、2次側に設けられシリアルインタフェース制御を行うシリアルインタフェース回路と、回線制御回路とシリアルインタフェース回路との間でデータを送受信するデータ受渡し回路を有するNCUのシリアルインタフェース回路を使用せずに、回線閉結検出手段により並列に接続された電話機の回線閉結を検出して省電力モードを復帰させるようにしたから、省電力モードのときにNCUのシリアルI/F回路に供給する電力を遮断することができ、消費電力を大幅に低減して省電力効果を高めることができる。
【0019】
また、上記網制御装置の回線制御回路と回線閉結検出手段の間にライン切断手段を設け、省電力モードから復帰してから回線閉結認識手段と回線制御回路を接続して回線制御回路に回線閉結を認識させることにより、省電力モードの復帰前に回線制御回路からシリアルI/F回路にシリアルデータを送信することを防ぐことができ、誤動作が生じることを防止できる。
【0020】
さらに、ファクシミリシステム部の省電力モード制御部にダイヤルパルス認識手段を設け、ダイヤルパルス認識手段で回線閉結検出手段からの信号によりダイヤルパルスを認識することにより、回線を電話通信とファクシミリ通信とに切り換えるときの誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施例の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1;ファクシミリ装置、2;ファクシミリシステム部、3;モデム、
4;網制御装置(NCU)、5;回線閉結認識手段、6;切断手段、
7;外付け電話機、8;省電力モード制御部、9;DP認識手段、
10;回線制御回路、11;シリアルインタフェース回路、
12;データ受渡し回路、13;ブリッジ回路。
Claims (5)
- 網制御装置と、網制御装置の1次側に接続され、回線閉結を検出する回線閉結検出手段とを有し、
網制御装置は、1次側に設けられ極給電により動作し2次側とシリアルデータ送受信を行うことによって回線制御と送受信データの授受を行う回線制御回路と、2次側に設けられシリアルインタフェース制御を行うシリアルインタフェース回路と、回線制御回路とシリアルインタフェース回路との間で絶縁状態でデータを送受信するデータ受渡し回路とを有し、
省電力状態のときに、網制御装置のシリアルインタフェース回路を使用せずに、回線閉結検出手段により並列に接続された電話機の回線閉結を検出して省電力モードを復帰させることを特徴とする通信装置。 - 上記網制御装置の回線制御回路と回線閉結検出手段の間にライン切断手段を設けた請求項1記載の通信装置。
- 網制御装置と、網制御装置の1次側に接続され、回線閉結を検出する回線閉結検出手段と、網制御装置の2次側に接続されたファクシミリシステム部とを有し、
網制御装置は、1次側に設けられ極給電により動作し2次側とシリアルデータ送受信を行うことによって回線制御と送受信データの授受を行う回線制御回路と、2次側に設けられシリアルインタフェース制御を行うシリアルインタフェース回路と、回線制御回路とシリアルインタフェース回路との間で絶縁状態でデータを送受信するデータ受渡し回路とを有し、
省電力状態のときに、網制御装置のシリアルインタフェース回路を使用せずに、回線閉結検出手段により並列に接続された電話機の回線閉結を検出し、ファクシミリシステム部の省電力モード制御部は回線閉結検出手段からの信号により省電力モードを復帰させることを特徴とするファクシミリ装置。 - 上記網制御装置の回線制御回路と回線閉結検出手段の間にライン切断手段を設けた請求項3記載のファクシミリ装置。
- 上記ファクシミリシステム部の省電力モード制御部にダイヤルパルス認識手段を有し、ダイヤルパルス認識手段で回線閉結検出手段からの信号によりダイヤルパルスを認識する請求項3又は4記載のファクシミリ装置。
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