以下、本発明の遊技機の一実施形態であるパチンコ機について、図面に基いて詳細に説明する。
[実施例1]
図1は、実施例1のパチンコ機1aの正面を示したものであり、パチンコ機1aの正面の中央よりやや上方には略円形の遊技領域2が設けられている。そして、遊技領域2の下方には、供給皿14と貯留皿16とが上下に連設されており、貯留皿16の右サイドには、発射ハンドル15が突設されている。また、遊技領域2の中央上部には、図柄表示部3が設けられている。図柄表示部3は、1枚の液晶板によって形成された液晶画面33を有しており、その液晶画面33の左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12の各表示部位に、一桁の数字や一文字のアルファベット等(たとえば、「0」〜「9」、「A」〜「E」)の所定種類の特別図柄を表示することができるようになっている(なお、左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12に表示される特別図柄を、それぞれ、左図柄、右図柄、中図柄という)。
さらに、図柄表示部3の下方には、チューリップ形状の普通電動役物(図柄始動口)4が設けられており、その普通電動役物4の内部には、遊技球の入賞を検出する遊技球検出装置40(図3参照)が設けられている。また、普通電動役物4の両サイドには、それぞれ、変動入賞領域である左ゲート5および右ゲート6が設けられており、普通電動役物4の下側には、扉が前方へ開閉する形状の大入賞口7が設置されている。さらに、大入賞口7の下側には、普通図柄表示領域9が設けられている。普通図柄表示領域9は、7セグメントのLED板によって形成されており、そのLED板に、一桁の数字や記号等の所定種類の普通図柄を表示することができるようになっている。一方、図柄表示部3の上方には、特別図柄の変動中における普通電動役物4への入賞を記憶するメモリーランプ(変動記憶部)25,25・・が設けられている。なお、図1に示されるように、遊技領域2には、上記部材の他に、サイドランプ23,23、電飾ランプ8,8・・、種々の入賞口、風車、および多数の障害釘等が設けられている。
一方、図2は、パチンコ機1aの裏面を示したものであり、パチンコ機1aの中央よりやや下側には、パチンコ機1aの作動内容を制御するメイン制御装置17が設置されている。また、メイン制御装置17の上方に位置した図柄表示部3には、液晶画面33に表示する特別図柄を制御するための図柄変動制御装置18が内蔵されており、メイン制御装置17と接続された状態になっている。さらに、図柄表示部3の右側(パチンコ機1aの裏面から見た場合の右側)には、遊技球払出装置36が設置されている。
また、図3は、パチンコ機1aの制御機構を示したものである。メイン制御装置17には、ROM37、RAM38、タイマ(図示せず)等が設けられているとともに、インターフェイス43を介して、普通図柄表示領域9、遊技球検出装置40、各種入賞口を開閉作動させるための作動装置(ソレノイド等)44、メモリーランプ25、効果音を発生させるためのスピーカ13、電飾ランプ8等が接続されている。一方、図柄変動制御装置18には、図柄表示CPU29、ROM(記憶手段)27、RAM31、調整回路26、インターフェイス22,28、外部出力端子35等が設けられている。そして、図柄変動CPU29が、接続ケーブルを介してメイン制御装置17と接続され、インターフェイス28が液晶画面33に接続された状態になっている。さらに、外部出力端子35を利用して、図柄検査装置やパソコン等の外部機器と接続することができ、接続された外部機器へ出力することができるようになっている。なお、メイン制御装置17にも外部入出力端子(図示せず)が設けられており、図柄検査装置を外部出力端子35に接続して液晶画面33に表示する特別図柄等に関する情報を取り出す場合には、図柄検査装置をメイン制御装置17の外部入出力端子に接続して、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18へ送信する情報を取り出し、両方の情報を比較することもできるようになっている。
また、メイン制御装置17には、普通図柄の「当たり」を決定するaカウンタ、普通図柄の「はずれ図柄」を決定するbカウンタ、「大当たり」の生起を決定するcカウンタ、特別図柄の変動を継続する時間(すなわち、「変動継続時間」)を決定するdカウンタおよびhカウンタ、図柄表示部3に「はずれ図柄」を確定表示する場合に各表示部位10〜12に確定表示する「確定表示図柄」(左図柄・右図柄・中図柄)を決定するe〜gカウンタ等のループカウンタが内蔵されている。
各ループカウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっており、aカウンタは、0〜99(100通り)の間を、bカウンタは、0,1(2通り)の間を、cカウンタは、0〜310(311通り)の間を、dカウンタは、0〜310(311通り)の間を、eカウンタは、0〜14(15通り)の間を、hカウンタは、0〜18(19通り)の間を、それぞれループカウントするようになっている。さらに、fカウンタは、0〜14(15通り)の間を、eカウンタの数値が14から0になる毎に(すなわち、15割込のうちに)1ずつ加算しながらループカウントするようになっており、gカウンタは、0〜14(15通り)の間を、fカウンタが14から0になる毎に(すなわち、225割込のうちに)1ずつ加算しながらループカウントするようになっている。
また、メイン制御装置17のROM37の内部には、図4の如きbカウンタの数値に対応した「はずれ図柄」、図5の如きe〜gカウンタの数値に対応した「確定表示図柄」(左図柄、右図柄、中図柄)、図6の如きdカウンタの数値に対応した「変動継続時間」、図7の如きhカウンタの数値に対応した「変動継続時間」等が記憶されている。なお、dカウンタの数値に対応した「変動継続時間」のうち24秒以上のものは、後述する「リーチ変動態様」に対応した「変動継続時間」である(以下、この「リーチ変動態様」に対応した「変動継続時間」を「リーチ態様変動継続時間」という)。
一方、図柄変動制御装置18には、「図柄変動パターン」を選択するテーブルを決定する積算カウンタであるiカウンタが内蔵されている(iカウンタは、後述するように0〜3(4通り)の間を、積算しながらループカウントするようになっている)。また、図柄変動制御装置18のROM27には、特別図柄を変動させる態様である「図柄変動パターン」(第1〜第96パターン)が記憶されている。「図柄変動パターン」のうち、第1〜第24パターンは、麻雀をモチーフとした第1のカテゴリーに属しており、第25〜第48パターンは、花札をモチーフとした第2のカテゴリーに属しており、第49〜第72パターンは、トランプをモチーフとした第3のカテゴリーに属しており、第73〜第96パターンは、将棋をモチーフとした第4のカテゴリーに属している。そして、各「図柄変動パターン」は、カテゴリー毎に、図8の如く、A〜Dの4つのテーブルに分かれて記憶されている。なお、図12の如く、A〜Dの各テーブルは、iカウンタの数値と対応した状態になっている(iカウンタの数値と関連付けられて記憶されている)。また、図8の如く、A〜Dの各テーブルに含まれた「図柄変動パターン」は、それぞれ、メイン制御装置17のROM37に記憶された各「変動継続時間」と1:1に対応した状態になっている(「変動継続時間」と関連付けられて記憶されている)。加えて、A〜Dテーブルに記憶された「図柄変動パターン」のうち、24秒以上の「変動継続時間」(すなわち、「リーチ態様変動継続時間」)に対応した「図柄変動パターン」(第4〜第24パターン、第28〜第48パターン、第52〜第72パターン、第76〜第96パターン)は、後述する「リーチ変動態様」に対応した「図柄変動パターン」である(以下、この「リーチ変動態様」に対応した「図柄変動パターン」を「リーチ態様変動パターン」という)。
以下、実施例1のパチンコ機1aの作動内容について説明する。
遊技者等によって発射ハンドル15が回動操作された場合には、発射装置(図示せず)によって、遊技球が遊技領域2に打ち込まれる。打ち込まれた遊技球が各種入賞口に入賞した場合には、賞品球として、所定数の遊技球が、遊技球払出装置36によって払い出される。また、遊技領域2に打ち込まれた遊技球が、左ゲート5あるいは右ゲート6を通過した場合には、普通図柄表示領域9に表示された普通図柄が変動を開始すると同時に、通過した瞬間に、aカウンタが、ループカウントしている数値の中から1つの数値を選択する。さらに、普通図柄の変動開始と同時に、「当たり判定」が行われ、aカウンタによって選択された数値が何であるか判断される。そして、aカウンタによって選択された数値が所定の10通りの数値であると判断された場合には「当たり」となり、その他の場合(90通り)には「はずれ」となる。
「当たり」となった場合には、普通図柄の変動開始から所定時間(たとえば、約29秒)後に、普通図柄表示領域9に所定の「当たり図柄」(たとえば、「7」)が表示されるとともに、普通電動役物4が所定時間(たとえば、約0.5秒間)開成する。なお、普通電動役物4は、閉成時においても、開成時に比べて低い確率ではあるが、遊技球が入賞可能になっている。また、「はずれ」と判定された場合には、bカウンタが選択した数値に対応した「はずれ図柄」(図4参照)が、新たな普通図柄として、普通図柄の変動開始から所定時間(たとえば、約29秒)後に、普通図柄表示領域9に表示される。普通図柄の変動中、または普通電動役物4の開成中に遊技球が左ゲート5または右ゲート6を通過したときは、次回以降に普通図柄を変動させる変動記憶として最高4個まで記憶される。
そして、開成中あるいは閉成中の普通電動役物4に遊技球が入賞した場合には、その入賞が普通電動役物4に内蔵された遊技球検出装置40によって検出され、メイン制御装置17に入賞検出信号が送信される。なお、後述するように、遊技球が普通電動役物4へ入賞することによって、特別図柄が変動するが、特別図柄の変動中、あるいは後述する「大当たり状態」中に遊技球が普通電動役物4に入賞したときは、次回以降に特別図柄を変動させる「始動記憶」として最高4個まで記憶され、その個数だけメモリーランプ25,25・・が点灯する。
メイン制御装置17に入賞検出信号が送信されると、c〜hカウンタが、それぞれ、ループカウントしている数値の中から1つの数値を選択する(以下、メイン制御装置17に入賞検出信号が送信された直後におけるc〜hカウンタによる数値の選択を「抽選」という)。そして、「抽選」において、cカウンタが所定の「大当たり数値」(たとえば、“7”)を選択したと判断された場合には、「大当たり」が生起し、「大当たり数値」以外の数値を選択したと判断された場合には、「はずれ」となる(したがって、1回の「抽選」における「大当たり」の生起確率は、1/311である)。
一方、メイン制御装置17は、図9の如きフローチャートにしたがって、「コマンド作成・送信プログラム」を繰り返し実行している。かかる「コマンド作成・送信プログラム」においては、まず、ステップ(以下、単にSで示す)で、「抽選」におけるcカウンタの選択数値が、「大当たり数値」に対応した数値であるか否か判断される。そして、「YES」と判断された場合には、S2で、「抽選」におけるhカウンタの選択数値に対応した「変動継続時間」(図7参照)が、ROM37から呼び出される。そして、S3で、呼び出された「変動継続時間」に基づいて、図柄変動開始後に、その「変動継続時間」だけ特別図柄を継続して変動させるコマンドが作成され、続くS4で、作成されたコマンドが、「第1コマンド」として、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送信される。
さらに、S5で、「抽選」におけるeカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」(図5参照)が、ROM37から呼び出される。そして、呼び出された情報に基づいて、S6で、「抽選」におけるeカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」を液晶画面33の左表示部位10に確定表示させるコマンドと、同じ「確定表示図柄」を液晶画面33の右表示部位11に確定表示させるコマンドと、同じ「確定表示図柄」を液晶画面33の中表示部位12に確定表示させるコマンドとが作成される。そして、S7で、作成された3つのコマンドが、「第2コマンド」として、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送信される。したがって、「抽選」においてcカウンタが「大当たり数値」を選択したと判断された場合には、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18へ、「リーチ態様変動継続時間」だけ図柄を継続して変動させる旨を含めた「第1コマンド」が送信されるとともに、左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12に同一の特別図柄を確定表示させる旨を含めた「第2コマンド」が送信される。
一方、S1で、「NO」と判断された場合(すなわち、「抽選」においてcカウンタが「大当たり数値」を選択しなかったと判断された場合)には、S8で、「抽選」におけるdカウンタの選択数値が、“0〜289”であるか否か(すなわち、「リーチ態様変動継続時間」に対応していない数値であるか否か)判断される。そして、「YES」と判断された場合には、S9で、「抽選」におけるeカウンタの選択数値が「抽選」におけるgカウンタの選択数値と同一であるか否か判断される。そして、「NO」であると判断された場合には、そのまま、S11が実行され、「抽選」におけるhカウンタの選択数値に対応した「変動継続時間」が、ROM37から呼び出される。一方、S8で、「YES」であると判断された場合には、S10が実行され、gカウンタの選択した数値に“1”が加算された後に、S11が実行される。そして、S11が実行された後には、S12で、呼び出された「変動継続時間」に基づいて、呼び出された「変動継続時間」だけ特別図柄を継続して変動させるコマンドが作成され、続くS13で、作成されたコマンドが、「第1コマンド」として、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送信される。
さらに、S14で、「抽選」におけるeカウンタおよびgカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」が、ROM37から呼び出される。そして、呼び出された情報に基づいて、S15で、「抽選」におけるeカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」を液晶画面33の左表示部位10に確定表示させるコマンドと、特別図柄の変動後に、同じ「確定表示図柄」を液晶画面33の右表示部位11に確定表示させるコマンドとが作成されるとともに、「抽選」におけるgカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」を液晶画面33の中表示部位12に確定表示させるコマンドが作成される。しかる後、S16で、作成された3つのコマンドが、「第2コマンド」として、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送信される。したがって、「抽選」の結果、「はずれ」となった場合であって、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18へ、特別図柄を「リーチ態様変動継続時間」だけ継続して変動させる旨を含めた「第1コマンド」が送信される場合には、液晶画面33の左表示部位10、右表示部位11に同一の特別図柄を確定表示させる旨と、液晶画面33の中表示部位12に左表示部位10および右表示部位11と異なる特別図柄を確定表示させる旨とを含めた「第2コマンド」が送信される。
一方、S8で、「NO」と判断された場合(すなわち、「抽選」において、cカウンタが「大当たり数値」を選択せず、dカウンタが「リーチ態様変動継続時間」に対応した数値を選択しなかった場合)には、S17で、「抽選」におけるeカウンタの選択数値が、「抽選」におけるfカウンタの選択数値と同一であるか否か判断される。そして、「NO」と判断された場合には、そのままS19が実行され、「抽選」におけるdカウンタの選択数値に対応した「変動継続時間」が、ROM37から呼び出される。一方、S17で、「YES」であると判断された場合には、S18が実行され、fカウンタの選択した数値に“1”が加算された後に、S19が実行される。そして、S19が実行された後には、S20で、呼び出された「変動継続時間」に基づいて、呼び出された「変動継続時間」だけ特別図柄を継続して変動させるコマンドが作成され、続くS21で、作成されたコマンドが、「第1コマンド」として、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送信される。
さらに、S22で、「抽選」におけるe〜gカウンタの選択数値に対応した3つの「確定表示図柄」が、ROM37から呼び出される。そして、呼び出された情報に基づいて、S23で、「抽選」におけるeカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」を液晶画面33の左表示部位10に確定表示させるコマンドと、「抽選」におけるfカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」を液晶画面33の右表示部位11に確定表示させるコマンドと、「抽選」におけるgカウンタの選択数値に対応した「確定表示図柄」を液晶画面33の中表示部位12に確定表示させるコマンドとが作成される。しかる後、S24で、作成された3つのコマンドが、「第2コマンド」として、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送信される。したがって、「はずれ」となった場合であって、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18へ、「リーチ態様変動継続時間」以外の「変動継続時間」だけ特別図柄を継続して変動させる旨を含めた「第1コマンド」が送信される場合には、液晶画面33の左表示部位10と右表示部位11とに異なる特別図柄を確定表示させる旨を含めた「第2コマンド」が送信される。
一方、図柄変動制御装置18は、「第1コマンド」を受信すると、メインROM27内に記憶されているA〜Dテーブルの中から、iカウンタの数値に対応したテーブル(図12参照)を呼び出し、そのテーブルの中から、「第1コマンド」に含まれた「変動継続時間」に対応した「図柄変動パターン」(図8参照)を呼び出す。また、液晶画面33の各表示部位10〜12に表示された左図柄・右図柄・中図柄の変動を開始させ、呼び出された「図柄変動パターン」にしたがって、「第1コマンド」に含まれた「変動継続時間」だけ、特別図柄の変動を継続させる。なお、特別図柄の変動は、液晶画面33中の各表示部位10〜12において、「一桁の数字や一文字のアルファベット等が上から下へスクロールして別の数字やアルファベット等に切り替わる動画」を表示すること等によって行われる。また、A〜Dの各テーブルにおいては、「図柄変動パターン」の種類に応じて、特別図柄のスクロールの速度、スクロール中に表示されるメッセージやキャラクター等が異なっている。
また、メイン制御装置17は、「第1コマンド」を送信した後、タイマが時間の計測を開始し、「第1コマンド」に含まれている「変動継続時間」が経過した時点で、液晶画面33の各表示部位10〜12において変動している特別図柄を停止させるための「第3コマンド」を作成し、作成した「第3コマンド」を図柄変動制御装置18に送信する。なお、図10は、メイン制御装置17が図柄変動制御装置18に「第1コマンド」〜「第3コマンド」を送信する際のタイムチャートを示したものであり、「第1コマンド」C1が送信された後、1割込毎に、「第2コマンド」である3つのコマンドC2−1,C2−2,C2−3が送信され、しかる後、「変動継続時間」の経過後に、「第3コマンド」C3が送信される。
一方、図柄変動制御装置18は、「第3コマンド」を受信すると、液晶画面33の各表示部位10〜12において変動している特別図柄を、左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12の順に停止させ、最終的に、「第2コマンド」として送信された3つのコマンドに含まれた「確定表示図柄」を、左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12に確定表示する。また、「第1コマンド」を受信した後にROM27から呼び出された「図柄変動パターン」が「リーチ態様変動パターン」である場合には、左表示部位10、右表示部位11に「確定表示図柄」を確定表示した後に、中表示部位12で未だ変動している特別図柄を、通常と異なる「リーチ変動態様」によって、高速で変動させたり低速で変動させたりした後に、中表示部位12に「確定表示図柄」を確定表示する。
したがって、「抽選」においてcカウンタが「大当たり数値」を選択した場合(すなわち、「大当たり」が生起した場合)には、液晶画面33の各表示部位10〜12に、3つの同一の特別図柄(たとえば、「1,1,1」、以下「大当たり図柄」という)が確定表示され、cカウンタが「大当たり数値」以外の数値を選択した場合(すなわち、「はずれ」となった場合)には、液晶画面33の各表示部位10〜12に、少なくとも1つが異なる3つの特別図柄(たとえば、「1,2,3」)が確定表示される。
また、図柄変動制御装置18は、液晶画面33の左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12に同一の特別図柄を確定表示させる旨が含まれた「第2コマンド」を受信した場合に(すなわち、メイン制御装置17が「大当たり図柄」を確定表示することを決定した場合に)、iカウンタの数値に“1”を加算する。なお、iカウンタの数値が“3”である場合に、メイン制御装置17が「大当たり図柄」を確定表示することを決定した場合には、iカウンタの数値は、“0”に戻る(すなわち、iカウンタは、0〜3(4通り)の間を、積算しながらループカウントする)。
そして、液晶画面33に「大当たり図柄」が確定表示された場合には、遊技者にとって有利な特別遊技状態である「大当たり状態」が生起し、大入賞口7が、きわめて高い確率で、所定時間(たとえば、約25秒)あるいは所定個数(たとえば、9個)の遊技球の入賞を検出するまでの開成を、所定回数だけ断続的に繰り返す。また、「大当たり状態」が生起した場合には、スピーカ13から効果音が発生するとともに、サイドランプ23,23、電飾ランプ8,8・・等が点滅して、雰囲気が盛り上げられる。
加えて、パチンコ機1aは、外部出力端子35に、表示内容検査装置を接続することによって、液晶画面33において実行される変動パターン等をチェックすることもできる。図13(a),(b)は、それぞれ、表示内容検査装置19と、その表示内容検査装置19が変動パターン(変動パターンに関連した情報)を表示する場合の一例を示したものであり、表示内容検査装置19は、1つの7セグメント方式の表示部を有しており、液晶画面33において実行される変動パターンを含んだテーブルの記号(アルファベット)および変動パターンの番号を断続的に表示するようになっている。このため、それらの記号および番号を目視することによって、液晶画面33において実行される変動パターン等を、簡単にチェックすることができる。
パチンコ機1aは、上記の如く、図柄変動制御装置18に設けられたROM27に、複数の「図柄変動パターン」を含んだA〜Dテーブルが記憶されており、普通電動役物4に遊技球が入賞した場合に、メイン制御装置17が、確定表示する特別図柄を決定した後、図柄変動制御装置18に、確定表示する特別図柄の内容を含めたコマンドを送信する一方、コマンドを受信した図柄変動制御装置18が、図柄の変動を開始させるとともに、ROM27に記憶された1つのテーブル(普通電動役物4への遊技球の入賞時におけるiカウンタの数値に対応したテーブル)の中から1つの「図柄変動パターン」を選択し、その選択された「図柄変動パターン」によって特別図柄の変動を継続させ、しかる後に特別図柄を確定表示させるとともに、メイン制御装置17が「大当たり図柄」を確定表示することを決定した場合に、iカウンタの数値に“1”を加算することによって、図柄変動制御装置18が「図柄変動パターン」を選択するテーブルを変化させる。すなわち、パチンコ機1aは、メイン制御装置17が「大当たり図柄」を確定表示することを決定するまでは(すなわち、「大当たり」が生起するまでは)、特別図柄の変動時に、同じカテゴリーに属する似通った「図柄変動パターン」による変動を繰り返し、メイン制御装置17が「大当たり図柄」を確定表示することを決定する毎に、「図柄変動パターン」のカテゴリーを変更する。したがって、パチンコ機1aによれば、遊技者は、同一のパチンコ機で遊技しているにも拘わらず、異なるカテゴリーに属する多様な「図柄変動パターン」を体験することができ、いつまでも飽きることなく遊技を継続することができる。
また、パチンコ機1aは、メイン制御装置17が「大当たり図柄」を確定表示することを決定するまでは、特別図柄の変動時に、同じカテゴリーに属する似通った「図柄変動パターン」による変動を繰り返し、メイン制御装置17が「大当たり図柄」を確定表示することを決定する毎に、「図柄変動パターン」のカテゴリーを変更するため、遊技者は、遊技を継続することによって、「図柄変動パターン」のカテゴリーが変更される時期を認識することができるようになる。したがって、遊技者は、好みのカテゴリーに属する「図柄変動パターン」で特別図柄が変動することに期待しながら、いつまでも興味を持って遊技を継続することができる。
さらに、パチンコ機1aは、メイン制御装置17から図柄変動制御装置18に送るコマンドがきわめて少ないため、送信エラーが発生しにくく、「大当たり状態」を生起させる制御の方法等が解析されにくい。さらに、メイン制御装置17が、図柄変動制御装置18に「第1〜第3コマンド」を送る以外は、他の部材の作動を制御するために機能するので、部材の作動制御の信頼性が高い上、スピーカ13による効果音やサイドランプ23,23・・、電飾ランプ8,8・・の発光態様等の内容がバラエティーに富んでおり、趣向性が高い。
[実施例2]
実施例2のパチンコ機1bは、実施例1のパチンコ機1aの構成と略同様であるが、パチンコ機1aと異なり、図柄表示部3の液晶画面33に「大当たり図柄」が確定表示された場合に、図柄変動制御装置18に設けられたiカウンタの数値に“1”が加算されるようになっている。
したがって、パチンコ機1bは、図柄表示部3の液晶画面33に「大当たり図柄」が確定表示されるまでは、特別図柄の変動時に、同じカテゴリーに属する似通った「図柄変動パターン」による変動を繰り返し、図柄表示部3の液晶画面33に「大当たり図柄」が確定表示される毎に、「図柄変動パターン」のカテゴリーを変更する。それゆえ、パチンコ機1bによれば、実施例1のパチンコ機1aと同様に、遊技者は、同一のパチンコ機で遊技しているにも拘わらず、異なるカテゴリーに属する多様な「図柄変動パターン」を体験することができ、いつまでも飽きることなく遊技を継続することができる。
また、パチンコ機1bは、図柄表示部3に「大当たり図柄」が確定表示されるまでは、特別図柄の変動時に、同じカテゴリーに属する似通った「図柄変動パターン」による変動を繰り返し、図柄表示部に「大当たり図柄」が確定表示される毎に、「図柄変動パターン」のカテゴリーを変更するため、遊技者は、遊技を継続することによって、「図柄変動パターン」のカテゴリーが変更される時期を認識することができるようになる。したがって、遊技者は、好みのカテゴリーの「図柄変動パターン」で特別図柄が変動することに期待しながら、いつまでも興味を持って遊技を継続することができる。
[実施例3]
実施例3のパチンコ機1cも、実施例1のパチンコ機1aや実施例2のパチンコ機1bの構成と略同様であるが、パチンコ機1aやパチンコ機1bと異なり、図柄変動制御装置18にiカウンタが設けられておらず、図柄変動制御装置18のROM27に記憶されたA〜Dの各テーブルが、図11の如く、「始動記憶」の個数と対応した状態になっている。そして、パチンコ機1cにおいては、図柄変動制御装置18が「第1コマンド」を受信すると、ROM27内に記憶されているA〜Dテーブルの中から、遊技球が普通電動役物4へ入賞した時点における「始動記憶」の個数(1個〜4個)に対応したテーブルを呼び出し、そのテーブルの中から、「第1コマンド」に含まれた「変動継続時間」に対応した「図柄変動パターン」を呼び出すようになっている。また、「始動記憶」の個数が“0”である場合には、前回に呼び出したテーブルと同一のテーブルの中から、「第1コマンド」に含まれた「変動継続時間」に対応した「図柄変動パターン」を呼び出すようになっている。
すなわち、パチンコ機1cは、図柄変動制御装置18に設けられたROM27に、特別図柄を変動させる「図柄変動パターン」を複数含んでおり「始動記憶」の個数と対応したA〜Dテーブルが記憶されており、普通電動役物4へ遊技球が入賞した場合に、メイン制御装置17が、確定表示する図柄を決定した後、図柄変動制御装置18に、確定表示する図柄の内容を含めたコマンドを送信する一方、コマンドを受信した図柄変動制御装置18が、特別図柄の変動を開始させるとともに、普通電動役物4への遊技球の入賞時点における「始動記憶」の個数と対応したテーブルの中から1つの「図柄変動パターン」を選択し、その選択された「図柄変動パターン」によって特別図柄の変動を継続させ、しかる後に特別図柄を確定表示させるようになっている。
したがって、パチンコ機1cにおいては、普通電動役物4へ遊技球が入賞した時点における「始動記憶」の個数によって、特別図柄の変動時における「図柄変動パターン」のカテゴリーが変化する。それゆえ、パチンコ機1cによれば、実施例1のパチンコ機1aや実施例2のパチンコ機1bと同様に、遊技者は、同一のパチンコ機で遊技しているにも拘わらず、異なるカテゴリーに属する多様な「図柄変動パターン」を体験することができる。また、遊技者は、遊技を継続することにより、普通電動役物4への入賞時における「始動記憶」の個数が特定個数である場合に特別図柄が特定のカテゴリーに属した「図柄変動パターン」によって変動することを認識できるようになり、かかる点にも興味を抱くようになる。したがって、パチンコ機1cによれば、遊技者は、いつまでも飽きることなく遊技を継続することができる。
なお、本発明の遊技機の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、各種入賞口、図柄表示部、普通電動役物、メモリーランプ、各種ゲート、大入賞口、電飾ランプ、普通図柄表示領域、供給皿、発射ハンドル、貯留皿、メイン制御装置、図柄変動制御装置、各種ループカウンタ、積算カウンタ、遊技球検出装置、遊技球払出装置等の形状・構造・機能・設置態様等、普通図柄・特別図柄の変動態様・表示態様、「当たり図柄」・「大当たり図柄」の種類、「当たり」・「大当たり」の生起確率、「抽選」の方法、「大当たり状態」における遊技内容(「大当たり状態」における大入賞口の開成態様等)、「リーチ変動態様」の内容等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更できる。
たとえば、本発明の遊技機は、遊技球が所定のゲートを通過した場合に普通図柄を変動させるものに限定されず、遊技球が所定の入賞口に入賞した場合に普通図柄を変動させるものでも良い。また、遊技球が図柄始動口に入賞した場合に特別図柄を変動させるものに限定されず、遊技球が所定のゲートを通過した場合に特別図柄が変動するものでも良い。一方、図柄表示部に3つの表示部位が設けられたものに限定されず、2つ以下あるいは4つ以上の表示部位が設けられており、それらの各表示部位に表示された特別図柄が所定の組合せ(あるいは所定のもの)となった場合に「大当たり状態」が生起するものでも良い。
さらに、本発明の遊技機は、メイン制御装置が、図柄変動制御装置に、変動継続時間を含めた「第1コマンド」を送信した後に、確定表示する図柄を含めた「第2コマンド」を送信するものに限定されず、メイン制御装置が、図柄変動制御装置に、確定表示する図柄を含めた「第1コマンド」を送信した後に、変動継続時間を含めた「第2コマンド」を送信するものでも良い。なお、メイン制御装置が、変動継続時間を含めた「第1コマンド」を送信した後に、確定表示する図柄を含めた「第2コマンド」を送信するように構成した場合には、液晶画面上で表示エラーが起こりにくくなる、というメリットがある。加えて、本発明の遊技機は、メイン制御装置から図柄変動制御装置へ3つのコマンドを送信するものに限定されず、2つ以下あるいは4つ以上のコマンドを送信するものでも良い。また、メイン制御装置においてコマンドを作成したり、送信したりするための方法も、上記実施形態の如きプログラムに何ら限定されず、種々のプログラムを用いることができる。また、場合によっては、予めコマンドをROM等に記憶しておき、必要に応じて適宜呼び出して送信する方法等を採用することもできる。
一方、図柄変動制御装置が変動態様を選択するテーブルを変化させる特定条件は、「メイン制御装置が大当たり図柄を確定表示することを決定したこと」や、「図柄表示部に大当たり図柄が確定表示されたこと」に限定されず、図柄表示部に大当たり図柄と異なる所定の図柄が表示されたこと等の別の条件でも良い。さらに、遊技機は、かかる特定条件を適宜変更することができるように構成することも可能である。そのように構成した場合には、遊技機は、一層趣向性の高いものとなる。
また、図柄変動制御装置に記憶される図柄の変動態様は、4つの異なるカテゴリーに属するもの(4つのテーブルに分けられて記憶されたもの)に限定されず、3つ以下あるいは5つ以上のカテゴリーに属するもの(3つ以下あるいは5つ以上のテーブルに分けられて記憶されたもの)でも良い。さらに、記憶される図柄の変動態様は、上記実施形態の如く、カテゴリーの違いにより変動態様のモチーフ等が異なる必要はなく、カテゴリーの違いによりスクロールの速度あるいはスクロール中に表示されるメッセージやキャラクター等が異なるものでも良い。加えて、各テーブルに含まれる図柄変動パターンの個数も何ら限定されない。
一方、本発明の遊技機は、「大当たり図柄」を表示する場合に、図柄の変動開始から確定表示までの間に、確定表示する「大当たり図柄」と同一あるいは異なる「大当たり図柄」を一旦停止表示するものでも良いし、所定の「大当たり図柄」(たとえば、「3,3,3」)が表示されて「大当たり状態」が生起した場合に、「大当たり状態」が終了した後に、通常より高い確率で「当たり」や「大当たり」を生起させる「高確率状態」等が生起するものでも良い。さらに、そのような「「高確率状態」を生起させる「大当たり図柄」が図柄表示部に確定表示されたこと」を、図柄変動制御装置が変動態様を選択するテーブルを変化させる特定条件とすることも可能であり、かかる構成を採用した場合には、遊技機は、きわめて趣向性の高いものとなる。
加えて、外部出力端子に接続可能な表示内容検査装置も、上記実施形態の如きテーブルの記号および変動パターンの番号を断続的に表示することにより液晶画面において実行される変動パターンを表示するものに限定されず、液晶画面において実行される変動パターンに対応したコマンドを表示するもの等の別方式の表示により液晶画面において実行される変動パターンを表示するものでも良い。
また、図柄変動制御装置は、上記実施形態の如く1つのCPUを有するものに限定されず、2つ以上のCPUを有するものでも良い。さらに、図柄変動制御装置は、外部出力端子を有するものに限定されず、外部出力端子が設置されていないものでも良い。加えて、遊技機は、発光制御装置や効果音制御装置等のメイン制御装置や図柄変動制御装置以外の制御装置を搭載したものでも良い。
なお、上記実施形態においては、本発明の遊技機を、いわゆる第1種のパチンコ機に応用した一例について説明したが、本発明の遊技機は、いわゆる第3種のパチンコ機等の異なる形式のパチンコ機や、テレビゲーム等に応用することも可能である。
1a,1b・・パチンコ機、2・・遊技領域、3・・図柄表示部、4・・普通電動役物、5・・左ゲート、6・・右ゲート、7・・大入賞口、8・・電飾ランプ、9・・普通図柄表示領域、10・・左表示部位、11・・右表示部位、12・・中表示部位、13・・スピーカ、14・・供給皿、15・・発射ハンドル、16・・貯留皿、17・・メイン制御装置、18・・図柄変動制御装置、19・・表示内容検査装置、22・・インターフェイス、23・・サイドランプ、25・・メモリーランプ、26・・調整回路、27・・ROM(記憶手段)、28・・インターフェイス、29・・図柄表示CPU、31・・RAM、33・・液晶画面、35・・外部出力端子、36・・遊技球払出装置、37・・ROM、38・・RAM、40・・遊技球検出装置、43・・インターフェイス、44・・作動装置。