JP4411117B2 - 睡眠改善医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、抗ヒスタミン薬と香味成分とを含有する新規な睡眠改善医薬組成物に関する。
ストレス社会や環境不良により、不眠に悩む人が多くなってきている。現代人の8割が不眠の経験があるという調査結果もあり、日本人の5人に1人以上の人が不眠に悩んでいるといわれている。
このような不眠に対し、抗ヒスタミン薬が睡眠改善剤の有効成分として、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダなどの欧米はもとより、本邦においても、一般用医薬品あるいは処方箋のいらない医薬品として一時的な不眠症状を緩和する睡眠改善剤として利用されている。
ところで、不眠といっても、その状態により、入眠障害(寝ようと思って布団に入っても寝つきが悪く、なかなか眠れない)、熟眠障害(睡眠時間をたっぷりとったつもりでも、ぐっすり眠った感じがしない)、中途覚醒(夜中に何度も目が覚めてしまい、そのあと再び寝つくのが難しい)、早期覚醒(朝早く目が覚めてしまい、まだ眠りたいのに眠れなくなってしまう)などの様々なタイプがある。このような様々なタイプの不眠患者に対しては、抗ヒスタミン薬だけでは、睡眠改善剤としての効果が充分に得られないこともあった。
また、ビャクダン精油を有効成分とする経口睡眠剤(特許文献1)や、ラベンダー精油を有効成分とする経口睡眠剤(特許文献2)が提案されているが、これら精油成分単独では上記のような様々なタイプの不眠患者に対して、充分な睡眠改善効果を得ることは難しい。
一方、抗ヒスタミン薬の催眠作用を増強する為に、西洋チャボトケイソウ抽出エキスとの併用(特許文献3)や、カノコソウ(吉草根)及び/または酸棗仁との併用(特許文献4)が試みられているが、これら、催眠作用を有する生薬と抗ヒスタミン薬の併用は効果の増強は望めても、安全性に問題があり、多くの患者に対し、一般用医薬品の睡眠改善剤として提供し難い。
特開平10−25245号公報 特開平10−25246号公報 特開平4−36243号公報 特開平10−17482号公報
したがって、本発明は、安全に優れ、抗ヒスタミン薬の催眠作用をより多くの患者が利用することができ、「寝つきが悪い」、「眠りが浅い」といった多くの現代人の抱える一時的な不眠症状を緩和し快適な睡眠を確保することができる睡眠改善医薬組成物を提供することをその課題とする。
本発明者らは、これらの状況に鑑みて鋭意検討した結果、抗ヒスタミン薬と香味成分を配合することによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、抗ヒスタミン薬と香味成分とを配合することを特徴とする睡眠改善医薬組成物である。
本発明によれば、単独で抗ヒスタミン薬を配合したよりも、より睡眠改善効果の優れた睡眠改善医薬組成物を提供することが可能になる。
本発明に用いる抗ヒスタミン薬としては、抗H1ヒスタミン作用を有するものであれば特に限定されないが、エタノールアミン系、フェノチアジン系、ピペラジン系、ピペリジン系、プロピルアミン系などの抗H1ヒスタミン薬を用い得る。
本発明に用いる抗H1ヒスタミン薬の好ましい具体例としては、エタノールアミン系では、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、クレマスチン、ジフェニルピラリン、カルビノキサミンなどを、フェノチアジン系では、プロメタジン、メキタジン、アリメマジン、イソチペンジルなどを、ピペラジン系では、ヒドロキシジン、ホモクロルシクリジンなどを、ピペリジン系では、ヒドロキシジン、シプロヘプタジンなどを、プロピルアミン系では、クロルフェニラミン、トリプロリジン、ブロムフェニラミンなどを挙げることができる。これらの抗H1ヒスタミン薬は、1種または2種以上を混合して用いてもよい。
さらに上記抗H1ヒスタミン薬の好ましい具体例としては、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、クレマスチン、ジフェニルピラリン、カルビノキサミンなどのエタノールアミン系抗H1ヒスタミン薬を挙げることができる。これらのエタノールアミン系抗H1ヒスタミン薬の中でも、ジフェンヒドラミン、ドキシラミンを用いることが特に好ましい。
これら抗ヒスタミン薬は、遊離塩基そのままでも良いが、塩酸、クエン酸、コハク酸、サリチル酸、ジフェニルジスルホン酸、酒石酸、タンニン酸、テオクル酸、ラウリル硫酸、硫酸、パモ酸、ヒベンズ酸、マレイン酸等の酸付加塩であっても良い。
例えば、抗ヒスタミン薬としてジフェンヒドラミンを用いた場合の好ましい酸付加塩としては、塩酸ジフェンヒドラミン、クエン酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸ジフェンヒドラミンが挙げられ、特に好ましい酸付加塩としては塩酸ジフェンヒドラミンが挙げられる。ドキシラミンの好ましい酸付加塩としてはコハク酸ドキシラミンを、クレマスチンの好ましい酸付加塩としてはフマル酸クレマスチンを、ジフェニルピラリンの好ましい酸付加塩としては、テオクル酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェニルピラリンを、カルビノキサミンの好ましい酸付加塩としてはマレイン酸カルビノキサミンを挙げることができる。
本発明において、睡眠効果を得るに必要な抗ヒスタミン薬の投与量は、それぞれの抗ヒスタミン薬によって異なり、また、遊離塩基あるいは、その酸付加塩の種類によっても異なり、一概には言えないが、成人1回当たりおよそ10mg〜200mgの間にある。
たとえば、抗H1ヒスタミン薬として塩酸ジフェンヒドラミンまたはクエン酸ジフェンヒドラミンを用いた場合には、成人1回当たりの投与量は25〜75mgとすることが好ましく、特に50mgとすることが好ましい。コハク酸ドキシラミンを用いた場合には、成人1回当たりの投与量は12.5〜50mgとすることが好ましく、特に25mgとすることが好ましい。クレマスチンを用いた場合には、成人1回当たりの投与量は1〜2mgとすることが好ましく、ジフェニルピラリンを用いた場合には、成人1回当たりの投与量は1〜12mgとすることが好ましく、マレイン酸カルビノキサミンを用いた場合には、成人1回当たりの投与量は4〜12mgとすることが好ましい。
一方、本発明の睡眠改善医薬組成物に用いる香味成分としては、鎮静作用を有する成分が含まれるものであれば特に限定されない。本発明に用いる鎮静作用を有する香味成分としては、エステル類、エーテル類、アルデヒド類、ケトン類、クマリン類、含窒素化合物、テルペン系炭化水素、テルペンアルコールからなる群から選ばれる1種または2種以上を含む香味成分を挙げることができる。
本発明に用いる好適な香味成分のうち、エステル類としては、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、酢酸ボルニル、酢酸−α−テルピニル、酢酸−4−テルピニル、酢酸ネリル、酢酸ミルテニル、酢酸ツヤン−4−イル、酢酸ラバンジュリル、酢酸シトロネリル、酢酸オイゲイル、酢酸ベンジル、酢酸ファルネシル、酢酸シンナミル等の酢酸エステル、プロピオン酸ネリル、プロピオン酸シトロネリル等のプロピオン酸エステル、サリチル酸メチル、サリチル酸ベンジル等のサリチル酸エステル、ギ酸シトロネイル、ギ酸ゲラニル等のギ酸エステル、イソ酪酸ボルニル、イソ酪酸シトロネリル、イソ酪酸イソブチル、イソ酪酸−2−メチルブチル等のイソ酪酸エステル、2−メチル酢酸−2−メチルブチル、2−メチル酢酸イソブチル等の2−メチル酢酸エステル、アンゲリカ酸イソブチル、アンゲリカ酸イソアミル、アンゲリカ酸−β−メサリル等のアンゲリカ酸エステル、アンゼリカ酸イソブチレン等のアンゼリカ酸エステル、ケイ皮酸メチル等のケイ皮酸エステル、安息香酸ベンジル等の安息香酸エステル等が挙げられ、酢酸リナリル、酢酸ゲラニルが特に好ましい。
また、本発明に用いる好適な香味成分のうち、エーテル類としては、メチルカビコール、アネトール、サフロール、アピオール、エレミシン−ミリスチシン、メチル・オイゲノール、メチル・イソオイゲノール、アサロン、テトラメトキシアリルベンゼン、メチル・パラクレゾール、メチル・カルバクロール、メチル・チモール、メチル・ミルテノール等が挙げられ、メチルカビコールが特に好ましい。
更に、本発明に用いる好適な香味成分のうち、アルデヒド類としては、シトラール、シトロネラール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、デセナール、オクタナール、クミナール、ノナナール、ミルテナール、フェランドラール、カンフォレン・アルデヒド等のモノテルペンアルデヒド、ファルネサール、α−シネンサール、β−シネンサール等のセスキテルペンアルデヒド、シンナムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒド等のフェニルプロパンアルデヒド等が挙げられ、モノテルペンアルデヒド、セスキテルペンアルデヒドが特に好ましい。
更にまた、本発明に用いる好適な香味成分のうち、ケトン類としては、ピノカンフォン、イソピノカンフォン、α−ツヨン、β−ツヨン、ボルナノン、プレゴン、メントン、イソメントン、ベルベノン、フェンコン、l−カルボン、d−カルボン、ピペリトン、ピノカルボン、クリプトン等が挙げられ、ピノカンフォン、ボルナノン、プレゴン、メントン、ベルベノン、l−カルボン、d−カルボン、ピノカルボンが特に好ましく、クマリン類としては、クマリン、オーラプテン、ヘルニアリン、セレリン、シトロプテン、オストール等のクマリン、アンゲリシン、ベルガモッチン、ベルガプテン、ベルガプトール、インペラトリン等のフロクマリン、ビスナジン等のピラノクマリン等が挙げられ、クマリン、フクロクマリンが特に好ましく、含窒素化合物としては、S−メチル・チオ安息香酸、ミントサルファイド、p−メントン−8−チオール等が挙げられ、S−メチル・チオ安息香酸、ミントサルファイドが特に好ましい。
また更に、本発明に用いる好適な香味成分のうち、テルペン系炭化水素としては、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、α−フェランドレン、p−シメン、ミルセン、サビネン、γ−テルピネン、テルピノーレン、カンフェン等のモノテルペン、β−カリオフェン、β−セスキフェランドレン、サンタレン等のセスキテルペン、カマズレン等のアズレン、β−エレメン、ファルネセン、α−パチュレン、β−パチュレン、γ−パチュレン等のジテルペン等が挙げられ、リモネン、α−ピネン、β−カリオフェン、β−セスキフェランドレン、カマズレン、β−エレメン、α−パチュレンが特に好ましく、テルペンアルコールとしては、リナロール、ゲラニオール、メントール、α−テレピネオール、ボルネオール、シトロネロールなどのモノテルペンアルコール、α−サンタロール、セドロール、カトロールなどのセスキテルペンアルコール、スクラレオールなどのジテルペンアルコール等が挙げられ、リナロール、ゲラニオール、α−サンタロール、スクラレオールが特に好ましい。
本発明において香味成分は、上記化合物を単独または組み合わせて使用しても良いが、これらを含有する生薬やハーブなどの植物の乾燥末、抽出末、精油、抽出油、抽出液等として、あるいは、これらを含有する生薬やハーブなどの植物の抽出物を含有する矯味剤、芳香剤、着香剤、香料として、睡眠改善医薬組成物に添加して用いることが好ましい。
具体的には、香味成分のうち、特に好ましいエステル類を多く含むものとして、ラベンダー、ローマンカモミール、クラリセージ、ネロリ、プチグレイン、パルマローザ、ベルガモット等の植物の乾燥末、抽出末、精油、抽出油、抽出液等を使用することもできる。また、香味成分のうち、特に好ましいエーテル類を多く含むものとして、バジル、タラゴン等の植物の乾燥末、抽出末、精油、抽出油、抽出液等を使用することもできる。更に、香味成分のうち、特に好ましいアルデヒド類を多く含むものとして、メリッサ、レモングラス、レモンユーカリ、シトロネラ、コリアンダー、ミカン属、マンダリン、ネロリ等の植物の乾燥末、抽出末、精油、抽出油、抽出液等を使用することもできる。更にまた、香味成分のうち、特に好ましいケトン類を多く含むものとして、ヒソップ、セージ、ホワイトマグワート、アルボレセンスマグワート、ローズマリー、ラベンダー、ラバンジン、ペニーロイヤル、ペパーミント、コーンミント、フェンネル(ウイキョウ)、スペアミント、キャラウェイ、ディル、ユーカリ、ローマンカモミール等の植物の乾燥末、抽出末、精油、抽出油、抽出液等に含有される。香味成分のうち、特に好ましいクマリン類を多く含むものとして、ベルガモット、レモン、グレープフルーツ、セロリ、アンゼリカ、ライム、シナモン、シナモンカシャ、エストラゴン等の植物の乾燥末、抽出末、精油、抽出油、抽出液等に含有される。香味成分のうち、特に好ましい含窒素化合物を多く含むものとして、ニアウリ、ペパーミント等の植物の乾燥末、抽出末、精油、抽出油、抽出液等に含有される。香味成分のうち、特に好ましいテルペン系炭化水素を多く含むものとして、レモン、オレンジ、ネロリ、プチグレイン、オレンジ、オレンジピール(トウヒ)、グレープフルーツ、マンダリン、ベルガモット、ライム、ユズなどの柑橘類、サイプレス、システ、マートル、ローズマリー、タイム、ディル、パイン、イランイラン、ブラックペッパー、ペッパー、メリッサ、ラベンダー、ジンジャー、ジャーマンカモミール、ミルラ、パチュリー等の植物の乾燥末、抽出末、精油、抽出油、抽出液等に含有される。香味成分のうち、特に好ましいテルペンアルコールを多く含むものとして、ラバンジン、タイム、ネロリ、ラベンダー、オレンジ、レモングラス、イランイラン、ゼラニウム、クラリセージ、ローリエ、パルマローザ、サンダルウッド、ローズ等の植物の乾燥末、抽出末、精油、抽出油、抽出液等に含有される。
また、特に好ましい香味成分を含有する矯味剤、芳香剤、着香剤、香料の基原物質としては、シソ科のラベンダー、ローズマリー、クラリセージ、パルマローザ、ヒソップ、メリッサ、バジル、セージ、ペニーロイヤル、ペパーミント、スペアミント、タイム(タチジャコウソウ)、セイボリー、パチュリー(バチョリ)等、ミカン科のオレンジ、オレンジフラワー、グレープフルーツ、シトラス(カンキツ)、プチグレイン、ベルガモット、ミカン、ユズ、レモン、ライム、マンダリン等、キク科のカモミル、タラゴン(エストラゴン)、キク等、イネ科のレモングラス、シトロネラ、パルマローザ等、フトモモ科のユーカリ、ニアウリ、フトモモ、セリ科のコリアンダー、フェンネル(ショウウイキョウ)、キャラウェイ(ヒメウイキョウ)、セロリ、アンゼリカ等、クスノキ科のシナモン、ローレル(ゲッケイジュ)、クスノキ等、ヒノキ科のヒノキ等、マツ科のマツ(パイン)等、コショー科のコショー(ペッパー)等、ショウガ科のジンジャー(ショウガ)等、ビャクダン科のサンダルウッド(ビャクダン)等、カンラン科のミルラ等、バンレイシ科のイランイラン等、フウロウソウ科のゼラニウム等、バラ科のバラ(ローズ)等が挙げられる。特に好ましくは、上記シソ科のラベンダー、ローズマリー、クラリセージ、パルマローザ、ヒソップ、メリッサ、バジル、セージ、ペニーロイヤル、ペパーミント、スペアミント、タイム(タチジャコウソウ)、セイボリー、パチュリー(バチョリ)、ミカン科のオレンジ、オレンジフラワー、グレープフルーツ、シトラス(カンキツ)、プチグレイン、ベルガモット、ミカン、ユズ、レモン、ライム、マンダリンが基原物質として挙げられる。
なお、これら香味成分を含包するマイクロカプセルやマイクロスフェア−の形態で添加してもよい。
本発明の睡眠改善医薬組成物における、香味成分の添加量は、使用する抗H1ヒスタミン薬の種類や量や、香味成分の種類によって相違するが、例えば、上記した乾燥末、抽出末、精油、抽出油、抽出液として、あるいは、矯味剤、芳香剤、着香剤、香料として添加する場合は、好ましくは睡眠改善医薬組成物全重量の0.001〜30質量%であり、より好ましくは、0.005〜10質量%であり、さらにより好ましくは、0.01〜5質量%である。
例えば、抗H1ヒスタミン薬として塩酸ジフェンヒドラミンまたはクエン酸ジフェンヒドラミンを用い、香味成分としてシソ科、ミカン科から選ばれる1種または2種以上の植物を基源とする矯味剤、芳香剤、着香剤または香料を用いた場合には、抗H1ヒスタミン薬100質量部に対し、好ましくは0.01〜1800質量部、より好ましくは0.05〜600質量部、さらにより好ましくは0.1〜300質量部の香味成分を添加することが好ましい。
特に、香味成分としてラベンダーを用いた場合には、抗H1ヒスタミン薬100質量部に対し、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.2〜25質量部であり、香味成分がローズマリーの場合には、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.2〜25質量部、香味成分がオレンジ等の柑橘類の場合には、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは0.2〜50質量部、香味成分がベルガモットの場合には、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.2〜25質量部である。
本発明の睡眠改善医薬組成物は、抗H1ヒスタミン薬とこれらの香味成分または香味成分を含む乾燥末、抽出末、精油、抽出油、抽出液等、あるいは香味成分を含む矯味剤、芳香剤、着香剤、香料等とに必要に応じて公知の製剤添加剤などを混合して常法により製剤化することにより製造される。これらの製剤化には、通常用いられる種々の製剤添加剤を使用することができる。製剤添加剤としては、賦形剤、基剤、結合剤、崩壊剤、崩壊補助剤、滑沢剤、流動化剤、コーティング剤、可塑剤、消泡剤、糖衣剤、剤皮、光沢化剤、発泡剤、防湿剤、界面活性剤、可溶化剤、緩衝剤、溶解剤、溶解補助剤、溶剤、安定化剤、乳化剤、懸濁剤、分散剤、抗酸化剤、充填剤、粘稠剤、粘稠化剤、pH調整剤、防腐剤、保存剤、甘味剤、矯味剤、清涼化剤、着香剤・香料、芳香剤、着色剤などが挙げられる。
本発明にかかる医薬組成物は、内服に適した種々の剤形とすることができる。この剤形の例としては、例えば、錠剤、カプレット、硬カプセル剤、ソフトカプセル剤、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、シロップ剤、内服液剤などが挙げられ、特に内服固形製剤とすることが好ましい。
かくして得られる本発明の睡眠改善医薬組成物は、種々の投与態様で使用できるが、1日1回就寝前に服用する形態のものが好ましい。
以下に、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
錠 剤 :
塩酸ジフェンヒドラミン2500g、乳糖4050g、とうもろこしでんぷん2000g、結晶セルロース3500g、クロスカメロースナトリウム250g、ポリビニルピロリドン300gを用いて常法により造粒し、打錠用顆粒を得た。この打錠用顆粒11340gに、レモンパウダー135g、タルク112.5g、ステアリン酸マグネシウム112.5gを混合後、打錠し、直径9mm、厚さ4.2mm、1錠重量260mgの錠剤44000錠を得た。
実 施 例 2
錠 剤 :
塩酸ジフェンヒドラミン100g、結晶セルロース427.4g、乳糖400g、クロスカルメロースナトリウム20g、軽質無水ケイ酸48g、ヒドロキシプロピルセルロース24g、オレンジ油0.6gを用いて常法により造粒し、打錠用顆粒を得た。この打錠用顆粒918gにステアリン酸マグネシウム9g及びタルク9gを混合後、打錠し、直径9mm、厚さ4.2mm、1錠重量260mgの錠剤3500錠を得た。
実 施 例 3
顆 粒 剤 :
塩酸ジフェンヒドラミン50g、マンニトール432g、バレイショデンプン470g、ヒドロキシプロピルセルロース5gおよび軽質無水ケイ酸20g、ペパーミントパウダー20g、レモンパウダー3gを用いて常法により顆粒とし、1包あたり1gとなるように分包して分包顆粒剤900包を得た。
実 施 例 4
カ プ セ ル 剤 :
塩酸ジフェンヒドラミン200g、結晶セルロース220g、乳糖231g、とうもろこしでんぷん100g、ウイキョウ末30g、ウイキョウ油9g、軽質無水ケイ酸10gおよびステアリン酸マグネシウム10gを均一に混合して混合粉末を製し、1カプセルあたり200mgとなるように硬カプセル(サイズ2号)に充填し、カプセル剤3800個を得た。
実 施 例 5
カ プ セ ル 剤 :
塩酸ジフェンヒドラミン200g、結晶セルロース220g、乳糖240g、トウモロコシデンプン100g、シナモンオイル8.6g、トウヒ末10.6g、トウヒ油0.4g、ローズ油0.4g、軽質無水ケイ酸10gおよびステアリン酸マグネシウム10gを均一に混合して混合粉末を製し、1カプセルあたり200mgとなるように硬カプセル(サイズ2号)に充填し、カプセル剤3800個を得た。
実 施 例 6
カ プ セ ル 剤 :
塩酸ジフェンヒドラミン200g、結晶セルロース239.28g、乳糖240g、トウモロコシデンプン100g、ラベンダー油0.72g、軽質無水ケイ酸10gおよびステアリン酸マグネシウム10gを均一に混合して混合粉末を製し、1カプセルあたり200mgとなるように硬カプセル(サイズ2号)に充填し、カプセル剤3800個を得た。
実 施 例 7
錠 剤 :
塩酸ジフェンヒドラミン100g、結晶セルロース427.4g、乳糖400g、クロスカルメロースナトリウム20g、軽質無水ケイ酸48g、ヒドロキシプロピルセルロース24g、ベルガモット油0.6gを用いて常法により造粒し、打錠用顆粒を得た。この打錠用顆粒918gにステアリン酸マグネシウム9g及びタルク9gを混合後、打錠し、直径9mm、厚さ4.2mm、1錠重量260mgの錠剤3500錠を得た。
実 施 例 8
錠 剤 :
塩酸ジフェンヒドラミン100g、結晶セルロース427.4g、乳糖400g、クロスカルメロースナトリウム20g、軽質無水ケイ酸48g、ヒドロキシプロピルセルロース24g、ローズマリー油0.6gを用いて常法により造粒し、打錠用顆粒を得た。この打錠用顆粒918gにステアリン酸マグネシウム9g及びタルク9gを混合後、打錠し、直径9mm、厚さ4.2mm、1錠重量260mgの錠剤3500錠を得た。
比 較 例 1
カ プ セ ル 剤 :
塩酸ジフェンヒドラミン200g、結晶セルロース220g、乳糖260g、トウモロコシデンプン100g、軽質無水ケイ酸10gおよびステアリン酸マグネシウム10gを均一に混合して混合粉末を製し、1カプセルあたり200mgとなるように硬カプセル(サイズ2号)に充填し、比較カプセル剤3800個を得た。
比 較 例 2
カ プ セ ル 剤 :
結晶セルロース339.28g、乳糖340g、トウモロコシデンプン100g、ラベンダー油0.72g、軽質無水ケイ酸10gおよびステアリン酸マグネシウム10gを均一に混合して混合粉末を製し、1カプセルあたり200mgとなるように硬カプセル(サイズ2号)に充填し、比較カプセル剤3800個を得た。
試 験 例 1
催 眠 試 験 :
実施例6、比較例1および比較例2で得られたカプセル剤を、軽度の不眠傾向にある成人9名を対象に7日間、就寝前約30分に1カプセル服用してもらい、入眠障害(寝つき:寝つきが悪く、なかなか眠れない)、熟眠障害(睡眠時間をたっぷりとったつもりでも、ぐっすり眠った感じがしない)、中途覚醒(夜中に何度も目が覚めてしまい、そのあと再び寝つくのが難しい)、早期覚醒(朝早く目が覚めてしまい、まだ眠りたいのに眠れなくなってしまう)に対する薬剤の効果について評価した。評価は、良い、やや良い、変わらない、やや悪い、悪いの5段階で行なった。入眠障害、熟眠障害、中途覚醒及び早期覚醒の改善率の結果を表1に改善率で示した。
Figure 0004411117
表1から明らかなように、香味成分を配合した本発明の催眠用固形製剤(実施例6)は、香味成分を配合しない比較製剤(比較例1)に比べ寝付き、熟眠障害、中途覚醒及び早期覚醒の改善が優れていた。これに対し、香味成分のみを使用しただけの製剤(比較例2)では、ほとんど睡眠改善効果が認められなかった。また、試験例1の試験においては、塩酸ジフェンヒドラミン服用による一般的な副作用(めまい、頭重感、口渇、便秘、吐き気、食欲不振、目のかゆみ、排尿困難、発疹、倦怠感)は観察されなかった。また、ラベンダーは副作用・習慣性などの弊害が少なく、日常的に長年使用されているものであるので、本発明の催眠用固型製剤は安全性の高いものであるといえる。
試 験 例 2
睡 眠 導 入 試 験 :
動物はddy系雄性マウスを1群5匹として用いた。試験薬剤は0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液500mLに、実施例6、比較例1または2で得られた検体1カプセル分を懸濁したものを使用し、マウス10g体重あたり0.1mLの割合で経口投与した。対照群には溶媒の0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液を同様に経口投与した。各試験薬剤経口投与60分後に、ヘキソバルビタール注射液80mg/kgを腹腔内投与し、正向反射消失までの時間を測定した。これを睡眠導入時間とした。この結果を図1に示す。
図1から明らかなように、ラベンダー単独群(比較例2)は対照群と同じであるが、比較例1と実施例6の比較から明らかなように、ラベンダーと塩酸ジフェンヒドラミンに組み合わせた場合は、有意に睡眠導入時間の短縮が見られた。
他の香味成分、例えば、ローズマリー、オレンジ等の柑橘成分、ベルガモットを用いた催眠用固形製剤でも同様な結果が得られる。
睡眠導入試験の結果を示すグラフである。 以 上

Claims (3)

  1. ジフェンヒドラミンまたはその酸付加塩ラベンダー油を配合することを特徴とする睡眠改善医薬組成物。
  2. ジフェンヒドラミンまたはその酸付加塩の成人1回当たりの投与量が、25〜75mgである請求項第1項記載の睡眠改善医薬組成物。
  3. ラベンダー油の配合量が全組成の0.001〜30質量%である請求項第1または第2項記載の睡眠改善医薬組成物。
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