JP4412775B2 - 遅延信号生成装置およびその遅延量を調整する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遅延信号を生成する遅延信号生成装置に関し、特に、遅延信号の遅延時間を正確に調整することができる遅延信号生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、半導体試験装置において用いられる従来の遅延信号生成装置50を示す。遅延信号生成装置50は、所定のタイミングで入力信号を遅延する遅延信号生成機能と、遅延信号の遅延時間を測定する遅延時間測定機能とを有する。遅延信号生成装置50は、遅延信号を生成するための構成として、遅延部10、選択部12、14、可変遅延部16、18、および信号切替部20を備える。また、遅延信号生成装置50は、遅延時間を測定するための構成として、周期測定部22、ループ形成部32、ANDゲート24、28およびORゲート26、30を有する。ループ形成部32は、ループを形成するか否かを定めるCTRL1信号が入力されるANDゲート34を有する。
【0003】
遅延部10は、それぞれ異なる遅延量を有する複数の遅延素子N1〜Nnを有する。また、可変遅延部16または18は、所望の正確な微小遅延量を生成することができる。選択部12または14は、入力される選択信号に基づいて、複数の遅延素子により遅延された遅延信号の一つを選択し、可変遅延部16または18に出力する。信号切替部20は、可変遅延部16または18の出力を受けて、所定の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングを有する信号を出力する。
【0004】
遅延素子N1〜Nnは、期待される所定の設計遅延量を有するように形成されることが望ましい。しかしながら、現実には、遅延素子の品質のばらつきなどによって、遅延素子により実際に与えられる遅延時間と設計した遅延時間との間に誤差が生じる場合がある。この誤差を解消するために、所定の遅延時間を生成するための遅延素子N1〜Nnおよび可変遅延部16または18の遅延量の最適な組み合わせを、測定により実際に求める必要がある。そこで、従来は、ループ法と呼ばれる測定法を用いて、遅延素子を含んだ経路の遅延時間を測定する。
【0005】
遅延素子N1を含んだ経路の遅延時間を測定するために、まず論理値HのCTRL1信号をANDゲート34に入力することによって、遅延素子N1を含むループ経路を形成する。ORゲート36の一方の入力から、パルスを遅延素子N1に入力する。選択部12は、遅延素子N1を通って遅延されたパルスを出力する。可変遅延部16を通ったパルスは、ANDゲート34、ORゲート36を通って、遅延素子N1に再度入力される。周期測定部22は、所定の時間、パルスをカウントすることによってループの周期を測定し、遅延素子N1を含むループ経路の遅延時間を測定する。他の遅延素子N2〜Nnについても、ループ法を用いて同様の測定を行う。図示していないが、可変遅延部18を通る経路についても、ループ形成部32が設けられ、遅延素子N1〜Nnを含んだ経路の遅延時間が測定される。
【0006】
また、可変遅延部16の遅延時間を測定するためには、CTRL2を用いて、可変遅延部16のループ経路を形成する。可変遅延部16を通ったパルスは、ANDゲート24およびORゲート26を通って、再度可変遅延部16に入力される。周期測定部22は、所定の時間、パルスをカウントすることによってループの周期を測定し、可変遅延部16の遅延時間を測定する。可変遅延部18の遅延時間についても、同様にループ法を用いて測定する。このように、従来は、ループ法を用いて、各遅延素子N1〜Nnを含んだ経路の遅延時間と、可変遅延部16および18の遅延時間とを測定し、それらの測定結果に基づいて遅延素子N1〜Nnの遅延量の相対的な位相差を求めていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ループ法によるループ発振周期測定は、入力パルスがループを所定期間一定の周期で回る特殊な環境下で行われる。この環境は、実際の半導体試験時の環境と大きく異なっている。遅延素子N1〜NnがCMOS回路で構成されているとき、遅延素子を通過する信号の周期によって、ループ法により調整された遅延時間と、実際の動作時の遅延時間との間に誤差が生じることがある。また、CMOS回路は、電圧変動や温度変化によって出力特性を変えるため、ループ法による周期測定の環境と異なる実動作時においては、調整された遅延時間と、実動作時の遅延時間との間に誤差が生じることがある。さらに、信号線路も、外乱の影響を受けるので、特殊な環境下で測定された測定結果を実動作時に必ずしも適用することができない。このような理由から、ループ法により測定された遅延素子N1〜Nnの遅延量の位相差は、遅延信号生成装置50の実動作時において誤差を含んでいることがある。遅延信号生成装置50が正確な遅延信号を生成するためには、位相誤差が取り除かれる必要がある。
【0008】
遅延信号生成装置50は、被試験デバイス62のピン毎に設けられる。複数の遅延信号生成装置50が、スキューの揃った正確な遅延信号を生成するためには、一つの遅延信号生成装置50内部の遅延素子N1〜Nn間の相対的な位相誤差を求め、且つ、複数の遅延信号生成装置50の間の相対的な位相差を測定する必要がある。複数の遅延信号生成装置の間の相対的な位相差は、絶対の位相基準からのずれを測定することによって求めることができる。本発明は、遅延信号生成装置の遅延素子N1〜Nn間の相対的な位相誤差を求め、位相誤差に基づいて、遅延信号の遅延量を調整することを目的とする。
【0009】
本発明は、各遅延経路の位相誤差を求めて、正確な遅延時間を生成する遅延信号生成装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態は、入力された基準信号を異なる時間だけ遅延した、複数の遅延信号を出力する複数の遅延素子を有する遅延部と、複数の遅延信号のうち一つの遅延信号を選択する第1選択部と、第1選択部により選択された遅延信号を、所望の遅延時間だけ遅延させることができる第1可変遅延部と、複数の遅延信号のうち一つの遅延信号を選択する第2選択部と、第2選択部により選択された遅延信号を、所望の遅延時間だけ遅延させることができる第2可変遅延部と、第1可変遅延部の出力と第2可変遅延部の出力の位相を比較する比較部と、比較部における比較結果に基づいて、第1可変遅延部の出力または第2可変遅延部の出力の位相誤差を算出する誤差算出部と、位相誤差に基づいて、第1可変遅延部または第2可変遅延部の遅延量を調整する遅延量調整部とを備えたことを特徴とする遅延信号生成装置を提供する。
【0011】
また、本発明の第2の形態は、入力された基準信号を、異なる時間だけ遅延した複数の遅延信号を出力する複数の遅延素子を有する遅延部を備えた遅延信号生成装置において、基準信号を複数の所定時間だけ遅延させるように予め定められた遅延設定データによる遅延量を調整する遅延量調整方法であって、複数の遅延素子の一つである第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択する第1選択ステップと、第1選択ステップにおいて選択された第1遅延信号を、基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる第1遅延ステップと、第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択する第2選択ステップと、第2選択ステップにおいて選択された第1遅延信号を、基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる第2遅延ステップと、第1遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号の位相と、第2遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号の位相を比較して、第1位相差を測定する第1比較ステップと、第1比較ステップにおける比較結果に基づいて、遅延設定データによる遅延量を調整するステップとを備えることを特徴とする遅延量調整方法を提供する。
【0012】
遅延量調整方法は、複数の遅延素子の一つである第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択する第3選択ステップと、第3選択ステップにおいて選択された第2遅延信号を、基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる第3遅延ステップと、第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択する第4選択ステップと、第4選択ステップにおいて選択された第1遅延信号を、基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる第4遅延ステップと、第3遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の位相と、第4遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号の位相を比較して、第2位相差を測定する第2比較ステップと、第2比較ステップにおける比較結果を利用して、第1遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号と、第3遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の第1位相誤差を算出する第1算出ステップと、第1算出ステップにより算出された第1位相誤差に基づいて、遅延設定データによる遅延量を調整するステップとを備えることを特徴とする。第1算出ステップは、第1比較ステップにおいて測定された第1位相差と、第2比較ステップにおいて測定された第2位相差に基づいて、第1位相誤差を算出するステップを有してもよい。
【0013】
また、遅延量調整方法は、第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択する第5選択ステップと、第5選択ステップにおいて選択された第2遅延信号を、基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる第5遅延ステップと、第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択する第6選択ステップと、第6選択ステップにおいて選択された第2遅延信号を、基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる第6遅延ステップと、第5遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の位相と、第6遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の位相を比較して、第3位相差を測定する第3比較ステップと、第3比較ステップにおける比較結果を利用して、第2遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号と、第6遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の第2位相誤差を算出する第2算出ステップと、第2算出ステップにより算出された第2位相誤差に基づいて、遅延設定データによる遅延量を調整するステップとを備えることを特徴とする。第2算出ステップは、第3比較ステップにおいて測定された第3位相差と、第1位相誤差に基づいて、第2位相誤差を算出するステップを有してもよい。
【0014】
本発明の第3の形態は、入力された基準信号を、異なる時間だけ遅延した複数の遅延信号を出力する複数の遅延素子を有する遅延部と、複数の遅延信号のうち一つの遅延信号を選択する第1選択部と、第1選択部により選択された遅延信号を、所望の遅延時間だけ遅延させることができる第1可変遅延部と、複数の遅延信号のうち一つの遅延信号を選択する第2選択部と、第2選択部により選択された遅延信号を、所望の遅延時間だけ遅延させることができる第2可変遅延部とを備えた遅延信号生成装置において、基準信号を複数の所定時間だけ遅延させるように予め定められた第1可変遅延部または第2可変遅延部の遅延設定データによる遅延量を調整する遅延量調整方法であって、第1選択部が、複数の遅延素子の一つである第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択する第1選択ステップと、第1可変遅延部が、遅延設定データに基づいて、第1選択ステップにおいて選択された第1遅延信号を、基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように遅延させる第1遅延ステップと、第2選択部が、第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択する第2選択ステップと、第2可変遅延部が、遅延設定データに基づいて、第2選択ステップにおいて選択された第1遅延信号を、基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように遅延させる第2遅延ステップと、第1遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号の位相と、第2遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号の位相を比較して、第1位相差を測定する第1比較ステップと、第1比較ステップにおける比較結果に基づいて、遅延設定データによる遅延量を調整するステップとを備えることを特徴とする。
【0015】
遅延量調整方法は、第1選択部が、複数の遅延素子の一つである第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択する第3選択ステップと、第1可変遅延部が、遅延設定データに基づいて、第3選択ステップにおいて選択された第2遅延信号を、基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように遅延させる第3遅延ステップと、第2選択部が、第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択する第4選択ステップと、第2可変遅延部が、遅延設定データに基づいて、第4選択ステップにおいて選択された第1遅延信号を、基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように遅延させる第4遅延ステップと、第3遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の位相と、第4遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号の位相を比較して、第2位相差を測定する第2比較ステップと、第1比較ステップにおいて測定された第1位相差と、第2比較ステップにおいて測定された第2位相差に基づいて、第1遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号と、第3遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の第1位相誤差を算出する第1算出ステップと、第1算出ステップにより算出された第1位相誤差に基づいて、遅延設定データによる遅延量を調整するステップとを備えることを特徴とする。
【0016】
遅延量調整方法は、第1選択部が、第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択する第5選択ステップと、第1可変遅延部が、遅延設定データに基づいて、第5選択ステップにおいて選択された第2遅延信号を、基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように遅延させる第5遅延ステップと、第2選択部が、第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択する第6選択ステップと、第2可変遅延部が、遅延設定データに基づいて、第6選択ステップにおいて選択された第2遅延信号を、基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように遅延させる第6遅延ステップと、第5遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の位相と、第6遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の位相を比較して、第3位相差を測定する第3比較ステップと、第3比較ステップにおいて測定された第3位相差と、第1位相誤差に基づいて、第2遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号と、第6遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の第2位相誤差を算出する第2算出ステップと、第2算出ステップにより算出された第2位相誤差に基づいて、遅延設定データによる遅延量を調整するステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の第4の形態は、入力された基準信号を、異なる時間だけ遅延した複数の遅延信号を出力する複数の遅延素子を有する遅延部を備えた遅延信号生成装置において、基準信号を複数の所定時間だけ遅延させるように予め定められた遅延設定データに基づいて遅延された、異なる遅延素子を通る2つの遅延信号の位相誤差を算出する位相誤差算出方法であって、複数の遅延素子の一つである第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択する第1選択ステップと、第1選択ステップにおいて選択された第1遅延信号を、基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる第1遅延ステップと、第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択する第2選択ステップと、第2選択ステップにおいて選択された第1遅延信号を、基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる第2遅延ステップと、第1遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号の位相と、第2遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号の位相を比較して、第1位相差を測定する第1比較ステップとを備えることを特徴とする。
【0018】
位相誤差算出方法は、複数の遅延素子の一つである第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択する第3選択ステップと、第3選択ステップにおいて選択された第2遅延信号を、基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる第3遅延ステップと、第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択する第4選択ステップと、第4選択ステップにおいて選択された第1遅延信号を、基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる第4遅延ステップと、第3遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の位相と、第4遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号の位相を比較して、第2位相差を測定する第2比較ステップと、第1比較ステップにおいて測定された第1位相差と、第2比較ステップにおいて測定された第2位相差に基づいて、第1遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号と、第3遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の第1位相誤差を算出する第1算出ステップとを備えることを特徴とする。
【0019】
また、位相誤差算出方法は、第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択する第5選択ステップと、第5選択ステップにおいて選択された第2遅延信号を、基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる第5遅延ステップと、第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択する第6選択ステップと、第6選択ステップにおいて選択された第2遅延信号を、基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる第6遅延ステップと、第5遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の位相と、第6遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の位相を比較して、第3位相差を測定する第3比較ステップと、第3比較ステップにおいて測定された第3位相差と、第1位相誤差に基づいて、第2遅延ステップにおいて遅延された第1遅延信号と、第6遅延ステップにおいて遅延された第2遅延信号の第2位相誤差を算出する第2算出ステップとを備えることを特徴とする。
【0020】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図2は、被試験デバイス62を試験する半導体試験装置60のブロック図である。この半導体試験装置60は、パターン発生器52、波形整形器54、タイミング発生器66、信号入出力部56および出力判定部58を備える。タイミング発生器66は、複数の遅延信号生成装置100を有する。
【0023】
パターン発生器52が、被試験デバイス62に入力する入力パターン、および基準信号を発生する。入力パターンは波形整形器54に供給され、基準信号はタイミング発生器66に供給される。タイミング発生器66は、基準信号を遅延させる複数の遅延信号生成装置100を内部に有する。遅延信号生成装置100は、所定の遅延時間を生成する遅延素子の組み合わせに関する遅延設定データを格納したメモリを有している。メモリには、予めループ法などにより測定された遅延設定データが格納されている。メモリに格納される遅延設定データは、例えば、遅延素子の設計時に期待される設計遅延値であってもよい。本発明においては、遅延信号生成装置100は、遅延設定データによる遅延量を調整し、正確な遅延時間を有する遅延信号を生成する。タイミング発生器66は、被試験デバイス62の入力特性または試験項目などに応じて、被試験デバイス62の1各ピンに対する所望の遅延信号を出力する。
【0024】
タイミング発生器66から出力された遅延信号が、波形整形器54に供給される。波形整形器54は、遅延信号に基づいて入力パターンを遅延し、遅延された入力パターンである遅延パターンを信号入出力部56に供給する。この実施形態においては、遅延信号生成装置100がタイミング発生器66に組み込まれているが、別の実施形態においては、遅延信号生成装置100が波形整形器54に組み込まれてもよい。この場合、遅延信号生成装置100は、被試験デバイス62の入力特性に応じて、入力パターンを所定時間遅延した遅延パターンを出力する。
【0025】
被試験デバイス62は、信号入出力部56を介して遅延パターンを受け取り、受け取った遅延パターンに基づいて、出力信号を出力判定部58に出力する。例えば、被試験デバイス62がメモリデバイスであれば、遅延パターンに基づいて被試験デバイス62に格納されたデータが出力信号として出力され、被試験デバイス62が演算装置であれば、遅延パターンに基づいて演算された演算結果が出力信号として出力される。本実施形態において、被試験デバイス62の出力信号は、タイミング発生器66でタイミングを測定されてから、出力判定部58に供給されてもよい。被試験デバイス62の出力特性の試験時においては、タイミング発生器66で所望の時間遅延された遅延信号と、被試験デバイス62の出力タイミングとが比較され、出力信号のタイミングが測定される。
【0026】
パターン発生器52は、正常な被試験デバイス62に出力応答として期待される期待値パターンを出力判定部58に出力する。出力判定部58は、被試験デバイス62の出力信号と期待値パターンとが一致するか否かを検出することにより、被試験デバイス62の良否を判定する。
【0027】
図3は、半導体試験装置60における遅延信号生成装置100の構成を示す。遅延信号生成装置100は、所定のタイミングで入力信号を遅延させることができる遅延信号生成機能と、遅延信号の遅延時間を測定するための遅延時間測定機能を有する。遅延信号生成装置100は、遅延信号を生成するための構成として、遅延部10、選択部12、14、可変遅延部16、18、信号切替部20、および選択信号供給部70、72を備える。また、遅延信号生成装置100は、ループ法により基準信号を所定時間だけ遅延させる遅延設定データを得るための構成として、周期測定部22、ループ形成部32、ANDゲート24、28およびORゲート26、30を有する。ループ形成部24は、ループを形成するか否かを定めるCTRL1信号が入力されるANDゲート34を有する。図1に示された従来の遅延信号生成装置50において付された符号と同一の符号を付された構成は、対応する構成と同一の機能および動作を実現することができる。
【0028】
本実施形態による遅延信号生成装置100は、更に、ループ法により得られた遅延設定データによる遅延量を調整するための構成として、遅延量調整部74、76、78、選択部80、選択信号供給部92、可変遅延部90、比較部82、判定部84および誤差算出部86を備える。
【0029】
遅延部10は、入力される遅延信号をそれぞれ異なる時間だけ遅延する複数の遅延素子N1〜Nnを有する。各遅延素子N1〜Nnは、例えばCMOS回路などにより構成される。図3において、各遅延素子N1〜Nnは、互いに並列に接続されているが、遅延部10は、直列に接続された遅延素子のそれぞれから異なる遅延時間を有する遅延信号を取り出すように構成されてもよい。遅延部10は、基準信号を異なる時間だけ遅延した、複数の遅延信号を出力することができる。例えば、遅延素子N1は、0の設計遅延量を有し、遅延素子N2は、4nsの設計遅延量を有し、遅延素子Nnは、4・(n−1)nsの設計遅延量を有するように構成されてもよい。
【0030】
可変遅延部16、18および90は、所望の正確な遅延量を生成することができる。可変遅延部16、18および90は、遅延部10から出力された遅延信号を更に遅延させて、基準信号から所望の時間だけ正確に遅延した信号を出力することができる機能を有する。可変遅延部16、18および90は、例えば数ピコ秒のオーダの遅延分解能を有するのが好ましい。
【0031】
選択部12、14または80は、入力される選択信号に基づいて、複数の遅延素子N1〜Nnにより遅延された遅延信号のうちの一つの遅延信号を選択して出力する。選択信号は、遅延部10から供給される遅延信号のいずれを選択するかを指定する。選択部12、14または80は、例えばマルチプレクサとして構成される。選択部12は、選択信号供給部70から選択信号を供給され、選択部14は、選択信号供給部72から選択信号を供給され、選択部80は、選択信号供給部92から選択信号を供給される。
【0032】
信号切替部20は、可変遅延部16または18の出力を受けて、所定の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングを有する信号を、出力ポート94から出力する。本実施形態では、信号切替部20が、RSフリップフロップとして構成されているが、他のフリップフロップなどにより構成されてもよい。
【0033】
図2を参照して、遅延信号生成装置100がタイミング発生器66として用いられる場合、出力ポート94から出力される遅延信号は、波形整形器54に供給される。波形整形器54は、遅延信号による遅延タイミングに基づいて、パターン発生器52から供給される入力パターンを遅延させ、信号入出力部56に出力する。また、遅延信号生成装置100が波形整形器54として用いられる場合、波形整形器54は、パターン発生器52から供給される入力パターンを遅延部10および可変遅延部16、18で遅延させ、遅延パターンを出力ポート94から信号入出力部56に供給する。
【0034】
遅延信号生成装置100は、前述したように、ループ法を用いて、予め各遅延素子を通過する経路の遅延時間を測定する。測定結果は、所定の遅延時間を生成する遅延素子N1〜Nnのうちのいずれかの遅延素子と、可変遅延部16、18、90の遅延量の組み合わせに関するデータである遅延設定データとしてメモリ(図示せず)に格納されるのが好ましい。例えば、入力される基準信号を5ns遅延させたいとき、設計遅延量4nsのN1と、各可変遅延部16、18、90の遅延量の組み合わせに関するデータが、メモリに格納される。遅延部10から各可変遅延部16、18、90の間に存在する経路および素子などにより、所定の遅延時間を生成するための各可変遅延部16、18、90の遅延量は、必ずしも一致しない。メモリは、遅延量調整部74、76、78の各々に設けられてもよく、また遅延量調整部74、76、78とは独立して設けられてもよい。基準信号を遅延させるとき、遅延設定データは、各選択信号供給部70、72、92および各可変遅延部16、18、90に供給され、選択する遅延素子N1〜Nnおよび可変遅延部16、18または90の遅延量を定める。
【0035】
本実施形態において、遅延設定データは、ループ法により測定された測定結果であることが望ましいが、別の実施例では、各遅延素子N1〜Nnの設計遅延値に関するデータであってもよい。このとき、5nsの遅延設定データは、4nsの設計遅延量を有する遅延素子N1を選択し、可変遅延部16、18または90の遅延量を1nsに設定するデータとなる。遅延設定データは、基準信号を所定時間だけ遅延させるように予め定められたデータであればよい。また、遅延設定データは、基準信号を複数の所定時間遅延させるデータであることが望ましい。例えば、1ns、5ns、7ns、9ns、11ns・・・などの遅延時間を生成するためのデータが、遅延設定データとして予めメモリに格納される。
【0036】
次に、予め定められた遅延設定データによる遅延量を、遅延信号生成装置100の実動作時の環境に適合するように調整する構成について説明する。遅延信号生成装置100は、遅延信号を出力ポート94を介して外部に出力する経路とは別に、遅延部10から出力される遅延信号を可変遅延部90に供給する調整用経路を有する。
【0037】
選択部80は、選択信号供給部92から供給される選択信号に基づいて、遅延部10から出力される複数の遅延信号のうち一つの遅延信号を選択する。可変遅延部90は、選択部80により選択された遅延信号を、基準信号から所望の遅延時間だけ遅れるように遅延させることができる。可変遅延部90の出力は、比較部82に供給される。また、比較部82には、信号切替部20の出力も供給される。比較部82は、データ入力Dとクロック入力CLKを有するラッチ回路であり、データ入力Dには、信号切替部20の出力が入力され、クロック入力CLKには、可変遅延部90の出力が入力される。
【0038】
以下に、可変遅延回路16を通過する遅延信号と、可変遅延回路90を通過する遅延信号の位相誤差を測定および算出する方法について説明する。
【0039】
まず、所定の遅延時間T1を生成するために、遅延時間T1の遅延設定データに基づいて、選択部12および80が、遅延素子N1から出力された遅延信号を選択し、可変遅延部16および可変遅延部90が、この遅延信号を基準信号から時間T1だけ遅れるように、互いに独立して遅延量を調整し、遅延信号を遅延させる。
【0040】
比較部82は、可変遅延部16の出力と、可変遅延部90の出力の位相を比較する。遅延設定データが、ループ法により得られた測定結果であるとき、ループ法による測定環境と同一の環境下においては、可変遅延部16と可変遅延部90の出力位相は、原則として一致し、これらの出力は、正確に遅延時間T1を有するはずである。しかし、遅延信号生成装置100の実動作時の環境に実質的に等しい位相誤差測定時の環境は、電源電圧値または温度などの点においてループ法による測定環境と異なっているため、遅延設定データに基づく可変遅延部16と可変遅延部90の出力位相は、必ずしも一致しない。
【0041】
比較部82は、可変遅延部90の出力の立上がりで、データ入力Dに入力されている信号を出力する。判定部84は、比較部82の出力に基づいて、可変遅延部16の出力と、可変遅延部90の出力の位相とが一致しているか否かを判定する。位相が一致していなければ、判定部84は、遅延量調整部78に位相が一致していないことを通知し、遅延量調整部78は、可変遅延部90の遅延量を調整し、可変遅延部90の出力位相をずらす。判定部84は、比較部82の出力が論理値H(ハイ)からL(ロー)、又はLからHに切り替わったことを検出すると、可変遅延部16の出力と可変遅延部90の出力の位相が一致したことを判定する。このように、比較部82は、可変遅延部16の出力と可変遅延部90の出力の位相を比較して、可変遅延部90の出力タイミングで可変遅延部16の出力の変化点をサーチすることにより、両者の位相を一致させ、両出力の第1位相差を測定する。このようにして得られた第1位相差は、遅延素子N1から可変遅延部16までの経路と、遅延素子N1から可変遅延部90までの経路の時間差に相当する。
【0042】
半導体デバイス試験時において、遅延時間T1を有する遅延信号を生成するときには、遅延量調整部74または78は、測定された第1位相差に基づいて、遅延時間T1の遅延設定データによる遅延量を調整することができる。複数の遅延信号生成装置100の間で出力位相を調整し、スキューの揃った遅延信号を生成するためには、前述したように、遅延信号生成装置間で、絶対位相基準からのずれ(位相差)を予め求めておく。遅延量調整部74または78は、絶対位相基準からの位相差と、測定された第1位相差に基づいて、遅延時間T1の遅延設定データによる遅延量を調整する。
【0043】
続いて、所定の遅延時間T2を生成するために、遅延時間T2の遅延設定データに基づいて、選択部12が、遅延素子N2から出力された遅延信号を選択し、可変遅延部16が、この遅延信号を、基準信号から時間T2だけ遅れるように、遅延させる。一方、選択部80は、遅延時間T2の遅延設定データに基づいて、遅延素子N1から出力された遅延信号を選択し、可変遅延部90が、この遅延信号を基準信号から時間T2だけ遅れるように遅延させる。
【0044】
比較部82は、可変遅延部16の出力と、可変遅延部90の出力の位相を比較する。判定部84は、比較部82の出力に基づいて、可変遅延部16の出力と、可変遅延部90の出力の位相とが一致しているか否かを判定する。両者の位相が一致していなければ、遅延量調整部78は、可変遅延部90の遅延量を調整して、可変遅延部16の出力の変化点をサーチすることにより、両者の位相を一致させ、比較部82が、両者の第2位相差を測定する。
【0045】
誤差算出部86は、第2位相差と、第1位相差とに基づいて、可変遅延部16の出力において、遅延素子N1を含む経路と、遅延素子N2を含む経路との第1位相誤差を算出する。半導体デバイス試験時において、可変遅延部16から遅延時間T2を有する遅延信号を出力するときには、遅延量調整部74は、算出された第1位相誤差に基づいて、遅延時間T2の遅延設定データによる遅延量を調整することができる。遅延量調整部74は、絶対位相基準からの位相差と、算出された第1位相誤差に基づいて、遅延時間T1の遅延設定データによる遅延量を調整する。第1位相誤差を用いれば、遅延素子N1と可変遅延部16の間、および遅延素子N2と可変遅延部16の間に存在する誤差要因を考慮することなく、遅延時間T2から可変遅延部16による可変遅延量の範囲内にある遅延時間を有する遅延信号を、正確に生成することが可能となる。
【0046】
続いて、所定の遅延時間T3を生成するために、遅延時間T3の遅延設定データに基づいて、選択部12が、遅延素子N2から出力された遅延信号を選択し、可変遅延部16が、この遅延信号を、基準信号から時間T3だけ遅れるように、遅延させる。同様に、選択部80は、遅延時間T3の遅延設定データに基づいて、遅延素子N2から出力された遅延信号を選択し、可変遅延部90が、この遅延信号を基準信号から時間T3だけ遅れるように遅延させる。
【0047】
比較部82は、可変遅延部16の出力と、可変遅延部90の出力の位相を比較する。判定部84は、比較部82の出力に基づいて、可変遅延部16の出力と、可変遅延部90の出力の位相とが一致しているか否かを判定する。両者の位相が一致していなければ、遅延量調整部78は、可変遅延部90の遅延量を調整して、可変遅延部16の出力の変化点をサーチすることにより、両者の位相を一致させ、比較部82が、両者の第3位相差を測定する。
【0048】
誤差算出部86は、第3位相差と、第1位相誤差とに基づいて、可変遅延部90の出力において、遅延素子N1を含む経路と、遅延素子N2を含む経路との第2位相誤差を算出する。半導体デバイス試験時において、可変遅延部90から遅延時間T3を有する遅延信号を出力するときには、遅延量調整部78は、算出された第2位相誤差に基づいて、遅延時間T2の遅延設定データによる遅延量を調整することができる。具体的には、遅延量調整部74は、絶対位相基準からの位相差と、算出された第2位相誤差に基づいて、遅延時間T2の遅延設定データによる遅延量を調整する。第2位相誤差を用いれば、遅延素子N1と可変遅延部90の間、および遅延素子N2と可変遅延部90の間に存在する誤差要因を考慮することなく、遅延時間T2から可変遅延部90による可変遅延量の範囲内にある遅延時間を有する遅延信号を、正確に生成することが可能となる。
【0049】
本実施形態においては、まず、遅延素子N1〜Nnから一つの遅延素子を含んだ2つの経路を通過する遅延信号の位相差を測定し、両経路を通過する遅延信号の位相差を算出する。次に、2つの経路のうち第1経路のみの遅延素子を切り替え、第2経路については、元の遅延素子を用いて、第1経路における異なる遅延素子間の位相誤差を算出する。それから、第1経路の遅延素子を固定し、第2経路の遅延素子を第1経路のものに切り替えて、第2経路における異なる遅延素子間の位相誤差を算出する。本発明による位相誤差の算出方法は、第1経路または第2経路のいずれか一方の経路の遅延素子を固定し、他方の遅延素子を切り替えて、固定した経路の遅延時間を基準とし、切り替えた経路における遅延素子間の位相誤差を順次算出することを一つの特徴とする。
【0050】
図4は、図3の遅延信号生成装置100の位相誤差測定機能を具体的に説明するためのタイミングチャートである。以下に、可変遅延部16と可変遅延部90の出力に基づいて、異なる遅延素子を含む経路の位相誤差を算出する方法について説明する。尚、可変遅延部18についても、以下に説明する方法を用いて、異なる遅延素子を含む経路間の位相誤差を算出することができる。
【0051】
図4において、上段は、可変遅延部16および90が出力するべき遅延信号の遅延設定点を示す。中段は、可変遅延部16の実際の出力タイミングを表現し、下段は、可変遅延部90の実際の出力タイミングを表現する。タイミングチャート中、上向きの矢印は、可変遅延部16または90から実際に出力された遅延信号の前縁を示す。説明の便宜上、図中、各遅延信号を番号によって特定する。また、タイミングチャート中の下線を付された時間は、遅延素子を切り替えて得られた遅延時間であることを示す。以下に、図3を参照して、遅延設定点T1(=1ns)、T2(=5ns)、T3(=7ns)、T4(=9ns)およびT5(=11ns)で、可変遅延部16または90を含む2つの経路のいずれか一方の遅延素子を切り替え、異なる遅延素子を含む経路の位相誤差を算出する方法について説明する。図3に示される各遅延素子N1〜Nnは、4・(n−1)nsの設計遅延量を有している。
【0052】
まず、遅延設定データに基づいて遅延時間T1(=1ns)を実現するときの、可変遅延部16と可変遅延部90の出力の位相差P0を測定する。選択部12および80が、設計遅延量0の遅延素子N1から出力された第1遅延信号を選択する。可変遅延部16および90のそれぞれが、第1遅延信号を、基準信号から1nsだけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる。その結果、可変遅延部16から出力された遅延信号▲1▼は、1nsの遅延時間を有して生成され、可変遅延部90から出力された遅延信号▲2▼は、0.99nsの遅延時間を有して生成される。従って、可変遅延部16の出力と可変遅延部90の出力の位相差P0は、
P0=(1−0.99)=0.01ns
と測定される。
【0053】
続いて、遅延設定データに基づいて遅延時間T2(=5ns)を実現するときの、可変遅延部16の出力における位相誤差M1を算出する方法について説明する。選択部12が、遅延素子を切り替えて、設計遅延量4nsの遅延素子N2から出力された第2遅延信号を選択する。選択部80は、遅延素子を切り替えず、遅延素子N1から出力された第1遅延信号を選択する。可変遅延部16は、第2遅延信号を、基準信号から5nsだけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる。また、可変遅延部90は、第1遅延信号を、基準信号から5nsだけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる。
【0054】
可変遅延部90は、遅延信号▲2▼を正確に4ns遅延し、4.99nsの遅延時間を有する遅延信号▲4▼を生成する。遅延信号▲3▼は、遅延信号▲1▼との理想的な位相差(4ns)を保っているならば、(1+4)=5nsの遅延をもって生成される必要がある。しかし、実際には、可変遅延部16を含む経路の遅延素子をN1からN2に切り替えたことによって、遅延信号▲3▼は、4.85nsの遅延時間を有して生成されている。この誤差は、主として、遅延設定データを得たときの環境と、遅延信号生成装置100の実動作時に等しい位相誤差測定時の環境とが異なるために、電圧や温度の変動によって、遅延素子N1とN2の動作率が異なることによって生じる。比較部82は、可変遅延部16の出力と可変遅延部90の出力の位相を比較し、位相差P1を測定する。位相差P1は、
P1=(4.85−4.99)=−0.14ns
と測定される。
【0055】
このとき、可変遅延部16の出力において、遅延素子N1を含む経路と遅延素子N2を含む経路の位相誤差M1は、
M1=P1−P0=(−0.14−0.01)ns=−0.15ns
と算出される。このように、位相誤差M1は、測定された位相差P1と、可変遅延部16と可変遅延部90のオフセットである位相差P0に基づいて算出される。可変遅延部16の出力の位相誤差M(2m-1)の符号は、遅延信号▲1▼に対して位相が遅れているか進んでいるかを示す。この実施例において、符号”−”は、位相が進んでいることを、符号”+”は、位相が遅れていることをそれぞれ示す。従って、このとき、遅延信号▲3▼の位相が、基準となる遅延信号▲1▼に対して0.15ns進んでいることが算出される。
【0056】
続いて、遅延設定データに基づいて遅延時間T3(=7ns)を実現するときの、可変遅延部90の出力における位相誤差M2を算出する方法について説明する。選択部12が、遅延素子を切り替えず、設計遅延量4nsの遅延素子N2から出力された第2遅延信号を選択する。選択部80は、遅延素子を切り替えて、遅延素子N2から出力された第2遅延信号を選択する。可変遅延部16は、第2遅延信号を、基準信号から7nsだけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる。また、可変遅延部90は、第2遅延信号を、基準信号から7nsだけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる。
【0057】
可変遅延部16は、遅延信号▲3▼を正確に2ns遅延し、6.85nsの遅延時間を有する遅延信号▲5▼を生成する。遅延信号▲6▼は、遅延信号▲2▼との理想的な位相差(6ns)を保っているならば、(0.99+6)=6.99nsの遅延をもって生成される必要がある。しかし、実際には、可変遅延部90を含む経路の遅延素子をN1からN2に切り替えたことによって、遅延信号▲6▼は、6.75nsの遅延時間を有して生成されている。この誤差は、主として、遅延設定データを得たときの環境と、遅延信号生成装置100の実動作時に等しい位相誤差測定時の環境とが異なるために、電圧や温度の変動によって、遅延素子N1とN2の動作率が異なることによって生じる。比較部82は、可変遅延部16の出力と可変遅延部90の出力の位相を比較し、位相差P2を測定する。位相差P2は、
P2=(6.85−6.75)=0.1ns
と測定される。
【0058】
このとき、可変遅延部90の出力において、遅延素子N1を含む経路と遅延素子N2を含む経路の位相誤差M2は、
M2=P2−M1−P0=(0.1−(−0.15)−0.01)ns=0.24ns
と算出される。このように、位相誤差M2は、位相差P2およびP0と、位相誤差M1とに基づいて算出される。可変遅延部90の出力の位相誤差M(2m)の符号は、遅延信号▲2▼に対して位相が遅れているか進んでいるかを示す。この実施例において、符号”+”は、位相が進んでいることを、符号”−”は、位相が遅れていることをそれぞれ示す。従って、このとき、遅延信号▲6▼の位相が、基準となる遅延信号▲2▼に対して0.24ns進んでいることが算出される。
【0059】
続いて、遅延設定データに基づいて遅延時間T4(=9ns)を実現するときの、可変遅延部16の出力における位相誤差M3を算出する方法について説明する。選択部12が、遅延素子を切り替えて、設計遅延量8nsの遅延素子N3から出力された第3遅延信号を選択する。選択部80は、遅延素子を切り替えず、遅延素子N2から出力された第2遅延信号を選択する。可変遅延部16は、第3遅延信号を、基準信号から9nsだけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる。また、可変遅延部90は、第2遅延信号を、基準信号から9nsだけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる。
【0060】
可変遅延部90は、遅延信号▲6▼を正確に2ns遅延し、8.75nsの遅延時間を有する遅延信号▲8▼を生成する。遅延信号▲7▼は、遅延信号▲1▼との理想的な位相差(8ns)を保っているならば、(1+8)=9nsの遅延をもって生成される必要がある。しかし、実際には、可変遅延部16を含む経路の遅延素子をN2からN3に切り替えたことによって、遅延信号▲7▼は、9.02nsの遅延時間を有して生成されている。この誤差は、主として、電圧や温度の変動によって、遅延素子N2とN3の動作率が異なることによって生じる。比較部82は、可変遅延部16の出力と可変遅延部90の出力の位相を比較し、位相差P3を測定する。位相差P3は、
P3=(9.02−8.75)=0.27ns
と測定される。
【0061】
このとき、可変遅延部16の出力において、遅延素子N1を含む経路と遅延素子N3を含む経路の位相誤差M3は、
M3=P3−M2−P0=(0.27−0.24−0.01)ns=0.02ns
と算出される。このように、位相誤差M3は、位相差P3およびP0と、位相誤差M2とに基づいて算出される。従って、このとき、遅延信号▲7▼の位相が、遅延信号▲1▼に対して0.02ns遅れていることが算出される。
【0062】
続いて、遅延設定データに基づいて遅延時間T5(=11ns)を実現するときの、可変遅延部90の出力における位相誤差M4を算出する方法について説明する。選択部12は、遅延素子を切り替えず、設計遅延量8nsの遅延素子N3から出力された第3遅延信号を選択する。選択部80は、遅延素子を切り替えて、遅延素子N3から出力された第3遅延信号を選択する。可変遅延部16は、第3遅延信号を、基準信号から11nsだけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる。また、可変遅延部90は、第3遅延信号を、基準信号から11nsだけ遅れるように、遅延設定データに基づいて遅延させる。
【0063】
可変遅延部16は、遅延信号▲7▼を正確に2ns遅延し、11.02nsの遅延時間を有する遅延信号▲9▼を生成する。遅延信号10は、遅延信号▲2▼との理想的な位相差(10ns)を保っているならば、(0.99+10)=10.99nsの遅延をもって生成される必要がある。この例において、遅延信号10は、実際に理想的な10.99nsの遅延時間を有している。比較部82は、可変遅延部16の出力と可変遅延部90の出力の位相を比較し、位相差P4を測定する。位相差P4は、
P4=(11.02−10.99)=0.03ns
と測定される。
【0064】
このとき、可変遅延部90の出力において、遅延素子N1を含む経路と遅延素子N3を含む経路の位相誤差M4は、
M4=P4−M3−P0=(0.03−0.02−0.01)ns=0ns
と算出される。このように、位相誤差M4は、位相差P4およびP0と、位相誤差M3とに基づいて算出される。この算出結果から、遅延素子N3を含む経路の位相は、遅延素子N1を含む経路の位相に一致していることが分かる。
【0065】
以上から明らかなように、遅延素子を切り替えた場合における経路の位相誤差は、測定された位相差Pに基づいて算出される。時間T1のときの位相誤差M0を0と設定すると、位相誤差Mnは、
Mn=Pn−Mn-1 −P0
の計算式に基づいて算出される。
【0066】
図3および図4に関連して説明したように、本発明によると、遅延信号生成装置100の実動作時の環境において、2つの遅延経路における相対的な位相誤差を求めることができる。従って、遅延信号生成装置100内部では、相対位相基準に基づいて、正確な遅延信号を生成することができるようになる。半導体試験装置60において、複数の遅延信号生成装置100は、絶対位相基準からの位相差を予め測定される。複数の遅延信号生成装置100は、絶対位相基準からの位相差と、本発明により求められる位相誤差とに基づいて、互いにスキューの揃った遅延信号を出力することができる。
【0067】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、予め定められた遅延設定データの遅延量を、装置の実動作時の環境において調整することが可能な遅延信号生成装置を提供することができる。以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることができることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0068】
【発明の効果】
本発明によると、正確な遅延量を有する遅延信号を生成する遅延信号生成装置を提供することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体試験装置60において用いられる従来の遅延信号生成装置50を示す。
【図2】被試験デバイス62を試験する半導体試験装置60のブロック図である。
【図3】半導体試験装置60における遅延信号生成装置100の構成の一部を示す。
【図4】遅延信号生成装置100の位相誤差測定機能を具体的に説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
10・・・遅延部、12、14・・・選択部、16、18・・・可変遅延部、20・・・信号切替部、22・・・周期測定部、24、28、34・・・ANDゲート、26、30、36・・・ORゲート、32・・・ループ形成部、50・・・遅延信号生成装置、52・・・パターン発生器、54・・・波形整形器、56・・・信号入出力部、58・・・出力判定部、60・・・半導体試験装置、62・・・被試験デバイス、66・・・タイミング発生器、70、72、92・・・選択信号供給部、74、76、78・・・遅延量調整部、80・・・選択部、82・・・比較部、84・・・判定部、86・・・誤差算出部、90・・・可変遅延部、92・・・選択信号供給部、94・・・出力ポート、100・・・遅延信号生成装置
Claims (12)
- 入力された基準信号を異なる時間だけ遅延した、複数の遅延信号を出力する複数の遅延素子を有する遅延部と、
前記複数の遅延信号のうち一つの遅延信号を選択する第1選択部と、
前記第1選択部により選択された前記遅延信号を、所望の遅延時間だけ遅延させることができる第1可変遅延部と、
前記複数の遅延信号のうち一つの遅延信号を選択する第2選択部と、
前記第2選択部により選択された前記遅延信号を、所望の遅延時間だけ遅延させることができる第2可変遅延部と、
前記第1可変遅延部の出力と前記第2可変遅延部の出力の位相を比較する比較部と、
前記第1選択部および前記第2選択部が前記複数の遅延素子のうちの一つである第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択した場合における前記第1可変遅延部により遅延された前記第1遅延信号および前記第2可変遅延部により遅延された前記第1遅延信号の前記比較部における比較結果と、前記第1選択部が前記複数の遅延素子のうちの一つである第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択し前記第2選択部が前記第1遅延信号を選択した場合における前記第1可変遅延部により遅延された前記第2遅延信号および前記第2可変遅延部により遅延された前記第1遅延信号の前記比較部における比較結果とに基づいて、前記第1可変遅延部の出力または前記第2可変遅延部の出力の第1位相誤差を算出する誤差算出部と、
前記第1位相誤差に基づいて、前記第1可変遅延部または前記第2可変遅延部の遅延量を調整する遅延量調整部と
を備えたことを特徴とする遅延信号生成装置。 - 前記比較部は、
前記第1選択部および前記第2選択部が前記第1遅延信号を選択し、前記第1可変遅延部および前記第2可変遅延部が前記基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように前記第1遅延信号を遅延させた場合における、前記第1可変遅延部により遅延された前記第1遅延信号の位相と、前記第2可変遅延部により遅延された前記第1遅延信号の位相とを比較して、第1位相差を測定し、
前記第1選択部が前記第2遅延信号を選択し、前記第2選択部が前記第1遅延信号を選択し、前記第1可変遅延部及び前記第2可変遅延部が前記基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように前記第2遅延信号および前記第1遅延信号を遅延させた場合における、前記第1可変遅延部により遅延された前記第2遅延信号の位相と、前記第2可変遅延部により遅延された前記第1遅延信号の位相とを比較して、第2位相差を測定し、
前記誤差算出部は、前記第1位相差および前記第2位相差に基づいて、前記第1遅延素子および前記第2遅延素子の間の前記第1位相誤差を算出する
請求項1に記載の遅延信号生成装置。 - 前記比較部は、
前記第1選択部が前記第2遅延信号を選択し、前記第2選択部が前記複数の遅延素子のうちの一つである第3遅延素子から出力された第3遅延信号を選択し、前記第1可変遅延部および前記第2可変遅延部が前記基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように前記第2遅延信号および前記第3遅延信号を遅延させた場合における、前記第1可変遅延部により遅延された前記第2遅延信号の位相と、前記第2可変遅延部により遅延された前記第3遅延信号の位相とを比較して、第3位相差を測定し、
前記誤差算出部は、前記第3位相差および前記第1位相誤差に基づいて、前記第2遅延素子および前記第3遅延素子の間の第2位相誤差を算出し、
前記遅延量調整部は、前記第1位相誤差および前記第2位相誤差に基づいて、前記第1可変遅延部または前記第2可変遅延部の遅延量を調整する
請求項2に記載の遅延信号生成装置。 - 前記遅延量調整部は、前記第1位相差、前記第1位相誤差、および前記第2位相誤差に基づいて、前記第1可変遅延部および前記第2可変遅延部における前記第1時間および前記第2時間の遅延設定データによる遅延量を調整する請求項3に記載の遅延信号生成装置。
- 入力された基準信号を、異なる時間だけ遅延した複数の遅延信号を出力する複数の遅延素子を有する遅延部を備えた遅延信号生成装置において、前記基準信号を複数の所定時間だけ遅延させるように予め定められた遅延設定データによる遅延量を調整する遅延量調整方法であって、
前記複数の遅延素子の一つである第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択する第1選択ステップと、
前記第1選択ステップにおいて選択された前記第1遅延信号を、前記基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように、前記遅延設定データに基づいて遅延させる第1遅延ステップと、
前記第1遅延素子から出力された前記第1遅延信号を選択する第2選択ステップと、
前記第2選択ステップにおいて選択された前記第1遅延信号を、前記基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように、前記遅延設定データに基づいて遅延させる第2遅延ステップと、
前記第1遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号の位相と、前記第2遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号の位相を比較して、第1位相差を測定する第1比較ステップと、
前記第1比較ステップにおける比較結果に基づいて、前記遅延設定データによる遅延量を調整するステップと、
前記複数の遅延素子の一つである第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択する第3選択ステップと、
前記第3選択ステップにおいて選択された前記第2遅延信号を、前記基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように、前記遅延設定データに基づいて遅延させる第3遅延ステップと、
前記第1遅延素子から出力された前記第1遅延信号を選択する第4選択ステップと、
前記第4選択ステップにおいて選択された前記第1遅延信号を、前記基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように、前記遅延設定データに基づいて遅延させる第4遅延ステップと、
前記第3遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の位相と、前記第4遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号の位相を比較して、第2位相差を測定する第2比較ステップと、
前記第2比較ステップにおける比較結果を利用して、前記第1遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号と、前記第3遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の第1位相誤差を算出する第1算出ステップと、
前記第1算出ステップにより算出された前記第1位相誤差に基づいて、前記遅延設定データによる遅延量を調整するステップと
を備えることを特徴とする遅延量調整方法。 - 前記第1算出ステップは、前記第1比較ステップにおいて測定された前記第1位相差と、前記第2比較ステップにおいて測定された前記第2位相差に基づいて、前記第1位相誤差を算出するステップを有することを特徴とする請求項5に記載の遅延量調整方法。
- 前記第2遅延素子から出力された前記第2遅延信号を選択する第5選択ステップと、
前記第5選択ステップにおいて選択された前記第2遅延信号を、前記基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように、前記遅延設定データに基づいて遅延させる第5遅延ステップと、
前記第2遅延素子から出力された前記第2遅延信号を選択する第6選択ステップと、
前記第6選択ステップにおいて選択された前記第2遅延信号を、前記基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように、前記遅延設定データに基づいて遅延させる第6遅延ステップと、
前記第5遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の位相と、前記第6遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の位相を比較して、第3位相差を測定する第3比較ステップと、
前記第3比較ステップにおける比較結果を利用して、前記第2遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号と、前記第6遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の第2位相誤差を算出する第2算出ステップと、
前記第2算出ステップにより算出された前記第2位相誤差に基づいて、前記遅延設定データによる遅延量を調整するステップと
を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の遅延量調整方法。 - 前記第2算出ステップは、前記第3比較ステップにおいて測定された前記第3位相差と、前記第1位相誤差に基づいて、前記第2位相誤差を算出するステップを有することを特徴とする請求項7に記載の遅延量調整方法。
- 入力された基準信号を、異なる時間だけ遅延した複数の遅延信号を出力する複数の遅延素子を有する遅延部と、前記複数の遅延信号のうち一つの遅延信号を選択する第1選択部と、前記第1選択部により選択された前記遅延信号を、所望の遅延時間だけ遅延させることができる第1可変遅延部と、前記複数の遅延信号のうち一つの遅延信号を選択する第2選択部と、前記第2選択部により選択された前記遅延信号を、所望の遅延時間だけ遅延させることができる第2可変遅延部とを備えた遅延信号生成装置において、前記基準信号を複数の所定時間だけ遅延させるように予め定められた前記第1可変遅延部または前記第2可変遅延部の遅延設定データによる遅延量を調整する遅延量調整方法であって、
前記第1選択部が、前記複数の遅延素子の一つである第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択する第1選択ステップと、
前記第1可変遅延部が、前記遅延設定データに基づいて、前記第1選択ステップにおいて選択された前記第1遅延信号を、前記基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように遅延させる第1遅延ステップと、
前記第2選択部が、前記第1遅延素子から出力された前記第1遅延信号を選択する第2選択ステップと、
前記第2可変遅延部が、前記遅延設定データに基づいて、前記第2選択ステップにおいて選択された前記第1遅延信号を、前記基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように遅延させる第2遅延ステップと、
前記第1遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号の位相と、前記第2遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号の位相を比較して、第1位相差を測定する第1比較ステップと、
前記第1比較ステップにおける比較結果に基づいて、前記遅延設定データによる遅延量を調整するステップと、
前記第1選択部が、前記複数の遅延素子の一つである第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択する第3選択ステップと、
前記第1可変遅延部が、前記遅延設定データに基づいて、前記第3選択ステップにおいて選択された前記第2遅延信号を、前記基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように遅延させる第3遅延ステップと、
前記第2選択部が、前記第1遅延素子から出力された前記第1遅延信号を選択する第4選択ステップと、
前記第2可変遅延部が、前記遅延設定データに基づいて、前記第4選択ステップにおいて選択された前記第1遅延信号を、前記基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように遅延させる第4遅延ステップと、
前記第3遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の位相と、前記第4遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号の位相を比較して、第2位相差を測定する第2比較ステップと、
前記第1比較ステップにおいて測定された前記第1位相差と、前記第2比較ステップにおいて測定された前記第2位相差に基づいて、前記第1遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号と、前記第3遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の第1位相誤差を算出する第1算出ステップと、
前記第1算出ステップにより算出された前記第1位相誤差に基づいて、前記遅延設定データによる遅延量を調整するステップと
を備えることを特徴とする遅延量調整方法。 - 前記第1選択部が、前記第2遅延素子から出力された前記第2遅延信号を選択する第5選択ステップと、
前記第1可変遅延部が、前記遅延設定データに基づいて、前記第5選択ステップにおいて選択された前記第2遅延信号を、前記基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように遅延させる第5遅延ステップと、
前記第2選択部が、前記第2遅延素子から出力された前記第2遅延信号を選択する第6選択ステップと、
前記第2可変遅延部が、前記遅延設定データに基づいて、前記第6選択ステップにおいて選択された前記第2遅延信号を、前記基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように遅延させる第6遅延ステップと、
前記第5遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の位相と、前記第6遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の位相を比較して、第3位相差を測定する第3比較ステップと、
前記第3比較ステップにおいて測定された前記第3位相差と、前記第1位相誤差に基づいて、前記第2遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号と、前記第6遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の第2位相誤差を算出する第2算出ステップと、
前記第2算出ステップにより算出された前記第2位相誤差に基づいて、前記遅延設定データによる遅延量を調整するステップと
を備えることを特徴とする請求項9に記載の遅延量調整方法。 - 入力された基準信号を、異なる時間だけ遅延した複数の遅延信号を出力する複数の遅延素子を有する遅延部を備えた遅延信号生成装置において、前記基準信号を複数の所定時間だけ遅延させるように予め定められた遅延設定データに基づいて遅延された、異なる遅延素子を通る2つの遅延信号の位相誤差を算出する位相誤差算出方法であって、
前記複数の遅延素子の一つである第1遅延素子から出力された第1遅延信号を選択する第1選択ステップと、
前記第1選択ステップにおいて選択された前記第1遅延信号を、前記基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように、前記遅延設定データに基づいて遅延させる第1遅延ステップと、
前記第1遅延素子から出力された前記第1遅延信号を選択する第2選択ステップと、
前記第2選択ステップにおいて選択された前記第1遅延信号を、前記基準信号から所定の第1時間だけ遅れるように、前記遅延設定データに基づいて遅延させる第2遅延ステップと、
前記第1遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号の位相と、前記第2遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号の位相を比較して、第1位相差を測定する第1比較ステップと、
前記複数の遅延素子の一つである第2遅延素子から出力された第2遅延信号を選択する第3選択ステップと、
前記第3選択ステップにおいて選択された前記第2遅延信号を、前記基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように、前記遅延設定データに基づいて遅延させる第3遅延ステップと、
前記第1遅延素子から出力された前記第1遅延信号を選択する第4選択ステップと、
前記第4選択ステップにおいて選択された前記第1遅延信号を、前記基準信号から所定の第2時間だけ遅れるように、前記遅延設定データに基づいて遅延させる第4遅延ステップと、
前記第3遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の位相と、前記第4遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号の位相を比較して、第2位相差を測定する第2比較ステップと、
前記第1比較ステップにおいて測定された前記第1位相差と、前記第2比較ステップにおいて測定された前記第2位相差に基づいて、前記第1遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号と、前記第3遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の第1位相誤差を算出する第1算出ステップと
を備えることを特徴とする位相誤差算出方法。 - 前記第2遅延素子から出力された前記第2遅延信号を選択する第5選択ステップと、
前記第5選択ステップにおいて選択された前記第2遅延信号を、前記基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように、前記遅延設定データに基づいて遅延させる第5遅延ステップと、
前記第2遅延素子から出力された前記第2遅延信号を選択する第6選択ステップと、
前記第6選択ステップにおいて選択された前記第2遅延信号を、前記基準信号から所定の第3時間だけ遅れるように、前記遅延設定データに基づいて遅延させる第6遅延ステップと、
前記第5遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の位相と、前記第6遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の位相を比較して、第3位相差を測定する第3比較ステップと、
前記第3比較ステップにおいて測定された前記第3位相差と、前記第1位相誤差に基づいて、前記第2遅延ステップにおいて遅延された前記第1遅延信号と、前記第6遅延ステップにおいて遅延された前記第2遅延信号の第2位相誤差を算出する第2算出ステップと
を備えることを特徴とする請求項11に記載の位相誤差算出方法。
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JP4871276B2 (ja) * | 2004-05-18 | 2012-02-08 | ヴァキュレックス アクチボラゲット | 真空チューブ昇降装置及び該真空チューブ昇降装置による荷物の移動のための方法 |
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