JP4405774B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の室内に配設される車両用空気調和装置に関する。
一般に、自動車用の空気調和装置においては、空調ユニットのケースに収容された熱交換器へ熱交換媒体を給排するためのパイプ部材をケース外部へ突出させており、この空調ユニットを車両へ組み付ける場合には、空調ユニットを室内に搬入するとともに、前記パイプ部材を車両のパネル材に形成された開口部から室外のエンジンルームへ突出させて、エンジンルーム側のパイプ部材に接続するようにしている。
この種の空気調和装置として、パネル材の開口部周縁と空調ユニットのケースとの間をシール部材でシールして、エンジンルームから水や騒音が室内に侵入するのを抑えるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のシール部材は、パネル材に沿うように延び該パネル材とケースとで挟まれる板状部を備え、この板状部に形成されたパイプ挿通孔周縁には、パイプ部材の外周面に沿うように延びる環状のリップ部が形成されている。これにより、空調ユニットを車両へ組み付ける場合にパイプ部材がパネル材等に当たって位置ずれしても、リップ部がパイプ部材に密着した状態が保たれ、シール性を確保することができる。
また、パネル材の開口部周縁と空調ユニットのケースとの間をシール部材でシールするものとして、環状の弾性シール部材をパイプ部材に嵌めるようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
実公平7−7206号公報(第2頁、図2、図3) 実開昭57−60814号公報(第6頁、図2、図3)
しかしながら、前記特許文献1では、シール部材に板状部とリップ部とを一体に成形しているので、シール部材の形状が複雑化して成形が難しくなる。
また、空調ユニットを車両に組み付ける場合には、その組み付け誤差等により、ケースのパネル材に対する位置がずれることがあるため、シール部材をパネル材の開口部周縁に狙い通りに密着させるのが難しく、シール性が確保されない虞れがある。
さらに、前記特許文献2では、環状に形成されたシール部材をパイプ部材に嵌めているだけなので、パイプ部材の外周面とシール部材の内周面との間のシール性が十分でない。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パネル材の開口部周縁とケースとの間をシール部材によりシールする場合に、シール部材の形状をシンプルにして成形を容易にしながら、シール性を確保できるようにすることにある。
前記目的を達成するために、本発明では、シール部材をケース側シール構成部材とパネル側シール構成部材とで構成し、ケース側シール構成部材を空調ユニットの車両への組み付け状態でケースにより押圧されて弾性変形するように構成する一方、パネル側シール構成部材をパイプ部材に外嵌合させた状態でパイプ部材に密着するリップ部が形成されるように構成した。
具体的には、車両の室内と室外とを仕切るパネル材の室内側に配設され、内部に熱交換器を収容した空調ユニットのケースと、前記熱交換器に接続され、前記ケース及びパネル材に形成された開口部から室外へ突出する熱交換媒体給排用のパイプ部材と、該パイプ部材に外嵌合され、前記パネル材の開口部周縁とケースとの間をシールするシール部材とを備え、該シール部材を、ケース側に配置された弾性変形可能なケース側シール構成部材と、パネル材側に配置され前記ケース側シール構成部材よりも高い伸び率を有するパネル側シール構成部材とを備え、前記ケース側シール構成部材は、前記パネル側シール構成部材よりも厚肉なウレタンフォームからなり、空調ユニットを車両へ組み付けた状態でパネル側シール構成部材及びケースにより押圧されて弾性変形、前記パネル側シール構成部材は、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体の発泡材からなり、前記パイプ部材に外嵌合した状態でパイプ部材の外周面に密着するリップ部が形成されるように変形する構成とする。
この構成によれば、シール部材をケースに組み付ける際、パイプ部材にパネル側シール構成部材を外嵌合させると、該パネル側シール構成部材のパイプ部材周りが、パイプ部材の外周面に沿って該パイプ部材の軸方向に伸びるように変形して、パイプ部材の外周面に密着するリップ部となる。これにより、シール部材に予めリップ部を形成しなくてもパイプ部材の外周面とシール部材との間のシール性が確保されるので、シール部材の形状がシンプルになる。
また、空調ユニットを車両に組み付けると、ケース側シール構成部材は、パネル側シール構成部材及びケースにより押圧されて弾性変形し、このケース側シール構成部材の反発力により、パネル側シール構成部材がパネル材に押し付けられる。さらに、パネル側シール構成部材は伸び率が高いので、パネル材の形状に沿うように容易に変形する。これらのことにより、組み付け誤差等により空調ユニットのケースとパネル材との位置がずれても、パネル側シール構成部材がパネル材の開口部周縁の全体に密着するようになる。
また、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体が持つ性質により、パネル側シール構成部材に高い伸び率が確保されるので、パネル側シール構成部材を空調ユニット側パイプ部材に外嵌合させる際に、該パネル側シール構成部材が容易に伸びて変形し、これにより、パネル側シール構成部材の組み付け作業性が良好になる。
また、ウレタンフォームが持つ性質により、ケース側シール構成部材の圧縮残留歪みが小さくなるので、車両に長期間組み付けられている空調ユニットを取り外した際に、ケース側シール構成部材の形状が初期の形状に近づくようになる。このため、空調ユニットを修理して再組み付けする場合のように、空調ユニットの組み付け位置が取り外す前の位置からずれてシール部材を密着させる部分の形状が異なる虞れがある場合に、ケース側シール構成部材による反発力が確保され、パネル側シール構成部材がパネル材の開口部周縁に密着する。
請求項の発明では、請求項の発明において、パイプ部材は、熱交換媒体が流れる流通管と、該流通管の外周面を覆うように形成された弾性部材からなるカバーとを備え、パネル側シール構成部材は、前記カバーの外周面に密着するリップ部が形成されるように変形する構成とする。
この構成によれば、パイプ部材にパネル側シール構成部材を外嵌合させると、カバーの外周面に密着するリップ部により該カバーが径方向内側へ弾性変形する。このときのカバーの反発力により該カバーの外周面とパイプ側シール構成部材とが密着するようになるとともに、カバーの内周面が流通管の外周面に密着するようになる。
請求項1の発明によれば、パネル材の開口部周縁とケースとの間をシールするシール部材をケース側シール構成部材とパネル側シール構成部材とで構成し、パネル側シール構成部材を比較的伸び率の高い材料からなるものとして、このパネル側シール構成部材をパイプ部材に外嵌合した状態でリップ部が形成されるように構成したので、空調ユニットを車両へ組み付けて該空調ユニット側のパイプ部材を車両側のパイプ部材に接続する際に空調ユニット側のパイプ部材が変形して位置ずれしても、リップ部がパイプ部材の外周面に密着する。つまり、シール部材に予めリップ部を形成しなくても、パイプ部材の外周面とシール部材との間のシール性を確保でき、シール部材の成形を容易にすることができる。また、ケース側シール構成部材が空調ユニットの組み付け状態で弾性変形し、さらに、前記の如くパネル側シール構成部材の伸び率が高いので、空調ユニットに組み付け誤差が生じてもパネル側シール構成部材がパネル材に密着して、シール性を確保することができる。
また、パネル側シール構成部材が伸び率の高いエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体からなるので、パネル側シール構成部材の組み付け作業性を良好にすることができる。
また、ケース側シール構成部材が圧縮残留歪みの小さいウレタンフォームからなるので、空調ユニットを取り外して再組み付けする場合のように、シール部材を密着させる部分の形状が取り外し前の形状と異なる虞れがある場合に、パネル側シール構成部材をパネル材に密着させることができる。これにより、空調ユニットの再組み付けの際にシール部材を交換する必要がなくなり、再組み付けに要するコストを低減することができる。
請求項の発明によれば、弾性部材からなるカバーの外周面に密着するようにリップ部が形成されるので、カバーとパイプ側シール構成部材とが密着し、かつカバーが流通管にも密着して、室外の水や騒音がパイプ部材とシール部材との間から室内に侵入するのを確実に防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
尚、この実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、「前」とは車両前後方向の前側を、また「後」とは車両前後方向の後側を、さらに「左」とは車幅方向の左側を、さらにまた「右」とは車幅方向の右側をそれぞれ表すこととする。
図2は、本発明の実施形態に係る車両用空気調和装置1を自動車に搭載した場合を示すものである。この自動車は、前側にエンジンルームEが設けられており、このエンジンルームEとその後側に隣接して設けられた室内Rとは、略鉛直に延びるパネル材としてのダッシュパネルPにより仕切られている。室内Rの前端部にはインストルメントパネル(図示せず)が配設されており、前記空気調和装置1はインストルメントパネル内部に配設されている。また、この空気調和装置1は、図示しない送風ユニットと、該送風ユニットからの空気を調和空気とする空調ユニット2とを備え、送風ユニットは助手席側である右側に配設される一方、空調ユニット2は左右方向略中央部に配設されている。
空調ユニット2は、全体として上下方向に長い樹脂製のケース3を備えていて、このケース3は底壁側部材5と、この底壁側部材5よりも上側の本体側部材6とに分割されていて、さらに本体側部材6は、左右方向略中央部において2つに分割されている。これらケース3を構成する部材5、6は、ファスナやネジ等を用いて一体化されるようになっている。
ケース3の右側壁下部には、前記送風ユニットに接続される空気取入口10が形成されている。ケース3内部の空気取入口10よりも上方には冷却用熱交換器としてのエバポレータ11が配設され、このエバポレータ11の上方には、加熱用熱交換器としてのヒータコア12が配設されている。また、ケース3の上部には調和空気の吹出口15、16、17が形成されている。
前記エバポレータ11は空気取入口10の上方に設けられたエバポレータ配設空間20に収容され、図示しないがアルミニウム合金製のチューブ及び伝熱フィンを交互に並べて一体化したチューブアンドフィンタイプの熱交換器である。エバポレータ11のチューブ両端部にはヘッダタンク11aが連通状態でそれぞれ配設され、この両ヘッダタンク11aには、熱交換媒体としての冷媒をエバポレータ11に供給するためのクーラ側供給用パイプ部材21と、冷媒をエバポレータ11から排出させるためのクーラ側排出用パイプ部材(図示せず)とがそれぞれ接続されている。このエバポレータ11による空気の冷却時にフィンの表面に発生した凝縮水は、ケース3の底壁に設けられたドレン部37から外部に排出されるようになっている。
ケース3の前壁におけるエバポレータ11前端部に対向する部分は、ダッシュパネルPから後側へ離れかつ該ダッシュパネルPと略平行に延びるように形成された下側シール面部23とされている。前記供給用及び排出用パイプ部材21は、図1及び図3にも示すように、下側シール面部23の対応する部分にそれぞれ形成された開口部23aを通って前方へ略水平に延びている。この供給用及び排出用パイプ部材21の先端側は、図2に示す空調ユニット2を車両に組み付けた状態で、ダッシュパネルPに形成された開口部24を通ってエンジンルームE内に位置するようになっている。
前記供給用及び排出用パイプ部材21は、冷媒が通る流通管25と、該流通管25の外周面の全体を覆うカバー26とで構成されている。流通管25はアルミニウム合金製の円管状部材であり、その先端部に、図示しない継手を介してエンジンルームE側のパイプ部材27が接続されるようになっている。また、カバー26は、エチレンとプロピレンと若干のジエンとの三元共重合体(EPDM)の発泡材を円筒状に成形してなるものである。このカバー26の内径は流通管25の外径と略同じに設定されており、また、カバー26の厚みは約5mmに設定され、このカバー26により流通管25が断熱されるようになっている。
下側シール面部23とダッシュパネルPとの間には、パイプ部材21に外嵌合して前記開口部24周縁と下側シール面部23との間をシールする下側シール部材30が配設されている。下側シール部材30は、供給用パイプ部材21側の開口部24周縁と、図示しないが排出用パイプ部材側の開口部周縁とにそれぞれ配設されており、これら両シール部材30は同様に構成されているため、供給用パイプ部材21側の下側シール部材30について説明する。
図1にも示すように、前記下側シール部材30は、ケース3側に配置されたケース側シール構成部材31と、ダッシュパネルP側に配置されたパネル側シール構成部材32とを層状に重ね合わせて構成されている。各シール構成部材31、32は、各々、シート状の部材を型により打ち抜いて形成されるもので、下側シール面部23と同等の板状をなしている。前記ケース側シール構成部材31は比較的厚肉とされる一方、パネル側シール構成部材32は比較的薄肉とされている。
ケース側シール構成部材31は、例えば軟質のウレタンフォーム材からなり、中心部には、供給用パイプ部材21のカバー26の外径と略同径の貫通孔31aが形成されている。このケース側シール構成部材31のウレタンフォーム材は、30%以上70%以下の圧縮状態で使用するのに適したものであり、圧縮残留歪みが10%以下となるように製造されている。
また、パネル側シール構成部材32は、例えば前記カバー26と同様なエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体の発泡材からなり、図3に示すように、中心部には、供給用パイプ部材21のカバー26の外径よりも小さい貫通孔32aが形成されていて、この貫通孔32aは、流通管25の外径と略同じに設定されている。このパネル側シール構成部材32のエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体の発泡材は、ウレタンフォーム材よりも伸び率が高く、具体的には、伸び率が150%以上300%以下となるように製造されたものである。
図2に示すように、エバポレータ配設空間20の上方には、ヒータコア12を収容するヒータコア配設空間38が設けられている。ヒータコア12は、前記エバポレータ11と同様のチューブアンドフィンタイプの熱交換器であり、チューブ両端のヘッダタンク12aには、熱交換媒体としての車載エンジンの冷却水をヒータコア12に供給するためのヒータ側供給用パイプ部材39と、冷却水をヒータコア12から排出させるためのヒータ側排出用パイプ部材(図示せず)がそれぞれ接続されている。
ケース3の前壁におけるヒータコア12前端部に対向する部分は、前記下側シール面部23と同様に形成された上側シール面部42とされている。ヒータ側供給用及び排出用パイプ部材39は、上側シール面部42の対応する部分にそれぞれ形成された開口部42aを通って前方へ略水平に延びており、その先端側は、空調ユニット2を車両に組み付けた状態で、ダッシュパネルPに形成された開口部43を通ってエンジンルームE内に位置するようになっている。また、各ヒータ側パイプ部材39は、前記クーラ側パイプ部材21と同様に流通管40とカバー41とで構成され、流通管40にはエンジンルームE側のパイプ部材45が接続されるようになっている。
上側シール面部42とダッシュパネルPとの間には、前記下側シール部材30と同様にケース側シール構成部材51とパネル側シール構成部材52とで構成された上側シール部材50が配設されている。
また、前記エバポレータ配設空間20とヒータコア配設空間38との間には、仕切壁55が設けられている。仕切壁55には、エバポレータ配設空間20とヒータコア配設空間38とを連通させる前側開口部56及び中央開口部57が形成されている。これら前側開口部56及び中央開口部57は、前側エアミックスドア58及び後側エアミックスドア59により開閉されるようになっている。また、ヒータコア配設空間38の後側にはバイパス通路60が設けられていて、このバイパス通路60の上流端は仕切壁55の後側開口部61に接続されている。この後側開口部61は、後側エアミックスドア59が中央開口部57を全閉にした状態で全開とされる一方、後側エアミックスドア59が中央開口部57を全開にした状態で全閉とされるようになっている。
また、ケース3の上壁後側にはベント吹出口15が形成され、図示しないがベントダクトを介してインストルメントパネルのベントノズルに接続されている。また、ケース3の上壁におけるベント吹出口15の前側には、デフロスタ吹出口16が形成され、図示しないがデフロスタダクトを介してインストルメントパネルのデフロスタノズルに接続されている。さらに、ケース3の左右両側壁の上部には、フット吹出口17が形成され、このフット吹出口17には、ケース3の側壁から後壁へ廻り込むようにケース3と一体に形成されたフットダクト67の上流端が接続されている。
前記ベント吹出口15及びデフロスタ吹出口16は、ベントドア65及びデフロスタドア66により開閉されるようになっている。これらベントドア65及びデフロスタドア66の開閉動作により調和空気の吹出モードが切り替えられるようになっている。
前記のように構成された空調ユニット2の組立工程について説明する。まず、ケース3の内部にエバポレータ11等を組み付けた後に、本体側部材6と底壁側部材5とを一体化し、その後、下側及び上側シール部材30、50を組み付ける。これら下側及び下側シール部材30、50は同様に組み付けられるので、以下、下側シール部材30の組み付けについて説明する。
まず、ケース側シール構成部材31を組み付ける際には、該ケース側シール構成部材31を図3に矢印イで示す方向に移動させて、クーラ側パイプ部材21に外嵌合させ、図1に示すように、下側シール面部23にケース側シール構成部材31を密着させる。この際、ケース側シール構成部材31の貫通孔31aはパイプ部材21の外径と略同じに設定されているので、パイプ部材21を容易に外嵌合させることができる。
その後、パネル側シール構成部材32を組み付ける際には、該パネル側シール構成部材32を図3に矢印ロで示す方向に移動させる。この際、パネル側シール構成部材32は伸び率が高くかつ貫通孔31aがカバー26よりも小さいので、パネル側シール構成部材32の貫通孔32aが拡径するとともに、その周縁がカバー26の外周面に沿ってパイプ部材21先端側へ向けて伸びる。これにより、パネル側シール構成部材32に予めリップ部を形成しておかなくても、図1に示すようにパネル側シール構成部材32をクーラ側パイプ部材21に組み付けるだけで該パイプ部材21の外周面に密着する環状のリップ部32bが形成されるため、下側シール部材30の形状を平坦な板状のシンプルな形状にして成形を容易にすることができる。
また、前記の如くパネル側シール構成部材32がパイプ部材21に外嵌合しているため、ケース側シール構成部材31をケース3に固定しなくても脱落することはない。
さらに、パイプ部材21のカバー26をエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体で構成しているので、カバー26がパネル側シール構成部材32に形成されたリップ部32bにより径方向内側へ押圧されて弾性変形する。このときのカバー26の反発力により該カバー26の外周面と貫通孔32a周縁とが密着するようになるとともに、カバー26の内周面が流通管25、40の外周面に密着するようになる。これにより、エンジンルームEの水や騒音が、パネル側シール構成部材32の貫通孔32aとパイプ部材21との間から室内Rに侵入するのを確実に防止することができる。
また、このようにパネル側シール構成部材32の貫通孔32a周縁が伸びるため、パネル側シール構成部材32を小さい力で容易に組み付けることができるとともに、その組み付けの際にパネル側シール構成部材32を引っ張っても貫通孔32a周縁が破れることはない。尚、ケース側シール構成部材31とパネル側シール構成部材32とを接着して組み付け工程における部品点数の削減を図るようにしてもよく、また、ケース側シール構成部材31をシール面部23に接着するようにしてもよい。
前記のようにして下側及び上側シール部材30、50を組み付けた後、空調ユニット2を室内Rに搬入し、ダッシュパネルPの組み付け位置に合わせると、クーラ側パイプ部材21及びヒータ側パイプ部材39がダッシュパネルPの開口部24、43からそれぞれエンジンルームEに突出し、また、ドレン部37もエンジンルームEに突出する。
この空調ユニット2を室内Rに搬入する際や、位置合わせをする際には、クーラ側パイプ部材21及びヒータ側パイプ部材39が、例えばダッシュパネルP等の車両側の部材に当たって若干変形し、各パイプ部材21、39が位置ずれすることがあるが、この実施形態では、パネル側シール構成部材32、52に形成されたリップ部32bがパイプ部材21、39の外周面に密着した状態が保たれるので、シール性を確保することができる。
そして、空調ユニット1をダッシュパネルPに締結部材等を用いて固定すると、下側シール部材30のケース側シール構成部材31は、図1に示すように、パネル側シール構成部材32及び下側シール面部23により押圧されて約半分の厚さになるまで弾性変形する。また、上側シール部材50のケース側シール構成部材51もパネル側シール構成部材52及び上側シール面部42により押圧されて約半分の厚さになるまで弾性変形する。その後、クーラ側パイプ部材21及びヒータ側パイプ部材39にエンジンルームE側のパイプ部材27、45をそれぞれ接続する。
このとき、ケース側シール構成部材31、51の反発力によりパネル側シール構成部材32、52は下側シール面部23及び上側シール面部42にそれぞれ押し付けられる。さらに、パネル側シール構成部材32、52は伸び率が高いので、前記ケース側シール構成部材31、51により押圧されると、ダッシュパネルPの形状に沿うように容易に変形して密着し、シール性が確保される。これにより、組み付け誤差等によりダッシュパネルPに対する空調ユニット2の位置がずれても、パネル側シール構成部材32、52をダッシュパネルPに密着させてシール性を確保できる。
また、ケース側シール構成部材31、51をウレタンフォームで構成しているので、圧縮残留歪みを長期間に亘り小さくすることができ、車両に組み付けられた空調ユニット2を取り外した後には、ケース側シール構成部材31、51の形状が初期の形状に近づくようになる。これにより、例えば修理の際に空調ユニット2を車体から取り外して再組み付けする場合のように、空調ユニット2の組み付け位置が取り外す前の位置からずれてシール部材30、50を密着させる部分の形状が異なる虞れがある場合に、ケース側シール構成部材31、51による反発力が確保されるので、パネル側シール構成部材32、52がダッシュパネルPの開口部24、43周縁に密着するようになり、シール性を十分に確保できる。これにより、例えば空調ユニット2を修理して再組み付けする際にシール部材30、50を交換する必要がなくなり、再組み付けに要するコストを低減することができる。
また、パネル側シール構成部材32、52は、ダッシュパネルPの開口部24、43からエンジンルームEに臨むことになるが、このパネル側シール構成部材32、52はエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体で構成されていて水が染み込み難いので、エンジンルームEの水が室内Rへ洩れることはない。
尚、この実施形態では、クーラ側パイプ部材21及びヒータ側パイプ部材39に別体のシール部材30、50をそれぞれ配設するようにしているが、これらのシール部材30、50を一体に構成してもよい。
また、この実施形態では、クーラ側パイプ部材21及びヒータ側パイプ部材39にカバー26、41を設けるようにしているが、このカバー26、41は省略してもよい。この場合では、ケース側シール構成部材31、51の貫通孔31aの内径を流通管25、40と略同じに設定するとともに、パネル側シール構成部材32、52の貫通孔32aの内径を流通管25、40よりも小さくするようにする。これにより、パネル側シール構成部材32、52を各パイプ部材21、39に外嵌合させると、該パネル側シール構成部材32、52は、リップ部が形成されるように変形する。
また、この実施形態では、シール部材30、50をそれぞれ2層構造としているが、図4に示す変形例のように、3層構造としてもよい。すなわち、パネル側シール構成部材32のケース3側にケース側シール構成部材31を配設し、さらにこのケース側シール構成部材31とケース3の下側シール面部23との間にEPDMからなる板状部材70を配設し、この板状部材70を下側シール面部23に密着させる。これにより、シール面部23を構成している壁部に、例えば肉盗み部71を設けて前記シール面部23を凹凸状にした場合には、ウレタンフォームに比べて凹部に入り込みにくい性質を有するEPDMがシール面部23に密着しているために、ケース側シール構成部材31をシール面部23の凹凸形状に関わらず全体に亘って略均一に圧縮することが可能となり、パネル側シール構成部材32の全体をダッシュパネルPに密着させることができる。
また、この実施形態ではエバポレータ11を後側へ行くほど上方に位置するように若干傾斜させて配置しているが、これに限らず、例えば前側へ行くほど上方に位置するように傾斜させて配置してもよいし、空気通過面が略鉛直に延びるように配置してもよい。また、ヒータコア12についても同様に前後方向一側へ行くほど上方に位置するように傾斜させてもよいし、空気通過面が略鉛直に延びるように配置してもよい。また、この実施形態では、エバポレータ11及びヒータコア12を上下方向に並べて配置しているが、前後方向や左右方向に並べて配置してもよい。
さらに、空調ユニット2の構造は前記したものに限られるものではなく、図示しないが、例えば、エバポレータ及びヒータコアを前後方向に並べて配置してケースの前部から空気を導入して後側へ流し、前記実施形態と同様にケースの上部に設けた各吹出口から吹き出させるようにしてもよい。また、空調ユニットのケースと送風ユニットのケースとを一体的に形成するようにしてもよい。この場合には、送風ユニットのケースを空調ユニットのケースの上部に位置付けるとともに、エバポレータ及びヒータコアを前後方向に並べて配置する。そして、送風ユニットからの空気を下方へ流し、該空気を空調ユニットのケースにおけるエバポレータの前側から導入して後側へ流し、前記実施形態と同様にケースの上部に設けた各吹出口から吹き出させるようにする。
以上説明したように、本発明に係る車両用空気調和装置は、例えば、自動車の空気調和装置として用いることができる。
空気調和装置を自動車へ組み付けた状態における下側シール部材近傍の部分拡大図である。 本発明の実施形態に係る空気調和装置の縦断面図である。 ケースへ下側シール部材を組み付ける前の状態を拡大して示す図である。 実施形態の変形例に係る図1相当図である。
1 空気調和装置
2 空調ユニット
3 ケース
11 エバポレータ(冷却用熱交換器)
12 ヒータコア(加熱用熱交換器)
21 クーラ側パイプ部材
23a、42a 開口部
24、43 開口部
26、41 カバー
30、50 シール部材
31、51 ケース側シール構成部材
32、52 パネル側シール構成部材
32b リップ部
39 ヒータ側パイプ部材
E エンジンルーム(室外)
P ダッシュパネル(パネル材)
R 室内

Claims (2)

  1. 車両の室内と室外とを仕切るパネル材の室内側に配設され、内部に熱交換器を収容した空調ユニットのケースと、
    前記熱交換器に接続され、前記ケース及びパネル材に形成された開口部から室外へ突出する熱交換媒体給排用のパイプ部材と、
    前記パイプ部材に外嵌合され、前記パネル材の開口部周縁とケースとの間をシールするシール部材とを備え、
    前記シール部材は、ケース側に配置された弾性変形可能なケース側シール構成部材と、パネル材側に配置され前記ケース側シール構成部材よりも高い伸び率を有するパネル側シール構成部材とを備え、
    前記ケース側シール構成部材は、前記パネル側シール構成部材よりも厚肉なウレタンフォームからなり、空調ユニットを車両へ組み付けた状態でパネル側シール構成部材及びケースにより押圧されて弾性変形するように形成され、
    前記パネル側シール構成部材は、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体の発泡材からなり、前記パイプ部材に外嵌合した状態でパイプ部材の外周面に密着するリップ部が形成されるように変形することを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 請求項に記載の車両用空気調和装置において、
    パイプ部材は、熱交換媒体が流れる流通管と、該流通管の外周面を覆うように形成された弾性部材からなるカバーとを備え、
    パネル側シール構成部材は、前記カバーの外周面に密着するリップ部が形成されるように変形することを特徴とする車両用空気調和装置。
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