JP4406498B2 - 皮膚化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は皮膚化粧料に関するものであり、更に詳しくは、保存安定性に優れ、且つ、使用感が良好な皮膚化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、水と油とを乳化するための乳化剤として、界面活性剤が用いられている。なかでも、皮膚化粧料などの直接皮膚に接触させる乳化組成物を得る場合には、皮膚に対する刺激性が低く、安全性の高い界面活性剤の使用が望まれている。このような要求から、皮膚化粧料用乳化組成物には、イオン性界面活性剤に比べて皮膚刺激性の低い非イオン性界面活性剤が使用されることが多い。また、このような非イオン性界面活性剤を含む乳化系では、乳化安定化剤として、セトステアリルアルコール、セタノールおよびステアリルアルコールなどの高級アルコールを用いたり、キサンタンガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシビニルポリマーなどの高分子増粘剤が用いられている。
【0003】
最近では、保湿、美白、抗酸化といった高機能の皮膚化粧料が望まれている。そこで、皮膚化粧料を構成する乳化組成物においては、そのような機能の発現や、pH調整、増粘などの様々な目的のため、ダービリアエキス、アロエエキス、シラカバエキスなどの植物抽出物、クエン酸、アスコルビン酸などの有機酸およびその塩、カルボキシビニルポリマーなどの水溶性高分子およびその塩などといった電解質が配合されることが多い。しかし、乳化組成物においては、電解質の配合により、その安定性が低下するという問題があった。このような電解質添加による乳化系の不安定化については、例えば、「分散、乳化系の化学」(工学図書株式会社版、第242頁)および「化粧品ハンドブック」(日光ケミカルズ株式会社、第201頁)などの文献にも記載されている。
【0004】
この問題を解決するものとして、次のような乳化組成物が提案されている。
・特開平1−210029号公報:この公報には、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを、クエン酸モノグリセライドなどと併用した乳化剤を含む耐塩性水中油型乳化物が開示されている。
・特開平3−284608号公報:この公報には、シリコーン油および水を含む油中水型乳化化粧料であって、乳化剤として、グリセリルアルキルエーテル、変性シリコーンおよび脂肪酸多価金属塩を含む乳化化粧料が開示されている。
・特開平9−235219号公報:この公報には、高級脂肪酸と、HLBが10以上の非イオン性界面活性剤と、電解質とを含む乳化化粧料が開示されている。
・特開平9−278644号公報:この公報には、アルケニルコハク酸デンプンの金属塩を増粘剤として使用した水中油型乳化化粧料が開示されている。
・特開平10−182338号公報:この公報には、非イオン性界面活性剤と、炭素数10〜22の2−ヒドロキシ脂肪酸とを含む水中油型乳化組成物が開示されている。
【0005】
また、次に示す文献には、ステロール骨格を有する界面活性剤を含有する皮膚化粧料が記載されている。
・特開平3−5246号公報:この公報には、リン脂質と、ポリオキシエチレン(以下、「POE」とする。)コレステロールまたはPOEフィトステロールとを含む電解質含有レシチン分散液が開示されている。
・特開平4−243806号公報:この公報には、コレステリック液晶と、POEコレステロールまたはPOEフィトステロールとを含む2層型化粧水が開示されている。
・特開平10−265361号公報:この公報には、POEフィトステロールを含有する化粧料が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
皮膚化粧料の分野においては、前述したような高機能化の要求に伴い、電解質を含む系における保存安定性の更なる向上が求められている。また、それと同時に、皮膚化粧料には、肌なじみなどといった使用感の改善が求められている。しかしながら、従来の乳化組成物は、その保存安定性についてある程度の改善が認められているものの、十分であるとは言い難かった。また、ステロール骨格を有する界面活性剤を含有する従来の皮膚化粧料においても、2層型の不均一系であったり、一層型の均一系乳化組成物であってもその保存安定性の改善が不十分であるなどの問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、電解質を含む系においても保存安定性に優れ、しかも、使用感、特に肌なじみが良好で軽い感触の乳化化粧料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の皮膚化粧料は、ステロール骨格を有する第1の非イオン性界面活性剤と、第2の非イオン性界面活性剤とを含有する乳化組成物であることを特徴とする。この皮膚化粧料において、前記第1の非イオン性界面活性剤(A成分)が、ポリオキシエチレンフィトステロール(エチレンオキサイドの平均付加モル数は、20〜30)であり、前記第2の非イオン性界面活性剤が、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(エチレンオキサイドの平均付加モル数は、2)、モノステアリン酸グリセリル、およびモノステアリン酸テトラグリセリルから選ばれるB成分と、ジステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリルおよびジイソステアリン酸デカグリセリルから選ばれるC成分とを含み、前記皮膚化粧料全量に対する前記第1の非イオン性界面活性剤の配合量が1〜5質量%であり、前記皮膚化粧料全量に対する前記第2の非イオン性界面活性剤の配合量が1〜5質量%であり、前記第1の非イオン性界面活性剤(A成分)と前記第2の非イオン性界面活性剤との配合比(B成分+C成分)が、A/(B+C)=1/9〜9/1である。
【0009】
このような構成にしたことにより、電解質を含む系においても保存安定性が良好で、且つ、使用感、特に肌なじみが良好であり、軽い感触の乳化化粧料を得ることができる。また、本発明の化粧料は乳化組成物であるため、化粧水およびジェルなどの剤型に比べて、保湿、美白、抗酸化などの機能を発現させるための有効成分、油性成分および粉体などの様々な成分をより多く配合可能であるという利点をも有する。
【0010】
なお、前記HLBは、例えば、下記式(1)で表される川上式により算出される値である。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo) (1)
(但し、Mwは、界面活性剤中の親水部分の分子量であり、Moは、界面活性剤中の親油部分の分子量である。)
【0011】
前記皮膚化粧料においては、前記第1の非イオン性界面活性剤のHLBが6〜18の範囲であることが好ましい。
【0012】
また、前記皮膚化粧料においては、前記第2の非イオン性界面活性剤は、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(エチレンオキサイドの平均付加モル数は、2)、モノステアリン酸グリセリル、およびモノステアリン酸テトラグリセリルから選ばれるB成分と、ジステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリルおよびジイソステアリン酸デカグリセリルから選ばれるC成分とを含む。
【0013】
本発明の皮膚化粧料は、安定な乳化状態を維持することができ、一層均一系の乳化組成物として存在するものである。また、その形態については、特に限定するものではないが、クリームであることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の皮膚化粧料に配合される第1の非イオン性界面活性剤は、ステロール骨格を有する非イオン性界面活性剤である。更には、HLBが、例えば6〜18、好ましくは11〜18、特に好ましくは15〜18の非イオン性界面活性剤である。
【0015】
前記第1の非イオン性界面活性剤としては、例えば、フィトステロール骨格およびコレステロール骨格などのステロール骨格に、エチレンオキサイドが付加重合したものを使用することができる。エチレンオキサイドの平均付加モル数は、例えば5〜30、好ましくは15〜30、更に好ましくは20〜30である。
【0016】
第1の非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンフィトステロール(エチレンオキサイドの平均付加モル数は、20〜30)であり、具体的には、POE(20)フィトステロール、POE(25)フィトステロールおよびPOE(30)フィトステロールなどが挙げられる。なお、前記具体例における括弧内の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数を示す。以下も同様である。
【0017】
これらのなかでも、ポリオキシエチレンフィトステロール類およびポリオキシエチレンフィトスタノール類といったフィトステロール骨格を有するものが安定性などの面から好ましく、POE(30)フィトステロール、POE(25)フィトステロールが特に好ましい。
【0018】
第1の非イオン性界面活性剤の配合量は、皮膚化粧料全量に対して、例えば0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%である。配合量を0.1質量%以上とすることにより、乳化安定性を更に十分に向上させることができ、15質量%以下とすることにより、使用感を更に良好なものとすることができる。
【0019】
第2の非イオン性界面活性剤としては、HLBが3〜20、好ましくは4〜11、更に好ましくは4.5〜10の非イオン性界面活性剤を使用することができる。
【0020】
第2の非イオン性界面活性剤は、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(エチレンオキサイドの平均付加モル数は、2)、モノステアリン酸グリセリル、およびモノステアリン酸テトラグリセリルから選ばれるB成分と、ジステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリルおよびジイソステアリン酸デカグリセリルから選ばれるC成分とを含む。
【0021】
これらのなかでも、安定性などの面から、ポリグリセリン脂肪酸エステル類が好ましく、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリルが特に好ましい。
【0022】
更に、第2の非イオン性界面活性剤として、2種以上の非イオン性界面活性剤を組み合わせて配合することが好ましい。特に、ジステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル類と、その他の非イオン性界面活性剤とを組み合わせて配合することが、安定性の面から好ましい。
【0023】
第2の非イオン性界面活性剤の配合量は、皮膚化粧料全量に対して、例えば0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%である。配合量を0.1質量%以上とすることにより、乳化安定性を更に十分に向上させることができ、15質量%以下とすることにより、使用感をより良好なものとすることができる。
【0024】
前記第1および第2の非イオン性界面活性剤の合計配合量は、皮膚化粧料全量に対して、例えば0.2〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%である。合計配合量を0.2質量%以上とすることにより、乳化安定性を更に十分に向上させることができ、15質量%以下とすることにより、使用感をより良好なものとすることができる。
【0025】
更に、前記第1の非イオン性界面活性剤(A)と、前記第2の非イオン性界面活性剤(B)との配合比(A/B)は、質量比で、例えば0.1/9.9〜9.9/0.1、好ましくは1/9〜9/1、更に好ましくは3/7〜7/3である。前記配合比を0.1/9.9〜9.9/0.1の範囲とすることにより、乳化安定性を更に十分に向上させることができる。
【0026】
本発明の皮膚化粧料は、前記第1および第2の非イオン界面活性剤の他に、水性基剤および油性基剤を含有している。本発明の皮膚化粧料においては、この水性基剤および油性基剤は互いに混合されて、一層均一系の乳化物を形成する。
【0027】
水性基剤としては、例えば、水を使用することができる。皮膚化粧料における水性基剤の配合量は、特に限定するものではないが、例えば40〜95質量%、好ましくは50〜90質量%、更に好ましくは50〜80質量%である。
【0028】
油性基剤としては、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油およびアボガド油などの植物油脂類;ミンク油および卵黄油などの動物油脂類;蜜ロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウおよびキャンデリラロウなどのロウ類;流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックスおよびワセリンなどの炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸などの天然および合成脂肪酸;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコールなどの天然および合成高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシルおよびコレステロール誘導体などのエステル類;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどの鎖状シリコーン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状シリコーン、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサンなどの架橋型シリコーン、ポリオキシエチレンやポリオキシプロピレンなどで変性した変性シリコーンなどのシリコーン油、ポリアクリル酸などの高分子に鎖状または環状シリコン鎖を共重合させたシリコーン高分子などが挙げられる。
【0029】
皮膚化粧料における油性基剤の配合量は、特に限定するものではないが、例えば0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜25質量%、更に好ましくは5〜20質量%である。
【0030】
更に、本発明の皮膚化粧料には、通常皮膚化粧料に用いられる各種添加剤を配合してもよい。このような任意成分としては、例えば、必須成分以外の界面活性剤、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、顔料、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、薬効成分、植物抽出物などが挙げられる。なお、任意成分はこれらに限定されるものではない。
【0031】
必須成分以外の界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
【0032】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウムおよびパルミチン酸トリエタノールアミンなどの高級脂肪酸塩、N−ラウロイル−N−メチルグリシンナトリウム、N−ミリスチル−N−メチル−β−アラニンカリウムおよびN−パルミチルグルタミン酸トリエタノールアミンなどのN−アシルアミノ酸塩、ラウリルエーテルカルボン酸カリウムなどのアルキルエーテルカルボン酸塩などのカルボン酸塩型界面活性剤;セチルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩型界面活性剤;ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル塩型界面活性剤;ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルリン酸ナトリウムなどのリン酸エステル塩型などが挙げられる。
【0033】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。また、両性界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルアミノエチルグリシン液、レシチンなどが挙げられる。
【0034】
また、これらの界面活性剤の配合量は、安定性を損なわない範囲であれば特に限定するものではないが、例えば0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.1〜3質量%である。
【0035】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類、トリメチルグリシンなどのアミノ酸誘導体、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、アミノ酸、尿素、クレアチニンなどのNMF(Natural Moisturizing Factor:自然保湿因子)成分、ヒアルロン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸などの水溶性高分子物質などが挙げられる。また、皮膚化粧料における保湿剤の配合量は、特に限定するものではないが、例えば0.05〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは5〜15質量%である。
【0036】
増粘剤としては、例えば、アラビアゴム、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン、アルゲコロイド、デキストラン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウム、マルメロ種子抽出物およびトラガントガムなどの天然高分子、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプンおよびカチオン化セルロースなどの半合成高分子、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーおよびポリアクリル酸などの合成高分子、ベントナイト、ヘクトライトおよびスメクタイトなどの粘土鉱物などが挙げられる。また、皮膚化粧料における増粘剤の配合量は、特に限定するものではないが、例えば0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.1〜3質量%である。
【0037】
防腐剤としては、例えば、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、エタノールなどが挙げられる。また、皮膚化粧料における防腐剤の配合量は、特に限定するものではないが、例えば0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜3質量%、更に好ましくは0.1〜2質量%である。但し、エタノールを使用する場合、その配合量は、例えば0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜15質量%、更に好ましくは0.5〜10質量%である。
【0038】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、トコフェロール、トコトリエノール、ルチンおよびその誘導体などが挙げられる。皮膚化粧料における酸化防止剤の配合量は、特に限定するものではないが、例えば0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜3質量%、更に好ましくは0.1〜2質量%である。
【0039】
キレート剤としては、例えば、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、エデト酸塩、ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、クエン酸、酒石酸、グルコン酸などが挙げられる。皮膚化粧料におけるキレート剤の配合量は、特に限定するものではないが、例えば0.001〜5質量%、好ましくは0.01〜3質量%、更に好ましくは0.01〜1質量%である。
【0040】
pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素カリウムなどが挙げられる。皮膚化粧料におけるpH調整剤の配合量は、特に限定するものではないが、例えば0.001〜1質量%、好ましくは0.005〜0.5質量%、更に好ましくは0.01〜0.3質量%である。
【0041】
紫外線吸収・散乱剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシシンナメート、酸化チタン、酸化亜鉛カオリン、タルクなどが挙げられる。皮膚化粧料における紫外線吸収・散乱剤の配合量は、特に限定するものではないが、例えば0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜25質量%、更に好ましくは1〜20質量%である。
【0042】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸およびそれらの誘導体などが挙げられる。皮膚化粧料におけるビタミン類の配合量は、特に限定するものではないが、例えば0.01〜5質量%、好ましくは0.02〜3質量%、更に好ましくは0.05〜2質量%である。
【0043】
アミノ酸類としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アルギニン、ヒスチジン、リジンおよびそれらの誘導体などが挙げられる。皮膚化粧料におけるアミノ酸の配合量は、特に限定するものではないが、例えば0.01〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%、更に好ましくは0.05〜2質量%である。
【0044】
薬効成分としては、例えば、パントテン酸、パントテン酸誘導体およびその塩、コエンザイムA、酸化型コエンザイムAおよびその塩、海草抽出物、ヒアルロン酸およびその塩などのしわ改善剤、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルリチン酸ジカリウムおよびアラントインなどの抗炎症剤、エラグ酸、アルブチン、コウジ酸およびプラセンタエキスなどの美白剤、α−ヒドロキシ酸、尿素およびヘパリノイドなどの肌荒れ改善剤などが挙げられる。皮膚化粧料における薬効成分の配合量は、その種類に応じて適宜決定することができ、例えば0.001〜40質量%、好ましくは0.01〜10質量%、更に好ましくは0.05〜5質量%である。
【0045】
香料としては、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals 」Vol.I and II(Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994))、「合成香料 科学と商品知識」(印藤元一著、化学工業日報社(1996))、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin 」(Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994))、「香りの百科」(日本香料協会編、朝倉書店(1989))および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」(Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993))などの文献に記載の香料を使用することができる。皮膚化粧料における香料の配合量は、特に限定するものではないが、例えば0.001〜5質量%、好ましくは0.001〜1質量%、更に好ましくは0.005〜0.1質量%である。
【0046】
本発明の皮膚化粧料は、その調製方法について、特に限定されるものではない。例えば、水性基剤に水性成分を加え、油性基剤に油性成分を加えて、これらをそれぞれ加熱溶解した後、混合乳化し、室温まで冷却する方法を用いることができる。乳化操作には、例えば、ホモジナイザー、ミキサー、コロイドミルなどの乳化器を使用することができる。また、乳化温度は、特に限定するものではないが、例えば45〜85℃、好ましくは50〜75℃、更に好ましくは55〜70℃である。
【0047】
また、本発明の皮膚化粧料は、一層均一系の乳化物であればその形態について特に限定するものではなく、油中水型乳化物および水中油型乳化物のいずれの形態であってもよい。また、その用途についても特に限定するものではなく、例えば、クリーム、乳液、化粧水、美容液およびパックなどの基礎化粧料、ファンデーションなどのメークアップ化粧料などとして使用することができる。
【0048】
【実施例】
本発明を実施例および比較例により更に詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例で調製したクリームの評価方法は、次の通りである。
【0049】
(保存安定性評価試験)
サンプルを50mLバイアル瓶に入れ、これを50℃および25℃で保存し、経時観察を行なった。評価は、下記基準に従って行った。
6ヵ月間で異常が認められない場合 ○
3ヵ月間で異常が認められる場合 △
1ヵ月間で異常が認められる場合 ×
2週間で異常が認められる場合 ××
なお、「異常」とは、乳化粒子の凝集もしくは合一、相分離または激しい粘度変化が生じる現象をいう。
【0050】
(使用感評価試験)
パネラー10人により実用テストを実施し、肌なじみの良さについて5段階評価によりスコアをつけた。スコアの平均値から、使用感を下記基準に従って評価した。なお、スコアは、その値が大きくなるほど肌なじみが良好であることを示す。
平均スコア 評価
4.0以上 ◎
3.0以上4.0未満 ○
2.0以上3.0未満 △
2.0未満 ×
【0051】
(参考例1〜4、実施例5〜7および比較例1〜7)
下記表1に示す組成のクリームを調製した。なお、下記表1におけるA〜D成分は、下記表2および下記表3に示す通りである。また、各界面活性剤(A〜D成分)のHLBは、下記表4に示す通りである。クリームの調製方法としては、油性成分を界面活性剤とともに70℃で加熱溶解する一方で、水性成分を70℃で加熱溶解し、これらを混合乳化した後、室温まで冷却する方法を用いた。なお、香料成分は冷却途中で加えることとした。
得られた各クリームについて保存安定性および使用感を評価した。結果を、下記表2および下記表3に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
上記表2および下記表3の結果から明らかなように、実施例1〜7は、比較例1〜7に比べて、保存安定性に優れ、且つ、使用感が良好であることが確認できた。
【0057】
(参考例8〜35)
下記表5〜下記表10に示す各組成のクリームを調製した。なお、A成分およびB成分のHLBは、下記表11および下記表12に示す通りである。調製方法としては、油性成分をA成分およびB成分とともに70℃で加熱溶解する一方で、水性成分を70℃で加熱溶解し、これらを混合乳化した後、室温まで冷却する方法を用いた。なお、香料成分は冷却途中で加えることとした。
得られたクリームについて、保存安定性および使用感を評価した。結果を下記表5〜下記表10に示す。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
【表7】
【0061】
【表8】
【0062】
【表9】
【0063】
【表10】
【0064】
【表11】
【0065】
【表12】
【0066】
上記表5〜上記表10に示すように、これらのクリームはいずれも、電解質を多く含む系でありながら、保存安定性に優れ、且つ、使用感が良好であることが確認できた。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の皮膚化粧料は、ステロール骨格を有する第1の非イオン性界面活性剤と、第2の非イオン性界面活性剤とを含有する乳化組成物であるため、電解質を含む系においても保存安定性が良好で、且つ、使用感、特に肌なじみが良好である。
Claims (3)
- ステロール骨格を有する第1の非イオン性界面活性剤と、第2の非イオン性界面活性剤とを含有する乳化組成物である皮膚化粧料であって、
前記第1の非イオン性界面活性剤(A成分)が、ポリオキシエチレンフィトステロール(エチレンオキサイドの平均付加モル数は、20〜30)であり、
前記第2の非イオン性界面活性剤が、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(エチレンオキサイドの平均付加モル数は、2)、モノステアリン酸グリセリル、およびモノステアリン酸テトラグリセリルから選ばれるB成分と、
ジステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリルおよびジイソステアリン酸デカグリセリルから選ばれるC成分とを含み、
前記皮膚化粧料全量に対する前記第1の非イオン性界面活性剤の配合量が1〜5質量%であり、
前記皮膚化粧料全量に対する前記第2の非イオン性界面活性剤の配合量が1〜5質量%であり、
前記第1の非イオン性界面活性剤(A成分)と前記第2の非イオン性界面活性剤との配合比(B成分+C成分)が、A/(B+C)=1/9〜9/1である皮膚化粧料。 - 前記皮膚化粧料全量に対する前記第1の非イオン性界面活性剤および前記第2の非イオン性界面活性剤の合計配合量が1〜5質量%である請求項1に記載の皮膚化粧料。
- クリームである請求項1または2に記載の皮膚化粧料。
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