JP4409828B2 - ガス液化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス液化装置に係り、特に、ヘリウムガス液化装置として用いるのに好適な、冷凍機(好ましくはGMサイクル冷凍機等の蓄冷式冷凍機)を複数台使用し、外部から供給するガス(例えばヘリウムガス)を、その冷凍機の各冷却ステージにおいて順次冷却し、最終的にガス液化温度(例えば液体ヘリウム温度4.2K)以下で冷凍能力を有する冷凍機(例えば4KレベルのGM冷凍機(4K−GM冷凍機と称する)等)により冷却される凝縮器によって供給ガスを凝縮液化させるガス液化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘリウムガス液化装置として、特許文献1に記載されているように、例えば4K−GM冷凍機等の蓄冷器式冷凍機を図1に示す如く複数台(図1では、4、5の2台)使用するものが提案されている。
【0003】
この蓄冷器式冷凍機4、5は、図1に示すように2段式が通常であり、冷凍を発生する膨張シリンダ部に第1段7、9と第2段8、10の2つの冷却ステージを有している。4K温度レベルのGM冷凍機では、第1段冷却ステージ7、9の温度は通常25K〜50Kレベル、第2段冷却ステージ8、10の温度は4Kレベルである。
【0004】
図において、2は凝縮液化された液体ヘリウムを蓄える液体ヘリウム容器、3は周囲と真空断熱されたクライオスタット、11は第1段熱接触部材、13は外部からのヘリウムガスの供給配管(予冷配管)、14は液体ヘリウム容器2からの蒸発配管、15は液体ヘリウム容器2への液化配管、16、17は熱交換器、21は凝縮器である。
【0005】
このようなヘリウムガス液化装置において、外部から供給配管13を介してヘリウムガスを供給して液化する場合、常温で大気圧(1atm)の供給ヘリウムガスをまず第1段冷却ステージ7、9で予冷し、次に第2段冷却ステージ8の凝縮器21に導いて凝縮液化させる。液化されるヘリウムガスは、液体ヘリウム容器2からの蒸発ガスや、ヘリウムボンベのガス等が対象となる。液体ヘリウムは通常ほぼ大気圧で貯液されており、供給されるガスは、液化装置内でほぼ大気圧で冷却、液化されている。
【0006】
このようなヘリウムガス液化装置において、第1段冷却ステージ7、9での冷却最低温度は、蓄冷器の効率等から25〜30Kが限界である。又、第2段冷却ステージ8、10における熱負荷は、第1段冷却ステージ温度のヘリウムガスを液化温度まで冷却するのに要する負荷であり、温度25〜30Kのガスを4.2Kガス温度まで冷却するための顕熱量と液化温度のガスを凝縮して液体とするに要する蒸発潜熱量との和となる。ヘリウムガスの顕熱量は比較的大きいため、図1に示した如く、一部のGM冷凍機5の第2段冷却ステージ10を4.2Kではなく6K温度ステージとして使用して、ガスをまず6K程度まで冷却し、最終的に残りのGM冷凍機4の第2段冷却ステージ10を4K温度ステージとして凝縮液化を行なう方法が特許文献1に記載されている。
【0007】
一方、特許文献2には、ジュールトムソン(JT)効果を利用した液化装置として、GM−JT式液化機が記載されている。これは、基本的に、図2に示す如く、10KレベルのGM冷凍機24に、熱交換器32、33、34、JT弁35、JT回路用圧縮機31等の機器から構成されるJT回路を付加した冷凍機である。
【0008】
図において、22は、GM冷凍機用の圧縮機、27、28は、それぞれ、GM冷凍機24の第1段、第2段冷却ステージである。
【0009】
このGM−JT式液化機では、JT回路用圧縮機31によってヘリウムガスを約15〜20atmに加圧し、GM冷凍機24の冷却ステージ27、28と熱交換器32、33、34によって順次冷却する。最終的に、数K、15atm程度のヘリウムガスを、JT弁35から膨張させてガスの一部を液化して液体ヘリウム容器等の冷凍負荷36に供給し、液化しなかった残りのガスは戻りガスとして圧縮機31で回収し、再度加圧循環させる。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−118349号公報
【特許文献2】
特開平10−245208号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のヘリウムガス液化装置において、温度6Kのガスを4.2Kのガスにまで冷却する冷熱量(顕熱量)は、4.2Kのガスを液化するのに必要な冷熱量(潜熱量)の60%程度の大きさであり、この4K温度での負荷を低減することが、液化効率を改善する上でのポイントとなっていた。
【0012】
一方、特許文献2に記載のGM−JT式液化機では、本発明の一部の実施形態と同様にJT弁を使用してはいるが、全量を液化せず、一部が戻りガスとなっているため、熱交換器32、33、34やJT回路用圧縮機31が必要であり、構成が複雑であるという問題点を有していた。
【0013】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、簡単な構成で、液化効率を向上させて、所要動力を低減することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、冷凍機を複数台使用し、外部から供給するガスを、その冷凍機の各冷却ステージにおいて順次冷却し、最終的にガス液化温度以下で冷凍能力を有する冷凍機により冷却される凝縮器によって供給ガスを凝縮液化させるガス液化装置において、外部供給ガスの圧力を大気圧より高くすると共に、前記凝縮器の上流側で、絞り弁又はオリフィスを用いて圧力を大気圧に戻すようにして、前記課題を解決したものである。
【0015】
又、前記絞り弁又はオリフィスを冷凍機と凝縮器の間に設けるようにしたものである。
【0016】
又、前記凝縮器に、液化されたガスを移送するためのトランスファチューブを設けて、別の液体容器に挿入して運転できるようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、4K−GM冷凍機を2台使用する場合を例にとって、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
本実施形態は、図1に示したような従来例と同様のヘリウムガス液化装置において、図3に示す如く、外部から供給配管13を介して供給されるヘリウムガスの圧力を、大気圧レベルではなく、4〜7atmに高めると共に、熱交換器16に代えて熱交換器41、42を設けて、それぞれGM冷凍機5、4の第1段冷却ステージ9、7で60K、30Kに冷却し、更に、熱交換器17の出側に、例えばJT弁のような絞り弁44を設けて、凝縮器21の入側で圧力を大気圧(1atm)に戻すようにしたものである。
【0019】
他の点に関しては、図1に示した従来例と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0020】
本実施形態においては、供給配管13から供給されるヘリウムガスを、2台のGM冷凍機5、4の第1段冷却ステージ9、7でほぼ30Kまで冷却し、次にGM冷凍機5の第2段冷却ステージ10でほぼ6Kまで冷却する。次に、GM冷凍機4の第2段冷却ステージ8の凝縮器21で凝縮液化するが、該凝縮器21の前に設けられた絞り弁44によって、ヘリウムガスを大気圧レベルまで膨張させてから凝縮器21に供給する。従って、凝縮液化された液体ヘリウムは、液体ヘリウム容器2に、従来と同様にほぼ大気圧で貯液される。
【0021】
このようにして、絞り弁44により、6K、数atmのヘリウムガスを1atmに自由膨張させると、ジュールトムソン効果によって、圧力4atmでは約30%、7atmでは約50%のガスが液化し、残りは4.2Kのガスとなる。従って、凝縮器21では、残りの70〜50%の4.2Kガスを凝縮すれば全量を液化できる。よって、外部供給ヘリウムガスを数atmで供給することにより、従来のように約1atmで供給した場合に比べて、冷凍機第2段冷却ステージ8の4.2K冷凍負荷を1/2〜1/3に低減することができる。
【0022】
なお、膨張前の圧力値には、その温度によって液化率が最大となる値が存在する。6Kのガスを1atmまで膨張させる場合、液化率は圧力が約7atmの場合に最大となる。圧送ポンプの吐出圧力が低い場合等では、圧力が4atm程度であっても効率上は相当に有用である。なお、液化率が最大となる圧力は温度によって異なり、例えば膨張前ガス温度が5Kの場合には4atm、7Kの場合には11atm、8Kの場合は14atm程度である。
【0023】
ここで、供給配管13に供給されるガスの圧力を数atmとすることは、ボンベガスの場合は、もともとボンベ圧力が高い(150atm程度)ので、減圧するだけであり、特に問題はない。なお、液体ヘリウム蒸発ガスを回収して液化する場合、蒸発ガスは1atmであることが多いので加圧する必要はあるが、もともと蒸発ガスを回収して液化装置へ圧送するためにもポンプは必要であり、数atmに加圧することは、装置的にも比較的容易である。
【0024】
なお前記第1実施形態においては、GM冷凍機4、5と液体ヘリウム容器2が共に同じクライオスタット3内に収納されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、図4に示す第2実施形態のように、凝縮器21にトランスファチューブ50を設けて、別の液体ヘリウム容器52に挿入して運転するような構成とすることもできる。
【0025】
図において、54は本発明に係る絞り弁、56は供給ガスの圧力を調整するための圧力調整弁、58は安全弁である。
【0026】
なお、前記実施形態においては、いずれも冷凍機として4K−GM冷凍機が用いられていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、他の蓄冷器式冷凍機や、蓄冷器式以外の冷凍機を用いたものにも同様に適用できることは明らかである。液化するガスの種類もヘリウムに限定されず、絞り弁44の代りに単純なオリフィス等の他の絞り部を設けても良い。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、構成を複雑化することなく、液化効率を向上させて、所要動力を低減することが可能となる。
【0028】
なお、本発明の実施形態では、特許文献2のJT弁と同様の作用を有すると解することも可能と見られる絞り弁を使用してはいるが、本発明の対象である液化サイクルでは、最終的に4K−GM冷凍機等で全量を液化する方式であり、戻りガスがないため、熱交換器、JT回路用圧縮機を有しない点で特許文献2より有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】特開平11−118349号に記載された従来のヘリウムガス液化装置の構成を示す断面図
【図2】特開平10−245208号に記載されたGM−JT式液化機の構成を示すフロー図
【図3】本発明の第1実施形態の構成を示す断面図
【図4】同じく第2実施形態の構成を示す断面図
【符号の説明】
2、52…液体ヘリウム容器
3…クライオスタット
4、5…GM冷凍機
7、8、9、10…冷却ステージ
21…凝縮器
44、54…絞り弁
50…トランスファチューブ
56…圧力調整弁
Claims (3)
- 冷凍機を複数台使用し、外部から供給するガスを、その冷凍機の各冷却ステージにおいて順次冷却し、最終的にガス液化温度以下で冷凍能力を有する冷凍機により冷却される凝縮器によって供給ガスを凝縮液化させるガス液化装置において、
外部供給ガスの圧力を大気圧より高くすると共に、
前記凝縮器の上流側で、絞り弁又はオリフィスを用いて圧力を大気圧に戻すようにしたことを特徴とするガス液化装置。 - 前記絞り弁又はオリフィスを冷凍機と凝縮器の間に設けたことを特徴とする請求項1に記載のガス液化装置。
- 前記凝縮器に、液化されたガスを移送するためのトランスファチューブを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のガス液化装置。
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