JP2958851B2 - 微粒炭化クロムの製造方法 - Google Patents
微粒炭化クロムの製造方法Info
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Description
に関し、詳しくは、超微粒合金、サーメット、セラミッ
クス等に用いられる微粒炭化クロムの製造方法に関す
る。
ラミックス等に炭化クロムが使用されている。そして,
すべての分野において,その工具寿命の長期化が要望さ
れており,そのためには,従来以上に均粒,微細かつ高
純度の炭化クロムが必要とされている。
化モリブデン(MoO3 )は水素により容易に還元され
るが,酸化クロムは熱力学見地より水素による還元は不
可能である。したがって,炭化クロムを製造するには,
酸化クロム粉末と炭素粉末の混合粉を還元炭化する必要
がある。表1は,標準生成エンタルピーより求めた炭化
物1モルを得るのに必要な熱量を示す(単位,Kcal)。
表1から,IVa,Va,VIa族の酸化物を炭素粉末
で還元させる反応は,十分な熱の供給が必要である。
近年の炭化クロムの製造方法には,次の3種のタイプが
ある。その第1の方法は,金属クロム粉末と炭素粉末の
混合物をH2 気流中2000℃以上の温度域にて,プッ
シャータイプの連続炉やバッチタイプの真空炉中で炭化
処理を行う方法である(以下,従来技術1と呼ぶ)。ま
た,第2の方法は,酸化クロムに鉄族金属を加えた粉末
を浸炭性雰囲気にて900〜1000℃で気相炭化する
方法である(特開昭50−17040号公報参照,以
下,従来技術2と呼ぶ)。また,第3の方法は,酸化ク
ロムと炭素粉末とを混合し,H2 気流中1250℃以上
の温度域にて,プッシャータイプの連続炉やバッチタイ
プの真空炉中で炭化処理を行う方法である(特開昭54
−8361号公報,特開昭61−209907号公報参
照,以下,従来技術3と呼ぶ)。ここで,プッシャータ
イプの連続炉とは,円筒状の黒鉛の両端に直流電流を流
して加熱し,その後,所定の温度になった炉に,黒鉛で
できたボートの中に処理物を適当量充填して,プッシャ
ーで順次送っていく炉である。
術1で示された方法は,炭化処理温度が炭化クロムの融
点以上なので,炭化クロム粒子が焼結し,微粉末を得る
ためには,後工程での強力な粉砕が必要であり,コスト
的に不利である。
末を低い炭化温度で製造可能であるが,後工程での鉄族
金属の除去が必要であり,また生産性が悪くコスト的に
不利になるという欠点がある。
イプの連続炉やバッチタイプの真空炉中で炭化処理を行
う。しかし,酸化クロムの還元反応は吸熱反応なため,
ボートの中心部まで熱が伝達されにくく,ボート内で温
度格差を生じるため,中心部の酸化クロムを還元炭化す
るためには,多くの余分な熱を加えなければなならな
い。この結果,粒径1μm以上かつ,粒度分布の広い炭
化クロムとなる欠点がある。また,炉内部で温度格差を
少なくするには,その充填量を大幅に減らせなければな
らず,非生産的である。
でかつ高純度である炭化クロムの製造方法を提供するこ
とにある。
細且つ高純度の炭化クロムを得るために,下記方法を見
出だしたものである。
下の微粒な酸化クロム粉末と粒径1μm以下の微粒な炭
素粉末とを混合し、バインダーを用いてペレット状に成
形後、このペレットを回転炉を用いて水素気流中におい
て、1100〜1250℃で処理して全炭素含有量が
5.5〜13.5wt%であり、酸素含有量が0.3w
t%以下、鉄の含有量が0.05wt%以下で残部が実
質的にクロムからなり、粒径1μm以下の均粒微粒な炭
化クロム粉末を得ることを特徴とする微粒炭化クロムの
製造方法が得られる。
5.5〜13.5wt%としたのは、切削、耐摩工具等
に使用される炭化クロムは、Cr3 C2 ,Cr7 C3 ,
Cr23C6 のうちのいずれかの形態であり、これらの炭
化物及びそれらの混合物の炭素含有量が前述の数値を取
るからである。
0.3%以下としたのは,0.3%を越える酸素を含有
すると微粒炭化クロムを用いて製造された材料,例え
ば,工具中にポアとして残り,工具の寿命を減少させる
からである。
05%以下としたのは,鉄が微粒炭化クロムを用いた合
金中で正常な相と異なる相を形成し,工具の寿命を減少
させるからである。
と炭素粉末の反応は固相と固相の反応であるため,原料
粉末である酸化クロムは,できる限り高純度且つ微粒で
なければならない。その理由は,酸化クロム粉末と炭素
粉末の接触面積を増大させ,迅速に還元炭化反応をさせ
るためである。
レットは,直径1〜2mm,長さ2〜5mmであること
が好ましい。その理由は,回転炉内でペレットが転がり
易く,かつ十分に還元炭化反応をさせるためである。こ
れ以上の大きさでは,ペレット中心部に未反応部分が発
生し,またこれ以下の大きさでは,回転炉内で詰まりが
発生してしまうからである。
は,反応ガス(COガス)の除去を迅速にし,更に,原
料粉末を攪拌させながら連続的に供給し,熱を効率良く
伝えることにより固相−固相反応の反応性を高め,酸化
クロム粉末と炭素粉末が素早く炭化反応するようにし,
従来より低い温度で炭化させるためである。
0〜1250℃としたのは,1100℃以下の温度で
は,反応が十分ではなく酸素含有量が0.3wt%以上
となるためであり,1250℃以上の温度では,粉末の
粒成長が進み粒径1μm以上となるからである。
により,酸化クロムと炭素粉末との接触面積を増やし,
回転炉を使用し,反応ガスを炉外へ迅速に排出させ,か
つ熱を効率良く伝えることにより,固相−固相反応の反
応性を高め,比較的低い温度で炭化を可能にする。
2 O3 )と粒径0.1μmの炭素粉末(C)とをCr3
C2 の組成になるように,配合した後,原料粉末を高速
回転混合機にて混合した後,バインダーを使用し,直径
1〜2mm,長さ2〜5mmのペレットに整粒し,得ら
れた造粒体を乾燥して原料粉末を作成した。この造粒体
を回転炉を用いて水素気流中で1100℃で反応せしめ
た。この時回転炉は,内径85mm,長さ2400mm
の黒鉛製の円筒内に,直径40mm,長さ2620mm
の黒鉛製ヒーターを設置したものであり,円筒を3rp
mで回転させ,水平に対して約6度傾けて使用した。回
転炉内は,水素ガスを1.0m3 /時間で流し,且つ黒
鉛製の円筒をヒーターに通電加熱することにより,円筒
内を1100℃に保った。この状態で,回転炉上部より
整粒したペレットを100g/分の割合で投入した。こ
のペレットの炉内滞在時間は約10分であった。このよ
うにして得られた本発明の実施例1に係る炭化クロムの
分析値と製造条件を下記表2の試料1に示した。また,
試料1の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡による写真を
図1に示す。本発明の実施例外の比較例1及び2とし
て,炭化温度1000℃で処理した炭化クロムの分析値
(この場合,未還元の酸素が残る)を下記表2の試料2
に,炭化温度1400℃で処理した炭化クロムの分析値
(この場合,粒度が粗くなる)を下記表2の試料3に示
した。
配合した粉末を従来法であるプッシャータイプの連続炉
にて,1500℃に保ち,水素ガスを1.2m3 /時間
流し,長さ300mmの黒鉛製ボートに造粒体を入れた
ボートを15分間隔で炉へ挿入した。この時,ヒートゾ
ーン滞在時間は約10分であった。このようにして得ら
れた炭化クロムを衝撃粉砕機で粉砕した炭化クロム粉末
の分析値を下記表2の試料4に超硬ボールにて粉砕した
炭化クロム粉末の分析値を下記2の試料5に示す。ま
た,試料4の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真を図
2に示す。更に,1800℃で加熱処理した粉末を超硬
ボールにて粉砕した炭化クロム粉末の分析値を下記表2
の試料6に示す。また,試料6の粒子構造を示す走査型
電子顕微鏡写真を図3に示す。下記表1のTCは全炭素
含有量,Oは酸素含有量,Fe(原子吸光法)は鉄含有
量を夫々示している。図1乃至3の比較から,本発明の
実施例に係る試料1の炭化クロム(図1)は,比較例に
係る試料4及び6(図2及び3)よりも,極めて微粒で
あることが判る。 (実施例2)粒径0.2μmのCr2 O3 と粒径0.1
μmの炭素粉末とをCr23C6 になるように配合した
後,原料粉末を高速回転混合機にて混合した後,バイン
ダーを使用し,直径1〜2mm,長さ2〜5mmのペレ
ットに整粒し,得られた造粒体を乾燥して原料粉末とし
た。この造粒体を回転炉を用いて水素気流中1250℃
で反応せしめた。この時の回転炉は,内径85mm,長
さ2400mmの黒鉛製の円筒内に,径40mm,長さ
2620mmの黒鉛製ヒータを設置したものであり,円
筒を3rpmで回転させ,水平に対し約6度傾けて使用
した。回転炉内は,水素ガスを1.0m3 /時間で流
し,かつ,黒鉛製の円筒ヒーターに通電加熱することに
より,円筒内を1250℃に保った。この状態で,回転
炉上部より整粒したペレットを100g/分の割合で投
入した。このペレットの炉内滞在時間は,約10分であ
った。このようにして得られた本発明品の分析値と製造
条件を下記表2の試料7に示した。
S粒径及びBET粒径共に小さく、また、炭素含有量
(TC),O含有量,及びFe含有量も工具の製造に最
も適していることが分かる。また、配合時に炭素粉末量
を変えれば、Cr7 C3 やその他の低級炭化物との混合
物を製造することもできる。
ば、高純度かつ、均粒で粒径1μm以下の工具に適した
微粒炭化クロムの製造方法を提供することができる。
ることにより,低い温度での炭化することができ,コス
ト面で有利になるばかりではなく,量産にも適してい
る。
子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
示す走査型電子顕微鏡写真である。
示す走査型電子顕微鏡写真である。
Claims (1)
- 【請求項1】 粒径0.5μm以下の微粒な酸化クロム
粉末と粒径1μm以下の微粒な炭素粉末とを混合し、バ
インダーを用いてペレット状に成形後、このペレットを
回転炉を用いて水素気流中において、1100〜125
0℃で処理して全炭素含有量が5.5〜13.5wt%
であり、酸素含有量が0.3wt%以下、鉄の含有量が
0.05wt%以下で残部が実質的にクロムからなり、
粒径1μm以下の均粒微粒な炭化クロム粉末を得ること
を特徴とする微粒炭化クロムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6049999A JP2958851B2 (ja) | 1994-02-24 | 1994-02-24 | 微粒炭化クロムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6049999A JP2958851B2 (ja) | 1994-02-24 | 1994-02-24 | 微粒炭化クロムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07237915A JPH07237915A (ja) | 1995-09-12 |
JP2958851B2 true JP2958851B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=12846712
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6049999A Expired - Lifetime JP2958851B2 (ja) | 1994-02-24 | 1994-02-24 | 微粒炭化クロムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2958851B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104925810B (zh) * | 2015-05-20 | 2017-03-01 | 河北工程大学 | 一种纳米碳化铬粉体的制备方法 |
CN111484015A (zh) * | 2020-06-17 | 2020-08-04 | 王景军 | 一种碳化铬的冶炼方法 |
CN114506846B (zh) * | 2022-02-15 | 2023-06-06 | 厦门金鹭特种合金有限公司 | 一种超细碳化物的生产方法及生产装置 |
-
1994
- 1994-02-24 JP JP6049999A patent/JP2958851B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07237915A (ja) | 1995-09-12 |
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