JP4409213B2 - 光ビーム走査装置および多色画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ビームを複数の被走査体にそれぞれ導入して露光走査を行う光ビーム走査装置およびその光ビーム走査装置を備えてカラー画像を得ることができる多色画像形成装置に係り、特に、レーザービーム走査光学系の光学部品の共通化を図り小型化およびコストの低減化を図ることができる光ビーム走査装置および多色画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカラー複写機等の画像形成装置では、入力されたデータを各色成分毎に画像処理を施した後、各色成分毎の画像を形成し重ね合わせて多色画像を形成する。そのため、像担持体には、それぞれの色成分毎の画像データが、光ビーム走査装置などの光書込み手段によって書き込まれる。
【0003】
近年、カラー画像形成の高速化が進み、従来、各成分色の現像手段を備えた1 つの画像形成ステーションを用いて像担持体に3回もしくは4回に分けて順次画像を形成し、像担持体上もしくは中間転写担持体上にて重ね合わせ多色画像を得るいわゆる4回転プロセス方式から、成分色毎にそれぞれ画像形成ステーションを備えたいわゆるタンデム方式の画像形成装置が主流となってきている。
【0004】
しかしながら、タンデム方式は成分色毎の画像形成ステーションにて別々の光書込み手段により画像が形成される為に、成分色毎に光書込み手段を必要とし、高画質化特に色ずれ防止のためにはそれぞれの光学系の特性を一致させる必要がある。しかし光学部品のばらつきや温度ばらつき等により、それぞれの光学系の特性を一致させることが困難であることから、成分色毎に画像の形成特性が異なってしまうという画質の低下が発生しやすい。また、高価な光学部品が画像形成ステーション毎に必要となり装置の大型化や製造コストが嵩むなどの問題もある。
【0005】
そこで、複数の光ビームに対する走査光学系を共用して装置の小型化、低コスト化を図ったレーザービームプリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、単一の偏向手段により偏向された複数のレーザービームを複数の感光体ドラムの配列方向に関して互いに異なる方向に分離する分離手段としてプリズム型反射鏡を用いている。
【0006】
また、単一のポリゴンミラーと複数のfθレンズおよび反射ミラーを備えた単一のレーザーダイオード(LD)ユニットにより複数の感光体ドラムを露光するように構成したカラー電子写真装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、ハーフミラーと液晶シャッタを用いることにより、単一のレーザー光源で複数の感光体ドラムを同時に露光するようにした画像形成装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
あるいは、レーザー光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、ミラーからなる単一の選択反射手段によって分割されたレーザー光を、液晶シャッタアレイにより、遮断もしくは透過させつつ感光体ドラムを露光するように構成した画像形成方法および画像形成装置も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−286226号公報(図1,図4、段落「0015」〜「0020」)
【0009】
【特許文献2】
特開平8−160694号公報(図1,図2、段落「0021」〜「0037」)
【0010】
【特許文献3】
特開平11−91164号公報(図1,段落「0011」)
【0011】
【特許文献4】
特開2002−59588号公報(図1,段落「0029」〜「0043」)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、偏向手段により偏向されて互いに近接した複数のレーザービームを、単一の分離手段(プリズム型反射鏡)で分割するため、その分割手段に高い加工精度が要求され、かつ、光学系のレイアウトにも高い位置精度が必要とされる。従って、装置の製作・組付が容易でないという問題がある。
【0013】
特許文献2では、イエロー、マゼンタ、シアン用の3つの感光体ドラムに対して、それぞれ第1,第2の2つのfθレンズが設けられ、合計6つのfθレンズが必要とされる。従って、装置のコンパクト化、コストの低減化が難しくなるという問題がある。
【0014】
特許文献3では、レーザー光源を単一としているが、高価なfθレンズおよびポリゴンミラーが複数の感光体ドラムと同数必要とされるため、装置のコンパクト化やコストの低減化の問題は依然として解消されていない。
【0015】
特許文献4の場合、1ライン毎の高速なシャッタリングを行う必要上から、高速応答が可能な高価な液晶シャッタアレイ等のシャッタリング手段が必要とされるため、装置がコスト高になるという問題がある。
【0016】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、構成が簡易で、各被走査体に対して同一特性の走査が可能な光ビーム走査装置および多色画像形成装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。
【0018】
(1)画像データに基づいて光源部より出射された光ビームを、単一の偏向手段にて等角速度で偏向した後、複数の被走査体上のそれぞれに等速度で走査させるように単一の光学手段で変換し、さらに分割手段にて分割することにより、前記複数の被走査体にそれぞれ導入して露光走査を行う光ビーム走査装置において、
前記光源部は、前記光ビームを発生させる発光部を少なくとも前記被走査体と同一個数備えており、かつ、前記分割手段と前記各被走査体との間に、前記各被走査体に対して前記光ビームを選択的に透過又は遮光する遮光手段を設け、
前記各発光部から出射される全ての前記光ビームが全ての前記被走査体に向かうように光路を形成し、
前記分割手段は、前記光ビームをそれぞれ1/2の強度で透過および反射させる手段であり、前記各被走査体に対して形成される各光路中を進む光ビームがそれぞれ同一回数経由するように、前記偏向手段と前記複数の遮光手段との間に複数個設けられ、
前記各発光部から出射される前記光ビームの中、前記各被走査体に対応するもの以外の光ビームが、前記遮光手段により遮光されることを特徴とする。
【0019】
従来のタンデム方式は、成分色毎の画像形成ステーションにて別々の光書込み手段により画像が形成される為に、成分色毎に光書込み手段を必要とし、高画質化特に色ずれ防止のためにはそれぞれの光学系の特性を一致させる必要があった。しかし光学部品のばらつきや温度ばらつき等により、それぞれの光学系の特性を一致させることが困難であることから、成分色毎に画像の形成特性が異なってしまうという画質の低下が発生しやすく、また、高価な光学部品が画像形成ステーション毎に必要となり装置の大型化や製造コストが嵩むなどの問題もあった。
【0020】
この構成によれば、複数の被走査体を1つの偏向手段(回転多面鏡,ポリゴンミラー)により走査し、1つの光学手段(fθレンズ,ミラー等) を用いて走査を行うことができることから、各被走査体における光学部品毎の光学特性のばらつきをなくすことができ、環境温度の変化に伴う光学歪等による光学特性の変化を同一とすることができるため、それぞれの被走査体に対して同一特性の走査を行える。また、高価な偏向手段や光学手段が単一で済むため、コスト安を実現することができる。
【0027】
また、複数の発光部から出射される光ビームの全てを全ての被走査体に導き、遮光手段によって不必要な光ビームを遮断し、それぞれの発光部からの光ビームをそれぞれの被走査体に対応させるので、偏向手段の全ての偏向面(反射面)を用いて被走査体を走査することができるため、偏向手段が単一であっても、高速化を図ることができる。
【0028】
(2)前記遮光手段は、少なくとも前記被走査体の中、特定の被走査体に対しては液晶シャッタを用い、前記特定の被走査体に対応する光ビームに加えて、その他の発光部から出射される光ビームを更に含む走査を行えるように前記液晶シャッタを切換え可能に構成したことを特徴とする。
【0029】
この構成においては、単色画像の形成時に、特定の被走査体に対して複数(例えば、全て)の発光部から出射される複数本の光ビームを用いて走査を行えるようにすることで、特定の被走査体に対する走査を大幅に高速化することができる。なお、特定の被走査体以外の被走査体に対しては、液晶シャッタに限られることなく、単なる遮光手段を用いてもよい。
【0030】
(3)像担持体を転写担持体に対向させて配置した画像形成ステーションを成分色毎に備え、前記像担持体を、請求項1又は2に記載の光ビーム走査装置によって露光走査される前記被走査体としたことを特徴とする。
【0031】
多色画像の形成時には、各画像形成ステーションで形成される画像に特性ずれが生じ色ずれとなって現れると見苦しい低品質の画質になりやすいが、この構成においては、各被走査体における光学部品毎の光学特性のばらつきをなくすことができ、環境温度の変化に伴う光学歪等による光学特性の変化を同一とすることができるため、それぞれの被走査体に対して同一特性の走査が行える。また、高価な偏向手段や光学手段が単一で済むため、コストの低減化を実現することができる。
【0032】
(4)像担持体を転写担持体に対向させて配置した画像形成ステーションを成分色毎に備え、前記像担持体を、請求項2に記載の光ビーム走査装置によって露光走査される前記被走査体とした多色画像形成装置であって、
前記特定の被走査体は、前記画像形成ステーションの中、単色画像形成を行う画像形成ステーションの像担持体であることを特徴とする。
【0033】
この構成においては、それぞれの成分色のうち特定の成分色の像担持体を具備した単一の画像形成ステーションを用いて画像を形成する単色画像形成時に、特定の成分色の像担持体に対して、光ビームを集約させることができるため、大幅な高速化を図ることができる。
【0034】
(5)前記単色画像形成には、黒色の成分色を用いることを特徴とする。
【0035】
この構成においては、黒色の色材を用いる白黒画像形成は画像形成頻度が最も高く、また、画像形成ボリュームが最も多いため、より大きな効果を得ることができる。すなわち、大幅な高速化を達成することができる。
【0036】
(6)請求項4または5に記載の多色画像形成装置に用いる光ビーム走査装置で単色画像形成を行うときには、用いる光ビーム数をnとする時、像担持体上での各光ビームの走査ライン間隔をn−1ラインに設定し、入力された画像データに基づいて特定の像担持体に対して同時に書込みを行い、副走査方向への像担持体の移動量を主走査方向の1走査当り前記nライン相当分の距離で定速移動するように設定して前記特定の像担持体に画像を書き込むことを特徴とする。
【0037】
この構成においては、偏向手段としての回転多面鏡の倒れや触れ回りによる回転多面鏡1回転あたりの周期的なバンディングをスクランブル効果により目立たなくすることができ走査ムラの目立たない良好な画像形成を行うことができる。
【0038】
(7)請求項4または5に記載の多色画像形成装置に用いる光ビーム走査装置で単色画像形成を行うときには、用いる光ビーム数をmとする時、像担持体上での各光ビームの走査ライン間隔を整数ライン数(例えば3,4ライン等)に設定し、入力された画像データに基づいて特定の像担持体に対して同時に書込みを行い、副走査方向への像担持体の移動量を主走査方向の1走査当り前記1ライン相当分の距離で定速移動するように設定し、主走査方向へは前記mの整数倍の間隔で各光ビームごとに異なる部分となるように前記特定の像担持体に画像を書き込むことを特徴とする。
【0039】
この構成においては、偏向手段としての回転多面鏡の倒れや触れ回りによる回転多面鏡1回転あたりの周期的なバンディングをスクランブル効果により目立たなくすることができ走査ムラの目立たない良好な画像形成を行うことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係る光ビーム走査装置およびその装置を備えた画像形成装置について詳細に説明する。
【0041】
《画像形成装置》
図1は画像形成装置100の構成説明図である。この画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色および単色の画像を形成し、図示のように、露光ユニットとしての光ビーム走査装置1,現像器2,感光体ドラム(本発明の被走査体,像担持体)3,帯電器5,クリーナユニット4,転写搬送ベルトユニット8,定着ユニット12と、用紙搬送路S,給紙トレイ10および排紙トレイ15,33等を備えている。なお、この画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。
【0042】
従って、現像器2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナユニット4(4a,4b,4c,3d)は各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれaがブラック(K)に、bがシアン(C)に、cがマゼンタ(M)に、dがイエロー(Y)に設定され4つの画像ステーションが構成されている。
【0043】
感光体ドラム3は、本画像形成装置100のほぼ中心部に配置(装着)されている。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、例えば、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器のほか図に示すようにチャージャー型の帯電器等が用いられる。
【0044】
光ビーム走査装置1としては、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)を用いている。この光ビーム走査装置1により、帯電された感光体ドラム3を入力される画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0045】
現像器2は、それぞれの感光体ドラム上に形成された静電潜像を(K,C,M,Y)のトナーにより顕像化する。クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0046】
感光体ドラム3の直下に配置されている転写搬送ベルトユニット8は、転写ベルト7、転写ベルト駆動ローラ71、転写ベルトテンションローラ72、転写ベルト従動ローラ73、転写ベルト支持ローラ74、転写ローラ(本発明の転写担持体)6(6a,6b,6c,6d)、および転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
【0047】
転写ベルト駆動ローラ71、転写ベルトテンションローラ72、転写ローラ6、転写ベルト従動ローラ73、転写ベルト支持ローラ74等は、転写ベルト7を張架し、転写ベルト7を矢印B方向に回転駆動させるものである。転写ローラ6は、転写ベルトユニット8の内側のフレーム(図示せず)に回転可能に支持されており、感光体ドラム3のトナー像を、転写ベルト7上に吸着されて搬送されるシート(記録用紙)に転写するものである。
【0048】
転写ベルト7は、それぞれの感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像をシート(記録用紙)に順次的に重ねて転写することによって、カラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。この転写ベルトは、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0049】
感光体ドラム3からシート(記録用紙)へのトナー像の転写は、転写ベルト7の裏側に接触している転写ローラ6によって行われる。転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。転写ローラは、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、記録紙(シート)に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施の形態では、転写電極として転写ローラ6を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることができる。
【0050】
また、感光体ドラム3との接触により転写ベルト7に付着したトナーは、記録紙の裏面を汚す原因となるために、転写ベルトクリーニングユニット9によって除去・回収される。転写ベルトクリーニングユニット9には、転写ベルト7に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する転写ベルト7は、裏側から転写ベルト支持ローラ74で支持されている。
【0051】
給紙トレイ10は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、本画像形成装置100の画像形成部の下側に設けられている。また、本画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのトレイであり、本画像形成装置の側部に設けられている排紙トレイ33は、画像形成済みのシートをフェイスアップで載置するためのトレイである。
【0052】
また、本画像形成装置100には、給紙トレイ10のシートを転写搬送ユニット8や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に送るための、Sの字形状の用紙搬送路Sが設けられている。さらに、給紙トレイ10から排紙トレイ15および排紙トレイ33までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ16,レジストローラ14,定着部12,搬送方向切換えガイド34,シートを搬送する搬送ローラ25等が配されている。
【0053】
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10から、シートを1枚毎に用紙搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
【0054】
搬送方向切換えガイド34は、側面カバー35に回転可能に設けられており、実線で示す状態から破線で示す状態にすることにより搬送路Sの途中からシートを分離し排紙トレイ33にシートを排出できるようになっている。実線で示す状態の場合には、シートは定着ユニット12と側面カバー35,搬送切換えガイド34の間に形成される搬送部S′(用紙搬送路Sの一部)を通り上部の排紙トレイ15に排出される。
【0055】
また、レジストローラ14は、用紙搬送路Sを搬送されているシートをいったん保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像をシートに良好に多重転写できるように、感光体ドラム3の回転にあわせて、シートをタイミングよく搬送する機能を有している。すなわち、レジストローラ14は、レジストセンサの出力した検知信号に基づいて、各感光体ドラム3上のトナー像の先端をシートにおける画像形成範囲の先端に合わせるように、シートを搬送するように設定されている。
【0056】
定着ユニット12は、ヒートローラ31、加圧ローラ32等を備えており、ヒートローラ31および加圧ローラ32は、シートを挟んで回転するようになっている。また、ヒートローラ31は、図示しない温度検出器(図2のブロック図に記載)からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ33とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。多色トナー像の定着後のシートは、搬送ローラ25…によって用紙搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態で(多色トナー像を下側に向けて)、排紙トレイ15上に排出されるようになっている。
【0057】
なお、ここでは転写搬送ベルト8にシート(記録用紙)を担持させシートに対して感光体ドラム3に形成された画像をシート上に直接転写しながら重ね合わせ多色画像を形成する直接転写方式の多色画像形成装置について説明しているが、転写搬送ベルト8を中間転写ベルトとして機能させ、一旦中間転写ベルト上で各感光体ドラムに形成された画像を重ね合わせ、中間転写ベルトに対して搬送されてくるシートに一括転写を行う中間転写方式の多色画像形成装置は、直接転写方式の多色画像形成装置の構造に非常に類似しているため図示を省略したが、本発明の光ビーム走査装置1を用いることで同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0058】
《光ビーム走査装置》
光ビーム走査装置1は、半導体レーザーからなる単一のレーザー発光部(本発明の光源部)51から単一の画像光を出射するシングルビームタイプの構成(図3に図示)と、感光体ドラム3と同数のレーザー発光部51,…から複数の光ビームを出射するマルチビームタイプの構成(図7に図示)と、がある。
【0059】
〈シングルビームタイプ〉
シングルビームタイプの場合、図3に示すように、単一のレーザー発光部51から出射される単一の光ビームは、コリメータレンズとシリンダレンズからなる入射光学系52を介して、偏向手段としての単一のポリゴンミラー53に入射される。次いで、ポリゴンミラー53の反射面で反射された光ビームは、fθレンズ(本発明の光学手段)54を経由して、複数のハーフミラー(本発明の分割手段)H1,H2,H3(図4参照)によって、透過光と反射光に分割された後、各感光体ドラム3の直前に設けられている遮光手段としての液晶シャッタC1,C2,C3,C4(図4参照)によって透過または遮断され、透過された光ビームのみが対応する感光体ドラム3上に照射(露光)される。なお、fθレンズ54から出射される光ビームの一部は、反射されてフォトセンサからなるBDセンサ55に入射され、その検出タイミングに基づいて各走査ラインにおける像書込み動作のタイミングが調整される。
【0060】
図4は、光ビーム走査装置1の全体構成を示す。fθレンズ54から出射された光ビームは、それぞれ2つのハーフミラー(H1,H2,H3の中のいずれか2つ)を介していずれかの感光体ドラム3(3a,3b,3c,3dの中の一つ)に照射されるため、各感光体ドラム3に出射される光ビームの光強度は、それぞれ均等に1/4の光強度となる。なお、図4では、イエロー(Y)の感光体ドラム3dにのみ、光ビームが出射される場合を示している。
【0061】
従って、複数の感光体ドラム3に対して、単一のポリゴンミラー53により走査し、かつ、単一のfθレンズ54等を用いて走査を行うことができるため、光学部品毎の光学特性のばらつきをなくすことができ、環境温度の変化に伴う光学歪等による光学特性の変化を同一とすることができるため、各感光体ドラム3に対して同一特性の走査が可能となる。そのため、面倒な光強度の補正を要することなく、各感光体ドラム3において均等な光強度が得られる。また、高価なポリゴンミラーやfθレンズが単一で済み、かつ、遮光手段として安価な液晶シャッタC1,…を用いているため、装置をコスト安に提供することができる。
【0062】
その液晶シャッタC1,…には、例えば、図5(a)に示すように、光ビームを遮段する全閉状態(遮断状態)と、図5(b)に示すように、光ビームを全て透過させる全開状態(透過状態)の2つの状態にシャッタリング動作が可能なものを用いることができる。このような液晶シャッタC1,…は特に安価であるため、コストの低減効果が大きい。また、その制御も容易である。
【0063】
各感光体ドラム3(3a〜3d)への光ビームの照射経路について、図6(a)〜図6(d)を参照しつつ説明すると、まず、イエロー(Y)の感光体ドラム3dへの照射経路は、図6(a)に示すように、レーザー発光部51から出射された光ビームは、入射光学系(図示省略)、ポリゴンミラー53、fθレンズ54を経由して、まず、ハーフミラーH1でその1/2が反射される。さらに、ハーフミラーH3でその1/2が透過した後、反射ミラーM3,M4で反射されて、全開状態の液晶シャッタC4を透過して1/4の光強度で感光体ドラム3dに照射される。なお、このとき、他の液晶シャッタC1,C2,C3は全閉状態となっているため、その他の感光体ドラム3c,3b,3aには光ビームは到達しない。
【0064】
マゼンタ(M)の感光体ドラム3cへの照射経路は、fθレンズ54を経由した光ビームは、ハーフミラーH1を透過して1/2の光強度となった後、ハーフミラーH2で反射され、1/4の光強度となった光ビームが、反射ミラーM5,M6で反射された後、全開状態の液晶シャッタC3を透過して感光体ドラム3cに照射される。なお、このとき、他の液晶シャッタC1,C2,C4は全閉状態となっているため、その他の感光体ドラム3a,3b,3dには光ビームは到達しない。
【0065】
シアン(C)の感光体ドラム3bへの照射経路は、fθレンズ54を経由した光ビームは、2つのハーフミラーH1,H2を透過して1/4の光強度となった後、反射ミラーM1,M7,M8で反射されてから、全開状態の液晶シャッタC3を透過して感光体ドラム3bに照射される。なお、このとき、他の液晶シャッタC1,C2,C4は全閉状態となっているため、その他の感光体ドラム3a,3c,3dには光ビームは到達しない。
【0066】
ブラック(K)の感光体ドラム3aへの照射経路は、fθレンズ54を経由してハーフミラーH1で反射されて1/2の光強度となった光ビームが、さらに、ハーフミラーH3で反射されて1/4の光強度となった後、反射ミラーM2によって反射された後、全開状態の液晶シャッタC4を透過して感光体ドラム3aに照射される。なお、このとき、他の液晶シャッタC2,C3,C4は全閉状態となっているため、その他の感光体ドラム3b,3c,3dには光ビームは到達しない。
【0067】
このように、液晶シャッタC1,C2,C3,C4のシャッタリング動作制御によって、順次、イエロー(Y)→マゼンタ(M)→シアン(C)→ブラック(K)の光ビームが、それぞれ、対応する各感光体ドラム(3d,3c,3b,3a)に照射され、カラー画像が形成される。このような液晶シャッタC1,C2,C3,C4の開閉制御は、例えば、図2に示すような制御部200によって行われる。なお、ブラック(K)単色の場合には、液晶シャッタC1のみを開状態として、その他の液晶シャッタC2,C3,C4を閉じた状態とすればよい。
【0068】
その制御部200は、画像形成装置100内に設けられ、CPU、ROM、RAMを備え、その入力側には、画像データ入力部201、及び、シート検出器(レジストセンサ)23、環境検出器(温度検出器)22が接続され、出力側には、画像処理部202、メモリ203、「書込み部」と「液晶シャッタ」を含む光ビーム走査装置(露光ユニット)1、帯電器5を備えた帯電部207、現像器2を備えた現像部208、転写搬送ベルトユニット8を備えた転写部209、定着ユニット12を備えた定着部210、用紙搬送路Sを備えた搬送機構部211、転写ベルト7を感光体ドラム3a〜3dに対して離接動作させる操作およびその他の画像形成動作についての操作を行う操作部212が接続されている。
【0069】
このような制御部200によって行われる光ビーム走査の制御では、カラー画像の形成時には、各感光体ドラム3a〜3dへの光ビームの光強度が均等に1/4となっているため、各感光体ドラム3において光学的に均等な走査特性が得られる。そのため、面倒な光強度の調整を行う必要がなく、その制御内容がきわめて簡易なものとなり、多色再現性が良好となり、画質も安定化する。
【0070】
〈マルチビームタイプ〉
複数のレーザー発光部51,…から複数の光ビームを出射するマルチビームタイプの場合、図7に示すように、複数段に積み重ねたレーザー発光部51,…から出射される複数の光ビームは、それぞれ入射光学系52を介して単一のポリゴンミラー53に導入される。次いで、ポリゴンミラー53の反射面で反射された光ビームは、fθレンズ54を経由して、複数のハーフミラーH1,H2,…によって、透過光と反射光に分割された後、各感光体ドラム3の直前に設けられている遮光手段としての液晶シャッタC1,C2,C3,C4(図8,9参照)によって、透過または遮断され、透過された場合には対応する感光体ドラム3上に照射される。なお、複数の光ビームを出射するレーザー発光部51,…は、複数の光ビームを出射する単一のレーザー発光アレイであってもよい。
【0071】
〔1〕多色(カラー)画像形成の場合
多色画像の走査を行う場合には、光ビームは、図8に示すように、それぞれ2つのハーフミラー(H11,H12,H13の中のいずれか2つ)を介して各感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)に照射されるため、各感光体ドラム3に照射される光ビームの強度は、それぞれ均等に1/4の光強度となる。従って、面倒な強度補正を必要とすることなく、均等な光強度が得られる。そのため、面倒な光強度の調整を行う必要がなく、その制御内容がきわめて簡易なものとなり、多色再現性が良好となり画質も安定化する。この点については、シングルビームタイプの場合と同じである。
【0072】
マルチビームタイプの場合には、レーザー発光部51,…から出射される各光ビームが近接しているため、分割手段として、ハーフミラーH11,H12,H13を用いることによって、光ビーム相互の重なりを避けて透過光と反射光とに確実に分割することができる。各感光体ドラム3a〜3dの前段に設ける液晶シャッタC11〜C14は、例えば、図9(a),(b)に示すように、4本の光ビームに対応する4つの開閉区画を有するものを用いればよい。例えば、ブラック(K)の感光体ドラム3aに対しては、図9(a)に示すように、図示右端の区画のみを開状態としてブラック(K)の光ビームのみを透過させて、その他の3つの区画を閉状態として、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の光ビームを遮蔽するようなシャッタリング動作を行う液晶シャッタC11を用いればよい。
【0073】
また、シアン(C)の感光体ドラム5bに対しては、図9(b)に示すように、図示右から2番目の区画のみを開状態として、シアン(C)の光ビームのみを透過させて、その他の3つの区画を閉状態として、ブラック(K)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の光ビームを遮蔽するような液晶シャッタC12を用いればよい。
【0074】
このような液晶シャッタC11〜C14を用いた光ビーム走査の制御では、マルチビームタイプの場合には、図8に示すように、光ビームは、ブラック(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各感光体ドラム3a〜3dに同時に到達するため、画像形成速度がシングルビームの場合に比して4倍速くなる利点があり、大幅な高速化を実現することができる。
【0075】
このように、カラー画像形成の場合には、遮光手段は、各感光体ドラム3a〜3dの色相に対応する光ビームのみを透過させることができればよいので、図9(a),(b)に示すような開閉式の液晶シャッタに代えて、例えば、図10(a),(b)に示すような、絞り部材S12,S14等を用いることもできる。なお、この絞り部材S11〜S14には、光ビームを透過させるべき区画のみを開状態に形成した板材を用いればよく、液晶シャッタC11〜14よりもさらに安価に調達することができる。
【0076】
〔2〕単色(モノクロ)画像形成の場合
単色画像の走査を行う場合には、図11に示すように、ブラック(K)の感光体ドラム3aに対して、2つのハーフミラーH11,H13を介して1/4の光強度となった光ビームが4本同時に照射されるため、シングルビームタイプの場合よりも、格段の高速化が可能となり、かつ、格段に鮮明な画像を形成することができる。
【0077】
この場合、液晶シャッタC14の動作は、図12(a)に示すカラー画像形成時の動作状態、すなわち、右端の区画のみ開の状態から、モノクロ画像形成時の図12(b)に示すような4区画全開の状態とすればよく、このような液晶シャッタC11のシャッタリング動作の制御は、前述したように、図2に示す制御部200からの指令によって容易に行うことができる。
【0078】
ところで、このような単色画像形成を行うときに用いる光ビームのビーム数をnとする時、感光体ドラム3a上での各光ビームの走査ライン間隔をnライン(1ライン当たりのビーム数)に設定し、入力された画像データに基づいて特定の感光体ドラム3aに対してほぼ同時に書込みを行い、副走査方向への感光体ドラム3aの移動量を主走査方向の1走査面当りn−1ライン相当の移動量で定速移動するように設定して、感光体ドラム3aに画像を書き込みを行うようにすれば、ポリゴンミラー53の倒れや触れ回りによるポリゴンミラー1回転あたりの周期的なバンディングを、スクランブル効果により目立たなくすることができ、走査ムラの目立たない良好な画像形成を行うことができる。
【0079】
具体的には、例えば、n=4の場合、図13(a),(b)および図14(a),(b)に示すように、1回目の走査では、1,4,7,10のラインで走査し、2回目の走査では、5,8,11,14のラインで走査し、3回目の走査では、9,12,15,18のラインで走査し、4回目の走査では、13,16,19,22のラインで走査すればよい。
【0080】
次いで、スクランブル効果について、図15,16,17,18を参照してより詳しく説明する。図15は、副走査方向にスクランブルさせた場合の書込み例を示す(請求項9に対応)。この書込み例の説明で、▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼,▲6▼は6面の回転多面鏡(例えば、ポリゴンミラー53)を用いたときのミラー面の番号を示し、4本の光ビームを3ラインずらして同一のミラー面で照射し、1ミラー面ごとに副走査方向に4ラインずらしながら書込みを行っている。
【0081】
1,2,3,4,・・・・は書込みラインを表している。つまり、7ライン目は▲1▼のミラー面で照射された光ビームにより書込んでいることを、8ライン目は▲2▼のミラー面で照射された光ビームにより書込んでいることを、9ライン目は▲3▼のミラー面で照射された光ビームにより書込んでいることを、10ライン目は▲1▼のミラー面で照射された光ビームにより書込んでいることを表している。
【0082】
そして、この図15では、例えば▲3▼のミラー面に大きな倒れがあり、副走査方向下流側(下側)に倒れている場合を想定しており、▲3▼のミラー面を用いて照射されたときに書込まれたラインが、図示のように、副走査方向下流側(下側)にずれ込んでいる。ただし、8ライン目〜19ライン目までを見れば分かるように、▲3▼のミラー面で書込まれたラインの前後は、8ライン目10ライン目では▲2▼,▲1▼であり、11ライン目13ライン目では▲2▼,▲4▼であり、14ライン目16ライン目でも▲2▼,▲4▼と同じであるが、17ライン目19ライン目では▲5▼,▲4▼と変わる。
【0083】
そして、32ライン目まで▲3▼にミラー面での書込みは行われない。つまり、主操作方向に形成するラインの前後の関係が、常に等しくなく入れ替わりが起こり(スクランブル)、そのため、規則正しい周期を有する筋等による画像ムラ(バンディング)が目立ちにくくなる(○印参照)。
【0084】
これに対して、図17は、従来の1本の光ビームを用いた通常の書込み例を示す。この場合、ミラー面の使用は▲1▼〜▲6▼の規則正しい繰り返しとなり、倒れの大きな▲3▼のミラー面による書込みが規則正しい周期を持っているため、規則正しい筋や画像ムラが発生し非常に目立ちやすく画像品質が著しく低下する。つまり、ライン3、9、15、21、27、33、39は、いずれも、同程度に副走査方向下流側(下側)にずれ込んでいるため、よく目立つことになる(×印参照)。
【0085】
また、図18は、従来のマルチビームを用いた書込み例を示す。この場合、4本の光ビームを近接した配置とし、感光体ドラムの副走査方向への移動速度を4倍の速度としたものであり、筋や画像ムラのピッチは大きくなるが、規則正しい筋や画像ムラが目立ちやすい。
【0086】
また、4本のビームの位置ずれがある場合には、その位置ずれがそのまま現れてしまう。つまりライン1,2,3,4は発光部1,2,3,4で書込まれ、ライン5,6,7,8も発光部1,2,3,4で書込まれ、常に、4ラインごとの繰り返しで書込みが行われる。
【0087】
従って、書込みに使用されるミラー面ごとに4本の光ビーム全体が上下するが、4本の光ビームそれぞれの間の書込みラインの副走査方向のずれは、4つの発光部1,2,3,4の配置の特性の影響を受けて同じように発生することとなる。そのため、光ビームの発光部の配置のばらつきやポリゴンミラーの面倒れによる影響を受け、周期的に筋や画像ムラが目立ちやすくなる(×印参照)。図示の例では、ライン9,10,11,12、および、ライン33,34,35,36が目立ちやすい。
【0088】
図16は、主走査方向でのスクランブル効果を利用した書込み例を示す。この場合、副走査方向には、ミラー面を規則正しく1回転ごとの繰り返しで書込みを行うが、同じ主走査方向のラインをミラー面を切換ながら書込んでいるので、同一の主走査方向のラインがポリゴンミラーの倒れによるずれが緩和し目立たなくなる(○印参照)。つまり、主走査方向には図では4ドットに1ドットとなるように4ドット間隔で書込みを行い、主走査方向に隣り合うドットが別のミラー面により書込まれるようにしている。このため、主走査方向のラインを形成するときに副走査方向にドットが揃わないため筋や画像ムラが目立たなくなる。
【0089】
副走査方向への光ビームの間隔は、図では(m−1ライン)3ラインとしているが、4ラインにしても構わない。ただし、この間隔はポリゴンミラーの面数により決まる値であり、ミラー面数と同じ間隔にすると意味がない。また、2ライン(1ライン置き)と狭くしてもよいが、光ビームを遮光する場合に光ビームが近接するのであまり好ましくない。
【0090】
また、図では主走査方向へは4ドットに1ドットの書込みとしたが、連続した2ドットを8ドット間隔や連続する3ドットを12ドット間隔で書込む方法でも良い。しかしながら、間隔を長くすると筋や画像ムラが目立ちやすくなるので注意が必要とされる。なお、図ではミラー面▲3▼のみが大きい倒れがあり、ミラー面▲3▼で書込んだところが副走査方向に大きくずらして書き表しているが、実際には他のミラー面もミラー面ごとに固有の倒れを有しており、かつ、ポリゴンミラーの取付けや回転時の振れ回りなどによる倒れが加わり、図示の場合よりも一層複雑になる。
【0091】
なお、多色画像形成装置は、図1に示す構成に限定されるものではなく、少なくとも、転写担持体と対向する像担持体を備えた画像形成ステーションを各成分色毎に備え、画像データに基づいて光源部より出射された光ビームを単一の偏向手段(回転多面鏡)にて等角速度で偏向した後、該光ビームが前記被走査体上に等速度で走査されるように単一の光学手段で変換し、さらに該光ビームを分割手段にて分割して複数の被走査体に導入し露光走査を行う光ビーム走査装置を具備して、単色画像および多色画像の形成が可能であれば、その形式や構成の如何を問わず、本発明を適用することができる。
【0092】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、以下の効果を奏する。
【0093】
(1)複数の被走査体を1つの偏向手段(回転多面鏡,ポリゴンミラー)により走査し、1つの光学手段(fθレンズ,ミラー等) を用いて走査することができるので、各被走査体における光学部品毎の光学特性のばらつきをなくすことができ、環境温度の変化に伴う光学歪等による光学特性の変化を同一とすることができるため、それぞれの被走査体に対して同一特性の走査を行える。また、高価な偏向手段や光学手段が単一で済むため、コスト安を実現することができる。
【0094】
(2)遮光手段として液晶シャッタを用いるので、選択的に走査する被走査体の選択が容易になり、偏向手段としての回転多面鏡の走査面(反射面)ごとに1つの被走査体が選択され選択された被走査体が光ビームで走査される。
【0095】
また、液晶シャッタは被走査体の走査領域全幅をカバーし、備えられた被走査体の個数分の1の走査周期に合わせてシャッタリングを行えばよいので、構造が簡単で安価な液晶シャッタを用いることができ、かつその制御も容易となる。
【0096】
(3)分割手段としてハーフミラーを用いるので、透過光と反射光とをほぼ半分に分割することができ、かつ、それぞれの光路中を進む光ビームを同一回数経由するように構成されているので、同一の光源から出射された光ビームが、分割後においてもそれぞれほぼ同一の光強度を得ることができ。それぞれの被走査体に対する光強度を均一にできる上に、制御が容易になる。
【0097】
(4)複数の発光部から出射される光ビームをそれぞれの被走査体に導き、遮光手段によって不必要な光ビームを遮断し、それぞれの発光部からの光ビームをそれぞれの被走査体に対応させるので、偏向手段の全ての偏向面(反射面)を用いて被走査体を走査することができるため、偏向手段が単一であっても、高速化を図ることができる。
【0098】
(5)単色画像の形成時に、特定の被走査体に対して全ての発光部から出射される光ビームを複数本用いて走査を行えるので、特定の被走査体に対する走査を大幅に高速化することができる。
【0099】
(6)各画像形成ステーションの像担持体を被走査体とするので、各像担持体における光学部品毎の光学特性のばらつきをなくすことができ、環境温度の変化に伴う光学歪等による光学特性の変化を同一とすることができるため、それぞれの像担持体に対して同一特性の走査が行える。また、高価な偏向手段や光学手段が単一で済むため、コスト安を実現することができる。
【0100】
(7)それぞれの成分色のうち特定の成分色の像担持体を具備した単一の画像形成ステーションを用いて画像を形成する単色画像形成時に、特定の成分色の像担持体に対して、光ビームを集約させることができるので、大幅な高速化を図ることができる。
【0101】
(8)単色画像形成には黒色の成分色を用いるので、白黒画像形成は画像形成頻度が最も高く、また、画像形成ボリュームが最も多いため、より大きな効果を得ることができる。すなわち、大幅な高速化を達成することができる。
【0102】
(9)単色画像形成を行うときには、用いる光ビーム数をnとする時、像担持体上での各光ビームの走査ライン間隔をn−1ラインに設定し、入力された画像データに基づいて特定の像担持体に対してほぼ同時に書込みを行い、副走査方向への像担持体の移動量を主走査方向の1走査面当り前記nライン間隔で定速移動するように設定して前記特定の像担持体に画像を書き込むので、偏向手段としての回転多面鏡の倒れや触れ回りによる回転多面鏡1回転あたりの周期的なバンディングをスクランブル効果により目立たなくすることができ走査ムラの目立たない良好な画像形成を行うことができる。
【0103】
(10)単色画像形成を行うときには、用いる光ビーム数をmとする時、像担持体上での各光ビームの走査ライン間隔を整数ライン数(例えば3,4ライン等)に設定し、入力された画像データに基づいて特定の像担持体に対して同時に書込みを行い、副走査方向への像担持体の移動量を主走査方向の1走査当り前記1ライン相当分の距離で定速移動するように設定し、主走査方向へは前記mの整数倍の間隔で各光ビームごとに異なる部分となるように前記特定の像担持体に画像を書き込むので、偏向手段としての回転多面鏡の倒れや触れ回りによる回転多面鏡1回転あたりの周期的なバンディングをスクランブル効果により目立たなくすることができ走査ムラの目立たない良好な画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る多色画像形成装置の構成説明図である。
【図2】同制御系統ブロック図である。
【図3】同シングルビームタイプの光ビーム走査装置の要部構成説明図である。
【図4】同光ビーム走査装置の全体構成説明図である。
【図5】同液晶シャッタの説明図である。
【図6】同光ビーム走査装置の走査手順についての説明図である。
【図7】同マルチビームタイプの光ビーム走査装置の要部構成説明図である。
【図8】同カラー画像形成時の光路の説明図である。
【図9】同液晶シャッタの説明図である。
【図10】同絞り部材の説明図である。
【図11】同モノクロ画像形成時の光路の説明図である。
【図12】同液晶シャッタの説明図である。
【図13】同単色画像形成を行うときの光ビームの走査ライン間隔についての説明図の一部である。
【図14】同説明図の残部である。
【図15】同副走査方向にスクランブルさせた場合の書込み例の説明図である。
【図16】同副走査方向にスクランブルさせた場合の書込み例の説明図である。
【図17】従来の1本ビームを用いた場合の書込み例の説明図である。
【図18】従来のマルチビームを用いた場合の書込み例の説明図である。
【符号の説明】
3(3a〜3d)−被走査体,像担持体(感光体ドラム)
6(6a〜6d)−転写担持体(転写ローラ)
51−光源部
53−偏向手段(ポリゴンミラー)
54−光学手段(fθレンズ)
H1,H2,H3,H11,H12,H13−分割手段(ハーフミラー)
C1,C2,C3,C4,C11,C12,C13,C14−遮光手段(液晶シャッタ)
S11,S12,S13,S14−遮光手段(絞り部材)
Claims (7)
- 画像データに基づいて光源部より出射された光ビームを、単一の偏向手段にて等角速度で偏向した後、複数の被走査体上のそれぞれに等速度で走査させるように単一の光学手段で変換し、さらに分割手段にて分割することにより、前記複数の被走査体にそれぞれ導入して露光走査を行う光ビーム走査装置において、
前記光源部は、前記光ビームを発生させる発光部を少なくとも前記被走査体と同一個数備えており、かつ、前記分割手段と前記各被走査体との間に、前記各被走査体に対して前記光ビームを選択的に透過又は遮光する遮光手段を設け、
前記各発光部から出射される全ての前記光ビームが全ての前記被走査体に向かうように光路を形成し、
前記分割手段は、前記光ビームをそれぞれ1/2の強度で透過および反射させる手段であり、前記各被走査体に対して形成される各光路中を進む光ビームがそれぞれ同一回数経由するように、前記偏向手段と前記複数の遮光手段との間に複数個設けられ、
前記各発光部から出射される前記光ビームの中、前記各被走査体に対応するもの以外の光ビームが、前記遮光手段により遮光されることを特徴とする光ビーム走査装置。 - 前記遮光手段は、少なくとも前記被走査体の中、特定の被走査体に対しては液晶シャッタを用い、前記特定の被走査体に対応する光ビームに加えて、その他の発光部から出射される光ビームを更に含む走査を行えるように前記液晶シャッタを切換え可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の光ビーム走査装置。
- 像担持体を転写担持体に対向させて配置した画像形成ステーションを成分色毎に備え、前記像担持体を、請求項1又は2に記載の光ビーム走査装置によって露光走査される前記被走査体としたことを特徴とする多色画像形成装置。
- 像担持体を転写担持体に対向させて配置した画像形成ステーションを成分色毎に備え、前記像担持体を、請求項2に記載の光ビーム走査装置によって露光走査される前記被走査体とした多色画像形成装置であって、
前記特定の被走査体は、前記画像形成ステーションの中、単色画像形成を行う画像形成ステーションの像担持体であることを特徴とする多色画像形成装置。 - 前記単色画像形成には、黒色の成分色を用いることを特徴とする請求項4に記載の多色画像形成装置。
- 請求項4または5に記載の多色画像形成装置に用いる光ビーム走査装置で単色画像形成を行うときには、用いる光ビーム数をnとする時、像担持体上での各光ビームの走査ライン間隔をn−1ラインに設定し、入力された画像データに基づいて特定の像担持体に対して同時に書込みを行い、副走査方向への像担持体の移動量を主走査方向の1走査当り前記nライン相当分の距離で定速移動するように設定して前記特定の像担持体に画像を書き込むことを特徴とする多色画像形成装置。
- 請求項4または5に記載の多色画像形成装置に用いる光ビーム走査装置で単色画像形成を行うときには、用いる光ビーム数をmとする時、像担持体上での各光ビームの走査ライン間隔を整数ライン数に設定し、入力された画像データに基づいて特定の像担持体に対して同時に書込みを行い、副走査方向への像担持体の移動量を主走査方向の1走査当り前記1ライン相当分の距離で定速移動するように設定し、主走査方向へは前記mの整数倍の間隔で各光ビームごとに異なる部分となるように前記特定の像担持体に画像を書き込むことを特徴とする多色画像形成装置。
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