以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明によるディスク装置のシステム構成を概略的に示すブロック図であって、1は撮影手段、2は撮影光学系、3はCCD(撮像素子)、4はA/D変換器、5は画像信号処理手段、6は記録再生信号処理手段、7はメモリ、8は記録再生手段、9はディスク状記録媒体、10は光学ヘッド、11はサーボ系、12はシステム制御手段、13は表示手段、14はマイクロフォン、15は画像表示手段である。以下の説明では、ディスク状記録媒体9を光ディスクとする。
同図において、撮影手段1は、撮影光学系2やCCD(撮像素子)3やA/D変換器4などからなり、被写体像を撮影光学系2によってCCD3上に結像させ、CCD3により画像信号を得て出力する。この画像信号はA/D変換器4によってデジタル化され、画像信号処理手段5に供給されて画像データに変換される。この画像信号処理手段5は、また、音声情報信号入力手段であるマイクロフォン14からの音声信号をも処理する。
画像信号処理手段5からの画像データや音声データ(以下、情報データという)は記録再生信号処理手段6に供給され、エンコード,変調,ECC(Error Correcting Code:誤り訂正符号)付加などの処理がなされて光ディスク9へ記録するための記録フォーマットに従う記録データに変換される。この記録データは、記録再生手段8により、レーザ光源(レーザダイオードなど)や光学系,光検出器などよりなる光学ヘッド10に供され、光ディスク9に記録される。このディスク状記録媒体9は、このディスク装置に着脱可能であり、ここでは、装着された状態にある。
サーボ系11は、光ディスク9へのかかる光記録に必要なサーボ制御、例えば、光学ヘッド10のアクチェータ(図示せず)を制御するフォーカス制御やトラッキング制御、スピンドルモータ(図示せず)を制御するディスクの回転制御、アドレス位置を制御するシーク制御などを行なう。
ここで、撮像手段1がビデオカメラである場合、画像データや音声データは連続的に画像信号処理手段5で処理される。これら画像・音声データの処理能力は、画像信号処理手段5の処理能力で決まり、この処理能力により、画像信号処理手段5から記録再生信号処理手段6に送られる情報データの転送速度が決まる。また、光ディスク9での記録、あるいは再生の転送速度は、記録再生信号処理手段6の処理能力や記録再生手段8の処理能力,光ディスク9の回転速度などにより決まる。
また、画像信号処理手段5からの情報データを一時記憶するためのメモリ7が設けられている。メモリ7は、画像信号処理手段5から転送される画像データあるいは音声データの転送速度が光ディスク9に記録を行なう速度より速い場合に、かかるデータがメモリ7に蓄積される。従って、光ディスク9へは、このメモリ7へのデータの蓄積量がそのメモリ容量以上にならないうちに記録がなされる必要がある。
一方、この光ディスク9が記録データを再生する場合には、光学ヘッド10によってレーザ光が光ディスク9に照射され、その反射光を光検出器で反射光量差として検出することにより、データが読み取られる。このようにして光学ヘッド10で光ディスク9から再生されたデータ(再生データ)は、記録再生手段8から一時メモリ7に記憶され、記録再生信号処理手段6によって、このメモリ7から読み出されながら、デコード,復調,誤り訂正処理などの処理がなされて元の情報データに変換される。この情報データは、メモリ7で一時記憶された後、画像信号処理手段5に供給され、画像データが表示出力用の画像信号に、また、音声データが音声出力用の音声信号に夫々変換され、LCD(液晶ディスプレイ)などの画像表示手段15に供給されて表示される。
システム制御手段12はディスク装置全体の統括制御を司る制御マイコンよりなるものであって、このシステム制御手段12により、図示しない外部入力手段からのユーザ操作による指令などに応じてディスク装置の各部の制御や全体の統括管理を行なう。また、システム制御手段12は、後述する必要なデータを外部表示手段13のような他の手段に供給する。
図2は本発明によるディスク装置の一実施形態の要部を示すブロック図であって、16は汚れ検出登録手段であり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
同図において、この実施形態は、図1に示すディスク装置に汚れ検出登録手段が設けられたものである。ここで、汚れとは、光ディスク9に付着した埃や指紋、光ディスク9での傷などの記録の妨げとなるものをいう。
汚れ検出登録手段16は、ユーザが装着した光ディスク9上に汚れが有るか否かを判定した結果を表わす汚れ判定情報を、この光ディスク9の固有情報と関連付けて、保持する。ディスク装置にディスク状記録媒体9が装着されると、この装着されたディスク状記録媒体9に対する汚れ判定情報が汚れ検出登録手段16にある場合には、この汚れ判定情報が汚れ検出登録手段16からシステム制御手段12に読み取られる。この汚れ検出登録手段16は、ディスク装置の電源がOFFになっても、かかる汚れ判定情報をそのまま保持することが可能であり、例えば、不揮発メモリのようなものを構成要素の1つとすればよい。光ディスク9がこのディスク装置から取り外されたときには、この汚れ判定情報は汚れ検出登録手段16で削除または無効とされる。但し、光ディスク9の固有情報とともにそのまま保持されてもよい。
以上の説明では、汚れ検出登録手段16に光ディスク9上に汚れが有るか否かの判定結果を保持するとしたが、これに限る必要はなく、例えば、汚れ判定の結果、光ディスク9上に汚れが有ったときにのみ「汚れ有り」という情報を保持するようにしてもよい。逆に、汚れ判定の結果、光ディスク9上に汚れがなかったときのみ「汚れ無し」という情報を保持するようにしてもよい。
次に、この実施形態の動作の一具体例を図3及び図4により説明するが、ここでは、光ディスク9をDVD−RAM(以下、単にDVD(Digital Versatile Disc)という)やCD(Compact Disc)などとする。但し、光ディスク9としては、これのみに限るものではなく、これ以外の書き込み型光ディスクであってもよい。
ここで、光ディスク9の汚れの有無を判定方法については後に詳述するが、この実施形態では、ディスク装置に現在装着されている光ディスク9の汚れの有無を、ユーザが光ディスク9をこのディスク装置に装着した後の早い段階で汚れ検出登録手段16により判定できるようにするものである。これにより、ユーザに光ディスク9の汚れを警告でもって早めに知らせることができ、その結果、記録動作を行なう前に、ユーザが光ディスク9をディスク装置から取り出して汚れを取り除くことができる。また、この実施形態では、汚れの警告があっても、急いでデータを記録したい場合には、そのまま光ディスク9に記録させることも可能としており、ユーザの対処方法の選択範囲が広くなる。
図3において、電源が投入されるなどしてディスク装置が利用開始され、ユーザにより光ディスク9がディスク装置に装着されて、これが検出されると(ステップS1)、光ディスク9が回転し始め、光学ヘッド10がレーザ光源からレーザ光を発光する。この場合のレーザ光の種類(波長)や出力は使用する光ディスクの種類によって決まっており、例えば、DVDならば、波長が630nmのレーザ光が用いられ、CDならば、波長が780nmのレーザ光が用いられる(ステップS2)。そして、光ディスク9からの反射光をもとに各種調整が開始され、フォーカス・エラー信号などの信号計測が行なわれる(ステップS3)。
この信号計測の結果が一定の条件を満たしている場合には、次に、光ディスク9が記録用(書き込み型)の光ディスクか否かの判定がなされ(ステップS4)、記録用でない場合には、この動作を終了する。
光ディスク9が記録用と判定された場合には、さらに、記録用の光ディスクのための種々の調整が行なわれる(ステップS5)。ここでは、詳述しないが、例えば、DVDである場合には、記録層が1層のディスクであるか、2層のディスクであるかの判別や、DVD−RAMやDVD−R,DVD−RWなどといったDVDの種類の判別が行なわれた後、この光ディスクに記録されたデータを再生するための設定値が設定、あるいは調整される。
次に、装着されたこの光ディスク9に対して汚れ判定の結果、汚れ有りという情報が汚れ検出登録手段16に格納されているか判断する(ステップS6)。格納されている場合には、警告を発してユーザに使用しようとする光ディスク9に汚れがあることを通知する(ステップS9)。格納されていない場合には、サーボ系11の検出出力を用いて光ディスク9の記録面での汚れ検出を行なう(ステップS7)。これは、例えば、光ディスク9からの反射光に基づくトータル光量信号(PE信号)やフォーカス・エラー信号(FE信号),トラッキング・エラー信号(TE信号)などの光学ヘッド10の制御に用いられる信号の変動から汚れを検出するものである。光ディスク9上に埃や指紋などの汚れなどがある場合には、これによって光ディスク9からの反射光が散乱などの影響を受けるため、PE信号やFE信号,TE信号などに変動を生じさせる。光ディスク9上には、データの記録位置などを決めるためのPID(Physical ID)などの構造が予め設けられているが、これらは周期的な構造であるため、埃や指紋などの汚れによる信号の変動とは区別が可能である。しかし、これ以外の他の方法を用いてもよい。汚れが検出された場合には(ステップS8)、警告を発してユーザに使用しようとする光ディスク9に汚れがあることを通知する(ステップS9)。
ステップS9での警告は、システム制御手段12により、任意の外部表示装置13、例えば、カムコーダならば、液晶ディスプレイに表示される。図7はこのように警告を表示した画面(警告画面)の一具体例を示すものであって、図示するように、例えば、「ディスクに汚れがある可能性があります」といった警告17が表示され、「続行」ボタン18と「ディスク取り出し」ボタン19とが表示され、ユーザがそのいずれか一方をクリック操作またはタッチ操作によって選択できるようにしている。
例えば、ディスク装置がDVDカムコーダに用いられ、記録を開始するまでに時間的な余裕があるなどして、この警告画面でユーザが「ディスク取り出し」ボタン19を選択すると、図3において、ディスク状記録媒体9がディスク装置から排出される(ステップS10)。ユーザはこの排出された光ディスク9から汚れを拭き取ることができ、しかる後、これを再度ディスク装置に挿入すると、ステップS1からの動作を繰り返す。ここで、この光ディスク9に対する汚れ判定情報が汚れ検出登録手段16に格納されている場合には、このように、装着されている光ディスク9をディスク装置から取り出すと、この汚れ判定情報は削除もしくは無効とされる。これにより、この光ディスク9は、汚れがないものとして取り扱われる(ステップS11)。光ディスク9から汚れを拭き取っても、まだ汚れが残っているときには、これがステップS7,S8によって検出され、ステップS9で警告が発せられる。
汚れ検出登録手段16に汚れ判定による汚れ有りという情報が格納されておらず、汚れも検出されない場合には(ステップS8)、あるいはまた、汚れ検出登録手段16に汚れ判定による汚れ有りという情報が格納されていても、急いで記録したいなどの理由で図7に示す警告画面でユーザが「続行」ボタン18を選択した場合には、ここでは詳述しないが、光ディスク9にデータを記録するために必要な各種設定値(例えば、レーザ強度やレーザ発光間隔など)を調整・設定する処理をする(ステップS12)。
そして、ユーザなどからのデータ記録命令の有無を判定し(ステップS13)、データ記録命令がない場合には、ユーザがディスク装置の電源をOFFする指令がなされたか否かを判定し(ステップS15)、電源をOFFする指令がなされない場合には、ステップS13に戻る。このようにして、データ記録命令があるか、電源がOFFされるまで、ステップS13,S15の判定動作を繰り返す待機状態に保たれる。
かかる待機状態でディスク装置の電源をOFFする指令がなされると(ステップS15)、そのとき装着されている光ディスク9の汚れ判定情報が汚れ検出登録手段16に格納されており、この光ディスク9に対してステップS6,S9,S10,S12の一連の動作がなされたときには、所定時間の経過後、ディスク装置の電源をOFFし(ステップS17)、動作を終了する。また、そのとき装着されている光ディスク9に対し、ステップS6,S7,S8,S12、またはステップS6,S7,S8,S9,S10,S12を経て汚れ検出,判定が行なわれたものであるときには、ディスク装置の電源OFFの指令後、上記所定の時間が経過する間に汚れが有るか否かという汚れ判定情報を汚れ検出登録手段16に格納し(ステップS16)、しかる後、ディスク装置の電源をOFFして(ステップS17)、動作を終了する。あるいは、ステップS6,S7,S8,S9,S10,S12を経たときには、汚れが有るという情報を汚れ検出登録手段16に格納し(ステップS16)、ステップS6,S7,S8,S12を経たときには、汚れ検出登録手段16に何も登録しないようにしてもよい。逆に、汚れが無いということを登録して、汚れが有るときに何も登録しないということも可能である。
また、上記のステップS13,S15の判定動作を繰り返す待機状態で記録命令があると(ステップS13)、光ディスク9の種類に応じてステップS12で設定された各種設定値・記録方法によってデータの記録が開始され、所定記録単位の記録データが記録されると(ステップS14)、図4に示す処理動作に進む。
ここで、記録データは、所定記録単位毎に光ディスク9に記録されるのが一般的である。例えば、DVD−RAMの場合には、1ECC(Error Correcting Code)ブロック単位毎に記録される。
上記のように、データ記録が開始されると、図4において、その記録がRAW有り記録か否かを判定する(ステップS18)。ここで、RAW(Read after Write)とは、記録データを上記所定記録単位、あるいはその複数倍記録した後、それを読み込んでそれに誤りがない否かチェックする処理である。一般に、ディスク管理情報やUDF(Universal Disk Format)と呼ばれるファイル管理情報,コンピュータで使用するファイルなど高い信頼性を必要とされるデータを光ディスク9上に記録するときには、RAW有り記録が用いられる。一方、DVDカムコーダなどで映像データや音声データを光ディスク9に記録するときには、ストリームライトなどと呼ばれるRAW無し記録が用いられることが多い。
ステップS18でRAW有り記録ではないと判定された場合、例えば、DVDカムコーダで映像データや音声データを記録している場合には、RAW無し記録による記録データを所定記録単位毎に読み込み、この読み込んだ記録データのその記録前のオリジナルデータに対する誤り量を誤り訂正符号(ECC)などを用いて検出し、その誤り量が所定の閾値(以下、汚れ閾値Aという)を超えているか否か判定する(ステップS19)。
ここで、上記の所定記録単位毎の読み込みの一具体例について説明する。
例えば、DVDカムコーダで映像/音声データをMPEG(Moving Picture Experts Group)2規格で記録する場合には、このディスク装置には、最大12Mbpsでデータが送られてくるのに対し、このディスク装置がデータを記録するレートは約22Mbpsであり、ディスク装置がデータが送られて来るのを待つ空き時間がある。そこで、この空き時間を上記の記録したデータを読み込む時間として用いる。また、上記の所定記録単位毎に読み込むデータ量は、所定記録単位全て読み込む必要はなく、光ディスク9のトラック2,3周分のデータ量(約200kB)で充分である。なぜなら、所定記録単位が、例えば、16MBである場合、光ディスク9のトラック1周に約64kB記録できるので、所定記録単位の記録データは光ディスク9上でトラック250周分、半径方向に185μmの幅の領域に記録される。しかし、指紋などの汚れが付着している場合、この所定記録単位の記録領域の幅よりも充分広い幅にわたって、かかる汚れは付着しているものであり、この所定記録単位の記録領域全体を読み込まなくとも、トラック2,3周分のデータを読み取るだけで汚れの有無を判定できる。
上記の誤り量が汚れ閾値Aを超えていない場合には(ステップS19)、ユーザなどが要求した全内容の記録がなされたか否かが判定される(ステップS24)。ユーザなどが要求した全内容とは、一般に、ユーザなどからこのディスク装置にデータ記録命令を入力してからデータ記録停止命令を入力するまでの間のデータや、このデータをディスク装置が管理する管理情報などにあたる。例えば、このディスク装置がDVDカムコーダに用いられている場合、ユーザが記録開始ボタンを押してから記録停止ボタンを押すまでに撮影した映像及び音声信号や必要に応じて書き込まれる管理情報などがユーザなどが要求した全内容である。
上記全内容の記録がなされたときには(ステップS24)、図3のステップS13に戻り、次の記録命令がなされるまで、もしくは電源OFFとなるまで、ステップS13,S15を繰り返して待機するが、ユーザなどが要求した全内容の記録がなされていないときには(ステップS24)、図3のステップS14に戻り、次の所定記録単位の記録データが記録されて、図4のステップS18からの動作に進む。
ステップS19で上記の誤り量が汚れ閾値Aを超えていると判定された場合には、記録データが適正に記録できていない可能性があることをユーザに警告する(ステップS20)。この警告は、システム制御手段12により、任意の外部表示装置13、例えば、カムコーダならば、液晶ディスプレイで図7に示すように表示される。
この警告に対して、ユーザは光ディスク9をディスク装置から取り出し、光ディスク9上の汚れを取り除くことができる(ステップS21)。このように、光ディスク9をディスク装置から取り出した場合には、図3のステップS11に進んで、この光ディスク9に対して汚れ判定情報が汚れ検出登録手段16に格納されていれば、この汚れ判定情報が削除される。このように、ユーザが、特に、急いでおらず、撮影開始までにまだ充分時間があるときには、光ディスク9をディスク装置から取り出して、光ディスク9上にある汚れなどを取り除くことができる。
また、上記の警告があっても(ステップS20)、図7での「続行」ボタン18を選択することにより、そのまま汚れなどを取り除かずにこの光ディスク9にデータの記録を続けることも可能である(この場合には、ステップS21→S24→S14→S18→S19→S20を繰り返す)。つまり、例えば、このディスク装置がDVDカムコーダに用いられている場合、ユーザが今直ぐに被写体の撮影を続行したいときには、この光ディスク9に対して汚れがあると警告されても、そのまま撮影を続けて映像・音声データを光ディスク9上に記録し続けることができる。
なお、記録停止命令の有無の判定処理をステップS18,S19間、もしくはステップS20,S21間に設け、記録停止命令があったときには、例えば、図3でのステップS13に戻るようにすることもできる。また、ステップS21の代わりに、記録停止命令があったか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、記録停止命令があれば、光ディスク9に汚れがあるかどうかを判定する処理は終了するようにし、記録停止命令がなければ、ステップS24へと進み、データ記録を続行可能となるようにする。
一方、ステップS18において、RAW有り記録と判定された場合、例えば、ディスク管理情報など高い信頼性を必要とされるデータを光ディスク9上に記録する場合には、記録した所定記録単位もしくはその整数倍の記録データを記録する毎にそれを読み込み、その読み込んだ記録データのオリジナルデータに対する誤り量を計測し、その誤り量が所定値(以下、ライトエラー閾値Bという)を超えているか判定する(ステップS22)。そして、この誤り量がライトエラー閾値Bを超えている場合には、ライトエラー発生時処理を行なう(ステップS25)。ライトエラー発生時処理に関しては、ここでは詳述しないが、一般的な記録型ディスクドライブ装置で行なわれるライトエラー発生時処理であればよく、例えば、光ディスク9がDVD−RAMならば、このディスク上の交替領域に再記録するか、あるいは、ライトエラー発生により記録処理を強制的に終了する。
RAW有り記録を行なうときには、記録データを所定記録単位(例えば、光ディスク9がDVD−RAMである場合には、1ECCブロック)、あるいはその複数倍記録した後、その記録データを読み込んでRAW処理を行なうようにすればよいが、光ディスク9上の、例えば、1トラック分記録データを記録した後、この記録データを読み込むことにより、光学ヘッド10の移動量、即ち、シーク量を小さくでき、記録データの記録からRAW処理が終了するまでに要する時間を短くすることができる。
上記の誤り量がライトエラー閾値Bを超えてはいないが(ステップS22)、別の所定値(以下、汚れ閾値Cという。但し、汚れ閾値C < ライトエラー閾値B)を超えている場合には(ステップS23)、記録データが適正に記録できていない可能性があることをユーザに警告する(ステップS20)。この警告も、システム制御手段12により、任意の外部表示装置、例えば、カムコーダならば液晶ディスプレイに図7に示すように表示される。また、上記の誤り量が汚れ閾値Cも超えていない場合には(ステップS23)、ユーザやディスク装置などが要求した全内容の記録がなされたか否かが判定される(ステップS24)。上記の全内容の記録がなされたときには(ステップS24)、図3のステップS13に戻り、ユーザなどからのデータ記録命令があるまで、もしくはディスク操作の電源がOFFとなるまで待機するが、ユーザやディスク装置などが要求した全内容の記録がなされていないときには(ステップS24)、図3のステップS14に戻り、次の所定記録単位の記録データが記録されて、図4のステップS18からの動作に進む。
上記の誤り量が汚れ閾値Cを超えていて(ステップS23)、RAW有り記録で記録データが適正に記録できていない可能性があることがユーザに警告されたときには(ステップS20)、ユーザは、光ディスク9をこのディスク装置から取り出して、光ディスク9上の汚れなどを取り除くことができるし、そのまま汚れなどを取り除かずに記録データの記録を続けることも可能である(ステップS21)。つまり、例えば、ディスク装置がDVDカムコーダに用いられている場合、ユーザが今直ぐに被写体の撮影を続行したい場合には、光ディスク9上に汚れなどがあると警告されても、そのまま撮影を続けて、映像・音声データを光ディスク9上に記録を続けることができるし、また、ユーザが、特に、急いでおらず、撮影開始までにまだ充分時間があるときには、光ディスク9をディスク装置から取り出して、光ディスク9上にある汚れなどを取り除くことができる。
RAW有り記録のときには、上記の誤り量が汚れ閾値Cを超えていても、ライトエラー閾値Bより小さければ、警告表示がなされても(ステップS20)、実際には、データ記録は適正に行なわれている。しかし、この状態では、指紋のような汚れが光ディスク9上にあるため、現時点では、それがライトエラーにならなかったが、データ記録用のレーザパワーマージンを消費していることになる。従って、将来、記録中にレーザパワーの変動があったときには、この汚れがある領域でデータ記録に失敗する可能性が高くなる。この可能性を低くする点でユーザに警告するステップS20は有効な手段となる。これは、ユーザに光ディスク9上に汚れがあることを知らせ、その汚れを取り除く機会を与えることができるからである。
なお、汚れ閾値Cは、汚れ閾値Aと等しくてもよいし、異なってもよい。
光ディスク9が既にディスク装置に格納された状態でユーザがこのディスク装置の利用を開始した場合には、ディスク装置の電源ONとともに、ステップS2から動作が開始される。これは、例えば、前回使用された光ディスク9がディスク装置から取り出されずに、そのまま再利用される場合である。かかる光ディスク9に対しては、ステップS16により、汚れ検出登録手段16に汚れ判定情報が格納されている。
このため、かかる光ディスク9に対しては、これが使用されるとともに、汚れ判定情報に「汚れ有り」という情報があると(ステップS6)、直ちにユーザに装着されている光ディスク9には汚れがあるとの警告が、図7に示すように、発せられ(ステップS9)、サーボ系による汚れの検出処理(ステップS7)を省略することができて、無駄な処理時間を掛けずに済むことになる。つまり、前回使用したときに汚れが検出されたこの光ディスク9がディスク装置から取り出されていないので、汚れはそのままこの光ディスク9に残っており、わざわざもう一度汚れの検出処理を行なう必要がないからである。
以上説明したように、記録データを記録するのに妨げとなる汚れの検出処理を複数回、即ち、最初にサーボ系の出力による汚れの検出処理を行ない(ステップS7)、次に、記録データの誤り量を用いた汚れの検出処理を行なう(ステップS19,S23)という異なる検出方法によって汚れを検出することにより、光ディスク9の汚れを段階的に検出することができ、各段階で汚れに関する警告をユーザに提示することができる。これにより、とにかく今直ぐ記録したい、あるいは、ちょっと手間をかけてもいいからきちんとデータを記録したい、というユーザの要求する緊急度・必要性などの都合に合わせて、データ記録を行なうことができる。
以上はユーザがディスク装置に光ディスクを装着して、記録データをこのディスク状記録媒体に記録する場合の動作であったが、ディスク状記録媒体からデータを再生する場合にも、光ディスクの汚れに対する同様の動作を行なうようにすることもできる。これを、図5及び図6を用いて説明する。なお、図5において、図3における処理と同様の処理を行なうステップには、同一符号を付けて重複する説明を省略する。
図5において、ステップS1〜S11までは、図3に示す処理と同様であるので、説明を省略する。
サーボ系11の出力を用いた汚れの検出の結果、汚れがない場合(ステップS8)、もしくは、汚れ検出登録手段16に汚れ判定による汚れ有りという情報が格納されていて(ステップS6)、汚れがあるとの警告が発せられたにもかかわらず(ステップS9)、ユーザが光ディスク9を取り出さずにそのまま装置利用を続行する場合(ステップS10)、光ディスク9からデータを再生するのに必要な各種設定値(例えば、レーザ強度など)を調整・設定する(ステップS26)。そして、ユーザなどからデータ再生命令が有ったか否かを判定する(ステップS27)。データ再生命令がない場合には、ユーザがディスク装置の電源をOFFしたか否かを判定する(ステップS15)。そして、記録の場合と同様に、データ再生命令もしくはディスク装置の電源OFFの命令があるまで、ステップS27,S15を繰り返して待機状態にあり、電源OFFの命令があると、ディスク装置の電源をOFFにする(ステップS17)。このとき、サーボ系の出力を用いてこの光ディスク9の汚れが検出されていると、その汚れ判定情報が汚れ検出登録手段16に格納される(ステップS16)。また、光ディスク9の汚れが検出されていないときには、汚れていないという汚れ判定情報を汚れ検出登録手段16に格納してもよい。
また、上記のステップS27,S15の繰り返しによる待機状態にあるときに、ユーザなどからデータ再生命令があると(ステップS27)、光ディスク9から所定単位のデータ(例えば、DVD−RAMの場合には、1ECCブロック単位のデータ)が再生され(ステップS28)、図6に示す処理に進む。
なお、この待機状態で、データ記録命令の有無も判定するようにしてもよい。このデータ記録命令がある場合には、図3でのステップS14に進み、上記の記録のための動作を実行する。同様にして、図3におけるステップS13,S15の繰り返しの待機状態でデータ再生命令の有無も判定するようにしてもよい。データ再生命令があると、図5のステップS28に進み、所定単位のデータを再生して(ステップS28)、次に説明する動作を実行する。
図6において、まず、ステップS28で再生された所定単位のデータ(再生データ)のそのオリジナルデータに対する誤り量を、誤り訂正符号(ECC)などを用いて、検出し、その誤り量が所定値(以下、汚れ閾値Dという)を超えているか否かの判定をする(ステップS29)。この誤り量が汚れ閾値Dを超えていない場合には、ユーザなどの要求した全内容を光ディスク9から再生したか否かを判定する(ステップS32)。また、誤り量が汚れ閾値Dを超えていた場合には、この光ディスク9では、データを記録しようとしても、適正に記録できない可能性があることをユーザに警告する(ステップS30)。この警告は、上記のように、システム制御手段12により、任意の外部表示装置13、例えば、ディスク装置をカムコーダに用いるならば、液晶ディスプレイに、図7に示すように、表示される。この警告でも、図7での「続行」ボタン18を選択し、そのまま再生を続ける場合には(ステップS31)、ユーザなどの要求した全内容を光ディスク9から再生したか否かを判定する(ステップS32)。
ここで、ユーザなどの要求した全内容とは、一般に、ユーザなどからこのディスク装置にデータ再生命令を出してからデータ再生停止命令を出すまでの間のデータや、このデータをディスク装置が管理する管理情報などにあたる。例えば、このディスク装置がDVDカムコーダに用いられている場合には、ユーザが再生開始ボタンを押してから再生停止ボタンを押すまでに再生された映像/音声データや、それらをディスク装置が管理する管理情報などがユーザなどの要求した全内容にあたる。
ユーザなどの要求した全内容を光ディスク9から再生し終わっていない場合には(ステップS32)、図5のステップS28に戻り、次の所定単位のデータの再生が行なわれ、図6のステップS29に進む。これにより、さらにデータの再生を続けることが可能となる。例えば、このディスク装置がDVDカムコーダに用いられている場合、ユーザが撮影して記録済みの内容の再生を続行したいときには、光ディスク9上に汚れなどがあると警告されていても、そのまま再生を続けて、映像・音声データを光ディスク9上のデータから読み出し続けることが可能となる。
ユーザなどの要求した全内容が光ディスク9から再生された場合には(ステップS32)、図5のステップS27に戻り、ステップS27,S15の動作を繰り返してデータ再生命令またはディスク装置の電源OFFの命令を待つ。
なお、後で述べるが、ステップS27に戻る代わりに、図3のステップS13に進み、ユーザなどからのデータ記録命令またはディスク装置の電源OFFの命令を待つようにしてもよい。
また、図6において、光ディスク9上にデータを記録しようとしても、データを適正に記録できない可能性があるとの図7に示す警告に対し(ステップS30)、ユーザが「ディスク取り出し」ボタン19を選択して光ディスク9をディスク装置から取り出すことができ(ステップS31)、これにより、光ディスク9上の汚れなどを取り除くこともできる。つまり、ユーザが、特に、急いでおらず、撮影開始までにまだ充分時間があるときには、光ディスク9をディスク装置から取り出して、光ディスク9上にある汚れなどを取り除くことができ、再生時に汚れを検出してこれを取り除くことにより、次回の記録時のデータ記録失敗の可能性が低くなる。
このように、データの記録が適正にできないとの警告に対し(ステップS30)、光ディスク9をディスク装置から取り出すと(ステップS31)、図5のステップS11に進み、汚れ検出登録手段16に格納されているこの光ディスク9に対する汚れ判定情報が削除される。
なお、図5のステップS28と図6のステップS29との間、もしくは図6でのステップS30,S31の間、またはステップS31の代わりに、データ再生の停止命令の有無を判定する処理を設けるようにしてもよい。この場合には、再生停止命令があれば、以上の処理動作を終了し、再生停止命令がなければ、ステップS32へ進んでデータ再生を続行することが可能となる。
また、上記の汚れ閾値Dは、先の汚れ閾値Aあるいは汚れ閾値Cと等しくてもよいし、異なってもよい。
光ディスク9が既にディスク装置に装着された状態でユーザが、電源をONさせるなどして、このディスク装置の利用を開始した場合には、図5のステップS2から処理動作を開始する。この場合、この光ディスク9に対し、その前回の使用で汚れ検出処理が行なわれていれば、この光ディスク9がディスク装置から取り出されていない限り、この汚れ検出処理で得られた汚れ判定情報が汚れ検出登録手段16に格納されたままとなっている(ステップS16)。従って、この光ディスク9に対しては、これが使用されるとともに、汚れ判定情報に「汚れ有り」という情報があると(ステップS6)、直ちにユーザにこの光ディスク9に汚れがあると警告することができ(ステップS9)、サーボ系の出力を用いた汚れ検出処理(ステップS7)を省略することができて、無駄な処理時間を掛けずに済むことになる。つまり、前回の使用で汚れが検出された光ディスク9がディスク装置から取り出されていないときには、汚れがそのままこの光ディスク9に残っているので、わざわざもう一度汚れの検出処理をすることなく、かかる汚れがあることをユーザは知ることができる。
以上、光ディスク9上に指紋のような汚れがあるかどうかを判定する処理動作について説明した。しかし、以上の説明では、図3及び図4を用いてデータを記録する場合の動作を、また、図5及び図6を用いてデータを再生する場合の動作を説明したが、動作としては、このように記録と再生とを別々にする必要はなく、1つの処理動作として組み合わせてもよい。
その動作の具体例の要部をフローチャートとして図8に示す。このフローチャートでは、省略しているが、ステップS1〜S11は図3及び図5に示すフローチャートと同様である。
図8において、この具体例では、図5におけるステップS27を図3におけるステップS15とステップS13との間に設けたものであり、データ記録命令がないときには(ステップS13)、ディスク装置の電源OFFの命令があるか否かの判定が行なわれ(ステップS15)、この電源OFFの命令がないときには、データ再生命令の有無を判定するものである(ステップS27)。そして、データ記録命令があるときには(ステップS13)、光ディスク9にデータを記録するために必要な上記の各種設定値を調整・設定する処理を行ない(ステップS12)、所定記録単位のデータ記録を行なって(ステップS14)、図4のステップS18に進み、また、データ再生命令があるときには(ステップS27)、光ディスク9からデータを再生するために必要な上記の各種設定値を調整・設定する処理を行ない(ステップS26)、所定単位のデータ再生を行なって(ステップS28)、図6のステップS29に進む。
このようにして、一部省略して示す図8のフローチャートの動作を光ディスク9でのデータ記録・再生に共通に用いることができる。但し、この場合には、図4において、光ディスク9にユーザなどが要求した全内容を記録した場合(ステップS24)、及び、図6において、光ディスク9からユーザなどが要求した全内容を再生した場合(ステップS32)には、図8でのステップS13に戻るが、図4において、光ディスク9にユーザなどが要求した全内容がまだ記録されていない場合には、図8でのステップS14に戻って次の所定記録単位のデータ記録が行なわれ、図6において、光ディスク9からユーザなどが要求した全内容がまだ再生されていない場合には、図8でのステップS28に戻って次の所定単位のデータ再生が行なわれる。
なお、図8では、ステップS27の判定をステップS15の判定の次に行なうようにしたが、ステップS13の次に行なうようにしてもよい。
以上のように、この実施形態では、ディスク装置の利用開始から実際に光ディスクでのデータの記録や再生が完了するまでの間に、データ記録や再生の妨げとなるものがあるかを検出する汚れの検出処理を複数回行なうものであり、さらに、複数回の汚れ検出処理を異なる検出方法を用いて行なうものである。
即ち、上述したように、例えば、サーボ系の出力を用いた第1の汚れ検出処理を記録前に行ない、記録後に記録データの誤り量を用いる第2の汚れ検出処理を行なうことにより、例えば、サーボエラーが生ずるほどの汚れとサーボエラーは生じないが、記録データに誤りが生じる軽い汚れとを段階的に検出することができ、さらに、夫々の段階でユーザに汚れに関する警告をすることが可能である。これにより、第1の汚れ検出処理により、光ディスクからの信号に基づいて汚れがあるとの警告を受けた場合、とりあえず急ぎ記録し、第2の汚れ検出処理により、記録データの誤り量からやはり汚れがあるとの警告を受けた場合、時間的余裕を持って汚れを取り除くことも可能である。これら第1,第2の汚れ検出処理の方法を異ならせた利点はここにあり、第1の汚れ検出処理で記録に影響がある可能性を示し、第2の汚れ検出処理で実際に汚れの影響が出たことをユーザに知らせることができる。
とにかく今記録したい、あるいは、ちょっと手間をかけてもいいからきちんとデータを記録したいといったユーザが要求する緊急度・必要性などの都合に合わせて、ユーザ自身がこれから記録されるデータの信頼性、即ち、光ディスクの汚れによる記録データへの影響度を選べるという利便性を提供できる。
また、第1,第2の汚れ検出処理の閾値を適宜設定できるようにすることにより、例えば、汚れが付着し易い度合いの異なる光ディスクに対しても適応可能となる。
なお、以上の説明では、ディスク状記録媒体9を光ディスクとしたが、本発明は、これのみに限定されるものではない。