JP4407137B2 - 携帯電子機器、携帯電子機器の動作制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に携帯性を重視した電子カメラや携帯電話機等に好適な携帯電子機器、その携帯電子機器の動作制御方法及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、パーソナルコンピュータが一般家庭にまで広く普及したのに伴い、銀塩フィルムを用いたカメラに代わって、撮影した画像を電子データ化して取込むことが可能なデジタルスチルカメラが多く企画され、販売されている。
【0003】
この種のデジタルスチルカメラで、特に携帯性を重視したコンパクトタイプのものでは、本体を折り畳み式の構造とし、未使用時には撮影レンズや表示部などの機能部品を内側にしまい込み、外部に露出させないことによって、無用に傷ついたり、あるいは破損してしまうのを防止するようにしたものがある。
【0004】
(例えば、特許文献1,2参照。)
【0005】
【特許文献1】
特開2000−098470号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平10−191117号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載されたカメラは、写真レンズを設けた薄板状の第1ボディ部と、液晶モニタや各種の機能キーを設けた、同じく薄板状の第2のボディ部とを、2軸のヒンジ構造を有する第3ボディ部により回動自在に支持して接続する構成としており、その回動面が水平方向、すなわち横開き方向に第1ボディ部と第2ボディ部を開閉操作して、携帯状態と使用状態とを切換えるようにしている。
【0008】
したがって、あえてユーザがカメラを把持せず、また3脚を使用せず、例えば机上などに載置して撮影を行なうものとした場合に、カメラを安定させるために第1及び第2ボディ部の断面が略「く」の字状になるように若干開いた状態で載置することになるが、写真レンズは載置場所の平面と平行な方向に対向しており、その方向にある被写体しか撮影することができない。
【0009】
同様に、第2ボディ部に設けられた液晶モニタも載置場所の平面と平行な方向に対向することになるので、このカメラを載置した状態で液晶表示モニタの表示内容を視認するためには、載置場所の平面とほぼ同じ高さから見るしかなく、カメラの載置場所もしくは見る位置が限定されることになる。
【0010】
また、上記特許文献2に記載されたカメラは、載置した状態での撮影や再生について想定しておらず、図3と図5乃至図9に示されている通り、開示されている内容の範囲からそれを載置して使用するものを考えるのは困難である。
【0011】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、机上等に単体で載置して気軽に画像の撮影や再生を実行することが可能な携帯電子機器、携帯電子機器の動作制御方法及びプログラムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、少なくとも一方の平面に撮影レンズを設けた平板状の第1の本体筐体と、少なくとも一方の平面に表示部を設けた第2の本体筐体と、上記第1及び第2の本体筐体の各端面に対して取付けられてこれらを接続するとともに、上記第1及び第2の本体筐体とを回動自在に支持するヒンジ機構と、上記第1及び第2の本体筐体の上記ヒンジ機構を形成した端面と相対向する端面に突出形成された滑り止め部と、上記第1及び第2の本体筐体とヒンジ機構との角度が、上記第1の本体筐体の撮影レンズを設けていない平面と上記第2の本体筐体の表示部を設けていない平面が当接した第1の角度と、上記滑り止め部を利用した自立が可能な上記第1の角度とは異なる第2の角度と、上記第1の角度及び上記第2の角度とは異なる第3の角度のうち、いずれの角度であるかを検出する検出手段と、上記検出手段により上記第1の角度が検出された場合には、シャッタ操作のタイミングで撮影記録を行う通常撮影モードへ移行し、上記検出手段により上記第2の角度が検出された場合には、シャッタ操作から一定時間経過後に撮影記録を行なうセルフタイマ撮影モードまたは撮影記録された複数の画像データを自動的に切り換えながら上記表示部で表示する再生モードへ移行し、上記検出手段により上記第3の角度が検出された場合には、上記通常撮影モード、上記セルフタイマ撮影モード及び上記再生モードのいずれの動作モードへも移行しないモード制御手段と、基本モードとして、記録モードと再生モードのいずれかを設定する基本モード設定手段と、を備え、上記モード制御手段は、上記検出手段により上記第2の角度が検出された場合であって、上記基本モード設定手段により記録モードが設定されている場合には、シャッタ操作から一定時間経過後に撮影記録を行なうセルフタイマ撮影モードに移行し、上記検出手段により上記第2の角度が検出された場合であって、上記基本モード設定手段により再生モードが設定されている場合には、撮影記録された複数の画像データを自動的に切り換えながら上記表示部で表示する再生モードへ移行することを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記第3の角度は、上記第1の本体の筐体の撮影レンズを設けた平面と上記第2の筐体の表示部を設けた平面が当接した収納状態の角度であることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、上記請求項1乃至2いずれか記載の発明において、上記第1及び第2の本体筐体とヒンジ機構の少なくとも一方に設けられ、上記第2の角度において上記第1及び第2の本体筐体とヒンジ機構とを係合してクリック感を与える係合部をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3いずれか記載の発明において、上記ヒンジ機構は、上記第1及び第2の本体筐体をそれぞれ回動自在に支持する2軸構造を有し、上記滑り止め部は、上記第1及び第2の筐体の上記ヒンジ機構を形成した端面と相対向する各端面にそれぞれ少なくとも1個以上、且つ合計で3個以上突出形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、上記請求項1乃至5いずれか記載の発明において、上記撮影レンズを用いた撮影で得る画像データを記録する記録手段をさらに具備し、上記再生モードは、上記記録手段に記録された画像データを上記表示部で表示する再生モードであることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下本発明をデジタルスチルカメラに適用した場合の実施の一形態について図面を参照して説明する。
【0027】
図1は同実施の形態に係るデジタルスチルカメラ10の外観構成を示すもので、図1(A)が収納、携帯時、図1(B)が略180°の展開時、図1(C)が通常使用時のそれぞれ折りたたみ状態を示す。
【0028】
図示する如くこのデジタルスチルカメラ10は、平板状の第1の本体筐体11と、同じく平板状の第2の本体筐体12とを、2軸構造のヒンジ部13で接続してそれぞれ回動自在に支持するようにして構成される。
【0029】
図1(C)に示す通常使用時に表面側で且つカメラの前面側となる第1の本体筐体11の一面には、撮影レンズ鏡筒14、ストロボ発光部15、マイクロホン16、及びセルフタイマインジケータ17が設けられる。
【0030】
撮影レンズ鏡筒14は、例えば単焦点の光学レンズ系が鏡筒に納められて突出形成される。
【0031】
ストロボ発光部15は、撮影レンズ鏡筒14の撮影範囲をカバーするべくストロボ光を照射する。
【0032】
マイクロホン16は、動画像撮影時及び音声メモ記録時に撮影レンズ鏡筒14の撮影範囲と一致する前方の音声をピックアップする。
【0033】
セルフタイマインジケータ17は、例えば赤色のLED(発光ダイオード)でなり、セルフタイマモードでの撮影時にシャッタキー操作から実際に撮影が実行されるまでの間、点滅発光する。
【0034】
また、図1(C)に示す通常使用時に表面側で且つカメラの背面側となる第2の本体筐体12の一面には、レンズよけ凹部18、スピーカ19、メニューキー20、回転ダイヤル21、セットキー22、及び表示部23が設けられる。
【0035】
レンズよけ凹部18は、上記図1(A)に示す携帯時に上記第1の本体筐体11の撮影レンズ鏡筒14に対向する位置に形成される。
【0036】
スピーカ19は、動画像または音声メモの再生時に拡声放音する。
【0037】
メニューキー20は、各種モードメニュー項目等を表示させるために操作するキーである。
【0038】
回転ダイヤル21は、複数のメニュー項目から1つを選択するために回転操作するものであり、セットキー22は選択したメニュー項目の確定を指示するために押圧操作する。
【0039】
表示部23は、バックライト付きのカラーTFT液晶パネルで構成され、撮影を行なう記録モードではその時点に撮影している被写体像をモニタ表示する一方で、再生モードでは記録した画像を表示出力する。
【0040】
さらに、図1(C)に示す通常使用時に表面側で且つカメラの上面側となるヒンジ部13の一面の右端には、シャッタキー24が設けられる。
【0041】
このシャッタキー24は、記録モード時に撮影タイミングで押圧操作することにより撮影を指示する。
【0042】
なお、図1(B)にその一部を示すように、第1の本体筐体11及び第2の本体筐体12共に上記ヒンジ部13を設けた端面と相対向する反対側の端面には、それぞれ2個、合計で4個の滑り止め部25a〜25dが設けられるものとする。
【0043】
これら滑り止め部25a〜25dは、例えばゴム製の半球状の突起を有するもので、後述する自立使用時にこのデジタルスチルカメラ10を載置する際、載置場所に対する滑り止め効果を奏するために設けられる。
【0044】
図2は、このデジタルスチルカメラ10の第1の本体筐体11と第2の本体筐体12とを所定の角度、例えば30°に開いた状態で自立させて記録または再生を行なわせる自立使用時の状態について示すもので、図2(A)が再生モードでの使用状態、図2(B)が記録モード(後述するセルフタイマモード)での使用状態である。
【0045】
図2(A)に示すように、再生モード時には第2の本体筐体12がユーザ側となるように使用することにより、第2の本体筐体12の表示部23が斜め上を向くことになる。
【0046】
したがって、ユーザが表示部23をその正面近傍の方向から見るものとすると、ユーザは約15°の俯角で表示部23を見下ろすこととなり、机上や食卓等、身近な場所にデジタルスチルカメラ10を単体で載置してその再生内容を楽しむことができる。
【0047】
この再生モードにおいては、さらに内蔵あるいは装着されるメモリに記録されている複数の画像データを用いて自動的に一定時間ずつ表示内容を循環的に切り換える、「スライドショー」とでも称するような表示形態を採ってもよく、こうすることで、ユーザ自身が撮影したオリジナル画像による電子的且つ動的な写真立ての機能を持たせ、楽しむことができる。
【0048】
また、図2(B)に示すように、記録モード時には第1の本体筐体11がユーザ側となるように使用することにより、第1の本体筐体11の撮影レンズ鏡筒14が斜め上を向くことになる。
【0049】
したがって、例えばユーザが撮影レンズ鏡筒14をその正面近傍の方向から見るものとすると、撮影レンズ鏡筒14は約15°の仰角でユーザの顔を含む被写体像を撮影することとなり、机上や食卓等、身近な場所にデジタルスチルカメラ10を単体で載置して身近な被写体像を撮影することができる。
【0050】
この記録モードにおいては、さらにセルフタイマモードを自動的に設定することで、煩雑なモード設定の手間を省いて速やかにユーザ自身を含む撮影に移行できる。
【0051】
この場合、デジタルスチルカメラ10を単体で自立して載置することができるので、三脚等を用いることなく、気軽にセルフタイマモードでの撮影を楽しむことができる。
【0052】
上記図2(A),(B)で示した如く、デジタルスチルカメラ10を自立させて載置した状態で、その下端部の載置場所と接する4箇所に滑り止め部25a〜25dを設けるものとした。そのため、載置場所が机上等の滑りやすい位置であっても、容易に滑ってしまうことなく、安定した状態で動作させることが可能となる。
【0053】
なお、第1の本体筐体11及び第2の本体筐体12とヒンジ部13の回動に関しては、所定の開閉角度でクリック感を持って軽く係合し、その角度の状態を保持するものとする。
【0054】
図3はそのためのヒンジ部13と第1の本体筐体11(第2の本体筐体12)のクリック構造を例示するものである。
ここでは、図3(A)に示すように、ヒンジ部13の一端の第1の本体筐体11及び第2の本体筐体12と接する端面に各180°の範囲で半球状の凹部を形成するものとする。図3(B)は同図(A)のb−b線に沿ったヒンジ部13と対応する第1の本体筐体11の断面構造を示す。
【0055】
ヒンジ部13のシャッタキー24が上となる図3(A)に示す状態で、このヒンジ部13の第1の本体筐体11に対応して突出形成された回動軸31を中心として、第1の本体筐体11に接する端面にはその下側より左回りで180°の範囲に計4個の半球状の凹部32a〜32dが形成される。
【0056】
この場合、回動軸31の真下に位置する凹部32aの回動位置を0°とすると、凹部32bが15°、凹部32cが90°、凹部32dが180°の位置に該当する。
【0057】
これらのうち、特に凹部32a,32b内にはマイクロスイッチ33,33が突出されている。図3(B)に示すように、第1の本体筐体11の上記回動軸31が嵌合される凹部34の直下位置(図1(C)に示した状態で)には、上記半球状の凹部32a〜32dに対応する半球状の凸部35が形成されるもので、この凸部35は第1の本体筐体11内でバネ36の弾性により付勢されてヒンジ部13との当接面に突出配置されている。
【0058】
すなわち、ヒンジ部13の回動軸31が第1の本体筐体11の凹部34と嵌合するように第1の本体筐体11を図3(B)中の矢印IIIの方向に取付け、第1の本体筐体11を上記回動軸31を中心に回動させた場合に、第1の本体筐体11側の凸部35はバネ36の弾性に応じて凹部32a〜32dのいずれかに当接された角度位置でのみ第1の本体筐体11の当接面から突出し、これら凹部32a〜32dに軽く係合されてクリック感を発生する。
【0059】
この場合、特に凹部32a,32bでは、マイクロスイッチ33,33内のバネ33aの弾性を上記凸部35のバネ36の弾性に比して充分低いものとして予め設定しておくことにより、凸部35によってマイクロスイッチ33内の可動切片33bが図中に矢印IVで示す方向に押圧され、金属接点33c,33dが電気的に導通する。
【0060】
したがって、凹部32a,32b内のマイクロスイッチ33,33での導通状態を常時モニタリングすることにより、ヒンジ部13に対する第1の本体筐体11の回動位置が上記図1(C)で示した状態、あるいは上記図2(A),(B)で示した状態となったことを検出することが可能となる。
【0061】
この点は、ヒンジ部13と第2の本体筐体12に関しても全く同様であり、ヒンジ部13のシャッタキー24が上となる図3(A)に示す状態で、このヒンジ部13の第2の本体筐体12に対応して突出形成された回動軸41を中心として、第2の本体筐体12に接する端面にはその下側より右回りで180°の範囲に計4個の半球状の凹部42a〜42dが形成される。
【0062】
この場合、回動軸41の真下に位置する凹部42aの回動位置を0°とすると、凹部42bが15°、凹部42cが90°、凹部42dが180°の位置に該当する。これらのうち、特に凹部42a,42b内にはマイクロスイッチ43,43が突出されている。
【0063】
以下の説明はヒンジ部13と第1の本体筐体11の関係と同様であるので省略するが、凹部42a,42b内のマイクロスイッチ43,43での導通状態を常時モニタリングすることにより、ヒンジ部13に対する第2の本体筐体12の回動位置も上記図1(C)で示した状態、あるいは上記図2(A),(B)で示した状態となったことを検出することが可能となる。
【0064】
次に図4により上記デジタルスチルカメラ10に設けられる電子回路の構成について説明する。
同図で、記録モードにおいては、モータ(M)51の駆動により合焦位置や絞り位置が移動される、上記撮影レンズ鏡筒14を構成するレンズ光学系52の撮影光軸後方に配置された撮像素子であるCCD53が、タイミング発生器(TG)54、垂直ドライバ55によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。
【0065】
この光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路(S/H)56でサンプルホールドされ、A/D変換器57でデジタルデータに変換され、カラープロセス回路58で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理が行なわれて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Crが生成され、DMA(Direct
Memory Access)コントローラ59に出力される。
【0066】
DMAコントローラ59は、カラープロセス回路58の出力する輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、同じくカラープロセス回路58からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度DMAコントローラ59内部のバッファに書込み、DRAMインタフェース(I/F)60を介してバッファメモリとして使用されるDRAM61にDMA転送を行なう。
【0067】
制御部62は、CPUと、後述する自立使用時の処理を含む該CPUで実行される動作プログラムを固定的に記憶したROM、及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成され、このデジタルスチルカメラ10全体の制御動作を司るもので、上記輝度及び色差信号のDRAM61へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号をDRAMインタフェース60を介してDRAM61より読出し、VRAMコントローラ63を介してVRAM64に書込む。
【0068】
デジタルビデオエンコーダ65は、上記輝度及び色差信号をVRAMコントローラ63を介してVRAM64より定期的に読出し、これらのデータを元にビデオ信号を発生して上記表示部23に出力する。
【0069】
この表示部23は、上述した如く記録モード時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、デジタルビデオエンコーダ65からのビデオ信号に基づいた表示を行なうことで、その時点でVRAMコントローラ63から取込んでいる画像情報に基づく画像をリアルタイムに表示することとなる。
【0070】
このように表示部23にその時点での画像がモニタ画像としてリアルタイムに表示されている状態で、静止画撮影を行ないたいタイミングでキー入力部66を構成する上記シャッタキー24を操作すると、トリガ信号を発生する。
【0071】
制御部62は、このトリガ信号に応じてその時点でCCD53から取込んでいる1画面分の輝度及び色差信号のDRAM61へのDMA転送の終了後、直ちにCCD53からのDRAM61への経路を停止し、記録保存の状態に遷移する。
【0072】
この記録保存の状態では、制御部62がDRAM61に書込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号をDRAMインタフェース60を介してY,Cb,Crの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読出してJPEG(Joint Photograph coding Experts Group)回路67に書込み、このJPEG回路67でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。
【0073】
そして、得た符号データを1画像のデータファイルとして該JPEG回路67から読出し、このデジタルスチルカメラ10の記録媒体として着脱自在に装着されるメモリカード68か、またはこのデジタルスチルカメラ10に固定的に内蔵される内蔵メモリ69のいずれか一方に書込む。
【0074】
そして、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及びメモリカード68または内蔵メモリ69への全圧縮データの書込み終了に伴なって、制御部62はCCD53からDRAM61への経路を再び起動する。
【0075】
また、制御部62にはさらに、音声処理部70、USBインタフェース(I/F)71、角度検出部72、及びストロボ駆動部73が接続される。
【0076】
音声処理部70は、PCM音源等の音源回路を備え、音声の録音時には上記マイクロホン(MIC)16より入力された音声信号をデジタル化し、所定のデータファイル形式、例えばMP3(MPEG−1 audio layer 3)規格にしたがってデータ圧縮して音声データファイルを作成してメモリカード68または内蔵メモリ69へ送出する一方、音声の再生時には送られてきた音声データファイルの圧縮を解いてアナログ化し、上記スピーカ(SP)19を駆動して、拡声放音させる。
【0077】
USBインタフェース71は、USBコネクタを介して有線接続される外部機器、例えばパーソナルコンピュータとの間で画像データその他の送受を行なう場合の通信制御を行なう。
【0078】
角度検出部72は、上記マイクロスイッチ33,33,43,43を含み、ヒンジ部13に対する第1の本体筐体11及び第2の本体筐体12がそれぞれ所定の角度となった場合にこれを検出して上記制御部62へ検出信号を送出する。
【0079】
ストロボ駆動部73は、静止画像撮影時に図示しないストロボ用大容量コンデンサを充電した上で、制御部62からの制御に基づいて上記ストロボ発光部15を閃光駆動する。
【0080】
なお、上記キー入力部66は、上述した表示部23の他に、上記メニューキー20、回転ダイヤル21、及びセットキー22等から構成され、それらのキー操作に伴なう信号は直接制御部62へ送出される。
【0081】
しかるに、静止画像ではなく動画像の撮影時においては、キー入力部66のシシャッタキー24が操作され続けている間、上述した静止画像データをJPEG回路67でデータ圧縮した静止画データファイルのメモリカード68または内蔵メモリ69への記録を時間的に連続して実行し、該シャッタキー24の操作が終わるか、または所定の制限時間、例えば30秒が経過した時点でそれら一連の静止画データファイルを一括してモーションJPEGのデータファイルとして設定し直す。
【0082】
また、再生モード時には、制御部62がメモリカード68または内蔵メモリ69に記録されている画像データを選択的に読出し、JPEG回路67で撮影モード時にデータ圧縮した手順と全く逆の手順で圧縮されている画像データを伸長し、伸長した画像データをDRAMインタフェース60を介してDRAM61に保持させた上で、このDRAM61の保持内容をVRAMコントローラ63を介してVRAM64に記憶させ、このVRAM64より定期的に画像データを読出してビデオ信号を発生し、上記表示部23で再生出力させる。
【0083】
選択した画像データが静止画像ではなく動画像であった場合、選択した動画像ファイルを構成する個々の静止画像データの再生を時間的に連続して実行し、すべての静止画像データの再生を終了した時点で、次に再生の指示がなされるまで先頭に位置する静止画像データのみを用いて再生表示する。
【0084】
次に上記実施の形態の動作について説明する。
図5は、電源オン状態で制御部62が実行する、主として所定の角度検出に関する処理内容を示すものである。
【0085】
その当初には、角度検出部72からの検出信号により上記図2(A),(B)に示したような第1の本体筐体11と第2の本体筐体12とがヒンジ部13を挟んで30°の回動位置となる自立使用時の状態となったか否か(ステップS01)、上記図1(C)に示したような第1の本体筐体11と第2の本体筐体12とがヒンジ部13を挟んで0°の回動位置となる通常使用時の状態となったか否か(ステップS02)、を繰返し判断することで、これらの使用時の状態となるのを待機する。
【0086】
すなわち、上記ステップS01では、凹部32b内のマイクロスイッチ33と凹部42b内のマイクロスイッチ43が共に導通した場合にその検出信号により判断する。
【0087】
同様に上記ステップS02では、凹部32a内のマイクロスイッチ33と凹部42a内のマイクロスイッチ43が共に導通した場合にその検出信号により判断する。
【0088】
ステップS02で上記図1(C)に示したような通常使用時の状態となったと判断した場合には、基本モードが記録モードとなっているか、または再生モードとなっているかに応じて撮影または再生の動作を実行するが、その詳細な内容は本発明とは直接関係しないため、ここではその説明を省略する。
【0089】
また、上記ステップS01で上記図2(A),(B)に示したような自立使用時の状態となったと判断した場合には、次いでその時点での基本モードが記録モードに設定されているか否かを判断する(ステップS03)。
【0090】
ここで基本モードが記録モードに設定されていないと判断した場合には、基本モードが再生モードに設定されていることになるので、メモリカード68及び内蔵メモリ69に記録されている画像データのファイルを、そのファイルに付加設定されているその日付及び時刻の情報(タイムスタンプ)に基づいて、例えば新しいものから順次循環的に読出し、それぞれ一定時間、例えば5[秒]ずつ自動的に切り換えながら表示させる、「スライドショー」とでも称するような再生表示を実行しながら(ステップS09)、角度検出部72からの検出信号によりこの自立使用時の状態が維持されていることを確認する(ステップS10)。
【0091】
そして、この自立使用時の状態が解除された時点で上記ステップS10によりこれを判断し、再び上記ステップS01からの処理に戻る。
【0092】
一方、上記ステップS03で基本モードが記録モードに設定されていると判断した場合には、次いで自動的にセルフタイマモードを設定した上で(ステップS04)、シャッタキー24が操作されたか否か(ステップS05)、角度検出部72からの検出信号によりこの自立使用時の状態が維持されているか否か(ステップS06)を繰返し判断することで、シャッタキー24が操作されるか、この自立使用時の状態が解除されるのを待機する。
【0093】
そして、シャッタキー24が操作された場合、ステップS05でこれを判断し、予めこのデジタルスチルカメラ10に設定されている一定の待機時間、例えば10[秒]が経過した後に撮影を実行する(ステップS07)。
【0094】
この時、シャッタキー24が操作されてから撮影を実行する間での間、併せて上記第1の本体筐体11の前面に配置されるセルフタイマインジケータ17をその残り時間に応じた時間間隔で点滅発光させる。
【0095】
撮影実行後、得た画像データをJPEG回路67によりデータ圧縮した上でメモリカード68または内蔵メモリ69のいずれかその時点で選択設定されている一方に記録させると(ステップS08)、再び上記ステップS06からの処理に戻る。
【0096】
しかして、ステップS06で自立使用時の状態が解除されたと判断すると、再び上記ステップS01からの処理に戻る。
【0097】
このように、折りたたみ式のデジタルスチルカメラ10を所定の回動角度の状態で載置するだけで、予め特定された動作モードに速やかに移行するようにしたので、より気軽に画像の撮影や表示を行なわせることができる。
【0098】
その場合、特に基本モードとして記録モードが設定されている場合には、自動的にセルフタイマモードに設定するものとした。
【0099】
これにより、三脚等を用いずとも単体で自立するデジタルスチルカメラ10の利点を活かして、デジタルスチルカメラ10を所定の回動角度の状態で載置するだけで、セルフタイマのモード設定の手間を省略して、速やかに画像撮影に移行できる。
【0100】
また、基本モードとして再生モードが設定されている場合には、自動的にメモリカード68及び内蔵メモリ69に記録されている画像データを表示部23で順次一定時間ずつ切り換えながら表示させるものとした。
【0101】
これにより、デジタルスチルカメラ10を所定の回動角度の状態で載置するだけで、記録している全画像の再生を行なう状態に速やかに移行するため、デジタルスチルカメラ10を例えば電子的な写真立てとして利用するなど、より気軽にオリジナル画像の再生表示を行なわせることができる。
【0102】
なお、上記実施の形態は本発明をデジタルスチルカメラに適用した場合について説明したものであるが、本発明はこれに限るものではなく、本体が折りたたみ構造となっている、カメラ機能を備えた携帯電子機器であれば、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)、あるいはハンドヘルドタイプからノートブックタイプに至るパーソナルコンピュータ等にも容易に適用可能である。
【0103】
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0104】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、カメラ本体を手で保持して撮影を行う通常撮影モードと、カメラ本体を机上などに載置して使用する場合の動作モードとして、セルフタイマ撮影モードおよび自動再生モードとを含む複数の動作モードを備える携帯電子機器において、第1の本体筐体の撮影レンズを設けていない平面と第2の本体筐体の表示部を設けていない平面を当接させた状態が検出された場合には、上記通常撮影モードへと自動的に移行し、第1及び第2の本体筐体が断面「く」の字状となるように若干開いた状態が検出され、且つ、基本モードとして撮影モードが設定されている場合には、上記セルフタイマ撮影モードへと自動的に移行し、第1及び第2の本体筐体が断面「く」の字状となるように若干開いた状態が検出され、且つ、基本モードとして再生モードが設定されている場合には、上記自動的に表示画像を切り換える再生モードへと自動的に移行することができ、各動作モードに適した状態に機器を保持または載置するだけで、速やかに、基本モードの設定に応じた各種撮影や再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態に係るデジタルスチルカメラの外観構成を示す斜視図。
【図2】 同実施の形態に係るカメラを自立させて使用する状態を示す図。
【図3】 同実施の形態に係る回動角度の検出構造を説明する図。
【図4】 同実施の形態に係る全体の回路構成を示すブロック図。
【図5】 同実施の形態に係る主として所定の角度検出に関する処理内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…デジタルスチルカメラ、11…第1の本体筐体、12…第2の本体筐体、13…ヒンジ部、14…撮影レンズ鏡筒、15…ストロボ発光部、16…マイクロホン(MIC)、17…セルフタイマインジケータ、18…レンズよけ凹部、19…スピーカ(SP)、20…メニューキー、21…回転ダイヤル、22…セットキー、23…表示部、24…シャッタキー、25a〜25d…滑り止め部、31…回動軸、32a〜32d…凹部、33…マイクロスイッチ、33a…バネ、33b…可動切片、33c,33d…金属接点、34…凹部、35…凸部、36…バネ、41…回動軸、42a〜42d…凹部、43…マイクロスイッチ、51…モータ(M)、52…レンズ光学系、53…CCD、54…タイミング発生器(TG)、55…垂直ドライバ、56…サンプルホールド回路(S/H)、57…A/D変換器、58…カラープロセス回路、59…DMAコントローラ、60…DRAMインタフェース(I/F)、61…DRAM、62…制御部、63…VRAMコントローラ、64…VRAM、65…デジタルビデオエンコーダ、66…キー入力部、67…JPEG回路、68…メモリカード、69…内蔵メモリ、70…音声処理部、71…USBインタフェース(I/F)、72…角度検出部、73…ストロボ駆動部。
Claims (5)
- 少なくとも一方の平面に撮影レンズを設けた平板状の第1の本体筐体と、
少なくとも一方の平面に表示部を設けた第2の本体筐体と、
上記第1及び第2の本体筐体の各端面に対して取付けられてこれらを接続するとともに、上記第1及び第2の本体筐体とを回動自在に支持するヒンジ機構と、
上記第1及び第2の本体筐体の上記ヒンジ機構を形成した端面と相対向する端面に突出形成された滑り止め部と、
上記第1及び第2の本体筐体とヒンジ機構との角度が、上記第1の本体筐体の撮影レンズを設けていない平面と上記第2の本体筐体の表示部を設けていない平面が当接した第1の角度と、上記滑り止め部を利用した自立が可能な上記第1の角度とは異なる第2の角度と、上記第1の角度及び上記第2の角度とは異なる第3の角度のうち、いずれの角度であるかを検出する検出手段と、
上記検出手段により上記第1の角度が検出された場合には、シャッタ操作のタイミングで撮影記録を行う通常撮影モードへ移行し、上記検出手段により上記第2の角度が検出された場合には、シャッタ操作から一定時間経過後に撮影記録を行なうセルフタイマ撮影モードまたは撮影記録された複数の画像データを自動的に切り換えながら上記表示部で表示する再生モードへ移行し、上記検出手段により上記第3の角度が検出された場合には、上記通常撮影モード、上記セルフタイマ撮影モード及び上記再生モードのいずれの動作モードへも移行しないモード制御手段と、
基本モードとして、記録モードと再生モードのいずれかを設定する基本モード設定手段と、
を備え、
上記モード制御手段は、上記検出手段により上記第2の角度が検出された場合であって、上記基本モード設定手段により記録モードが設定されている場合には、シャッタ操作から一定時間経過後に撮影記録を行なうセルフタイマ撮影モードに移行し、上記検出手段により上記第2の角度が検出された場合であって、上記基本モード設定手段により再生モードが設定されている場合には、撮影記録された複数の画像データを自動的に切り換えながら上記表示部で表示する再生モードへ移行することを特徴とする携帯電子機器。 - 上記第3の角度は、上記第1の本体筐体の撮影レンズを設けた平面と上記第2の本体筐体の表示部を設けた平面が当接した収納状態の角度であることを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
- 上記第1及び第2の本体筐体とヒンジ機構の少なくとも一方に設けられ、上記第2の角度において上記第1及び第2の本体筐体とヒンジ機構とを係合してクリック感を与える係合部をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至2いずれか記載の携帯電子機器。
- 上記ヒンジ機構は、上記第1及び第2の本体筐体をそれぞれ回動自在に支持する2軸構造を有し、
上記滑り止め部は、上記第1及び第2の筐体の上記ヒンジ機構を形成した端面と相対向する各端面にそれぞれ少なくとも1個以上、且つ合計で3個以上突出形成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の携帯電子機器。 - 上記撮影レンズを用いた撮影で得る画像データを記録する記録手段をさらに具備し、
上記再生モードは、上記記録手段に記録された画像データを上記表示部で表示する再生モードであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の携帯電子機器。
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