JP4409019B2 - 紙幣束管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀行等金融機関の店舗内において100枚ずつ束ねられた紙幣束を管理するための紙幣束管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
金融機関などでは、紙幣を管理するうえで100枚を単位としてテープで結束し、結束された紙幣束(通称「小束」)として収納箇所に収納される。
【0003】
この紙幣束の在高管理については、例えば特開平6−166435号公報に記載の装置のように装置内で結束した紙幣束を投出するものであると紙幣束の出入りの管理は厳密に行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし一旦結束された紙幣束を例えば金庫室や棚、引出し等に置いて管理する場合はすべて人手により在高をチェックする必要がある。
【0005】
また金融機関の店内で使用される現金カート(現金キャビネット)に紙幣束を収納して管理するものでは、紙幣束が人手により出し入れされるためその都度在高を管理することが難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、現金カートなどに収納される紙幣束の在高をリアルタイムでチェックすることができ、紙幣束の在高管理を容易かつ確実に行えるようにした紙幣束管理システムを提供することを課題としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として本発明は、金種を示す金種マークが付されたテープにより所定枚数の紙幣を前記金種マークが紙幣束の端面に位置するように結束する紙幣結束手段と、結束された紙幣束を前記金種マークが上方に向くように立位姿勢で並列収納し人手により取出しが可能な引出し構造を有する紙幣束収納部と、この収納部を引き出す動作により紙幣束の前記金種マークを読取って金種別に計数する読取り計数手段と、この読取り計数手段により計数した計数結果に基づいて金種別の在高を更新記憶するとともにその在高情報を適宜出力可能な在高管理手段とを具有することを特徴とする。
【0008】
前記テープに金種別に異なる金種マークを付し、結束時にその金種に対応する金種マークが紙幣束の端面に位置するように結束するようにすれば、テープを金種別に用意せずともテープの供給時の位置調整のみで各金種の紙幣の結束を行うことができる。
【0009】
上記引出し式の収納部をワゴンの引出しに適用すれば、店内を移動させての使用ができ、一層利用効果を高めることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して説明する。
【0011】
図1は本発明において用いられる紙幣束収納部を移動自在なワゴン形態とした場合の側板を除去した外観を示し、図2は紙幣束Pを横位置で立位姿勢に整列収納する引出し構造の紙幣束収納部1を引出した状態を示している。
【0012】
紙幣を束ねるテープTは、図3に一部を示すように、その金種を示す金種マーク2(実施形態ではバーコード)と基準マーク3とが所定の間隔をおいて予め印刷されている。
【0013】
上記金種マーク2はテープTの幅の半分程度にのみ印刷され、図4にその部分を拡大して示すように、2Aが万円紙幣を、2Bが千円紙幣を、2Cが5千円紙幣を示し、上記各金種マーク2A、2B、2Cの印刷幅LA、LB、LCはその金種の紙幣を所定枚数(100枚)束ねたときその厚み(木口幅)より若干広めに設定されている。なお、2Dは予備用のマークで、幅LDをとっている。
【0014】
したがって紙幣の結束には、図5に概要を示すような結束手段6が用いられる。すなわち基準マーク検知手段4によりテープTの基準マーク3を検知したのちその紙幣の結束時に当該紙幣の金種を示す金種マーク2の該当マークが紙幣束の長手方向の端面に丁度位置するようテープ繰出し手段5によるテープTの送り出し長さを制御するようになっており、周知のようにテープTの先端をテープ挟み6aにより挟持して結束すべき紙幣Pの周囲に巻きつけ、巻き終り端を熱接着して結束するようになされる。
【0015】
前記紙幣束収納用ワゴン7は、紙幣束収納部1が庫体8に対しレール9,10,11をガイドとして引出し自在に形成され、図示の例では前後方向中央位置に設けられる中仕切り12を境としてその左右に紙幣束Pを横位置立位姿勢で2列に収納するようになっており、この引出し構造の紙幣束収納部1が上下方向に4個設けられている。
【0016】
これら紙幣束収納部1,1…は庫体8の側面にバネ13により下方へ付勢されて所定のストロークにわたり上下動可能に設けられたロックバー14のロック爪(図示せず)と紙幣束収納部1の前板1aの背面一側に設けられたフック15との係合によりロックされ、ロックバー14はDCモータ(図示せず)により上方へ駆動されてロックの解除が行われるか、またはキー操作によりロックバー14を上昇させることによりロックが解かれて紙幣束収納部1を引出すことができるようになっている。
【0017】
前記紙幣束収納部1の奥壁1bには紙幣束PのテープTが所定の向きに収納されているが否かを検知するセンサS1,S1(反射型センサ)が設けられ、また庫体8の上枠16には紙幣束収納部1に整列状態で収納される紙幣束PのテープTと対応する位置にマーク読取り計数手段の一部を構成するセンサS2,S2が設けられている。このセンサS2,S2は反射型のフォトセンサで、各センサS2,S2は少なくとも2個のセンサからなり、一方が金種マーク2の位置を読取り、他方が金種マーク2が印刷されていない部分のテープを読取ることによって金種と束数とを同時に読取れるようになっている。なお17は前記上枠16に設けられた押えローラで、紙幣束Pの上端の浮き上がり等を防ぐためのものである。
【0018】
また紙幣束収納部1には、図6に示すようにその後端の支持部18と後端近傍下面の支持部19とに途中に引張バネ20が介装されたワイヤ21の各端部が結着され、このワイヤ21は庫体8の前部および後部に軸着されたプーリー22,23を経由するように巻回されており、紙幣束収納部1の引出しに伴なってワイヤ21が回動し、そのワイヤ21の途中は庫体8側に設けられたロータリエンコーダ24に巻回されていて、紙幣束収納部1が最奥部の紙幣束PがセンサS2による計測位置を通過するまでの所定量が引出されたか否かを判別するとともに、紙幣束収納部1の引出し量に応じ引出し速度に関係なく所定のパルスを発生させることにより、センサS2のマーク読取りのタイミングをとるようになっている。
【0019】
図8に本発明における読取り計数手段および在高管理手段に相当する制御ブロック図を示しており、紙幣束収納部1のセンサS1,S2およびロータリエンコーダ24からの検知信号がCPUに入力され、それに基づいて金種判別部35により金種が判別されて計数されるとともに、束計数部36により束数が計数され、その結果金種別在高メモリ37に金種別在高が、収納部別在高メモリ38に収納部別(4個の収納部別)の在高がそれぞれ更新記憶される。これらメモリ37,38はその在高情報を出力して適宜な箇所に設けられる表示部39への表示、印刷部40での印刷が可能とされている。
【0020】
前記紙幣束収納部1内には、収納される紙幣束Pを奥壁1bに押しつけて整列状態を維持するための押圧板25が前後方向に摺動自在に設けられ、図7に示すように定荷重バネ26が結着されていて一定の押圧力をもって紙幣束Pを奥壁1bに押圧するようになっている。
【0021】
前記紙幣束収納部1の前板1aの手掛け部1cの内側には、図7に示すように操作用レバー27がその下端をヒンジ28により揺動可能に取付けられており、このレバー27の内面側には前記押圧板25を手前に引寄せたときその押圧板25を吸着保持するためのマグネット29が固設され、前板1aの内側には操作用レバー27を戻すためのゴム等の弾性体30(板バネ等のバネ材でもよい)が設けられている。したがって図7のように押圧板25を引寄せてマグネット29に吸着保持させた状態で紙幣束Pの装填を行い、装填終了後操作用レバー27を弾性体30の弾性に抗して手前に引けばそのマグネット29が押圧板25から離間し、押圧板25は定荷重バネ26の作用により引戻されて装填済みの紙幣束Pを押圧することになる。
【0022】
一方、前記紙幣束収納部1の後方部側面にはロータリダンパ31が設けられており、庫体8にはこのダンパ31の軸上のピニオン32が紙幣束収納部1を庫体8内に押し込むときその押し込み終端時に噛合して慣性を吸収するラック33が設けられている。
【0023】
次に上記実施形態の作用を説明する。
【0024】
紙幣を結束するに際し、その紙幣が1万円紙幣であるときは、テープTに表示されている1万円用の金種マーク2Aが紙幣束の長手方向端面(木口)に位置するように結束手段6により結束される。すなわち結束時にテープTの基準マーク3を基準マーク検知手段4が検知したのちテープTの繰出し手段5の回転数が制御されてテープTの送り出し量が定められ、1万円紙幣に巻回したときその長手方向の木口に1万円用の金種マーク2Aが丁度位置して結束される。他金種の紙幣に関しても上記と同様にして結束され、その紙幣の金種を示す金種マーク2B,2Cが木口に位置して結束される。
【0025】
こうして結束手段6により結束された紙幣束Pを紙幣束収納部1内に前記金種マーク2Aが上を向くようにするとともにセンサS2側に位置するよう整列させて収納する。この収納時には、押圧板25を手元側へ引戻して操作用レバー27のマグネット29に吸着保持させておくことにより押圧板25を手で押えておく必要はない。
【0026】
紙幣束Pの収納後、紙幣束収納部1の前板1aに臨む操作用レバー27を引けば、該レバー27はヒンジ28を中心に手前側に回動し、これによりマグネット29が押圧板25から離反するので、押圧板25は定荷重バネ26により引戻され、整列状態に収納された紙幣束P群を奥壁1bに押圧して整列状態を保つ。
【0027】
こうして紙幣束収納部1を庫体8に押入すれば、図1に示すようなワゴン形態となって納まり、店内を移動させることができる。
【0028】
紙幣束Pを取出すときは、紙幣束収納部1のロックを外し、その手掛け部1cに手を掛けて引出すことにより該収納部1の上面が全開されて紙幣束Pを取出すことができる。
【0029】
この引出し時にワイヤ21が回動し、それによりロータリエンコーダ24が回動して紙幣束収納部1が所定量引出されたか否かがチェックされる。
【0030】
紙幣束収納部1が所定量引出されると、その引出し動作に応じて各紙幣束Pの金種マーク2がセンサS2の下を通過するのでこのセンサS2により金種マーク2が読取られて金種別の束数が計数され、紙幣束Pを必要数取出したのち紙幣束収納部1が押し込まれると同じくセンサS2により金種マーク2が読取られて計数され、在高管理がなされる。
【0031】
前記ロータリエンコーダ24の信号が途中で反転した場合は、紙幣束収納部1が完全に引出されなかったことを意味するので、もう一度やり直すことになる。このように紙幣束収納部1内に収納されている紙幣束Pの在高が紙幣束Pの取出しの都度紙幣束収納部1を開け閉めすることで計数され、常にリアルタイムに在高を管理することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、紙幣束収納部を引出す動作により収納されている紙幣束の金額が計数されるので、人手により計数することなく常に在高を管理することができ、精査時間の大幅な短縮を図ることができるとともに精査ミスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をワゴン形態として実施する場合の一例を側板を除去して示す斜視図。
【図2】紙幣束収納部を引出した状態を示す斜視図。
【図3】紙幣結束用のテープを示す一部の平面図。
【図4】図3におけるマーク部分の拡大平面図。
【図5】上記テープによる結束手段の一例を示す説明図。
【図6】紙幣束収納部の引出し構造を示す引出した状態の一部切欠略示側面図。
【図7】押圧板の係止部の断面図。
【図8】制御内容を示すブロック図。
【符号の説明】
1 紙幣束収納部
2(2A〜2D) 金種マーク
3 基準マーク
4 基準マーク検知手段
5 テープ繰出し手段
6 紙幣結束手段
7 紙幣束収納用ワゴン
8 庫体
14 ロックバー
21 ワイヤ
24 ロータリエンコーダ
25 押圧板
31 ロータリダンパ
Claims (3)
- 金種を示す金種マークが付されたテープにより所定枚数の紙幣を前記金種マークが紙幣束の端面に位置するように結束する紙幣結束手段と、結束された紙幣束を前記金種マークが上方に向くように立位姿勢で並列収納し人手により取出しが可能な引出し構造を有する紙幣束収納部と、この収納部を引き出す動作により紙幣束の前記金種マークを読取って金種別に計数する読取り計数手段と、この読取り計数手段により計数した計数結果に基づいて金種別の在高を更新記憶するとともにその在高情報を適宜出力可能な在高管理手段とを具有することを特徴とする紙幣束管理システム。
- 前記テープに金種別に異なる金種マークを付し、結束時にその金種に対応する金種マークが紙幣束の端面に位置するように結束する紙幣結束手段を備えている請求項1記載の紙幣束管理システム。
- 前記紙幣束収納部および読取り計数手段が店内を移動可能なワゴンとされている請求項1または2記載の紙幣束管理システム。
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