JP4405694B2 - 炭窒化チタン粉末とその製造方法 - Google Patents

炭窒化チタン粉末とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削工具等として製造されるサーメットや超硬合金の他、セラミックス等の原料である炭窒化チタン粉末とその製造方法に関し、詳しくは、高強度の切削用途等の耐磨耗特性を要求される硬質材料のチタン系サーメットの原料となる炭窒化チタン粉末とその製造方法に関する。
【0002】
また、本発明は、導電性ポリマーなどの高分子樹脂との均一混合性を要求される炭窒化チタン粉末とその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
主に切削用チップとして供せられる、従来のチタンをベースとした4a,5aおよび6a族元素からなるチタン系サーメット焼結体は、チタンおよび4a、5aおよび6a族元素の炭化物粉末、窒化物粉末又は複合炭化物、窒化物をFe、Co,Niなどの結合金属粉末と共に目的の組成に混合した後、高温で焼結することによって製造される。
【0004】
また、炭窒化チタンは、導電性ポリマーである過電流保護素子などの電子材料として利用でき、ポリエステル等の高分子と混合し製造されている。
【0005】
一般に、炭窒化チタン粉末の従来の製造方法は、大きく次の3種類が挙げられる。
【0006】
第一の方法は、酸化チタンを原料として用い、炭素粉末を所定量混合し、窒素雰囲気または窒素、水素混合雰囲気において1450〜2000℃にて還元・窒化・炭化処理後粉砕する方法である。
【0007】
第二の方法は、チタンおよび水素化チタンのいずれかを原料として用い、炭素粉末を所定量混合し、窒素雰囲気または窒素、水素混合雰囲気において1450〜2000℃にて還元・窒化・炭化処理後粉砕する方法である。
【0008】
第三の方法は、特公昭54−13440号公報に記載されているように、粗チタン炭化物をアルミニウムおよび鉄族元素の共存下且つ酸化、窒化反応を起こさない雰囲気下にて加熱処理を行い、次いで酸による溶解処理することにより得られる炭化チタン又は第一、第二の方法で、熱処理雰囲気を水素雰囲気として得られた炭化チタンとチタン、水素化チタンおよび酸化チタンのいずれかを原料として、窒素含有雰囲気にて熱処理して得られた窒化チタンとを所定量にて配合し、窒化チタンと炭化チタンを1800℃以上にて固溶化熱処理後粉砕する方法である。
【0009】
ここで従来のこの3つの方法で得られた炭窒化チタンの粒度を比較すると、第一の方法による場合、酸化チタンは1次粒子径は殆どの場合1μm以下の微粒且つ均粒である為、得られた炭窒化チタンもまたFsss(Fisher社 Sub Sieve Sizer)粒度1μm以下で均粒であるという特徴がある。
【0010】
一方、第二の方法にて得られる炭窒化チタンの場合、原料がチタン、水素化チタンであり、原料段階にて微粒とした場合、着火の可能性があり危険である他、加熱処理により数十μm以上の粗大粒子が生成される。粉砕方法としては、超硬ボール等の硬質材料にてボールミル粉砕する方法やジェットミルによる方法があるが、その粉末は微粒・粗粒混在するばかりか、破砕により角ばった粒子となる。
【0011】
また、Fsss粒度0.8μm以下の微粒粉となった場合、粉砕にて生じる破砕面が酸化し、その酸化熱から着火する怖れがある。また、粒度を揃える為サイクロンによる方法もあるがバグフィルターに微粒子集まり歩留りが悪くなる等の問題点があった。第三の方法においても同様に微粒・粗粒混在となる特徴がある。
【0012】
以上より酸化チタンを原料とした場合、Fsss粒度1μm以下の微粒・均粒且つ粒子表面が角ばらない粉末は得られ、他方チタンまたは水素化チタンを原料とした場合、微粒・粗粒が混在し且つ粒子形状が角ばった粉末が得られ、Fsss粒度1μm以上の粗粒・均粒であり且つ粒子表面が角ばらない粉末は得られていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
炭窒化チタンを他粉末と混合し硬質な焼結体を得る場合、基本的に粒子は均一な粒径、均一な形状であることが望まく、これにより均一な分散が混合時に得られ緻密な焼結体が製造できる。また、過電流保護素子として用いられる導電性ポリマーにおいても、微粒粉である場合、凝集が起こり易く均一な分散が困難で、均粒・粗粒であることは導電性ポリマーの均一分散性において有用と考えられる。
炭窒化チタンを他粉末と混合し硬質な焼結体を得る場合、基本的に粒子は均一な粒径、均一な形状であることが望まく、これにより均一な分散が混合時に得られ緻密な焼結体が製造できる。また、過電流保護素子として用いられる導電性ポリマーにおいても、微粒粉である場合、凝集が起こり易く均一な分散が困難で、均粒・粗粒であることは導電性ポリマーの均一分散性において有用と考えられる。
【0014】
そこで、本発明の技術的課題は、炭窒化チタンからなるサーメットや超硬合金、セラミックス等の硬質材料に供せられる炭窒化チタン粉末において、均一な焼結体をもたらす均粒・粗粒の炭窒化チタン粉末、また導電性ポリマーに供せられる炭化チタン等の分野において均粒・粗粒の炭窒化チタン粉末とその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、炭窒化チタン粉末の製造工程において、原料の酸化チタン粉末と炭素粉の他、CoおよびNiの金属粉末の内1種又は2種を炭窒化チタンのベースで0.1〜0.3重量%添加し、これらの混合粉末を1500〜1750℃にて熱処理することより、均粒・粗粒の炭窒化チタン粉末を得ることができた。
【0016】
即ち、本発明によれば、炭窒化チタン粉末において、CoおよびNiの内1種または2種炭窒化チタン粉末の総量の0.1〜0.3重量%含有し、前記炭窒化チタン粉末は、その粒度の範囲が、Fsss値1.0μm以上であり、且つ1次粒子に対する2次粒子の大きさを表わす指標Fsss値/(6/(密度×BET値))が2.5以下であることを特徴とする炭窒化チタン粉末が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、前記炭窒化チタン粉末を製造する方法であって、原料として、1次粒子が1μm以下でBET値が2m /g以上である酸化チタンおよび1次粒子が0.5μm以下で連続的に結合していないカーボンブラックを用い、熱処理前の原料の混合工程においてCoおよびNiの内1種又は2種を、炭窒化チタン粉末のベースで0.1〜0.3重量%となるように添加し、窒素気流中又は水素を含む窒素気流中で、1500〜1750℃の温度において、回転炉を用い還元及び炭窒化することによって炭窒化チタン粉末の粒度を制御することを特徴とする炭窒化チタン粉末の製造方法が得られる。
【0018】
【0019】
【0020】
さらに、本発明によれば、前記炭窒化チタン粉末の製造方法において、熱処理前の原料の混合工程においてCoおよびNiの内1種又は2種を、炭窒化チタン粉末のベースで0.1〜0.3重量%を添加し、1500〜1750℃の温度で加熱することによって炭窒化チタン粉末の粒度を制御することを特徴とする炭窒化チタン粉末の製造方法が得られる。
【0021】
【0022】
ここで、Fsss値は2次粒子径、(6/(密度×BET値))は粒子が球形であることを仮定して、BET値より算出された1次粒子径である。Fsss値/(6/(密度×BET値))は無次元となる指標であり、この数値が1.0に近い程均粒であることを示すこととなる。本発明者らは、従来酸化チタンを原料として得られたFsss粒度1μm以下の微粒・均粒炭窒化チタン粉末の場合の均粒度合Fsss値/(6/(密度×BET値))=2.44に相当する均粒の粉末をFsss粒度1μm以上の粗粒粉末にても得ることを目指した。
【0023】
従来のFsss粒度1μm以下の粉末の場合、Fsss値/(6/(比重×BET値))が2.5以下であっても微粒であるが為凝集が起こり易く、また2.5以上の場合、微粒・粗粒が混在する為、微粒粉部が凝集することとなる。
【0024】
よって、本発明はFsss値/(6/(密度×BET値))が2.5以下であり且つFsss粒度が1μm以上の粉末を目指したものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施の形態を述べる前に、本発明を更に、具体的に説明する。
【0026】
本発明者は、均粒・粗粒粉を作製する為には、基本的に酸化チタンを原料とすべきと考えた。特に、本発明の狙いのひとつである粒子形状が丸みを帯びた粉末を作製する場合、チタン系原料の形状に角がある場合は困難である。この理由からチタンまたは水素化チタンを原料とした場合、Fsss粒度1μm以上の均粒且つ粒子表面が丸みを帯びた炭窒化チタン粉末を得ることは困難である。
【0027】
例外としてアトマイズ法により得られるチタンまたはこれを利用して得られる水素化チタンは球状粒子ではあるが、本発明で目指したFsss粒度数μmサイズの均粒のもののみを得ることは、現在の篩分技術では困難である。
【0028】
よって、本発明にて目指す、Fsss粒度が1μm以上であり且つ粉末表面に角がない炭窒化チタン粉末を得るには、チタン系原料粉末として、粒度が均粒・微粒であり且つ粉末表面が滑らかな酸化チタンが有効と考えた。
【0029】
均粒・微粒の酸化チタンから得られる炭窒化チタン粉末は、基本的に均粒・微粒である。酸化チタン各メーカーから入手される走査電子顕微鏡写真での1次粒子径1μm以下の各酸化チタンを観察すると全て均粒であり、粒子形状が丸みを帯びていた。これらを原料として炭窒化チタン粉末を作製する場合、必要とするカーボン組成に合わせて混合し熱処理するが本発明者らの試験によれば、本発明の目指す均粒粉末とするとき、最高温度1800℃にて熱処理した場合でも、炭窒化チタンの粒径は約Fsss粒度にて約1μmの粒径となるに留まった。
【0030】
また、粒度に幅のある0.2〜7μmの1次粒子径である酸化チタンを用い、同様に熱処理した場合、Fsss粒度1.5μmに達することができたが走査電子顕微鏡にて観察される粒子は0.5μm以上の粒子が強固に凝集したものであった。
【0031】
本発明者らは、酸化チタンを原料とし得られる炭窒化チタンの粒子を粗大化させる方法として金属Co,Niの内1種又は2種微量添加し、熱処理にてこれらを固溶させることが有効であることを見出した。
【0032】
また、本発明者らは、基本として均粒の炭窒化チタンを得るために、前述の1μm以下の粒度の揃った酸化チタンを用い、炭窒化チタンに対し、CoまたはNiが0.1〜0.3重量%となるように金属CoまたはNiの内1種又は2種を原料中に添加、また熱処理温度を1500〜1750℃にて制御することにより、Fsss値/(6/(密度×BET値))が2.5以下である炭窒化チタン粉末を得た。ここで密度は5.l8g/cmとした。
【0033】
次に原料となるカーボンについて記述する。1μm以下の粒度の揃った酸化チタンを炭窒化する為には、炭素源が必要であり、その為にはカーボンブラックを用いる。このカーボンブラックの選定は、均粒粉末を作製するために重要である。走査電子顕微鏡により観察されるカーボン粒子がフレーク状である場合、混合によって酸化チタンの微粒子がこのフレークに食い込む状態となり、熱処理後の粉末は強固に連続的に結合した状態となる。
【0034】
これはCo、Niの添加の有無に拘らず発生し、Co,Ni無添加にてFsss粒度は1.2μm以上に粗大化しひとつひとつの粒子が強固に連続的に結合した形状の全く揃わない粉末が得られることとなる。
【0035】
次に、アセチレンブラックの場合、0.1μm以下の微小カーボン粒子が、連鎖した状態であるため、この連鎖を粉砕工程または混合工程にて切断できれば使用に値するが、この連鎖を切断することは、現在のところ困難である。本発明者らの調査によれば、カーボンブラックは0.5μm以下の各々が独立した粒子である必要がある。このようなカーボンと前述の酸化チタンを用い、均粒な炭窒化チタンとする為には充分な混合が必要なことは言うまでもない。
【0036】
炭窒化チタン粉末の場合、熱処理方法としては、プッシャー炉または回転炉双方にて可能であるが、より均一な特性とするためには、回転炉がより望ましい。熱処理雰囲気は、窒素を含む雰囲気、例えば、窒素や窒素及び水素の混合雰囲気等が必要である。酸化チタンを還元して炭窒化する場合、炭素による還元反応が行われるが、窒化を考えたとき、プッシャー炉を熱処理炉として想定した場合、窒素、水素混合雰囲気ではこれらのガスの密度差により炉内の位置により雰囲気が異なり、窒素が均一にチタンと結合しない場合がある。これよりプッシャー炉の場合、窒素雰囲気が望ましい。なお、水素を含む雰囲気の場合、炭化が充分に起きやすいことから、望ましくは窒素、水素混合雰囲気にて回転炉を熱処理炉として使用した場合がよい。熱処理温度は、1500℃以下では充分な炭窒化がされにくく長時間の熱処理が必要であり、また、1750℃で約30分以下にて充分に炭窒化できる結果が得られており、1500〜1750℃で熱処理を行う方が経済的にも好ましい。
【0037】
次に、熱処理炉としてプッシャー炉を使用する場合は、酸化チタンおよびカーボン粉末を混合後、熱処理ケースに入れ熱処理するが、回転炉を使用する場合は炉内にて流動性が良くなるように造粒する必要がある。造粒体のサイズは雰囲気ガスの流れに影響を受けないサイズが必要であり、押し出し造粒による直径1〜5mmのものが好ましい。
【0038】
ここで、本発明のポイントである均粒・粗粒化のためのCo,Niの添加について述べる。添加する状態については、金属CoまたはNiのいずれでも同様の効果が得られる。添加するCoまたはNiは、原料段階で均一に混合した方が均粒化の点においてより良い影響を与える。凝集が起こりにくく且つ全体的に原料と接することができるようにFsss粒度1.5μm以下である方が望ましい。
【0039】
Co又はNiの添加量は炭窒化チタンに対し0.1〜0.3重量%と微量であり、熱処理した粉末についてX線回折しても検出されないが、Co、Ni共に金属Tiと固溶することは知られており、熱処理された粉末の表面性状からも各々の粒子が溶融したCo,Niにより強固に付着しているのでなく、Co,Ni未添加の場合の粒子がそのままの形状にて成長した模様である。これより微粒の炭窒化チタンにCo,Niが固溶したことが、Co,Niが未添加の場合に比較し粒成長を促進したものと考える。なお、当然のことながら熱処理温度が高い程粒度は粗くなる為、Co,Niの添加量および熱処理温度にて粒度制御が可能となる。
【0040】
プッシャー炉による加熱のみの場合、炉の構造等により均一な温度が加わり難い為、回転炉等により、均一な加熱を図ると共に、均一にCo,Niを添加することにより炭窒化チタン粒子の成長がより均一に起こり易くなると考える。
【0041】
次に、Co,Ni添加量は合量で0.1〜0.3重量%とすることが好ましく、その結果得られる粉末の粒度の範囲は、Fsss粒度1μm以上且つFsss値/(6/(密度×BET値))が2.5以下であった。Fsss粒度が1.0μm以上の均一な平均粒径を有するためにはCo,Ni添加量は0.1重量%以上が必要であり、0.3重量%以上である場合、Co,Niの溶融量の増大に起因すると考えられる凝集が逆に発生する。
【0042】
それでは、本発明の実施の形態について、表を参照しながら説明する。
【0043】
本発明の例、比較例および市販粉末の比較表を下記表1に示した。
【0044】
(例1)
走査電子顕微鏡観察による1次粒子径0.18μm.BET10.2m/gの均粒の酸化チタンと1次粒子径0.5μm以下のカーボンブラックに炭窒化チタンベースで0.15重量%となるようにFsss粒度1.4μmの金属Coを添加し、混合、造粒した。得られた直径5mmの造粒体を窒素雰囲気にて回転炉で1500℃で熱処理した。得られた熱処理物を超硬ボールを粉砕媒体としたボールミルにて粉砕し、150メッシュにて篩分した。得られた粉末のFsss粒度は1.49μm.BET1.87m/gであり、粒子表面が角張っていない均粒の炭窒化チタンTiC0.50.5であった。1次粒子に対する2次粒子の大きさを表わす指標Fsss値/(6/(密度×BET値))は2.40であった。ここで炭窒化チタンTiC0.50.5密度は5.18とした。
【0045】
(例2)
走査電子顕微鏡観察による1次粒子径0.18μm、BET10.2m/gの均粒の酸化チタンと1次粒子径0.5μm以下のカーボンブラックに炭窒化チタンベースで0.15重量%となるようにFsss粒度1.4μmの金属Coを添加し、混合、造粒した。得られた直径4mmの造粒体を窒素雰囲気にて回転炉で1750℃で熱処理した。得られた熱処理物を超硬ボールを粉砕媒体としたボールにて粉砕し、150メッシュにて篩分した。得られた粉末のFsss粒度は2.25μm、BET1.28m/gであり、粒子表面が角張っていない均粒の炭窒化チタンTiC0.50.5であった。1次粒子に対する2次粒子の大きさを表わす指標Fsss値/(6/(密度×BET値))は2.50であった。
【0046】
(例3)
走査電子顕微鏡観察による1次粒子径0.18μm,BET10.2m/gの均粒の酸化チタンと1次粒子径0.5μm以下のカーボンブラックに炭化チタンベースで0.16重量%となるようにFsss粒度1.3μmの金属Niを添加し、混合、造粒した。得られた直径4mmの造粒体を窒素雰囲気にて回転炉で1650℃で熱処理した。得られた熱処理造粒体を超硬ボールを粉砕媒体としたボールミルにて粉砕し、150メッシュにて篩分した。得られた粉末のFsss粒度はl.62μm、BET1.75/gであり、粒子表面角張っていない均粒の炭窒化チタンTiC0.50.5であった。1次粒子に対する2次粒子の大きさを表わす指標Fsss値/(6/(密度×BET値))は2.45であった。
【0047】
(比較例1)
走査電子顕微鏡観察による1次粒子径0.18μm、BET10.2m/gの均粒の酸化チタンと1次粒子径0.5μm以下のカーボンブラックを、混合、造粒した。得られた直径5mmの造粒体を窒素雰囲気にて回転炉で1500℃で熱処理した。得られた処理造粒体を超硬ボールを粉砕媒体としたボールミルにて粉砕し、150メッシュにて篩分した。得られた粉末のFsss粒度0.61μm、BET4.63/gであり、粒子表面が角張っていない均粒の炭窒化チタンTiC0.50.5であった。1次粒子に対する2次粒子の大きさを表わす指標Fsss値/(6/(密度×BET値))は2.44であった。
【0048】
(比較例2)
BET0.25m/gの水素化スポンジチタンおよび1次粒子径0.5μm以下のカーボンブラックを混合、造粒した。窒素雰囲気にて回転炉で1500℃で熱処理した。得られた熱処理造粒体を超硬ボールを粉砕媒体としたボールミルにて粉砕し、150メッシュにて篩分した。得られた粉末のFsss粒度は1.44μm、BET2.80m/gであり、走査電子顕微鏡による粒子観察による凝集粒子最大径(長径)8.5μmの微粒、粗粒の混在する炭窒化チタンTiC0.50.5であった。1次粒子に対する2次粒子の大きさを表わす指標Fsss値/(6/(密度×BET値))は3.51であった。
【0049】
(比較例3〜6)
表1に市販の炭窒化チタンTiC0.50.5粉末の特性値を示した。
【0050】
1次粒子に対する2次粒子の大きさを表わす指標Fsss値/(6/(密度×BET値))は2.5を超える粉末であることが分かった。
【0051】
【表1】
Figure 0004405694
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって得られる炭窒化チタンは、粗粒且つ均粒である為、微粒のみまたは微粒、粗粒の混在した粉末に比較し凝集しにくい粉末であり、特に他材質との均一混合において貢献するものである。

Claims (2)

  1. 炭窒化チタン粉末において、CoおよびNiの内1種または2種を炭窒化チタン粉末の総量の0.1〜0.3重量%含有し、前記炭窒化チタン粉末は、その粒度の範囲が、Fsss値で1.0μm以上であり、且つ1次粒子に対する2次粒子の大きさを表わす指標Fsss値/(6/(密度×BET値))が2.5以下であることを特徴とする炭窒化チタン粉末。
  2. 請求項1記載の炭窒化チタン粉末を製造する方法であって、原料として、1次粒子が1μm以下でBET値が2m /g以上である酸化チタンおよび1次粒子が0.5μm以下で連続的に結合していないカーボンブラックを用い、熱処理前の原料の混合工程においてCoおよびNiの内1種又は2種を、炭窒化チタン粉末のベースで0.1〜0.3重量%となるように添加し、窒素気流中又は水素を含む窒素気流中で、1500〜1750℃の温度において、回転炉を用い還元及び炭窒化することによって炭窒化チタン粉末の粒度を制御することを特徴とする炭窒化チタン粉末の製造方法。
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