JP4406953B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、スロットマシーン等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技機の一例であるパチンコ機として、複数の図柄を表示可能な図柄表示部を有しており、図柄始動口に遊技球が入賞した場合に、図柄表示部に表示された図柄が変動を開始し、所定時間後に確定表示(停止表示)となり、確定表示となった図柄が予め設定された「大当たり図柄」(たとえば、「7,7,7」)である場合に、遊技者にとって有利な「大当たり状態」が生起し、大入賞口が所定回数だけ断続的に開成するもの(いわゆる、図柄合わせタイプのパチンコ機)が知られている。かかるパチンコ機においては、図柄表示部に表示する図柄の制御は、メイン制御装置から、図柄表示部に、非常に短い時間間隔で(たとえば、約2ms間隔で)定期的にコマンドが送信され、それらのコマンドによって、図柄表示部が、いわばコマ送り的に図柄を変動させたり、停止させたりすることによって行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の図柄合わせタイプのパチンコ機は、メイン制御装置から、図柄表示部に、非常に短い時間間隔で常にコマンドを送り続けるものであるため、送信エラーが発生し易い、という問題点がある。また、不正遊技者によって、メイン制御装置から図柄表示部へ送信されるコマンドがモニタリングされてしまった場合に、大当たり状態を生起させる制御の方法等が解析されて悪用され易い、という欠点もある。その上、メイン制御装置の容量の大部分が、図柄表示部へコマンドを送信することに利用されるため、効果音や電飾ランプの発光態様等の内容が淡泊なものとなりがちであった。
【0004】
本発明の目的は、上記従来の図柄合わせタイプのパチンコ機が有する課題を解消し、送信エラーが発生しにくく、大当たり状態を生起させる制御の方法等が解析されにくい上、効果音や電飾ランプの発光態様等の内容がバラエティーに富んでおり、趣向性の高い遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち、請求項1に記載された発明は、複数の図柄を表示可能な図柄表示部が設けられており、所定条件を充足した場合に、その図柄表示部に表示された図柄が変動した後に確定表示となり、確定表示となった図柄が大当たり図柄である場合には、遊技者にとって価値のある特別遊技状態が生起する遊技機であって、図柄変動制御装置がメイン制御装置と別個に設けられており、図柄変動制御装置に設けられた記憶手段に、前記図柄表示部における図柄の変動態様が、図柄の変動を継続させる変動継続時間毎に夫々対応した状態で記憶され、さらに、変動継続時間が所定時間以上となるリーチ態様変動継続時間に対応する変動態様については、変動継続時間が同一となる変動態様が複数記憶されているとともに、図柄変動制御装置は、前記変動継続時間が同一となる複数の変動態様うちから1つの変動態様を乱数によって選択する乱数選択手段を備えており、前記所定条件を充足した場合に、メイン制御装置が、図柄変動制御装置に、変動継続時間を含めた第1コマンドを送信した後、確定表示する図柄を含めた第2コマンドを送信し、しかる後、図柄を停止させる旨を含めた第3コマンドを送信する一方、図柄変動制御装置が、第1コマンドの受信をもって、前記乱数選択手段が1つの数値を取得するとともに前記第1コマンドに含まれている変動継続時間がリーチ態様変動継続時間であるか否かを判断し、リーチ態様変動継続時間である場合には変動継続時間が同じとなる複数の変動態様の中から乱数選択手段が取得した数値に対応する変動態様を選択して呼び出す一方、リーチ態様変動継続時間でない場合には取得した数値を参酌することなく変動継続時間に対応した変動態様を呼び出した後、図柄の変動を開始させ、第1コマンドに含まれた変動継続時間だけ、呼び出した変動態様によって図柄の変動を継続するとともに、第3コマンドの受信をもって、第2コマンドに含まれた図柄を確定表示することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の遊技機の一実施形態であるパチンコ機について、図面に基いて詳細に説明する。
【0008】
[実施例1]
図1は、実施例1のパチンコ機1aの正面を示したものであり、パチンコ機1aの正面の中央よりやや上方には略円形の遊技領域2が設けられている。そして、遊技領域2の下方には、供給皿14と貯留皿16とが上下に連設されており、貯留皿16の右サイドには、発射ハンドル15が突設されている。また、遊技領域2の中央上部には、図柄表示部3が設けられている。図柄表示部3は、1枚の液晶板によって形成された液晶画面33を有しており、その液晶画面33の左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12の各表示部位に、一桁の数字や一文字のアルファベット等(たとえば、「0」〜「9」、「A」〜「E」)の所定種類の特別図柄を表示することができるようになっている(なお、左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12に表示される特別図柄を、それぞれ、左図柄、右図柄、中図柄という)。
【0009】
さらに、図柄表示部3の上方には、メモリーランプ25,25・・が設けられており、図柄表示部3の下方には、チューリップ形状の普通電動役物(図柄始動口)4が設けられている。そして、その普通電動役物4の内部には、遊技球の入賞を検出する遊技球検出装置40(図3参照)が設けられている。また、普通電動役物4の両サイドには、それぞれ、変動入賞領域である左ゲート5および右ゲート6が設けられており、普通電動役物4の下側には、扉が前方へ開閉する形状の大入賞口7が設置されている。さらに、大入賞口7の下側には、普通図柄表示領域9が設けられている。普通図柄表示領域9は、7セグメントのLED板によって形成されており、そのLED板に、一桁の数字や記号等の所定種類の普通図柄を表示することができるようになっている。なお、図1に示されるように、遊技領域2には、上記部材の他に、サイドランプ23,23、電飾ランプ8,8・・、種々の入賞口、風車、および多数の障害釘等が設けられている。
【0010】
一方、図2は、パチンコ機1aの裏面を示したものであり、パチンコ機1aの中央よりやや下側には、パチンコ機1aの作動内容を制御するメイン制御装置17が設置されている。また、メイン制御装置17の上方に位置した図柄表示部3には、液晶画面33に表示する特別図柄を制御するための図柄変動制御装置18が内蔵されており、メイン制御装置17と接続された状態になっている。さらに、図柄表示部3の右側(パチンコ機1aの裏面から見た場合の右側)には、遊技球払出装置36が設置されている。
【0011】
また、図3は、パチンコ機1aの制御機構を示したものであり、メイン制御装置17と接続された図柄変動制御装置18には、サブCPU19、サブROM20、サブRAM21、周辺機器用I/Oコントローラ22、メインROM(記憶手段)27、I/Oコントローラ28、メインCPU29、グラフィックエンジン30、メインRAM31、液晶コントローラ32、低速バス24、高速バス26等が設けられている。そして、サブCPU19がメイン制御装置17と接続され、液晶コントローラ32が液晶画面33に接続された状態になっている。さらに、周辺機器用I/Oコントローラ22には、図柄検査装置等の外部機器と接続するための外部出力端子35が設けられている。加えて、メイン制御装置17には、ROM37、RAM38、タイマ(図示せず)等が設けられているとともに、インターフェイス43を介して、普通図柄表示領域9、遊技球検出装置40、各種入賞口を開閉作動させるための作動装置(ソレノイド等)44、メモリーランプ25、効果音を発生させるためのスピーカ13、電飾ランプ8等が接続されている。
【0012】
また、メイン制御装置17には、普通図柄の「当たり」を決定するaカウンタ、普通図柄の「はずれ図柄」を決定するbカウンタ、「大当たり」の生起を決定するcカウンタ、特別図柄の変動を継続する時間(すなわち、「変動継続時間」)を決定するdカウンタおよびhカウンタ、図柄表示部3に「はずれ図柄」を確定表示する場合に各表示部位10〜12に確定表示する「確定表示図柄」(左図柄・右図柄・中図柄)を決定するe〜gカウンタ等のループカウンタが内蔵されている。
【0013】
各ループカウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっており、aカウンタは、0〜99(100通り)の間を、bカウンタは、0,1(2通り)の間を、cカウンタは、0〜310(311通り)の間を、dカウンタは、0〜310(311通り)の間を、eカウンタは、0〜14(15通り)の間を、hカウンタは、0〜18(19通り)の間を、それぞれループカウントするようになっている。さらに、fカウンタは、0〜14(15通り)の間を、eカウンタの数値が14から0になる毎に(すなわち、15割込のうちに)1ずつ加算しながらループカウントするようになっており、gカウンタは、0〜14(15通り)の間を、fカウンタが14から0になる毎に(すなわち、225割込のうちに)1ずつ加算しながらループカウントするようになっている。
【0014】
また、メイン制御装置17のROM37の内部には、図4の如きbカウンタの数値に対応した「はずれ図柄」、図5の如きe〜gカウンタの数値に対応した「確定表示図柄」(左図柄、右図柄、中図柄)、図6の如きdカウンタの数値に対応した「変動継続時間」、図7の如きhカウンタの数値に対応した「変動継続時間」等が記憶されている。なお、dカウンタの数値に対応した「変動継続時間」のうち24秒以上のもの、およびhカウンタの数値に対応した「変動継続時間」は、後述する「リーチ変動態様」に対応した「変動継続時間」である(以下、この「リーチ変動態様」に対応した「変動継続時間」を「リーチ態様変動継続時間」という)。一方、図柄変動制御装置18のメインROM27には、図8の如き特別図柄を変動させる態様である「図柄変動パターン」(第1〜第24変動パターン)等が記憶されている。なお、「図柄変動パターン」のうち第4〜第24変動パターンは、後述する「リーチ変動態様」に対応した「図柄変動パターン」である(以下、この「リーチ変動態様」に対応した「図柄変動パターン」を「リーチ態様変動パターン」という)。
【0015】
以下、実施例1のパチンコ機1aの作動内容について説明する。
【0016】
遊技者等によって発射ハンドル15が回動操作された場合には、発射装置(図示せず)によって、遊技球が遊技領域2に打ち込まれる。打ち込まれた遊技球が各種入賞口に入賞した場合には、賞品球として、所定数の遊技球が、遊技球払出装置36によって払い出される。また、遊技領域2に打ち込まれた遊技球が、左ゲート5あるいは右ゲート6を通過した場合には、普通図柄表示領域9に表示された普通図柄が変動を開始すると同時に、通過した瞬間に、aカウンタが、ループカウントしている数値の中から1つの数値を選択する。さらに、普通図柄の変動開始と同時に、「当たり判定」が行われ、aカウンタによって選択された数値が何であるか判断される。そして、aカウンタによって選択された数値が所定の10通りの数値であると判断された場合には「当たり」となり、その他の場合(90通り)には「はずれ」となる。
【0017】
「当たり」となった場合には、普通図柄の変動開始から所定時間(たとえば、約29秒)後に、普通図柄表示領域9に所定の「当たり図柄」(たとえば、「7」)が表示されるとともに、普通電動役物4が所定時間(たとえば、約0.5秒間)開成する。なお、普通電動役物4は、閉成時においても、開成時に比べて低い確率ではあるが、遊技球が入賞可能になっている。また、「はずれ」と判定された場合には、bカウンタが選択した数値に対応した「はずれ図柄」(図4参照)が、新たな普通図柄として、普通図柄の変動開始から所定時間(たとえば、約29秒)後に、普通図柄表示領域9に表示される。
【0018】
そして、開成中あるいは閉成中の普通電動役物4に遊技球が入賞した場合には、その入賞が普通電動役物4に内蔵された遊技球検出装置40によって検出され、メイン制御装置17に入賞検出信号が送信される。
【0019】
メイン制御装置17に入賞検出信号が送信されると、c〜hカウンタが、それぞれ、ループカウントしている数値の中から1つの数値を選択する(以下、メイン制御装置17に入賞検出信号が送信された直後におけるc〜hカウンタによる数値の選択を「抽選」という)。そして、「抽選」において、cカウンタが所定の「大当たり数値」(たとえば、“7”)を選択したと判断された場合には、「大当たり」が生起し、「大当たり数値」以外の数値を選択したと判断された場合には、「はずれ」となる(したがって、1回の「抽選」における「大当たり」の生起確率は、1/311である)。
【0020】
一方、メイン制御装置17は、図9の如きフローチャートにしたがって、「コマンド作成・送信プログラム」を繰り返し実行している。かかる「コマンド作成・送信プログラム」においては、まず、ステップ(以下、単にSで示す)で、「抽選」におけるcカウンタの選択数値が、「大当たり数値」に対応した数値であるか否か判断される。そして、「YES」と判断された場合には、S2で、「抽選」におけるhカウンタの選択数値に対応した「変動継続時間」(図7参照)が、ROM37から呼び出される。そして、S3で、呼び出された「変動継続時間」に基づいて、図柄変動開始後に、その「変動継続時間」だけ特別図柄を継続して変動させるコマンドが作成され、続くS4で、作成されたコマンドが、「第1コマンド」として、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送信される。
【0021】
さらに、S5で、「抽選」におけるeカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」(図5参照)が、ROM37から呼び出される。そして、呼び出された情報に基づいて、S6で、「抽選」におけるeカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」を液晶画面33の左表示部位10に確定表示させるコマンドと、同じ「確定表示図柄」を液晶画面33の右表示部位11に確定表示させるコマンドと、同じ「確定表示図柄」を液晶画面33の中表示部位12に確定表示させるコマンドとが作成される。そして、S7で、作成された3つのコマンドが、「第2コマンド」として、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送信される。したがって、「抽選」においてcカウンタが「大当たり数値」を選択したと判断された場合には、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18へ、「リーチ態様変動継続時間」だけ図柄を継続して変動させる旨を含めた「第1コマンド」が送信されるとともに、左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12に同一の特別図柄を確定表示させる旨を含めた「第2コマンド」が送信される。
【0022】
一方、S1で、「NO」と判断された場合(すなわち、「抽選」においてcカウンタが「大当たり数値」を選択しなかったと判断された場合)には、S8で、「抽選」におけるdカウンタの選択数値が、“0〜289”であるか否か(すなわち、「リーチ態様変動継続時間」に対応していない数値であるか否か)判断される。そして、「YES」と判断された場合には、S9で、「抽選」におけるeカウンタの選択数値が「抽選」におけるgカウンタの選択数値と同一であるか否か判断される。そして、「NO」であると判断された場合には、そのまま、S11が実行され、「抽選」におけるhカウンタの選択数値に対応した「変動継続時間」が、ROM37から呼び出される。一方、S8で、「YES」であると判断された場合には、S10が実行され、gカウンタの選択した数値に“1”が加算された後に、S11が実行される。そして、S11が実行された後には、S12で、呼び出された「変動継続時間」に基づいて、呼び出された「変動継続時間」だけ特別図柄を継続して変動させるコマンドが作成され、続くS13で、作成されたコマンドが、「第1コマンド」として、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送信される。
【0023】
さらに、S14で、「抽選」におけるeカウンタおよびgカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」が、ROM37から呼び出される。そして、呼び出された情報に基づいて、S15で、「抽選」におけるeカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」を液晶画面33の左表示部位10に確定表示させるコマンドと、特別図柄の変動後に、同じ「確定表示図柄」を液晶画面33の右表示部位11に確定表示させるコマンドとが作成されるとともに、「抽選」におけるgカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」を液晶画面33の中表示部位12に確定表示させるコマンドが作成される。しかる後、S16で、作成された3つのコマンドが、「第2コマンド」として、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送信される。したがって、「抽選」の結果、「はずれ」となった場合であって、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18へ、特別図柄を「リーチ態様変動継続時間」だけ継続して変動させる旨を含めた「第1コマンド」が送信される場合には、液晶画面33の左表示部位10、右表示部位11に同一の特別図柄を確定表示させる旨と、液晶画面33の中表示部位12に左表示部位10および右表示部位11と異なる特別図柄を確定表示させる旨とを含めた「第2コマンド」が送信される。
【0024】
一方、S8で、「NO」と判断された場合(すなわち、「抽選」において、cカウンタが「大当たり数値」を選択せず、dカウンタが「リーチ態様変動継続時間」に対応した数値を選択しなかった場合)には、S17で、「抽選」におけるeカウンタの選択数値が、「抽選」におけるfカウンタの選択数値と同一であるか否か判断される。そして、「NO」と判断された場合には、そのままS19が実行され、「抽選」におけるdカウンタの選択数値に対応した「変動継続時間」が、ROM37から呼び出される。一方、S17で、「YES」であると判断された場合には、S18が実行され、fカウンタの選択した数値に“1”が加算された後に、S19が実行される。そして、S19が実行された後には、S20で、呼び出された「変動継続時間」に基づいて、呼び出された「変動継続時間」だけ特別図柄を継続して変動させるコマンドが作成され、続くS21で、作成されたコマンドが、「第1コマンド」として、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送信される。
【0025】
さらに、S22で、「抽選」におけるe〜gカウンタの選択数値に対応した3つの「確定表示図柄」が、ROM37から呼び出される。そして、呼び出された情報に基づいて、S23で、「抽選」におけるeカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」を液晶画面33の左表示部位10に確定表示させるコマンドと、「抽選」におけるfカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」を液晶画面33の右表示部位11に確定表示させるコマンドと、「抽選」におけるgカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」を液晶画面33の中表示部位12に確定表示させるコマンドとが作成される。しかる後、S24で、作成された3つのコマンドが、「第2コマンド」として、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送信される。したがって、「はずれ」となった場合であって、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18へ、「リーチ態様変動継続時間」以外の「変動継続時間」だけ特別図柄を継続して変動させる旨を含めた「第1コマンド」が送信される場合には、液晶画面33の左表示部位10と右表示部位11とに異なる特別図柄を確定表示させる旨を含めた「第2コマンド」が送信される。
【0026】
一方、図柄変動制御装置18は、「第1コマンド」を受信すると、メインROM27内に記憶されている「図柄変動パターン」(図8参照)を呼び出す。また、液晶画面33の各表示部位10〜12に表示された左図柄・右図柄・中図柄の変動を開始させ、呼び出された「図柄変動パターン」にしたがって、「第1コマンド」に含まれた「変動継続時間」だけ、特別図柄の変動を継続させる。なお、特別図柄の変動は、液晶画面33中の各表示部位10〜12において、「一桁の数字や一文字のアルファベット等が上から下へスクロールして別の数字やアルファベット等に切り替わる動画」を表示すること等によって行われる。また、「図柄変動パターン」の種類に応じて(第1〜第24変動パターンのうちのどれであるかによって)、特別図柄のスクロールの速度、スクロール中に表示されるメッセージやキャラクター等が異なっている。
【0027】
また、メイン制御装置17は、「第1コマンド」を送信した後、タイマが時間の計測を開始し、「第1コマンド」に含まれている「変動継続時間」が経過した時点で、液晶画面33の各表示部位10〜12において変動している特別図柄を停止するための「第3コマンド」を作成し、作成した「第3コマンド」を図柄変動制御装置18に送信する。なお、図10は、メイン制御装置17が図柄変動制御装置18に「第1コマンド」〜「第3コマンド」を送信する際のタイムチャートを示したものであり、「第1コマンド」C1が送信された後、1割込毎に、「第2コマンド」である3つのコマンドC2−1,C2−2,C2−3が送信され、しかる後、「変動継続時間」の経過後に、「第3コマンド」C3が送信される。
【0028】
一方、図柄変動制御装置18は、「第3コマンド」を受信すると、液晶画面33の各表示部位10〜12において変動している特別図柄を、左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12の順に停止させ、最終的に、「第2コマンド」として送信された3つのコマンドに含まれた「確定表示図柄」を、左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12に確定表示する。また、「第1コマンド」を受信した後にメインROM27から呼び出された「図柄変動パターン」が「リーチ態様変動パターン」である場合には、左表示部位10、右表示部位11に「確定表示図柄」を確定表示した後に、中表示部位12で未だ変動している特別図柄を、通常と異なる「リーチ変動態様」によって、高速で変動させたり低速で変動させたりした後に、中表示部位12に「確定表示図柄」を確定表示する。
【0029】
したがって、「抽選」においてcカウンタが「大当たり数値」を選択した場合(すなわち、「大当たり」が生起した場合)には、液晶画面33の各表示部位10〜12に、3つの同一の特別図柄(たとえば、「1,1,1」、以下「大当たり図柄」という)が確定表示され、cカウンタが「大当たり数値」以外の数値を選択した場合(すなわち、「はずれ」となった場合)には、液晶画面33の各表示部位10〜12に、少なくとも1つが異なる3つの特別図柄(たとえば、「1,2,3」)が確定表示される。
【0030】
そして、液晶画面33に「大当たり図柄」が確定表示された場合には、遊技者にとって有利な特別遊技状態である「大当たり状態」が生起し、大入賞口7が、きわめて高い確率で、所定時間(たとえば、約25秒)あるいは所定個数(たとえば、9個)の遊技球の入賞を検出するまでの開成を、所定回数だけ断続的に繰り返す。また、「大当たり状態」が生起した場合には、スピーカ13から効果音が発生するとともに、サイドランプ23,23、電飾ランプ8,8・・等が点滅して、雰囲気が盛り上げられる。
【0031】
パチンコ機1aは、上記の如く、図柄変動制御装置18がメイン制御装置17と別個に設けられているとともに、図柄変動制御装置18に設けられたメインROM27に、特別図柄の変動を継続させる「変動継続時間」に対応した複数の「図柄変動パターン」が記憶されている。そして、パチンコ機1aにおいては、所定条件を充足した場合に(すなわち、普通電動役物4に遊技球が入賞した場合に)、メイン制御装置17が、図柄変動制御装置18に、「変動継続時間」を含めた「第1コマンド」を送信した後、確定表示する特別図柄を含めた「第2コマンド」を送信し、しかる後、特別図柄を停止させる旨を含めた「第3コマンド」を送信する一方、図柄変動制御装置18が「第1コマンド」を受信することにより、特別図柄が変動を開始し、第1コマンドに含まれた「変動継続時間」だけ、対応した「図柄変動パターン」によって特別図柄の変動を継続するとともに、図柄変動制御装置18が「第3コマンド」を受信することにより、「第2コマンド」に含まれた「特別図柄」が確定表示される。したがって、パチンコ機1aは、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送るコマンドがきわめて少ないため(すなわち、従来のパチンコ機のように、メイン制御装置から図柄表示部に常にコマンドを送り続けるものでないため)、送信エラーが発生しにくく、「大当たり状態」を生起させる制御の方法等が解析されにくい。
【0032】
また、パチンコ機1aは、メイン制御装置17が、図柄変動制御装置18に「第1〜第3コマンド」を送る以外は、他の部材の作動を制御するために機能するので、部材の作動制御の信頼性が高い上、スピーカ13による効果音やサイドランプ23,23・・、電飾ランプ8,8・・の発光態様等の内容がバラエティーに富んでおり、趣向性が高い。
【0033】
さらに、パチンコ機1aは、図柄変動制御装置18に外部出力端子35が設けられているので、その外部出力端子35を利用して、図柄変動制御装置18のメインROM27等の内容を簡単にチェックすることができる。
【0034】
[実施例2]
実施例2のパチンコ機1bの構成は、実施例1のパチンコ機1aの構成と略同様であるが、制御機構の内容が、パチンコ機1aと異なっている。パチンコ機1bの図柄変動制御装置18には、図柄の「変動パターン」を選択する選択手段である乱数選択部が設けられている。また、パチンコ機1bの図柄変動制御装置18のメインROM27には、乱数選択部によって選択される乱数に対応した「図柄変動パターン」(第1〜第19変動パターン)が記憶されている。パチンコ機1bのその他の部分の構成は、実施例1のパチンコ機1aと同様である。
【0035】
かかるパチンコ機1bは、図柄変動制御装置18が、「第1コマンド」を受信すると、乱数選択部が1つの乱数を選択し、その乱数に対応した「図柄変動パターン」を、メインROM27から呼び出すとともに、液晶画面33の各表示部位10〜12に表示された左図柄・右図柄・中図柄の変動を開始させ、呼び出された「図柄変動パターン」にしたがって、「第1コマンド」に含まれた「変動継続時間」だけ、特別図柄の変動を継続させる。なお、図柄変動制御装置18が、「第1コマンド」に含まれた「変動継続時間」が「リーチ態様変動継続時間」でないと判断した場合には、乱数選択部が選択した数値は参酌されず、「リーチ態様変動パターン」以外の「図柄変動パターン」によって、特別図柄を変動させる。
【0036】
上記パチンコ機1bも、実施例1のパチンコ機1aと同様に、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送るコマンドがきわめて少ないため、送信エラーが発生しにくく、「大当たり状態」を生起させる制御の方法等が解析されにくい。また、実施例1のパチンコ機1aと同様に、メイン制御装置17が、図柄変動制御装置18に「第1〜第3コマンド」を送る以外は、他の部材の作動を制御するために機能するので、部材の作動制御の信頼性が高い上、スピーカ13による効果音やサイドランプ23,23・・、電飾ランプ8,8・・の発光態様等の内容がバラエティーに富んでおり、趣向性が高い。さらに、パチンコ機1bは、図柄変動制御装置18が「第1コマンド」を受信すると、乱数選択部が複数の「図柄変動パターン」の中から1つの「図柄変動パターン」を選択し、その「図柄変動パターン」によって特別図柄を変動させるものであり、同じ「変動継続時間」であっても異なる「図柄変動パターン」によって、特別図柄が変動し得るため、特別図柄の変動態様がバラエティーに富んでおり、きわめて趣向性が高い。
【0037】
なお、本発明の遊技機の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、各種入賞口、図柄表示部、普通電動役物、メモリーランプ、各種ゲート、大入賞口、電飾ランプ、普通図柄表示領域、供給皿、発射ハンドル、貯留皿、メイン制御装置、図柄変動制御装置、各種ループカウンタ、遊技球検出装置、遊技球払出装置、乱数選択部等の形状・構造・機能・設置態様等、普通図柄・特別図柄の変動態様・表示態様、「当たり図柄」・「大当たり図柄」の種類、「当たり」・「大当たり」の生起確率、「抽選」の方法、「大当たり状態」における遊技内容(「大当たり状態」における大入賞口の開成態様等)、「リーチ変動態様」の内容等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更できる。
【0038】
たとえば、本発明の遊技機は、遊技球が所定のゲートを通過した場合に普通図柄を変動させるパチンコ機に限定されず、遊技球が所定の入賞口に入賞した場合に普通図柄を変動させるものや、遊技球が所定のゲートを通過した場合あるいは所定の入賞口に入賞した場合に特別図柄が変動するものでも良い。また、図柄表示部に3つの表示部位が設けられたものに限定されず、4つ以上の表示部位が設けられており、それらの各表示部位に表示された特別図柄が所定の組合せとなった場合に「大当たり状態」が生起するものでも良い。加えて、変動を開始した3つの特別図柄が、左、右、中の順に停止するものに限定されず、左、中、右等の順に停止するものでも良い。
【0039】
さらに、本発明の遊技機は、メイン制御装置が、図柄変動制御装置に、変動継続時間を含めた「第1コマンド」を送信した後に、確定表示する図柄を含めた「第2コマンド」を送信するものに限定されず、メイン制御装置が、図柄変動制御装置に、確定表示する図柄を含めた「第1コマンド」を送信した後に、変動継続時間を含めた「第2コマンド」を送信するものでも良い。なお、メイン制御装置が、変動継続時間を含めた「第1コマンド」を送信した後に、確定表示する図柄を含めた「第2コマンド」を送信するように構成した場合には、液晶画面上で表示エラーが起こりにくくなる、というメリットがある。また、本発明の遊技機は、メイン制御装置が、変動継続時間を含めたコマンドと、確定表示する図柄を含めたコマンドと、図柄を停止させる旨を含めたコマンドとの3つのコマンドのみを図柄変動制御装置に送信するものに限定されず、その他のコマンドを送信するものでも良い。加えて、メイン制御装置においてコマンドを作成したり、送信したりするための方法も、上記実施形態の如きプログラムに何ら限定されず、種々のプログラムを用いることができる。また、場合によっては、予めコマンドをROM等に記憶しておき、必要に応じて適宜呼び出して送信する方法を採用することもできる。
【0040】
また、本発明の遊技機は、「大当たり図柄」を表示する場合に、図柄の変動開始から確定表示までの間に、確定表示する「大当たり図柄」と同一あるいは異なる「大当たり図柄」を一旦停止表示するものでも良いし、所定の「大当たり図柄」(たとえば、「3,3,3」)が表示されて「大当たり状態」が生起した場合に、「大当たり状態」が終了した後に、通常より高い確率で「当たり」や「大当たり」を生起させる「高確率状態」等が生起するものでも良い。
【0041】
なお、上記実施形態においては、本発明の遊技機を、いわゆる第1種のパチンコ機に応用した一例について説明したが、本発明の遊技機は、いわゆる第3種のパチンコ機等の異なる形式のパチンコ機や、テレビゲーム等に応用することも可能である。
【0042】
【発明の効果】
請求項1に記載された遊技機は、メイン制御装置から図柄変動制御装置に送るコマンドがきわめて少ないため、送信エラーが発生しにくく、「大当たり状態」を生起させる制御の方法等が解析されにくい。また、メイン制御装置が、図柄変動制御装置に所定数のコマンドを送る以外は、他の部材の作動を制御するために機能するので、部材の作動制御の信頼性が高い上、効果音や電飾ランプの発光態様等の内容がバラエティーに富んでおり、趣向性が高い。
さらに、図柄変動制御装置は、第1コマンドを受信すると、第1コマンドに含まれている変動継続時間がリーチ態様変動継続時間であるか否かを判断し、リーチ態様変動継続時間である場合には、変動継続時間が同じとなる複数の変動態様の中から第1コマンドの受信をもって乱数選択手段が取得した数値に対応する変動態様を選択し、その変動態様によって、図柄を変動させるものであり、図柄の変動を継続する時間が同じ場合でも異なる態様によって図柄が変動し得るため、図柄の変動態様がバラエティーに富んでおり、きわめて趣向性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機の正面を示す説明図である。
【図2】パチンコ機の背面を示す説明図である。
【図3】パチンコ機の制御機構を示す説明図である。
【図4】bカウンタの数値と対応した「はずれ図柄」を示す説明図である。
【図5】e〜gカウンタの値と対応した「確定表示図柄」を示す説明図である。
【図6】dカウンタの数値と対応した「変動継続時間」を示す説明図である。
【図7】hカウンタの数値と対応した「変動継続時間」を示す説明図である。
【図8】「変動継続時間」と対応した「図柄変動パターン」を示す説明図である。
【図9】メイン制御装置の作動内容を示すフローチャートである。
【図10】メイン制御装置が図柄変動制御装置に「第1コマンド」〜「第3コマンド」を送信する際のタイムチャートである。
【符号の説明】
1a,1b・・パチンコ機、2・・遊技領域、3・・図柄表示部、4・・普通電動役物、5・・左ゲート、6・・右ゲート、7・・大入賞口、8・・電飾ランプ、9・・普通図柄表示領域、10・・左表示部位、11・・右表示部位、12・・中表示部位、13・・スピーカ、14・・供給皿、15・・発射ハンドル、16・・貯留皿、17・・メイン制御装置、18・・図柄変動制御装置、19・・サブCPU、20・・サブROM、21・・サブRAM、22・・周辺機器用I/Oコントローラ、23・・サイドランプ、24・・低速バス、25・・メモリーランプ、26・・高速バス、27・・メインROM(記憶手段)、28・・I/Oコントローラ、29・・メインCPU、30・・グラフィックエンジン、31・・メインRAM、32・・液晶コントローラ、33・・液晶画面、35・・外部出力端子、36・・遊技球払出装置、37・・ROM、38・・RAM、40・・遊技球検出装置、43・・インターフェイス、44・・作動装置。
Claims (1)
- 複数の図柄を表示可能な図柄表示部が設けられており、所定条件を充足した場合に、その図柄表示部に表示された図柄が変動した後に確定表示となり、確定表示となった図柄が大当たり図柄である場合には、遊技者にとって価値のある特別遊技状態が生起する遊技機であって、
図柄変動制御装置がメイン制御装置と別個に設けられており、
図柄変動制御装置に設けられた記憶手段に、前記図柄表示部における図柄の変動態様が、図柄の変動を継続させる変動継続時間毎に夫々対応した状態で記憶され、さらに、変動継続時間が所定時間以上となるリーチ態様変動継続時間に対応する変動態様については、変動継続時間が同一となる変動態様が複数記憶されているとともに、図柄変動制御装置は、前記変動継続時間が同一となる複数の変動態様うちから1つの変動態様を乱数によって選択する乱数選択手段を備えており、
前記所定条件を充足した場合に、
メイン制御装置が、図柄変動制御装置に、変動継続時間を含めた第1コマンドを送信した後、確定表示する図柄を含めた第2コマンドを送信し、しかる後、図柄を停止させる旨を含めた第3コマンドを送信する一方、
図柄変動制御装置が、第1コマンドの受信をもって、前記乱数選択手段が1つの数値を取得するとともに前記第1コマンドに含まれている変動継続時間がリーチ態様変動継続時間であるか否かを判断し、リーチ態様変動継続時間である場合には変動継続時間が同じとなる複数の変動態様の中から乱数選択手段が取得した数値に対応する変動態様を選択して呼び出す一方、リーチ態様変動継続時間でない場合には取得した数値を参酌することなく変動継続時間に対応した変動態様を呼び出した後、図柄の変動を開始させ、第1コマンドに含まれた変動継続時間だけ、呼び出した変動態様によって図柄の変動を継続するとともに、第3コマンドの受信をもって、第2コマンドに含まれた図柄を確定表示することを特徴とする遊技機。
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