JP4407622B2 - テレビジョン装置 - Google Patents

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Description

本発明はテレビジョン装置に関する。
近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、あるいは、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイなどの薄板状を呈するディスプレイパネルと、音響を出力するスピーカーと、ディスプレイおよびスピーカーを収容する筐体とを備えるテレビジョン装置が提供されている。
このようなテレビジョン装置では、多くの場合、ディスプレイパネルの左右両側の筐体部分に、あるいは、下側の筐体部分にスピーカーが組み込まれている(特許文献1参照)。
特開2005−165350号公報
このような従来のテレビジョン装置は、ディスプレイパネルの左右両側や下側にスピーカーが配置される構造上、筐体の小型化、薄型化に限界があるだけでなく、テレビジョン装置のデザインが制約を受けデザインの自由度を確保する上でも不利があった。
また、本出願人は、ディスプレイ装置があたかも宙に浮いているかのような浮遊感をユーザーに与えることが可能な斬新なデザインのテレビジョン装置のスタンドを提供しているが、従来のようにスピーカーをディスプレイパネルの左右両側や下側に配置するのでは、ディスプレイパネルの周囲の筐体部分が大型化し、言い換えると、画像が表示されない筐体部分が大きな面積を取り、浮遊感をユーザーに与える上で不利がある。
また、ディスプレイ装置をスタンドで支持するテレビジョン装置では、従来のようにスピーカーをディスプレイパネルの左右両側や下側に配置した場合には、スタンドで支持するディスプレイ装置の重量が大きくなり、そのため、スタンドが大型化せざるを得ず、浮遊感をユーザーに与える上で不利がある。
さらに、ディスプレイ装置をスタンドで支持するテレビジョン装置では、ディスプレイ装置の向きを変えるため、ディスプレイ装置を旋回可能に支持する旋回部をスタンドに設けることが考えられるが、この場合、アンプやチューナーやスピーカーを切り離した従来のセパレート方式のオーディオシステムのようにスピーカーをスタンドと切り離して設けたのでは、ディスプレイ装置の向きが変わった場合に、ディスプレイ装置の前方にスピーカーから発せられた音響による音像を定位させることができず、良好な音質の音響をユーザーに提供することが難しいという不利がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的は、ディスプレイ装置の小型化、薄型化を図るとともに、デザインの自由度を確保でき、美観を向上する上で有利で、さらには、ディスプレイ装置を旋回させても常に良好な音質の音響を提供できるテレビジョン装置を提供することにある。
本発明によるテレビジョン装置は、薄板状のディスプレイ装置とこのディスプレイ装置を旋回可能に支持するスタンドとスピーカーとを備えるものであって、スタンドは、被載置箇所に載置される載置部と、載置部に旋回可能に連結され先端でディスプレイ装置を支持する旋回部とを有し、旋回部は、載置部に旋回可能に連結された下旋回部と、下旋回部の上に設けられ下旋回部よりも小さい断面積で形成され先端でディスプレイ装置を支持する上旋回部とで構成され、下旋回部は上下に延在する中空状部材を含んで構成され、中空状部材の上端に、上端がその軸心と直交する第1の仮想平面に対して斜めに交差する方向に延在しディスプレイ装置の前面の前方に向いた第2の仮想平面で切断されることで、上方に開放状でディスプレイ装置の前面の前方に向いた開口が形成され、スピーカーは中空状部材の内部で開口内に、ディスプレイ装置の前面の前方に向けて音響が発せられる向きで配設され、開口は音響が通過可能な材料で覆われているものである。
本発明によれば、スピーカーは、ディスプレイ装置に設けられず旋回部に設けられているため、ディスプレイパネルの周囲のフレーム部分を小型化でき、ディスプレイ装置の浮遊感をユーザーに与える上で有利となり、デザイン性を向上させる上で有利となる。
また、スピーカーは、ディスプレイ装置の前面の前方に向けて音響が発せられる向きで旋回部に設けられているため、ディスプレイ装置を旋回させても常にディスプレイ装置の前方にスピーカーから発せられた音響による音像を定位させることができる。
また、スピーカーは、旋回部に設けられているため、ディスプレイ装置を支持するスタンドの小型化、軽量化を図れ、ユーザーに浮遊感を与える上で有利となる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明によるテレビジョン装置10の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態のテレビジョン装置10の全体構成を示す斜視図である。
図2(A)はテレビジョン装置10の側面図、(B)はテレビジョン装置10の背面図であり、何れもカバー2256を取り外した状態を示している。
図1、図2(A)、(B)に示すように、テレビジョン装置10は、ディスプレイ装置12と、スピーカー50(図19参照)と、ディスプレイ装置12を支持するスタンド20とを備え、スタンド20には、ディスプレイ装置12の姿勢を変更可能に保持する姿勢変更機構と、ディスプレイ装置12の姿勢を変更するための把手52とが設けられている。
なお、姿勢変更機構は、水平旋回機構100と、第1の上下揺動部200と、第2の上下揺動部300と、第3の上下揺動部400と、前後左右上下移動部500とを含んで構成されている。
まず、ディスプレイ装置12から説明する。
図16に示すように、ディスプレイ装置12は、ディスプレイパネル1202と、このディスプレイパネル1202を保持する薄板状のフレーム1204を含んで構成されている。
本実施の形態では、ディスプレイパネル1202は有機ELディスプレイを用いて構成されている。なお、ディスプレイパネル1202はプラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどを用いて構成されたものであってもよい。
図2(B)において、符号1210はヒンジ部カバーである。
次に、スタンド20について説明する。
図1に示すように、スタンド20は、被載置箇所に載置される載置部21と、載置部21に旋回可能に連結され先端でディスプレイ装置12を支持する旋回部22とを有している。
旋回部22は、載置部21に旋回可能に連結された下旋回部22Aと、下旋回部22Aの上に設けられ下旋回部22Aよりも小さい断面積で形成され先端でディスプレイ装置12を支持する上旋回部22Bとで構成されている。
上旋回部22Bは、第1アーム24と、第2アーム26と、ワイヤ28と、錘30と、コイルばね32とを含んで構成されている。
第1アーム24は下旋回部22Aから上方に突設され、第2のアーム26は第1アーム24の先端に結合され、第2アーム26の先端でディスプレイ装置12が支持されている。
より詳細には、載置部21と下旋回部22Aとは水平旋回機構100で連結され、第1アーム24の基部と下旋回部22Aとは第1の上下揺動部200で連結され、第2アーム26の基部寄りの箇所と第1アーム24の先端とが第2の上下揺動部300で連結され、ディスプレイ装置12の背面と第2アーム26の先端とが第3の上下揺動部400で連結されている。
図3は載置部21の構成を示す説明図、図4は図3の断面図である。
図3に示すように、載置部21は、机や棚や床などに載置される環板状の載置板2102と、載置板2102の内周部から起立された円筒状のカバー2104と、カバー2104の内側に設けられたベース部材2106とを含んで構成されている。
図3、図4に示すように、ベース部材2106の中央には、軸心を上下に向けた軸受部材2108が設けられている。
水平旋回機構100は、載置部21に対して下旋回部22Aを水平旋回可能に保持するもので、本実施の形態では、下旋回部22Aの下面が載置される載置面2104Aと、下旋回部22Aの中央から下方に突設され軸受部材2108に挿通される軸2202と、軸2202の下端に取着され軸受部材2108の下面に接触して軸2202の抜けを阻止するリング2204などを含んで構成されている。なお、水平旋回機構100は上述の構成に限定されず、従来公知の様々な構造が採用可能である。
下旋回部22Aは、フレーム2254(図2(A)参照)と、フレーム2254を覆うカバー2256(図1参照)とを含んで構成されている。
図2、図3に示すように、フレーム2254は、下端に位置する円盤状の底板2260と、底板2260から立設された4本の脚体2262と、4本の脚体2262の上端に支持された上板2264と、上板2264上に支持されたブラケット2266などを含んで構成されている。前記の軸2202は底板2260から突設されている。
図2(A)に示すように、下旋回部22Aのカバー2256の内側には信号ボックス70が設けられている。
信号ボックス70は、放送局から受信した電波、あるいは、外部装置から供給される映像信号およびオーディオ信号に基づいて、テレビジョン装置10のディスプレイパネル1202に画像を表示させるとともに、スピーカー50から音響を出力させるものである。
図19は信号ボックス70の構成を示すブロック図である。
信号ボックス70は、受信回路7002、切り換え回路7004、画像信号処理回路7006、音声信号処理回路7008、リモコン受信回路7010、制御回路7012などを含んで構成され、信号ボックス70は、信号ボックス70とは別に設けられた操作部72および外部入力端子74と接続されている。
操作部72は、ユーザーが操作することでテレビジョン装置10による放送の視聴にまつわる種々の操作や設定を行うためのものであり、例えば、選局用ボタン、音量調整用ボタン、入力切り換え用ボタンなどを含み、操作部72は、例えば、カバー2256の外面箇所に設けられている。
外部入力端子74は、DVDプレーヤーやビデオデッキなどの外部装置から供給される画像信号および音声信号を入力する端子であり、例えば、カバー2256の外面箇所に設けられている。
受信回路7002は、制御回路701からの指令に基づいて選局を行い、アンテナ7001から受信したテレビジョン信号を復調して画像信号と音声信号に分離して出力する。
切り換え回路7004は、受信回路7002から供給される画像信号および音声信号と、前記外部装置から外部入力端子74を介して供給される画像信号および音声信号とを切り換えて画像信号処理回路7006および音声信号処理回路7008に供給する。
画像信号処理回路7006は、前記画像信号に対して必要な信号処理を行い、ディスプレイ装置12を駆動するための駆動信号を生成し、ディスプレイ装置12に供給する。
音声信号処理回路7008は、前記音声信号に対して必要な信号処理および増幅処理を行なってオーディオ信号を生成しスピーカー50に供給する。これによりスピーカー50から音響が発生される。
リモコン受信回路7010は、テレビジョン装置10とは別に設けられたリモコン送信機76から送信される選局、音量調整、入力切り換えなど各種動作を指令する制御コマンドを無線信号(赤外線信号)によって受信し、その受信した制御コマンドを制御回路7012に供給する。
制御回路7012は、操作部72の操作に基づいて、あるいは、リモコン受信回路7010から供給される前記制御コマンドに基づいて、受信回路7002の選局制御、切り換え回路7004の画像信号および音声信号の切り換え制御、画像信号処理回路7006、音声信号処理回路7008の制御などを行う。
図5(A)は錘30およびコイルばね32部分の拡大図、(B)は(A)のAA線断面図、図6は下旋回部22Aの上部の拡大図である。
錘30は下旋回部22Aで鉛直方向に移動可能に支持されている。
錘30は図5、図6に示すように、複数の円柱状の錘体3002で構成されている。
各錘体3002の中央にはワイヤ挿通孔3004が貫通形成され、各錘体3002の外周部の2箇所には円弧状のガイド溝3006が形成されている。
各錘体3002は、底板2260から立設された2本のガイド軸2210が各ガイド溝3006に係合することで鉛直方向に移動可能に支持されている。
図2に示すように、ワイヤ28は、その一端が第2アーム26の基端に取着され、その中間部が第1アーム24に突設された滑車2402に掛装されて第1アーム24に沿って下旋回部22Aに向かって延在し、図6に示すように、第1アーム24の基部に設けられたガイド部材2404を介して向きが変更され、ブラケット2266の中間部に設けられた滑車2212、ブラケット2266の上部に設けられた滑車2214に掛装されて滑車2214から下方に延在し、各錘体3002のワイヤ挿通孔3004を通り最も下位に位置する錘体3002にワイヤ28の他端が連結されている。
図5に示すように、コイルばね32は、最も下位に位置する錘体3002と底板2260との間に設けられ、錘30を下方に付勢している。
すなわち、図2(A)に示すように、第2の上下揺動部300において、ディスプレイ装置12の重量と第2アーム26の重量により生じる回転モーメントに、錘30の重量およびコイルばね32の弾性力により生じる回転モーメントをワイヤ28を介して対抗させている。
図11は第2の上下揺動部300の拡大斜視図、図12は第2の上下揺動部300の側面図、図13は図12のBB線断面図である。
図11乃至図13に示すように、第2の上下揺動部300により第2アーム26の基部が第1アーム24の先端とに対して鉛直面内で上下に揺動可能に連結されている。
第2の上下揺動部300は、第1アーム24に対して第2アーム26を揺動させた際にこの揺動された状態を摩擦力を用いて保持するように構成されている。
第2の上下揺動部300は、第1アーム24の先端にブラケット2402を介して取着された摩擦係数の大きい材料からなる摩擦板4002と、第2アーム26の基部寄りの箇所に設けられ摩擦板4002を挟む2つの挟持板4004と、それら挟持板4004間の距離を調節するための雄ねじ部材4006とで構成され、雄ねじ部材4006の弛緩緊締により挟持板4004による摩擦板4002の締め付け力が調整され、すなわち挟持板4004と摩擦板4002の間に生じる摩擦力が調整され、第1アーム24と第2アーム26とが揺動された状態が保持されるように構成されている。なお、第2の上下揺動部300は上述の構成に限定されず、従来公知の様々な構造が採用可能である。
図7は第1の上下揺動部200の側面図、図8は図7のCC線断面図、図9は図7のD矢視図、図10は図9のEE線断面図である。
図8、図10に示すように、第1の上下揺動部200により第1アーム24の基部が下旋回部22Aに対して鉛直面内で上下に揺動可能に連結されている。
第1の上下揺動部200は、ディスプレイ装置12の重量と、第2アーム26の重量と、第1アーム24の重量により生じる回転モーメントに対抗する回転モーメントを生じさせるねじりばね42を有し、また、下旋回部22Aに対して第1アーム24が揺動された状態を摩擦力により保持するように構成されている。
すなわち、図6乃至図9に示すように、ブラケット2266の中間部に第1ブラケット2270と第2ブラケット2272とが対向して設けられ、それらブラケット2270、2272間に雄ねじ部材2274が挿通されている。
また、第1アーム24の基端にブラケット2410を介して摩擦係数の大きい材料からなる筒状部材2412が取着されている。
図8に示すように、筒状部材2412は雄ねじ部材2274が挿通される内筒部2414と、内筒部2414の半径方向外側に有する外筒部2416とを有し、雄ねじ部材2274に回転可能に支持されている。
図8、図10に示すように、ねじりばね42は、内筒部2414と外筒部2416との間の環状の空間に配設され、その一端4202が第1ブラケット2270に係止され、図10に点線矢印で示すように、コイル部の弾性に抗して他端4204が筒状部材2412に係止されて配設され、したがって、ねじりばね42の弾性力は雄ねじ部材2274の周方向において、ブラケット2266と第1アーム24の基端とにわたって作用している。
また、第1の上下揺動部200は、雄ねじ部材2274の弛緩緊締によりブラケット2270、2272間で筒状部材2412を締め付ける力が調整され、すなわちブラケット2270、2272と筒状部材2412の間に生じる摩擦力が調整され、下旋回部22Aに対して第1アーム24が揺動された状態が保持されるように構成されている。なお、第1の上下揺動部200は上述の構成に限定されず、従来公知の様々な構造が採用可能である。
なお、図2(A)、図6に示すように、第1の上下揺動部200が設けられるブラケット2266の中間部は、上板2264から立設されたロッド2268の上端で支持されている。
図2(A)に示すように、第3の上下揺動部400によりディスプレイ装置12が第2アーム26の先端に対して鉛直面内で上下に揺動可能に連結されている。
図15はディスプレイ装置12の背面を示す斜視図、図16(A)は図15のA矢視図、(B)は(A)の拡大図である。
図15、図16に示すように、第3の上下揺動部400は、ディスプレイ装置12の背面に取着される第1の部材54と、スタンド2(第2アーム26)の先端に取着され第1の部材54に上下に揺動可能に連結される第2の部材56とを含んで構成されている。
第3の上下揺動部400は、第2アーム26の先端に対してディスプレイ装置12を揺動させた際にこの揺動された状態を摩擦力を用いて保持するように構成されている。
図16(B)に示すように、この第3の上下揺動部400は、図13に示す第2の上下揺動部300と同様に、一対の挟持板4004Aと、これら挟持板4004Aに挟まれる筒状の摩擦板4002Aと、一対の挟持板4004Aから摩擦板4002Aに挿通され、それら挟持板4004A間の距離を調節するための雄ねじ部材4006A(図17参照)などを含んで構成され、雄ねじ部材4006Aの弛緩緊締により挟持板4004Aによる摩擦板4002Aの締め付け力が調整され、すなわち挟持板4004Aと摩擦板4002Aの間に生じる摩擦力が調整され、第2アーム26に対してディスプレイ装置12が上下に揺動された状態が保持されるように構成されている。
なお、一対の挟持板4004Aは第1の部材54に設けられ、摩擦板4002は第2の部材56に設けられている。なお、第3の上下揺動部400は上述の構成に限定されず、従来公知の様々な構造が採用可能である。
このような姿勢変更機構を有するスタンド20の構成によれば、次のような作用効果が奏される。
図14(A)、(B)、(C)はスタンド20の動作説明図である。
図14に示すように、使用者は、把手52を把持して、ディスプレイ装置12が所望の位置や姿勢となるように移動させる。
図1に示すように、このディスプレイ装置12の移動に伴い、水平旋回機構100により載置部21に対して旋回部22とともにディスプレイ装置12が水平旋回し、第1の上下揺動部200により下旋回部22Aに対して上旋回部22Bが鉛直面内で揺動し、第2の上下揺動部300により第1アーム24に対して第2アーム26が鉛直面内で揺動し、第3の上下揺動部400により第2アーム26に対してディスプレイ装置12が鉛直面内で揺動する。
ディスプレイ装置12が所望の位置や姿勢となったならば、ディスプレイ装置12あるいは把手52から手を離す。
手を離すと、水平旋回機構100、第1乃至第3の上下揺動部200、300、400、錘30、コイルばね32、ねじりばね42により、ディスプレイ装置12はその動かされた位置や姿勢でスタンド20によって支持される。
ここで、第1乃至第3の上下揺動部200、300、400、錘30、コイルばね32、ねじりばね42の動きについて説明すると、第1の上下揺動部200において、ディスプレイ装置12の重量と、第2アーム26の重量と、第1アーム24の重量により生じる回転モーメントに、ねじりばね42の弾性力による回転モーメントが対抗している。
また、第2の上下揺動部300において、ディスプレイ装置12の重量と第2アーム26の重量により生じる回転モーメントに、錘30の重量およびコイルばね32の弾性力により生じる回転モーメントが対抗している。
そして、第1の上下揺動部200および第2の上下揺動部300の双方によって、揺動された状態が摩擦力を用いて保持される。
したがって、重量の大きなディスプレイ装置12を支える第1、第2アーム24、26を円滑に簡単に動かすことができ、使い勝手を向上させる上で有利となる。
なお、本実施の形態では、把手52の操作でディスプレイ装置12が前後方向および左右方向並びに上下方向に動くので、水平旋回機構100と、第1の上下揺動部200と、第2の上下揺動部300と、第3の上下揺動部400と、錘30と、コイルばね32と、ねじばね42とにより、前後左右上下移動部500が構成されている。
図19に示すスピーカー50は、主として中音域および低音域の音響を出力する左チャンネルおよび右チャンネルの2つの第1のスピーカー5002と、主として高音域の音響を出力する2つの第2のスピーカー5004との合計4つのスピーカーで構成されている。
図17は第2のスピーカー5004および把手52の構成を示す分解斜視図、図18(A)はディスプレイ装置12の正面図、(B)は(A)のAA線断面図である。
図17、図18に示すように、把手52は第1の部材54に取着され、把手52は、ディスプレイ装置12の下部中央から下方に延出して設けられている。
把手52は、ディスプレイ装置12の前方から見た状態でディスプレイ装置12の輪郭の外側に位置した把手部分52Aを有している。
2つの第2のスピーカー5004はこの把手部分52Aに設けられている。
詳細に説明すると、図17に示すように、把手52は、把手本体60と、前カバー62と、後カバー64とを含んで構成され、第1の部材54の取り付け凹部5402に着脱可能に設けられている。
把手本体60は、厚さと、厚さよりも大きな寸法の幅と、幅よりも大きな寸法の長さを有する縦長の板部6002と、板部6002の一端に設けられた枠状部6004とを備え、板部6002と枠状部6004は一体に形成されている。
枠状部6004がディスプレイ装置12を移動させる際にユーザーにより把持される部分となり、したがって、把手本体60は剛性を有する材料で形成され、例えば、硬質の合成樹脂や金属材料によって形成されている。
把手本体60の他端には、第1の部材54の取り付け凹部5402から突設されたピン5404を挿通させる挿通孔6006が設けられている。
枠状部6004を掴み易いように、枠状部6004は下方に到るにつれて次第に前方に位置するように湾曲して形成されている。
把手本体60の枠状部6004寄りの箇所には、第2のスピーカー5004を取り付けるための2つの窓6008が上下に並んで設けられている。
本実施の形態では、第2のスピーカー5004は2つ設けられ、第2のスピーカー5004は把手本体60の後面から窓6008に臨んだ状態で把手本体60に例えば接着剤によって接着されることで取り付けられている。
把手本体60の板部6002の後面に、第2のスピーカー5004の後部を覆う後カバー64が重ね合わされ、把手本体60の板部6002の前面に、第2のスピーカー5004からの音声を通過させる放音孔が形成された前カバー62が重ね合わされ、それら重ね合わされた状態で前カバー62の前面が取り付け凹部5402の底面に当て付けられ、把手本体60の挿通孔6006にピン5404が挿通され、さらに、後カバー64の左右両側の係合部6402が取り付け凹部5402の底面の左右両側の溝5410に結合することで把手52は第1の部材54に着脱可能に取り付けられている。
なお、図18に示すように、把手52が第1の部材54に取り付けられた状態で、第2のスピーカー5004は、ディスプレイ装置12の輪郭の外側に位置している。
したがって、把手52はディスプレイ装置12の姿勢を変更した際に、ディスプレイ装置12とともに移動し、ディスプレイ装置12に対する把手52の相対的位置は不変であり、この把手52に第2のスピーカー5004を設けたので、ディスプレイ装置12の姿勢が変更された際、第2のスピーカー5004から発せられる音響は、常にディスプレイ装置12(ディスプレイパネル1202)の前方に向くことになる。
言い換えると、第2のスピーカー5004は、ディスプレイ装置12の前方に音響が発せられるように把手52に設けられている。
図20は各第1のスピーカー5002の取り付け構造を示す分解斜視図、図21はカバー2256の上端に配設された第1のスピーカー5002を示す説明図、図22は第1のスピーカー5002の斜視図である。
図20、図21に示すように、第1のスピーカー5002は下旋回部22Aの上端に配設されている。
より詳細に説明すると、カバー2256の上端は、その軸心と直交する仮想平面(第1の仮想平面)に対して斜めに交差する方向に延在しディスプレイ装置12の前面の前方に向いた平面(第2の仮想平面)で切断されている。
これにより、カバー2256の上端に、上方に開放状でディスプレイ装置12の前面の前方に向いた開口2280が形成されている。
すなわち、第1のスピーカー5002は、中空状部材であるカバー2256の内側で開口2280内に、ディスプレイ装置12の前面の前方でかつ上方に向けて音響が発せられる向きで配設されている。
本実施の形態では、第1アーム24の基部を構成する第1の上下揺動部200が開口2280の中央に位置しており、第1のスピーカー5002は上下揺動部200の両側に配置されている。
開口2280は音響が通過可能な材料、例えば、ネットやパンチングシートなどからなるカバー2282で覆われている。なお、図20において、符号2284はスピーカーグリルであり、符号2286は飾りブラケットである。
第1のスピーカー5002は、音響を発生するスピーカーユニット5010と、スピーカーユニット5010が組み込まれたキャビネット(エンクロージャ)5012と、キャビネット5012の前面に設けられたポート(孔)5014と、ポート5014に組み込まれダクト(筒)5016とを含んで構成されている。ポート5014とダクト5016はスピーカーユニット5010の背面から発生された音響をキャビネット5012の前方に導くものである。
本実施の形態では、各第1のスピーカー5002のスピーカーユニット5010は、それらの向きが、ディスプレイ装置12の前面の前方であり、かつ、各スピーカーユニット5010の音軸(中心軸)が前方に向かうにしたがって次第に左右方向に離間するように傾斜して配設されている。言い換えると、各第1のスピーカー5002は、それらの音軸が左右外側に開くように構成されている。
したがって、仮に2つの第1のスピーカー5002の音軸の間隔が狭い場合であっても、各第1のスピーカー5002から発せられる音響によってディスプレイ装置12の前方にステレオの音場を形成することができることから、ディスプレイ装置12の前方に位置するユーザーに対してステレオ感を豊かに感じさせる上で有利となっている。
本実施の形態によれば、第1のスピーカー5002は、ディスプレイ装置12に設けられず旋回部22に設けられているため、ディスプレイパネル1202の周囲のフレーム1204部分を小型化でき、言い換えると、ディスプレイパネル1202の前方から見て画像が表示されないフレーム1204部分の面積を小さくでき、したがって、スタンド20によって姿勢変更可能に支持されたディスプレイ装置12があたかも宙に浮いているかのような浮遊感をユーザーに与えることができ、デザイン性を向上させる上で有利となる。
また、第1のスピーカー5002は、ディスプレイ装置12の前面の前方に向けて音響が発せられる向きで旋回部22に設けられているため、ディスプレイ装置12を旋回させても常にディスプレイ装置12の前方に第1のスピーカー5002から発せられた音響による音像を定位させることができる。
したがって、ディスプレイ装置12にスピーカーを組み込んだ従来のテレビジョン装置と同様に画像と音響を鑑賞できることは無論のこと、従来とは異なった趣をテレビジョン装置10に付加することができ、テレビジョン装置10の購買力を高める上で有利となる。
また、本実施の形態では、第1のスピーカー5002は、載置部21に旋回可能に連結された断面積の大きい下旋回部22Aに収容されているので、ディスプレイ装置12にスピーカーを組み込んだ従来のテレビジョン装置と比べ、ディスプレイ装置12を支持するスタンド20の軽量化、小型化を図れ、ユーザーに浮遊感を与える上で有利となる。
また、本実施の形態では、第1のスピーカー5002は、載置部21に旋回可能に連結された断面積の大きい下旋回部22Aに収容されているので、スピーカー取り付け用の専用の取り付け部材を用いることなく第1のスピーカー5002を配設でき、部品点数の削減化、コストダウンを図る上で有利となる。
また、本実施の形態では、ディスプレイ装置12を旋回させるための把手52に高音域の音響を発する第2のスピーカー5004を設けている。
したがって、例えば、図14(A)、(B)に示すように、ディスプレイ装置12を下旋回部22Aよりもディスプレイ装置12の前方に大きく引き出した状態とすると、ユーザーの耳元から第2のスピーカー5004までの距離が近く、ユーザーの耳元から第1のスピーカー5002までの距離が遠くなる。
そのため、厳密にいえば、一方の第2のスピーカー5004から発せられた高音域の音響がユーザーの耳元に先に到達し、他方の第1のスピーカー5002から発せられた中音域、低音域の音響が高音域の音響よりも遅れてユーザーの耳元に到達することになる。
しかしながら、人間は、聴覚特性上、中音域や低音域に比較して高音域をより知覚しやすいことから、実際には、第1のスピーカー5002から発せられた中音域、低音域の音響の遅れを感じることはなく、あたかも、高音域、中音域、低音域を含む全ての音響がディスプレイ装置12の近傍から発せられているかのように感じることになり、ディスプレイ装置12の前後方向の位置に拘わりなく、良好な音質の音響を提供する上で有利となる。
また、本実施の形態によれば、第1のスピーカー5002は、カバー2256からなる中空状部材の内部で開口2280内に、ディスプレイ装置12の前面の前方でかつ上方に向けて音響が発せられる向きで配設されている。
したがって、開口2280がユーザーの耳よりも下方に位置している場合には、第1のスピーカー5002から発せられた音響がユーザーの耳に届きやすく、良好な音質の音響を提供する上で有利となる。
なお、本実施の形態では、スピーカー50を中音域および低音域の第1のスピーカー5002と高音域の第2のスピーカー5004とで構成した場合について説明したが、スピーカー50の構成は任意である。
例えば、把手52に高音域の第2のスピーカー5004を設けずに、下旋回部22Aに低音域から高音域までの音響を発する左右2つのフルレンジスピーカーを設けてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、第1のスピーカー5002を下旋回部22Aの上端に配設した場合について説明したが、第1のスピーカー5002を配設する箇所は限定されない。
図23は第2の実施の形態のテレビジョン装置10の変形例を示す斜視図、図24は図23の正面図であり、以下では第1の実施の形態と同様の部材、部分には同一の符号を付して説明する。
図23、図24に示すように、第2の実施の形態では、第1のスピーカー5002を下旋回部22Aのカバー2256の円筒壁部分の内側の左右両側に設けている。
詳細に説明すると、カバー2256の円筒壁部分の左右両側箇所に前方に開放状でディスプレイ装置12の前面の前方に向いた開口2290が形成されている。
そして、第1のスピーカー5002は、開口2290からディスプレイ装置12の前面の前方に向けて音響が発せられる向きで配設されている。
開口2290は音響が通過可能な材料、例えば、ネットやパンチングシートなどからなるカバー2292で覆われている。
このような第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
第1の実施の形態のテレビジョン装置10の全体構成を示す斜視図である。 (A)はテレビジョン装置10の側面図、(B)はテレビジョン装置10の背面図であり、何れもカバーを取り外した状態を示している。 載置部21の構成を示す説明図である。 図3の断面図である。 (A)は錘30およびコイルばね32部分の拡大図、(B)は(A)のAA線断面図である。 下旋回部22Aの上部の拡大図である。 第1の上下揺動部200の側面図である。 図7のCC線断面図である。 図7のD矢視図である。 図9のEE線断面図である。 第1アーム24の先端と第2アーム26の基部の連結部分の拡大斜視図である。 第1アーム24の先端と第2アーム26の基部の連結部分の側面図である。 図12のBB線断面図である。 (A)、(B)、(C)はスタンド20の動作説明図である。 ディスプレイ装置12の背面を示す斜視図である。 (A)は図15のA矢視図、(B)は(A)の拡大図である。 第2のスピーカー5004および把手52の構成を示す分解斜視図である。 (A)はディスプレイ装置12の正面図、(B)は(A)のAA線断面図である。 信号ボックス70の構成を示すブロック図である。 各第1のスピーカー5002の取り付け構造を示す分解斜視図である。 カバー2256の上端に配設された第1のスピーカー5002を示す説明図である。 第1のスピーカー5002の斜視図である。 第2の実施の形態のテレビジョン装置10を示す斜視図である。 図23の正面図である。
符号の説明
10……テレビジョン装置、12……ディスプレイ装置、20……スタンド、21……載置部、22……旋回部、50……スピーカー、5002……第1のスピーカー、5004……第2のスピーカー。

Claims (5)

  1. 薄板状のディスプレイ装置とこのディスプレイ装置を旋回可能に支持するスタンドとスピーカーとを備えるテレビジョン装置であって、
    前記スタンドは、被載置箇所に載置される載置部と、前記載置部に旋回可能に連結され先端で前記ディスプレイ装置を支持する旋回部とを有し、
    前記旋回部は、前記載置部に旋回可能に連結された下旋回部と、前記下旋回部の上に設けられ前記下旋回部よりも小さい断面積で形成され先端で前記ディスプレイ装置を支持する上旋回部とで構成され、
    前記下旋回部は上下に延在する中空状部材を含んで構成され、
    前記中空状部材の上端に、該上端がその軸心と直交する第1の仮想平面に対して斜めに交差する方向に延在し前記ディスプレイ装置の前面の前方に向いた第2の仮想平面で切断されることで、上方に開放状で前記ディスプレイ装置の前面の前方に向いた開口が形成され、
    前記スピーカーは前記中空状部材の内部で前記開口内に、前記ディスプレイ装置の前面の前方に向けて音響が発せられる向きで配設され、前記開口は音響が通過可能な材料で覆われている
    レビジョン装置。
  2. 中音域および低音域の音響を発する第1のスピーカーと、高音域の音響を発する第2のスピーカーとを含んで前記スピーカーが構成され、前記下旋回部に設けられているスピーカーは前記第1のスピーカーであり、前記ディスプレイ装置に該ディスプレイ装置を旋回させる把手が設けられ、前記第2のスピーカーは前記把手に設けられている請求項記載のテレビジョン装置。
  3. 前記ディスプレイ装置の前方から見た状態で、前記把手は前記ディスプレイ装置の輪郭の外側に位置した把手部分を有し、前記第2のスピーカーは前記ディスプレイ装置の輪郭の外側に位置した把手部分に取着されている請求項記載のテレビジョン装置。
  4. 前記スピーカーは前記開口内に左右に2つ並べて設けられ、前記スピーカーはそれらの向きが、ディスプレイ装置の前面の前方であり、かつ、各スピーカーの音軸が前方に向かうにしたがって次第に左右方向に離間するように傾斜して配設されている請求項記載のテレビジョン装置。
  5. 前記上旋回部は前記開口の中央から突出し、前記スピーカーは、前記開口の中央から突出する前記上旋回部の両側に配置されている請求項記載のテレビジョン装置。
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