JP4405728B2 - 電子メール管理装置、メールサーバ、転送方法、および媒体 - Google Patents
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Description
本発明は、電子メールの転送技術に関するものである。
背景技術
従来、電子メールシステムにおいては、受信した電子メールを所定のアドレスに転送する転送サービスが提供されていた。このサービスを利用するため、ユーザはメールサーバにおいて自身の受信アドレスに対する転送先アドレスを登録しておく。
すると、その受信アドレスで電子メールが受信されたときに、メールサーバがその電子メールを上記転送先に転送する。これによって、ユーザは、電子メールアドレスの変更時、変更前後の両方のアドレスを使い分けたり、職場で使用する電子メールアドレスから自宅で使用する電子メールアドレスに転送したりすることができた。
このように、電子メールの転送機能・転送サービスは便利ではあった。しかし、転送先アドレスが正しいものか否かをアドレス情報のみから確認することが困難であった。従来、転送先アドレスの正当性を調査するには、例えば、予め登録済みのリスト内にあるかどうかで判定するしかなかった。
また、企業内イントラネットから、社外メールアドレスへの転送時に、誤配送が発生すると、企業機密が漏洩する場合がある。しかし、従来のリストをチェックする方法では、誤配送を防止することが困難であった。
また、メールアドレスが変わった場合には、登録済みのアドレスリストを参照する方法では、そのメールアドレスの正当性を判断できなかった。さらに、転送先アドレスが一度登録されると、その後、そのアドレスが無効になっても、継続して不正な転送が行われてしまう場合があった。
発明の開示
本発明はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、電子メールにおける転送先アドレスの正当性を自動的に調査する技術を提供することにある。そして、本発明の課題は、正当性が確認できた転送先アドレスに対して転送を許容し、転送メールの誤配送を未然に防止することである。
また、本発明の課題は、一度有効になった転送先アドレスに対して無期限に電子メールが転送されることを防止ことである。
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、電子メールの転送先を管理する電子メール管理装置(1、2)であり、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付ける受付部と、
その転送先アドレスの妥当性を確認する確認部とを備えたものである。
好ましくは、上記電子メール管理装置は、上記転送先アドレスにテストメールを送信する送信部と、
そのテストメールに対する応答を受信する受信部とをさらに備え、
上記確認部は、上記送信部にテストメールの送信を指令し、上記受信部を介して応答を確認してもよい。
好ましくは、上記電子メール管理装置(1)は、上記転送先にテストメールを送信する送信装置(4)およびそのテストメールに対する応答を受信する受信装置(2)と通信する通信部をさらに備え、
上記確認部は、上記通信部を介して上記送信装置(4)にテストメールの送信を指令し、上記通信部を介して上記受信装置(2)で受信された応答を確認してもよい。
好ましくは、上記電子メール管理装置(1、2)は、上記確認が成功した場合に、上記転送先アドレスを登録する転送先登録部(5)と、
電子メールを転送する転送制御部(2)とをさらに備え、
上記転送制御部(2)は、上記受信アドレスに対する転送先アドレスが上記転送先登録部(5)に登録されているときに、その受信アドレスで受信された電子メールを転送先アドレスに転送してもよい。
好ましくは、上記電子メール管理装置(1)は、電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスを登録し、当該受信アドレスで受信された電子メールをその転送先アドレスに転送する、そのようなメールサーバ(2)と通信する通信部をさらに備え、
上記確認部は、上記確認が成功した場合に、上記通信部を介して、上記受信アドレスに対する転送先アドレスの登録を上記メールサーバ(2)に指令してもよい。
好ましくは、上記確認部は、上記応答が上記受信アドレスから発信されたか否かを確認してもよい。
好ましくは、上記確認部は、上記受信アドレスおよび転送先アドレスへの各々のテストメールの送信を指令し、2つのテストメールに対する応答を確認してもよい。
好ましくは、上記転送先登録部(5)は、所定範囲の転送先アドレスの設定要求に対しては、無条件にそのアドレスを登録し、所定範囲外の転送先アドレスの設定要求に対しては、上記確認部による確認が成功した転送先アドレスを登録してもよい。
好ましくは、上記電子メール管理装置(1、2)は、上記確認が成功しなかった場合に、その転送先アドレスに対する転送を許可できないことを報知する報知部をさらに備えてもよい。
好ましくは、上記確認部は、上記登録から所定の期間経過後に登録済みの転送先アドレスの妥当性を確認し、
上記転送制御部(2)は、上記期間経過後には、上記確認が成功するまでその転送先アドレスへの転送を停止するようにしてもよい。
好ましくは、上記通信部は、前記メールサーバから登録済みの転送先アドレスを確認する依頼を受信し、
上記確認部は、その転送先アドレスの妥当性を確認してもよい。
好ましくは、上記電子メール管理装置は、テストメールに対する応答手順を所定範囲のユーザに対して開示する情報提供部をさらに備え、
上記確認部は上記応答が上記応答手順にしたがっているか否かを確認するようにしてもよい。
好ましくは、上記確認部は、前記応答が所定のデータ列を含むか否かを確認するようにしてもよい。
また、本発明は、電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスを登録し、当該受信アドレスで受信された電子メールをその転送先アドレスに転送する、そのようなメールサーバ(2)と連携する電子メール管理装置(1)であり、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付ける受付部と、
上記転送先アドレスの妥当性の確認を指令する指令部とを備えたものでもよい。
好ましくは、上記電子メール管理装置は、上記転送先にテストメールを送信する送信部をさらに備え、
上記指令部は、上記転送先アドレスへのテストメールの送信を上記送信部に指令し、そのテストメールに対する上記受信アドレスから上記メールサーバへの応答により上記転送先アドレスの妥当性を確認させてもよい。
好ましくは、上記電子メール管理装置(1)は、上記転送先にテストメールを送信する送信装置(4)と通信する通信部をさらに備え、
上記指令部は、上記通信部を介して、上記転送先アドレスへのテストメールの送信を上記送信装置(4)に指令し、そのテストメールに対する上記受信アドレスから上記メールサーバ(2)への応答により上記転送先アドレスの妥当性を確認させてもよい。
好ましくは、上記送信装置(4)は、上記メールサーバ(2)であってもよい。
好ましくは、上記指令部は、上記受信アドレスおよび転送先アドレスへの各々のテストメールの送信を指令し、2つのテストメールに対する応答の妥当性を前記メールサーバに確認させてもよい。
好ましくは、上記通信部は、上記メールサーバから登録済みの転送先アドレスを確認する依頼を受信し、
上記指令部は、その転送先アドレスの妥当性の確認を指令してもよい。
好ましくは、上記電子メール管理装置(1)は、テストメールに対する応答手順を所定範囲のユーザに対して開示する情報開示部をさらに備えてもよい。
好ましくは、上記受付部は、所定の形式の電子メールを所定のアドレスで受信することにより、上記設定要求を受け付けるようにしてもよい。
また、本発明は、電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付ける、そのような電子メール管理装置(1)と連携するメールサーバ(2)であり、
上記転送先アドレスの妥当性を確認する確認部と、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスを登録する転送先登録部(5、8)とを備え、
上記転送先登録部(5、8)は、上記確認された転送先アドレスを登録するようにしてもよい。
好ましくは、上記メールサーバ(2)は、上記転送先に送信されたテストメールに対する応答を受信する受信部をさらに備え、
上記確認部は、上記応答により上記転送先アドレスの妥当性を確認してもよい。
好ましくは、上記確認部は、上記応答が上記受信アドレスから発信されたか否かを確認してもよい。
好ましくは、上記確認部は、上記応答が所定のデータ列を含むか否かを確認してもよい。
また、本発明は、電子メールの転送先を管理する方法であり、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付けるステップ(101、S11)と、
上記転送先アドレスの妥当性を確認するステップ(106、S23−S27)とからなるものでもよい。
また、本発明は、電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスを登録し、当該受信アドレスで受信された電子メールをその転送先アドレスに転送する、そのようなメールサーバと連携して電子メールの転送先を管理する方法であり、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付けるステップ(101、S11)と、
上記転送先アドレスの妥当性の確認を指令するステップ(102)とからなるものでもよい。
また、本発明は、電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付ける、そのような電子メール管理装置と連携して電子メールの転送先を管理する方法であり、
上記転送先アドレスの妥当性を確認するステップ(106、S21−23、S25−S27)と、
上記転送先アドレスを登録するステップ(S24)と、
受信された電子メールのアドレスに対する転送先アドレスが登録されているときに、その電子メールをその転送先アドレスに転送するステップとを有するものでもよい。
また、本発明は、コンピュータに、上記いずれかの機能を実現させるプログラムでもよい。また、本発明は、そのようなプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録したものでもよい。
以上説明したように、本発明によれば、電子メールの転送機能において、転送先アドレスの正当性を自動的に調査することができる。そして、本発明は、正当性が確認できた転送先アドレスに対して転送を許容し、転送メールの誤配送を未然に防止する。また、本発明は、一度有効になった転送先アドレスに対して無期限に電子メールが転送されることを防止することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係る電子メール管理システムをFIG.1からFIG.10の図面に基づいて説明する。
<システム構成>
FIG.1は、この電子メール管理システムのシステム構成図である。この電子メール管理システムは、メールを送受信するユーザ端末3と、メールの送信を管理する送信メールサーバ4と、メールの受信を管理する受信メールサーバ2と、メールの管理に関する設定を受け付けるウェブサーバ1とを含んでいる。
これらのユーザ端末3や各サーバは、ローカルエリアネットワーク(以下LANという)によってイントラネットを構成する。このイントラネットは、外部へのゲートウェイを通じてインターネット上の外部メールサーバと接続されている。
ユーザ端末3は、例えば、パーソナルコンピュータ(パソコンと省略する)である。ユーザ端末3はユーザに、ウェブサーバへのアクセス、インターネットへのアクセス、メールの作成、送信、受信、表示等の機能を提供する。FIG.1では、ユーザ端末3は、user@ff.co.jpというメールアドレスを付与されている。
送信メールサーバ4は、いわゆるサーバ装置であり、不図示のCPU、メモリ、ハードディスク、LANボード等を有している。送信メールサーバ4は、LANボードにより、LANと接続され、電子メールの送信を管理している(LANボードが通信部に相当する)。
送信される電子メールは、LANを介して、smtp(Simple Mail Transfer Protocol)により、ユーザ端末3から送信メールサーバ4に引き渡され、送信先のメールサーバに中継される。FIG.1では、送信メールサーバ4は、smtp.ff.co.jpというドメイン名を付与されている。
受信メールサーバ2も、いわゆるサーバ装置であり、不図示のCPU、メモリ、ハードディスク、LANボード等を有している。受信メールサーバ2は、LANボードにより、LANと接続され、電子メールの受信を管理している(LANボードが通信部に相当する)。
受信された電子メールは、LANを介して、pop(Post Office Protocol)によりユーザ端末3に読み出される。FIG.1では、受信メールサーバ2は、pop.ff.co.jpというドメイン名が付与されている。
この受信メールサーバ2は、ユーザ宛てに届いたメールをユーザ指定の他のメールアドレスに転送するメール転送機能を提供する(この機能を提供する受信メールサーバ2のCPUが転送制御部に相当する)。
このため、受信メールサーバ2は、不図示のハードディスク内のファイルに転送チェックリスト5を有している。転送チェックリスト5は、電子メールの受信アドレスとその受信アドレスで受信された電子メールの転送先アドレスとの対を定義したファイルである。
また、受信メールサーバ2は、その転送先アドレスへのテストメールに対する返信をユーザ端末3から受信する(この機能を提供する受信メールサーバ2のCPUとLANボードが受信部に相当する)。そして、受信メールサーバ2は、その返信の妥当性を判定し、その返信が妥当であると判定された転送先アドレスを転送チェックリスト5に格納する(この機能を提供する受信メールサーバ2のCPUが確認部に相当する)。
ウェブサーバ1も、いわゆるサーバ装置であり、不図示のCPU、メモリ、ハードディスク、LANボード等を有している。ウェブサーバ1は、LANボードにより、LANと接続されている(LANボードが通信部に相当する)。ウェブサーバ1は、LANを介して、http(hypertext transfer protocol)により、ユーザ端末3に、各種の設定画面やメッセージを提供する。
例えば、ウェブサーバ1は、ユーザがメール転送機能を利用するためのウェブページを提供する。ユーザは、このウェブページをユーザ端末3に表示させ、転送先アドレス等を入力し、または、変更する。
また、ウェブサーバ1は、そのようなウェブページで設定された転送先のメールアドレスの妥当性を確認するためのテストメールを送信する(この機能を提供するウェブサーバ1のCPUとLANボードが送信部に相当する)。さらに、ウェブサーバ1は、そのようなテストメールに応答するための応答手順を示す情報をユーザに提供する。この情報は、html(hypertext markup language)で記述され、不図示のハードディスクに格納されている(この処理を実行するウェブサーバ1のCPUとハードディスクとが情報提供部に相当する)。
<機能概要>
本発明では、転送先アドレスの設定をウェブサーバ1のウェブページ上で行う。このウェブサーバ1は、無条件に転送を許す転送先アドレス(例えば、同じ部署内のメールアドレスなど)が申請されると、その転送先アドレスへの電子メールの転送を即座に可能にする。そのため、そのような転送先アドレスがウェブサーバ1から受信メールサーバ2に通知される。
ユーザが無条件に転送を許さない転送先アドレス、例えば、社外のアドレスを入力すると、ウェブサーバ1は、その転送先アドレスに対して、所定のキーワード(以下キーワード2という)を含むテストメールを送信する。
このテストメールに対する返信の方法の詳細は、同じウェブサーバ1が提供するウェブページ上に記述される。特定アドレスへの返信が、所定の要件を満足した場合、受信メールサーバ2は、転送先アドレスを妥当なものと認める。そして、受信メールサーバ2は、その転送先アドレスを有効とし、転送チェックリスト5に登録する。これにより、受信メールサーバ2は、その転送先アドレスへの転送を許可する。
ここで、所定の要件とは、その返信が予め決められたメールアドレス(社内メールアドレスなど)からの発信であること、その返信が、ウェブページ上に表示された定型文の形式で記述されていること、その返信中に、ウェブページに掲載されたキーワード1およびテストメールに記載されたキーワード2が含まれていた場合をいう。また、返信内容がこの条件を満たしていない場合は、そのアドレスへの転送を許可しない。
受信メールサーバ2は、有効な転送先アドレスに対して、有効期限を設定し、一定期間後に、自動的に再びテストメールを送信する。そのテストメールに対する返信が所定の要件を満たせば、有効期限を延長する。
しかし、一定期間内に返信がない場合、または、その返信が所定の要件を満たさない場合は、受信メールサーバ2は、その転送先アドレスを転送チェックリスト5から削除する。これにより、その転送先アドレスへの転送が禁止される。
<画面構成>
FIG.2からFIG.4にウェブサーバ1がhttpによりユーザ端末3に提供する設定画面を示す(この機能を提供するウェブサーバ1のCPUが受付部に相当する)。これらの画面は、イントラネットにおいてウェブサーバ1からユーザ端末3に提供される。
そのため、インターネット上のホスト(第三者)からこの画面にアクセスすることはできない。FIG.2に、受信メールの社内または関連会社への転送設定に使用される設定画面を示す。
この画面は、メールサーバ指定欄11、メールアドレス指定欄12、パスワード指定欄13、転送先アドレス指定欄14および転送元への転送指定欄15、”設定する”ボタン、および、”キャンセル”ボタンを有している。
メールサーバ指定欄11には、受信メールサーバ2のドメイン名が指定される。この受信メールサーバ2は、転送されるメールを管理する。FIG.2では、受信メールサーバ2としてpop.ff.co.jpが指定されている。
メールアドレス指定欄12には、ユーザの受信メールアドレスが指定される。これを転送元アドレスともいう。このメールアドレス指定欄12には、ドメインである@ff.co.jpを除くユーザアカウント(FIG.2では、user)を指定する。
パスワード指定欄13には、ユーザ端末3から受信メールサーバ2にアクセスするときのパスワードを指定する。
転送先アドレス指定欄14には、転送元アドレスで受信された電子メールを転送する転送先のアドレスを指定する。ただし、FIG.2の設定画面は、社内または関連会社に転送する指定のみが許容される。転送元への転送指定欄15にチェックマークを入れると、転送元自体が転送先アドレスに含められる。
以上のような設定の後、ユーザがユーザ端末3において不図示のポインティングデバイスにより”設定する”ボタンを押下すると、この画面の設定がFIG.1に示した転送先チェックリスト5に設定される。また、キャンセルボタンを押下すると、FIG.2の画面の設定が廃棄される。
FIG.3に、転送設定内容の表示画面を示す。この画面は、転送先アドレスの設定内容を表示するときに使用される。この画面も、FIG.2の設定画面と同様に、メールサーバ指定欄11、メールアドレス指定欄12、およびパスワード指定欄13を有している。また、この画面は、”表示する”ボタンおよびキャンセルボタンを有している。
メールサーバ指定欄11には、転送設定内容を保持するメールサーバのドメイン名が指定される。また、メールアドレス指定欄12には、転送元のメールアドレスが指定される。また、パスワード指定欄13は、FIG.2の場合と同様、ユーザ端末3からメールサーバにアクセスするときパスワードが指定される。
以上の設定の後、ユーザが”表示する”ボタンを押下すると、メールアドレス指定欄12に指定された転送元アドレスに対する転送先アドレスの設定内容が表示される。また、ユーザが”キャンセル”ボタンを押下すると、FIG.3の設定内容が廃棄される。
FIG.4は、受信メールの社外への転送設定手順を示す表示画面である。
この画面は、説明表示欄16とテストメール送付欄17とを有している。説明表示欄16には、転送先の妥当性を確認するためのテストメールの送信依頼手順と、そのテストメールに応答するための手順が示される。
説明表示欄16の説明を読んだ後、ユーザは、テストメール送付欄17により、テストメールの送信を依頼する。テストメール送付欄17は、メールサーバ指定欄11、社内メールアドレス指定欄12A、転送先アドレス指定欄14A、”送信する”ボタン、および”キャンセル”ボタンを有している。
メールサーバ指定欄11には、FIG.2の場合と同様、受信メールサーバ2のドメイン名が指定される。また、社内メールアドレス指定欄12Aには、FIG.2のメールアドレス指定欄12の場合と同様、転送元のメールアドレスが指定される。また、転送先メールアドレス指定欄14Aには、社外の転送先のメールアドレスが指定される。
このような設定の後、ユーザが”送信する”ボタンを押下すると、ウェブサーバ1は、社内メールアドレス指定欄12Aに指定された社内電子メールアドレスおよび転送先メールアドレス指定欄14Aに指定された転送先アドレスにテストメールを送信する。
このとき、同時に、ウェブサーバ1からメールサーバ指定欄11に指定されて受信メールサーバ2に転送許可を依頼する定型文Cが送信される(この処理を実行するウェブサーバ1のCPUが指令部に相当する)。
定型文Cを受信すると、受信メールサーバ2は、上記転送先アドレスをFIG.1に示した転送先チェックリスト5に追加する。ただし、この場合、転送先アドレスは確認待ちの状態に設定され、実際には受信されたメールがそのアドレスに転送されない。
ユーザは、上記社内電子メールアドレスおよび転送先アドレスでこのテストメールを受信すると、上記説明表示欄16の手順にしたがって、各々のテストメールに対する応答を送信する。その2つの応答をメールサーバが受信し、応答の妥当性が確認されると、受信メールサーバ2は、転送先チェックリスト5において、確認待ちに設定されていた転送先アドレスを転送許可状態に設定する。これにより、その転送先アドレスが有効になり、受信メールは、その転送先アドレスに転送される。
<データ構成>
FIG.5にウェブサーバ1から社外の転送先アドレスzzz@xxx.com宛てに送信されるテストメールの例を示す。このテストメールは、題名と本文とを有している。
テストメールでは、題名は、例えば、mail testと設定される。また、本文には乱数からなるキーワード2と転送先アドレス有効期限20010320(2001年3月20日)とが記述される。
なお、このテストメールと同一内容の電子メールが通常の社内電子メールドレス(FIG.4の社内メールアドレス指定欄12Aに指定された電子メールアドレス)にも送信される。
FIG.6にウェブサーバ1から受信メールサーバ2の受付アドレスfwcheck@ff.co.jp宛てに送信される定型文Cの例を示す。この電子メールを転送許可要求メールという。転送許可要求メールは、題名、差出人、および本文を有している。
転送許可要求メールでは、題名はforward checkと設定される。差出人には、転送機能を利用するユーザの電子メールアドレスが記述される。また、本文には、例えば、forward check listという文字列、転送機能を利用するユーザの電子メールアドレス、転送先の電子メールアドレス、乱数で構成されるキーワード2、転送先アドレス有効期限、および返信有効期限が記述される。
ここで、転送先アドレス有効期限は、ユーザが所定の許容範囲で設定する転送先アドレスの有効期限である。一方、返信有効期限は、ウェブサーバ1においてシステムパラメータで設定された返信有効期限である。ユーザがこの返信有効期限以降にテストメールに返信しても転送は許可されない。
FIG.7に、ユーザが電子メールアドレスuser@ff.co.jpから受信メールサーバ2の応答受信アドレスforward−append@ff.co.jpに送信する応答メールの例を示す。
ユーザは、テストメールを通常の社内電子メールアドレス(FIG.4の社内メールアドレス指定欄12Aに指定された電子メールアドレス)および転送先アドレスで受信すると、そのテストメールへの応答メールを受信メールサーバ2の受付アドレスforward−append@ff.co.jp宛てに送信する。FIG.7は、ユーザが通常の社内電子メールアドレスから送信する応答の例を示している。
この応答メールは、題名、本文、氏名、所属、転送先、転送理由、キーワード1、キーワード2および有効期限を有している。このような応答メールの構成は、ウェブサーバ1が提供する社外への転送設定の手順画面(FIG.4)に明示される。
この応答メールでは、題名は、forward−append@ff.co.jpに設定される。また本文には、”転送設定を許可願います。”と記述される。氏名および所属は、転送先アドレスを登録したユーザの氏名と所属部署である。転送先は、受信したメールを転送する社外の転送先メールアドレスである。
また、キーワード1は、ウェブサーバ1が提供する社外への転送設定の手順画面(FIG.4)に指定されていたものである。また、キーワード2は、ウェブサーバ1から転送先アドレスに送信されたテストメールの本文に指定されていたものである。また、転送先アドレス有効期限は、電子メールの転送が許可される有効期限である。
FIG.8に、受信メールサーバ2が有する転送チェックリスト5のデータ例を示す。この転送チェックリスト5は、受信メールサーバ2のサービスを受けるユーザごとに設定される。転送チェックリスト5は、第1行にそのユーザ名が指定される。また、第2行以下に転送先指定が列記される。
転送先指定の各行には、転送先アドレス、状態、キーワード2および転送有効期限を含んでいる。また、各行で”#”文字以降は、コメントである。このうち、状態は、各転送先アドレスの使用状態を規定する。
例えば、状態がOKの場合、その転送先アドレスへの電子メールの転送サービスが行われていることを示す。
また、状態がWTの場合、受信メールサーバ2がウェブサーバ1から転送許可要求メールを受信し、その転送先アドレスがテストメールによる確認中であることを示す。または、状態がWTの場合には、その転送先アドレスの有効期限が経過しており、その転送先アドレスがテストメールにより、確認中である場合もある。
また、NGの場合、その転送先アドレスが使用できない状態であることを示す。これは、不図示のユーザインターフェースにより、ユーザが使用停止を指定した転送先アドレスである。このように、ユーザは、転送チェックリスト5に登録された複数の転送先アドレスのうち、所望のものを選択して使用し、それ以外を停止させることができる。
例えば、FIG.8に示した転送チェックリスト5の第2行では、転送先アドレスxxx@nif.comが指定され、状態はOKである。したがって、現在user宛てに届いた電子メールは、xxx@nif.comに転送される。この転送先アドレスの有効期限は、2001年2月28日に設定されている。
また、第3行では、転送先アドレスyyy@ppp.comが指定され、状態はNGである。したがって、現在、受信された電子メールは、この転送先アドレスへは転送されない。
また、第4行では、転送先アドレスzzz@xxx.comが指定され、状態はWT、すなわち、確認待ちである。したがって、この転送先アドレスに対するテストメールへの応答メールが正常に受信されると、この転送先アドレスが使用される。
<作用と効果>
FIG.9に、本電子メール管理システムにおける転送先アドレスの設定手順を示す。いま、ユーザ操作にしたがい、ユーザ端末3には、ウェブサーバ1のウェブページが表示されている。
ユーザ端末3は、このウェブページ上でユーザの氏名、メールアドレス、転送先アドレス等の入力を受ける。この入力は、LANを介してウェブサーバ1に送信される(矢印101)。
転送先アドレスが許可範囲なら、ウェブサーバ1は、直ちに、受信メールサーバ2にその転送先アドレスを記述した設定ファイルを送付する。ここで、設定ファイルとは、転送設定を要求したユーザ名、その転送先アドレス、転送先アドレス有効期限を記述したファイルである。
一方、転送先アドレスが許可範囲外なら、ウェブサーバ1は、その転送先アドレスにキーワード2を指定したテストメールAを送信する。さらに、ウェブサーバ1は、通常の受信メールアドレス(転送元メールアドレス)にキーワード2を指定したテストメールBを送信する。さらに、ウェブサーバ1は、利用者の転送先情報を定型文Cの形式に埋め込み、受信メールサーバ2に転送する(矢印102)。
この定型文Cには、ユーザの通常使用メールアドレス、転送先アドレス、キーワード2、転送先アドレス有効期限、返信有効期限が含まれる。受信メールサーバ2は、利用者の転送先情報を一時ファイル7に保存する。
そして、上記で発信されたテストメールAは、転送先メールアドレスからユーザ端末3に受信される(矢印103)。また、テストメールBは、通常の受信メールアドレスからユーザ端末3に受信される(矢印104)。なお、このテストメールA、Bを受信する端末は同じ端末でなくてもよい。
ユーザ端末3には、ウェブページの返信手順および返信例文Dが表示されており(矢印105)、ユーザはその返信手順および返宿例文Dを参照する。また、この返信手順には、キーワード1が明示されている(FIG.4参照)。ユーザは、その返信例文Dを参考に、氏名、所属、キーワード1などを受信したテストメールAの内容に付加して、テストメールAに対する返信メールXを作成する。また、ユーザは、その返信例文Dを参考に、氏名、所属、キーワード1などを受信したテストメールBの内容に付加して、テストメールBに対する返信メールYを作成する。
そして、ユーザは、通常のメールアドレス(転送元アドレス)および転送先アドレスから定型文に指定された題名で返信メールXおよび返信メールYを受信メールサーバ2に送信する(矢印106)。
受信メールサーバ2は、返信メールX、Yが返信有効期限内に受信されたか否かを確認する。そして、返信メールX、Yが返信有効期限内に受信された場合、受信メールサーバ2は、返信メールXおよびYに、キーワード1が含まれるか否かを確認する。なお、キーワード1は、ウェブサーバ1および受信メールサーバ2において定数として設定された情報である。
これらの返信メールにキーワード1が含まれれば、受信メールサーバ2は、その返信メールが社外への転送設定の手順(FIG.4)にしたがったものであることを確認できる。そこで、次に、受信メールサーバ2は、返信メールXおよびYを定型文Cと照合する。
そして、返信メールX(キーワード2を含む)、Y(キーワード2を含む)が、ともに定型文Cの内容(キーワード2を含む)と整合すれば、受信メールサーバ2は、転送チェックリスト5に当該転送先アドレスをOKの状態で付加する。
また、同時に、受信メールサーバ2は、転送先チェックリスト5にその転送先アドレスの有効期限を設定する。そして、受信メールサーバ2は、一時ファイル7に保持された定型文を削除する。
一方、上記で、返信メールXまたはYにキーワード1が含まれない場合、これらの返信メールは、社外への転送設定の手順(FIG.4)にしたがった妥当な返信ではないと判定される。
また、これらの返信メールXまたはYにキーワード1が含まれても、これらの返信メールXまたはYが定型文Cの内容と整合しなければ(例えば、キーワード2が含まれていない場合等)、受信メールサーバ2は、その返信メールが妥当な返信メールではないと判定する。
これらの場合、受信メールサーバ2は、転送先チェックリスト5に転送先アドレスを設定しない。そして、受信メールサーバ2は、一時ファイル7に保持された定型文を削除する。
FIG.10に、受信メールサーバ2で実行される有効期限確認処理を示す。この処理は、受信メールサーバ2において定期的に起動され、転送先アドレスの期限管理を実行する。
この処理では、まず、受信メールサーバ2は、転送チェックリスト5から状態がOKに指定されている次の転送先指定行を読む(S1)。そして、受信メールサーバ2は、その転送先指定行に含まれる転送有効期限が期限切れ所定日前か否かを判定する(S2)。
その転送有効期限が期限切れ所定日前の場合、受信メールサーバ2は、その転送先へテストメールを発信する(S3)。その後、受信メールサーバ2は、S6の判定に制御を進める。なお、このテストメールに対する応答は、FIG.9で説明した手順と同様の手順で処理される。
一方、S2の判定で、期限切れ所定日前でない場合、受信メールサーバ2は、転送有効期限が現在日を過ぎているか否かにより、期限切れか否かを判定する(S4)。そして、期限切れの場合、受信メールサーバ2は、その転送先指定行を転送チェックリスト5から削除する。
これにより、受信メールサーバ2は、その転送先アドレスに対する転送サービスを停止する(S5)。その後、受信メールサーバ2は、S6の判定に制御を進める。また、S4の判定で、期限切れでない場合、受信メールサーバ2は、その転送先指定行を読み飛ばし、S6の判定に制御を進める。
次に、受信メールサーバ2は、転送チェックリスト5に次の転送先指定行があるか否かを判定する(S6)。次の転送先指定行がある場合、受信メールサーバ2は、制御をS1に戻す。一方、次の転送先指定行がない場合、受信メールサーバ2は、処理を終了する。
以上述べたように、本電子メール管理システムでは、受信メールサーバ2における電子メール転送機能において、転送先アドレスの妥当性が確認される。すなわち、その転送先アドレスにテストメールが送信され、そのテストメールに対して妥当な返信メールが受信メールサーバ2に返された場合に転送先アドレスが有効になる。そのため、誤った転送先が設定されるのを受信メールサーバ2の処理により防止できる。
また、上記受信メールサーバ2は、テストメールに対する転送先アドレスからの応答だけでなく、通常使用されるメールアドレスからテストメールに対して応答されたことを妥当性の条件として確認する。そのため、事前に管理された電子メールアドレスを使用してテストメールに応答させることができる。このため、テストメールに対する不正な応答を防止することができる。
また、上記実施形態のウェブサーバ1は、ウェブページ上で転送設定を要求された転送先アドレスが所定の範囲、例えば、会社内や関連会社のアドレスの範囲であれば、直ちに、受信メールサーバ2に登録させる。一方、会社外への転送先アドレスに対してテストメールを発信する。このため、自社内の転送先アドレスを迅速に登録することができる。一方、電子メールの自社外の転送先を厳格に確認できる。
また、上記受信メールサーバ2は、転送チェックリスト5の各転送先指定行に転送先アドレス有効期限を有している。このため、電子メールが転送先アドレスに無期限に転送されることを防止できる。また、そのような期限の範囲で、転送の有効または無効を自由に設定できる。
また、本実施形態では、上記テストメールに対する応答手順がイントラネット上のウェブサーバ1から提供される。したがって、外部の第三者がなりすましによって、テストメールに応答することを防止できる。
<変形例>
上記実施形態では、転送先アドレスにテストメールAが送信され、通常使用される転送元メールアドレスにテストメールBが送信された。しかし、本発明の実施は、このような構成や手順には限定されない。例えば、転送先アドレスにテストメールAを送信し、通常される転送元メールアドレスにテストメールBを送信しなくてもよい。すなわち、転送先アドレス宛てのテストメールのみによって、転送先アドレスの妥当性を確認してもよい。
上記実施形態では、転送先アドレスの申請を受けるウェブページを提供するウェブサーバ1が転送先アドレス2にテストメールを発信した。また、ウェブサーバ1が受信メールサーバ2に転送許可を依頼する定型文Cを送信した。しかし、本発明の実施は、このような構成や手順には限定されない。
例えば、ウェブサーバ1は、他の通信装置にテストメールの発信を依頼してもよい。また、ウェブサーバ1は、受信メールサーバ2に転送許可を依頼する定型文Cを送信するとともに、その受信メールサーバ2にテストメールの発信を依頼してもよい(この場合受信メールサーバ2が通信装置に相当する)。このとき、ウェブサーバ1と受信メールサーバ2との通信は、電子メールで行ってもよいし、他の例えば、ftp(file transfer protocol)等のファイル転送機能、nfs(network file system)等によるファイル共有機能を用いてもよい。
その場合、FIG.1の構成で、受信メールサーバ2と送信メールサーバ4とは、同一のホストで稼働してもよい。また、ウェブサーバ1と受信メールサーバ2とが同一のホストで稼働してもよい。その場合、受信メールサーバ2が、転送設定要求の受付、テストメールの送信、テストメールに対する応答の確認、応答確認後の転送先アドレスの登録等を実行すればよい。
逆に、転送設定要求の受付、テストメールの送信、テストメールに対する応答の確認、応答確認後の転送先アドレスの登録等を異なるサーバ装置に分担させてもよい。その場合のサーバ間の通信は、上記の電子メール、ftp、nfs、あるいは、例えば、unixシステムで著名なリモートプロシジャコール、米国マイクロソフト社のOSであるwindowsの機能として提供されるDCOM(Distributed Component Object Model)を利用してもよい。
上記実施形態では、キーワード1は、ウェブサーバ1と受信メールサーバ2において定数値として固定的に設定された。しかし、これに代えて、キーワード1をウェブサーバ1から受信メールサーバ2に引き渡すようにしてもよい。そのためには、ウェブサーバ1から受信メールサーバ2に送信する定型文C(FIG.6)にキーワード1を含めるようにすればよい。
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態をFIG.11からFIG.17の図面に基づいて説明する。上記第1実施形態では、ウェブサーバ1において、転送先アドレスを設定するためのウェブページが提供され、そのウェブページの情報に基づいて、ユーザに転送先アドレスを設定させる電子メール管理システムの例を示した。
本実施形態では、このようなウェブサーバ1を使用せず、ユーザ端末3から受信メールサーバ2に電子メールを送信して転送先アドレスを設定する電子メール管理システムの例を説明する。他の構成および作用は第1実施形態の場合と同様である。そこで、同一の構成要素に対しては、第1実施形態のものと同一の符号を付してその説明を省略する。また、必要に応じてFIG.1からFIG.10の図面を参照する。
<システム構成>
FIG.11に本実施形態に係る電子メール管理システムのシステム構成図を示す。このシステムは、ユーザが使用するユーザ端末3と、受信メールサーバ2とを有している。ユーザ端末3と受信メールサーバ2とは、LANで接続される。また、このシステムは、外部へのゲートウェイを介してインターネットに接続される。
本実施形態では、受信メールサーバ2は、転送許可リスト6、一時ファイル7、および転送設定ファイル8を有している。転送許可リスト6には、受信メールサーバ2において、電子メールの転送が許可されている転送先アドレスが1以上登録される。
転送設定ファイル8には、受信された電子メールを転送する転送先アドレスが登録される。ユーザは、受信メールサーバ2の受付アドレス(fwset@ff.co.jp)に転送設定を依頼する電子メールを送信することで、転送設定ファイル8に転送先を登録できる。
一時ファイル7には、そのようなユーザからの転送設定を要求する電子メールの内容が一時的に保持される。ユーザが転送設定を要求した転送先が、転送許可リスト6において許可されていたとき、その転送先は、一時ファイル7から転送設定ファイル8に移動される。
一方、ユーザが転送設定を要求した転送先が転送許可リスト6に登録されていないとき、受信メールサーバ2は、第1実施形態のウェブサーバ1と同様の手順で、その転送先にテストメールを送信する。
そして、第1実施形態の場合と同様の手順で、そのテストメールへの応答が確認された時点で、その転送先アドレスが転送許可リスト6に追加され、さらに、転送設定ファイル8に登録される。テストメールへの応答が確認されるまで、その転送設定の要求は一時ファイル7に保持される。
<データ構成>
FIG.12は、転送設定要求時に、ユーザ端末3から受信メールサーバ2に送信される電子メールの例である。受信された電子メールの転送を希望するユーザは、受信メールサーバ2の受付アドレス(FIG.12のfwset@ff.co.jp)宛てにFIG.12に示した電子メールを送信する。
FIG.12の電子メールにおいて、題名”forward−set”は、この電子メールが転送設定要求であることを示す。また、本文の第1行に記述した”set forward list”は、その行以下に転送先アドレスが列記されていることを示す。ただし、本発明の実施は、このような題名や本文の記述そのものに限定されるものではない。
また、FIG.12の電子メールにおいて、aaa@ff.co.jp等は、転送先アドレスである。また、FIG.12の最終行¥userは、転送元アドレス自身を転送先に登録する指定である。
FIG.13に、転送許可リスト6の例を示す。転送許可リスト6は、ユーザごとに作成される。転送許可リスト6の第1行に転送される電子メールの受信先であるユーザ名が記述される。
また、転送許可リスト6は、ユーザ名の記述の次に、許可された転送先アドレスとその許可の有効期限とが列記される。例えば、*@ff.co.jpは、社内向けのすべての転送を許可する指定である。すなわち、ドメイン名ff.co.jpのすべてのアドレスへの転送が許可されている。FIG.13では、社内向けのアドレスについて、期限が無期限に設定されている。
また、FIG.13で、例えば、”bbb@nif.com 20010630”は、転送先アドレスbbb@nif.comへの転送が2001年6月30日まで認められることを示している
FIG.14に、転送設定要求が認可され、転送先アドレスが転送設定ファイル8に登録されたときに、受信メールサーバ2からユーザ端末3に送信される電子メールの例を示す。なお、転送設定要求が認可されなかったとき、受信メールサーバ2からユーザ端末3にその旨を報知するようにしてもよい。このような処理を実行する受信メールサーバ2のCPUが報知部に相当する。
この電子メールで、題名”forward−changed”により、転送設定要求が認可され、転送先が変更されたことを示している。この本文は、転送先の登録完了日時、転送先が変更されたことを示すメッセージ、および、変更後の当該ユーザの転送設定ファイル8の設定内容が含まれる。
FIG.15にユーザが現在の転送設定ファイル8の設定内容を入手するために送信する電子メールの例を示す。ユーザ端末3からFIG.15に示した電子メールが受信メールサーバ2に送信されると、受信メールサーバ2は、当該ユーザに対する転送設定ファイル8の設定を返信する。
この電子メールでは、題名が”forward−get”とされ、転送設定ファイル8の設定内容の返信要求であることを示している。また、本文の”get−forward−list”により、本電子メールが転送設定ファイル8の設定内容の返信要求であることを示している。また、この”get−forward−list”の行の次に、対象ユーザが指定される。
<作用と効果>
FIG.16に受信メールサーバ2で実行される転送設定処理のフローチャートを示す。この処理は、受信メールサーバ2の受付アドレス(FIG.11のfwset@ff.co.jp)宛ての電子メールを受信すると起動される。この処理では、受信メールサーバ2は、まず、転送設定要求の電子メールを読む(S11)。
次に、その電子メールの内容を一時ファイル7に格納する(S12)。次に、受信メールサーバ2は、転送許可リスト確認処理を実行する(S13)。
FIG.17に、転送許可リスト確認処理の詳細を示す。この処理では、受信メールサーバ2は、まず、一時ファイル7から次の転送先を読む(S21)。次に、受信メールサーバ2は、転送許可リスト6を確認する(S22)。そして、その転送先アドレスが転送許可リスト6に含まれているか否かを判定する(S23)。
その転送先が転送許可リスト6に含まれている場合、受信メールサーバ2は、当該転送先を一時ファイル7から転送設定ファイル8に移動する(S24)。その後、受信メールサーバ2は、S26の処理に制御を進める。
一方、その転送先が転送許可リスト6に含まれていない場合、受信メールサーバ2は、当該転送先にテストメールを発信する(S25)。このテストメールに対する応答が確認されると、その転送先が転送許可リスト6に登録され、さらに、転送設定ファイル8に設定される。テストメールへの応答の確認手順は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、受信メールサーバ2は、一時ファイル7に次の転送先があるか否かを判定する(S26)。一時ファイル7に次の転送先が残っている場合、受信メールサーバ2は、制御をS21に戻す。一方、一時ファイル7に次の転送先が残っていない場合、受信メールサーバ2は、ユーザに変更連絡メールを送信する(S27)。その後、CPU2は、処理を終了する。
以上述べたように、本実施形態によれば、第1実施形態の場合と異なり、ウェブサーバ1を用いなくとも、電子メールの送受信のみで転送設定を管理できる。
《コンピュータ読み取り可能な記録媒体》
上記実施の形態におけるウェブサーバ1または受信メールサーバ2において実行されるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、上記実施の形態に示したウェブサーバ1または受信メールサーバ2として機能させることができる。
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータから取り外し可能なものとしては、例えばフロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
また、コンピュータに固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
《搬送波に具現化されたデータ通信信号》
また、上記プログラムをコンピュータのハードディスクやメモリに格納し、通信媒体を通じて他のコンピュータに配布することができる。この場合、プログラムは、搬送波によって具現化されたデータ通信信号として、通信媒体を伝送される。そして、その配布を受けたコンピュータを上記実施の形態に示したウェブサーバ1または受信メールサーバ2として機能させることができる。
ここで通信媒体としては、有線通信媒体、例えば、同軸ケーブルおよびツイストペアケーブルを含む金属ケーブル類、光通信ケーブル等、または、無線通信媒体例えば、衛星通信、地上波無線通信、無線LAN、Bluetooth等のいずれでもよい。
また、搬送波は、データ通信信号を変調するための電磁波または光である。ただし、搬送波は、直流信号でもよい。この場合、データ通信信号は、搬送波がないベースバンド波形になる。したがって、搬送波に具現化されたデータ通信信号は、変調されたブロードバンド信号と変調されていないベースバンド信号(電圧0の直流信号を搬送波とした場合に相当)のいずれでもよい。
産業上の利用可能性
本発明は、情報機器の製造・販売、情報機器に係るプログラムの開発、情報機器を含むシステムインテグレーション、情報機器を用いたサービスの提供に関連する産業において利用できる。
【図面の簡単な説明】
FIG.1は、本発明の第1実施形態における電子メール管理システムのシステム構成図であり、
FIG.2は、受信メールの転送設定に使用される設定画面であり、
FIG.3は、転送設定内容の表示画面であり、
FIG.4は、受信メールの社外への転送設定手順を示す表示画面であり、
FIG.5は、ウェブサーバ1から社外の転送先アドレスzzz@xxx.com宛てに送信されるテストメールの例であり、
FIG.6は、ウェブサーバ1から受信メールサーバ2に送信される定型文Cの例であり、
FIG.7は、ユーザが受信メールサーバ2に送信する応答メールの例であり、
FIG.8は、受信メールサーバ2が有する転送チェックリスト5のデータ例であり、
FIG.9は、転送先アドレスの設定手順を示すフローチャートであり、
FIG.10は、受信メールサーバ2で実行される有効期限確認処理を示すフローチャートであり、
FIG.11は、第2実施形態に係る電子メール管理システムのシステム構成図であり、
FIG.12は、転送設定要求時に、ユーザ端末3から受信メールサーバ2に送信される電子メールの例であり、
FIG.13は、転送許可リスト6の例であり、
FIG.14は、転送設定要求が認可されたときに、ユーザ端末3に送信される電子メールの例であり、
FIG.15は、現在の転送設定ファイル8の設定内容を入手するために送信する電子メールの例であり、
FIG.16は、受信メールサーバ2で実行される転送設定処理のフローチャートであり、
FIG.17は、転送許可リスト確認処理の詳細を示すフローチャートである。
Claims (8)
- 電子メールの転送先を管理する電子メール管理装置であり、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付ける受付部と、
前記受信アドレスおよび転送先アドレスへの各々のテストメールの送信を指令し、該各テストメールに対する応答を確認して前記転送先アドレスの妥当性を確認する確認部と、を備えた電子メール管理装置。 - 電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスを登録し、当該受信アドレスで受信された電子メールをその転送先アドレスに転送する、そのようなメールサーバと連携する電子メール管理装置であり、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付ける受付部と、
前記受信アドレスおよび転送先アドレスへの各々のテストメールの送信を指令し、該各テストメールに対する応答の妥当性を前記メールサーバに確認させて前記転送先アドレスの妥当性の確認を指令する指令部と、を備えた電子メール管理装置。 - コンピュータによって実行される、電子メールの転送先を管理する方法であり、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付けるステップと、
前記受信アドレスおよび転送先アドレスへの各々のテストメールを送信するステップと、
該各テストメールに対する応答を確認して前記転送先アドレスの妥当性を確認するステップと、からなる電子メールの転送先を管理する方法。 - 電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスを登録し、当該受信アドレスで受信された電子メールをその転送先アドレスに転送する、そのようなメールサーバと連携して電子メールの転送先を管理する、コンピュータで実行される方法であり、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付けるステップと、
前記受信アドレスおよび転送先アドレスへの各々のテストメールの送信を指令するステップと、
該各テストメールに対する応答の妥当性を前記メールサーバに確認させて前記転送先アドレスの妥当性の確認を指令するステップと、からなる電子メールの転送先を管理する方法。 - コンピュータに、
電子メールの転送先を管理させるプログラムであり、
該コンピュータに、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付けるステップと、
前記受信アドレスおよび転送先アドレスへの各々のテストメールを送信するステップと、
該各テストメールに対する応答を確認して前記転送先アドレスの妥当性を確認するステップと、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - コンピュータに、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスを登録し、当該受信アドレスで受信された電子メールをその転送先アドレスに転送する、そのようなメールサーバと連携させて電子メールの転送先を管理させるプログラムであり、
該コンピュータに、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付けるステップと、
前記受信アドレスおよび転送先アドレスへの各々のテストメールの送信が指令するステップと、
該各テストメールに対する応答の妥当性を前記メールサーバに確認させて前記転送先アドレスの妥当性の確認を指令するステップと、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - コンピュータに、
電子メールの転送先を管理させるプログラムであり、
該コンピュータに、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付けるステップと、
前記受信アドレスおよび転送先アドレスへの各々のテストメールを送信するステップと、
該各テストメールに対する応答を確認して前記転送先アドレスの妥当性を確認するステップと、を実行させるためのプログラム。 - コンピュータに、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスを登録し、当該受信アドレスで受信された電子メールをその転送先アドレスに転送する、そのようなメールサーバと連携させて電子メールの転送先を管理させるプログラムであり、
該コンピュータに、
電子メールの受信アドレスに対する転送先アドレスの設定要求を受け付けるステップと、
前記受信アドレスおよび転送先アドレスへの各々のテストメールの送信を指令するステップと、
該各テストメールに対する応答の妥当性を前記メールサーバに確認させて前記転送先アドレスの妥当性の確認を指令するステップと、を実行させるためのプログラム。
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