JP2003027114A - 炭窒化チタン粉末とその製造方法 - Google Patents

炭窒化チタン粉末とその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭窒化チタンからなるサーメットや超硬合
金、セラミックス等の硬質材料に供せられる炭窒化チタ
ン粉末において、均一な焼結体をもたらす均粒・粗粒の
炭窒化チタン粉末、また導電性ポリマーに供せられる炭
窒化チタン等の分野において均粒・粗粒の炭窒化チタン
粉末とその製造方法を提供すること。 【解決手段】 炭窒化チタン粉末において、原料として
酸化チタン及び炭素を用い、CoおよびNiの内1種ま
たは2種が炭窒化チタン粉末の0.1〜0.3重量%含
有させ、その粒度の範囲は、Fsss値が1.0μm以
上であり、且つ1次粒子に対する2次粒子の大きさを表
わす指標Fsss値/(6/(比重×BET値))が
2.5以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削工具等として
製造されるサーメットや超硬合金の他、セラミックス等
の原料である炭窒化チタン粉末とその製造方法に関し、
詳しくは、高強度の切削用途等の耐磨耗特性を要求され
る硬質材料のチタン系サーメットの原料となる炭窒化チ
タン粉末とその製造方法に関する。
【0002】また、本発明は、導電性ポリマーなどの高
分子樹脂との均一混合性を要求される炭窒化チタン粉末
とその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】主に切削用チップとして供せられる、従
来のチタンをベースとした4a,5aおよび6a族元素
からなるチタン系サーメット焼結体は、チタンおよび4
a、5aおよび6a族元素の炭化物粉末、窒化物粉末又
は複合炭化物、窒化物をFe、Co,Niなどの結合金
属粉末と共に目的の組成に混合した後、高温で焼結する
ことによって製造される。
【0004】また、炭窒化チタンは、導電性ポリマーで
ある過電流保護素子などの電子材料として利用でき、ポ
リエステル等の高分子と混合し製造されている。
【0005】一般に、炭窒化チタン粉末の従来の製造方
法は、大きく次の3種類が挙げられる。
【0006】第一の方法は、酸化チタンを原料として用
い、炭素粉末を所定量混合し、窒素雰囲気または窒素、
水素混合雰囲気において1450〜2000℃にて還元
・窒化・炭化処理後粉砕する方法である。
【0007】第二の方法は、チタンおよび水素化チタン
のいずれかを原料として用い、炭素粉末を所定量混合
し、窒素雰囲気または窒素、水素混合雰囲気において1
450〜2000℃にて還元・窒化・炭化処理後粉砕す
る方法である。
【0008】第三の方法は、特公昭54−13440号
公報に記載されているように、粗チタン炭化物をアルミ
ニウムおよび鉄族元素の共存下且つ酸化、窒化反応を起
こさない雰囲気下にて加熱処理を行い、次いで酸による
溶解処理することにより得られる炭化チタン又は第一、
第二の方法で、熱処理雰囲気を水素雰囲気として得られ
た炭化チタンと、窒素含有雰囲気下にてチタン、水素化
チタンおよび酸化チタンのいずれかを原料として、窒素
含有雰囲気にて熱処理して得られた窒化チタンとを所定
量にて配合し、窒化チタンと炭化チタンを1800℃以
上にて固溶化熱処理後粉砕する方法である。
【0009】ここで従来のこの3つの方法で得られた炭
窒化チタンの粒度を比較すると、第一の方法による場
合、酸化チタンは1次粒子径は殆どの場合1μm以下の
微粒且つ均粒である為、得られた炭窒化チタンもまたF
sss(Fisher社 Sub Sieve Siz
er)粒度1μm以下で均粒であるという特徴がある。
【0010】一方、第二の方法にて得られる炭窒化チタ
ンの場合、原料がチタン、水素化チタンであり、原料段
階にて微粒とした場合、着火の可能性があり危険である
他、加熱処理により数十μm以上の粗大粒子が生成され
る。粉砕方法としては、超硬ボール等の硬質材料にてボ
ールミル粉砕する方法やジェットミルによる方法がある
が、その粉末は微粒・粗粒の混在する形になるばかり
か、破砕により角ばった粒子となる。
【0011】また、Fsss粒度0.8μm以下の微粒
粉となった場合、粉砕にて生じる破砕面が酸化し、その
酸化熱から着火する怖れがある。また、粒度を揃える為
サイクロンによる方法もあるがバグフィルターに微粒子
集まり歩留りが悪くなる等の問題点があった。第三の方
法においても同様に微粒・粗粒混在となる特徴がある。
【0012】以上より酸化チタンを原料とした場合、F
sss粒度1μm以下の微粒・均粒且つ粒子表面が角ば
らない粉末は得られ、他方チタンまたは水素化チタンを
原料とした場合、微粒・粗粒が混在し且つ粒子形状が角
ばった粉末が得られ、Fsss粒度1μm上の粗粒・均
粒且つ粒子表面が角ばらない粉末は得られていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】炭窒化チタンを他粉末
と混合し硬質な焼結体を得る場合、基本的に粒子は均一
な粒径、均一な形状であることが望まく、これにより均
一な分散が混合時に得られ緻密な焼結体が製造できる。
また、過電流保護素子として用いられる導電性ポリマー
においても、微粒粉である場合、凝集が起こり易く均一
な分散が困難で、均粒・粗粒であることは導電性ポリマ
ーの均一分散性において有用と考えられる。
【0014】そこで、本発明の技術的課題は、炭窒化チ
タンからなるサーメットや超硬合金、セラミックス等の
硬質材料に供せられる炭窒化チタン粉末において、均一
な焼結体をもたらす均粒・粗粒の炭窒化チタン粉末、ま
た導電性ポリマーに供せられる炭化チタン等の分野にお
いて均粒・粗粒の炭窒化チタン粉末とその製造方法を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、炭窒化チ
タン粉末の製造工程において、原料の酸化チタン粉末と
炭素粉の他、CoおよびNiの金属粉末の内1種又は2
種を炭窒化チタンのベースで0.1〜0.3重量%添加
し、これらの混合粉末を1500〜1750℃にて熱処
理することより、均粒・粗粒の炭窒化チタン粉末を得る
ことができた。
【0016】即ち、本発明によれば、炭窒化チタン粉末
において、CoおよびNiの内1種または2種が炭窒化
チタン粉末の総量の0.1〜0.3重量%含有し、その
粒度の範囲は、Fsss値が1.0μm以上であり、且
つ1次粒子に対する2次粒子の大きさを表わす指標Fs
ss値/(6/(比重×BET値))が2.5以下であ
り、均粒な粉末であることを特徴とする炭窒化チタン粉
末が得られる。
【0017】また、本発明によれば、前記炭窒化チタン
粉末を製造する方法であって、原料として酸化チタンお
よび炭素を用い、窒素気流中又は水素を含む窒素気流中
で、1500〜1750℃の温度において、還元及び炭
窒化することを特徴とする炭窒化チタン粉末の製造方法
が得られる。
【0018】また、本発明によれば、前記炭窒化チタン
粉末の製造方法において、原料の酸化チタンは1次粒子
が1μm以下でBET値が2m/g以上であることを
特徴とする炭窒化チタン粉末の製造方法が得られる。
【0019】また、本発明によれば、前記炭窒化チタン
粉末の製造方法において、炭素源として1次粒子が0.
5μm以下で連続的に結合していないカーボンブラック
を用いることを特徴とする炭窒化チタン粉末の製造方法
が得られる。
【0020】さらに、本発明によれば、前記炭窒化チタ
ン粉末の製造方法において、熱処理前の原料の混合工程
においてCoおよびNiの内1種又は2種を、炭窒化チ
タン粉末のベースで0.1〜0.3重量%を添加し、1
500〜1750℃の温度で加熱することによって炭窒
化チタン粉末の粒度を制御することを特徴とする炭窒化
チタン粉末の製造方法が得られる。
【0021】より詳しく説明すると、本発明では、炭窒
化チタン粉末において、CoまたはNiの金属粉末の内
1種又は2種を原料である均粒の酸化チタンおよび炭素
粉に添加し、熱処理することにより、これらCo、Ni
を微粒の炭窒化チタン中に固溶させ粗粒化且つ均粒化を
図ったものであり、得られた粒度の範囲は、1次粒子に
対する2次粒子の大きさを表す指標Fsss値/(6/
(比重×BET値))が2.5以下である。
【0022】ここで、Fsss値は2次粒子径、(6/
(比重×BET値))は粒子が球形であることを仮定し
て、BET値より算出された1次粒子径である。Fss
s値/(6/(比重×BET値))は無次元となる指標
であり、この数値が1.0に近い程均粒であることを示
すこととなる。本発明者らは、従来酸化チタンを原料と
して得られたFsss粒度1μm以下の微粒・均粒炭窒
化チタン粉末の場合の均粒度合Fsss値(6/(比重
×BET値))=2.44に相当する均粒の粉末をFs
ss粒度1μm以上の粗粒粉末にても得ることを目指し
た。
【0023】従来のFsss粒度1μm以下の粉末の場
合、Fsss値/(6/(比重×BET値))が2.5
以下であっても微粒であるが為凝集が起こり易く、また
2.5以上の場合、微粒・粗粒が混在する為、微粒粉部
が凝集することとなる。
【0024】よって、本発明はFsss値/(6/(比
重×BET値))が2.5以下であり且つFsss粒度
が1μm以上の粉末を目指したものである。
【0025】
【発明の実施の形態】まず、本発明の実施の形態を述べ
る前に、本発明を更に、具体的に説明する。
【0026】本発明者は、均粒・粗粒粉を作製する為に
は、基本的に酸化チタンを原料とすべきと考えた。特
に、本発明の狙いのひとつである粒子形状が丸みを帯び
た粉末を作製する場合、チタン系原料の形状に角がある
場合は困難である。この理由からチタンまたは水素化チ
タンを原料とした場合、Fsss粒度1μm以上の均粒
且つ粒子表面が丸みを帯びた炭窒化チタン粉末を得るこ
とは困難である。
【0027】例外としてアトマイズ法により得られるチ
タンまたはこれを利用して得られる水素化チタンは球状
粒子ではあるが、本発明で目指したFsss粒度数μm
サイズの均粒のもののみを得ることは、現在の篩分技術
では困難である。
【0028】よって、本発明にて指すFsss粒度1μ
m以上であり且つ粉末表面に角がない炭窒化チタン粉末
を得るには、チタン系原料粉末として、粒度が均粒・微
粒であり且つ粉末表面が滑らかな酸化チタンが有効と考
えた。
【0029】均粒・微粒の酸化チタンから得られる炭窒
化チタン粉末は、基本的に均粒・微粒である。酸化チタ
ン各メーカーから入手される走査電子顕微鏡写真での1
次粒子径1μm以下の各酸化チタンを観察すると全て均
粒であり、粒子形状が丸みを帯びていた。これらを原料
として炭窒化チタン粉末を作製する場合、必要とするカ
ーボン組成に合わせて混合し熱処理するが本発明者らの
試験によれば、最高温度1800℃にて熱処理した場合
でも、炭窒化チタンの粒径は約Fsss粒度にて約1μ
mの粒径となるに留まる。
【0030】また、粒度に幅のある0.2〜7μmの1
次粒子径である酸化チタンを用い、同様に熱処理した場
合、Fsss粒度1.5μmに達することができたが走
査電子顕微鏡にて観察される粒子は0.5μm以上の粒
子が強固に凝集したものであった。
【0031】本発明者らは、酸化チタンを原料とし得ら
れる炭窒化チタンの粒子を粗大化させる方法として金属
Co,Niの内1種又は2種微量添加し、熱処理にてこ
れらを固溶させることが有効であることを見出した。
【0032】また、本発明者らは、基本として均粒の炭
窒化チタンを得るために、前述の1μm以下の粒度の揃
った酸化チタンを用い、炭窒化チタンに対し、Coまた
はNiを0.1〜0.3重量%となるように金属Coま
たはNiの内1種又は2種を原料中に添加、また熱処理
温度を1500〜1750℃にて制御することにより、
Fsss値/(6/(比重×BET値))が2.5以下
である炭窒化チタン粉末を得た。ここで比重は5.l8
g/cmとした。
【0033】次に原料となるカーボンについて記述す
る。1μm以下の粒度の揃った酸化チタンを炭窒化する
為には、炭素源が必要であり、その為にはカーボンブラ
ックを用いる。このカーボンブラックの選定は、均粒粉
末を作製するために重要である。走査電子顕微鏡により
観察されるカーボン粒子がフレーク状である場合、混合
によって酸化チタンの微粒子がこのフレークに食い込む
状態となり、熱処理後の粉末は強固に連続的に結合した
状態となる。
【0034】これはCo、Niの添加の有無に拘らず発
生し、Co,Ni無添加にてFsss粒度は1.2μm
以上に粗大化しひとつひとつの粒子が強固に連続的に結
合した形状の全く揃わない粉末が得られることとなる。
【0035】次に、アセチレンブラックの場合、0.1
μm以下の微小カーボン粒子が、連鎖した状態であるた
め、この連鎖を粉砕工程または混合工程にて切断できれ
ば使用に値するが、この連鎖を切断することは、現在の
ところ困難である。本発明者らの調査によれば、カーボ
ンブラックは0.5μm以下の各々が独立した粒子であ
る必要がある。このようなカーボンと前述の酸化チタン
を用い、均粒な炭窒化チタンとする為には充分な混合が
必要なことは言うまでもない。
【0036】炭窒化チタン粉末の場合、熱処理方法とし
ては、プッシャー炉または回転炉双方にて可能である
が、より均一な特性とするためには、回転炉がより望ま
しい。熱処理雰囲気は、窒素を含む雰囲気、例えば窒
素、水素混合雰囲気等が必要である。酸化チタンを還元
して炭窒化する場合、炭素による還元反応が行われる
が、窒化を考えたとき、プッシャー炉を熱処理炉として
想定した場合、窒素、水素混合雰囲気ではこれらのガス
の密度差により炉内の位置により雰囲気が異なり、窒素
が均一にチタンと結合しない場合がある。これよりプッ
シャー炉の場合、窒素雰囲気が望ましい。なお、水素を
含む雰囲気の場合、炭化が充分に起きやすいことから、
望ましくは窒素、水素混合雰囲気にて回転炉を熱処理炉
として使用した場合がよい。熱処理温度は、1500℃
以下では充分な炭窒化がされにくく長時間の熱処理が必
要であり、また、1750℃で約30分以下にて充分に
炭窒化できる結果が得られており、1500〜1750
℃で熱処理を行う方が経済的にも好ましい。
【0037】次に、熱処理炉としてプッシャー炉を使用
する場合は、酸化チタンおよびカーボン粉末を混合後、
熱処理ケースに入れ熱処理するが、回転炉を使用する場
合は炉内にて流動性が良くなるように造粒する必要があ
る。造粒体のサイズは雰囲気ガスの流れに影響を受けな
いサイズが必要であり、押し出し造粒による径1〜5m
mのものが好ましい。
【0038】ここで、本発明のポイントである均粒・粗
粒化のためのCo,Niの添加について述べる。添加す
る状態については、金属CoまたはNiのいずれでも同
様の効果が得られる。Co,Niの融点は各々1492
℃、1455℃であり熱処理する温度1500〜175
0℃は溶融する温度である。添加するCoまたはNiは
溶融するが、原料段階で均一に混合した方が均粒化の点
においてより良い影響を与える為、凝集が起こりにくく
且つ全体的に原料と接することができるようにFsss
粒度1.5μm以下である方が望しいと考える。
【0039】Co又はNiの添加量は炭窒化チタンに対
し0.1〜0.3重量%と微量であり、熱処理した粉末
についてX線回折しても検出されないが、Co、Ni共
に金属Tiと固溶することは知られており、熱処理され
た粉末の表面性状からも各々の粒子が溶融したCo,N
iにより強固に付着しているのでなく、Co,Ni未添
加の場合の粒子がそのままの形状にて成長した模様であ
る。これより微粒の炭窒化チタンにCo,Niが固溶し
た為、Co,Niが未添加の場合に比較し粒成長を促進
したものと考える。なお、当然のことながら熱処理温度
が高い程粒度は粗くなる為、Co,Niの添加量および
熱処理温度にて粒度制御が可能となる。
【0040】加熱のみの場合、炉の構造等により均一な
温度が加わり難い為、回転炉等により、均一な加熱を図
ると共に、均一にCo,Niを添加することにより炭窒
化チタン粒子の成長がより均一に起こり易くなると考え
る。
【0041】次に、Co,Ni添加量は0.1〜0.3
重量%とすることが好ましく、その結果得られる粉末の
粒度の範囲は、Fsss粒度1μm以上且Fsss値/
(6/(比重×BET値))が2.5以下であった。F
sss粒度が1.0μm以上の均一な平均粒径を有する
ためにはCo,添加量は0.1重量%以上が必要であ
り、0.3重量%以上である場合、Co,Niの溶解量
の増大に起因すると考えられる凝集が逆に発生する。
【0042】それでは、本発明の実施の形態について、
表を参照しながら説明する。
【0043】本発明の例、比較例および市販粉末の比較
表を下記表1に示した。
【0044】(例1)走査電子顕微鏡観察による1次粒
子径0.18μm.BET10.2m/gの均粒の酸
化チタンと1次粒子径0.5μm以下のカーボンブラッ
クに炭窒化チタンベースで0.15重量%となるように
Fsss粒度1.4μmの金属Coを添加し、混合、造
粒した。得られた直径5mmの造粒体を窒素雰囲気にて
回転炉で1500℃で熱処理した。得られた熱処理物を
超硬ボールを粉砕媒体としたボールミルにて粉砕し、1
50メッシュにて篩分した。得られた粉末のFsss粒
度は1.49μm.BET1.87m/gであり、粒
子表面が角張っていない均粒の炭窒化チタンTiC
0.50.5であった。1次粒子に対する2次粒子の
大きさを表わす指標Fsss値(6/(比重×BET
値)は2.40であった。ここで炭窒化チタンTiC
0.50.5の比重は5.18とした。
【0045】(例2)走査電子顕微鏡観察による1次粒
子径0.18μm、BET10.2m/gの均粒の酸
化チタンと1次粒子径0.5μm以下のカーボンブラッ
クに炭窒化チタンベースで0.15重量%となるように
Fsss粒度1.4μmの金属Coを添加し、混合、造
粒した。得られた直径4mmの造粒体を窒素雰囲気にて
回転炉で1750℃で熱処理した。得られた熱処理物を
超硬ボールを粉砕媒体としたボールにて粉砕し、150
メッシュにて篩分した。得られた粉末のFsss粒度は
2.25μm、BET1.28m/gであり、粒子表
面が角張っていない均粒の炭窒化チタンTiC0.5
0.5であった。1次粒子に対する2次粒子の大きさを
表わす指標Fsss値/(6/(比重×BET値))は
2.50であった。
【0046】(例3)走査電子顕微鏡観察による1次粒
子径0.18μm,BET10.2m/gの均粒の酸
化チタンと1次粒子径0.5μm以下のカーボンブラッ
クに炭化チタンベースで0.16重量%となるようにF
sss粒度1.3μmの金属Niを添加し、混合、造粒
した。得られた直径4mmの造粒体を窒素雰囲気にて回
転炉で1650℃で熱処理した。得られた熱処理造粒体
を超硬ボールを粉砕媒体としたボールミルにて粉砕し、
150メッシュにて篩分した。得られた粉末のFsss
粒度はl.62μm、BET1.85m/gであり、
粒子表面角張っていない均粒の炭窒化チタンTiC
0.50.5であった。1次粒子に対する2次粒子の
大きさを表わす指標Fsss値/(6/(比重×BET
値))は2.45であった。
【0047】(比較例1)走査電子顕微鏡観察による1
次粒子径0.18μm、BET10.2m/gの均粒
の酸化チタンと1次粒子径0.5μm以下のカーボンブ
ラックを、混合、造粒した。得られた直径5mmの造粒
体を窒素雰囲気にて回転炉で1500℃で熱処理した。
得られた処理造粒体を超硬ボールを粉砕媒体としたボー
ルミルにて粉砕し、150メッシュにて篩分した。得ら
れた粉末のFsss粒度0.61μm、BET4.92
/gであり、粒子表面が角張っていない均粒の炭窒
化チタンTiC0.50.5であった。1次粒子に対
す2次粒子の大きさを表わす指標Fsss値(6/(比
重×BET値))は2.44であった。
【0048】(比較例2)BET0.25m/gの水
素化スポンジチタンおよび1次粒子径0.5μm以下の
カーボンブラックを混合、造粒した。窒素雰囲気にて回
転炉で1500℃で熱処理した。得られた熱処理造粒体
を超硬ボールを粉砕媒体としたボールミルにて粉砕し、
150メッシュにて篩分した。得られた粉末のFsss
粒度は1.44μm.BET2.80m/gであり、
走査電子顕微鏡による粒子観察による凝集粒子最大径
(長径)8.5μmの微粒、粗粒の混在するの炭窒化チ
タンTiC0.50.5であった。1次粒子に対する
2次粒子の大きさを表わす指標Fsss値(6/(比重
×BET値))は3.51であった。
【0049】(比較例3〜6)表1に市販の炭窒化チタ
ンTiC0.50.5粉末の特性値を示した。
【0050】1次粒子に対する2次粒子の大きさを表わ
す指標Fsss値(6/(比重×BET値))は2.5
を超える粉末であることが分かった。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって得
られる炭窒化チタンは、粗粒且つ均粒である為、微粒の
みまたは微粒、粗粒の混在した粉末に比較し凝集しにく
い粉末であり、特に他材質との均一混合において貢献す
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須▲崎▼ 登雅 富山県富山市岩瀬古志町2番地 株式会社 アライドマテリアル富山製作所内 Fターム(参考) 4K017 AA01 BA10 BB06 CA06 DA06 FB05 4K018 AD04 BA04 BC09 BC12 KA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭窒化チタン粉末において、Coおよび
    Niの内1種または2種が炭窒化チタン粉末の総量の
    0.1〜0.3重量%含有し、その粒度の範囲は、Fs
    ss値が1.0μm以上であり、且つ1次粒子に対する
    2次粒子の大きさを表わす指標Fsss値/(6/(比
    重×BET値))が2.5以下であり、均粒な粉末であ
    ることを特徴とする炭窒化チタン粉末。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の炭窒化チタン粉末を製造
    する方法であって、原料として酸化チタンおよび炭素を
    用い、窒素気流中又は水素を含む窒素気流中で、150
    0〜1750℃の温度において、還元及び炭窒化するこ
    とを特徴とする炭窒化チタン粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の炭窒化チタン粉末の製
    造方法において、原料の酸化チタンは1次粒子が1μm
    以下でBET値が2m/g以上であることを特徴とす
    る炭窒化チタン粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の炭窒化チタン粉末の製
    造方法において、炭素源として1次粒子が0.5μm以
    下で連続的に結合していないカーボンブラックを用いる
    ことを特徴とする炭窒化チタン粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の炭窒化チタン粉末の製
    造方法において、熱処理前の原料の混合工程においてC
    oおよびNiの内1種又は2種を、炭窒化チタン粉末の
    ベースで0.1〜0.3重量%を添加し、1500〜1
    750℃の温度で加熱することによって炭窒化チタン粉
    末の粒度を制御することを特徴とする炭窒化チタン粉末
    の製造方法。
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