JP3256856B2 - 冷凍システム - Google Patents

冷凍システム

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JP3256856B2
JP3256856B2 JP2000107391A JP2000107391A JP3256856B2 JP 3256856 B2 JP3256856 B2 JP 3256856B2 JP 2000107391 A JP2000107391 A JP 2000107391A JP 2000107391 A JP2000107391 A JP 2000107391A JP 3256856 B2 JP3256856 B2 JP 3256856B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2400/00General features or devices for refrigeration machines, plants or systems, combined heating and refrigeration systems or heat-pump systems, i.e. not limited to a particular subgroup of F25B
    • F25B2400/13Economisers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凝縮器の小型化及
び蒸発器の冷却性能向上が図れる冷凍システムに関す
る。なお、本明細書でいう冷凍システムとは、冷凍装
置、冷蔵装置、冷房装置等、フロン冷媒など冷媒の圧
力、温度、相の各変化を伴うサイクルの過程で被冷却対
象の冷却を行わせる各種装置における冷却システムを総
称する。
【0002】
【従来の技術】従来から汎用されている冷凍システムは
図5に示されるように、冷凍サイクル中に封入されたフ
ロン冷媒等の凝縮性ガス冷媒を圧縮機101で高温高圧
のガス冷媒にして、凝縮器102で空気(又は冷却水)
と熱交換させて凝縮液化することにより常温に近い液体
に相変換した後、膨張弁103で減圧膨張させて低温低
圧の液冷媒と成し、この液冷媒を蒸発器104に送って
空気又は冷却用水と熱交換させることにより蒸発気化さ
せて低温低圧のガス冷媒とする一方、空気又は冷却用水
を冷却して冷凍・冷房用の冷熱源として利用し得るよう
にし、低温低圧のガス冷媒は圧縮機101に戻すように
したものである。この場合、凝縮器102としては、空
気用ではクロスフィン形熱交換器が専ら用いられ、一
方、冷却水用ではシェル形熱交換器が専ら用いられてい
ることは周知である。なお、図7中において、105は
凝縮器102用のファンであり、また、106は蒸発器
104用のファンである。
【0003】このような従来の冷凍システムにおいて
は、利用側熱交換器として作用する蒸発器104に比し
て、熱源側熱交換器として作用する凝縮器102の方が
大型構造とならざるを得ないことから、装置のコンパク
ト化を図るために凝縮器102を小型化しようと種々の
検討が成されているが、現状の冷凍システムにおいて凝
縮液化に必要とされる熱交換面積を大幅に減らすことは
技術的に困難であって、依然として大型の凝縮器が用い
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の冷凍
冷房システムが抱える問題点の解消を図るためとして、
本出願人は先に特許第2835325号明細書において
凝縮用熱交換装置の小型化を図ることができる新規な冷
凍システムを提案し、以て装置コストの低減化並びに省
エネルギー化を推進して地球環境の保全に一翼を担わせ
得るに至ったものであるが、本発明は上記冷凍システム
を基本とし更なる改良を加えることによって、実用装置
としての価値をより一層高めようとするものであり、従
って、本発明の目的は、凝縮器の小型化を実現するとと
もに冷凍サイクルにおける成績係数(COP)の向上を
図って、安定運転を図るとともに運転経済性を高めるこ
とができる冷凍システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明における請求項1の発明は、圧縮機1が吐出
する高温高圧の凝縮性ガス冷媒を凝縮器2に送り凝縮液
化させて高圧の液冷媒とし、この高圧の液冷媒を分流さ
せて分流量が多い側の液冷媒を高圧側冷媒通路7及び低
圧側冷媒通路8が備えられる熱交換器からなる中間冷却
器6の高圧側冷媒通路7に送って、低圧側冷媒通路8を
流れる後記の低温低圧気液混合冷媒と熱交換させること
によってより低温に冷却し、分流量が少い側の液冷媒を
高温側減圧手段5に送り減圧・膨張させて低温低圧の液
冷媒とする一方、高圧側冷媒通路7を経た高圧液冷媒を
低温側減圧手段3に送り減圧・膨張させた後、蒸発器4
に送って被冷却流体との間で蒸発潜熱を熱交換させるこ
とにより蒸発気化させ、この蒸発気化した低温低圧の凝
縮性ガス冷媒を高温側減圧手段5からの前記低温低圧液
冷媒と合流させて低温低圧の気液混合冷媒として低圧側
冷媒通路8に送って、高圧側冷媒通路7を流れる高圧液
冷媒と熱交換させることにより蒸発気化させた後、この
低温低圧の凝縮性ガス冷媒を圧縮機1に返戻させる冷凍
サイクルが構成されてなり、さらに、高温側減圧手段5
から低圧側冷媒通路8に送給する低温低圧液冷媒の流量
を調節して低温側減圧手段3に送給する高圧液冷媒の温
度を一定に保持する冷媒量調節手段が冷凍サイクルに付
設されてなり、蒸発器4において冷凍・冷房用の冷熱を
得るようにしたことを特徴とする冷凍システムである。
【0006】また、本発明における請求項2の発明は、
圧縮機の吐出圧力と大気温度の圧力・温度条件下で液化
する少なくとも1種類の凝縮性ガス冷媒を含む高沸点凝
縮性ガス冷媒と、前記圧力・温度条件下では液化しない
少なくとも1種類の凝縮性ガス冷媒を含む低沸点凝縮性
ガス冷媒とを該低沸点凝縮性ガス冷媒の方が多量となる
割合で混合した混合冷媒が用いられる冷凍システムであ
り、圧縮機1が吐出する高温高圧の混合冷媒を凝縮器2
を経て気液分離器22に送り、気液分離器22の気相域
から抽出した低沸点ガス冷媒を高圧側冷媒通路7及び低
圧側冷媒通路8が備えられる熱交換器からなる中間冷却
器6の高圧側冷媒通路7に送り、気液分離器22の液相
域から抽出した高沸点液冷媒を高温側減圧手段5に送り
減圧・膨張させて低温低圧の高沸点液冷媒とし、この高
沸点液冷媒を低圧側冷媒通路8に 送り高圧側冷媒通路7
を流れる高圧の低沸点凝縮性ガス冷媒との間で熱交換さ
せることにより、高圧側冷媒通路7の低沸点ガス冷媒を
凝縮液化させる一方、低圧側冷媒通路8の高沸点液冷媒
を蒸発気化させ、高圧側冷媒通路7を経た低沸点液冷媒
を低温側減圧手段3に送り減圧・膨張させた後、蒸発器
4に送って被冷却流体との間で蒸発潜熱を熱交換させる
ことにより蒸発気化させ、この蒸発気化した低温低圧の
低沸点凝縮性ガス冷媒と低圧側冷媒通路8を経て蒸発気
化した低温低圧の高沸点凝縮性ガス冷媒とを合流させた
後、圧縮機1に返戻させる冷凍サイクルが構成されてな
り、さらに、高温側減圧手段5から低圧側冷媒通路8に
送給する低温低圧の高沸点液冷媒の流量を調節して低温
側減圧手段3に送給する低沸点液冷媒の温度を一定に保
持する冷媒量調節手段が冷凍サイクルに付設されてな
り、蒸発器4において冷凍・冷房用の冷熱を得るように
したことを特徴とする冷凍システムである。
【0007】また、本発明における請求項3の発明は、
圧縮機の吐出圧力と大気温度の圧力・温度条件下で液化
する少なくとも1種類の凝縮性ガス冷媒を含む高沸点凝
縮性ガス冷媒と、前記圧力・温度条件下では液化しない
少なくとも1種類の凝縮性ガス冷媒を含む低沸点凝縮性
ガス冷媒とを該低沸点凝縮性ガス冷媒の方が多量となる
割合で混合した混合冷媒が用いられる冷凍システムであ
り、圧縮機1が吐出する高温高圧の凝縮性ガス混合冷媒
を凝縮器2を経て気液分離器22に送り、気液分離器2
2の気相域から抽出した低沸点凝縮性ガス冷媒を高圧側
冷媒通路7及び低圧側冷媒通路8が備えられる熱交換器
からなる中間冷却器6の高圧側冷媒通路7に送り、低圧
側冷媒通路8を流れる後記の低温低圧気液混合冷媒と熱
交換させることにより凝縮液化させ、気液分離器22の
液相域から抽出した高沸点液冷媒を高温側減圧手段5に
送り減圧・膨張させて低温低圧の高沸点液冷媒とする一
方、高圧側冷媒通路7を経た低沸点液冷媒を低温側減圧
手段3に送り減圧・膨張させた後、蒸発器4に送って被
冷却流体との間で蒸発潜熱を熱交換させることにより蒸
発気化させ、この蒸発気化した低温低圧の低沸点凝縮性
ガス冷媒を高温側減圧手段5からの低温低圧の高沸点液
冷媒と合流させて低温低圧の気液混合冷媒として低圧側
冷媒通路8に送り、高圧側冷媒通路7を流れる高圧の低
沸点凝縮性ガ ス冷媒と熱交換させることにより蒸発気化
させた後、この低温低圧の凝縮性混合ガス冷媒を圧縮機
1に返戻させる冷凍サイクルが構成されてなり、さら
に、高温側減圧手段5から低圧側冷媒通路8に送給する
低温低圧の高沸点液冷媒の流量を調節して低温側減圧手
段3に送給する低沸点液冷媒の温度を一定に保持する冷
媒量調節手段が冷凍サイクルに付設されてなり、蒸発器
4において冷凍・冷房用の冷熱を得るようにしたことを
特徴とする冷凍システムである。
【0008】また、本発明における請求項4の発明は、
上記請求項1、2又は3に記載の冷凍システムにおい
て、低温側減圧手段3がキャピラリチューブを螺旋状に
巻装して形成される低温スパイラルコイルであり、高温
側減圧手段5がキャピラリチューブを螺旋状に巻装して
形成される高温スパイラルコイルである構成としてなる
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明における請求項5の発明は、
上記請求項1、2、3又は4に記載の冷凍システムにお
いて、中間冷却器6が、並行に対向する2枚の平板2
4、24間に波形に折り曲げられたフィン25を挟み付
けてなる熱交換ユニット23を多層に重ねて一体にろう
付け成形したプレートフィン形熱交換器からなり、多層
の各熱交換ユニット23が交互に高圧側冷媒通路7と低
圧側冷媒通路8とに形成される構成としてなることを特
徴とする。
【0010】また、本発明における請求項6の発明は、
上記請求項5記載の冷凍システムにおいて、多層の各熱
交換ユニット23が、高圧側冷媒通路7のものは冷媒を
降下流させ、低圧側冷媒通路8のものは冷媒を上昇流さ
せるように、交互に向流関係を成す配置形態で設けられ
構成としてなることを特徴とする。
【0011】 このような本発明に係る冷凍システムにあ
っては、冷凍サイクルにおける凝縮工程での熱交換の態
様に関して、凝縮・液化のために必要な熱源の一部を当
該冷凍システムの循環冷媒自体に求めるようにしたとこ
ろに構成上の特徴点が存在していることは明らかであ
る。
【0012】 即ち、従来の冷凍システムにおける凝縮工
程が、圧縮機より吐出した高温高圧の凝縮性ガス冷媒を
外気または水等の外部熱源のみによって冷却することに
より凝縮液化する方式であるのに対して、本発明に係る
システムでは、凝縮・液化のための冷却用熱源を空気や
水等の外部の冷却用流体に全て依存するのではなく、当
該システム中に設けられた中間冷却器での高・低圧冷媒
間の熱交換の際における循環冷媒自体が保有する冷却作
用を有効に利用することによって、圧縮機から吐出され
凝縮器を経た高圧の凝縮性液冷媒を、より低温に冷却さ
れた凝縮性液冷媒とすることを可能とし、以て冷凍シス
テムにおける凝縮性能を向上させるようにした点を特徴
とするものである。
【0013】 しかして上述する新規なシステムを採用し
たことにより、本発明は同容量の圧縮機を備える従来の
冷凍機と比較して凝縮器の小型化が可能となり、さらに
蒸発器の冷却能力を高めて圧縮機の成績係数を向上する
ことが可能であり、これによって、冷凍システムにおけ
る装置コストの低減化並びに省エネルギー化が果たされ
るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の好まし
い例について添付図面を参照しながら説明する。図1に
は、本発明の請求項1記載の発明に関する第1の実施の
形態に係る冷凍システムの冷凍回路が図示される。ま
た、図2には、図1図示の冷凍回路における中間冷却器
6の部分示斜視図が示される。図1図示の冷凍システム
における冷凍回路は、圧縮機1と、凝縮器2と、低温側
減圧手段3と、蒸発器4と、高温側減圧手段5と、中間
冷却器6とを構成要素部材として備え、それら機器を冷
媒配管によって図示する如く循環的に接続することによ
って冷凍・冷房用の冷凍サイクルが構成される。そして
この冷凍回路には、圧縮機1の所定吐出圧力と大気温度
の圧力・温度条件下で液化する1種類の凝縮性ガス冷
媒、例えばフロンR−12冷媒の所要量が充填される。
【0015】 上記冷凍サイクルは以下に述べる配管接続
を行うことによって所定の循環回路に構成される。圧縮
機1の吐出口と凝縮器2のコイル入口とを吐出管12で
接続し、凝縮器2のコイル出口には液管としての配管1
3の流入管口を接続する。この液管13の流出管口には
液管としての配管14及び液管15の各流入管口を分岐
接続する。液管14の流出管口には中間冷却器6の高圧
側冷媒通路7の流入口を接続し、液管15の流出管口に
は高温側減圧手段5の流入口を接続する。なお、高温側
減圧手段5及び中間冷却器6の具体的な構造については
後述する。
【0016】 高温側減圧手段5の流出口を、液管16を
介して中間冷却器6の低圧側冷媒通路8の流入口に接続
し、中間冷却器6の高圧側冷媒通路7の流出口を、液管
17を介して低温側減圧手段3の流入口に接続する。中
間冷却器6の低圧側冷媒通路8の流出口にガス管20の
流入管口を接続する。低温側減圧手段3の流出口を液管
18を介して蒸発器4のコイル入口に接続する。蒸発器
4のコイル出口にガス管19の流入管口を接続し、この
ガス管19の流出管口を、高温側減圧手段5の流出口と
低圧側冷媒通路8の流入口との間に亘らせて設けてなる
前記液管16に分岐接続する。そして、ガス管20の流
出管口を吸入管21の流入管口に接続するとともに、
の吸入管21の流出管口を圧縮機1の吸入口に接続す
る。なお、図1において9は凝縮器ファンであり、ま
た、10は蒸発器ファンであって、前記低温側減圧手段
3の具体的な構造については後述する。
【0017】 中間冷却器6は図2に構造例が図示される
ように、プレートフィン形熱交換器が好適なものとして
用いられる。この中間冷却器6は、所定の間隔を存して
並行に対向する2枚の平板24、24間に波形に折り曲
げられたフィン25を挟み付けてなる熱交換ユニット2
3を多層に重ねて一体にろう付け成形した一般にバー・
アンド・プレート方式と呼ばれるプレートフィン形熱交
換器から形成されて、多層の各熱交換ユニット23が交
互に高圧側冷媒通路7と低圧側冷媒通路8とになるよう
に設けられる。
【0018】 なお、プレートフィン形熱交換器からなる
上記中間冷却器6は、多層の各熱交 換ユニット23が、
高圧側冷媒通路7のものは冷媒を降下流させ、低圧側冷
媒通路8のものは冷媒を上昇流させるように、交互に向
流関係を成す配置形態で設けられてなる構造と成すこと
が、後述するように相変化を伴う熱交換を行わせる装置
であるところからしてより好ましいことである。
【0019】 低温側減圧手段3は、熱伝達性能に優れる
所定長のキャピラリチューブ(細径伝熱管)を螺旋状に
巻装して形成される低温スパイラルコイルであって、例
えば直径3.12mm(1/8 in)で数mの長さの
銅製管を螺旋状に巻装して形成されるコイルチューブか
ら成っている。この低温スパイラルコイル3は、前述す
るように流入口が液管17の流出管口に接続され、流出
口が液管18の流入管口に接続されることにより高圧側
冷媒通路7と蒸発器4とを連絡する冷媒通路の途中に介
設されて、内部を流れる液冷媒に対して回転流を与えな
がら流動速度を増大させた後、下流端部側において減圧
を行わせるように機能するものであって、低温高圧の液
冷媒を減圧・膨張させて低温低圧の液冷媒とした後に蒸
発器4に送り込ませるように設けられる。なお、本発明
においては、低温側減圧手段3として上記低温スパイラ
ルコイルに替えて膨張弁を使用することも勿論可能であ
って、低温スパイラルコイルに限定されるものではな
い。
【0020】 一方、高温側減圧手段5は、熱伝達性能に
優れる所定長のキャピラリチューブ(細径伝熱管)を螺
旋状に巻装して形成される高温スパイラルコイルであっ
て、例えば低温側減圧手段3と同じように直径3.12
mm(1/8 in)で数mの長さの銅製管を螺旋状に
巻装して形成されるコイルチューブから成っていて、本
実施形態の例では、筒状のケーシングに収納して、付設
した冷却用ファン11により前記ケーシング内に大気を
送風して冷却が促進されるように形成したものが用いら
れる。なお、冷却用ファン11は、必要に応じて使用さ
れる。上記高温スパイラルコイル5は、前述するように
流入口が液管15の流出管口に接続され、流出口が液管
16の流入管口に接続されることにより、凝縮器2と低
圧側冷媒通路8としての熱交換ユニット23(冷媒を上
昇流させる側)とを連絡する冷媒通路の途中に介設され
て、内部を流れる液冷媒に対して回転流を与えながら流
動速度を増大させた後、下流端部側において減圧を行わ
せるように機能するものであって、低温高圧の液冷媒を
減圧・膨張させて低温低圧の液冷媒とした後に低圧側冷
媒通路8に送り込ませ得るように設けられる。
【0021】 次に上記冷凍システムの運転態様を説明す
ると、圧縮機1の吐出口から出た高温高圧の凝縮性ガス
冷媒は、吐出管12を通って凝縮器2に流れ込み、ここ
で凝縮器ファン9から送られる外気と凝縮潜熱を熱交換
して温度低下し、全量に近い殆どの量が凝縮液化して高
圧液冷媒となる。この高圧液冷媒は液管13を経て液管
14と液管15に分流し、分流量が多い方の液管14内
の高圧液冷媒は、中間冷却器6の高圧側冷媒通路(降下
流させる側の熱交換ユニット)7に流れ込む一方、分流
量が少ない方の液管15内の高圧液冷媒は、高温側減圧
手段(以降、高温スパイラルコイルという)5に至り、
ここで、冷却用ファン11からの外気により冷却されつ
つ減圧・膨張されて高温スパイラルコイル5を出たとこ
ろでは低温低圧の液冷媒となる。
【0022】 この低温低圧液冷媒は、液管16を通って
ガス管19からの後述する低温低圧ガス冷媒と合流した
後に中間冷却器6の低圧側冷媒通路上昇流させる側の
熱交換ユニット)8内に流れ込み、ここで高圧側冷媒通
7内の高圧液冷媒との間で蒸発潜熱及び顕熱の熱交換
を行う。その結果、低圧側冷媒通路8内の低温低圧冷媒
は蒸発気化して低温低圧ガス冷媒となりガス管20及び
吸入管21を経て圧縮機1に吸入される。一方、高圧側
冷媒通路7内の高圧液冷媒はより冷却されて全量が液化
すると同時に過冷却される。
【0023】 高圧側冷媒通路 7内の過冷却されてなる低
温高圧液冷媒は、液管17を経て低温側減圧手段(以
降、低温スパイラルコイルという)3に流れ込み、該コ
イル3の流出口部で減圧・膨張されて低温低圧の液冷媒
となって、液管18を経て蒸発器4に送り込まれる。こ
の場合において、低温スパイラルコイル3内では過冷却
された液冷媒によって確実に液シールされているため
に、減圧・膨張作用が安定かつ効率的に行われ、よって
冷熱エネルギーを十分に保有してなる低圧液冷媒を蒸発
器4に送り込ませることができる。
【0024】 蒸発器4に送り込まれた低温低圧液冷媒
は、蒸発器ファン10による被冷却空気流と蒸発潜熱及
び顕熱を熱交換して該被冷却空気流を冷却する一方、冷
媒自体は蒸発気化して低温低圧ガス冷媒となり、ガス管
19を経由して液管16に流れ込み、前述する通り高温
スパイラルコイル5を出た低温低圧液冷媒と合流する。
この合流した低温低圧気液混合冷媒は、低圧側冷媒通路
8、ガス管20及び吸入管21を経由し、低温低圧ガス
冷媒として圧縮機1に吸入される。
【0025】このような冷凍運転が成される上記冷凍シ
ステムにおいては、高温スパイラルコイル5を経た低温
低圧の液冷媒と蒸発器4で蒸発気化した低温低圧のガス
冷媒とを合流させて、液とガスが混在する低温低圧の気
液混合冷媒とした後に低圧側冷媒通路8に送り込ませ
て、この低温低圧の気液混合冷媒と高圧側冷媒通路7を
流れる高圧の液冷媒との間で熱交換を行わせる冷媒の流
れが生じるものであって、これによって高圧側冷媒通路
7を流れる高圧の液冷媒をより低温に冷却する一方、低
温低圧の気液混合冷媒は全量を蒸発気化させて混合ガス
冷媒とした後に圧縮機1に返戻させる如き運転が行われ
るのである。
【0026】以上述べたような冷凍サイクルが形成され
る結果、この冷凍サイクルにおいて蒸発器4では蒸発器
ファン10が送風する空気が低温低圧液冷媒によって十
分冷却されることから、冷凍・冷房用の冷熱源を安定し
て得ることができる。
【0027】上記の第1の実施の形態に係る冷凍システ
ムにおいては、さらに、冷媒量調節手段が冷凍サイクル
に付設されていて、冷凍運転の安定化を図らせるように
構成されている。この冷媒量調節手段は、高温側減圧手
段5から低圧側冷媒通路8に送給する低温低圧液冷媒の
流量を調節して低温側減圧手段3に送給する低温高圧液
冷媒の温度を一定に保持するように機能する装置に形成
される。前記冷媒量調節手段の具体的な構造例を図1に
基づいて説明すると、液管16の途中に介設される流量
調節弁27と、この流量調節弁27に対して弁開度制御
出力を出すコン トローラ29と、液管17に感温部を添
着させて液管17内の低温高圧液冷媒の温度を検出し温
度信号をコントローラ29にインプットするサーミスタ
等の温度検出器31とにより冷媒量調節手段が構成され
る。
【0028】このような冷媒量調節手段は、低温側減圧
手段3に流れ込む低温高圧液冷媒の温度が所定温度レベ
ルよりも低い場合、コントローラ29からの制御出力に
よって流量調節弁27の弁開度を小さくさせることによ
り、高温側減圧手段5からの低温低圧液冷媒の流量を減
らし、逆に所定温度レベルよりも高い場合、流量調節弁
27の弁開度を大きくさせることにより、高温側減圧手
段5からの低温低圧液冷媒の流量を増やすように作用
し、かくして低温側減圧手段3の入口側での低温高圧液
冷媒の温度を安定させると同時に液シール状態を確実に
させ、かくして中間冷却器6の凝縮及び蒸発を伴う熱交
換機能を安定かつ均衡した状態の下で発揮させ、もっ
て、蒸発器4の冷却能力を高めるとともに圧縮機1への
液戻りをなくすることにより、効率が良くかつ安定した
冷凍運転を図らせることができる。
【0029】図3には、本発明の請求項記載の発明に
関する第2の実施の形態に係る冷凍システムの冷凍回路
が図示される。図示する第2の実施の形態に係る冷凍シ
ステムにおいて、前記第1の実施の形態に係る冷凍シス
テムに対して類似し、対応する各部材には、同一の参照
符号を付して、個別の要素部材についての詳細な説明を
省略することとする。
【0030】上記第2の実施の形態に係る冷凍システム
に関して、前記第1の実施の形態に係る冷凍システムと
比べて構成上の特徴点とされるところは、冷凍回路に用
いられる冷媒が一種類のものではなくて凝縮・液化の条
件がそれぞれ異なる少なくとも2種類の冷媒を混合して
なる混合冷媒であることと、冷凍回路中の高圧側に気液
分離器22が追加して設けられていることと、蒸発器4
からの低温低圧の低沸点ガス冷媒と中間冷却器6の低圧
側冷媒通路8からの低温低圧の高沸点ガス冷媒とを合流
させて圧縮機1に吸入させるようにしたこととの3点
ある。すなわち、冷凍回路中に充填される凝縮性ガス冷
媒としては、圧縮機1の吐出圧力と大気温度の圧力・温
度条件下で液化する少なくとも1種類の凝縮性ガス冷媒
を含む高沸点凝縮性ガス冷媒、例えばフロンR−22冷
媒と、前記圧力・温度条件下では液化しない少なくとも
1種類の凝縮性ガス冷媒を含む低沸点凝縮性ガス冷媒、
例えばフロンR−12冷媒とを、該低沸点凝縮性ガス冷
媒の方が多量となる割合で混合して得られる混合冷媒が
用いられている。この場合の混合割合としては、フロン
R−12冷媒を70%、フロンR−22冷媒を30%と
する例が適当なものとして挙げられる。
【0031】また、上記冷凍システムは図3を参照して
明らかなように、配管13の流出管口に対して配管14
及び液管15の各流入管口がそれぞれ分岐接続されてな
る分岐点(図1参照)に、気液分離器22が介設されて
なる構造を特徴とする。前記気液分離器22は、例えば
縦長筒体状の耐圧容器により形成されて、筒胴中間部に
冷媒流入口が、底板部に液冷媒出口が、頂板部にガス冷
媒出口がそれぞれ開口されている。
【0032】このような気液分離器22に対して、配管
13の流出管口を前記冷媒流入口に接続し、ガス管とし
ての配管14の流入管口を前記ガス冷媒出口に接続し、
液管15の流入管口を前記液冷媒出口に接続することに
よって、気液分離器22は前記分岐点に介在させて設け
られる。
【0033】一方、蒸発器4のコイル出口に流入管口を
接続してなるガス管19の流出管口と、低圧側冷媒通路
8の流出口に流入管口を接続してなるガス管20の流出
管口とを纏めて吸入管21の流入管口に接続し、この吸
入管21の流出管口を圧縮機1の吸入口に接続してなる
冷凍回路に構成している。
【0034】 次いで、第2の実施の形態に係る冷凍シス
テムの運転態様を説明すると、圧縮機1の吐出口から出
た高温高圧のガス混合冷媒は、吐出管12を通って凝縮
器2に流れ込み、ここで凝縮器ファン9から送られる外
気と熱交換して温度低下し、混合冷媒中の高沸点凝縮性
ガス冷媒は、全量に近い殆どの量が凝縮液化して高圧液
冷媒となる一方、低沸点凝縮性ガス冷媒は、冷却されて
温度が低下するが高圧ガス冷媒の状態のままである。こ
の高圧液冷媒と高圧ガス冷媒とが混合してなる混合冷媒
は、配管13を経て気液分離器22に流入し、該分離器
22内において高圧の高沸点液冷媒(液相)と低沸点ガ
ス冷媒(気相)とに分離した後、流量が多い方の低沸点
ガス冷媒は、ガス管14を経て中間冷却器6の高圧側冷
媒通路7に流れ込む一方、流量が少ない方の高沸点液冷
媒は、液管15を経て高温スパイラルコイル5に至り、
ここで、冷却用ファン11からの外気により冷却されつ
つ減圧・膨張されて高温スパイラルコイル5を出たとこ
ろでは低温低圧の高沸点液冷媒となる。
【0035】
【0036】この低温低圧の高沸点液冷媒は、液管16
を通って中間冷却器6の低圧側冷媒通路8内に流れ込
み、ここで高圧側冷媒通路7内の高圧の低沸点液冷媒と
の間で蒸発潜熱及び顕熱の熱交換を行う。その結果、低
圧側冷媒通路8内の低温低圧の高沸点液冷媒は蒸発気化
して低温低圧の高沸点ガス冷媒となりガス管20を経て
吸入管21に流れ込む。一方、高圧側冷媒通路7内の高
圧の低沸点液冷媒はより冷却されて全量が液化するとと
もに過冷却される。
【0037】高圧側冷媒通路7内の過冷却されてなる低
温高圧の低沸点液冷媒は、液管17を経て低温スパイラ
ルコイル3に流れ込み、該コイル3の流出口部で減圧・
膨張されて低温低圧の低沸点液冷媒となって、液管18
を経て蒸発器4に送り込まれる。この場合において、低
温スパイラルコイル3内では過冷却された液冷媒によっ
て確実に液シールされているために、減圧・膨張作用が
安定かつ効率的に行われ、よって冷熱エネルギーを十分
に保有してなる低圧の低沸点液冷媒を蒸発器4に送り込
ませることができる。
【0038】蒸発器4に送給された低温低圧の低沸点液
冷媒は、蒸発器ファン10による被冷却空気流と蒸発潜
熱及び顕熱を熱交換して該被冷却空気流を冷却する一
方、冷媒自体は蒸発気化し低温低圧の低沸点ガス冷媒と
なり、ガス管19を経由し吸入管21に至り、該吸入管
21部において、中間冷却器6の低圧側冷媒通路8から
ガス管20を経由し吸入管21に流れ込んだ低温低圧の
高沸点ガス冷媒と合流して低温低圧の混合ガス冷媒とし
て圧縮機1に吸入される。
【0039】以上述べてなる冷凍サイクルの運転が行わ
れる結果、蒸発器4では、蒸発器ファン10が送風する
空気が低温低圧の低沸点液冷媒によって十分に冷却され
ることから、冷凍・冷房用の冷熱源を安定して得ること
ができる。
【0040】なお、上記第2の実施の形態に係る冷凍シ
ステムでは、蒸発温度がより低くて凝縮器3で凝縮・液
化しない低沸点凝縮性ガス冷媒を、凝縮・液化後に減圧
された高沸点冷媒の冷熱との間で中間冷却器6によって
熱交換させて確実に凝縮・液化した後に、低温側減圧手
段3で減圧・膨張させて、蒸発器4で蒸発させるように
しているので、凝縮器3で略全量が凝縮・液化する単一
組成の冷媒を用いる冷凍システムに比較して、同一圧力
の条件下では蒸発器4においてより低温の冷熱エネルギ
ーを得ることが可能である。
【0041】例えば、フロンR−12冷媒が70%、フ
ロンR−22冷媒が30%の混合冷媒を使用した冷凍シ
ステムと、フロンR−12冷媒が100%の単一組成冷
媒を使用した同等能力の冷凍システムとを比較した場
合、前者では、凝縮圧力1070kPa、凝縮温度40
℃で蒸発圧力430kPa、蒸発温度0℃となるのに対
して、後者は凝縮圧力970kPa、凝縮温度40℃で
蒸発圧力430kPa、蒸発温度10℃となって、同一
圧力の条件下で、蒸発器4においてより低温の冷熱エネ
ルギーが得られることが明らかである。
【0042】上記の第2の実施の形態に係る冷凍システ
ムにおいては、さらに、冷媒量調節手段が冷凍サイクル
に付設されていて、冷凍運転の安定化を図らせるように
なっている。この冷媒量調節手段は、高温側減圧手段5
から低圧側冷媒通路8に送給する低温低圧の高沸点液冷
媒の流量を調節して低温側減圧手段3に送給する低沸点
液冷媒の温度を一定に保持するように機能する装置に形
成される。前記冷媒量調節手段の具体的な構造例を図3
に基づいて説明すると、液管16の途中に介設される流
量調節弁27と、この流量調節弁27に対して弁開度制
御出力を出すコントローラ29と、液管17に感温部を
添着させて液管17内の低沸点液冷媒の温度を検出し温
度信号をコントローラ29にインプットするサーミスタ
等の温度検出器31とにより冷媒量調節手段が構成され
る。
【0043】このような冷媒量調節手段は、低温側減圧
手段3に流れ込む低沸点液冷媒の温度が所定温度レベル
よりも低い場合、コントローラ29からの制御出力によ
って流量調節弁27の弁開度を小さくさせることによ
り、高温側減圧手段5からの低温低圧の高沸点液冷媒の
流量を減らし、逆に所定温度レベルよりも高い場合、流
量調節弁27の弁開度を大きくさせることにより、高温
側減圧手段5からの低温低圧の高沸点液冷媒の流量を増
やすように作用し、かくして低温側減圧手段3の入口側
での低沸点液冷媒の温度を安定させると同時に液シール
状態を確実にさせ、もって、蒸発器4の冷却能力を高め
る一方、中間冷却器6の凝縮及び蒸発を伴う熱交換機能
を安定かつ均衡した状態の下で発揮させ、圧縮機1への
液戻りを防止することにより、効率良くかつ安定した冷
凍運転を行わせることができる。
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】図には、本発明の請求項3記載の発明に
関する第の実施の形態に係る冷凍システムの冷凍回路
が図示される。図示する第の実施の形態に係る冷凍シ
ステムにおいて、前記第及び第の各実施の形態に係
る冷凍システムに対して類似し、対応する各部材には、
同一の参照符号を付して、個別の要素部材についての詳
細な説明を省略することとする。
【0048】上記第の実施の形態に係る冷凍システム
に関して、構成上の特徴点とされるところは、前記第
の実施の形態に係る冷凍システムに対して、冷凍回路に
用いられる冷媒が一種類のものではなくて凝縮・液化の
条件がそれぞれ異なる少なくとも2種類の冷媒を混合し
てなる混合冷媒であることと、冷凍回路中の高圧側に気
液分離器22が追加して設けられていることとの2点で
ある。すなわち、冷凍回路中に充填される凝縮性ガス冷
媒としては、圧縮機1の吐出圧力と大気温度の圧力・温
度条件下で液化する少なくとも1種類の凝縮性ガス冷媒
を含む高沸点凝縮性ガス冷媒、例えばフロンR−22冷
媒と、前記圧力・温度条件下では液化しない少なくとも
1種類の凝縮性ガス冷媒を含む低沸点凝縮性ガス冷媒、
例えばフロンR−12冷媒とを、該低沸点凝縮性ガス冷
媒の方が多量となる割合で混合して得られる混合冷媒が
用いられている。この場合の混合割合としては、フロン
R−12冷媒を70%、フロンR−22冷媒を30%と
する例が適当なものとして挙げられる。
【0049】また、上記冷凍システムは図を参照して
明らかなように、配管13の流出管口に対して配管14
及び液管15の各流入管口がそれぞれ分岐接続されてな
る分岐点(図参照)に、気液分離器22が介設されて
なる構造を特徴とする。なお、前記気液分離器22につ
いての構造並びに機能に関しては、図3に基づく前記第
2の実施の形態に係る冷凍システムの説明を参照すれば
理解されるところであるからここでは省略する。
【0050】このような上記冷凍システムにおいては、
高温スパイラルコイル5を経た低温低圧の高沸点液冷媒
と蒸発器4で蒸発気化した低温低圧の低沸点ガス冷媒と
を合流させて、液とガスが混在する低温低圧の気液混合
冷媒とした後に低圧側冷媒通路8に送り込ませて、この
低温低圧の気液混合冷媒と高圧側冷媒通路7を流れる高
圧の低沸点ガス冷媒との間で熱交換を行わせる冷媒の流
れが生じるものであって、これによって高圧側冷媒通路
7を流れる高圧の低沸点ガス冷媒を凝縮・液化させて、
より低温で高圧の低沸点液冷媒とする一方、低温低圧の
気液混合冷媒は全量を蒸発気化させて過熱された混合ガ
ス冷媒とした後に圧縮機1に返戻させるようになり、か
くして蒸発器4では、蒸発器ファン10が送風する空気
が低温低圧の低沸点液冷媒によって十分に冷却されるこ
とから、冷凍・冷房用の冷熱源を安定して得ることがで
きる。
【0051】上記第の実施の形態に係る冷凍システム
では、蒸発器4を出た直後の大気温度よりも相当に低い
温度である低沸点ガス冷媒が保有する低温顕熱を、中間
冷却器6で有効に利用させるためとして、低圧側冷媒通
路8で高温スパイラルコイル5からの低温低圧の高沸点
液冷媒と合流させている。したがって、前記低温顕熱
は、高圧側冷媒通路7を流れる高圧の低沸点ガス冷媒の
凝縮・液化に有効に利用されることとなって、冷凍能力
を一段と高めることができる。
【0052】
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例について、実施例1を
表す図1並びに比較従来例を表す図をそれぞれ参照し
ながら説明する。実施例1、比較従来例の冷凍プロセス
について、プロセス各部を流れる流体(冷媒)流量、温
度、圧力を求め、プロセス並びに構成機器が具備するべ
き機能と能力について考察した。設備規模は、一般に家
庭で用いられる小型空調用冷凍機(冷凍能力2.2k
W)規模とした。また、計算には、HYSYSプロセス
シュミレータ、熱力学的物性の推算には、Peng”R
obinson状態式を用いた。なお、使用冷媒はフロ
ンR−12とした。
【0054】
【0055】
【0056】〔実施例〕(図参照) このプロセスは、中間冷却器6に向流型熱交換器等を用
いて、高温側減圧手段5を通り減圧された冷媒と蒸発器
4から排出された冷媒蒸気との混合流体を凝縮器2から
の液冷媒に対して向流的に流すことによって、より冷凍
効率の向上を図ったものである。物質、熱収支並びに構
成機器の熱負荷は表−A,Bに示す通りである。中間
冷却器6における熱交換量Q4は2分された冷媒間の内
部熱交換であり、冷凍プロセス全体の熱収支を考える場
合には無視し得る。また、Q5,Q6も0と仮定でき
る。冷却能力Q3は2413kcal/h(2.81k
W)、圧縮機の所要動力Q2は693kcal/h
(0.81kW)であり、成績係数は約3.49となる
ことから、後述する比較従来例の成績係数が3.26で
あるのに対して、7.0%向上している。
【0057】
【表1】
【0058】〔従来比較例〕(図5参照) 物質、熱収支並びに構成機器の熱負荷は表に示す通り
である。冷却能力Q3は2103kcal/h(2.4
4kW)、圧縮機の所要動力Q2は645kcal/h
(0.75kW)であり、成績係数は約3.26であ
る。
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。すなわ
ち、本発明によれば、凝縮器2から低温側減圧手段3に
至る冷媒回路の途中に中間冷却器6を設けて、この中間
冷却器6で凝縮・液化作用を促進させるようにしたこと
から、凝縮器2の小型化が図られ、冷凍冷房システムの
構造をコンパクト化し得て、産業用に関しては過剰なエ
ネルギー消費を低減し、自動車用ではエンジンの高効率
運転の実現により二酸化炭素の大気中への排出量を大幅
に軽減することが可能である。
【0061】また本発明によれば、中間冷却器6におい
て、低温側減圧手段3に送り込ませる高圧液冷媒を過冷
却させるようにしたことにより、この低温側減圧手段3
に対する液シール効果が十分に発揮される結果、減圧・
膨張作用が効率的に行われて蒸発器4の冷却性能を向上
させることができ、また、冷凍システムの成績係数を挙
げることが可能である。
【0062】また本発明によれば、圧縮機の吐出圧力と
大気温度の圧力・温度条件下で液化する少なくとも1種
類の凝縮性ガス冷媒を含む高沸点凝縮性ガス冷媒と、前
記圧力・温度条件下では液化しない少なくとも1種類の
凝縮性ガス冷媒を含む低沸点凝縮性ガス冷媒とを該低沸
点凝縮性ガス冷媒の方が多量となる割合で混合した混合
冷媒を用いることによって、蒸発器4をより低温域で熱
交換運転させることができ、冷却能力の向上並びに熱交
換器のコンパクト化を果たし得る。
【0063】さらに本発明によれば、2枚の平板24、
24間に波形に折り曲げられたフィン25を挟み付けて
なる熱交換ユニット23を多層に重ねて一体にろう付け
成形したプレートフィン形熱交換器によって構成するこ
とにより、熱交換効率の良い中間冷却器とすることがで
きて該冷却器自体の小型化が促進される。
【0064】さらにまた本発明によれば、高温側減圧手
段5から低圧側冷媒通路8に送給する液冷媒量を調節す
る冷媒量調節手段を付設したことにより、中間冷却器6
での熱交換機能を安定かつ均衡した状態で発揮させるこ
とが可能で、蒸発器4の冷却性能向上と併せて、圧縮機
の液戻り防止による安定運転が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る冷凍システム
の冷凍回路図である。
【図2】図1図示の冷凍回路における中間冷却器6の部
分示斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る冷凍システム
の冷凍回路図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る冷凍システム
の冷凍回路図である。
【図5】従来の冷凍システムのシステム構成図である。
【符号の説明】 1…圧縮機 2…凝縮器 3
…低温側減圧手段 4…蒸発器 5…高温側減圧手段 6
…中間冷却器 7…高温側冷媒通路 8…低温側冷媒通路 9
…凝縮器ファン 10…蒸発器ファン 11…冷却用ファン 1
2…吐出管 13…配管 14…配管 1
5…液管 16…液管 17…液管 1
8…ガス管 19…ガス管 20…ガス管 2
1…吸入管 22…気液分離器 23…熱交換ユニット 2
4…平板 25…フィン 27…流量調節弁 2
9…コントローラ 31…温度検出器

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機1が吐出する高温高圧の凝縮性ガ
    ス冷媒を凝縮器2に送り凝縮液化させて高圧の液冷媒と
    し、この高圧の液冷媒を分流させて分流量が多い側の液
    冷媒を高圧側冷媒通路7及び低圧側冷媒通路8が備えら
    れる熱交換器からなる中間冷却器6の高圧側冷媒通路7
    に送って、低圧側冷媒通路8を流れる後記の低温低圧気
    液混合冷媒と熱交換させることによってより低温に冷却
    し、分流量が少い側の液冷媒を高温側減圧手段5に送り
    減圧・膨張させて低温低圧の液冷媒とする一方、高圧側
    冷媒通路7を経た高圧液冷媒を低温側減圧手段3に送り
    減圧・膨張させた後、蒸発器4に送って被冷却流体との
    間で蒸発潜熱を熱交換させることにより蒸発気化させ、
    この蒸発気化した低温低圧の凝縮性ガス冷媒を高温側減
    圧手段5からの前記低温低圧液冷媒と合流させて低温低
    圧の気液混合冷媒として低圧側冷媒通路8に送って、高
    圧側冷媒通路7を流れる高圧液冷媒と熱交換させること
    により蒸発気化させた後、この低温低圧の凝縮性ガス冷
    媒を圧縮機1に返戻させる冷凍サイクルが構成されてな
    り、さらに、高温側減圧手段5から低圧側冷媒通路8に
    送給する低温低圧液冷媒の流量を調節して低温側減圧手
    段3に送給する高圧液冷媒の温度を一定に保持する冷媒
    量調節手段が冷凍サイクルに付設されてなり、蒸発器4
    において冷凍・冷房用の冷熱を得るようにしたことを特
    徴とする冷凍システム。
  2. 【請求項2】 圧縮機の吐出圧力と大気温度の圧力・温
    度条件下で液化する少なくとも1種類の凝縮性ガス冷媒
    を含む高沸点凝縮性ガス冷媒と、前記圧力・温度条件下
    では液化しない少なくとも1種類の凝縮性ガス冷媒を含
    む低沸点凝縮性ガス冷媒とを該低沸点凝縮性ガス冷媒の
    方が多量となる割合で混合した混合冷媒が用いられる冷
    凍システムであり、圧縮機1が吐出する高温高圧の混合
    冷媒を凝縮器2を経て気液分離器22に送り、気液分離
    器22の気相域から抽出した低沸点ガス冷媒を高圧側冷
    媒通路7及び低圧側冷媒通路8が備えられる熱交換器か
    らなる中間冷却器6の高圧側冷媒通路7に送り、気液分
    離器22の液相域から抽出した高沸点液冷媒を高温側減
    圧手段5に送り減圧・膨張させて低温低圧の高沸 点液冷
    媒とし、この高沸点液冷媒を低圧側冷媒通路8に送り高
    圧側冷媒通路7を流れる高圧の低沸点凝縮性ガス冷媒と
    の間で熱交換させることにより、高圧側冷媒通路7の低
    沸点ガス冷媒を凝縮液化させる一方、低圧側冷媒通路8
    の高沸点液冷媒を蒸発気化させ、高圧側冷媒通路7を経
    た低沸点液冷媒を低温側減圧手段3に送り減圧・膨張さ
    せた後、蒸発器4に送って被冷却流体との間で蒸発潜熱
    を熱交換させることにより蒸発気化させ、この蒸発気化
    した低温低圧の低沸点凝縮性ガス冷媒と低圧側冷媒通路
    8を経て蒸発気化した低温低圧の高沸点凝縮性ガス冷媒
    とを合流させた後、圧縮機1に返戻させる冷凍サイクル
    が構成されてなり、さらに、高温側減圧手段5から低圧
    側冷媒通路8に送給する低温低圧の高沸点液冷媒の流量
    を調節して低温側減圧手段3に送給する低沸点液冷媒の
    温度を一定に保持する冷媒量調節手段が冷凍サイクルに
    付設されてなり、蒸発器4において冷凍・冷房用の冷熱
    を得るようにしたことを特徴とする冷凍システム。
  3. 【請求項3】 圧縮機の吐出圧力と大気温度の圧力・温
    度条件下で液化する少なくとも1種類の凝縮性ガス冷媒
    を含む高沸点凝縮性ガス冷媒と、前記圧力・温度条件下
    では液化しない少なくとも1種類の凝縮性ガス冷媒を含
    む低沸点凝縮性ガス冷媒とを該低沸点凝縮性ガス冷媒の
    方が多量となる割合で混合した混合冷媒が用いられる冷
    凍システムであり、圧縮機1が吐出する高温高圧の凝縮
    性ガス混合冷媒を凝縮器2を経て気液分離器22に送
    り、気液分離器22の気相域から抽出した低沸点凝縮性
    ガス冷媒を高圧側冷媒通路7及び低圧側冷媒通路8が備
    えられる熱交換器からなる中間冷却器6の高圧側冷媒通
    路7に送り、低圧側冷媒通路8を流れる後記の低温低圧
    気液混合冷媒と熱交換させることにより凝縮液化させ、
    気液分離器22の液相域から抽出した高沸点液冷媒を高
    温側減圧手段5に送り減圧・膨張させて低温低圧の高沸
    点液冷媒とする一方、高圧側冷媒通路7を経た低沸点液
    冷媒を低温側減圧手段3に送り減圧・膨張させた後、蒸
    発器4に送って被冷却流体との間で蒸発潜熱を熱交換さ
    せることにより蒸発気化させ、この蒸発気化した低温低
    圧の低沸点凝縮性ガス冷媒を高温側減圧手段5からの低
    温低圧の高沸点液冷媒と合流させて低温低圧の気液混合
    冷媒として低圧側冷媒通路8に送り、高圧側冷媒通路7
    を流れる高圧の低沸点凝縮性ガス冷媒と熱交換させるこ
    とにより蒸発気化させた後、この低温低圧の凝縮性混合
    ガス冷媒を圧縮機1に返 戻させる冷凍サイクルが構成さ
    れてなり、さらに、高温側減圧手段5から低圧側冷媒通
    路8に送給する低温低圧の高沸点液冷媒の流量を調節し
    て低温側減圧手段3に送給する低沸点液冷媒の温度を一
    定に保持する冷媒量調節手段が冷凍サイクルに付設され
    てなり、蒸発器4において冷凍・冷房用の冷熱を得るよ
    うにしたことを特徴とする冷凍システム。
  4. 【請求項4】 低温側減圧手段3がキャピラリチューブ
    を螺旋状に巻装して形成される低温スパイラルコイルで
    あり、高温側減圧手段5がキャピラリチューブを螺旋状
    に巻装して形成される高温スパイラルコイルである請求
    項1、2又は3に記載の冷凍システム。
  5. 【請求項5】 中間冷却器6が、並行に対向する2枚の
    平板24、24間に波形に折り曲げられたフィン25を
    挟み付けてなる熱交換ユニット23を多層に重ねて一体
    にろう付け成形したプレートフィン形熱交換器からな
    り、多層の各熱交換ユニット23が交互に高圧側冷媒通
    路7と低圧側冷媒通路8とに形成される請求項1、2、
    3又は4に記載の冷凍システム。
  6. 【請求項6】 多層の各熱交換ユニット23が、高圧側
    冷媒通路7のものは冷媒を降下流させ、低圧側冷媒通路
    8のものは冷媒を上昇流させるように、交互に向流関係
    を成す配置形態で設けられる請求項5記載の冷凍システ
    ム。
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