JP4407959B2 - 船舶の居住区構造 - Google Patents
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Description
居住区100は、居住可能な空間層101,102,103,104,105を上下に積層することにより構成された構造物となっている。それぞれの空間層は、船員の居室等に使用できるよう十分な高さや広さが確保されている。また最上部の空間層105は、操舵室として使用されている。
また、空間層101,102,103,104,105は、上層になるほど船体長さ方向の長さが短くなっている。そして、船首側を揃えるようにして配置されて、船尾側が階段状になるように形成されている。さらに、空間層102の船尾側には、煙突106が設けられている。
また、特許文献1には、船体の甲板上に設置された居住区の、船幅方向の正面と、船体長さ方向の側面とのなす隅角部に、直角状に切り欠かれた隅切り部を形成して、正面から受ける風抵抗を低減するようにした発明が記載されている。
また、特許文献1に記載された発明のように、隅切り部を形成しただけでは、風抵抗の低減効果が限定されるとともに、隅切り部を形成したことによるデッドスペースの発生も懸念される。
ここで、居住可能な空間層とは、船員の居室等に使用できるよう十分な高さや広さが確保されているものを意味し、居室だけではなく、船員が入室する必要のある倉庫等にも使用されるものである。
また、ブロックの一部を除くことにより、船首側から船尾側に向けた上り階段状の縦段差部、及び船体側面側から船幅方向中央側に向けた上り階段状の横段差部を形成したので、居住区の前面及び側面を斜面形状にしたのと同様の効果を生じさせて、前方から受ける風抵抗を低減することができる。また、後方からの追い風を船尾側後面で受けて、効率的に利用することができる。
さらに、縦段差部の段数を、船幅方向中央側になるほど少なくなるように形成したので、船幅方向外側ほど斜面を緩やかにして、前方からの風抵抗の低減効果を高めることができる。
居住区10は、1つの大きな直方体から、複数の小さな直方体を切り出した形状をしている。そして、船首側から船尾側に向けた上り階段状の縦段差部Aと、船体側面側から船幅方向中央側に向けた上り階段状の横段差部Bが形成されている。
従って、両側に位置する縦段差部A1と縦段差部A5が同一形状となっており、さらに内側に位置する縦段差部A2と縦段差部A4が同一形状となっている。また、横段差部B1,B2,B3,B4は、それぞれ、船幅方向の両側から同一形状の上り階段が形成されて、船幅方向中央で連結されるようになっている。
なお、縦段差部と横段差部は、必ずしも船幅方向の中央を中心線として線対称に形成されている必要はなく、両側で形状が異なっていてもよい。ただし、前方から受ける風抵抗をバランスよく低減するためには、対称に形成しておくことが好ましい。
なお、縦段差部の段数は、必ずしも船幅方向中央側になるほど少なくなるように形成する必要はない。ただし、船幅方向外側ほど斜面を緩やかにすることで、前方からの風抵抗の低減効果を高める効果があるため、船幅方向中央側になるほど段数が少なくなるように形成することが好ましい。
なお、図18に示すように、従来の居住区後方には煙突108が配置されているが、居住区10の後端を煙突108よりも船尾側まで延設することにより、船尾側後面11を垂直平面状に形成すればよい。
構造物200は、船体500の甲板501上に、直方体状の居住可能な空間層1,2,3,4,5が複数上下に積層されて形成されている。ここで、居住可能な空間層とは、船員の居室等に使用できるよう十分な高さや広さが確保されているものを意味し、居室だけではなく、船員が入室する必要のある倉庫等にも使用されるものである。なお、最上部の空間層5は、操舵室として使用されるものである。
また、構造物200の船尾側は垂直方向に揃えられており、船尾側後面11を垂直平面状に形成するようになっている。
さらに、構造物200を、船体長さ方向に平行に仮想分割する。このときの分割線が、図3における、分割線a,b,c,dである。すなわち、船体の一方の側面から他方の側面にかけて、船体長さ方向に平行な分割線a,b,c,dに沿って仮想分割するものである。
なお、分割線a,b,c,dは、分割線e,f,gに対して直交するようになっているが、厳密に90度に交わることが要求されるものではなく、多少の角度のズレは許容される。
この複数のブロックは、すべて直方体状となっており、それぞれの高さは各空間層と同一である。
このとき、取り除くブロックはすべて直方体状であるため、完成した居住区10に生じる角部はすべて直角であり、曲面や斜面が生じることはない。従って、居室等に使用する場合にデッドスペースが発生せず、空間を極めて有効に用いることができるものである。
船首側から風Wを受けると、段差のくぼみ部Xには空気塊が生成され、くぼみ部Xが空気で埋められる。この空気塊は、くぼみ部X内から外に出ることなく、いわゆる閉じた状態となる。そうすると、この段差には、あたかも斜面が形成されたようになり、前方からの風が斜面に沿って流れ、風抵抗を低減させることができるのである。
なお、縦段差部Aにおける各段差における上向き角度、すなわち下段側の頂点12と上段側の頂点13とを結ぶ斜面の角度θは、45度以下とすることが好ましい。角度θが45度以上になると、上段側の垂直面14の高さが高くなり、前方からの風抵抗が大きくなるためである。
また、ブロックの一部を除くことにより、船首側から船尾側に向けた上り階段状の縦段差部A、及び船体側面側から船幅方向中央側に向けた上り階段状の横段差部Bを形成したので、居住区10の前面及び側面を斜面形状にしたのと同様の効果を生じさせて、前方から受ける風抵抗を低減することができる。また、後方からの追い風を船尾側後面11で受けて、効率的に利用することができる。
居住区20の形状は、実施形態1に係る居住区10とほぼ同様であるが、船尾側後面21の形状が異なる。
なお、凹部Yの形成位置はこれに限らず、例えば、船尾側後面21の中央部分のみを凹ませたり、船尾側後面21に複数の凹部Yを形成したりしてもよい。また、凹部Yの形状も直角状に限らず、例えば曲面状であってもよい。
また、船尾側後面21の凹部Yを直角状に切り出した形状とすることにより、デッドスペースが生じず空間を有効活用することができる。
居住区30の形状は、実施形態1に係る居住区10とほぼ同様であるが、縦段差部A1,A5、横段差部B1、及び船尾側後面31の形状が異なる。居住区30は、居住区10に対して、縦段差部A1と横段差部B1の交差部分及び縦段差部A5と横段差部B1の交差部分に、それぞれブロック32,32を追加した形状となっている。
居住区40の形状は、実施形態1に係る居住区10とほぼ同様であるが、縦段差部A1,A5、横段差部B1,B2、及び船尾側後面41の形状が異なる。居住区40は、居住区10に対して、縦段差部A1と横段差部B1の交差部分及び縦段差部A5と横段差部B1の交差部分に、それぞれブロック42,42を追加し、また、縦段差部A1と横段差部B2の交差部分、縦段差部A5と横段差部B2の交差部分に、それぞれブロック43,43を追加した形状となっている。
居住区30及び居住区40の船尾側後面31,41は、その船幅方向の中央部分に垂直方向の凹部Yが形成されている。
なお、船尾側後面31,41の凹部Yの船幅方向の幅は、図6に示す居住区20の船尾側後面21の凹部Yの幅よりも広くなっている。
居住区50の船尾側後面51は、その船幅方向の中央部分に垂直方向の凹部Yが形成されている。
なお、船尾側後面51の凹部Yの船体長さ方向の奥行きは、図9に示す居住区30,40の船尾側後面31,41の凹部Yの奥行きよりも深くなっている。
また、居住区の船尾側後面についても、凹部Yの幅や深さを変更することで、追い風の利用効率を向上させたり、居住空間を確保することが可能である。
構造物300は、船体500の甲板501上に、直方体状の居住可能な空間層1,2,3,4が複数上下に積層されて形成されている。ここで、居住可能な空間層とは、船員の居室等に使用できるよう十分な高さや広さが確保されているものを意味し、居室だけではなく、船員が入室する必要のある倉庫等にも使用されるものである。なお、実際の船舶建造時には、最上層の空間層4の上に操舵室が設置される。
なお、本実施形態においては、船体長さ方向に平行の仮想分割は行わない。
この複数のブロックは、すべて直方体状となっており、それぞれの高さは各空間層と同一である。
このとき、取り除くブロックはすべて直方体状であるため、完成した居住区60,70に生じる角部はすべて直角であり、曲面や斜面が生じることはない。従って、居室等に使用する場合にデッドスペースが発生せず、空間を極めて有効に用いることができるものである。
また、ブロックの一部を除くことにより、船首側から船尾側に向けた上り階段状の縦段差部Aを形成したので、居住区60,70の前面を斜面形状にしたのと同様の効果を生じさせて、前方から受ける風抵抗を低減することができる。また、後方からの追い風を船尾側後面で受けて、効率的に利用することができる。
構造物400は、船体500の甲板501上に、直方体状の居住可能な空間層1,2,3,4が複数上下に積層されて形成されている。ここで、居住可能な空間層とは、船員の居室等に使用できるよう十分な高さや広さが確保されているものを意味し、居室だけではなく、船員が入室する必要のある倉庫等にも使用されるものである。なお、実際の船舶建造時には、最上層の空間層4の上に操舵室が設置される。
さらに、構造物400を、船体長さ方向に平行に仮想分割する。このときの分割線が、図14における、分割線a,b,c,dである。すなわち、船体の一方の側面から他方の側面にかけて、船体長さ方向に平行な分割線a,b,c,dに沿って仮想分割するものである。
なお、分割線a,b,c,dは、分割線e,f,gに対して直交するようになっているが、厳密に90度に交わることが要求されるものではなく、多少の角度のズレは許容される。
この複数のブロックは、すべて直方体状となっており、それぞれの高さは各空間層と同一である。
このような実施形態8及び実施形態9によっても、同様に、居住区の空間を有効活用しつつ、前方から受ける風抵抗を低減し、後方からの追い風を効率的に利用することが可能である。
また、構造体から除くブロックは、様々に組み合わせることが可能であり、前方からの風抵抗の低減効果と、居室等として確保すべき空間とを両立できるように、最適な組み合わせとすればよい。
さらに、タンカーやバルクキャリアに限らず、甲板上に居住区を配置する船舶であれば適用することが可能である。
2 空間層
3 空間層
4 空間層
5 空間層
10 居住区
11 船尾側後面
12 頂点
13 頂点
14 垂直面
20 居住区
21 船尾側後面
30 居住区
31 船尾側後面
32 ブロック
40 居住区
41 船尾側後面
42 ブロック
43 ブロック
50 居住区
51 船尾側後面
60 居住区
70 居住区
80 居住区
90 居住区
100 居住区
101 空間層
102 空間層
103 空間層
104 空間層
105 空間層
106 煙突
200 構造物
300 構造物
400 構造物
500 船体
501 甲板
A 縦段差部
B 横段差部
Claims (1)
- 船体の甲板上に、居住可能な空間層が複数上下に積層されてなる構造物を、船幅方向に平行に仮想分割するとともに、船体長さ方向に平行に仮想分割して複数のブロックとし、前記ブロックの一部を除くことにより、船首側から船尾側に向けた上り階段状の縦段差部、及び船体側面側から船幅方向中央側に向けた上り階段状の横段差部を形成し、さらに、前記縦段差部の段数を、船幅方向中央側になるほど少なくなるように形成したことを特徴とする船舶の居住区構造。
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