JP4408420B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、転写受像シートの裏面層にインクジェットプリンタでプリントした際に、インキ記録部の滲み無きことやインクの速乾性が良好であること、また表裏逆で画像形成した転写受像シートの搬送トラブルを防止するために熱転写シートとの離型性が良い熱転写受像シートに関するものである。
従来、種々の熱転写方法が公知であるが、それらの中で昇華性染料を記録材とし、これを紙やプラスチックフィルム等の基材シートに担持させて熱転写シートとし、昇華性染料で染着可能な熱転写受像シート、例えば紙やプラスチックフィルムの表面に染料受容層を設けた熱転写受像シート上に各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この方法は昇華性染料を色材としている為、濃度階調を自由に調節ができ、原稿のフルカラー画像が表現できる。また、染料により形成された画像は非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、中間色の再現性や階調再現性に優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することが可能である。
熱転写受像シートとして、例えば、特許文献1には、基材の受像層の設けられている面と反対面に無機質及び/又は有機質の粒子、結着剤並びに高級脂肪酸塩を主成分とする滑性層を有する受像シートが示されている。この受像シートは、プリンターにおける繰り出しを円滑にして、裏面の加筆性が良好であるとしている。また、特許文献2には、基材シートの色材受容層を設けた面の他方の面に裏面層を設け、該裏面層が主成分として熱可塑性樹脂と湿式法で製造された細孔容積の範囲を規定した親水性多孔質マイクロシリカとを含有する熱転写受像シートが記載されている。この受像シートでは熱転写プリンターにおける給排紙の搬送適性が良く、画像形成後の受像シートを重ね合わせて保存しても、裏面に染料等の移行による汚染がなく、裏面における筆記適性、切手の接着性を有することが示されている。
しかし、上記のような熱転写受像シートにおいても、熱転写プリンターの機種によっては、搬送性に支障が生じたり、また熱転写受像シートの多数枚を積み重ねてプリンターで給紙する際に、受像シートが表裏逆になった状態のものが混在した場合、受像シートの裏面側に印画して、熱転写シートとの離型性が充分ではなく、搬送トラブルが生じてしまうという問題がある。また、昇華転写を利用した熱転写の画像を受容層に形成し、受容層面とは反対側の基材(裏面側)にインクジェット記録による宛名書き等を行って、ポストカード等を作製することが多くなっている。その際に従来の熱転写受像シートでは、インクジェット記録の専用紙と比べると、記録部の滲み、インクジェットインキの速乾性などに関し、充分に満足できるものではない。
特開平1−241491号公報 特開平9−175048号公報
したがって、本発明は、従来技術の課題である様々な熱転写プリンター、インクジェットプリンターにおける搬送性が良く、間違って表裏逆に給紙されても、受像シートの裏面側と熱転写シートとの離型性を有し、搬送トラブルを解消でき、さらに受像シートの裏面側へのインクジェット記録による記録部の滲み、インクジェットインキの速乾性について良好な性能を有する熱転写受像シートを提供することを目的とするものである。
本発明は、請求項1として、基材シートの一方の面に受容層を形成し、該基材シートの他方の面に裏面層を設けた熱転写受像シートにおいて、該裏面層が水性ポリウレタン樹脂を含むバインダー樹脂100質量部に対して、高級脂肪酸塩を50〜100質量部で含有することを特徴とする。請求項2として、請求項1に記載の裏面層において、さらにアクリル系樹脂を含有することを特徴とする。
本発明の熱転写受像シートは、基材シートの一方の面に受容層を形成し、該基材シートの他方の面に裏面層を設けた構成において、該裏面層が水性ポリウレタン樹脂を含むバインダー樹脂100質量部に対して、高級脂肪酸塩を50〜100質量部で含有することを特徴としている。これにより、裏面層に水性ポリウレタン樹脂を主体としたバインダー樹脂を用い、さらに高級脂肪酸塩を加えることが好ましく、間違って裏面層と熱転写シートとを重ねて加熱されても、熱転写シートとの離型性を有し、また受像シートの裏面側へのインクジェット記録による記録部の滲み、インクジェットインキの速乾性が良好となる。
本発明の熱転写受像シートの一つの実施形態を図1に示す。図示した熱転写受像シート1は、基材シート2の一方の面に受容層3を形成し、また基材シート2の他方の面に裏面層4を形成した構成である。図示したものに限らず、本発明の熱転写受像シートは、基材シートと受容層との間に、必要に応じて帯電防止層、クッション層、白色顔料および蛍光増白剤を添加した中間層や易接着層等の層を形成してもよい。また、基材シートと裏面層との間に接着層等の層を形成してもよい。
次に、本発明で得られる熱転写受像シートを構成する各層の説明を以下に行なう。
(基材シート)
基材シート2は、受容層及び/または裏面層を保持するという役割を有するとともに、画像形成時に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが、望ましい。このような基材シートの材料は特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートが使用でき、特に限定されない。
上記のプラスチックフィルムまたはシートやこれらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色フィルム、あるいは基材シート内部にミクロボイドを有するシート、他にコンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等を用いることができる。また、上記の基材シートの任意の組合わせによる積層体も使用できる。代表的な例として、セルロース繊維紙と合成紙、セルロース繊維紙とプラスチックフィルムとの積層体があげられる。
また、上記の基材シートの表面及び又は裏面に易接着処理した基材シートも使用できる。これらの基材シートの厚みは、通常3〜300μm程度であり、本発明においては、機械的適性等を考慮し、75〜175μmの基材シートを用いるのが好ましい。また、基材シートとその上に設ける層との密着性が乏しい場合には、その表面に易接着処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
(受容層)
本発明の受容層3は、加熱により熱転写シートから転写される色材を受容する働きを有するもので、染料を受容し、発色させると同時に、一旦受容した染料を再昇華させないことが望まれる。受容層は、一般に熱可塑性樹脂を主体として構成される。受容層を形成する材料としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられ、中でも特に好ましいものはポリエステル系樹脂及び塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及びそれらの混合物である。
画像形成時において、染料層を有する熱転写シートと、熱転写受像シートの受容層との融着若しくは印画感度の低下等を防ぐ目的で、受容層に離型剤を混合することが望ましい。混合して使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられるが、中でもシリコーンオイルが望ましい。そのシリコーンオイルとして、エポキシ変性、ビニル変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。
離型剤は1種若しくは2種以上のものが使用される。また、離型剤の添加量は受容層形成用樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、昇華型熱転写シートと熱転写受像シートの受容層との融着若しくは印画感度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型剤を受容層に添加することによって、受容層の表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成される。
また、これらの離型剤は受容層に添加せず、受容層上に別途塗工してもよい。受容層は、基材シート上に、上記の如き樹脂に離型剤等の必要な添加剤を加えたものを適当な有機溶剤に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散した受容層塗工液を調整し、これを、上記にあげた基材シートの上に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して、受容層を形成する。以上のように形成される受容層は任意の厚さでよいが、通常、乾燥状態で0.5〜50g/m2程度、好ましくは2〜10g/m2である。また、このような受容層は連続被覆であるのが好ましいが、樹脂エマルジョン若しくは水溶性樹脂や樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成してもよい。
(裏面層)
基材シートの受容層を設けた面と反対の面に、裏面層4を設ける。本発明における熱転写受像シートでは、この裏面層に特徴を有するもので、裏面層は水性ポリウレタン樹脂と高級脂肪酸塩を主体に構成される。水性ポリウレタン樹脂とは、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分及びポリイソシアネート成分と反応する水素原子を少なくとも2個含有する低分子量の鎖伸長剤とから合成されるポリウレタン樹脂を水に溶解あるいは分散させて得られるもので、公知の方法により合成される。すなわち、イソシアネートと反応しない溶剤中で、比較的高分子量のポリウレタンを合成した後、水を少しずつ加えて転相乳化し、必要に応じて減圧により溶剤を除く方法や、乳化剤を加え、激しい攪拌により水中に分散させる方法、又はポリマー中に親水性基、例えば、ポリエチレングリコールやカルボキシル基等を導入させたウレタンプレポリマーを水に溶解あるいは分散させた後、鎖伸長剤を添加して反応させる方法等が挙げられる。
上記の鎖伸長剤としては、エチレングリコール、1,4ブタンジオール、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、ヒドロキノン-ビス(β-ヒドロキシエチル)エーテル、レゾルシノール-ビス(β-ヒドロキシエチル)エーテル等のポリオール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン等のポリアミン、ヒドラジン類、及び水が挙げられる。
上述のポリウレタン樹脂の製造に用いられるポリイソシアネート成分としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート(例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどのジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネートなど)、芳香脂肪族ポリイソシアネート(例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼンなどのポリイソシアネートなど)、脂環式ポリイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−イソシアネートなどのジイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサンなどのポリイソシアネートなど)、脂肪族ポリイソシアネート(例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネートなど)などが含まれる。ポリイソシアネート成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ポリイソシアネート成分としては、ジイソシアネート成分を用いる場合が多い。また、ポリイソシアネート成分は、多価アルコールにポリイソシアネート化合物が付加し、末端にイソシアネート基を有するアダクト体、ビュレット反応により生成したシアヌレート体、二量体、三量体であってもよい。
ポリオール成分としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのオキシ−C24アルキレン単位を有するポリエーテルジオールなど)、ポリカーボネートポリオール(例えば、ポリカーボネートジオールなど)などが挙げられる。ポリエステルポリオールは、多価アルコールと、多価カルボン酸又はその低級アルキルエステル若しくは酸無水物との反応により得られる、ヒドロキシル基を有するポリエステルであり、ラクトンから誘導されたものであってもよい。ポリオール成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ポリオール成分としては、ジオール成分(例えば、ポリエステルジオールなど)を用いる場合が多い。
上記のポリエステルポリオールを調製するための多価アルコールには、例えば、脂肪族多価アルコール(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどのC210アルキレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのポリオキシ−C24アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのポリオールなど)、脂環式多価アルコール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメチロール、水素化ビスフェノールAなどの脂環式ジオールなど)、芳香族多価アルコール[例えば、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチルフェニル)プロパンなどの芳香族ジオールなど]などが含まれる。多価アルコールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。多価アルコールは、通常、脂肪族ジオールである。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族多価カルボン酸(例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸、マレイン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸など)、脂環族多価カルボン酸(例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸など)、芳香族多価カルボン酸(例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、トリメリット酸などの芳香族多価カルボン酸など)などが例示できる。多価カルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ラクトンには、例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンなどが含まれ、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
また、必要により短鎖ポリオール(例えば、前記脂肪族多価アルコールなど)をポリオール成分の一部として用いてもよい。鎖伸長剤としてのポリアミン成分としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、キシリレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサンイソホロンジアミン、フェニレンジアミンなどのジアミン類、トリアミノプロパンなどのポリアミン類等が挙げられる。
このようにして得られる水性ポリウレタン樹脂を単独の化学構造を有する樹脂で使用してもよいし、複数の化学構造を有する種類の樹脂の水性ポリウレタン樹脂を用いてもよい。必要に応じて、他の樹脂や添加剤を配合することもできる。さらに、水性ポリウレタン樹脂組成物として、例えば、水性ポリウレタンと酢酸ビニル系共重合体ケン化物とを混合した水溶液、または水分散液中で親水性ビニル単量体と共重合可能なビニル単量体を重合した組成物も用いることができる。また、水性ポリウレタン樹脂組成物として、水性ポリウレタンに対し、ポリビニルアルコール及びまたは、ポリビニルピロリドンを混合させることができる。上記に説明したような水性ポリウレタン樹脂は、高松油脂(株)製のNS−155X、NS−310A、NS−310X等で市場で入手することができる。
上記の水性ポリウレタン樹脂にアクリル系樹脂を加えることができる。このアクリル系樹脂としては、アクリル樹脂エマルジョンであり、従来公知の乳化重合法、すなわち、分散媒(例えば、水など)にモノマー混合物、重合開始剤、乳化剤、および水溶性重合連鎖移動剤などを加えて乳化重合を行なうことによって得られる。該モノマー混合物は(A)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ハキサデシル等のアクリル系モノマーを主成分とし、必要に応じて(B)1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N,Nジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド化合物およびメタクリルアミド化合物、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、α-クロルアクリルニトリル等のシアン化ビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸、スチレン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物などの他、架橋能のある(C)ジビニルベンゼンなどが適宜混合されて用いられる。
上記の重合開始剤は、特に制限されるものではなく、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの無機過硫酸塩、例えばクメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、イソプロピルパーオキサイドなどの有機過酸化物、例えばアゾビスイソブチルニトリルなどのアゾ系の開始剤、上記過硫酸塩などと重亜硫酸ナトリウムや硫酸第一鉄などを組み合わせたレドックス系重合開始剤等を使用することができる。また、上記の乳化剤としては、一般に、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルジスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、例えばポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル等のノニオン系界面活性剤、例えばラウリルベタイン、ステアリルベタインの塩などの両性界面活性剤などが挙げられる。また乳化重合としては、シード重合法、ノーシード重合法のいずれも使用可能である。このようなアクリル系樹脂は、ガラス転移温度が−10℃〜40℃程度のものである。そして、アクリル系樹脂は、水性ポリウレタン樹脂100質量部に対して、0〜50質量部で添加して使用することが望ましく、基材シートと裏面層との密着性を高めたり、裏面層の耐摩耗性等の耐久性を高めることができる。
本発明の熱転写受像シートでは、裏面層に高級脂肪酸塩を含有するものである。その高級脂肪酸塩としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシウム、セバシン酸マンガン、セバシン酸マグネシウムなどの炭素数6〜28の脂肪酸の金属塩類が挙げられる。また、これらのエマルジョン化したものを用いても良い。このうち、好ましくはステアリン酸の金属塩であり、特に好ましくはステアリン酸亜鉛が、プリンターでの搬送性、熱転写シートとの離型性等の優れている。この高級脂肪酸塩は、水性ポリウレタン樹脂を含む裏面層のバインダー樹脂100質量部に対して、50〜100質量部の範囲で含有させることが好ましい。その含有量が少なすぎると、プリンターでの搬送性、熱転写シートとの離型性、インクジェット記録の滲み防止等の機能が低下し、また一方で高級脂肪酸塩の含有量が多すぎると、インクジェットインキの速乾性が低下したりする。
裏面層には、必要に応じて有機フィラー、無機フィラーを添加して、耐ブロッキング性、塗膜強度、密着性、インクジェットインキの速乾性等の向上を図ることができる。有機フィラーとしては、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等のフィラーが挙げられ、また無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン等のフィラーが挙げられる。これらのフィラーは、平均粒径で0.05〜30μm、好ましくは0.1〜10μmの範囲で用いられる。上記のフィラーにおいて、ナイロンフィラーの中でも、ナイロン6やナイロン66と比較して、ナイロン12フィラーが耐水性に優れ、吸水による特性変化もないため好ましく用いられる。
裏面層は、上記に挙げた必要な材料により裏面層層塗工液を調整し、これを、上記にあげた基材シートの上に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して、裏面層を形成する。以上のように形成される裏面層の厚さは、乾燥状態で0.5〜10g/m2程度、好ましくは0.5〜5g/m2である。
(接着層)
本発明の熱転写受像シートでは、基材シートの受容層の設けられている面と反対面に、上記に説明した裏面層を設けるものであるが、基材シートと裏面層との密着性を向上させるために、接着層を設けることが好ましい。その接着層は、アクリル酸エステル樹脂やポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂などの接着性が良好な樹脂からなる構成することができ、また必要に応じて酸化チタン、炭酸カルシウム、蛍光増白剤等の添加剤を加えることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳述する。尚、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
基材シートとして、コート紙(王子製紙(株)製OKトップコート;127.9g/m2)の表裏に厚さ50μmの白色PET(東レ(株)製ルミラーE63S)をウレタン系接着剤(三井武田ケミカル(株)製タケラックA−969V/タケネートA−5=3/1、塗布量:4g/m2(乾燥後))で貼合した基材を用いた。該基材シートの一方の面に下記組成の受容層用塗布液をバーコーターにより、塗布量3.0g/m2(乾燥後)となるように塗布、乾燥して受容層を形成した。また、上記の貼合した基材シートの受容層の設けている面と反対面に、下記組成の裏面層用塗布液をバーコーターにより、塗布量2.0g/m2(乾燥後)となるように塗布、乾燥して裏面層を設け、実施例1の熱転写受像シートを作製した。
(受容層用塗布液の組成)
ポリエステル樹脂〔バイロン600 東洋紡績(株)製〕 40部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体〔ソルバインC 日信化学工業(株)製〕 60部
付加重合型シリコーン〔X−62−1212 信越化学工業(株)製〕 10部
触媒〔PL50T 信越化学工業(株)製〕 5部
溶剤(メチルエチルケトン/トルエン 質量比1:1) 885部
(裏面層用塗布液の組成)
水性ポリウレタン樹脂〔NS−310X 高松油脂(株)製〕 60部
アクリル酸エステルポリマー〔AT−613 日本純薬(株)製〕 40部
(アクリル酸アルキル共重合体液)
ナイロン12フィラー〔MW330 神東ファイン(株)製〕 10部
ステアリン酸亜鉛〔F−930 中京油脂(株)製〕 60部
溶媒(水/イソプロピルアルコール 質量比1:1) 800部
(実施例2)
上記の実施例1の熱転写受像シートの作製条件において、貼合した基材と裏面層との間に、下記組成の接着層用塗布液をバーコーターにより、塗布量1.0g/m2(乾燥後)となるように塗布、乾燥して接着層を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを作製した。
(接着層用塗布液の組成)
ウレタン樹脂〔ニッポランN−5199 日本ポリウレタン工業(株)製〕 25部
酸化チタン〔TCA−888 トーケムプロダクツ(株)製〕 15部
溶剤〔イソプロピルアルコール/トルエン/MEK〕(質量比1:2:2) 75部
(実施例3)
上記実施例2の熱転写受像シートの作製条件において、裏面層用塗布液を下記組成のものに変更した以外は、実施例2と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを作製した。
(裏面層用塗布液の組成)
水性ポリウレタン樹脂〔NS−311X 高松油脂(株)製〕 60部
アクリル酸エステルポリマー〔AT−613 日本純薬(株)製〕 40部
(アクリル酸アルキル共重合体液)
ナイロン12フィラー〔MW330 神東ファイン(株)製〕 10部
ステアリン酸亜鉛〔F−930 中京油脂(株)製〕 60部
溶媒(水/イソプロピルアルコール 質量比1:1) 800部
(比較例1)
上記実施例2の熱転写受像シートの作製条件において、裏面層用塗布液を下記組成のものに変更した以外は、実施例2と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを作製した。
(裏面層用塗布液の組成)
ポリビニルブチラール樹脂〔#3000−1 電気化学工業(株)製〕 100部
溶剤(イソプロピルアルコール/トルエン 質量比1:1) 500部
(比較例2)
上記実施例2の熱転写受像シートの作製条件において、裏面層用塗布液を下記組成のものに変更した以外は、実施例2と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを作製した。
(裏面層用塗布液の組成)
ポリビニルアセタール〔KS−1 積水化学工業(株)製〕 40部
アクリル酸エステルポリマー〔AT−613 日本純薬(株)製〕 60部
(アクリル酸アルキル共重合体液)
ナイロン12フィラー〔MW330 神東ファイン(株)製〕 50部
ステアリン酸亜鉛(F930 中京油脂(株)製〕 25部
溶剤(水/イソプロピルアルコール 質量比1:1) 500部
(評価)
次に、実施例及び比較例の熱転写受像シートに関し、裏面離型性とインクジェット記録適性について、以下の方法で調査した。
<裏面離型性>
実施例及び比較例で作製した熱転写受像シートをフォトプリンターUP−DX100(ソニー(株)製)を用いて裏面層に画像を形成した。画像形成物はイエローのベタ印刷を行い、印画物がプリンターから排紙されるかを調査した。排紙されたものは○を、排紙されずジャミングしたものは×とした。また、その際用いたインクリボンはUP−DX100専用の純正品を用いた。
<インクジェット記録適性>
実施例及び比較例で作製した熱転写受像シートをカットして、キャノン(株)製インクジェットプリンター PIXUS iP8600を用いて、熱転写受像シートの裏面に文字を印画した。その際に印画後のインクの滲みの有無を調査した。また、インクの乾きに関しては、印画後の印画面に上質紙(坪量64g/m2のコピー用紙)をのせて指で軽くこすり、上質紙へのインク写り有無を調査した。その評価を印画直後、1分後、3分後、5分後及び15分後にインク写りの有無を調査した。但し、上記のインクの滲み及びインク写りの有無は、両方とも目視にて観察して調査した。
上記の評価結果は下記の表1の通りである。
Figure 0004408420
本発明の熱転写受像シートの一つの実施形態をを示す概略図である。
符号の説明
1 熱転写受像シート
2 基材シート
3 受容層
4 裏面層

Claims (2)

  1. 基材シートの一方の面に受容層を形成し、該基材シートの他方の面に裏面層を設けた熱転写受像シートにおいて、該裏面層が水性ポリウレタン樹脂を含むバインダー樹脂100質量部に対して、高級脂肪酸塩を50〜100質量部で含有することを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記の裏面層において、さらにアクリル系樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
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