JP4407727B2 - 走査型画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走査型画像表示装置に関するものである。
近年、レーザ光などを被投射面上でラスタスキャンして画像を表示する走査型画像表示装置が提案されている。走査型画像表示装置により画像を生成するには、ポリゴンミラーやガルバノミラーなどのスキャナを用いて光を二次元で走査する必要がある。二次元で走査する方法には、1つのスキャナを水平方向及び垂直方向の2方向に振ることで光を二次元に走査する方法もあるが、走査系の構成や制御が複雑化するという問題がある。そこで、光を一次元で走査する一対のスキャナを用い、それぞれ水平走査と垂直走査とを受け持たせる構成の走査型画像表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような一対のスキャナを用いた走査型画像表示装置では、光源から射出した光が水平走査を行うスキャナを経て垂直走査を行うスキャナによりスクリーン面に向けて射出される構成となっている。
しかし、水平走査を行うスキャナと垂直走査を行うスキャナとを用いた場合、一対のスキャナによる走査領域がスクリーン面において糸巻き形状となってしまう。これは、水平走査を行うスキャナからスクリーン面までの光路長がスクリーン面の上下端に向かうにしたがって長くなることに起因する。
そこで、スクリーン面における走査領域を矩形状に補正する方法として、一対のスキャナとスクリーン面との間に補正光学系を設けることや、光源の点灯タイミングを制御することによりスクリーン面における走査領域を矩形状に補正する方法が考えられる。
特開平1−245780号公報
しかしながら、上記従来の走査型画像表示装置においても、以下の課題が残されている。すなわち、前者のように補正光学系を設ける場合には、一対のスキャナによる走査範囲が広いために大面積かつ回転面ではない曲面を有するレンズやミラーを用いる必要があるため、製造が困難であるという問題がある。また、後者のように光源の点灯タイミングを制御する場合には、光源を点灯しないタイミングがあることで光利用効率が低下すると共に、垂直方向に配列された各ラインで光源の点灯タイミングを変化させる必要があるため点灯タイミングを制御する制御回路が複雑化するという問題がある。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、簡便な構成で走査領域を矩形状に補正できる走査型画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかる走査型画像表示装置は、光源から射出されたレーザ光を被投射面の水平方向及び鉛直方向に走査して画像を表示する走査型画像表示装置であって、前記レーザ光を偏向して前記被投射面の前記水平方向における走査を行う第1走査手段と、前記レーザ光を偏向して前記被投射面の前記鉛直方向における走査を行う第2走査手段と、前記第1走査手段により前記水平方向に前記レーザ光を走査するときの走査幅を、前記被投射面内における前記鉛直方向の各位置において同等にする走査制御手段と、鉛直方向を検出する重力センサーと、を備え、前記第1走査手段が前記レーザ光を反射させる第1反射面を含み該第1反射面を所定の揺動軸周りに揺動させるようになっているとともに、前記第2走査手段が前記レーザ光を反射させる第2反射面を含み該第2反射面を所定の揺動軸周りに揺動させるようになっており、前記走査制御手段が、前記重力センサーの検出結果に基づいて、前記第2反射面の揺動中心から偏向した角度である光学偏向角の余弦の一次式で表される振幅の電圧波形を設定するようになっているとともに、前記第1反射面が該電圧波形により揺動されるようになっていることを特徴とする。
この発明では、走査幅が同等となるように一方向に走査することで、簡便な構成で第1及び第2走査手段による走査領域を矩形状にすることができる。すなわち、第1走査手段による一方向における走査幅が第2走査手段による走査方向である他方向において一定となるように、一方向における走査幅を制御することで、複雑が光学系や点灯タイミングの制御回路などを設ける必要がなくなる。これにより、第1及び第2走査手段による走査領域の補正が容易に行える。
また、走査幅を揃えることにより走査領域を矩形状に補正しているため、一方向に走査する際の光源によるレーザ光の点灯タイミングを他方向の各点において変更する必要がなくなる。このため、点灯タイミングの制御回路を設けることと比較して、光の利用効率が増大する。
また、本発明にかかる走査型画像表示装置は、前記走査制御手段が、前記一方向に前記レーザ光を走査するときの走査幅を、前記被投射面内の所定の一箇所において前記一方向に前記レーザ光を走査するときの走査幅に合わせることとしてもよい。
この発明では、被投射面内の一箇所における走査幅を基準としてこれに他の位置における走査幅を揃えることで、より容易に走査領域の補正が行える。このため、この位置で第1走査手段による走査能力を最大限利用して一方向における走査を行うことで、第1走査手段の走査能力を最大限利用した走査幅の制御が行える。
また、本発明にかかる走査型画像表示装置は、前記走査制御手段が、前記走査制御手段が、前記一方向に前記レーザ光を走査するときの走査幅を、前記第1及び第2走査手段により偏向された前記レーザ光の光軸と前記被投射面の法線方向との角度が最小となる位置において前記一方向に前記レーザ光を走査するときの走査幅に合わせることが好ましい。
この発明では、走査幅が最小値となる点における走査幅を基準としてこれに他の位置における走査幅を揃えることで、より容易に走査領域の補正が行える。すなわち、レーザ光の光軸と被投射面の法線方向とのなす角が最小となる点において一方向にレーザ光を走査したときの走査幅は、被投射面の他方向でこの位置と異なる他の位置において一方向にレーザ光を走査したときの走査幅よりも小さくなる。このため、この位置で第1走査手段による走査能力を最大限利用して一方向における走査を行うことで、第1走査手段の走査能力を最大限利用した走査幅の制御が行える。
また、本発明にかかる走査型画像表示装置は、前記第1及び第2走査手段による走査領域の中心における前記レーザ光の光軸と前記被投射面の法線方向とのなす角度を検出する角度検出手段を備え、前記走査制御手段が、前記角度検出手段による検出結果に基づいて、前記一方向に前記レーザ光を走査するときの走査幅を制御することが好ましい。
この発明では、走査領域の中心におけるレーザ光の光軸と被投射面とのなす角度である仰角または俯角を検出し、これに基づいて第1走査手段による走査幅を他方向において揃える。
また、本発明にかかる走査型画像表示装置は、前記第1及び第2走査手段による前記被投射面における走査領域の形状を検出する形状検出手段を備え、前記走査制御手段が、前記形状検出手段による検出結果に基づいて、前記一方向に前記レーザ光を走査するときの走査幅を制御することが好ましい。
この発明では、走査領域形状を検出し、これに基づいて第1走査手段による走査幅を他方向において揃える。
[第1の実施形態]
以下、本発明における走査型画像表示装置の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。ここで、図1は走査型画像表示装置を示す概略構成図、図2は走査制御手段によるスクリーンの水平方向における走査幅の制御方法を説明する説明図、図3はMEMSミラーに供給される電圧変化を示すグラフである。
本実施形態における走査型画像表示装置1は、図1に示すように、光源11、クロスダイクロイックプリズム12、MEMSミラー(第1走査手段)13、ガルバノミラー(第2走査手段)14及び走査制御手段15を備えており、光源11からスクリーン(被投射面)16に向けてレーザ光を射出する構成となっている。
光源11は、赤色のレーザ光(中心波長が例えば620nm)を射出する赤色光源11Rと、緑色のレーザ光(中心波長が例えば530nm)を射出する緑色光源11Gと、青色のレーザ光(中心波長が例えば460nm)を射出する青色光源11Bとを備えている。
クロスダイクロイックプリズム12は、4つの直角プリズムを貼り合わせることによって構成されている。また、クロスダイクロイックプリズム12を構成する各直角プリズムの界面には、赤色光を反射する誘電体多層膜12aと青色光を反射する誘電体多層膜12bとがX字状となるように設けられている。そして、クロスダイクロイックプリズム12は、赤色光源11R、緑色光源11G及び青色光源11Bから射出された各色のレーザ光を合成してMEMSミラー13に向けて射出する構成となっている。
MEMSミラー13は、揺動軸O1の軸回りで反射面13aを揺動させることにより、スクリーン16における水平方向(一方向)h及び垂直方向(他方向)vの2方向の走査のうち水平方向hにレーザ光を走査する水平走査用スキャナである。MEMSミラー13は、例えばトーションバネなどで支持されたミラーを静電力により揺動軸O1の軸回りで揺動させる構成となっており、供給する電圧に応じて揺動振幅が変動する。そして、MEMSミラー13は、クロスダイクロイックプリズム12から射出したレーザ光をガルバノミラー14に向けて射出する構成となっている。なお、MEMSミラー13は、ガルバノミラー14の後述する反射面14aにおいて後述する揺動軸O2に沿って偏向したレーザ光を射出する構成となっている。
ガルバノミラー14は、揺動軸O2の軸回りで反射面14aを揺動させることにより、スクリーン16における垂直方向vにレーザ光を走査する垂直走査用スキャナである。そして、ガルバノミラー14は、MEMSミラー13から射出したレーザ光をスクリーン16に向けて射出する構成となっている。
走査制御手段15は、図1に示すように、スクリーン16の垂直方向vにおける位置に応じてMEMSミラー13による水平方向hにおける走査幅を制御する構成となっている。この走査制御手段15による走査幅の制御方法については、後述する。
スクリーン16は、MEMSミラー13及びガルバノミラー14それぞれの光学偏向角を0°としたときに、その中心にレーザ光が照射される位置に設けられている。すなわち、スクリーン16は、MEMSミラー13の光学偏向角を0°としたときに左端辺16a及び右端辺16bの中間にレーザ光が照射され、ガルバノミラー14の光学偏向角を0°としたときに上端辺16c及び下端辺16dの中間にレーザ光が照射される位置に設けられている。また、スクリーン16は、MEMSミラー13及びガルバノミラー14それぞれの光学偏向角を0°としたときに、ガルバノミラー14から射出するレーザ光の光軸と直交する位置に設けられている。したがって、走査型画像表示装置1では、スクリーン16に対する仰角及び俯角が発生していない。
〔画像表示方法〕
次に、以上のような構成の走査型画像表示装置1による画像表示方法について説明する。
赤色光源11R、緑色光源11G及び青色光源11Bから射出したレーザ光は、クロスダイクロイックプリズム12により合成された後、MEMSミラー13の反射面13aにおいてガルバノミラー14の反射面14aに向けて反射される。そして、MEMSミラー13から射出したレーザ光は、ガルバノミラー14の反射面14aにおいて反射されてスクリーン16に照射される。
ここで、MEMSミラー13に供給する電圧を適宜変更してMEMSミラー13の反射面13aを揺動軸O1の軸回りで揺動させることにより、スクリーン16に照射されたレーザ光を水平方向hに沿って走査する。また、ガルバノミラー14の反射面14aを揺動軸O2の軸回りで揺動させることにより、スクリーン16に照射されたレーザ光を垂直方向vに沿って走査する。
このとき、走査制御手段15は、スクリーン16の垂直方向vの各位置においてMEMSミラー13による水平方向hの走査幅が同等となるようにMEMSミラー13に供給する電圧を適宜変更する。これにより、MEMSミラー13及びガルバノミラー14によるスクリーン16における走査領域が矩形状になる。
続いて、走査制御手段15によるMEMSミラー13に供給する電圧の制御方法について説明する。なお、上述したように、走査型画像表示装置1では、スクリーン16に対する仰角及び俯角が発生していない。
走査制御手段15は、ガルバノミラー14から射出するレーザ光の光軸がスクリーン16と直交する点であるスクリーン16の中心点、すなわちガルバノミラー14から射出したレーザ光の光軸とスクリーン16の法線方向との角が最小となる点を基準点とし、スクリーン16の中心点においてMEMSミラー13によりレーザ光をスクリーン16の水平方向hで走査したときの走査幅を基準としてスクリーン16の垂直方向vの他の点においてレーザ光を水平方向hで走査したときの走査幅を揃える。
ここで、図2に示すように、レーザ光の光路に沿ったMEMSミラー13の反射面13aとスクリーン16との距離をL、MEMSミラー13の光学偏向角(入射するレーザ光と射出するレーザ光とのなす角)をθ、ガルバノミラー14の光学偏向角をφとする。なお、図2は、MEMSミラー13及びガルバノミラー14の図示を省略し、MEMSミラー13の反射面13aからスクリーン16までのレーザ光の光軸を直線で示している。
このとき、MEMSミラー13の光学偏向角θが0°であるときのMEMSミラー13の反射面13aとスクリーン16との距離Lφは、以下の式(1)のように表される。
φ=L/cosφ…式(1)
そして、スクリーン16での走査幅Wφは、MEMSミラー13の光学偏向角θの最大値をθmaxとすると、以下の式(2)のように表される。
φ=Lφtanθmax=(L/cosφ)×tanθmax…式(2)
上記式(2)より、走査幅Wφは、ガルバノミラー14の光学偏向角φが0°のときに最小値となる。そして、このときの走査幅Wは、以下の式(3)のように表される。
=(L/cos0)×tanθmax=Ltanθmax…式(3)
したがって、走査幅Wφと走査幅Wとの比率Rは、以下の式4のように表される。
R=W/Wφ
=Ltanθmax/((L/cosφ)×tanθmax)=cosφ…式(4)
以上より、走査制御手段15は、ガルバノミラー14の光学偏向角φに応じてスクリーン16の水平方向hにおける走査振幅がcosφ倍となるように、MEMSミラー13に供給する電圧を制御する。これにより、スクリーン16の垂直方向vの各点においてレーザ光を水平方向hで走査したときの走査幅がWで揃う。
すなわち、走査制御手段15により、MEMSミラー13の揺動振幅は、中心点からスクリーン16の垂直方向vに沿う上下に離間するにしたがって小さくなる。これにより、スクリーン16の垂直方向vの各点における水平方向hの走査幅が同等となる。なお、垂直方向vの各点における水平方向hの走査幅を揃えているため、光源11から射出する各色のレーザ光の点灯タイミングは、垂直方向vの各点において変更する必要がない。
このとき、スクリーン16の垂直方向vの各点における水平方向hの走査幅Wφをスクリーン16の中心点における水平方向hの走査幅Wに揃えることで、スクリーン16の中心点において水平方向hにレーザ光を走査させるときにMEMSミラー13の揺動振幅を最大としていた場合であっても、垂直方向vの各点における水平方向hの走査幅を確実に揃えることができる。
ここで、MEMSミラー13の光学偏向角θがMEMSミラー13に供給される電圧に比例すると仮定する。また、ガルバノミラー14の光学偏向角φが0°であるときにMEMSミラー13に供給する電圧をVとする。このとき、走査制御手段15は、MEMSミラー13に供給する電圧をガルバノミラー14の光学偏向角φを用い、MEMSミラー13に供給する電圧をV×cosφとする。したがって、フレームごとにおいて走査制御手段15からMEMSミラー13に供給される電圧の時間変動は、例えば図3に示すようになる。なお、図3における期間Pは帰線時間を示している。これにより、スクリーン16の垂直方向vの各点においてレーザ光を水平方向hで走査したときの走査幅が揃う。
以上のように、本実施形態における走査型画像表示装置1によれば、スクリーン16の垂直方向vの各点における水平方向hの走査幅を同等にすることで、複雑が光学系や点灯タイミングの制御回路などを設けることなく、簡便な構成でMEMSミラー13及びガルバノミラー14による走査領域を矩形状に補正できる。また、水平方向hで走査する際にレーザ光の点灯タイミングを垂直方向vの各点において変更する必要がないため、点灯タイミングを制御することと比較して、光の利用効率が向上する。
ここで、スクリーン16の中心点における水平方向hの走査幅を基準として垂直方向vの各点における水平方向hの走査幅を同等にすることで、MEMSミラー13による走査能力を最大限利用した走査幅の制御をより容易に行える。
[第2の実施形態]
続いて、本発明における走査型画像表示装置の第2の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と走査制御手段による制御方法が異なるため、この点を中心に説明すると共に、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。ここで、図4は走査制御手段によるスクリーンの水平方向における走査幅の制御方法を説明する説明図、図5はMEMSミラーに供給される電圧変化を示すグラフである。
本実施形態における走査型画像表示装置では、上述した第1の実施形態において仰角及び俯角が0°となっているのに対して、仰角が発生している。すなわち、図4に示すように、ガルバノミラー14の光学偏向角φを0°としたときにおいて、ガルバノミラー14から射出したレーザ光の光軸とスクリーン16を含む平面とが直交する位置が、スクリーン16におけるMEMSミラー13及びガルバノミラー14の走査領域における水平方向h及び垂直方向vの中心点からずれている。
次に、このような構成の走査型画像表示装置の走査制御手段によるMEMSミラー13に供給する電圧の制御方法について説明する。
ここで、MEMSミラー13の反射面13aからレーザ光の光軸に沿ってスクリーン16を含む平面と直交する垂線に沿ったMEMSミラー13の反射面13aとスクリーン16を含む平面との距離をLとする。また、MEMSミラー13の光学偏向角をθ、上記垂線に対するガルバノミラー14の光学偏向角をφとする。そして、上記垂線とガルバノミラー14から射出されるレーザ光の光軸との角が最小となるときのガルバノミラー14の光学偏向角φの最小値をφminとする。
このとき、上述と同様に、スクリーン16での走査幅Wφは、以下の式(5)のように表される。
φ=(L/cosφ)×tanθmax…式(5)
上記式(7)より、走査幅Wφは、ガルバノミラー14の光学偏向角φがφminのときに最小値となる。そして、このときの走査幅Wφminは、以下の式(6)のように表される。
φmin=(L/cosφmin)×tanθmax…式(6)
したがって、走査幅Wφと走査幅Wφminとの比率Rは、以下の式(7)のように表される。
R=Wφmin/Wφ
=cosφ/cosφmin…式(7)
以上より、走査制御手段は、ガルバノミラー14の光学偏向角φに応じてスクリーン16の水平方向hにおける走査振幅がcosφ/cosφmin倍となるように、MEMSミラー13に供給する電圧を制御する。これにより、スクリーン16の垂直方向vの各点においてレーザ光を水平方向hで走査したときの走査幅がWφminで揃う。
ここで、上述と同様に、MEMSミラー13の光学偏向角θがMEMSミラー13に供給される電圧に比例すると仮定する。このとき、フレームごとにおいて走査制御手段からMEMSミラー13に供給される電圧の時間変動は、例えば図5に示すようになる。
以上のような構成の走査型画像表示装置においても、上述と同様の作用、効果を奏する。
なお、本実施形態においてガルバノミラー14から射出するレーザ光の光軸とスクリーン16を含む平面とが直交する位置がMEMSミラー13及びガルバノミラー14による走査領域の外に位置しているが、走査領域内にある場合であっても、走査制御手段は上述と同様の制御を行う。
また、本実施形態では仰角が発生しているが、俯角が発生している場合であっても、走査制御手段は上述と同様の制御を行う。
[第3の実施形態]
続いて、本発明における走査型画像表示装置の第3の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、第2の実施形態と走査制御手段による制御方法が異なるため、この点を中心に説明すると共に、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。ここで、図6は走査制御手段によるスクリーンの水平方向における走査幅の制御方法を説明する説明図、図7はMEMSミラーに供給される電圧変化を示すグラフである。
本実施形態における走査型画像表示装置では、図6に示すように、走査制御手段が、ガルバノミラー14の光学偏向角φを0°やφminとしたときとは異なる値としたときにおける水平方向hの走査幅を基準としてスクリーン16の垂直方向vの各点における水平方向hの走査幅を揃える。
すなわち、本実施形態における走査型画像表示装置は、例えば、仰角や俯角が発生している場合であってもスクリーン16の中心や上端辺16c、下端辺16dではない位置における走査幅にスクリーン16上の他の位置における走査幅を揃える場合の構成となっている。また、本実施形態における走査型画像表示装置は、MEMSミラー13に供給する電圧の最大値と最小値との間の電圧を基準として他の位置における走査幅を揃える場合の構成ともなっている。
次に、このような構成の走査型画像表示装置の走査制御手段によるMEMSミラー13に供給する電圧の制御方法について説明する。
ここで、MEMSミラー13の反射面13aからレーザ光の光軸に沿ってスクリーン16を含む平面と直交する垂線に沿ったMEMSミラー13の反射面13aとスクリーン16を含む平面との距離をLとする。また、MEMSミラー13の光学偏向角をθ、上記垂線に対するガルバノミラー14の光学偏向角をφとする。そして、MEMSミラー13及びガルバノミラー14による走査領域内のある点にレーザ光を照射した際の上記垂線に対するガルバノミラー14の光学偏向角φを基準値φstdとする。
このとき、上述と同様に、スクリーン16での走査幅Wφは、MEMSミラー13の光学偏向角をθとすると、以下の式(8)のように表される。
φ=(L/cosφ)×tanθmax…式(8)
上記式(8)より、ガルバノミラー14の光学偏向角φがφstdのときの走査幅Wφstdは、以下の式(9)のように表される。
φstd=(L/cosφstd)×tanθmax…式(9)
したがって、走査幅Wφと走査幅Wφstdとの比率Rは、以下の式(10)のように表される。
R=Wφstd/Wφ
=cosφ/cosφstd…式(10)
以上より、走査制御手段は、ガルバノミラー14の光学偏向角φに応じてスクリーン16の水平方向hにおける走査振幅がcosφ/cosφstd倍となるように、MEMSミラー13に供給する電圧を制御する。これにより、スクリーン16の垂直方向vの各点においてレーザ光を水平方向hで走査したときの走査幅がWφstdで揃う。
ここで、上述と同様に、MEMSミラー13の光学偏向角θがMEMSミラー13に供給される電圧に比例すると仮定する。このとき、フレームごとにおいて走査制御手段からMEMSミラー13に供給される電圧の時間変動は、例えば図7に示すようになる。
以上のような構成の走査型画像表示装置においても、上述と同様の作用、効果を奏する。
なお、本実施形態では仰角が発生しているが、俯角が発生している場合であっても、走査制御手段は上述と同様の制御を行う。
[第4の実施形態]
続いて、本発明における走査型画像表示装置の第4の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と走査制御手段による制御方法が異なるため、この点を中心に説明すると共に、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。ここで、図8は走査型画像表示装置を示す概略構成図である。
本実施形態における走査型画像表示装置50は、図8に示すように、ガルバノミラー14から射出するレーザ光の光軸とスクリーン16の法線との角度を検出する角度検出手段51を備えている。
この角度検出手段51は、ガルバノミラー14から射出するレーザ光の光軸とスクリーン16の法線との角度から仰角または俯角を算出し、走査制御手段52に出力する構成となっている。角度検出手段51は、例えば走査型画像表示装置50のスクリーン16に対する傾きを検出するセンサにより構成されている。このセンサは、具体的には、走査型画像表示装置50の傾きを測定する重力センサや不可視光などを利用したスクリーンの位置検出センサを用いることができる。
走査制御手段52は、角度検出手段51による仰角または俯角の検出結果から、上述した第2の実施形態におけるφminを算出してスクリーン16の水平方向hにおける走査幅を制御する構成となっている。
以上のような構成の走査型画像表示装置50においても、上述と同様の作用、効果を奏する。
[第5の実施形態]
続いて、本発明における走査型画像表示装置の第5の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と走査制御手段による制御方法が異なるため、この点を中心に説明すると共に、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。ここで、図9は走査型画像表示装置を示す概略構成図である。
本実施形態における走査型画像表示装置60は、図9に示すように、スクリーン16に表示されるMEMSミラー13及びガルバノミラー14の走査領域の形状を検出する形状検出手段61を備えている。
この形状検出手段61は、MEMSミラー13及びガルバノミラー14によるスクリーン16における走査領域の外縁形状を検出し、走査制御手段62に出力する構成となっている。形状検出手段61は、例えばCCD(charge-coupled device)などの撮像素子を備えている。
走査制御手段62は、形状検出手段61による走査領域の外縁形状の検出結果から、MEMSミラー13及びガルバノミラー14による走査領域の外縁形状が矩形状となるようにMEMSミラー13に供給する電圧を適宜変更する構成となっている。ここで、走査制御手段62は、形状検出手段61による走査領域の外縁形状の検出結果から、上述した第2の実施形態におけるφminを算出してスクリーン16の水平方向hにおける走査幅を制御する構成としてもよい。
以上のような構成の走査型画像表示装置60においても、上述と同様の作用、効果を奏する。
なお、本実施形態において、上述した第4の実施形態と同様に、ガルバノミラー14から射出するレーザ光の光軸とスクリーン16の法線との角度から仰角または俯角を算出する角度検出手段51を設けてもよい。この場合、走査制御手段62は、形状検出手段61及び角度検出手段51による検出結果からMEMSミラー13に供給する電圧を適宜変更する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、水平方向の走査を行うMEMSミラーから垂直方向の走査を行うガルバノミラーを経た後にスクリーンにレーザ光を照射する構成となっているが、ガルバノミラーからMEMSミラーを経た後にスクリーンにレーザ光を照射する構成としてもよい。
また、MEMSミラーによりスクリーンにおける水平方向の走査を行っているが、ガルバノミラーなどの他の反射型の光学素子や、例えばカー効果(等方性材料に電場をかけると複屈折性が生じる現象であり、印加電圧により発生した電界の強さの二乗に比例する)を利用した結晶であるタンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN:KTa1−xNb)結晶やニオブ酸リチウム(LiNbO)などの電気光学素子、音響光学素子など、他の素子を用いて水平方向の走査を行ってもよい。
同様に、ガルバノミラーによりスクリーンにおける垂直方向の走査を行っているが、MEMSミラーやポリゴンミラーなどの他の反射型の光学素子や、例えばKTNやニオブ酸リチウムなどの電気光学素子、音響光学素子など、他の素子を用いて垂直方向の走査を行ってもよい。
また、光源とスクリーンとの間に、MEMSミラーやガルバノミラーの他にレーザ光を偏向する偏向ミラーなどの他の光学素子を配置してもよい。
第1の実施形態における走査型画像表示装置を示す概略構成図である。 走査制御手段による走査幅の制御方法を説明する説明図である。 MEMSミラーに供給される電圧変化を示すグラフである。 第2の実施形態における走査幅の制御方法を説明する説明図である。 MEMSミラーに供給される電圧変化を示すグラフである。 第3の実施形態における走査幅の制御方法を説明する説明図である。 MEMSミラーに供給される電圧変化を示すグラフである。 第4の実施形態における走査型画像表示装置を示す概略構成図である。 第5の実施形態における走査型画像表示装置を示す概略構成図である。
符号の説明
1,50,60 走査型画像表示装置、11 光源、13 MEMSミラー(第1走査手段)、14 ガルバノミラー(第2走査手段)、15,52,62 走査制御手段、16 スクリーン(被投射面)、51 角度検出手段、61 形状検出手段、h 水平方向(一方向)、v 垂直方向(他方向)、W,Wφ,Wφmin,Wφstd 走査幅

Claims (1)

  1. 光源から射出されたレーザ光を被投射面の水平方向及び鉛直方向に走査して画像を表示する走査型画像表示装置であって、
    前記レーザ光を偏向して前記被投射面の前記水平方向における走査を行う第1走査手段と、
    前記レーザ光を偏向して前記被投射面の前記鉛直方向における走査を行う第2走査手段と、
    前記第1走査手段により前記水平方向に前記レーザ光を走査するときの走査幅を、前記被投射面内における前記鉛直方向の各位置において同等にする走査制御手段と、
    力センサと、を備え、
    前記第1走査手段が前記レーザ光を反射させる第1反射面を含み該第1反射面を所定の揺動軸周りに揺動させるようになっているとともに、前記第2走査手段が前記レーザ光を反射させる第2反射面を含み該第2反射面を所定の揺動軸周りに揺動させるようになっており、
    前記重力センサは、走査型画像表示装置本体の傾きを測定するようになっており、
    前記走査制御手段は、前記被投射面を含む平面と直交する垂線に対する前記第2走査手段の光学偏向角について、前記重力センサにより測定された前記走査型画像表示装置本体の傾きに基づいて、前記垂線と前記第2走査手段から射出されるレーザ光の光軸との角が最小となるときの前記第2走査手段の光学偏向角を最小値として算出し、前記水平方向の走査における前記第2走査手段の光学偏向角の余弦の、前記最小値の余弦に対する比率を求め、該走査における前記水平方向の前記第1走査手段の走査振幅が前記比率倍になるように、前記第1走査手段に供給する電圧を制御することを特徴とする走査型画像表示装置。
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