JP4412206B2 - 画像読取装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像読取装置に関する。
従来、イメージセンサの移動に連動して透過原稿を照明する光源を移動させる画像読取装置、所謂光源移動型の画像読取装置が知られている。このような光源移動型の画像読取装置では、イメージセンサの主走査線を光量むらの少ない光で照明できるため、読み取り画像の画質を向上できる。
しかしながら、光源移動型の画像読取装置ではイメージセンサの移動と光源の移動との両方を制御するため、光源移動型の画像読取装置は光源固定型の画像読取装置と比較して回路構成が複雑化するという問題がある。また、光源移動型の画像読取装置は光源を移動させる駆動部を透過原稿ユニットに備えているため、画像読取装置の本体と透過原稿ユニットとを接続する通信線路が複雑化するという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、回路構成及び通信路を簡素化できる光源移動型の画像読取装置を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するための画像読取装置は、原稿を載置する透明な原稿台と、イメージセンサと、前記原稿台に載置された前記原稿の一部領域を前記イメージセンサに結像させる光学系を搭載したキャリッジと、前記キャリッジを前記原稿台の盤面と平行に往復移動させる第一駆動部と、オプションユニットと、前記オプションユニットに設けられ、前記原稿台に載置された前記原稿の一部領域を照明する光源と、前記光源を前記原稿台の盤面と平行に往復移動させる第二駆動部と、一部ビットが前記第二駆動部の第二駆動信号と共通である前記第一駆動部の第一駆動信号と、前記一部ビットが前記第一駆動部及び前記第二駆動部の停止信号であり残部ビットの少なくとも一部が前記第一駆動部及び前記第二駆動部の駆動時に前記光源を制御する光源制御信号である停止時制御信号とを、同一のパラレル信号線に出力する制御手段と、前記第一駆動部及び前記第二駆動部の駆動中に前記停止時制御信号の前記残部ビットを保持するラッチ回路と、前記パラレル信号線と前記オプションユニットとに電気的に接続されているシリアル通信ユニットと、を備える。
一般に光源移動型の画像読取装置では、イメージセンサの主走査線上の原稿を光源で照明可能となるように、光学系を搭載したキャリッジの移動に光源を追従させる。したがって、キャリッジの移動を制御する信号と光源の移動を制御する信号とには共通する情報が含まれる。そこで請求項1に記載の発明では、この点に着目し、キャリッジを移動させる第一駆動信号の一部ビットと光源を移動させる第二駆動信号とを共通化する。このようにすると制御手段は、1つのチャネルで第一駆動部と第二駆動部とを制御することができる。したがって請求項1に記載の発明によると、複数チャネルの制御手段と比較して制御手段の構成を簡素化することできる。
また一般に、光源の照明範囲はイメージセンサの主走査線より広い。そのため、イメージセンサ主走査線を光源で照明可能でありその照明条件で読み取る画像の画質が仕様範囲内であれば、光源はキャリッジと比較して厳密に位置決めしなくてもよい。つまり光源の移動は、キャリッジの移動を制御する制御信号と比較して少ない情報量の制御信号で制御可能である。請求項1に記載の発明では、この点に着目し、第一駆動信号の全ビットではなく一部ビットと第二駆動信号とを共通化する。そして、停止時制御信号の残部ビットの少なくとも一部を光源制御信号とする。つまり請求項1に記載の発明では、第一駆動部を制御する信号(第一駆動信号及び停止信号)を伝送するための信号線としてパラレル信号線を利用する一方で、第二駆動部を制御する信号(第二駆動信号及び停止信号)と光源を制御する信号(光源制御信号)の2種類の制御信号を伝送する信号線としても利用する。したがって請求項1に記載の発明によれば、光源制御信号を伝送する信号線を削減することができる。
しかしながら、光源制御信号に対応する第一駆動信号の残部ビットは第一駆動部を制御する信号であり、光源を制御する信号ではない。そのため光源制御信号を伝送する信号線を光源に接続すると、制御手段が第一駆動信号を出力しているとき光源は誤作動する。そこで請求項1に記載の発明では、第一駆動部及び第二駆動部の駆動中、すなわち第一駆動信号が出力されているとき、ラッチ回路が停止時制御信号の残部ビットを保持する。このようにすると、制御手段が第一駆動信号を出力しているときでも、光源にはラッチ回路が保持している光源制御信号が入力される。したがって請求項1に記載の発明によると、光源の誤作動させることなく制御手段の1つのチャネルで第一駆動部と第二駆動部とを制御でき、制御手段の構成を簡素化することできる。
また請求項1に記載の発明によると、シリアル通信ユニットはパラレル信号線とオプションユニットとに接続されている。つまりシリアル通信ユニットは、パラレル信号線で伝送される第一駆動信号と停止時制御信号とをシリアル通信でオプションユニットに送信する。したがって請求項1に記載の発明によると、第一駆動信号と停止時制御信号とをオプションユニットに送信するための通信線路を簡素化することができる。
(2)前記オプションユニットに設けられ、前記光源が待機位置に位置しているか否かに応じて変化する位置信号を前記制御部に出力する位置検出回路をさらに備えてもよい。
請求項2に記載の発明によると、位置検出回路が制御部に位置信号を出力するため、制御部は位置信号から光源が待機位置に位置しているか否かを認識することができる。
(3)前記オプションユニットに設けられ、前記オプションユニットの種類に固有の識別信号を前記制御部に出力する識別信号出力回路をさらに備えてもよい。
請求項3に記載の発明によると、識別信号出力回路が制御部に識別信号を出力するため、制御部は識別信号からオプションユニットの種類を認識することができる。したがって請求項2に記載の発明によれば、制御部はオプションユニットの種類に応じて接続されているオプションユニットを適切に制御することができる。
(4)前記停止時制御信号の前記残部ビットの一部は、前記位置情報又は前記識別信号のいずれか一方を前記位置検出回路又は前記識別信号出力回路に出力させる選択信号であり、前記位置検出回路と前記識別信号出力回路は、それぞれ前記位置情報と前記識別情報とを前記選択信号に応じて同一のシリアル信号線に出力してもよい。
請求項4に記載の発明によると、位置検出回路と識別信号出力回路は、それぞれ位置情報と識別情報とを同一のシリアル信号線に出力するため、制御部に位置情報と識別情報とを伝送するための信号線数を削減することができる
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
また、本発明は装置の発明として特定できるだけでなく、プログラムの発明としても、そのプログラムを記録した記録媒体の発明としても、方法の発明としても特定することができる。
以下、本発明の実施の形態を一実施例に基づいて説明する。
(一実施例)
図2は本発明の一実施例によるスキャナ1を示す模式図である。
スキャナ1は、スキャナ本体2とスキャナ本体2にケーブル6で接続される透過原稿ユニット4とを備え、透過原稿用光源24を移動させて原稿台8の盤面に載置された透過原稿10を読み取る光源移動型の画像読取装置である。原稿台8はガラス板等の透明板でありスキャナ本体2の上部に係止されている。スキャナ1は、オプションユニットとしての透過原稿ユニット4に換えて、反射原稿用の原稿カバーや原稿自動送り装置(以下、ADFユニットという。)をスキャナ本体2に接続することができる。このときADFユニットは、透過原稿ユニット4と同様にケーブル6でスキャナ本体2に接続される。スキャナ1は、反射原稿用の原稿カバーやADFユニットをスキャナ本体2に接続すれば反射原稿を読み取ることもできる。尚、画像読取装置は、透過原稿のみを読み取り可能なスキャナでもよい。また画像読取装置は、複合機、複写機、複写機能のあるファクシミリなどでもよい。
図1はスキャナ1のブロック図である。図1ではインタフェース部56をIF部、第一モータ52及び第二モータ68をMと略記している。
イメージセンサ12は、直線状に配列された光電変換素子群を備えるCCDリニアイメージセンサ、CMOSリニアイメージセンサ等で構成される。イメージセンサ12は、可視領域の光線(以下、可視光という。)、赤外領域の光線(以下、赤外光という。)等の所定波長域の光を各光電変換素子で光電変換し、主走査線上の画像の濃淡に相関する電気信号を出力する。尚、レンズ縮小型のイメージセンサを例示したが、イメージセンサ12は密着型のイメージセンサでもよい。
反射原稿用光源18は、キセノンランプ等を用いた管照明装置から構成され、長手方向軸がイメージセンサ12の主走査線に平行な姿勢で配置されている。反射原稿用光源18は、可視光を放射して、原稿台8に載置される反射原稿を原稿台8の下方から照明する(図2参照)。尚、反射原稿用光源18は、発光ダイオードと発光ダイオードから放射された光を主走査線に平行な方向に均一に拡げる導光体とを備える照明装置でもよい。
ミラー16及びレンズ14は、反射原稿用光源18から放射され反射原稿で反射した反射原稿の光学像、または後述する透過原稿用光源24もしくは赤外光源26から放射され透過原稿10を透過した透過原稿10の光学像をイメージセンサ12の受光面に結像させる。ミラー16及びレンズ14は請求項に記載の「光学系」に相当する。
キャリッジとしてのセンサキャリッジ20は、原稿台8の盤面に対して平行でイメージセンサ12の主走査線に垂直な方向(以下、副走査方向という。)に延伸するガイドロッド22に、摺動自在に嵌合している。センサキャリッジ20は、イメージセンサ12とミラー16とレンズ14を収容し、反射原稿用光源18を搭載している。
第一駆動部50は、制御部40の制御下で第一モータ52を駆動する。具体的には第一駆動部50は、図4(A)に示すAチャネルの位相制御信号、Aチェネルの電流制御信号、Bチェネルの位相制御信号、Bチャネルの電流制御信号、Aチャネルの電流減衰率設定信号、Bチャネルの電流減衰率設定信号、トルク設定信号で制御される。ここで各チャネルの位相制御信号とは各チャネルに接続されているモータの回転方向を制御するための信号であり、各チャネルの電流制御信号とは各チャネルに接続されているモータの回転角度を制御するための信号であり、各チャネルの電流減衰率設定信号とは各チャネルに接続されているモータを制御するための負荷電流の減衰率を設定するための信号であり、トルク設定信号とはモータのトルクを設定するための信号である。
各チャネルの位相制御信号と各チャネルの電流制御信号はモータの回転を制御する信号であるため、それらの信号レベルは、モータ駆動時には経時的に変動制御され、モータ停止時には所定の固定値に制御される。一方、各チャネルの電流減衰率設定信号とトルク設定信号は駆動モードを設定するための信号であるため、それらの信号レベルは、モータ駆動時にはその時点での駆動モードを示す所定の固定値に制御され、モータ停止時にはどのような値に制御されても停止状態のモータの作動に影響することはない。第一駆動部50は、16本の第一信号線群100でコントローラ48に接続されている。
第一駆動部50に駆動されて第一モータ52が回転すると、第一モータ52の回転により図示しないプーリに掛けられたベルトに牽引されて、センサキャリッジ20は副走査方向(図2に示す矢印X、Y参照)に往復移動する。これによりイメージセンサ12の主走査線は副走査方向に移動する。第一モータ52はステッピングモータであり、イメージセンサ12の主走査線を精度よく位置決めすることができる。尚、画像読み取装置は、原稿台に対してイメージセンサ及びレンズの位置を固定し複数のミラーを連動して移動させることにより主走査線を副走査方向に移動させるミラー移動型のスキャナでもよい。
アナログフロントエンド(AFE)36は、CDS(相関二重サンプリング)等によるノイズ除去、増幅、A/D変換等の機能を有する。
画像処理部38は、ガンマ補正、先鋭化処理、モアレの除去処理、シェーディング補正、欠陥画素の補間、ホワイトバランスの補正等の機能を有するASICである。尚、これらの機能は、制御部40で実行するソフトウェアで実現してもよいし、パーソナルコンピュータ(PC)11等の外部システムで実現してもよい。
インタフェース部56は、PC11等の外部システムとスキャナ1とを通信可能に接続する。これによりスキャナ1をPC11で制御したり、読み取った画像を外部システムに送信することができる。
制御手段としての制御部40は、CPU42、ROM46、RAM46及びコントローラ48を備える。CPU42はROM46に記憶されているプログラムを実行してスキャナ1の各部を制御する。ROM46は各種プログラム、各種データなどを記憶する不揮発性のメモリであり、RAM46は各種プログラム、各種データなどを一時的に記憶するメモリである。コントローラ48は、第一駆動部50とパラレル・シリアル変換回路54とにパラレル信号線としての16本の第一信号線群100で接続され、スキャナ本体2の第一駆動部50や透過原稿ユニット4の第二駆動部66等を制御する。尚、コントローラ48の機能は制御部40と制御部40により実行されるプログラムで実現してもよい。また第一信号線群100の本数は16本に限定されず何本でもよい。
パラレル・シリアル変換回路54は、制御部40の制御下で第一信号線群100により伝送されたパラレル信号をシリアル信号に変換し、コネクタ32、ケーブル6及びコネクタ34を介して変換後のシリアル信号を透過原稿ユニット4に送信する。
シリアル・パラレル変換回路58は、制御部40の制御下でパラレル・シリアル変換回路54が送信したシリアル信号を受信し、受信したシリアル信号をパラレル信号に変換する。このように、パラレル・シリアル変換回路54及びシリアル・パラレル変換回路58が制御部40の制御下で協働して、スキャナ本体2と透過原稿ユニット4とをシリアル通信で接続するため、コネクタ32及びコネクタ34の端子数やケーブル6の本数を削減することができる。パラレル・シリアル変換回路54、コネクタ32、ケーブル6、コネクタ34及びシリアル・パラレル変換回路58が請求項に記載の「シリアル通信ユニット」に相当する。以降では、これらをシリアル通信ユニットという。
ラッチ回路60は、シリアル・パラレル変換回路58と6本の第二信号線群102で接続され、第二信号線群102により伝送される信号を所定のタイミングで保持する。
透過原稿用光源24はラッチ回路60に1本の信号線で接続されている。透過原稿用光源24は、キセノンランプ等を用いた管照明装置から構成され、長手方向軸がイメージセンサ12の主走査線に平行な姿勢で配置されている。透過原稿用光源24は、可視光を放射して、原稿台8に載置される透過原稿10の所定の照明範囲を原稿台8の上方から照明する(図2参照)。尚、透過原稿用光源24は、発光ダイオードと発光ダイオードから放射された光を副走査方向に均一に拡げる導光体とを備える照明装置でもよい。
赤外光源26はラッチ回路60に1本の信号線で接続されている。赤外光源26は、赤外光を放射して原稿台8に載置される透過原稿10の所定の照明範囲を原稿台8の上方から照明する(図2参照)。ここで赤外線は、透過原稿10に記録されている像に関わらず透過原稿10を透過するが、透過原稿10に傷があったりごみが付着しているとその傷やごみで透過率が変化する。したがってスキャナ1は、赤外光源26に照明された透過原稿10を読み取ることにより、透過原稿10の傷や透過原稿10に付着しているごみを認識できる。これよりスキャナ1は、透過原稿用光源18に照明された透過原稿10を読み取る際に、認識した傷やごみの影響を画像処理により除去することができる。
光源キャリッジ28は、透過原稿用光源24及び赤外光源26を搭載し、副走査方向に延伸するガイドロッド22に摺動自在に嵌合している(図2参照)。
第二駆動部66は、制御部40の制御下で第二モータ68を駆動する。具体的には第二駆動部66は、図4(B)に示すAチャネルの位相制御信号、Aチェネルの電流制御信号、Bチェネルの位相制御信号、Bチャネルの電流制御信号、Aチャネルの電流減衰率設定信号、Bチャネルの電流減衰率設定信号、トルク設定信号で制御される。これらの信号の機能は、上述した第一駆動部50を制御するための信号の機能と実質的に同一である。第二駆動部66は10本の第三信号線群104でシリアル・パラレル変換回路58に接続されている。
第二駆動部66に駆動されて第二モータ68が回転すると、第二モータ68の回転によりプーリに掛けられたベルトに牽引されて、光源キャリッジ28は副走査方向(図2に示す矢印X、Y参照)に往復移動する。これにより透過原稿用光源24の照明範囲は副走査方向に移動する。第二モータ68はステッピングモータであり、透過原稿用光源24の照明範囲を精度よく位置決めできる。
ホームセンサ回路62は1本の信号線でラッチ回路60に接続されている。位置検出回路としてのホームセンサ回路62は、光源キャリッジ28が待機位置にいるか否かを示すホームセンサ信号を一本の信号線106に出力する。具体的には例えば、ホームセンサ回路62は、図3に示すように発光ダイオード202と発光ダイオード202から放射された光を検出するフォトトランジスタ204とを有するフォトインタラプタ200とプルアップ抵抗206とにより構成できる。このような回路をホームセンサ回路62として用いる場合、光源キャリッジ28の一部が待機位置で発光ダイオード202から放射された光を遮蔽するようにすればよい。制御部40は、このホームセンサ信号により光源キャリッジ28が待機位置にあるか否かを認識することができる。
ID出力回路64はラッチ回路60に1本の信号線で接続されている。識別信号出力回路としてのID出力回路64は、スキャナ本体2に接続されているオプションユニットが透過原稿ユニット4であるか否かを示すオプションID信号を1本の信号線106に出力する。具体的には例えば、透過原稿ユニット4のユニット番号「0000」を示すオプションID信号を出力するID出力回路64は、図3に示すようにトランジスタ212で構成することができる。この回路では後述するID要求信号がハイレベルのときローレベルを出力する。コントローラ48がID出力回路64に対して4回のID要求信号を出力すれば、4回のローレベルの出力、すなわちユニット番号「0000」がID出力回路64から出力される。ここでID出力回路64に相当する回路は、スキャナ本体2に接続される他のオプションユニット(例えばADFユニット)にも搭載されている。したがって制御部40は、オプションID信号からオプションユニットの種類を認識し、その認識結果に応じて接続されているオプションユニットを適正に制御することができる。
尚、透過原稿ユニット4のユニット番号は4つの「0」で構成される「0000」であると説明した。しかし透過原稿ユニット4のユニット番号は、図3に例示した回路において透過原稿ユニット4のユニット番号を1つの「0」で構成される「0」でもよいし、複数個の「0」で構成される番号でもよい。そのときコントローラ48は、図3に示す回路に対してユニット番号を構成する「0」の個数に応じた回数のハイレベルのID要求信号を出力すればよい。
図5は、コントローラ48がモータ駆動時に信号線群100に出力する駆動時制御信号とコントローラ48がモータ停止時に信号線群100に出力する停止時制御信号とを説明するための図である。(A)は駆動時制御信号(図面においてA(15:0)と表記する。)を示し、(B)は停止時制御信号(図面においてB(15:0)と表記する。)を示している。
図5(A)に示すように、スキャナ1では第一駆動部50を制御する信号(第一駆動信号および停止信号)と第二駆動部66を制御する信号(第二駆動信号および停止信号)とを共通化している。スキャナ1ではイメージセンサ12の主走査線上の原稿を透過原稿用光源24で照明可能となるようにセンサキャリッジ20の移動に光源キャリッジ28を追従させるため、第一駆動部50を制御する信号と第二駆動部66を制御する信号とには共通する情報が含まれる。具体的にはスキャナ1では、コントローラ48が第一信号線群100に出力する信号(以下、コントローラ48の出力信号)の全ビットを第一駆動部50を制御する信号として使用し、コントローラ48の出力信号の第6ビットから第15ビットを第二駆動部66を制御する信号として使用している。
さらに図5(B)に示すように、スキャナ1ではコントローラ48の出力信号の第二駆動信号として使用されていないビットをオプション制御信号として使用している。ここでオプション制御信号とは、ラッチ回路60、赤外光源26、透過原稿用光源24、ID出力回路64、及びホームセンサ回路62を制御するための信号である。スキャナ1では透過原稿用光源24の照明範囲はイメージセンサ12の主走査線より広い。そのため、イメージセンサ12主走査線を透過原稿用光源24で照明可能でありその照明条件で読み取る画像の画質が仕様範囲内であれば、光源キャリッジ28はセンサキャリッジ20と比較して厳密に位置決めしなくてもよい。したがって光源キャリッジ28の移動は、センサキャリッジ20の移動を制御するための信号と比較して少ない情報量の信号で制御可能である。具体的には、図5に示すように第二駆動部66を制御する信号のビット数は10ビットであり、第一駆動部50を制御する信号のビット数である16ビットより少ない。
また第一駆動部50を制御する信号の一部ビットは、上述したようにモータ停止時においてどのような値に制御されてもよく、それらのビット値が停止状態のモータの作動に影響することはない(図4(A)参照)。そこでスキャナ1では、コントローラ48の出力信号の第二駆動信号として使用されておらずモータ停止時において任意の値に制御可能なビットを、モータ停止時においてオプション制御信号として使用している。具体的には図5(B)に示すようにスキャナ1では、コントローラ48の出力信号の第0ビットから第5ビットをオプション制御信号として使用している。
しかしながら、コントローラ48の出力信号の第二駆動信号として使用されていないビットは、モータ駆動時において第一駆動部50を制御する第一駆動信号として使用されている。具体的にはコントローラ48の出力信号の第0ビットから第5ビットは、各チャネルの電流減衰率設定信号および各チャネルのトルク設定信号として使用されている。したがって、コントローラ48の出力信号の第二駆動信号(図面においてA(15:6)と表記する。)として使用されていないビットを赤外光源26、透過原稿用光源24、ID出力回路64、ホームセンサ回路62に入力すると、それらの回路はモータ駆動時に誤作動する。
そこで、スキャナ1では、モータ停止時のオプション制御信号を保持し、モータ駆動時に保持したオプション制御信号を赤外光源26、透過原稿用光源24、ID出力回路64、ホームセンサ回路62に入力する。ここで赤外光源26、透過原稿用光源24、ID出力回路64、ホームセンサ回路62は、後述するようにモータ停止時にのみに動的に制御される回路である。そのためスキャナ1では、モータ停止時には、制御部40がその時点で出力しているオプション制御信号により赤外光源26、透過原稿用光源24、ID出力回路64、ホームセンサ回路62を制御し、モータ駆動時には、モータ停止時に保持したオプション制御信号でそれらの回路を制御する。具体的にはスキャナ1では、オプション制御信号の1ビットに後述するラッチ制御信号を割り当て、そのラッチ制御信号によりモータ停止時のオプション制御信号信号をラッチ回路60に保持させている。より具体的には、制御部40はモータ停止時のオプション制御信号信号においてラッチ信号をローレベルからハイレベルに変化させ、ラッチ回路60はラッチ制御信号の立ち上がり時のオプション制御信号を保持する。そしてスキャナ1では、ラッチ回路60の出力を赤外光源26、透過原稿用光源24、ID出力回路64、ホームセンサ回路62に入力している。これによりモータ駆動時に赤外光源26、透過原稿用光源24、ID出力回路64、ホームセンサ回路62を誤作動させることなく、モータ停止時にそれらの回路を動的に制御することができる。
以上説明したようにスキャナ1では、第一駆動部50を制御する信号と第二駆動部66を制御する信号とを共通化し、コントローラ48の出力信号の第二駆動信号として使用されていないビットをオプション制御信号として使用している。これによりスキャナ1では、コントローラ48が16本の第一信号線群100に出力する信号で、第一駆動部50、第二駆動部66、ラッチ回路60、赤外光源26、透過原稿用光源24、ID出力回路64、及びホームセンサ回路62を制御することができる。
尚、コントローラ48の出力信号の第二駆動信号として使用されておらずモータ停止時において任意の値に制御可能なビットで制御される回路は、モータ停止時にのみに制御される回路であればよく、例示した赤外光源26、透過原稿用光源24、ID出力回路64、及びホームセンサ回路62に限定されるものではない。また、シリアル通信で伝送する信号のビット数を増やし、その信号の第一駆動部50と第二駆動部66を制御する信号とは別のビットにオプション制御信号を割り当ててもよい。そのときはシリアル・パラレル変換回路58と赤外光源26、透過原稿用光源24、ID出力回路64、ホームセンサ回路62とをそれぞれラッチ回路60を介さずに接続可能である。
オプション制御信号の第0ビットから第4ビットは、それぞれホームセンサ出力要求信号、ID要求信号、赤外光源制御信号、透過原稿用光源制御信号、ラッチ制御信号である。
光源制御信号としての透過原稿用光源制御信号は、過原稿用光源24を点灯または消灯させる信号である。赤外光源制御信号は、赤外光源26を点灯または消灯させる信号である。ラッチ制御信号は、ホームセンサ出力要求信号、ID要求信号、赤外光源制御信号、透過原稿用光源制御信号をラッチ回路60に保持させるタイミングを制御する信号である。
図3は、上述したホームセンサ回路62とID出力回路64とを示す回路図である。ホームセンサ回路62とID出力回路64は、ホームセンサ出力要求信号およびID要求信号により制御される。
スキャナ1では、時間的に排他的に要求される複数種類の1ビットの信号のうち1種類の信号を同一の1本の信号線にそれらの信号を生成する複数の回路のいずれか1つの回路に出力させている。具体的にはスキャナ1では、ホームセンサ信号とオプションID信号のいずれか一方の信号を同一の1本の信号線106にホームセンサ回路62とID出力回路64のいずれか一方の回路に出力させている。信号線106はシリアル通信の所謂RXD信号線である。オプションID信号は、上述したようにスキャナ本体2に接続されているオプションユニットを認識するための信号であり、ホームセンサ信号は、上述したように光源キャリッジ28が待機位置にいるか否かを示す信号である。そのためオプションID信号は、スキャナ1の初期化時のみに要求され、ホームセンサ信号は、スキャナ1の初期化後に要求される。つまりホームセンサ信号とオプションID信号とは時間的に排他的に要求される信号である。
より具体的には、ホームセンサ回路62では、図3に示すようにホームセンサ出力要求信号がハイレベルでありID要求信号がローレベルのときフォトインタラプタ200の出力が有効になる。このときホームセンサ回路62は、信号線106に上述したホームセンサ信号を出力する。またID出力回路64は、ホームセンサ出力要求信号がローレベルでありID要求信号がハイレベルのときローレベルのオプションID信号を信号線106に出力する。したがってスキャナ1では、上述したように透過原稿ユニット4のユニット番号を構成する「0」の個数に応じた回数のローレベルのホームセンサ出力要求信号とハイレベルのID要求信号を出力することにより、透過原稿ユニット4と他のオプションユニットとを識別することができる。
このようにしてスキャナ1では、ホームセンサ信号とオプションID信号のいずれか一方の信号を同一の信号線106にホームセンサ回路62とID出力回路64のいずれか一方の回路に出力させている。したがってスキャナ1によると、時間的に排他的に要求される複数種類の1ビットの信号のうち1種類の信号を同一の信号線にそれらの信号を生成する複数の回路のいずれか1つの回路に出力させるため、これらの信号を伝送するための回路を簡素化できる。ホームセンサ出力要求信号とID要求信号とが請求項に記載の「選択信号」に相当し、信号線106が「シリアル信号線」に相当する。尚、選択信号は1ビットの信号でも3ビット以上の信号でもよい。
図6は、駆動時制御信号または停止時制御信号が出力されている状態におけるスキャナ1の作動を説明するためのタイミングチャートである。
コントローラ48が第一信号線群100に停止時制御信号を出力すると、停止信号は第一信号線群100を介して第一駆動部50に伝送されるとともに、第一信号線群100、シリアル通信モジュール及び第三信号線群104を介して第二駆動部66に伝送される。第一駆動部50と第二駆動部66は、この停止時信号に応じてそれぞれセンサキャリッジ20の移動と光源キャリッジ28の移動とを停止させる。
オプション制御信号は、シリアル通信モジュール及び第二信号線群102を介してラッチ回路60に伝送される。ラッチ回路60は、入力されているオプション制御信号に対応する透過原稿用光源制御信号、赤外光源制御信号、ホームセンサ出力要求信号、ID要求信号を、それぞれ透過原稿用光源24、赤外光源26、ホームセンサ回路62、ID出力回路64に出力する。このときオプション制御信号は第一駆動部50にも伝送されるが、第一駆動部50は停止信号により停止しているため誤作動することはない。
一方、コントローラ48が第一信号線群100に駆動時制御信号を出力すると、第一駆動信号は第一信号線群100を介して第一駆動部50に伝送され、それとともに第二駆動信号は第一信号線群100、シリアル通信モジュール及び第三信号線群104を介して第二駆動部66に伝送される。第一駆動部50と第二駆動部66は、それぞれ第一駆動信号と第二駆動信号とに応じて、それぞれセンサキャリッジ20と光源キャリッジ28とを移動させる。
このとき駆動時制御信号の残部ビット(第0ビットから第5ビット)は、ラッチ回路60にも伝送される。しかしながらコントローラ48は、駆動時制御信号を出力する直前の停止時制御信号のラッチ制御信号によりモータ停止時のオプション制御信号をラッチ回路60に保持させる。そのため、透過原稿用光源24、赤外光源26、ホームセンサ回路62、ID出力回路64には、それぞれラッチ回路60が保持しているモータ停止時の透過原稿用光源制御信号、赤外光源制御信号、ホームセンサ出力要求信号、ID要求信号が入力されるため、これらの回路が誤作動することはない。
一実施例に係るスキャナのブロック図。 一実施例に係るスキャナの模式図。 一実施例に係るホームセンサ回路及びID信号出力回路の回路図。 (A)は第一駆動部を制御するための信号を説明するための模式図。(B)は第二駆動部を制御するための信号を説明するための模式図。 一実施例に係る駆動時制御信号と停止時制御信号を説明するための模式図。 一実施例に係るスキャナの作動を説明するためのタイミングチャート。 一実施例に係る位置要求信号とID要求信号を説明するための模式図。
符号の説明
1 スキャナ(画像読取装置)、2 スキャナ本体、4 透過原稿ユニット(オプションユニット)、6 ケーブル(シリアル通信ユニット)、8 原稿台、10 透過原稿(原稿)、12 イメージセンサ、14 レンズ(光学系)、16 ミラー(光学系)、20 センサキャリッジ(キャリッジ)、24 透過原稿用光源(光源)、32 コネクタ(シリアル通信ユニット)、34 コネクタ(シリアル通信ユニット)、40 制御部(制御手段)、48 コントローラ(制御手段)、50 第一駆動部、54 パラレル・シリアル変換回路(シリアル通信ユニット)、56 インタフェース部、58 シリアル・パラレル変換回路(シリアル通信ユニット)、60 ラッチ回路、62 ホームセンサ回路(位置検出回路)、64 ID出力回路(識別信号出力回路)、66 第二駆動部、100 第一信号線群(パラレル信号線)、106 信号線(シリアル信号線)

Claims (4)

  1. 原稿を載置する透明な原稿台と、
    イメージセンサと、
    前記原稿台に載置された前記原稿の一部領域を前記イメージセンサに結像させる光学系を搭載したキャリッジと、
    前記キャリッジを前記原稿台の盤面と平行に往復移動させる第一駆動部と、
    オプションユニットと、
    前記オプションユニットに設けられ、前記原稿台に載置された前記原稿の一部領域を照明する光源と、
    前記光源を前記原稿台の盤面と平行に往復移動させる第二駆動部と、
    一部ビットが前記第二駆動部の第二駆動信号と共通である前記第一駆動部の第一駆動信号と、前記一部ビットが前記第一駆動部及び前記第二駆動部の停止信号であり残部ビットの少なくとも一部が前記第一駆動部及び前記第二駆動部の駆動時に前記光源を制御する光源制御信号である停止時制御信号とを、同一のパラレル信号線に出力する制御手段と、
    前記第一駆動部及び前記第二駆動部の駆動中に前記停止時制御信号の前記残部ビットを保持するラッチ回路と、
    前記パラレル信号線と前記オプションユニットとに電気的に接続されているシリアル通信ユニットと、
    を備えることを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記オプションユニットに設けられ、前記光源が待機位置に位置しているか否かを認識可能な位置信号を前記制御部に出力する位置検出回路をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記オプションユニットに設けられ、前記オプションユニットの種類に固有の識別信号を前記制御部に出力する識別信号出力回路をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記停止時制御信号の前記残部ビットの一部は、前記位置情報又は前記識別信号のいずれか一方を前記位置検出回路又は前記識別信号出力回路に出力させる選択信号であり、
    前記位置検出回路と前記識別信号出力回路は、それぞれ前記位置情報と前記識別情報とを前記選択信号に応じて同一のシリアル信号線に出力することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
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