JP4404771B2 - 車椅子に形態変更可能なストレッチャ - Google Patents

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    • A61G5/125Rests specially adapted therefor, e.g. for the head or the feet for arms

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子に形態変更可能なストレッチャに関する。さらに詳述すると、本発明は、寝台から椅子あるいはその逆に形態変更可能なストレッチャ本体を昇降させる機構を備えたストレッチャに関する。
【背景技術】
【0002】
昇降機構を備えた従来のストレッチャとしては、例えば特開2001−95885公報に開示されるような、キャスターを備える台車とストレッチャ本体との間をX形リンクで連結した構造のものがある。このストレッチャの昇降機構では、X形リンクの先端の間隔を狭めることでX形リンクを鉛直方向に伸ばしてストレッチャ本体の高さを上げ、逆にX形リンクの先端の間隔を広げることでX形リンクを水平方向に伸ばしてストレッチャ本体の高さを下げるようにしている。
【0003】
しかしながら、X形リンクを用いる昇降機構では、ストレッチャ上に患者を載せたままストレッチャ本体を上げ下げするには大きな力が必要になり重労働になる。また、ストレッチャ本体の高さを一定に維持しておくためには、患者等の重さでX形リンクが広がらないようにする必要があり、そのためにはX形リンクを強力に固定するロック機構が別に必要になる。さらに、介護者等がストレッチャ本体を直接掴んで、持ち上げたり、下げたりするので、X形リンクに手や物などを挟み込んでしまう虞もある。
【0004】
一方、台車上に鉛直に配置された油圧シリンダ装置を介してストレッチャ本体を直接に支持し、油圧シリンダ装置の伸縮動作によってストレッチャ本体を昇降させる構成も考えられる。しかし、1つの油圧シリンダ装置のみで患者が乗るストレッチャ本体を安定に支持することは難しく、また必要な強度を満足することも難しい。さらに2つ以上の油圧シリンダユニットによりストレッチャ本体を支える場合には、コスト高となる。しかも、油圧シリンダ装置のストロークはシリンダ長よりも長くすることはできないので、大型の油圧シリンダ装置を用いなければ大きなストロークを得ることはできない反面、大型の油圧シリンダ装置を用いればストレッチャ本体の最小高さを低くできない問題を伴う。このため、ストレッチャ本体の高さを患者の移乗先または移乗元の高さに合わせて低い位置から高い位置の幅広いストロークを得ることが難しい。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、ストレッチャ上に患者がいる状態でも安全かつ容易にストレッチャ本体を昇降することができ、且つ充分な昇降ストロークを得ることができるストレッチャを提供することを目的とする。
【0006】
かかる目的を達成するために本発明にかかる車椅子に形態変更可能なストレッチャは、折り畳むことで椅子に変形可能なストレッチャ本体と、該ストレッチャ本体を支持する台車とを有するものであって、平行四辺形を成す4つの回転支点を有し、回転支点の2つが台車に対して固定されると共に、台車に対して平行移動する部分でストレッチャ本体を支持する4節平行リンク機構と、4節平行リンク機構の回動を規制すると共に伸縮することによって4節平行リンク機構を回動させる位置関係に配置される伸縮機構とを有し、かつストレッチャ本体が、折り畳むことで椅子に変形可能に構成されるフレームと、フレームに取り付けられて患者の身体の一部をサポートするサポート部材とを有し、サポート部材の芯材もしくはこのサポート部材そのものの少なくともサポート面の変形が要求される部位が複数に分割され、これら分割された芯材もしくはサポート部材同士が可撓機構で連結されるとともに、この可撓機構は間隔をおいて平行配置された複数の重合プレートを有する固定側部材と、該固定側部材の重合プレートと交互に重なり合う複数の重合プレートを有する傾動側部材と、固定側部材ならびに傾動側部材の各重合プレートの重合箇所を貫通してこれら重合プレートを締め付ける連結軸ならびに重合プレートを重合方向に付勢する付勢手段とを備え、傾動側部材が連結軸を中心に回転して芯材もしくはサポート部材の一部を傾動させるとともに両重合プレート同士の接触部における摩擦力を利用してその角度を維持しサポート面の形状を保持するようにしている。
【0007】
したがって、伸縮機構の伸縮動作により4節平行リンク機構が回動すると、4節平行リンク機構における平行移動する部分で支持されるストレッチャ本体は、一定の姿勢を保ったまま、台車に対して所定の角度を維持したまま昇降する。そして伸縮機構の長さが固定されると、ストレッチャ本体の高さが一定に維持されるので、別途ロック機構を設ける必要はない。また、X形リンクのように手や物などを挟み込んでしまう虞はない。したがって、安全かつ容易にストレッチャ本体を昇降することができる。さらに、ストレッチャ本体が昇降する範囲は4節平行リンク機構が回動する範囲により定まるので、ストレッチャ本体の昇降範囲を伸縮機構自体のストローク以上にできる。また、ストレッチャを利用する患者は、身体の一部がサポートされることによって安定した着座ないしは仰臥姿勢、あるいは安楽な着座ないしは仰臥姿勢に保持される。しかも、例えばベッドに移乗した時の姿勢あるいは移乗後の姿勢が多少崩れかけたとしても、サポート部材によって、身体の一部がベッドからはみ出したり、仰臥姿勢が崩れたりするのが予防される。したがって患者にとってみれば姿勢を保持しようとして無理な力を入れるなどしなくて済むし、姿勢を変えたり寝返りを打つなどして不意にベッドの端に寄ったとしても誤って転落してしまうこともないという安心感と信頼感を抱くことができる。
【0008】
ここで、伸縮機構は、基部と、該基部に対して移動可能な移動部と、基部と移動部の間に設けられ回転することで移動部を移動させるねじ移動機構と、基部に取り付けられてねじ移動機構を回転させるアクチュエイト機構とを備えるものであることが好ましい。この場合、モータ又はハンドルによる手動で作動するアクチュエイト機構によりねじ移動機構を回転させることで、移動部を基部に対して伸縮させることができる。回転動作を伸縮動作に変換するので、操作時の負荷を軽減することができる。
【0009】
また、アクチュエイト機構は、回転入力を与えるハンドル部を更に備え、尚且つ、ねじ移動機構は、基部に取り付けられてスライド方向に配置されたねじ棒と、移動部に取り付けられてねじ棒がねじ込まれるスライダを備え、アクチュエイト機構は、ねじ棒を回転させる第1のベベルギアと、第1のベベルギアに噛み合う少なくとも1つの第2のベベルギアを備え、第2のベベルギアはハンドル部と連動して回転するようにハンドル部に連結されることが好ましい。
【0010】
この場合、ハンドル部を回転することで第2のベベルギアが回転し、これに連動して第1のベベルギアが回転し、ねじ棒が回転し、スライダがねじ棒に沿って移動する。これにより、移動部を基部に対して伸縮させることができる。ハンドル操作により容易にストレッチャ本体を昇降することができ、さらに電気を必要としないので、緊急時に電源が取れずに動作不能に陥るといった危険を回避できる。
【0011】
また、第2のベベルギアとハンドル部とは、自在軸継手を介して連結されることが好ましい。この場合、伸縮動作によって4節平行リンク機構と共に回動する伸縮機構に追従しつつ第2のベベルギアに回転入力を与えることができる。
【0012】
更に、アクチュエイト機構がモータを有するものである場合、モータに対するスイッチ操作により電動で伸縮機構を伸縮できる。操作者はスイッチ操作のみでストレッチャ本体を昇降でき、操作者の労力を軽減できる。
【0013】
また、伸縮機構を伸長させる方向、またはストレッチャ本体を台車に対して持ち上げる方向に、補助力を発生させる補助手段を更に備えることが好ましい。この場合には、伸縮機構の伸縮動作に必要な力を一層軽減できる。
【0014】
また、伸縮機構は、圧力油が供給されることにより伸長すると共に圧力油が排出されることにより収縮する油圧シリンダと、一定量の作動油を貯留し油圧シリンダに対して圧力油を供給及び排出する油圧給排部とを備える、所謂油圧ジャッキであることが好ましい。この場合、油圧給排部によりオイル供給操作を行なうと、油圧により油圧シリンダが伸長し、ストレッチャ本体が上昇する。一方、油圧給排部によりオイル排出操作を行なうと、油圧が減圧されて油圧シリンダが収縮し、ストレッチャ本体が下降する。
【0015】
また、油圧シリンダは、シリンダ部と、このシリンダ部に摺動可能に挿入されるピストン部と、シリンダ部とピストン部とに囲まれたシリンダ室を有し、油圧給排部は、オイルタンクと、該オイルタンクからオイルを吸引すると共に当該吸引したオイルをシリンダ室に圧送するオイルポンプと、シリンダ室とオイルタンクとを接続するオイル排出路と、該オイル排出路を開閉するリリース装置とを有し、さらに、台車に変位可能に取り付けられる昇降用ペダルと、該昇降用ペダルの変位をオイルポンプに対する操作に変換する昇降用リンクと、台車に変位可能に取り付けられるリリース用ペダルと、該リリース用ペダルの変位をリリース装置に対する操作に変換するリリース用リンクとを備えることが好ましい。
【0016】
この場合、昇降用ペダルに対する操作により昇降用リンクを介してオイルポンプが作動し、油圧シリンダが伸長してストレッチャ本体が上昇する。一方、リリース用ペダルに対する操作によりリリース用リンクを介してリリース装置が作動し、油圧シリンダが収縮してストレッチャ本体が下降する。操作者は、ストレッチャの下部に屈み込む必要はなく立ったままで、足踏み動作により伸縮機構の伸縮動作を行なえる。
【0017】
ここで、前述の昇降用ペダルおよびリリース用ペダルは台車の左右両側に設けられていることが好ましい。この場合、操作者はペダルがある側に回り込む必要は無く、迅速にストレッチャ本体の昇降操作を行なうことができる。
【0018】
また、昇降用ペダルは台車に回転可能に取り付けられ、昇降用リンクは、昇降用ペダルと一体に回転する昇降用第1リンクと、台車に対して回転可能に支持されると共に昇降用第1リンクおよびオイルポンプと接触し、昇降用第1リンクの回転と連動して回転することによりオイルポンプに押圧力を与える昇降用第2リンクを有することが好ましい。この構成の場合、リンクの数を少なくできるため、コンパクトに構成できる、部品収納スペースに余裕ができるので部品の厚みを薄くするような必要が無くなり部品の強度を充分に高いものにできる、部品点数を削減できるためコストを安くできる、等の利点が得られる。
【0019】
また、昇降用ペダルは台車に回転可能に取り付けられ、昇降用リンクは、昇降用ペダルと一体に回転する昇降用第1リンクと、昇降用第1リンクに回転可能に接続される昇降用第2リンクと、昇降用第2リンクに回転可能に接続されると共に台車に対して回転可能に支持される昇降用第3リンクとを有し、昇降用第1リンクの回転により昇降用第2リンクが移動し、当該移動により昇降用第3リンクが回転してオイルポンプに押圧力を与えるようにしても良い。この構成の場合、オイルポンプを操作する昇降用第3リンクと、昇降用ペダルと一体に回転する昇降用第1リンクとの間に、昇降用第2リンクが介在するため、昇降用ペダルの回転軸をオイルポンプのある位置から離れた位置に配置でき、昇降用ペダルを折れ曲がった形状とせず直線的な形状として昇降用ペダルを水平に位置させても、昇降用ペダルが台車と接触しないようにできる。このため、昇降用ペダルのペダル部を台車から遠ざけて配置できると共に踏み込まれたペダル部が昇降用ペダルの回転軸側に移動する量を小さくでき、昇降用ペダルを操作する操作者の足が台車に接触してしまうことを防止できる。
【0020】
また、圧力油の給排によって伸縮する伸縮機構は、リリース用ペダルを変位させるために必要な力を、リリース用ペダルの変位量が増加するに従って大きくするブレーキ機構を備えることが好ましい。この場合、軽い力でリリース用ペダルを踏み込むことでリリース装置に対する操作量を小さく、強い力でリリース用ペダルを踏み込むことでリリース装置に対する操作量を大きくできる。例えば、軽い力でリリース用ペダルを踏み込む場合には、ストレッチャ本体に人が載っている場合などのように伸縮機構を収縮させようとする比較的大きい荷重が作用している場合に、伸縮機構がスムースに収縮するようにでき、より強い力でリリース用ペダルを踏み込む場合には、ストレッチャ本体の自重によっても、伸縮機構がスムースに収縮するようにできる。従って、リリース用ペダルを踏み込む力の強弱によって、状況に応じた適切な速度でストレッチャ本体を下降させることができる。
【0021】
また、前述のブレーキ機構は、リリース用ペダルと一体に変位する押圧部材と、リリース用ペダルの一定範囲内の変位では押圧部材とは非係合の関係にあり、当該一定範囲を超えるリリース用ペダルの変位により押圧部材と係合して押圧部材の変位に応じて弾性変形する弾性部材とを有するものが好ましい。この場合、押圧部材が弾性部材に接触するまでは、軽い力でリリース用ペダルを踏み込むことで、リリース装置に対する操作量を小さくでき、押圧部材が弾性部材に接触した後は、より強い力でリリース用ペダルを踏み込むことで、リリース装置に対する操作量を大きくできる。
【0022】
更に、前述の伸縮機構には、押圧部材と弾性部材との位置関係を調節する調節手段を更に備えることが好ましい。この場合、軽い力でリリース用ペダルを踏み込める範囲を調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
Fig.1からFig.53に本発明のストレッチャの実施の一形態を示す。この車椅子に形態変更可能なストレッチャ1は、折り畳むことで椅子に変形可能なストレッチャ本体2と該ストレッチャ本体2を支持する台車3とを有するものであり、尚且つ平行四辺形を成す4つの回転支点を有して当該回転支点の2つが台車3に対して固定されると共に台車3に対して平行移動する部分でストレッチャ本体2を支持する4節平行リンク機構4と、4節平行リンク機構4の回動を規制すると共に伸縮することによって4節平行リンク機構4を回動させる位置関係に配置される伸縮機構5とを有するようにしている。尚、Fig.1及びFig.2ではストレッチャ本体2の図示を省略している。
【0024】
本実施形態において、台車3は、前後左右に4個の車輪31を有し、枠状を成すように構成されている。より具体的には、本実施形態における台車3は、前方及び後方に車輪31が取り付けられると共にストレッチャ1の両側に平行に配置される2つのベース部材32と、これらのベース部材32と直交するように配置され、これらのベース部材32を、前方で連結する前方連結部材33と後方で連結する後方連結部材34とを有している。ベース部材32と前方連結部材33、ベース部材32と後方連結部材34とは、例えば溶接やねじ止め等で一体に固定されていて、枠状の台車3を構成している。尚、前方連結部材33は、4節平行リンク機構4の回動動作を妨げないように、例えば両端近傍を折り曲げて、中央部分33aがベース部材32よりも接地面側に位置するように形成している。
【0025】
リンク支持部材41は、4節平行リンク機構4を台車3に固定する役割を果たす。例えば本実施形態では、2つのリンク支持部材41が後方連結部材34に取り付けられている。例えば、リンク支持部材41には、後方連結部材34が貫通する孔が設けられており、当該孔に後方連結部材34を貫通させた状態で、例えばねじ止め等によりリンク支持部材41を後方連結部材34に固定するようにしている。尚、後方連結部材34は、例えばリンク支持部材41の回転を禁止するように横断面を非円形状、例えば略楕円形状としている。
【0026】
本実施形態における4節平行リンク機構4は、リンク支持部材41に回転支持される第1リンクメンバ42及び第2リンクメンバ43と、第1リンクメンバ42及び第2リンクメンバ43のリンク支持部材41に対する自由端側を回り対偶で連結する第3リンクメンバ44とを有して構成される。2つのリンク支持部材41の間には、第1リンクメンバ42を回転可能に支持する第1支軸45と、第2リンクメンバ43を回転可能に支持する第2支軸46とが、取り付けられている。第1支軸45と第2支軸46とは、後方連結部材34の長手方向と平行に配置され、例えばねじ止め等でリンク支持部材41に固定されている。第1リンクメンバ42のリンク支持部材41に対する自由端側には、第1支軸45と平行に第3支軸47が配置されている。また、第2リンクメンバ43のリンク支持部材41に対する自由端側には、第2支軸46と平行に第4支軸48が配置されている。第3リンクメンバ44には、第3支軸47および第4支軸48が回転可能に貫通する孔が設けられていて、第3支軸47と第4支軸48とは、当該孔を貫通することで第3リンクメンバ44により連結されている。第1リンクメンバ42は、第1支軸45が貫通して第1支軸45に回転可能に支持される第1筒体421と、第3支軸47が貫通して第3支軸47に回転可能に支持される第3筒体422と、第1支軸45及び第3支軸47に対して直交するように配置されて第1筒体421と第3筒体422とを連結する平行な2本の第1連結棒423とを有して構成される。第1連結棒423は、例えばパイプ状に形成され、第1筒体421および第3筒体422に溶接等で固定される。第2リンクメンバ43も、第1リンクメンバ42と同様の構成を有しており、第2支軸46が貫通して第2支軸46に回転可能に支持される第2筒体431と、第4支軸48が貫通して第4支軸48に回転可能に支持される第4筒体432と、第2支軸46及び第4支軸48に対して直交するように配置されて第2筒体431と第4筒体432とを連結する平行な2本の第2連結棒433とを有して構成される。第2連結棒433は、例えばパイプ状に形成され、第2筒体431および第4筒体432に溶接等で固定される。回転支点となる第1〜4支軸45,46,47,48は平行四辺形を成し、リンク支持部材41および第1リンクメンバ42および第2リンクメンバ43および第3リンクメンバ44により4節平行リンク機構4が構成される。
【0027】
伸縮機構5は、ストレッチャ本体2に作用する荷重により回動しようとする4節平行リンク機構4を受け支えて4節平行リンク機構4の回動を規制する機能を果たすと共に、伸縮することによって4節平行リンク機構4を回動させて、台車3に対するストレッチャ本体2の高さを調整するものである。ストレッチャ本体2に作用する荷重とは、例えば、ストレッチャ本体2および4節平行リンク機構4の重量に、ストレッチャ本体2に載置される人や物の重量を加えたものが該当する。
【0028】
伸縮機構5は、ストレッチャ本体2に作用する荷重により回動しようとする4節平行リンク機構4を受け支えて、4節平行リンク機構4の回動を規制することができ、尚且つ、伸縮機構5が伸縮することによって4節平行リンク機構4を回動させることができる位置に配置される。例えば本実施形態における伸縮機構5では、一端側が第3支軸47に回転可能に取り付けられると共に、他端側がリンク支持部材41に回転可能に取り付けられている。但し、伸縮機構5を取り付ける位置は、この例に限定されるものではない。
【0029】
本実施形態におけるリンク支持部材41は、伸縮機構5を支持する役割も兼ね備える。この場合、伸縮機構5を支持する部材を別途台車3に設ける場合と比較して、部品点数削減等の効果を奏する。2つのリンク支持部材41の間には、伸縮機構5を回転可能に支持する第5支軸50が、第1支軸45及び第2支軸46と平行になる位置関係で取り付けられている。第5支軸50は、例えばねじ止め等でリンク支持部材41に固定される。また、例えば本実施形態では、第1支軸45、第2支軸46、第5支軸50は、それぞれの回転中心となる点が一直線上に並ぶように、リンク支持部材41に取り付けられる。リンク支持部材41は、その長手方向がベース部材32の長手方向に対して傾いた状態となるようにベース部材32に取り付けられており、後方且つ上方に向かって第5支軸50→第2支軸46→第1支軸45の順に配置するようにしている。このため伸縮機構5は、リンク支持部材41に対して略V字状を成して、4節平行リンク機構4を受け支えている。この伸縮機構5は、第1連結棒423および第2連結棒433および第3リンクメンバ44の間に配置される。
【0030】
伸縮機構5は、ストレッチャ本体2に作用する荷重を受け支えながらストレッチャ本体2またはストレッチャ本体2と一体となって移動する部材、例えば本実施形態では第3支軸47に対する連結点と、台車3または台車3と一体となっている部材、例えば本実施形態では第5支軸50に対する連結点との間の距離を、伸縮調整できるものであれば良い。例えば本実施形態では、ねじ構造を利用した伸縮機構5を採用している。より具体的には、本実施形態における伸縮機構5は、例えばFig.7に示すように、基部51と、基部51に対して移動可能な移動部52と、基部51と移動部52の間に設けられ回転することで移動部52を移動させるねじ移動機構53と、基部51に取り付けられてねじ移動機構53を回転させるアクチュエイト機構54とを備えている。但し、伸縮機構5の構造は、この例に限定されるものではない。
【0031】
ねじ移動機構53は、基部51に取り付けられて基部51の軸方向に配置されたねじ棒531と、移動部52に取り付けられてねじ棒531がねじ込まれるスライダ532を備えている。アクチュエイト機構54は、ねじ棒531を回転させる第1のベベルギア541と、第1のベベルギア541に噛み合う少なくとも1つの第2のベベルギア542を有している。基部51は例えば大径のパイプであり、移動部52は例えば小径のパイプである。移動部52は出没可能に基部51に挿入されている。基部51における移動部52側の端には、移動部52を摺動自在に支持する摺動スリーブ55が嵌め込まれている。本実施形態の摺動スリーブ55は、移動部52の最大伸長位置にてスライダ532と当接し、移動部52の最大伸長位置を規定する機能も兼ねる。摺動スリーブ55と対極となる基部51の端は基端部材56が嵌め込まれることにより閉じられていて、基端部材56にはアクチュエイト機構54が設けられている。一方、移動部52における基部51側の端には、ねじ移動機構53のスライダ532が嵌め込まれている。スライダ532と対極となる移動部52の端には、第3支軸47が回転可能に貫通する第8筒体57が、例えば溶接等により固定されている。基部51の端部近傍には、両側方に配置される2つの第5支軸50が回転可能に嵌め込まれる2つの第9筒体58が、例えば溶接等により固定されている。
【0032】
アクチュエイト機構54は、基端部材56において基部51の軸方向に回転自在に取り付けられた第1のベベルギア541と、基端部材56において第1のベベルギア541と噛み合うように回転自在に取り付けられた第2のベベルギア542を有している。第2のベベルギア542は、例えば1つ設けられており、第1のベベルギア541と軸角すなわち交差角が90度で噛み合っている。第1及び第2のベベルギア541,542は歯の形状が同一のベベルギアである。ただし、第1のベベルギア541は第2のベベルギア542よりも大径であり歯数が多い。例えば第1のベベルギア541が1回転すると、第2のベベルギア542は2回転程度、好ましくは1.3回転する。即ち、例えば第2のベベルギア542が1.3回転すると、ねじ棒531が1回転する。
【0033】
第1及び第2のベベルギア541,542の歯部は、Fig.9及びFig.10に示すように、歯底501には円錐角がつけられているのに対し、歯頂は回転軸と平行な面500aと直交する面500bとからなっている。即ち、歯底501となる谷部分は円錐面に沿って形成されているが、歯頂は外観がクラウンギアのような円筒面500aと回転軸に対して直交する平面500bとで形成された三角形状のフェースを有している。このように第1及び第2のベベルギア541,542の歯部を形成することで、外径部分では歯底に対して歯頂を高くすることができ、噛み合う面を三角形状にして広くすることができて大きなトルクの伝達を可能にすることができる。また、歯は内径側において面500b寄りの部位が一部切り下げられて、歯の噛み合いをスムーズにしているが、場合によっては切り下げないこともある。即ち、第1及び第2のベベルギア541,542を小型で大トルクの伝達が可能なものにすることができる。
【0034】
第1のベベルギア541の底面には、例えば六角形の孔である六角孔541aが形成されている。ねじ棒531の上端部531aには、六角孔541aに嵌合する取付部が成形されており、当該取付部が六角孔541aに挿入される。ねじ棒531の上端部531aは、例えば横断面円形の軸状に形成されておりスラストベアリング561で軸支される共に、当該スラストベアリング561と係合する抜け防止用のピン562が設けられる。尚、例えばねじ棒531と第1のベベルギア541の軸部541bとの重ね合わさった所を貫通するねじで止め付ける等により、ねじ棒531と第1のベベルギア541とを一体化するようにしても良い。これにより、ねじ棒531は基端部材56に回転自在に取り付けられて第1のベベルギア541と一体となって回転する。一方、第2のベベルギア542は、基端部材56にねじ止め等で固定される支持部材563に、回転自在に支持されている。第2のベベルギア542の支持部材563から露出した部分には、例えば抜け防止用のCリング564が取り付けられる。
【0035】
また、ねじ棒531に形成されているねじの歯は、例えばFig.8に示すように、断面形状が台形になるように形成されている。このように歯の断面形状を台形にすることで、大きなトルクを伝達し易くなる。また、歯の断面形状を台形にしているので、ねじ棒531の軸方向の力がスライダ532に作用しても、ねじ棒531が回転してしまうことはない。従って、ストレッチャ本体2に作用する荷重によって、ねじ移動機構53が逆転して伸縮機構5が自然に縮んでしまうことはなく、高さ維持のための複雑な機構を必要としない。一方、スライダ532の内部には、ねじ棒531に噛み合う雌ねじ部533が、例えばねじ止めで固定されている。したがって、ねじ棒531が回転すると、スライダ532がねじ棒531に沿って上下に移動し、移動部52を基部51の軸方向に移動させる。
【0036】
アクチュエイト機構54における第2のベベルギア542は、例えばハンドル部59に連結されており、ハンドル部59を回転させることで、第2のベベルギア542が連動して回転するように構成されている。ここで、本実施形態における伸縮機構5は、伸縮動作によって4節平行リンク機構4と共に回動する。そこで、本実施形態では、回動する伸縮機構5に追従しつつ第2のベベルギア542に回転入力を与えるために、ハンドル部59とアクチュエイト機構54とを自在軸継手を用いて連結するようにしている。例えば、第2のベベルギア542の軸部542aと、連結軸591の一方の端とを、第1自在軸継手592により連結し、尚且つ連結軸591の他方の端とハンドル部59とを第2自在軸継手593により連結するようにしている。尚、第1自在軸継手592および第2自在軸継手593は、例えば周知の十字形自在軸継手である。ハンドル部59は、回転軸がカバー体594に回転可能に取り付けられており、カバー体594は、連結軸591を覆うように、後方連結部材34に溶接等で固定されている。
【0037】
さらに、例えば本実施形態では、伸縮機構5の伸縮動作に伴う操作力を軽減するために、伸縮機構5を伸長させる方向、またはストレッチャ本体2を台車3に対して持ち上げる方向に、補助力を発生させる補助手段を設けるようにしている。本実施形態の補助手段は、例えば、弾性変形することにより原状態への復元力を蓄えるばねである。例えば本実施形態では、伸縮機構5の基部51に補助手段を内蔵するようにしている。この場合、補助手段としてのばねが外から見えず外観が良好となり、且つ補助手段としてのばねに手を挟む等の事故を防止できる、といった利点がある。例えば補助手段としての圧縮コイルばね510が、基端部材56に設けたフランジ565と、スライダ532の外周に設けたフランジ532aとの間に配置される。フランジ565,532aは、例えば移動部52の最大伸長位置と最大収縮位置等を考慮して設定される。但し、補助手段を配置する位置は、伸縮機構5を伸長させる方向またはストレッチャ本体2を台車3に対して持ち上げる方向に、補助力を発生させ得る位置であれば良く、上記の例に限定されるものではない。
【0038】
ストレッチャ本体2は、4節平行リンク機構4における台車3に対して平行移動する部分に取り付けられる。例えば本実施形態では、第3支軸47と第4支軸48にストレッチャ本体2を取り付けるようにしている。従って、4節平行リンク機構4の回動動作により、ストレッチャ本体2が台車3に対して平行に移動する。即ち、ハンドル部59の回転操作によって、第2のベベルギア542が回転し、これにより第1のベベルギア541が回転し、ねじ棒531が回転する。これにより、スライダ532がねじ棒531に沿って移動し、移動部52が軸方向に移動して、伸縮機構5が伸長または収縮する。伸縮機構5の伸縮により、4節平行リンク機構4が回動動作し、ストレッチャ本体2が台車3に対して平行に、上昇または下降する。
【0039】
このストレッチャ1の昇降機構によれば、ストレッチャ本体2に強い荷重が作用している状態、例えばストレッチャ1に患者が載置されている状態でも、軽いハンドル操作力で高さ調節を行うことができる。補助手段を用いることで、さらに操作力は軽減される。また、スライダ532にスライド方向の力が作用してもねじ棒531が回転することはないので、ストレッチャ本体2に作用する荷重でストレッチャ本体2が下がってしまうことがなく、高さ維持のための複雑な機構を必要としない。さらに、本実施形態の伸縮機構5では、電気を必要としないので、緊急時に電源が取れないため動作不能に陥るといった危険もない。
【0040】
次に、ストレッチャ本体2について説明する。本実施形態におけるストレッチャ本体2は、寝た状態あるいは座った状態のいずれの患者も移動できるように、Fig.4に示す上面を平坦としたベッドと、Fig.5に示す着座可能な椅子とに、形態を変更することができるものである。本実施形態では、ストレッチャ本体2のこのような形態変更を可能とするために、折り曲げ可能に組み付けた丸パイプからなるフレーム20によって骨組みを形成している。このフレーム20によれば、回転する機構は径の異なる丸パイプで形成したヒンジなどの回り対偶によって構成し、伸縮する機構は径の異なるパイプで構成したすべり対偶によって構成することができる。
【0041】
本実施形態におけるフレーム20は、例えば、背部分21、座部分22、脚部分23が互いに折曲可能に連結されており、これらの連結箇所を折曲させることで椅子状態に変形することができる。なお、ベッドに形態変更したストレッチャ1を主にフレーム20のみで示すとFig.3のようになる。
【0042】
例えば背部分21は、平行に配置される2本の第1縦パイプ210と、これら第1縦パイプ210を連結する第1ベースプレート211と、第1縦パイプ210の下端側を連結すると共に第1折曲軸11に回転可能に支持される第1横パイプ212とを有して構成される。また、第1縦パイプ210の略中間位置には、第1縦パイプ210と直交する方向であって第1縦パイプ210に対して外側に向かう方向に、中間パイプ213が例えば溶接等で固定されている。この中間パイプ213には略U字型の第1手押し用パイプ214が固定されると共に、中間パイプ213の端部において肘掛け73が回転可能に取り付けられる。
【0043】
また、例えば座部分22は、一端側が第1折曲軸11に回転可能に支持されると共に他端側が第2折曲軸12に回転可能に支持される2本の第2縦パイプ220と、これら第2縦パイプ220を第1折曲軸11側で連結する第2横パイプ221と、第2縦パイプ220を第2折曲軸12側で連結する第3横パイプ222と、一端側が第2横パイプ221に固定されると共に他端側が第3支軸47に回転可能に支持される2本の第1支持パイプ223と、一端側が第3支軸47に回転可能に支持される共に他端側が第2折曲軸12に回転可能に支持される2本の第2支持パイプ224とを有して構成される。第1支持パイプ223と第2支持パイプ224とは、第3支軸47に回転可能に取り付けられる第5筒体225に、側面視で略V字状を成すように固定されている。
【0044】
また、例えば脚部分23は、一端側が第2折曲軸12に回転可能に支持される2本の第3縦パイプ230と、これら第3縦パイプ230を連結する第2ベースプレート231とを有して構成される。
【0045】
さらに、本実施形態におけるフレーム20では、背部分21と脚部分23とを連動させる連動機構24を備えている。この連動機構24は、例えば、第1横パイプ212に固定される2つの第1連動具240と、第2折曲軸12に回転可能に支持される2つの第2連動具241と、第1連動具240と第2連動具241とを連結する2本の連動用リンク242と、第2連動具241と係合するように配置され、第3縦パイプ230に固定される第4横パイプ243とを有して構成される。
【0046】
第1連動具240には、第1折曲軸11と平行な軸方向を有する第1連動軸244が固定されており、第2連動具241には、第2折曲軸12と平行な軸方向を有する第2連動軸245が固定されている。連動用リンク242は、一端側が第1連動軸244に回転可能に支持されていると共に、他端側が第2連動軸245に回転可能に支持されている。第4横パイプ243は、第3縦パイプ230と直交するように配置されて、第2折曲軸12の近傍で2本の第3縦パイプ230の接地面側に、溶接等で固定されている。脚部分23の自重によって、第4横パイプ243は第2連動具241に当接する。
【0047】
例えば本実施形態では、第1折曲軸11、第2折曲軸12、第1連動軸244、第2連動軸245の回転中心は、側面視で平行四辺形を成すように設定されている。また、第1縦パイプ210と第3縦パイプ230は、長手方向が平行となるように設定されている。従って、背部分21が第1折曲軸11回りに回転すると、第1連動具240も背部分21と一体となって、第1折曲軸11回りに回転する。当該回転動作は連動用リンク242を介して第2連動具241に伝達され、第2連動具241は第4横パイプ243を押し込みながら第2折曲軸12回りに回転する。これにより、脚部分23が第2折曲軸12回りに回転する。即ち、背部分21が第1折曲軸11回りに回転した分だけ、脚部分23も第2折曲軸12回りに回転する。
【0048】
さらに、例えば本実施形態のストレッチャ1では、背部分21の自由な回転を規制する変形制御機構25を備えている。この変形制御機構25は、例えば、第1横パイプ212に固定される第3連動具250と、第3連動具250と第3横パイプ222とを連結する変形制御用伸縮機構251とを有して構成される。この第3連動具250は第1横パイプ212の中央に固定される。
【0049】
変形制御用伸縮機構251は、予め設定されている最大長と最短長の間で伸縮可能であり、尚且つ最大長と最短長の間の任意の長さで固定可能な機構である。このような変形制御用伸縮機構251として、例えば本実施形態では、シリンダ部251aと、シリンダ部251aに伸縮可能に内蔵されるロッド部251bと、シリンダ部251aの内部においてロッド部251bの周囲に配置される、図示を省略するコイルばねと、ロッド部251bに対してコイルばねを巻き締めたロック状態と緩めたアンロック状態とに切り替える、図示を省略する操作手段などを有して構成される所謂メカニカルロックと呼ばれるものを採用している。従って、操作手段によりコイルばねを緩めれば、ロッド部251bは最大長と最短長の間で伸縮自在となり、操作手段によりコイルばねを巻き締めれば、ロッド部251bは伸縮不能にロックされる。但し、変形制御用伸縮機構251は、伸縮可能且つロック可能な機構であれば良く、その構造等が本実施形態の例に限定されるものではない。例えば、変形制御用伸縮機構251として、周知のロック機構付きガススプリングを採用しても良い。ロック機構付きガススプリングは、内部にガスを封入したシリンダ装置で、封入流体の移動通路を開閉する弁と、当該弁を開閉操作するレバーなどの操作手段などを有し、封入流体の移動を許容することで伸縮可能なロック解除状態となり、封入流体の移動を禁止することで伸縮不可能なロック状態となる。
【0050】
第3連動具250には例えば第1連動軸244と同軸方向を向く第3連動軸252が固定されており、変形制御用伸縮機構251のシリンダ部251aは、第3連動軸252に回転可能に支持される。また、第3横パイプ222には1組のブラケット253が例えば溶接等で固定されており、このブラケット253に固定される軸に変形制御用伸縮機構251のロッド部251bが回転可能に支持される。
【0051】
従って、変形制御用伸縮機構251の長さが固定されると、第2縦パイプ220と第3連動具250と変形制御用伸縮機構251とで、三角形の固定リンクを形成し、第3連動具250と一体化された第1横パイプ212の第1折曲軸11回りの回転がロックされる。よって、背部分21および脚部分23が位置決めされる。一方、図示を省略する操作手段の操作によりロッド部251bを伸縮自由とすれば、第1横パイプ212のロックは解除され、背部分21は第1折曲軸11回りに回転可能となる。即ちストレッチャ本体2を、椅子状態または所望のリンクライニング位置若しくはベッド状態に、適宜変形可能となる。例えば本実施形態では、変形制御用伸縮機構251が最短長となるときに、ストレッチャ本体2がベッド状態となるように、設定している。尚、ストレッチャ1の変形時に適当な反力を得るために、変位することによって原位置への復帰力を蓄える手段、例えばばねを、ロッド部251bの周囲またはシリンダ部251aの内部或いは第3連動軸252とブラケット253に固定される軸との間に、設けるようにしても良い。さらに、変形制御用伸縮機構251の伸縮動作に対して抵抗を発生させる緩衝装置、例えば速度比例型の減衰を有する周知のオイルダンパなどを設けるようにしても良い。
【0052】
さらに、例えば本実施形態のストレッチャ1では、ストレッチャ本体2における台車3に対する傾きを調整する角度調整機構26を備えている。この角度調整機構26は、第4支軸48と第2折曲軸12とを連結するチルト用伸縮機構260と、チルト用伸縮機構260の伸縮動作に対して抵抗を発生させる緩衝装置261とを有して構成される。
【0053】
チルト用伸縮機構260は、予め設定されている最大長と最短長の間で伸縮可能であり、尚且つ最大長と最短長の間の任意の長さで固定可能な機構である。このようなチルト用伸縮機構260として、例えば本実施形態では、上述した変形制御用伸縮機構251と同様に、シリンダ部260aと、シリンダ部260aに伸縮可能に内蔵されるロッド部260bと、シリンダ部260aの内部においてロッド部260bの周囲に配置される、図示を省略するコイルばねと、ロッド部260bに対してコイルばねを巻き締めたロック状態と緩めたアンロック状態とに切り替える、図示を省略する操作手段などを有して構成される所謂メカニカルロックと呼ばれるものを採用している。尚、チルト用伸縮機構260は、伸縮可能且つロック可能な機構であれば良く、その構造等が本実施形態の例に限定されるものではない。例えば、チルト用伸縮機構260として、先に説明した周知のロック機構付きガススプリングを採用しても良い。
【0054】
チルト用伸縮機構260のロッド部260bは、第2折曲軸12に回転可能に支持される第6筒体262にねじ止めや溶接等で固定される。チルト用伸縮機構260のシリンダ部260aは、第4支軸48に回転可能に支持される第7筒体263にねじ止めや溶接等で固定される。また、緩衝装置261は、例えば速度比例型の減衰を有する周知の粘性ダンパであるオイルダンパである。オイルダンパ261は、例えばチルト用伸縮機構260と伸縮方向が平行であるように配置される。第6筒体262には、オイルダンパ261を取り付けるための1組のブラケット264が固定されており、ブラケット264の間にはオイルダンパ261のピストン部261bを回転可能に支持する軸が固定されている。第7筒体263には、オイルダンパ261を取り付けるための固定具265が例えば溶接等で固着されており、オイルダンパ261のシリンダ部261aが固定具265に例えばねじ止め等で固定される。
【0055】
従って、チルト用伸縮機構260の長さが固定されると、第2支持パイプ224と第3リンクメンバ44とチルト用伸縮機構260とで、三角形の固定リンクを形成し、座部分22が台車3に対して固定される。本実施形態では、チルト用伸縮機構260が最短長となるときに、第2縦パイプ220が水平となるように、即ち座部分22が水平となるように、設定している。一方、図示を省略する操作手段の操作によりロッド部260bを伸縮自由とすれば、Fig.6に示すように、チルト用伸縮機構260を伸長させて、ストレッチャ本体2を台車3に対して傾けることができる。そして、所望の傾きでストレッチャ本体2を台車3に対して固定することができる。また、オイルダンパ261の作用により、チルト用伸縮機構260を伸縮させる際に抵抗が生じるため、ストレッチャ本体2が台車3に対して急激に傾いてしまうことが防止される。これにより、患者落下等の危険を防止できる。
【0056】
本実施形態におけるストレッチャ1は、患者の頭部を支持するヘッドレスト13を備えている。このヘッドレスト13は、第1ベースプレート211に対してスライド可能に構成される第1スライドプレート130に取り付けられる。これにより、ヘッドレスト13の位置を調節できる。第1スライドプレート130は、2本の第1縦パイプ210および第1ベースプレート211をスライドガイドとして、スライド可能に配置される。また、剛性を高めるために、第1スライドプレート130の側端部が折り曲げられて、リブが形成されている。
【0057】
第1ベースプレート211と第1スライドプレート130との位置決めは、例えば重ね合わされた第1ベースプレート211と第1スライドプレート130とを貫通する第1締付けねじ131によって行う。第1スライドプレート130には、第1締付けねじ131が摺動可能な第1長溝132がスライド方向に設けられていて、当該第1長溝132で規定された範囲で、第1スライドプレート130は、第1ベースプレート211に対してスライド可能となる。第1締付けねじ131は、第1ベースプレート211の背面側に配置される第1操作ノブ133と一体に固定され、第1ベースプレート211に回転可能に取り付けられる。第1締付けねじ131と螺合する第1雌ねじ部134は、例えば第1スライドプレート130の両側端に設けられたリブに挟まれることによって回転が禁止される。従って、第1操作ノブ133により第1締付けねじ131を締め付けることによって、摩擦力で第1スライドプレート130が第1ベースプレート211に固定される。第1スライドプレート130の上端部には、ヘッドレスト13が取り付けられるヘッド用ブラケット135が、溶接等で固定されている。このヘッド用ブラケット135には、背面側に向かって湾曲した枠状の第2手押し用パイプ136が、溶接等で固定されている。
【0058】
また、本実施形態におけるストレッチャ1は、患者の足元を支持するフットレスト14も備えている。このフットレスト14は、第2ベースプレート231に対してスライド可能に構成される第2スライドプレート140に取り付けられる。これにより、フットレスト14の位置を調節できる。第2ベースプレート231と第2スライドプレート140の構造は、例えば、第2締付けねじ141、第2長溝142、第2操作ノブ143、第2雌ねじ部144を有するもので、上述した第1ベースプレート211と第1スライドプレート130の構造と同様である。第2スライドプレート140の下端部には、フット支持部145が溶接等で固定されている。フット支持部145は、第3縦パイプ230と直交する方向であって患者の爪先が向く方向に、フットレスト14の厚み分程度、突出するように形成されていて、当該突出した先端部分にフット支軸146が固定されている。フット支軸146には、フットレスト14の芯材となるフットフレーム147が回転可能に取り付けられている。例えばフットフレーム147は、第3縦パイプ230と当接する位置と、フット支持部145に当接する位置との間の約90度の回転が行えるように設定されている。これにより、フットレスト14は折り畳み可能に構成される。
【0059】
さらに、例えば本実施形態のストレッチャ1は、Fig.12〜Fig.27に示すように、ヘッドレスト13の奥行きと角度を調整できる構造を備えている。より具体的には、本実施形態のストレッチャ1は、ヘッド用ブラケット135に固定された第1ヘッド支軸62aと、ヘッドレスト13に設けられた第2ヘッド支軸62bと、第1ヘッド支軸62aに回転可能に取り付けられるとともに第2ヘッド支軸62bを回転可能に支持する支持アーム63とにより、ヘッドレスト13の奥行きと角度を変えられるようにしている。
【0060】
そして本実施形態におけるストレッチャ1は、被押圧傾斜部64と押さえ部65を有する回転防止部材66と、押圧傾斜部67を有する楔部材68と、該楔部材68に荷重をかける荷重付与手段69とからなる回転防止機構61を備え、支持アーム63の第1ヘッド支軸62a周りの角度およびこの支持アーム63に対するヘッドレスト13の角度を一斉に固定できるようにしている。
【0061】
ヘッドレスト13はFig.23〜Fig.25に示すように第1ヘッド支軸62aを中心に回転可能な支持アーム63の先端側に回転可能に取り付けられ、これにより、ストレッチャ1のフレーム20に対し車椅子状態時に前後方向へ移動可能、またベッド状態時に上下方向へ移動可能で、かつヘッドレスト13自体の保持面、即ち患者の頭部を保持する面の傾き調整も可能となっている。例えばパイプからなる第1ヘッド支軸62aはヘッド用ブラケット135に溶接などにより固着されており、支持アーム63はこの第1ヘッド支軸62aに対し回転可能に取り付けられている。
【0062】
また、ヘッドレスト13の保持面と逆の面である裏面には左右一対のブラケット614が設けられている。このブラケット614はヘッドレスト13側で折り曲げられ、この折り曲げ部分をヘッドレスト13の裏面に2箇所、左右で計4箇所のねじ615で固着されている。また、パイプなどからなる第2ヘッド支軸62bが左右のブラケット614に溶接などによって一体化されている。
【0063】
支持アーム63は、基端側を第1ヘッド支軸62aに回転可能に取り付けられるとともに先端側でヘッドレスト13を回転可能に支持する部材で、回転防止機構61によって両軸62a,62bの相対回転運動を防止してヘッドレスト13を所望位置と角度に固定し、あるいは両軸62a,62bの相対回転運動を許容してヘッドレスト13の位置および保持面の角度の変更を可能とする。
【0064】
この支持アーム63はほぼ半分割される第1カバー616と第2カバー617を有し、回転防止部材66、楔部材68そして荷重付与手段69を備えている。対となるカバー616,617は半円形状の凹部を有し、他方側のカバーと組み合わされて軸62a,62bをそれぞれ回転可能に支持する軸孔63a,63bを形成する。本実施形態では、荷重付与手段69としてボルト69aおよびナット69bを用い、これらの締付力を利用して楔部材68の押圧傾斜部67を回転防止部材66の被押圧傾斜部64に押し付けるようにしている。
【0065】
回転防止部材66は、軸62a,62bを押圧して軸孔63a,63bの軸受面との間で締め付けこれら軸62a,62bの回転運動を防止する部材であり、Fig.19、Fig.20に示すように、押圧力を受ける被押圧傾斜部64と軸62a,62bの周面に押し付けられる押さえ部65とを有している。尚、Fig.19、Fig.20では第1ヘッド支軸62a側の回転防止部材66を図示している。Fig.12に示すように、回転防止部材66は対称形状の一対の部材が2本の軸62a,62bに対し対称位置に配置されている。
【0066】
回転防止部材66の被押圧傾斜部64はFig.12に示すように楔部材68と接触するように設けられ、楔部材68から押圧力を受けて回転防止部材66を第1ヘッド支軸62aあるいは第2ヘッド支軸62bの側へ移動させる斜面である。本実施形態の場合、被押圧傾斜部64は傾斜角が押圧傾斜部67の傾斜角と等しい平面であり、押圧傾斜部67と面接触するようになっている。また、第1ヘッド支軸62a,第2ヘッド支軸62bの外周面に接触する押さえ部65は、第1ヘッド支軸62a、第2ヘッド支軸62bを回転不可能となる程度に締め付けるのに適度な摩擦力を生じさせうる形状、例えば本実施形態のように第1ヘッド支軸62a、第2ヘッド支軸62bの外周形状に合わせて略半円形の凹曲面からなり各軸62a,62bとの大きな接触領域を確保した形状が好適である。
【0067】
楔部材68は回転防止部材66の被押圧傾斜部64を滑りながら押圧する押圧傾斜部67を有し、これら押圧傾斜部67および被押圧傾斜部64間に生じる楔作用により回転防止部材66を各軸62a,62bに押し付ける部材である。本実施形態の楔部材68はFig.21,Fig.22に示すように平面視矩形であって軸62a,62b側の面に対称形状の一対の押圧傾斜部67を備えた正面視略台形の部材である。押圧傾斜部67は図示するように平面からなり、被押圧傾斜部64に面接触するように形成されている。また、この楔部材68の中央部にはボルト69aのねじ部を通過させる透孔68aが設けられている。この透孔68aの一部、例えば上側半分程度は、この透孔68aより大きな略矩形の凹部611とされ、ボルト69aおよびナット69bの空転が生じないようにボルト69aの頭部またはナット69bを回転不能な状態で収容できるようになっている。本実施形態ではFig.12に示すようにナット69bをこの凹部611に落とし込むようにしている。
【0068】
荷重付与手段69として機能するボルト69aおよびナット69bは、楔部材68を回転防止部材66の被押圧傾斜部64に押し付けるように荷重を付与する。本実施形態の場合、ボルト69aの頭部をFig.12に示すように蝶形とし、手動で締め付けあるいは緩めることができるようにしている。ボルト69aの頭部と第2カバー617の間には滑りやすさを確保するなどの理由から樹脂製ワッシャ618が設けられている。
【0069】
また、Fig.15〜Fig.18に示すように、カバー616,617にはカバー締付用のボルト619のねじ部が通過可能な座622,624付きの透孔621,623が連通するように設けられている。本実施形態の場合、カバー616,617を組み合わせた状態で各透孔621,623にボルト619を通し、ナット620と嵌合させてカバー616,617を組み付けるようにしている。ナット620の座622は、例えばFig.13に示すようにナット620の側面に接する壁面を有し、ナット620の回転を防止しうるように形成されている。
【0070】
第2カバー617の中央部には、ボルト69aのねじ部を通過させるための透孔610が設けられている。この透孔610は丸孔であってもよいが、本実施形態のように、両軸62a,62bに対し垂直に延びる長孔となっていることが好ましい。こうした場合、ボルト69aがこの長孔の中をストローク可能となることから、両軸62a,62bに向けて楔部材68がこのストローク分だけ接近離反可能となる。したがって、例えば回転防止部材66や楔部材68などの形状誤差に起因して一方の回転防止部材66に対する押圧力が他方の回転防止部材66に対する押圧力より小さくなっているなど偏りが生じたとしても、楔部材68がストロークすることによってこのような押圧力の偏りを吸収し、均等化し、ほぼ等しい力でこれら回転防止部材66を第1ヘッド支軸62aおよび第2ヘッド支軸62bに押し付ける。このため、本実施形態の回転防止機構61によれば、両軸62a,62bをほぼ同時に相対回転不能とし、あるいはほぼ同時に相対回転を許容することが可能である。
【0071】
本実施形態のストレッチャ1における回転防止機構61は以下のように機能する。
まず、両軸62a,62bが締め付けられていない場合、支持アーム63はフレーム20に対し回転可能であり、かつヘッドレスト13は支持アーム63に対して回転可能である。したがって、ヘッドレスト13をFig.24やFig.25に示すように傾き一を定に保ちながら前後方向に移動させることができる。あるいは、任意の位置において任意の傾きとすることもできる。
【0072】
ここで、ヘッドレスト13を所望の位置まで移動させ、保持面が所望の角度となるよう調整できたらその位置と傾きを保持したままボルト69aを回して締める。これにより、楔部材68はボルト69aの頭部側に引っ張り込まれ、楔部材68の押圧傾斜部67が回転防止部材66の被押圧傾斜部64に接触し滑りながら押圧する。そうすると、各回転防止部材66はこの押圧力を受けてそれぞれ外側へ移動し、押さえ部65で第1ヘッド支軸62a、第2ヘッド支軸62bを押し付け、軸孔63a,63bとの間でこれら軸62a,62bを締め付けて相対回転を防止する。このとき、両軸62a,62bはほぼ等しい力でほぼ同時に締め付けられることから、ボルト69aを回して締めるという動作だけで支持アーム63とヘッドレスト13とを同時に固定することができ、したがってヘッドレスト13の前後方向位置決めと傾き調整とを一斉に行うことができる。また、ボルト69a、ナット69bは自然に緩むおそれが少なく、両軸62a,62bが締め付けられた状態を維持することから、ヘッドレスト13は所望の位置と角度に固定されることになり頭部を支持する場合にも不意に動くようなことがない。
【0073】
一方、締めたボルト69aを緩めることにより押圧力が解除され、支持アーム63とヘッドレスト13は再び回転可能となる。したがって、この状態においてヘッドレスト13の前後位置と傾きとを再度調整することが可能となる。
【0074】
尚、上述の例では被押圧傾斜部64および押圧傾斜部67はいずれも平面であったがこれは好適な一例に過ぎず、楔作用によって軸62a,62bを締め付けることができる限り特に平面に限られることはない。例えば、これら傾斜部64,67が平面に近似した曲面などであり、この結果、楔部材68が完全な台形でなくこれに近似した形状であっても楔作用を奏する限り軸62a,62bの相対回転を防止することが可能である。
【0075】
さらに、上述の例では回転防止部材66の押さえ部65は軸62a,62bの外周形状に合わせた略半円形の凹曲面からなるものであったが、このような形状に特に限定されることはなく、軸62a,62bとの間で適度な摩擦力を発揮しうるものであれば軸62a,62bと面接触するものであってもあるいは線接触するものであっても構わない。また、押圧状態で弾性変形するゴムなどのエラストマを押さえ部65に設け軸62a,62bの周面に接触させるようにしてもよい。あるいは、特に図示していないが、押さえ部65の接触面と軸62a,62bの周面とに軸方向に延びる浅い凹凸を設け、押圧状態において互いを係合させることによって軸62a,62bの相対回転を確実に防止できるようにすることもできる。このような凹凸を設けた場合の軸62a,62bは支持アーム63に対し段階的に相対回転するようになる。
【0076】
また、楔部材68は、側面に押圧傾斜部67を有し回転防止部材66を外側に押し付けるものに限られることはなく、例えば両回転防止部材66を内側に抱え込むようにして軸62a,62bの外周側に押し付けるものであっても構わない。例示すると、Fig.26に示す楔部材68のように両軸62a,62bに跨る門形であり門足内側に合掌形の押圧傾斜部67を有しているような場合、両回転防止部材66を内側に押し付け軸62a,62bを締め付けることが可能である。
【0077】
また、本実施形態ではボルト69aとナット69bとで楔部材68および第2カバー617を挟み込むようにすることで荷重を付与し、緩めることによって楔作用が自然に解除されるようにしたが、このような構成において、例えば楔部材68と第2カバー617との間にコイルスプリングなど戻しばねを設け、楔作用をもたらす押圧力を積極的に解放するようにしてもよい。
【0078】
また、楔部材68に対し荷重を付与する形態は、ボルト69aとナット69bとで楔部材68および第2カバー617を挟み込むものに限られない。例えば、右ねじのボルト69aを逆回転させるとナット69bが外れる方向に動く作用を利用し、楔部材68を押し込むような形態で荷重を付与することも可能である。
【0079】
さらに、例えばFig.27に示すように、楔部材68の押圧傾斜部67によってこれら軸62a,62bを直接締め付けることも可能である。この場合、楔部材68は押圧傾斜部67が奏する楔作用によって軸62a,62bを強く押し付け、支持アーム63との間で締め付けて相対回転を防止する。また、この場合において、楔部材68によって各軸62a,62bを締め付けるようにするが押圧傾斜部67の表面にはゴムなどエラストマを設けて間接的に締め付けるようにし、接触領域を増やして軸62a,62bの相対回転を確実に防止できるようにしてもよい。Fig.27では押圧傾斜部67を平面としているが、軸62a,62bの周面に合わせた曲面とするなど形状は適宜変更することができる。
【0080】
ここで、ストレッチャ本体2のフレーム20には、ヘッドレスト13、背もたれ15、座16、膝下部17として機能するクッション材が取り付けられる。各クッション材は、フレーム20に溶接等で固定されているクッション材取付用ブラケット27に、例えばねじ止め等で固定される。
【0081】
更に、例えば本実施形態のストレッチャ1では、収納式肘掛け装置7を備えている。即ち、例えばFig.5及びFig.28に示すように、ストレッチャ1を車椅子に変形させた場合に必要に応じて使用する収納式肘掛け装置7を備えている。なお、Fig.28では台車3や4節平行リンク機構4の図示を省略している。このストレッチャ1は、車椅子に変形させた状態で背もたれ15をリクライニングすることができる。
【0082】
収納式肘掛け装置7は、リクライニング可能な背もたれ15の側部に回転自在に取り付けられ、背もたれ15と同一面を成すように収納可能な肘掛け73と、座16に回転自在に取り付けられ、着座者をサポートする部材と同一面を成すように収納可能な肘掛け支柱76と、回転させた肘掛け73の先端と回転させた肘掛け支柱76の先端を角度変化可能に連結する連結手段77と、肘掛け73と肘掛け支柱76の少なくとも一方を伸縮させ、連結した肘掛け73と肘掛け支柱76の配置が背もたれ15及び座16に対して平行四辺形になるように長さ調節する伸縮手段78を備えている。本実施形態では、伸縮手段78は肘掛け73を伸縮させる。また、着座者をサポートする部材は、例えば膝下部17である。ただし、着座者をサポートする部材としては膝下部17に限るものではなく、例えば座16であっても良い。
【0083】
Fig.29及びFig.30に、肘掛け73を示す。肘掛け73は基端側アーム79と先端側アーム710より構成され、これらは伸縮手段78によって連結されている。基端側アーム79の基端にはスリーブ711が固着されており、このスリーブ711を、ストレッチャ1のフレーム20の中間パイプ213の端部に固定されたシャフト213aに、回転可能に嵌め込むことで、肘掛け73を背もたれ15に回転自在に連結している。先端側アーム710は基端側アーム79よりも太い中空の部材で、その根元側の端から基端側アーム79の先端を挿入することができる。
【0084】
基端側アーム79の底面には、長手方向に沿ってガイド溝712が形成されている。また、先端側アーム710内には、基端側アーム79を両側から挟む一対のガイド部材713,714と、ガイド溝712内を摺動する2つの摺動体715,716が取り付けられている。ガイド部材713,714は先端側アーム710に、例えば螺子によって固定されている。また、摺動体715,716は先端側アーム710に嵌め込まれている。これらガイド溝712、ガイド部材713,714、摺動体715,716によって伸縮手段78が構成されている。先端側アーム710は、2つの摺動体715,716がガイド溝712の前後の端壁に当たるまで基端側アーム79に対して摺動する。先端側アーム710を基端側アーム79に対して摺動させると、肘掛け73が全体として伸縮する。
【0085】
伸縮手段78にはロック機構717が設けられている。ロック機構717は、肘掛け73を伸ばした状態で先端側アーム710を基端側アーム79に係止するもので、基端側アーム79の側面に設けられた凹部718と、ガイド溝712の先端部分に連続して設けられた延長溝719より構成されている。
【0086】
Fig.37に示すように、肘掛け73を伸ばして先端側の摺動体715をガイド溝712の端壁に当てた後、先端側アーム710の向きを水平方向内側すなわちストレッチャ1の内側に向けて摺動体715を延長溝719にスライドさせることで、片方のガイド部材713のエッジ713aが凹部718に嵌り込み、肘掛け73を縮めることができなくなる。即ち、先端側アーム710をガイド溝712に沿って真っ直ぐ引き出した後、基端側の摺動体716を中心に水平方向に若干回転させると、先端側アーム710を基端側アーム79に係止することができる。また、この動作と逆の動作を行うことで、先端側アーム710の係止を解除して、肘掛け73を縮めることができる。
【0087】
Fig.31及びFig.32に、肘掛け支柱76を示す。肘掛け支柱76の基端にはスリーブ720が固着されており、このスリーブ720をストレッチャ1のフレーム20の第2折曲軸12に嵌め込むことで、肘掛け支柱76を背もたれ15に回転自在に連結している。
【0088】
Fig.33及びFig.34に、連結手段77を示す。連結手段77は、外側ユニット721と内側ユニット722より構成されている。本実施形態では、外側ユニット721を肘掛け73の先端側アーム710の先端に固着し、内側ユニット722を肘掛け支柱76の先端に固着している。ただし、外側ユニット721を肘掛け支柱76の先端に固着し、内側ユニット722を肘掛け73の先端側アーム710の先端に固着しても良い。
【0089】
外側ユニット721は、周面に開口723aが設けられたハウジング723と、ハウジング723内に収容された仕切り部材724と、ハウジング723から突出するレリーズボタン725と、仕切り部材724とレリーズボタン725の間に設けられたコイルスプリング726より構成されている。仕切り部材724、レリーズボタン725、コイルスプリング726はハウジング723の左右両側に一つずつ設けられている。また、左右の仕切り部材724はハウジング723に固着されている。レリーズボタン725はコイルスプリング726の弾性力によってハウジング723から突出しているが、このコイルスプリング726の弾性力に抗してレリーズボタン725を押し込むと、レリーズボタン725の内側面に設けられた突起725aが仕切り部材724の孔724aから内側に突出する。
【0090】
内側ユニット722は、ハウジング727と、ハウジング727から突出する一対の凸部材728と、一対の凸部材728の間に設けられたコイルスプリング729より構成されている。凸部材728はハウジング727から突出しているが、コイルスプリング729を縮ませることでハウジング727内に引っ込めることができるので、内側ユニット722を外側ユニット721のハウジング723内に挿入することができ、又はハウジング723内から引き抜くことができる。
【0091】
内側ユニット722を外側ユニット721のハウジング723内に挿入すると、凸部材728が突出して仕切り部材724に引っ掛かる。これにより、内側ユニット722が外側ユニット721から抜けなくなり、外側ユニット721と内側ユニット722、即ち肘掛け73の先端と肘掛け支柱76の先端が連結される。外側ユニット721のハウジング723に設けられている開口723aは、肘掛け支柱76の横断面積よりも大きく形成されている。したがって、肘掛け73と肘掛け支柱76の連結角度を変化させることができる。
【0092】
外側ユニット721から内側ユニット722を取り外す場合には、外側ユニット721の左右のレリーズボタン725をハウジング723内に押し込めば良い。左右のレリーズボタン725を押し込むことで、突起725aが内側ユニット722の凸部材728をハウジング727内に押し込んで仕切り部材724から離す。この状態で内側ユニット722を外側ユニット721から引き抜けば、内側ユニット722を外側ユニット721から簡単に取り外すことができる。
【0093】
Fig.3及びFig.28に示すように、ストレッチャ1のフレーム20の第1縦パイプ210には、支持部材730が固着されている。肘掛け73を縮めて支持部材730に載せると、肘掛け73と背もたれ15が同一面を成し、肘掛け73を背もたれ15の一部として使用することができる。なお、「肘掛け73と背もたれ15が同一面を成す」とは、背もたれ15の着座者をサポートする面と収納した肘掛け73の着座者をサポートする面とが正確に同一面を成す場合のみを意味するものではなく、これらの面がほぼ同一面を成す場合も含まれる。
【0094】
また、フレーム20の第3縦パイプ230には、支持部材731が固着されている。肘掛け支柱76を支持部材731に載せると、肘掛け支柱76と膝下部17が同一面を成し、肘掛け支柱76を膝下部17の一部として使用することができる。なお、「肘掛け支柱76と膝下部17が同一面を成す」とは、肘掛け支柱76の着座者をサポートする面と膝下部17の着座者をサポートする面とが正確に同一面を成す場合のみを意味するものではなく、これらの面がほぼ同一面を成す場合も含まれる。
【0095】
収納状態の肘掛け装置7を使用する場合、肘掛け装置7を組み立てる。即ち、Fig.35に示すように、膝下部17の側方に収納されている肘掛け支柱76を回転させて引き起こす。また、背もたれ15の側方に収納されている肘掛け73を回転させて引き下ろしながら伸ばす。そして、肘掛け73の長さをロック機構717によって固定した後、Fig.34に示すように肘掛け支柱76の先端の内側ユニット722に肘掛け73の先端の外側ユニット721を被せるようにして嵌め込む。これにより肘掛け73と肘掛け支柱76が連結され、組み立てが完了する。
【0096】
肘掛け73と肘掛け支柱76を連結している状態では、肘掛け73の長さを固定しているロック機構717が解除されることはない。つまり、ロック機構717を解除するためには、肘掛け73の先端側アーム710を水平に若干回転させて向きを変える必要があるが、連結手段77の外側ユニット721を内側ユニット722に嵌め込んでいるので、先端側アーム710の向きを変えることはできない。このため、肘掛け73を使用している最中にロック機構717が意に反して解除されることはなく、肘掛け73の使用を継続することができる。
【0097】
肘掛け装置7を収納する場合、肘掛け73と肘掛け支柱76の連結を外せば良い。そして、起こしていた肘掛け支柱76を倒して支持部材731に載せる。これにより、肘掛け支柱76を膝下部17の側方に収納することができる。また、下ろしていた肘掛け73を縮めながら持ち上げ、支持部材730に載せる。これにより、肘掛け73を背もたれ15の側方に収納することができる。肘掛け支柱76は膝下部17と同一面を成し、肘掛け73は背もたれ15と同一面を成すようになるので、肘掛け装置7を邪魔にならないように収納することができると共に、肘掛け支柱76を膝下部17の一部として使用することができ、肘掛け73を背もたれ15の一部として使用することができる。即ち、膝下部17や背もたれ15を広くして使うことができ、あるいは、肘掛け73や肘掛け支柱76の分だけ背もたれ15や膝下部17を細くしてストレッチャ1をコンパクトにすることができる。
【0098】
ストレッチャ1を車椅子に変形させて使用する場合、肘掛け装置7を収納しておくことで、身体が不自由な着座者の側方からの乗り降りが容易になる。また、肘掛け装置7を組み立てることで、肘掛け73の使用が可能になると共に、身体が不自由な着座者の落下を防止することができる。
【0099】
この収納式肘掛け装置7では、肘掛け73に伸縮手段78を設けているので、肘掛け73と肘掛け支柱76を連結した場合に肘掛け73と肘掛け支柱76の配置が背もたれ15及び座16に対して平行四辺形になるように、肘掛け73の長さを調節することができる。即ち、肘掛け73を使用する場合に、肘掛け73、肘掛け支柱76、背もたれ15、座16をストレッチャ1の側方から見て平行四辺形に配置することができる。このため、Fig.36に示すように、背もたれ15をリクライニングさせても、換言すると、座16に対する背もたれ15の角度を変化させても、座16に対する肘掛け73の角度を一定に維持することができ、違和感なく肘掛け73を使用することができる。
【0100】
なお、上述の説明では、肘掛け73に伸縮手段78を設けて肘掛け73の長さを調節することで上述の平行四辺形をつくるようにしていたが、肘掛け73の代わりに肘掛け支柱76に伸縮手段78を設け、肘掛け支柱76の長さを調節することで上述の平行四辺形をつくるようにしても良い。また、肘掛け73と肘掛け支柱76の両方に伸縮手段78を設け、両方の長さを調節することで上述の平行四辺形をつくるようにしても良い。さらに、肘掛け73と肘掛け支柱76の長さを調節しなくても上述の平行四辺形をつくることができる場合には、伸縮手段78を設けなくても良い。
【0101】
また、上述の説明では、肘掛け支柱76を膝下部17の側方に収納していたが、肘掛け支柱76を座16の側方に収納しても良い。
【0102】
さらに、上述の肘掛け73は、収納時に先端側アーム710を上に配置すると共に、基端側アーム79を下に配置し、使用時に引き下ろす方向に回転させて肘掛け支柱76に連結していたが、上下を逆にし、使用時に持ち上げる方向に回転させて肘掛け支柱76に連結するようにしても良い。
【0103】
尚、収納式肘掛け装置7を備える構成は好適例ではあるが、必ずしもこの構成には限定されず、例えばフレーム20の座部分22に肘掛け支柱を座面と垂直となるように取り付けて、この肘掛け支柱に対して肘掛けを取り付けるようにしても良い。また、この場合、肘掛けを座面と平行にスライド移動可能として、ストレッチャ本体2がベッド状態となる場合に、肘掛けがベッドの面の一部を成すようにしても良い。
【0104】
さらに、例えば本実施形態のストレッチャ1では、Fig.38〜Fig.53に示すように、椅子状態のストレッチャ1上に着座し或いはベッド状態のストレッチャ1上に仰臥する患者の身体の一部をサポートすることによって患者の安定した姿勢あるいは安楽な姿勢を保つことができる身体サポート機構8を備えている。この身体サポート機構8は、サポート部材の芯材もしくはこのサポート部材そのものの少なくともサポート面の変形が要求される部位が複数に分割され、これら分割された芯材もしくはサポート部材同士が可撓機構81で連結されることによって構成されている。
【0105】
本実施形態のストレッチャ1は、Fig.38に示すように、患者の頭部、腰部、脚部をサポートするため、頭部のサポート部材であるヘッドレスト13、腰部のサポート部材である背もたれ15、脚部のサポート部材である座16に、それぞれ身体サポート機構8を備えている。以下では、まずヘッドレスト13に設けられた身体サポート機構8について説明する。
【0106】
ヘッドレスト13はストレッチャ1に移乗した患者の頭部を保持して安定した姿勢あるいは安楽な姿勢を保つことができるように設けられており、例えば、板状の芯材がクッション材で覆われた構造となっている。本実施形態ではこの芯材を、ストレッチャ1のフレーム20に取り付けられる中央部818と、この中央部818の両側に設けられる左側部819および右側部820との3つの部位に分割し、左側部819および右側部820を平坦状態から上方に跳ね上げるように傾動可能とすることで、必要に応じて左側部819や右側部820を跳ね上げた状態として患者の頭部を一方あるいは両側から保持できるようにしている。
【0107】
本実施形態のヘッドレスト13の芯材は、Fig.42に示すように、ほぼ正方形であってこれに突起等が設けられた形状の中央部818と、Fig.43に示す形状の左側部819およびこの左側部819と対称形状の右側部820の3つの部材がFig.39〜Fig.41に示すように組み合わされることによって構成されている。各部818〜820には、Fig.42、Fig.43に示すように、可撓機構81の固定側部材85または傾動側部材86を取り付けるための透孔818a,819a,820aが設けられ、さらに中央部818にはヘッドレスト13をフレーム20に取り付けるための透孔818bが設けられている。また、左側部819または右側部820と中央部818とは、左側部819または右側部820の跳ね上げ動作が可能となるように折り曲げ可能な可撓機構81によって接続されている。
【0108】
可撓機構81について以下に説明する。可撓機構81はFig.45〜Fig.47に示すように固定側部材85と傾動側部材86とがヒンジのような構造によって折り曲げ可能に連結されたもので、これがFig.39〜Fig.41に示すように中央部818の側部に2つずつ設けられて左側部819あるいは右側部820を中央部818と連結している。本実施形態の可撓機構81は、間隔をおいて平行配置された複数の重合プレート87,88を有する固定側部材85と、該固定側部材85の重合プレート87,88と交互に重なり合う複数の重合プレート87,88を有する傾動側部材86と、固定側部材85ならびに傾動側部材86の各重合プレート87,88の重合箇所を貫通してこれら重合プレート87,88を締め付ける連結軸812ならびに重合プレート87,88を重合方向に付勢する付勢手段811とを備えたもので、傾動側部材86が連結軸812を中心に回転して芯材の一部すなわち左側部819と右側部820を傾動させるとともに両重合プレート87,88同士の接触部における摩擦力を利用してその角度を維持しヘッドレスト13のサポート面の形状を保持するようになっている。なお、本明細書では説明の便宜を図り相対的に傾動する両部材の一方を固定側、他方を傾動側と称するが、固定側と傾動側の概念は相対なものに過ぎず、例えば傾動側部材86を固定側とし、固定側部材85を傾動させるようにしても構わない。
【0109】
固定側部材85は、Fig.44に示すように1枚のベース板89と、このベース板89上に取り付けられる複数枚の重合プレート87,88とによって構成されている。ベース板89には、Fig.44、Fig.45に示すように、この固定側部材85をヘッドレスト13の芯材、具体的には中央部818にねじ止めするための透孔89bが設けられている。
【0110】
固定側部材85の重合プレート87,88は、プレート同士の接触領域を多く確保する観点からは枚数が多いことが好ましいが、部品点数が多くなった場合の重量およびコストをも勘案して使用枚数が決定される。例えば本実施形態では図示するように4枚としているがこれより多くてもあるいはこれより少なくてもいい。各重合プレート87,88にはこれら重合プレート87,88をベース板89に取り付けるための爪87a,88aが設けられ、ベース板89にはこれら爪87a,88aを差し込むための取付孔89aが設けられている。また、ベース板89に設けられる複数の取付孔89aのうち最も端に位置するものは、Fig.44に示すようにベース板89の縁に設けられた切り欠き溝となっていてもよい。この場合、爪を孔に差し込むのではなく側方から嵌め入れるようにしても重合プレート87をこのベース板89に取り付けることができる。
【0112】
これら重合プレート87,88は、ベース板89上に各プレートが所定の間隔ずつ離された状態で平行に配置される。本実施形態ではこれら重合プレート87,88の配置間隔を一定とし、かつ、プレート間の間隔を重合プレート87,88の厚みに一致させるようにしている。これら重合プレート87,88はすべてベース板89に取り付けられた状態でぐらつきが無い程度に固定的に取り付けられていても構わないが、4枚のうち内側に位置する2枚の重合プレート88は僅かにぐらつく程度に可動的であることが好適で、こうすることにより固定側部材85および傾動側部材86の4枚ずつの重合プレート87,88を互い違いに重ね合わせるときこの重合プレート88を僅かに傾かせることによって各プレート87,88を互いの隙間に潜り込ませることが容易となる。本実施形態では、外側に配置される2枚の重合プレート87は固定的とされ、その爪87aは、Fig.50〜Fig.52に示すようにベース板89の取付孔89aまたは取付溝89aに嵌まって重合プレート87を位置合わせした状態で溶接その他により固着できるようにするための突起状の爪とされている。一方、Fig.49に示すように、内側に配置される2枚の重合プレート88はベース板89に対し可動的となるように係合爪88aでベース板89に係合する形状とされており、ベース板89に溶接その他で固着されてはいない。この係合爪88aは、個々の重合プレート88がFig.53に示すように重合方向に傾くのは許容するが固定側ベース板89から外れない状態とするためのもので、例えばFig.49に示すように鉤状に形成されている。この場合、Fig.45、Fig.46に示すように各爪88aを外側に向かせることにより、可撓機構81が折り曲げ動作を繰り返しても係合爪88aが逆スライドして取付孔89aから外れるようなことが生じるのを防ぎやすくなる。
これら重合プレート87,88を固定側のベース板89に取り付ける際の一例を示すと、Fig.50〜Fig.52に示すように、まず外側の固定的な2枚の重合プレート87をベース板89に固着しておき、次に可動的な重合プレート88を、その係合爪88aを取付孔89aに差し込みスライドさせるようにしてベース板89に取り付けるようにすればよい。可動的な重合プレート88は、その外側に配置されたいずれの固定的な重合プレート87に向かっても傾くことができる。
【0113】
また、Fig.48、Fig.49に示すように、重合プレート87,88にはそれぞれ透孔87b,88bが設けられている。これら透孔87b,88bは、Fig.51に示すように、傾動側部材86が固定側部材85に対し相対回転する際の回転中心となる位置に設けられている。固定側部材85と傾動側部材86とは、それぞれの回転中心つまり透孔87b,88bが一致するように重ね合わせられた状態でこれら透孔87b,88bに連結軸812が挿入され、傾動可能な状態で連結される。
【0114】
以上のように固定側部材85はベース板89およびこれに取り付けられる重合プレート87,88によって構成されており、一方の傾動側部材86も、この固定側部材85と同様にベース板810およびこれに取り付けられる重合プレート87,88によって構成されている。例えば本実施形態では、Fig.44に示すように、固定側ベース板89と同じように取付孔810aまたは取付溝810aを備えたベース板810に、固定側部材85と同一形状の重合プレート87,88を上述したのと同様に取り付けて傾動側部材86を構成するようにしている。ベース板810には、Fig.44、Fig.45に示すように、この傾動側部材86を左側部819あるいは右側部820にねじ止めするための透孔810bが設けられている。
【0115】
このように形成された固定側部材85と傾動側部材86は、Fig.47に示すように固定側部材85側の重合プレート87,88と傾動側部材86側の重合プレート87,88とが互い違いとなるように交互に重ね合わせられ、連結軸812でピン結合されることによって折り曲げ動作可能なヒンジ状の可撓機構81を構成する。また本実施形態では、Fig.45、Fig.46に示すように、固定側部材85と傾動側部材86とを、180度開いた状態で両ベース板89,810の内側縁同士が当接しそれ以上傾動しないようにしている。したがって、この折り曲げ可能な可撓機構81は最大開き角度180度までの範囲内で開き角を自在に調整することが可能となっている。
【0116】
また、上述したように固定側部材85の重合プレート87,88と傾動側部材86の重合プレート87,88とを互い違いとなるように重ね合わせていることから、互いに接触する重ね合わせ部分の摩擦力を利用して固定側部材85に対する傾動側部材86の傾動角を保持することができる。また、この場合における可撓機構81は、身体サポート機構8を構成する機構の一部として用いられているものであるため、所望の角度が得られるよう容易に調整でき、かつ調整後は荷重による外力が加わっても容易に角度が変わらないものであることが好ましい。そこで本実施形態では、上述の連結軸812で重合プレート87,88を締め付けることに加え、重合プレート87,88を重合方向に付勢する付勢手段811を設けるようにしている。
【0117】
付勢手段811は例えばFig.44、Fig.47に示すように連結軸812の周囲に配置されたコイルばねで、ばね両端を挟む2つの段付きのリング813の一方を介して重合プレート87,88を押し付け合うように付勢している。この場合、コイルばねの全長を調整することができれば付勢力を変え、重合プレート87,88間の摩擦力を変化させることが可能となる点で好ましい。例えば本実施形態では連結軸812の一端にダブルナット814が設けられており、このダブルナット814の軸上における位置を変化させることによってコイルばねの全長を変え付勢力を変化させることが可能となっている。なお、ここで示したコイルばねは付勢手段811の好適な一例ではあるが、重合プレート87,88を付勢することができ、更に好ましくは摩擦力を調整できるものであれば特に限定されることはない。
【0118】
本実施形態の可撓機構81はFig.41に示すようにヘッドレスト13の芯材の裏面側に例えばボルトとナットからなる取付手段15によって取り付けられ、左側部819および右側部820をFig.40に示すように跳ね上げるように傾動させることができる。また、左側部819および右側部820を最も下げると、Fig.40に示すように、これら両側部819,820とその間の中央部818は同一面を成して平坦面を構成する。また、左側部819と右側部820とは別個に動作することが可能であり、例えば一方を平坦とし他方を傾かせるなど互いに独立して傾き調整することができる。
【0119】
以上のように分割された芯材の両側部819,820を傾動可能とした身体サポート機構8によれば、ストレッチャ1のヘッドレスト13を身体サポートに適した形状、すなわち左側部819あるいは右側部820を跳ね上げた状態として斜めにすることによって患者の頭部が常に中央に寄るように適切にサポートすることができる。しかも、左側部819および右側部820はそれぞれ独立して無段階に傾動できるのでヘッドレスト13の一方だけを所望の形状とすることができる。また、可撓機構81の可動範囲を制限し、左側部819および右側部820が平坦な状態より下側には下がらないようにしているので、両側部819,820が最も下がった状態においてもヘッドレスト13が平坦になるだけであり、患者の頭部をストレッチャ1の端に追いやるような逆向きの傾きとなることはない。また、複数枚の重合プレート87,88を交互に重ね合わせた状態で連結軸812によって締め付けることに加え、付勢力の調節が可能な付勢手段811により摩擦力を与える構成としているので、十分な摩擦力が得られ、跳ね上げた状態を維持することができるようになっている。この場合、例えば小柄な患者であれば付勢力をあまり強くしないようにして両側部819,820を比較的容易に動かせるようにしておき、逆に大柄な患者であれば頭部を押し付けたときに両側部819,820が不意に下がってしまうのを防ぐため予め付勢力を強くしておくなど、使用者等が自らカスタマイズ、つまり患者の体重・体格差に応じた摩擦力を得るようにすることが容易である。また、このようなストレッチャ1によれば椅子に形状変更した場合も後頭部を凭れかけさせた安楽姿勢を提供することが可能となる。
【0120】
したがって、本実施形態のストレッチャ1を利用する患者は、身体の一部、例えば頭部がサポートされることによって安定した着座ないしは仰臥姿勢、あるいは安楽な着座ないしは仰臥姿勢に保持される。しかも、例えばベッドに移乗した時の姿勢あるいは移乗後の姿勢が多少崩れかけたとしても、身体サポート機構8が頭部をサポートするので、身体の一部がベッドからはみ出したり、仰臥姿勢が崩れたりするのが予防される。したがって患者にとってみれば姿勢を保持しようとして無理な力を入れるなどしなくて済むし、姿勢を変えたり寝返りを打つなどして不意にベッドの端に寄ったとしても誤って転落してしまうこともないという安心感と信頼感を抱くことができる。
【0121】
続いて、ストレッチャ1に設けられた他の身体サポート機構8についても説明する。本実施形態のストレッチャ1は、ヘッドレスト13以外の部分、具体的には患者の腰部に当たる部分である背もたれ15および脚部に当たる部分であ座16にそれぞれ患者の腰部あるいは脚部をサポートするための身体サポート機構8を備えている。
【0122】
腰部に当たる部分に設けられた身体サポート機構8は、患者の腰部およびその周囲の部分がストレッチャ1の側方に寄るのを防止して患者の安定した姿勢あるいは安楽な姿勢を保つように機能する。本実施形態のストレッチャ1においては、主に患者の上半身を受け支えるとともにストレッチャ1が椅子形状となったとき背もたれ15となる部分の芯材15aのうち、腰部に当たる部分の両側に跳ね上げ式の身体サポート機構8が設けられている。以下、跳ね上がる部分のうち左側部分を「左側部819’」、右側部分を「右側部820’」という。本実施形態における左側部819’および右側部820’はヘッドレスト13における跳ね上げ式の左側部819および右側部820よりも小型であるがこれは一例に過ぎず大きさや形状は特に限定されない。また、左側部819’と右側部820’のそれぞれは、ヘッドレスト13の場合と同様、一対の可撓機構81によって芯材15aに連結され跳ね上げ可能とされている。ここで使用される可撓機構81はヘッドレスト13におけるものと等しい。左側部819’と右側部820’は、芯材15aに対し例えば一方を平坦とし他方を傾かせるなど互いに独立して傾き調整することができる。これにより、このストレッチャ1によれば必要に応じて左側部819’や右側部820’を跳ね上げて患者の腰部を一方あるいは両側からサポートすることができる。また、ストレッチャ1が椅子形状となっているときは、必要に応じて左側部819’や右側部820’を前方に折り曲げて患者の腰部を一方あるいは両側からサポートすることができる。なお、以上の説明においては「腰部」と表現したが、患者の体格が違う場合にも患者の腰部周辺をサポートするのが本来の目的であることからすれば、本明細書でいう腰部は厳密な意味での腰の部分のみならずそれよりも上部の部分、即ちより背中に近い部分や、下の部分、例えば臀部を含むものとする。
【0123】
また、脚部に当たる部分に設けられた身体サポート機構8は、患者の脚部がストレッチャ1の側方に寄るのを防止して患者の安定した姿勢あるいは安楽な姿勢を保つように機能する。本実施形態のストレッチャ1においては、主に患者の下半身、特に脚部を受け支えるとともにストレッチャ1が椅子形状となったとき座16となる部分の芯材16aの両側に跳ね上げ式の身体サポート機構8が設けられている。以下、跳ね上がる部分のうち左側部分を「左側部819”」、右側部分を「右側部820”」という。左側部819”および右側部820”は、上述した左側部819,819’、右側部820,820’とは異なり、大腿部の付け根辺りから膝辺りまでをサポートできるように細長い形状とされているがこれは一例に過ぎず大きさや形状は特に限定されない。また、左側部819”と右側部820”のそれぞれは、ヘッドレスト13の場合と同様、一対の可撓機構81によって芯材16aに連結され跳ね上げ可能とされている。ここで使用される可撓機構81はヘッドレスト13におけるものと等しい。左側部819”と右側部820”は、芯材16aに対し例えば一方を平坦とし他方を傾かせるなど互いに独立して傾き調整することができる。これにより、このストレッチャ1によれば必要に応じて左側部819”や右側部820”を跳ね上げて患者の脚部を一方あるいは両側からサポートすることができる。また、ストレッチャ1が椅子形状となっている場合においても、必要に応じて左側部819”右側部820”を跳ね上げるようにして着座している患者の大腿部を一方あるいは両側からサポートすることができる。
【0124】
尚、上述した例では身体サポート機構8の両側部819,820を無段階に傾動させ得るようにして傾きを無段階調整できるようにしたが、段階的に傾動させるようにしてもよい。一例を挙げれば、重合プレート87,88どうしが接触する領域に連結軸812を中心とする放射状の凹凸を一定角度毎に設け、両側部819,820を一定角度傾動させる度に凹部と凸部とが係合するようにすれば両側部819,820を段階的に傾動させることができるようになる。この場合、これら凹凸の間隔を調整することによって傾動時の段階幅を自由に設定することができる。
【0125】
また、上述した例では重合プレート87,88をすべて同じ厚みとし、これらをベース板89,810に一定間隔で配置するようにしたがプレートの厚みや配置間隔は必ずしも一定である必要はない。例えば、プレート厚みが不均一である場合においては、各プレート87,88のそれぞれの配置間隔をこの不均一な厚みに対応させるようにすれば本実施形態と同様に可撓機構81を形成することができる。
【0126】
また、上述した例では患者の頭部、腰部、脚部をサポートできるように設けられた身体サポート機構8について説明したが、これらは身体サポート機構8としての好適な例であって、設置される位置や形状を適宜変えることにより、これら以外の箇所、例えば頸部、肩、背中、腕、下腿さらには足首など、身体のあらゆる箇所をサポートできる機構として機能しうる。例えばFig.67に示すように、腰部に当たる部分に設けられた身体サポート機構8については腰の部分のみならず更に広範囲の上半身部分をもサポートするようにしても良く、また、脚部に当たる部分に設けられた身体サポート機構8については特に膝のあたりに的を絞ってサポートするようにしても良い。尚、サポート面の変形が要求される部位の分割数は適用される部位等により異なり得るが、固定的な部材に対して少なくとも1の傾動可能な部材があれば身体サポート機構8の適用が可能となる。
【0127】
次に、本発明のストレッチャの他の実施形態について説明する。本発明のストレッチャに採用できる伸縮機構は、上述の例に限定されるものではなく、例えば、圧力油が供給されることにより伸長すると共に圧力油が排出されることにより収縮する油圧シリンダと、油圧シリンダに対して圧力油を供給及び排出する油圧給排部と、により構成されるものを用いても良い。油圧シリンダは、例えば、シリンダ部と、シリンダ部に摺動可能に挿入されるピストン部と、シリンダ部とピストン部とに囲まれたシリンダ室などを有する装置である。油圧給排部は、例えば、オイルタンクと、オイルタンクからオイルを吸引すると共に当該吸引したオイルを油圧シリンダのシリンダ室に圧送するオイルポンプと、オイルポンプと油圧シリンダのシリンダ室とを接続するオイル供給路と、油圧シリンダのシリンダ室とオイルタンクとを接続するオイル排出路と、オイル排出路を開閉する圧抜弁などを有する装置である。オイルポンプは、足踏み動作によりポンプ作用を行えるペダル式のものの利用が好ましい。この場合、操作者は、ストレッチャ1の下部に屈み込む必要はなく立ったままで伸縮機構5の伸長動作を行なえる。この伸縮機構5によれば、圧抜弁を閉じた状態でオイルポンプによりオイル供給操作を行なうと、油圧シリンダのシリンダ室にオイルが供給されて、油圧によりピストン部がシリンダ部に対して伸長する。一方、圧抜弁を開くと、油圧シリンダのシリンダ室からオイルタンクにオイルが排出されて、ピストン部が収縮する。尚、ピストン部の収縮の際にはオイルにより速度比例型の減衰が発現され、ストレッチャ本体2が急激に下降してしまうことが防止される。
【0128】
以下に、油圧シリンダと油圧給排部とを有する伸縮機構を採用したストレッチャの一例を、本発明の第2の実施形態としてFig.54〜Fig.66を用いて説明する。本実施形態では、油圧シリンダと油圧給排部とが一体化された油圧ジャッキ5’を伸縮機構として用いている。但し、油圧シリンダと油圧給排部とは一体化されている必要は無く、これらが別々に配置されるものであっても良い。
【0129】
この油圧ジャッキ5’は、例えばFig.63〜Fig.66に示すように、油圧シリンダ91とオイルタンク92とオイルポンプ93とリリース装置94とが、基台95に取り付けられている。油圧シリンダ91は、Fig.65に示すように、シリンダ部91aと、シリンダ部91aに摺動可能に挿入されるピストン部91bと、シリンダ部91aとピストン部91bとに囲まれたシリンダ室91cと、シリンダ部91aからのオイル漏れを防ぐシール材としてのOリング91dと、ピストン部91bが上限位置を超えて突出することを防ぐ抜け止め用のピン91eなどを有している。オイルタンク92は、シリンダ部91aの周囲に形成されている。オイルポンプ93は、Fig.66に示すように、ポンプシリンダ93aと、ポンプシリンダ93aに摺動可能に挿入されるポンプピストン93bと、ポンプシリンダ93aとポンプピストン93bに囲まれたポンプ室93cと、ポンプシリンダ93aからのオイル漏れを防ぐシール材としてのOリング93dなどを有している。
【0130】
基台95には、オイルタンク92とポンプ室93cとを接続するオイル吸引路96aと、ポンプ室93cとシリンダ室91cとを接続するオイル供給路96bと、シリンダ室91cとオイルタンク92とを接続するオイル排出路96cとが形成されている。Fig.66に示すように、オイル吸引路96aには、オイルタンク92からポンプ室93cへのオイルの流れを許容し、その逆の流れを阻止する球状の第1逆止弁96dが配置されている。第1逆止弁96dは、ポンプピストン93bがポンプシリンダ93aから突出する動作によりオイル吸引路96aを開き、ポンプピストン93bがポンプシリンダ93aに没入する動作によりオイル吸引路96aを閉じる働きをする。オイル供給路96bには、ポンプ室93cからシリンダ室91cへのオイルの流れを許容し、その逆の流れを阻止する球状の第2逆止弁96eが配置されている。第2逆止弁96eは、ポンプピストン93bがポンプシリンダ93aに没入する動作によりオイル供給路96bを開き、ポンプピストン93bがポンプシリンダ93aから突出する動作によりオイル供給路96bを閉じる働きをする。
【0131】
オイル排出路96cを開閉するリリース装置94は、例えばオイル排出路96cに配置される球状の圧抜弁94aと、リリーススクリュー94bとで構成される。リリーススクリュー94bは例えばネジ構造により基台95に取り付けられる。リリーススクリュー94bを締める方向に回転させると、リリーススクリュー94bの先端が圧抜弁94aを押圧し、押圧された圧抜弁94aがオイル排出路96cを閉じる。リリーススクリュー94bを緩める方向に回転させると、圧抜弁94aに作用するリリーススクリュー94bによる押圧力が解除されて、圧抜弁94aが移動可能となりオイル排出路96cが開かれる。
【0132】
この油圧ジャッキ5’によれば、リリーススクリュー94bを締めてオイル排出路96cを閉じた状態とし、ポンプピストン93bをポンプシリンダ93aから突出させると、オイルタンク92からポンプ室93cへとオイルが流れ、ポンプピストン93bをポンプシリンダ93aに没入させると、ポンプ室93cからシリンダ室91cへとオイルが流れる。従って、ポンプピストン93bの往復動作により、オイルがオイルタンク92からシリンダ室91cに圧送される。尚、第1逆止弁96dおよび第2逆止弁96eによりオイルの逆流は阻止される。従ってポンプピストン93bの往復動作によりシリンダ室91cに送られてくるオイルの圧力によって、ピストン部91bがシリンダ部91aに対して伸長する。一方、リリーススクリュー94bを緩めると、オイル排出路96cが開かれてシリンダ室91cからオイルタンク92にオイルが排出されて、ピストン部91bが収縮する。ここで、リリーススクリュー94bを回転させる程度により、圧抜弁94aの移動許容量が変化し、オイル排出路96cの流路の大きさも変化する。即ち、リリーススクリュー94bを緩める回転が小さい場合には、圧抜弁94aの移動許容量が小さく、オイル排出路96cの流路が小さくなる。このため、ピストン部91bが収縮する速度は遅くなり、ピストン部91bを適切な速度で収縮させるためにはピストン部91bをシリンダ部91aに押し込むある程度大きい荷重が必要となる。一方、リリーススクリュー94bを緩める回転が大きい場合には、オイル排出路96cの流路が大きくなるため、ピストン部91bが収縮する速度は速くなり、またピストン部91bをシリンダ部91aに押し込む荷重が比較的小さくてもピストン部91bが収縮するようになる。尚、油圧ジャッキ5’は必ずしも上記構成を備えるものには限定されず、他の既存の物または新規の物を採用しても良い。
【0133】
上記の油圧ジャッキ5’は、Fig.54〜Fig.62に示すように、例えばジャッキケース97内に収容されて、ジャッキケース97の底部にねじ止めにより固定される。このジャッキケース97は、上面が開放されており、両側面がリンク支持部材41に取り付けられる。リンク支持部材41の下端には取付部材100aが固定され、この取付部材100aとジャッキケース97の側壁とが例えばスペーサ100bを介してねじ止めで固定される。ジャッキケース97および油圧ジャッキ5’を台車3に固定するこの構成の場合、油圧ジャッキ5’の操作部としてジャッキケース97に取り付けられるペダル昇降用ペダル101,リリース用ペダル105が、4節平行リンク機構4の回動に合わせて姿勢を変化させないので、昇降操作を行ない易いという利点がある。
【0134】
一方、4節平行リンク機構4における2本の第1連結棒423にはそれぞれブラケット100cが固定され、これらのブラケット100cを連結する連結軸100dが設けられている。4節平行リンク機構4と共に回動する連結軸100dと、直線的に伸縮するピストン部91bの先端とが、常に接触する位置にジャッキケース97は配置される。従って、ピストン部91bの伸縮によって4節平行リンク機構4が回動する。例えば本実施形態では、連結軸100dが回転可能に貫通するパイプ100eにピストン部91bの先端が当接しており、更にこのパイプ100eとピストン部91bとは昇降カバー97aで覆われている。また、ジャッキケース97の開放された上面にはカバー97bが取り付けられている。このカバー97bには、昇降カバー97aが出没可能な孔が形成されている。また、ピストン部91bおよびシリンダ部91aと昇降カバー97aとの間には、ピストン部91bの伸縮を妨げないための空隙が設けられている。これらのカバー97a,97bによって、ジャッキケース97はピストン部91bの伸縮を妨げない範囲で閉塞され、ジャッキケース97内に塵や異物が入ってしまうことを防止できる。
【0135】
尚、本実施形態では、油圧ジャッキ5’をリンク支持部材41に対して固定すると共にピストン部91bの先端が4節平行リンク機構4に常に接触するように構成したが、この構成例には必ずしも限らず、油圧ジャッキ5’は伸縮することによって4節平行リンク機構4を回動させる位置関係に配置されていれば良い。例えば、ジャッキケース97をリンク支持部材41に回転可能に取り付けると共に、ピストン部91bの先端を4節平行リンク機構4に回転可能に取り付けて、4節平行リンク機構4の回動に追従して油圧ジャッキ5’が回動するようにしても良い。
【0136】
本実施形態のストレッチャ1は、ペダルに対する操作によりオイルポンプ93を操作させる昇降ペダル機構を備えている。この昇降ペダル機構は、台車3に変位可能に取り付けられる昇降用ペダル101と、昇降用ペダル101の変位をオイルポンプ93に対する操作に変換する昇降用リンク102とを有している。
【0137】
昇降用ペダル101は台車3に対して例えば回転可能に取り付けられる。ストレッチャ1の前後方向を軸方向とする回転軸101aが、ジャッキケース97に設けられた軸受100jに回転可能に支持されており、この回転軸101aのジャッキケース97から突き出た部分に昇降用ペダル101がねじ止めで固定されている。また、昇降用ペダル101および昇降用ペダル101を操作する操作者の足が、台車3のベース部材32と接触しないように、例えば昇降用ペダル101は回転軸101aから接地面側に近づくように延びた後に略水平に延びる折れ曲がった形状としている。
【0138】
昇降用リンク102は、例えば、昇降用ペダル101と一体に回転する昇降用第1リンク102aと、台車3に対して回転可能に支持されると共に昇降用第1リンク102aおよびオイルポンプ93と接触し、昇降用第1リンク102aの回転と連動して回転することによりオイルポンプ93のポンプピストン93bに押圧力を与える昇降用第2リンク102bとにより構成されている。この構成の場合、リンクの数を少なくできるため、コンパクトに構成できる、部品収納スペースに余裕ができるので部品の厚みを薄くするような必要が無くなり部品の強度を充分に高いものにできる、部品点数を削減できるためコストを安くできる、等の利点が得られる。但し、昇降用リンク102は、昇降用ペダル101の動作をオイルポンプ93に対する操作に変換できるものであれば良く、必ずしもこの例には限定されない。
【0139】
ジャッキケース97内では、昇降用ペダル101の回転軸101aが貫通する筒体101bが、この回転軸101aにねじ止めで固定されており、昇降用第1リンク102aはこの筒体101bに固定されている。また、ジャッキケース97の各側壁の内面には板材100fがねじ止めで固定されており、これらの板材100fの間には2枚の支持板100gが掛け渡されている。昇降用第2リンク102bは、昇降用ペダル101の回転軸101aと平行な回転軸100hによって、2枚の支持板100gの間に取り付けられている。昇降用第2リンク102bにおける昇降用第1リンク102aおよびポンプピストン93bと接触する部分は略円形となっており、部材間の接触が滑らかに行なわれるようにしている。例えば昇降用第2リンク102bには、昇降用第1リンク102aと接触する円柱状の当接部100iが固定されている。また、例えば、回転軸101aは、ジャッキケース97のほぼ中心に配置されるオイルポンプ93よりも昇降用ペダル101の踏み込まれる部分側に配置され、回転軸100hはオイルポンプ93と回転軸101aとの間に配置され、昇降用第2リンク102bは、その下面に昇降用第1リンク102aおよびポンプピストン93bが常時接触するように配置される。
【0140】
ここで、例えば本実施形態では、ストレッチャ1の左右両側に昇降ペダル機構を備えるようにしている。2つの昇降ペダル機構は基本的に左右対称に配置され、重なり合う部分となる左右の昇降用第2リンク102bは、例えばFig.56に示すように、互い違いとなるように配置されている。左右の昇降用ペダル101がそれぞれ別の昇降用リンク102に接続される構成であるため、左右の昇降ペダル機構はそれぞれ独立して作動する。
【0141】
また、昇降ペダル機構には、踏み込まれた昇降用ペダル101を原位置に復帰させる手段が設けられている。例えば、昇降用ペダル101と一体に回転する筒体101bには、ばね掛け部101cが固定されており、左右のばね掛け部101cの間に、上記の復帰手段として引張コイルばね103が取り付けられている。
【0142】
Fig.54およびFig.55に示すように、左右いずれかの昇降用ペダル101を操作者が踏み込むことにより、引張コイルばね103を引っ張りながら筒体101bおよび昇降用第1リンク102aが回転し、この回転により昇降用第1リンク102aに接触している昇降用第2リンク102bが回転し、昇降用第2リンク102bに接触しているポンプピストン93bがポンプシリンダ93aに押し込まれるようになっている。ここで、オイルポンプ93には、ポンプシリンダ93aに没入したポンプピストン93bをポンプシリンダ93aから突出する位置に復帰させる手段として、圧縮コイルばね104が設けられている。ポンプピストン93bの先端部には、圧縮コイルばねの復帰力を受けるばね受け115が固定されている。昇降用ペダル101を踏み込む力を無くす又は弱めると、引張コイルばね103の復帰力により踏み込まれた昇降用ペダル101が原位置に復帰すると共に、圧縮コイルばね104の復帰力によりポンプシリンダ93aに押し込まれたポンプピストン93bが原位置に復帰する。従って、左右いずれかの昇降用ペダル101を足踏み操作することで、ポンプピストン93bが往復動することとなる。尚、一方の昇降用ペダル101を操作者が踏み込むと、引張コイルばね103を介して他方の昇降用ペダル101を逆回転させる力が伝達されるが、例えば本実施形態では、昇降用第1リンク102aがジャッキケース97と係合することにより、昇降用ペダル101の逆回転が規制されるようにしている。
【0143】
また、本実施形態のストレッチャ1は、ペダルに対する操作によりリリース装置94を操作させるリリースペダル機構を備えている。このリリースペダル機構は、台車3に変位可能に取り付けられるリリース用ペダル105と、リリース用ペダル105の変位をリリース装置94に対する操作に変換するリリース用リンク106とを有している。
【0144】
リリース用ペダル105は例えば台車3に対して回転可能に取り付けられ、且つストレッチャ1の左右両側にそれぞれ配置されるようにしている。左右2つのリリース用ペダル105の回転軸105aの先端部分はそれぞれ、ストレッチャ1の左右方向を軸方向として、ジャッキケース97に設けられた軸受100kに挿入され、且つジャッキケース97内に配置される1つの筒体105bに挿入されてこの筒体105bにねじ止めで固定される。従って、左右2つのリリース用ペダル105および筒体105bは一体に回転する。リリース用ペダル105は昇降用ペダル101と接触しないように例えば昇降用ペダル101から離れるように折り曲げた形状としている。
【0145】
リリース用リンク106は、例えば、リリース用ペダル105と一体に回転するリリース用第1リンク106aと、リリーススクリュー94bと一体に回転するリリース用第2リンク106bと、一端側がリリース用第1リンク106aに接続されると共に他端側がリリース用第2リンク106bに接続されるリリース用第3リンク106cとにより構成される。
【0146】
リリース用第1リンク106aは、筒体105bに固定される。リリース用第2リンク106bは、一端側がリリーススクリュー94bに固定され、他端側にリリース用第3リンク106cが接続される接続孔107が形成される。リリース用第3リンク106cは、一端側にリリース用第1リンク106aと回転可能に接続する回転軸100mが設けられ、他端側にリリース用第2リンク106bの接続孔107に差し込まれる押圧軸108が設けられている。例えば本実施形態では、リリーススクリュー94bの回転軸とリリース用ペダル105の回転軸105aとは平行でないが、リリース用第3リンク106cの押圧軸108の径を、リース用第2リンクの接続孔107の径よりも小さいものとして、押圧軸108の変位によってリリース用第2リンク106bが回転するように構成している。
【0147】
また、リリースペダル機構には踏み込まれたリリース用ペダル105を原位置に復帰させる手段が設けられている。例えば、ジャッキケース97の内部にはケース側ばね掛け部100nが設けられ、リリース用第1リンク106aにはペダル側ばね掛け部105cが設けられ、筒体105b上のリリース用第1リンク106aと対称となる位置にもペダル側ばね掛け部105cが固定されており、ケース側ばね掛け部100nとペダル側ばね掛け部105cとの間に、上記の復帰手段として引張コイルばね109が取り付けられている。
【0148】
Fig.58およびFig.60に示すように、左右いずれかのリリース用ペダル105を操作者が踏み込むことより、引張コイルばね109を引っ張りながら筒体105bおよびリリース用第1リンク106aが回転し、この回転によりリリース用第3リンク106cが揺動し、リリース用第3リンク106cの押圧軸108がリリース用第2リンク106bの接続孔107を押圧してリリース用第2リンク106bを回転させ、リリーススクリュー94bを緩める方向に回転させるようになっている。リリース用ペダル105を踏み込む力を無くす又は弱めると、引張コイルばね109の復帰力により踏み込まれたリリース用ペダル105が原位置に復帰して、リリース用第3リンク106cの押圧軸108がリリース用第2リンク106bを逆回転させ、リリーススクリュー94bを締める方向に回転させるようになっている。
【0149】
さらに、本実施形態のストレッチャ1は、リリース用ペダル105を変位させるために必要な力を当該変位の量に応じて大きくするブレーキ機構を備えている。このブレーキ機構は、例えば、リリース用ペダル105と一体に変位する押圧部材110と、リリース用ペダル105の一定範囲内の変位では押圧部材110とは非係合の関係にあり、当該一定範囲を超えるリリース用ペダル105の変位により押圧部材110と係合して押圧部材110の変位に応じて弾性変形する弾性部材111とを用いて構成されるものとしている。
【0150】
押圧部材110は、リリース用ペダル105と一体に回転する筒体105bに固定されている。一方、弾性部材111は、例えばゴム材であり、筒体105bに回転可能に取り付けられる支持部材112に、ねじ止めで固定されている。押圧部材110と弾性部材111とは対向するように配置され、且つリリース用ペダル105が原位置にある場合、即ちリリース用ペダル105が踏み込まれていない状態にある場合に、押圧部材110と弾性部材111との間にはスペースができるようにしている。
【0151】
ここで、本実施形態のストレッチャ1は、押圧部材110と弾性部材111との位置関係を調節する調節手段を有している。この調節手段は、例えばジャッキケース97の底部に取り付けられて、弾性部材111を支持する支持部材に先端部分が接触する調節ねじ113である。調節ねじ113を回転させると、調節ねじ113の先端部分が、支持部材112を筒体105b回りに回転させる。従って、調節ねじ113を回転させて、ジャッキケース97の底部内面からの調節ねじ113の突出量を調整することで、弾性部材111と押圧部材110との距離を所望のものに調節することができる。
【0152】
このブレーキ機構によれば、Fig.59およびFig.61に示すように、リリース用ペダル105を踏み込む操作により、押圧部材110が回転し、リリース用ペダル105の回転量が一定量を超えることで、押圧部材110が弾性部材111に接触し、その後、押圧部材110が弾性部材111を弾性変形させながら回転する。押圧部材110が弾性部材111に接触するまでは、リリース用ペダル105を回転させるのに必要な力は、引っ張りコイルばね109を引き伸ばす程度の力で足りるが、押圧部材110が弾性部材111に接触した後は、更に弾性部材111を弾性変形させる力が必要になる。従って、押圧部材110が弾性部材111に接触するまでは、軽い力でリリース用ペダル105を踏み込むことができると共にリリーススクリュー94bを少し緩めるようにでき、押圧部材110が弾性部材111に接触した後は、より強い力でリリース用ペダル105を踏み込むことで、リリーススクリュー94bを多く緩めるようにできる。例えば本実施形態では、軽い力でリリース用ペダル105を踏み込む場合には、ストレッチャ本体2に人が載っている場合などのようにピストン部91bをシリンダ部91aに押し込もうとする比較的大きい荷重が作用している場合に、ピストン部91bがスムースに収縮するようにし、より強い力でリリース用ペダル105を踏み込む場合に、ストレッチャ本体2の自重によっても、ピストン部91bがスムースに収縮するようにしている。
【0153】
以上のように構成されたストレッチャ1によれば、左右いずれかの昇降用ペダル101を操作者が踏み込むことにより、ピストン部91bがシリンダ部91aに対して伸長し、4節平行リンク機構4を回動させて、ストレッチャ本体2を台車3に対して平行に上昇させることができる。一方、左右いずれかのリリース用ペダル105を踏み込む操作により、ピストン部91bが収縮し、ストレッチャ本体2を台車3に対して平行に下降させることができる。このストレッチャ1によれば、操作者は、ストレッチャ1の下部に屈み込む必要はなく立ったままで伸縮機構5の伸長動作を行なえる。また、昇降用ペダル101およびリリース用ペダル105はストレッチャ1の左右両側に配置されているので、操作者はペダルがある側に回り込む必要は無く、迅速にストレッチャ本体2の昇降操作を行なえる。さらに、ブレーキ機構により、リリース用ペダル105を踏み込む力の強弱によって、状況に応じた適切な速度でピストン部91bを収縮させることができる。
【0154】
尚、昇降ペダル機構の昇降用リンク102は、上述したものには限定されず、例えばFig.69およびFig.70に示すものとしても良い。この昇降用リンク102は、昇降用ペダル101と一体に回転する昇降用第1リンク102a’と、昇降用第1リンク102a’に回転可能に接続される昇降用第2リンク102b’と、昇降用第2リンク102b’に回転可能に接続されると共に台車3に対して回転可能に支持される昇降用第3リンク102c’とを有し、昇降用第1リンク102a’の回転により昇降用第2リンク102b’が移動し、当該移動により昇降用第3リンク102c’が回転してオイルポンプ93のポンプピストン93bに押圧力を与えるものとしている。尚、昇降用リンク102以外のリリースペダル機構等の構成については、既述のものと同様として良いので、Fig.65,Fig.66においてはリリースペダル機構等を省略している。
【0155】
ジャッキケース97内では、昇降用ペダル101の回転軸101aが貫通する筒体101bが、この回転軸101aと一体に回転するようにねじ止めで固定されており、昇降用第1リンク102a’はこの筒体101bに固定されている。
【0156】
また、ジャッキケース97の前壁と後壁との間には2本の支持軸100pが掛け渡されており、これらの支持軸100pに2枚の支持板100gが固定されている。昇降用第3リンク102c’は、昇降用ペダル101の回転軸101aと平行な回転軸100hによって、2枚の支持板100gの間に取り付けられている。昇降用第3リンク102c’におけるポンプピストン93bと接触する部分は略円形となっており、部材間の接触が滑らかに行なわれるようにしている。昇降用第2リンク102b’は、一端側が回転軸100rにより昇降用第1リンク102a’に接続されると共に、他端側が回転軸100sにより昇降用第3リンク102c’に接続される。例えば、回転軸101aは、ジャッキケース97のほぼ中心に配置されるオイルポンプ93よりも昇降用ペダル101の踏み込まれる部分側に配置され、回転軸100hは回転軸101aに対しオイルポンプ93を挟むように配置され、回転軸100sは回転軸100hとオイルポンプ93との間に配置され、昇降用第3リンク102c’は、その下面にポンプピストン93bが常時接触するように配置される。
【0157】
この昇降用リンク102を採用する場合も、ストレッチャ1の左右両側に昇降用ペダル101を配置させ、且つ左右の昇降用ペダル101がそれぞれ別の昇降用リンク102に接続される構成にできる。2つの昇降用リンク102は基本的に左右対称に配置され、重なり合う部分となる昇降用第2リンク102b’、昇降用第3リンク102c’については、例えばFig.70に示すように、前後にずらして配置するようにしている。
【0158】
また、昇降ペダル機構には、踏み込まれた昇降用ペダル101を原位置に復帰させる手段が設けられている。例えば、昇降用ペダル101と一体に回転する筒体101bには、ばね掛け部101cが固定されており、左右のばね掛け部101cの間に、上記の復帰手段として引張コイルばね103が取り付けられている。
【0159】
Fig.69に示すように、左右いずれかの昇降用ペダル101を操作者が踏み込むことにより、引張コイルばね103を引っ張りながら筒体101bおよび昇降用第1リンク102a’が回転し、この回転により昇降用第1リンク102a’に接続される昇降用第2リンク102b’が移動して、当該移動により昇降用第2リンク102b’に接続している昇降用第3リンク102c’が回転し、昇降用第3リンク102c’に接触しているポンプピストン93bがポンプシリンダ93aに押し込まれるようになっている。昇降用ペダル101を踏み込む力を無くす又は弱めると、引張コイルばね103の復帰力により踏み込まれた昇降用ペダル101が原位置に復帰すると共に、圧縮コイルばね104の復帰力によりポンプシリンダ93aに押し込まれたポンプピストン93bが原位置に復帰する。従って、左右いずれかの昇降用ペダル101を足踏み操作することで、ポンプピストン93bが往復動することとなる。尚、符号116は、昇降用ペダル101の逆回転を防ぐ回り止めである。
【0160】
この昇降ペダル機構の昇降用リンク102の場合、ポンプピストン93bを押し込むための昇降用第3リンク102c’と、昇降用ペダル101と一体に回転する昇降用第1リンク102a’との間に、昇降用第2リンク102b’が介在するため、昇降用ペダル101の回転軸101aをオイルポンプ93のある位置から離れた位置に配置できる。また、昇降用ペダル101を折れ曲がった形状とせずに直線的な形状として、昇降用ペダル101を水平に位置させても、昇降用ペダル101が台車3のベース部材32と接触しないように構成できる。従って、昇降用ペダル101のペダル部が台車3のベース部材32が遠ざかると共に、踏み込まれたペダル部が昇降用ペダル101の回転軸101a側に移動する量Lを小さくでき、昇降用ペダル101を操作する操作者の足が台車3のベース部材32と接触しないようにできる。
【0161】
尚、以上に説明したストレッチャ1を構成する各部材の材質は、必要とされる又は望ましい機械的強度・軽量性・耐候性・加工容易性等を備える金属材料や合成樹脂等を適宜選択可能である。例えばフレーム20は、軽合金製とすることでストレッチャ1の必要強度を備えつつ軽量化を図ることができる。
【0162】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、ストレッチャ本体2の構成自体は必ずしも上述の実施形態の例に限定されるものではなく、周知又は新規のストレッチャ本体2に本発明を適用しても良い。
【0163】
また、上述の本実施形態では、ストレッチャ本体2は、第3支軸47と、第4支軸48に取り付けられているが、必ずしもこの形態に限らず、要は、4節平行リンク機構4の平行移動する部分でストレッチャ本体2を支持する構成であれば良い。これにより、ストレッチャ本体2を台車3に対して平行に昇降させることができる。
【0164】
また、伸縮機構5は、必ずしも1つ設けるのみに限らず、複数設けても良い。更に、この場合、第1の実施形態において説明したアクチュエイト機構54を複数連結して一のアクチュエイト機構54の回転を他のアクチュエイト機構54に伝達するようにしても良い。例えば2つの伸縮機構5を備える場合、駆動側のアクチュエイト機構54に第2のベベルギア542を2つ設け、且つ駆動側と従動側の各アクチュエイト機構54の第2のベベルギア542同士が対向するように配置し、且つ対向する第2のベベルギア542同士を例えば連結軸等で連結する。対向する第2のベベルギア542同士を単純に連結する場合、駆動側のアクチュエイト機構54と従動側のアクチュエイト機構54とでは第1のベベルギア541の回転方向が逆になる。そこで、隣り合うねじ移動機構53のねじ棒531は、互いにねじの方向を逆にする。これにより、スライダ532が同一方向に移動する。伸縮機構5を複数設けることで、剛性が高まる等の利点がある。更に、アクチュエイト機構54に回転入力を与えるハンドル部59をストレッチャ1の左右両側に備えるようにしても良い。
【0165】
また、伸縮機構5は、操作者の力を利用して伸縮させるものに限らず、電動で伸縮するものであっても良い。例えばハンドル部59を用いて手動で第2のベベルギア542を回転させるものに限定されず、Fig.68に示すようにモータ114を基部51に取り付けて、電動で第2のベベルギア542を回転させるようにしても良い。この場合、モータ114を操作するスイッチを設け、スイッチ操作によって電動で伸縮機構5を伸縮させるようにする。更に、ベベルギアを介さずにモータ114によりねじ棒531を直接回転させるようにしても良い。また、モータ114とねじ棒531との間に、モータ114の回転を減速してねじ棒531に伝える減速歯車列を設けても良い。また、油圧シリンダ91を有する伸縮機構5’を採用する場合において、オイルポンプとして電動のポンプを用いても良い。
【0166】
さらに、モータ114またはハンドル部59の回転を、ベベルギア541,542を介してねじ棒531に伝達するものに必ずしも限らず、モータ114またはハンドル部59の回転を、自在継手やフレキシブルジョイントもしくはベルト伝導やワイヤ伝導、チェーン伝導などを介して、ねじ棒531またはスライダ532に伝達するようにしても良い。

Claims (14)

  1. 折り畳むことで椅子に変形可能なストレッチャ本体と、該ストレッチャ本体を支持する台車とを有する車椅子に形態変更可能なストレッチャにおいて、平行四辺形を成す4つの回転支点を有し、前記回転支点の2つが前記台車に対して固定されると共に、前記台車に対して平行移動する部分で前記ストレッチャ本体を支持する4節平行リンク機構と、前記4節平行リンク機構の回動を規制すると共に伸縮することによって前記4節平行リンク機構を回動させる位置関係に配置される伸縮機構とを有し、かつ前記ストレッチャ本体は、折り畳むことで椅子に変形可能に構成されるフレームと、前記フレームに取り付けられて患者の身体の一部をサポートするサポート部材とを有し、前記サポート部材の芯材もしくはこのサポート部材そのものの少なくともサポート面の変形が要求される部位が複数に分割され、これら分割された芯材もしくは前記サポート部材同士が可撓機構で連結されるとともに、この可撓機構は間隔をおいて平行配置された複数の重合プレートを有する固定側部材と、該固定側部材の前記重合プレートと交互に重なり合う複数の重合プレートを有する傾動側部材と、前記固定側部材ならびに傾動側部材の各重合プレートの重合箇所を貫通してこれら重合プレートを締め付ける連結軸ならびに前記重合プレートを重合方向に付勢する付勢手段とを備え、前記傾動側部材が前記連結軸を中心に回転して前記芯材もしくは前記サポート部材の一部を傾動させるとともに前記両重合プレート同士の接触部における摩擦力を利用してその角度を維持し前記サポート面の形状を保持することを特徴とする車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
  2. 前記伸縮機構は、基部と、該基部に対して移動可能な移動部と、前記基部と前記移動部の間に設けられ回転することで前記移動部を移動させるねじ移動機構と、前記基部に取り付けられて前記ねじ移動機構を回転させるアクチュエイト機構とを備えることを特徴とする請求の範囲第1記載の車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
  3. 前記アクチュエイト機構は回転入力を与えるハンドル部を備え、尚且つ、前記ねじ移動機構は、前記基部に取り付けられてスライド方向に配置されたねじ棒と、前記移動部に取り付けられて前記ねじ棒がねじ込まれるスライダを備え、前記アクチュエイト機構は、前記ねじ棒を回転させる第1のベベルギアと、前記第1のベベルギアに噛み合う少なくとも1つの第2のベベルギアを備え、前記第2のベベルギアは前記ハンドル部と連動して回転するように前記ハンドル部に連結されることを特徴とする請求の範囲第2記載の車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
  4. 前記第2のベベルギアと前記ハンドル部とは、自在軸継手を介して連結されることを特徴とする請求の範囲第3記載の車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
  5. 前記伸縮機構を伸長させる方向、または前記ストレッチャ本体を前記台車に対して持ち上げる方向に、補助力を発生させる補助手段を更に備えることを特徴とする請求の範囲第1記載の車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
  6. 前記アクチュエイト機構はモータを有することを特徴とする請求の範囲第2記載の車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
  7. 前記伸縮機構は、圧力油が供給されることにより伸長すると共に圧力油が排出されることにより収縮する油圧シリンダと、一定量の作動油を貯留し前記油圧シリンダに対して圧力油を供給及び排出する油圧給排部とを備えることを特徴とする請求の範囲第1記載の車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
  8. 前記油圧シリンダは、シリンダ部と、このシリンダ部に摺動可能に挿入されるピストン部と、前記シリンダ部と前記ピストン部とに囲まれたシリンダ室を有し、前記油圧給排部は、オイルタンクと、該オイルタンクからオイルを吸引すると共に当該吸引したオイルを前記シリンダ室に圧送するオイルポンプと、前記シリンダ室と前記オイルタンクとを接続するオイル排出路と、該オイル排出路を開閉するリリース装置とを有し、さらに、前記台車に変位可能に取り付けられる昇降用ペダルと、該昇降用ペダルの変位を前記オイルポンプに対する操作に変換する昇降用リンクと、前記台車に変位可能に取り付けられるリリース用ペダルと、該リリース用ペダルの変位を前記リリース装置に対する操作に変換するリリース用リンクとを備えることを特徴とする請求の範囲第7記載のストレッチャ。
  9. 前記昇降用ペダルおよび前記リリース用ペダルが前記台車の左右両側に設けられていることを特徴とする請求の範囲第8記載の車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
  10. 前記昇降用ペダルは前記台車に回転可能に取り付けられ、前記昇降用リンクは、前記昇降用ペダルと一体に回転する昇降用第1リンクと、前記台車に対して回転可能に支持されると共に前記昇降用第1リンクおよび前記オイルポンプと接触し、前記昇降用第1リンクの回転と連動して回転することにより前記オイルポンプに押圧力を与える昇降用第2リンクを有することを特徴とする請求の範囲第8記載の車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
  11. 前記昇降用ペダルは前記台車に回転可能に取り付けられ、前記昇降用リンクは、前記昇降用ペダルと一体に回転する昇降用第1リンクと、前記昇降用第1リンクに回転可能に接続される昇降用第2リンクと、前記昇降用第2リンクに回転可能に接続されると共に前記台車に対して回転可能に支持される昇降用第3リンクとを有し、前記昇降用第1リンクの回転により前記昇降用第2リンクが移動し、当該移動により前記昇降用第3リンクが回転して前記オイルポンプに押圧力を与えることを特徴とする請求の範囲第8記載の車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
  12. 前記リリース用ペダルを変位させるために必要な力を、前記リリース用ペダルの変位量が増加するに従って大きくするブレーキ機構を備えることを特徴とする請求の範囲第8記載の車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
  13. 前記ブレーキ機構は、前記リリース用ペダルと一体に変位する押圧部材と、前記リリース用ペダルの一定範囲内の変位では前記押圧部材とは非係合の関係にあり、当該一定範囲を超える前記リリース用ペダルの変位により前記押圧部材と係合して押圧部材の変位に応じて弾性変形する弾性部材とを有する請求の範囲第12記載の車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
  14. 前記押圧部材と前記弾性部材との位置関係を調節する調節手段を更に備える請求の範囲第13記載の車椅子に形態変更可能なストレッチャ。
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