JP4227331B2 - 画像形成装置の調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置の調整方法に関し、特に画像形成プロセスが2以上併設された電子写真複写機、レーザビームプリンター、そして印刷装置等の多重画像形成装置(カラー画像形成装置)に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、多重画像形成装置は一般に複数の画像形成部(光走査装置)において異なった色の画像を形成し、例えば搬送手段としての搬送ベルトによって紙を搬送し、この紙上に画像を重ねて転写し画像形成を行なう。
【0003】
特に多色現像を行いフルカラー画像を得る場合には、わずかな重なりズレでも画像を悪化させる。例えば400dpiであれば1画素63.5μmの数分の1の重なりズレでさえ色ズレや色見ズレの変化として現われ画像を著しく悪化させる。
【0004】
従来はこれに対し同一の走査光学系を用いて色現像を行ない、即ち同じ光学特性で感光体(感光ドラム)上を光走査し画像のズレを緩和していた。
【0005】
しかしながらこの方法では多重画像やフルカラー画像を出力するのに時間がかかるという問題点があった。
【0006】
この問題点を解決するために各色の画像を得るために別々の光走査装置で画像を形成し、搬送部によって送られる紙上で画像を重ね合わせるという方法がある。
【0007】
しかしながらこのとき懸念されることとしては画像を重ね合わせるときの色ずれである。これに対して有効な方法としては、例えば特開平1−281468号公報で開示されているように画像の位置を検出器で検出し、該検出器からの検出信号にしたがって画像を補正すべく画像形成部を制御するという方法がある。
【0008】
一方、複数の感光体上に光ビームを走査する画像形成装置においては、複数の感光体上に潜像を形成するために通常は感光体と同じ数の走査光学系が用いられている。この問題点としては走査光学系の数だけ光学部品が必要になり、特に光偏向器は高価であるためにコスト高となるといった問題点がある。また特に高速で高精細な走査光学系の場合には光偏向器が大きくなると同時に高速に偏向させる能力を有する必要があるためにさらに問題は深刻となる。
【0009】
この問題に対応するために複数の光ビームを共通の光偏向器で偏向反射する走査光学系が提案されている。また共通の光偏向器で副走査方向の感光体を走査する走査光学系においては、副走査方向の画像の重ね合わせの精度を向上させるために、副走査方向の光ビームの感光体上の描画位置を、ずらす機構(例えば平行平板の傾き等で)を有する必要がある。この方法としては、副走査方向の光ビームの描画開始を行う光偏向器の偏向面(ポリゴンミラー面)を選択することにより副走査方向に1ラインずつ描画位置をずらすことで調整を行っていた。
【0010】
また最近は、より高速で高解像度の画像形成装置が求められており、これに伴い複数ビームにより感光体上を走査することが必要となってきている。
【0011】
しかしながら感光体上を走査するビーム数が増加するにしたがって副走査方向の画像の重ね合わせ精度が悪化するという問題点がある。
【0012】
図8,図9は各々従来の方法で副走査方向の描画開始位置をずらした場合の重ね合わせ精度の悪化を説明した説明図である。
【0013】
図8は従来のプリントシーケンスを説明した説明図である。同図においてビデオコントローラがプリンタエンジンに印字の開始または継続を支持すると、PRNT信号がLOWとなる。このLOW信号により、副走査方向の同期信号であるVSYNC信号を発生させ(LOW)、一定時間ΔT後にBD信号を同期信号として描画を行う。このときVDO信号が描画している状態を表している。
【0014】
この際、描画の位置ずれ量をあらかじめ検出することで、時間ΔTの値を変えて副走査方向の描画位置を調整する。BD信号は光ビームを走査光学系により走査させ、主走査方向の描画書き出し側に配置したBDセンサーにより発生する。従って例えば4ビームによる走査の場合には、光ビームの並びを傾けたり、BDセンサーを傾けたりすることで、それぞれのビームのBDセンサーを横切る時間をずらすことで、それぞれのビームを検出することが可能である。
【0015】
しかしながら4ビーム間の検知のタイミングは非常に短く、図9におけるBD信号は1本のラインで記載している。従って、一定時間後のBD検出で同期を取って描画を行うと、副走査方向に4ビームずつ描画を行うことになる。
【0016】
図9は4ビームによりマゼンタ用(M)の感光ドラムとシアン用(C)の感光ドラムに縦一列のドットを形成して転写材の上で画像を重ねた場合の状態を示した説明図である。尚、説明を簡単にするために各色の描画位置を横方向にずらして示している。
【0017】
マゼンタとシアンの描画位置の状態は走査光学系の温度が変動した場合や転写材の搬送速度などが変動した場合に変動する。同図において同一の偏向面で反射される4ビームを四角で囲んで示している。
【0018】
従来の方法によりマゼンタの描画位置を基準にシアンの描画開始位置を選択した場合には黒の枠の部分の偏向面を選択することになる。この場合の副走査方向の重ね合わせ画像の色ずれ量はAとなる。従って4ビームで感光体面上を走査している場合には最悪の場合、2画素の色ずれが発生してしまう。また、このズレ量は感光体上を走査するビーム数が多ければ多いほど大きくなり、画像を著しく悪化させてしまうという問題点がある。
【0019】
本発明は副走査方向の画像の重ね合わせ精度を向上させることができる画像形成装置の調整方法の提供を目的とする。
【0020】
また本発明は感光体上を走査する光ビームの副走査方向の走査開始位置を高精度に調整することができる画像形成装置の調整方法の提供を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成装置の調整方法は、複数の感光体の各々が共通の光偏向器にて偏向反射された複数の光ビームで走査され、前記複数の感光体の各々に描画された画像を重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置の調整方法であって、
前記複数の感光体の各々に描画された画像を重ね合わせた重ね合わせ画像の搬送部材上の副走査方向の描画位置ずれ量を検出するレジ検出器からの信号を用いて、同一の感光体上を走査する複数の光ビームのうち前記副走査方向の描画位置ずれ量を最小とする光ビームを描画開始位置ビームとして選択する第一の調整を行った後、前記第一の調整で残った前記副走査方向の描画位置ずれ量を前記複数の感光体の各々の走査有効領域外に設けられ且つ前記複数の感光体間における光ビームの副走査方向の描画開始位置の位置ずれ量を検出する光検出器からの信号を用いて、複数の半導体レーザから出射した前記複数の光ビームを前記複数の感光体の各々に結像させる走査光学系を構成する平行平板ガラス又はレンズを傾けたり又は偏心させることの少なくとも一方で調整する第二の調整を行うことを特徴としている。
【0041】
【発明の実施の形態】
「参考例1」
図1は本発明の参考例1の画像形成装置の調整方法の要部概略図である。本参考例1の画像形成装置の概要を以下に示す。
【0042】
即ち、図1において装置本体(不図示)内の下側領域には所定の距離を隔てて対向して駆動ローラ11と従動ローラ12とが配設されており、移動部材、即ち転写材搬送ベルト46は駆動ローラ11及び従動ローラ12に巻回されて支持されている。装置本体(不図示)内の転写材搬送ベルト46の上側領域(図1の上方)には各色の画像形成部(光走査装置)が構成されている。
【0043】
この各色の画像形成部は各々入射光学系(不図示)から入射した光ビームが共通の光偏向器としての2段のポリゴンミラー2により偏向反射し、走査光学系(不図示)によりfθ特性が補正、かつ集光され、3枚の折り返しミラーにより反射され、各々対応する感光ドラム27Y、27M、27C、27BK面上を走査する。
【0044】
ここでシアン(C)の像形成について説明する。シアンの画像形成部は該画像形成部から照射された像露光によって静電潜像が形成される感光ドラム27Cと、該感光ドラム27Cの周辺に設けられているクリーナ、一次帯電気等によって、該感光ドラム27C上に静電潜像が形成されるに際して必要な手段(不図示)と、該感光ドラム27Cの周辺に設けられているシアン色の現像剤を収容している現像器のごとき、該静電潜像を現像するのに必要な手段(不図示)と、該現像された画像を転写材等に転写するのに際して必要な転写帯電器(不図示)等を有している。
【0045】
マゼンタ(M)の画像形成部は与えられた原稿画像情報中のマゼンタ色に対応する部位の画像形成を行うもので、例えばレーザビームスキャナ(光走査装置)から照射された像露光によって静電潜像が形成される感光ドラム27M、マゼンタ色の現像剤を収容している現像器(不図示)等を有している。
【0046】
イエロー(Y)の画像形成部は与えられた原稿画像情報中のイエロー色に対応する部位の画像形成を行なうもので、例えばレーザビームスキャナから照射された像露光によって静電潜像が形成される感光ドラム27Y、イエロー色の現像剤を収容している現像器(不図示)等を有している。
【0047】
ブラック(BK)の画像形成部は与えられた原稿画像情報中のブラック色に対応する部位の画像形成を行なうもので、レーザビームスキャナから照射された像露光によって静電潜像が形成される感光ドラム27BK、ブラック色の現像剤を収容している現像器(不図示)等を有している。
【0048】
上記各感光ドラムは、いずれも図1に示す矢印方向(即ち、時計方向)に回転可能に構成されている。
【0049】
上記転写材搬送ベルト46は図1の右方に配設されている給紙機構(不図示)から供給される転写紙のごとき転写材Sを搭載して各画像形成部に向けて(図1矢印A方向)に搬送するものである。また転写材搬送ベルト46は前述した駆動ローラ11、従動ローラ12と共に駆動ローラ11の斜下方に設けられたスプリング(不図示)によって転写材搬送ベルト46に張力を付与するようになっているテンションローラ13にも卷回されている。
【0050】
また転写材搬送ベルト46の感光ドラム27と駆動ローラ11との間の領域の該転写材搬送ベルト46の搬送方向両側の上方空間部には、複数の画像の重ね合わせ画像の位置ずれ量を検出する位置検出用マーク検知手段、即ちレジ検出器(マーク読取装置)42L、42Rが画像形成のプロセスを実行するに先立ち、各感光ドラム27C,27M,27Y,27BKの非画像形成領域に形成された転写材搬送ベルト46の搬送方向両側に転写された図1に示す位置検出用マーク(以下「レジスタマーク」と称する。)15R、15Lを検知している。尚、2つのレジ検出器42L、42Rは互いに同一の構成から成っている。
【0051】
上記各レジ検出器42L、42Rは各々検出部となる光学系41、受光部となる不図示のV字スリットおよびフォトセンサー43、そして照明部となる照明ランプ40等を具備している。尚、各レジ検出器42R、42L及びレジスタマーク15R、15Lの詳述については後述する。
【0052】
上記テンションローラ13の近傍で上記転写搬送ベルト46の外周には、該ベルト46の外周面と当接してクリナーブレード(不図示)が取付けらており、該クリーナブレードは前述した画像形成プロセスを実施する前の工程で転写搬送ベルト46の外周面に転写されたレジストマーク15R、15Lを除去するようになっている。
【0053】
上記駆動ローラ11には該駆動ローラ11を図1に示す矢印方向(即ち反時計方向)に回転駆動させるためにモータ10が取付けられている。
【0054】
このモータ10にはパルスエンコーダ(不図示)が設けられていて、該パルスエンコーダから出力される回転速度検出信号に基づいて、該モータ10の回転速度が位相同期ループ制御(以下「PLL制御」という。)されるようになっている。モータ10と同様に上記各感光ドラム27C,27M,27Y,27BKを駆動する感光ドラム駆動モータ(不図示)にもパルスエンコーダ(不図示)が設けられていて、該モータ10の回転速度がPLL制御されるように構成されている。PLL制御については、既に周知の技術であるのでその説明は省略する。
【0055】
上述した構成において図1の右方に設けられている給紙装置(不図示)から転写材Sが所定のタイミングで転写材搬送ベルト46に供給されると、該転写材搬送ベルト46は該転写材Sを受けてこれを搭載し図1の左方向(図1矢印A方向)に向けて搬送する。転写材Sが搬送されてくると各画像形成部はそれぞれ帯電、露光、現像の各工程を経てそれぞれ感光ドラム上に形成されたシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のトナー像を順次転写材Sに転写する。
【0056】
上述した転写工程が終了すると転写材Sは転写材搬送ベルト46により図1の左方に設けられている定着装置(不図示)へと搬送されて画像定着が施され、その後装置本体外に設けられている排紙トレイ(不図示)等へと排紙される。
【0057】
図2は本発明の参考例1においてポリゴンミラーを共通に使用した光走査装置の副走査断面である。同図において図1に示した要素と同一要素には同符番を付している。
【0058】
同図において22Y、22M、22C、22BKは各々第1の走査レンズ(球面レンズ)、26Y,26M,26C,26BKは各々第2の走査レンズ(トーリックレンズ)であり、fθ特性及び結像性能を有している。23Y、23M、23C、23BKは各々第1の折り返しミラー、24Y、24M、24C、24BKは各々第2の折り返しミラー、25Y、25M、25C、25BKは各々第3の折り返しミラーである。55Y、55M、55C、55BKは各々イエロー用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用の光学部材(間隔調整部材)としての平行平板ガラス(防塵ガラス)である。尚、この光学部材をレンズより構成しても良い。28Y、28M、28C、28BKは各色の光路を示している。
【0059】
尚、同図においては各光路28Y、28M、28C、28Kは各々1本のラインで示しているが、本参考例においては各光路について4本の光ビームで走査している。
【0060】
図3は各色用の走査光学系の中である一色用の走査光学系を抜き出して示した主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。
【0061】
同図において31はレーザユニットであり、4つの光ビームを出射するマルチ半導体レーザ(4ビーム半導体レーザ)を有している。32はシリンドリカルレンズであり、副走査方向のみに所定の屈折力を有している。2は光偏向器としてのポリゴンミラー(スキャニングミラー)、22は球面レンズ(第1の走査レンズ)、26はトーリックレンズ(第2の走査レンズ)、27は感光ドラム、55は平行平板ガラスである。
【0062】
同図においてレーザユニット31から副走査方向にわずかに角度有して出射した平行光ビームはシリンドリカルレンズ32により副走査方向についてのみ集光され、ポリゴンミラー2の偏向面上を照射し、ポリゴンミラー2近傍において4本の主走査方向に長いライン状の像を結ぶ。ポリゴンミラー2は一定速度で回転し、該ポリゴンミラー2で偏向反射された4本の光ビームは球面レンズ22とトーリックレンズ26を通過することによりfθ特性が補正され収束光となり、副走査方向に異なった位置に結像し、4本のビームスポットが感光ドラム27上を走査する(以後走査光)。感光ドラム27は半導体レーザ駆動信号に同期し一定速度で回転し、上記走査光により静電潜像が感光ドラム27上に形成される。
【0063】
図4は感光ドラム上を走査する2組の光ビーム(C1〜C4、M1〜M4)の副走査方向の走査開始位置を複数ビーム(C1〜C4)の中から、重ね合わせ画像の位置ズレを低減する描画開始ビームC3を選択するときの説明図である。
【0064】
同図は4ビーム(M1〜M4)によりマゼンタ用(M)の感光ドラム27Mとシアン用(C)の感光ドラム27Cに縦一列のドットを形成して転写材Sの上で画像を重ねた場合の状態を示している。ここでは説明を簡単にするために各色の描画位置を横方向にずらして示している。
【0065】
マゼンタMとシアンCの描画位置の状態は走査光学系の温度が変動した場合や転写材Sの搬送速度などが変動した場合に変動する。同図において同一の偏向面で偏向反射される4ビーム(C1〜C4)(M1〜M4)を四角で囲んで示している。本参考例においては副走査方向の描画開始のビームとしてC3のドットを描画するビームC3を選択する。即ち、偏向面としては黒枠の面を選択した上でビームとしてはビームC3を選択する。これにより副走査方向の画像重ね合わせの残渣はBとなる。従って本参考例によれば基準の描画位置に対して最悪でも画像重ね合わせの残渣Bが2分の1画素の範囲(以下)に副走査方向の描画位置ずれを抑えることが可能となる。
【0066】
以下、副走査方向の複数の画像の描画位置のレジ合わせ方法のフローについて説明する。電源ONの後、あらかじめ決められた時間または温度情報に基づいて各光走査装置(各画像形成部)は転写搬送ベルト(搬送部材)46上へのレジパターン(画像の位置検出用マーク)15R、15Lの描画を行う。転写ベルト46上に描画されたレジパターン15R、15Lは転写ベルト46の移動方向の下流に設けられたレジ検出器(マーク読取装置)42L、42Rにより転写搬送ベルト46上のレジパターン15R、15Lを読み取ることで各ステーションにおける色ずれ量を検知する。このうち副走査方向の色ずれ量をもとに各ステーションの副走査方向の描画開始位置のずらし量を算出し、副走査方向の描画開始位置ずらし量をメモリに保存する。
【0067】
その後、画像形成装置の出力命令が発生したときに上記の副走査方向の描画開始位置ずらし量をメモリより入手し、制御回路により副走査方向の描画開始を行う偏向面および描画開始光ビーム源を決定する。
【0068】
具体的にはVSYNC信号から描画開始時間までのΔtを算出し、Δtの間に進む感光ドラム表面の距離に最も近くなるラインの数をBDのタイミングから算出し、この描画開始光ビーム源から順番に各副走査方向ラインの画像情報を送ることで描画を行う。上記の処理を各色のステーションで行うことにより副走査方向の色ずれの少ない画像形成が可能となる潜像を感光ドラム上に形成する。
【0069】
このように本参考例においては上述の如く少なくとも2つの感光ドラム上を走査する光ビームの副走査方向の走査開始位置(描画位置)を複数ビームの中から重ね合わせ画像の位置ずれを低減する描画開始ビームを選択し、またこの描画開始ビームの選択とポリゴンミラーの偏向面の選択とを組み合わせて行うことにより、副走査方向の画像重ね合わせ精度を向上させることができる。
【0070】
「実施形態1」
図5(A)、(B)は各々本発明の各色用の走査光学系の中である一色用の走査光学系を抜き出して示した実施形態1の主走査断面と副走査断面の説明図、図6は図5(B)に示した平行平板ガラス付近の光線の状態を示した説明図である。図5、図6において図3に示した要素と同一要素には同符番を付している。
【0071】
本実施形態において前述の参考例1と異なる点は平行平板ガラス55を副走査方向に傾け制御することにより、感光ドラム27上を走査する複数ビームの副走査方向の描画位置(走査開始位置)を調整した点と、更に参考例1における副走査方向の描画位置の制御とを組み合わせて副走査方向の描画位置ずれを調整したことである。その他の構成及び光学的作用は参考例1と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。
【0072】
即ち、同図において51は光源手段であり、4つのビームを出射する4ビーム半導体レーザより成っている。52はコリメーターレンズ、53は絞り、32はシリンドリカルレンズ、2は光偏向器であるポリゴンミラー、22は球面レンズ(第1の走査レンズ)、26はトーリックレンズ(第2の走査レンズ)である。
【0073】
55は光学部材(間隔調整部材)としての平行平板ガラスであり、後述する光検出器30により検出された量(感光ドラム上を走査する複数ビームの副走査方向の位置ズレ情報)に応じて、副走査方向に傾け制御することにより、感光ドラム27上を走査する複数ビームの副走査方向の描画位置(走査開始位置)を調整している。
【0074】
30は光検出器(照射位置検知手段)であり、感光ドラム27の走査有効領域外にそれぞれ2つ配置され、該感光ドラム27上を走査する複数ビームの副走査方向の位置ずれ情報(描画位置及び描画間隔等)を検知しており、例えば2分割センサー、PSD、そしてVスリットとフォトセンサーの組み合わせなどの構成から成る。
【0075】
27は記録媒体としての感光体(感光ドラム)である。
【0076】
本実施形態では光検出器30からの信号によって図6に示すように平行平板ガラス55を副走査方向に傾け制御することにより、感光ドラム27上を走査する光ビームの副走査方向の描画位置を調整している。
【0077】
尚、図6において55は初期状態の平行平板ガラス、52は初期状態における副走査方向のビームの主光線、53は副走査方向の照射位置を変更するために平行平板ガラスの傾き角度を変えたときの状態、54は平行平板ガラスの傾き角度を変えたときの副走査方向の照射位置を示している。
【0078】
図6からも明らかのように平行平板ガラス55の傾き角度を変更することにより、副走査方向の光束の主光線の位置がシフトする。従ってこの傾き角度を光検出器からの信号を用いて制御することにより、副走査方向のレジ合わせ(走査開始位置の調整)を行うことが可能である。
【0079】
一方、この傾き角度が大きくなった場合は平行平板ガラス55中を通過する光路長が変化する。この光路長の変化によってピントが変化する。前記図3に示したようにこの平行平板ガラス55を通過する光線は主走査断面において走査角θによって異なった角度で入射している。従って初期状態で性能が出るように光学系を最適化した場合には傾き角度を変えると像面湾曲が発生する。また走査光学系の軸上と軸外の光路長が異なることで走査線の曲がりが発生する。特に高精細の走査光学系の場合には、この光学性能の悪化は問題となり、走査光学系の傾け角度はできるだけ小さく押さえることが必要となる。
【0080】
走査光学系の傾け角度を小さく押さえるのに有効な方法としては、全ての副走査方向の描画位置ずれを走査光学系(平行平板ガラス)の傾け調整で行うのではなく、参考例1の副走査方向の描画位置の制御と組み合わせて行うことが有効である。
【0081】
即ち、副走査方向の描画位置ずれを最小とする描画開始ビームを選択した上で(第一の調整を行った後)、残りの描画位置ずれ分を走査光学系の傾け調整で行う(第二の調整を行う)。従ってビームを選択した場合には副走査方向の1ライン毎の選択による量子化誤差が発生するが、走査光学系の傾け調整と組み合わせることで高精度な位置合わせを走査光学系の性能悪化をほとんど発生させることなく行うことができる。
【0082】
本実施形態ではレジ検出器による転写搬送ベルト上の画像の読み取りを長い周期で行い、光検出器による検出をフォトセンサー等で短い周期で行い、画像のずれ量を検出して副走査方向の描画開始位置の調整を行っている。
【0083】
尚、本実施形態では平行平板ガラスを傾けることにより副走査方向の描画位置を調整したが、これに限らず、偏心させても良く、また同様の効果を光学系中のトーリックレンズや入射系のシリンドリカルレンズといった光学部材を傾けたり又は/及び偏心させたりすることでも得ることが可能である。
【0084】
「参考例2」
次に本発明の参考例2について説明する。
【0085】
参考例2において前述の参考例1、実施形態1と異なる点は光検出器からの信号を用いて、副走査方向の画素密度を変更する機能をも持たせたことである。その他の構成及び光学的作用は参考例1、実施形態1と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。
【0086】
副走査方向のビーム間隔は温度等の環境変化によって変化する場合や解像度(DPI)の切り替え等により、そのビーム間隔を変化させる必要がある場合に検出する必要がある。この検出量によりレーザチップの傾き角度を変化させることにより,副走査方向のビーム間隔を変化させ、例えば環境変化によって変化した場合のビーム間隔の調整や解像度の切り替え等ができる。
【0087】
従って、このビーム間隔の調整を行うと副走査方向の描画位置はずれるために重ね合わせ画像のずれ検出を行うための制御を行う前にレーザチップの回転調整を行うことが望ましい。即ち、複数の画像の重ね合わせ画像の位置ずれ量の検出は、複数の光ビームの副走査方向の描画間隔を切り替えた後に行うことが良い。
【0088】
このように参考例2では副走査方向の画素密度を変更する機能を有し、該画素密度によって感光体上を走査する複数の光ビームの副走査方向の描画間隔を切り替える機構を有している。
【0089】
尚、参考例2では副走査方向のビーム間隔の調整をレーザチップの回転を使用したが、これに限定されることはなく、例えばビーム合成系により複数ビームの走査を行うような場合には光学系中のビーム合成部材を回転させるような方法においても同様の効果を得ることができる。
【0090】
「カラー画像形成装置」
図7は本発明の実施形態のカラー画像形成装置の要部概略図である。
【0091】
本実施形態は、光走査装置により4ビームを走査して各々並行して像担持体である感光体上に画像情報を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。図7において、100はカラー画像形成装置、111は参考例1、実施形態1、参考例2に示したいずれかの構成を有する光走査装置、71,72,73,74は各々像担持体としての感光ドラム、81,82,83,84は各々現像器、101は搬送ベルトである。
【0092】
図7において、カラー画像形成装置100には、パーソナルコンピュータ等の外部機器102からR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号が入力する。これらの色信号は、装置内のプリンタコントローラ103によって、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、B(ブラック)の各画像データ(ドットデータ)に変換される。これらの画像データは、光走査装置111に入力される。そして、光走査装置111からは、各画像データに応じて変調された光ビーム(マルチビームレーザー)91,92,93,94が出射され、これらの光ビームによって感光ドラム71,72,73,74の感光面が主走査方向に走査される。
【0093】
本実施形態におけるカラー画像形成装置は光走査装置111により4ビームを走査し、各々がC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、B(ブラック)の各色に対応し、各々平行して感光ドラム71,72,73,74面上に画像信号(画像情報)を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。
【0094】
本実施形態におけるカラー画像形成装置は上述の如く光走査装置111により各々の画像データに基づいた光ビームを用いて各色の潜像を各々対応する感光ドラム71,72,73,74面上に形成している。その後、記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を形成している。
【0095】
前記外部機器102としては、例えばCCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられても良い。この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置100とで、カラーデジタル複写機が構成される。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば前述の如く少なくとも2つの感光体上を走査する光ビームの副走査方向の走査開始位置を、複数ビームの中から重ね合わせ画像の位置ずれを低減する描画開始ビームを選択することで行うことにより、副走査方向の画像重ね合わせ精度を向上させることができる画像形成装置の調整方法を達成することができる。
【0097】
また本発明によれば前述の如く感光体上を走査する光ビームの副走査方向の走査開始位置を、該走査光学系中の位置ずれを低減させるために設けた光学部材(間隔調整部材)を傾け又は/及び偏心させることにより、高精度に調整することができる画像形成装置の調整方法を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1の画像形成装置の要部斜視図
【図2】 本発明の参考例1の画像形成装置の主走査断面図
【図3】 図2に示した走査光学装置の主走査断面図
【図4】 感光体上を走査する2組の光ビームの副走査方向の走査開始位置を複数ビームのうちから重ね合わせ画像の位置ズレを低減する描画開始ビームを選択するときの説明図
【図5】 本発明の実施形態1の画像形成装置の主走査及び副走査断面図
【図6】 本発明の実施形態1の光学部材の説明図
【図7】 本発明の実施形態のカラー画像形成装置の要部概略図
【図8】 従来のプリントシーケンスを説明した説明図
【図9】 4ビームによりマゼンタ用(M)の感光ドラムとシアン用(C)の感光ドラムに縦一列のドットを形成して転写材の上で画像を重ねた場合の状態を示した説明図
Claims (1)
- 複数の感光体の各々が共通の光偏向器にて偏向反射された複数の光ビームで走査され、前記複数の感光体の各々に描画された画像を重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置の調整方法であって、
前記複数の感光体の各々に描画された画像を重ね合わせた重ね合わせ画像の搬送部材上の副走査方向の描画位置ずれ量を検出するレジ検出器からの信号を用いて、同一の感光体上を走査する複数の光ビームのうち前記副走査方向の描画位置ずれ量を最小とする光ビームを描画開始位置ビームとして選択する第一の調整を行った後、前記第一の調整で残った前記副走査方向の描画位置ずれ量を前記複数の感光体の各々の走査有効領域外に設けられ且つ前記複数の感光体間における光ビームの副走査方向の描画開始位置の位置ずれ量を検出する光検出器からの信号を用いて、複数の半導体レーザから出射した前記複数の光ビームを前記複数の感光体の各々に結像させる走査光学系を構成する平行平板ガラス又はレンズを傾けたり又は偏心させることの少なくとも一方で調整する第二の調整を行うことを特徴とする画像形成装置の調整方法。
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