JP4406478B2 - モータの取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のワイパ装置等に適用されるモータの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車のウインドシールドガラスを払拭するワイパ装置は、ピボットシャフトに取り付けられたワイパアームが、ピボットシャフトの回転により所定範囲で往復回動することで、ウインドシールドガラス面の雨滴等を払拭する。
【0003】
ここで、このようなワイパ装置では、ピボットシャフトは、ピボットホルダ部を有するワイパブラケットによって回転可能に支持されている。ワイパブラケットは、取付ボルトによって車体(例えば、ウインドシールドガラス下方に配置されたカウルパネル)に固定されている。また、一対のワイパアーム&ブレードを備えた車両においては、ピボットシャフトは車両幅方向両側にそれぞれ設けられており、これらを支持するワイパブラケットも車体の車両幅方向両側にそれぞれ固定されている。さらに、これら一対のワイパブラケットが、ワイパモータ等の支持基台としてのフレームと一体に構成された所謂フレーム一体式のワイパ装置がある(一例として、実開平7−31525号公報、あるいは、実開平5−22226号公報)。
【0004】
前記実開平7−31525号公報に示されたワイパ装置では、一対のピボットホルダを互いに連結する支持パイプ(パイプフレーム)に、ブラケットを溶接固定し、そのブラケットにワイパモータを取り付けて固定し、全体としてモータ&リンクのアッセンブリを構成している。このような構造によれば、ピボットホルダやワイパモータ等の構成が所定の位置関係を維持した状態で車両に搭載することができる。また、このフレームアッセンブリ(各ピボットホルダ)を車体へ取り付ける際においても、ピボットホルダと支持パイプとを軸線周りに相対回転させて互いの連結状態を調整すれば、モータ取付面の角度調整が可能になる利点もある。
【0005】
しかしながら、前記ワイパ装置の如く単なる支持パイプ(パイプフレーム)を用いた構成では、パイプフレームの周面が曲面となるために、ワイパモータなどの重量物や駆動力発生源をこのパイプフレームに直接に締結して取り付けようとしても安定して固定させることは容易でなく、ワイパモータを強固かつ確実に取り付けるためにはブラケットが必要であった。すなわち、仮に、ブラケットを省略して構成し、ワイパモータをボルトやリベット等によって支持パイプ(パイプフレーム)に直接取り付けようとすると、支持パイプに周囲から締結力や加圧力を加えることとなり、中空の支持パイプが不要に変形して、却ってモータがガタついたり取付け位置がズレたりしてしまう恐れがある。したがって、前述の如き支持パイプ(パイプフレーム)を用いた構成では、ブラケットが不可欠であり、部品点数及び組付工数が増加し、これらを低減するための対策が望まれていた。
【0006】
一方、前記実開平5−22226号公報に示されたワイパ装置では、鋼板を曲げて形成した断面コ字状の棒状フレームを採用している。この棒状フレームにブラケットをボルトによって締結固定し、さらに、このブラケットにワイパモータのギヤハウジング取付足をボルト固定した構成となっている。このような構造によれば、棒状フレームが板材であり中空状のパイプフレームではないため、前述のようにブラケットをボルトによって締結固定しても棒状フレームが変形し難い。
【0007】
しかしながら、このワイパ装置の如く鋼板を曲げて形成した断面コ字状の棒状フレームを用いた構成では、パイプフレーム(パイプ材)を用いた構成のものと比べると、パイプフレーム自体の曲げ強度が弱くフレーム全体としてもその剛性は小さい。したがって、所定の強度剛性を確保しようとすると必然的に棒状フレームのサイズを大型化せざるを得ず、重量や配置スペースあるいはコストの増加の原因であった。
【0008】
このように、従来のフレーム一体式のワイパ装置に適用されたワイパモータの取付構造では、何れのものも一長一短であり、従来の欠点を解消できるモータの取付構造が切望されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、例えば重量物であるワイパモータ等のモータを、比較的軽量で高剛性・高強度のパイプフレームにこのパイプフレームの実質的強度低下を伴うことなくしかも特別な固定部品を要することなく安定して強固に固定することができるモータの取付構造を提供することが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のモータの取付構造は、パイプフレームにワイパモータを取り付けるためのモータの取付構造であって、前記パイプフレームの長手方向に沿って互いに間隔を有して前記ワイパモータ又は前記ワイパモータが固定されるブラケットから延出され、前記パイプフレームの外周に密着する複数の脚部と、前記パイプフレームの前記脚部と密着する支持部位の間に位置し、前記パイプフレームに潰し加工を施すことで形成された取付平座面を有する固定部と、前記脚部の間において前記取付平座面と対向して前記ワイパモータ又は前記ワイパモータが固定されるブラケットに設けられ、前記パイプフレームに対して前記ワイパモータとは反対側から前記パイプフレームを貫通する締結手段と締結されることによって前記固定部に締結固定される締結部と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項1記載のモータの取付構造では、モータから延出された複数の脚部がパイプフレームの外周に密着して支持され、さらに、パイプフレームに設けられた固定部の取付平座面にモータの締結部が締結手段によって固定される。
【0012】
ここで、このモータの取付構造では、パイプフレームを採用しているため、本来的にフレーム全体の剛性が高く軽量である。
【0013】
また、パイプフレームに密着支持される脚部は、パイプフレームの長手方向に沿って互いに間隔を有して設けられている。したがって、これらの脚部と脚部との間においては、モータ自体がパイプフレームに架け渡された補強材としての機能を発揮し、特に、これらの脚部と脚部との間における曲げ強度が増大する。したがって、これら脚部と脚部との間のパイプフレームに設けられた固定部が潰し加工を施すことで形成されたものであっても(すなわち、パイプフレームを潰し加工して固定部が形成され当該部位が強度低下していても)、この間はモータ自体によって実質的に補強された状態になっているため、モータの脚部と脚部との間に位置する固定部には曲げ応力が集中して作用することがなく、その曲げ応力は固定部(潰し加工部分)以外のところ(すなわち、脚部)にも分散して支えられ、全体としての実質的な強度低下を防止できる。
【0014】
したがって、パイプフレームのサイズ(肉厚等)を大型化することなく所定の強度剛性を確保することができ、重量や配置スペースあるいはコストが増加することがない。
【0015】
このように、請求項1記載のモータの取付構造では、パイプフレームが本来有している軽量で比較的高い強度を、その実質的強度低下を伴うことなくしかもモータをパイプフレームに強固な締結固定にて変形させることなく安定して固定することができ、全体としても軽量で高剛性・高強度である。また、この固定には特別な固定部品を要することがない。
【0016】
請求項2に係る発明のモータの取付構造は、請求項1記載のモータの取付構造において、前記脚部は前記パイプフレームとの密着部分が前記パイプフレームの外周面の湾曲に対応した曲面に形成され、かつ、前記脚部の密着部分と前記パイプフレームの外周面とが対向して密着される方向を前記締結手段の締結方向としたことを特徴としている。
【0017】
請求項2記載のモータの取付構造では、モータから延出された脚部のパイプフレームとの密着部分がパイプフレームの外周面の湾曲に対応した曲面に形成されているため、パイプフレームの外周面により一層密着し、より強固にモータをパイプフレームに支持固定することができる。
【0018】
また、パイプフレームに設けられた固定部とモータの締結部との締結手段による締結方向が、脚部とパイプフレームとの対向密着方向と同じ方向とされているため、脚部をパイプフレームの外周面に一層強固に密着支持させることができ、結果としてモータをパイプフレームにガタツキなく一層安定しかつ強固に支持固定することができる。
【0019】
請求項3に係る発明のモータの取付構造は、請求項2記載のモータの取付構造において、前記脚部の密着部分は、前記パイプフレームの外周面の周方向略半分の領域に対向密着していることを特徴としている。
【0020】
請求項3記載のモータの取付構造では、脚部の密着部分がパイプフレームの外周面の周方向略半分の領域に対向密着している、すなわち、断面円形状のパイプフレームの外周面の約半周を脚部が抱え込む(掴む)ように支持固定されるので、パイプフレームの径方向(軸芯と直交する方向)に脚部がズレ難くなり、モータを一層安定してパイプフレームに固定することができる。
【0021】
請求項4に係る発明のモータの取付構造は、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のモータの取付構造において、前記締結部は前記取付平座面との対向部分が前記取付平座面に対応した平面に形成され、かつ、前記締結部の平面部分と前記取付平座面とが接近する方向を前記締結手段の締結方向としたことを特徴としている。
【0022】
請求項4記載のモータの取付構造では、モータに設けられた締結部はパイプフレーム(固定部)の取付平座面との対向部分がこの取付平座面に対応した平面に形成されているため、パイプフレームの取付平座面により一層安定して係合し、より強固にモータをパイプフレームに支持固定することができる。
【0023】
また、パイプフレームに設けられた固定部とモータの締結部との締結手段による締結方向が、この締結部の平面部分と取付平座面とが接近する方向と同じ方向とされているため、モータの締結部をパイプフレーム(固定部)の取付平座面により一層強固に密着支持させることができ、しかも、この取付平座面は潰し加工によって中実(中が詰まった状態)に形成されているので、強固に締結してもパイプフレームは変形されず、ガタツキなくモータをパイプフレームにより一層安定しかつ強固に支持固定することができる。
請求項5に係る発明のモータの取付構造は、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のモータの取付構造において、前記モータには、前記脚部の延出側とは反対側に、車体側の位置決め孔に嵌入されて位置決めされる位置決めピンが設けられていることを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の実施の形態に係るモータの取付構造が適用されて構成されたワイパ装置10の主要部の構成が分解斜視図にて示されている。また、図2にはこのワイパ装置10の全体構成が平面図にて示されており、図3にはこのワイパ装置10の全体構成が正面図にて示されている。
【0025】
ワイパ装置10は、一対のピボットホルダ12及びピボットホルダ14を備えている。ピボットホルダ12とピボットホルダ14は左右対称形に形成されており、基本的構成は同じ構成である。ピボットホルダ12には筒部16が設けられ、ピボットホルダ14には筒部18が設けられている。これらの筒部16、18は円筒形に形成されており、ピボットシャフト20、ピボットシャフト22がそれぞれ挿通されこれを回転可能に支持している。ピボットシャフト20、22の下端にはピボットレバー24、26がそれぞれ固定されており、ピボットレバー24、26の揺動によってピボットシャフト20、22が回動されるようになっている。また、ピボットホルダ12、14の部材角部には、取付孔28、30がそれぞれ形成されている。これらの取付孔28、30に挿通された取付ボルトによって、ワイパ装置10が車体に固定される構成である。
【0026】
また、ピボットホルダ12、14には、取付孔28、30と反対側の側壁部分に、連結シャフト32、34が設けられている。連結シャフト32、34は、断面円形の中実シャフト(むく軸)とされており、その先端部は後述するパイプフレーム42に嵌合連結する連結部36、連結部38とされている。なお、これらの連結シャフト32、34を断面円形の中実シャフトとするに限らず、断面円環状の中空シャフトに形成する構成としてもよい。
【0027】
連結部36、38には、それぞれ凹部40が形成されている。このピボットホルダ12の連結部36とピボットホルダ14の連結部38とが、パイプフレーム42によって互いに連結されている。
【0028】
パイプフレーム42の長手方向両端部は、前記連結シャフト32、34の連結部36、38に対応する連結部44、連結部46となっている。これらの連結部44、46は、断面円環状に形成されており、連結部44が連結部36に嵌合し連結部46が連結部38に嵌合し、さらにこの状態で、前記凹部40に対応して各連結部44、46がそれぞれカシメられてそれぞれ連結部36、38に連結固定された構成となっている。
【0029】
また、パイプフレーム42の長手方向中間部には、固定部48が形成されている。この固定部48は、パイプフレーム42を部分的に潰し加工を施すことで形成されており、その側面は取付平座面50となっている。さらに、固定部48には、後述する駆動源を固定するための取付孔52が形成されている。この取付孔52は、固定部48(取付平座面50)の両側に貫通している。
【0030】
以上の構成のパイプフレーム42(固定部48等)は、断面円環状の中空母材(パイプ材)をプレス加工することによって形成されており、さらに、前述した固定部48の取付孔52は、固定部48を形成するプレス加工工程と同工程にて打ち抜き形成されている。
【0031】
また、パイプフレーム42の固定部48には、取付平座面50に駆動源としてのワイパモータ58が取り付けられている。ワイパモータ58は、モータ部58A及びギヤ部58Bが一体に設けられた構成となっており、ギヤ部58Bのハウジング60には一対の脚部62が突出形成されている。各脚部62は、パイプフレーム42の長手方向に沿って互いに間隔をおいて位置しており、それぞれ全体として断面半円形に形成されその内周面はパイプフレーム42の外周面の湾曲に対応した曲面に形成されて密着曲面部分62Aとなっている。さらに、これらの一対の脚部62の間のハウジング60には、前述したパイプフレーム42(固定部48)の取付平座面50と対向して締結部63が形成されている。この締結部63には螺子溝66が形成されており、さらに、取付平座面50との対向部分は平面に形成されている。
【0032】
以上の構成のワイパモータ58は、一対の脚部62(密着曲面部分62A)がパイプフレーム42の外周面に密着すると共に、締結部63が固定部48の取付平座面50に密着し、かつこの状態で、取付孔52を貫通する締結手段としてのボルト64が締結部63の螺子溝66に螺合することで締結固定された構成となっている。
【0033】
さらにこの場合、パイプフレーム42の外周面に密着する脚部62の密着曲面部分62Aは、パイプフレーム42の外周面の周方向略半分の領域に対向密着するように寸法設定されている。また、この脚部62の密着曲面部分62Aとパイプフレーム42の外周面とが対向して密着される方向、及び、締結部63の平面部分とパイプフレーム42(固定部48)の取付平座面50とが接近する方向が、ボルト64が締結部63の螺子溝66に螺合して締結する方向と同じになるように、各部の形成位置や寸法等が設定されている。
【0034】
また、ワイパモータ58のハウジング60には、その前面側(図2において紙面上方側、図3において紙面奥側)へ向けて位置決めピン68が突出形成されており、図示を省略した車体側の位置決め孔に嵌入することによって位置決め、かつ支持が成される。
【0035】
以上の如くワイパ装置10は、一対のピボットホルダ12、14が、ワイパモータ58の支持基台としてのパイプフレーム42と一体に構成された所謂フレーム一体式の構成となっている。
【0036】
ワイパモータ58の出力軸70は、ハウジング60の裏面側(図2において紙面裏面側、図3において紙面下方側)へ向けて突出しており、その先端にはクランクアーム72が取り付けられている。クランクアーム72の先端には、ボールジョイント74を介してリンクロッド76及びリンクロッド78が連結されている。一方のリンクロッド76は、ピボットホルダ12に支持されたピボットシャフト20のピボットレバー24にボールジョイント80を介して連結されており、また、他方のリンクロッド78は、ピボットホルダ14に支持されたピボットシャフト22のピボットレバー26にボールジョイント82を介して連結されている。これにより、ワイパモータ58が作動しクランクアーム72が回転することにより、リンクロッド76、78及びピボットレバー24、26を介して駆動力が伝達されて、ピボットシャフト20、22がそれぞれ回動する構成である。
【0037】
また、ピボットシャフト20、22の先端にはそれぞれワイパアーム&ブレード(図示省略)が取り付けられ、各ピボットシャフト20、22の回転によってワイパアーム&ブレードが所定範囲で往復回動するようになっている。
【0038】
次に本実施の形態の作用を説明する。
【0039】
上記構成のワイパ装置10では、ピボットシャフト20、22を回転可能に支持するピボットホルダ12、14がパイプフレーム42によって互いに連結されている。また、このパイプフレーム42には、ワイパモータ58から延出された一対の脚部62(密着曲面部分62A)がパイプフレーム42の外周に直接密着して支持され、さらに、パイプフレーム42に設けられた固定部48の取付平座面50にワイパモータ58の締結部63が締結固定され、全体としてアッセンブリ状態とされている。この状態で、ワイパモータ58のハウジング60に設けられた位置決めピン68が車体側の位置決め孔に嵌入して位置決めされると共に、ピボットホルダ12、14の取付孔28、30に挿通された取付ボルトによってウインドシールドガラス下方の車体構造部材に固定される。
【0040】
さらに、ワイパモータ58の作動によってピボットシャフト20、22が回転して、ワイパアーム&ブレードが所定範囲で往復回動してウインドシールドガラスの雨滴等を払拭する。
【0041】
ここで、このワイパ装置10では、パイプフレーム42(すなわち、断面円環状のパイプ材)を採用しているため、本来的にフレーム全体の剛性が高く軽量である。
【0042】
また、パイプフレーム42に密着支持されるワイパモータ58の一対の脚部62は、パイプフレーム42の長手方向に沿って互いに間隔を有して設けられている。したがって、これらの脚部62と脚部62との間においては、ワイパモータ58(ハウジング60)自体がパイプフレーム42に架け渡された補強材としての機能を発揮し、特に、これらの脚部62と脚部62との間における曲げ強度が増大する。したがって、これら脚部62と脚部62との間のパイプフレーム42に設けられた固定部48が潰し加工を施すことで形成されたものであっても(すなわち、パイプフレーム42を潰し加工して固定部48が形成され当該部位が強度低下していても)、この間はワイパモータ58自体によって実質的に補強された状態になっているため、ワイパモータ58の脚部62と脚部62との間に位置する固定部48には曲げ応力が集中して作用することがなく、その曲げ応力は固定部48(潰し加工部分)以外のところ(すなわち、一対の脚部62)にも分散されて支えられ、全体としての実質的な強度低下を防止できる。
【0043】
したがって、パイプフレーム42のサイズを大型化したり部材肉厚を増加させることなく所定の強度剛性を確保することができ、重量や配置スペースあるいはコストが増加することがない。さらにこのため、加工も容易になる。
【0044】
またさらに、ワイパモータ58から延出された脚部62のパイプフレーム42との密着部分(密着曲面部分62A)は、パイプフレーム42の外周面の湾曲に対応した曲面に形成されているため、パイプフレーム42の外周面に対しより広い面で密着し、これによってもガタツキなく安定して一層強固にワイパモータ58をパイプフレーム42に支持固定することができる。
【0045】
また、各脚部62の密着曲面部分62Aは、パイプフレーム42の外周面の周方向略半分の領域に対向密着している、すなわち、断面円形状のパイプフレーム42の外周面の約半周を脚部が抱え込む(掴む)ように支持固定されるので、ワイパモータ58のハウジング60がボルト64を中心とする回転方向へ動いてしまうことを規制することができ、ワイパモータ58を一層安定してパイプフレーム42に固定することができる。
【0046】
さらに、ワイパモータ58に設けられた締結部63はパイプフレーム42(固定部48)の取付平座面50との対向部分がこの取付平座面50に対応した平面に形成されているため、パイプフレーム42の取付平座面50により一層安定して係合し、これによってもより一層強固にワイパモータ58をパイプフレーム42に支持固定することができる。
【0047】
また、脚部62の密着曲面部分62Aとパイプフレーム42の外周面とが対向して密着される方向、及び、締結部63の平面部分とパイプフレーム42(固定部48)の取付平座面50とが接近する方向が、ボルト64が締結部63の螺子溝66に螺合して締結する方向と同じになるように設定されているため、各脚部62をパイプフレーム42の外周面により一層強固に密着支持させることができると共に、締結部63をパイプフレーム42(固定部48)の取付平座面50により一層強固に密着支持させることができ、これによってもワイパモータ58をパイプフレーム42にガタツキなく一層安定しかつ強固に支持固定することができる。しかも、取付平座面50は潰し加工によって中実(中が詰まった状態)に形成されているので、強固にねじ込んで締結してもパイプフレーム42は変形せず、取付平座面50と固定部48の平面部分との間には隙間なく密着してワイパモータ58をパイプフレーム42にガタツキなく安定して強固に取り付けることができる。
【0048】
このように、本実施に形態に係るモータの取付構造が適用されて構成されたワイパ装置10では、パイプフレーム42の実質的強度低下を伴うことなくしかも特別な固定部品を要することなくワイパモータ58を安定して強固に固定することができ、全体としても軽量で高剛性・高強度である。
【0049】
なお、前述した実施の形態においては、ワイパモータ58のハウジング60に一対の脚部62及び締結部63が形成された構成としたが、本発明はこれに限らず、図4に示すワイパモータ90の如くブラケット92を介してフレーム42に固定する構成のものであっても適用可能である。すなわち、ブラケット92に前記実施の形態と同様の一対の脚部94及び締結部96を形成し、このブラケット92にワイパモータ90を固定するように構成してもよい。
【0050】
この場合であっても、パイプフレーム42の実質的強度低下を伴うことなくワイパモータ58を安定してかつ強固に固定することができ、全体としても軽量で高剛性・高強度とすることができる。
【0051】
また、前述した各実施の形態においては、本発明に係るモータの取付構造を車両のワイパ装置10に適用した例を説明したが、本発明はこのようなワイパ装置10に限らず、例えば、車両ドア内に配置されウインドの昇降駆動用に使用されるパワーウインド装置用モータを、ドア補強のためのサイドドアビームに固定するなど、モータをパイプフレームに取付固定する構造物であれば他の装置であっても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るモータの取付構造が適用されて構成されたワイパ装置の主要部の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るモータの取付構造が適用されて構成されたワイパ装置の全体構成を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るモータの取付構造が適用されて構成されたワイパ装置の全体構成を示す正面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係るモータの取付構造が適用されて構成されたワイパ装置の主要部の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ワイパ装置
42 パイプフレーム
48 固定部
50 取付平座面
52 取付孔
58 ワイパモータ
62 脚部
62A 密着曲面部分
63 締結部
64 ボルト(締結手段)

Claims (5)

  1. パイプフレームにワイパモータを取り付けるためのモータの取付構造であって、
    前記パイプフレームの長手方向に沿って互いに間隔を有して前記ワイパモータ又は前記ワイパモータが固定されるブラケットから延出され、前記パイプフレームの外周に密着する複数の脚部と、
    前記パイプフレームの前記脚部と密着する支持部位の間に位置し、前記パイプフレームに潰し加工を施すことで形成された取付平座面を有する固定部と、
    前記脚部の間において前記取付平座面と対向して前記ワイパモータ又は前記ワイパモータが固定されるブラケットに設けられ、前記パイプフレームに対して前記ワイパモータとは反対側から前記パイプフレームを貫通する締結手段と締結されることによって前記固定部に締結固定される締結部と、
    を備えたことを特徴とするモータの取付構造。
  2. 前記脚部は前記パイプフレームとの密着部分が前記パイプフレームの外周面の湾曲に対応した曲面に形成され、かつ、前記脚部の密着部分と前記パイプフレームの外周面とが対向して密着される方向を前記締結手段の締結方向としたことを特徴とする請求項1記載のモータの取付構造。
  3. 前記脚部の密着部分は、前記パイプフレームの外周面の周方向略半分の領域に対向密着していることを特徴とする請求項2記載のモータの取付構造。
  4. 前記締結部は前記取付平座面との対向部分が前記取付平座面に対応した平面に形成され、かつ、前記締結部の平面部分と前記取付平座面とが接近する方向を前記締結手段の締結方向としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のモータの取付構造。
  5. 前記ワイパモータには、前記脚部の延出側とは反対側に、車体側の位置決め孔に嵌入されて位置決めされる位置決めピンが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のモータの取付構造。
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