以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係る座部と背部との連動機構の実施形態の一例がストレッチャに組み込まれている場合を例に挙げる。
図1乃至図12に、本発明に係る座部と背部との連動機構を備えるストレッチャの実施形態の一例を示す。
本実施形態では、各図中において、「前」が付されている矢印の向きが図中の座部と背部との連動機構,当該連動機構を備えるストレッチャ,及び当該ストレッチャに乗る患者にとっての前向きであり、「後」が付されている矢印の向きが前記連動機構,前記ストレッチャ,及び前記患者にとっての後ろ向きである。なお、ストレッチャに乗ったり座ったりした状態の患者の足側が前方向であり、頭側が後ろ方向である。
また、各図中において、「上」が付されている矢印の向きが前記連動機構,前記ストレッチャ,及び前記患者にとっての上向きであり、「下」が付されている矢印の向きが前記連動機構,前記ストレッチャ,及び前記患者にとっての下向きである。上記によって規定される前後方向と上下方向とは鉛直面において直交する。
さらに、上記によって規定される前後方向及び上下方向のそれぞれと直交する方向が前記連動機構,前記ストレッチャ,及び前記患者にとっての左右方向である。
以下の説明における種々の「回動軸」は、或る部材が回動する際の回動中心軸/回動支軸として機能し得るものであれば具体的な構造は特定の態様に限定されるものではなく、例えば、連続する一本の軸によって構成されるようにしても良く、或いは、或る方向の同軸上において相互に反対向きに突出する太鼓形状(別言すると、片持梁状)の一対の突出軸部や或る方向の同軸上において離間して配設される二本の軸によって構成されるようにしても良い。
本実施形態の座部と背部との連動機構が組み込まれているストレッチャは、走行可能な脚部20と、患者を乗せる支持部30と、支持部30を支え脚部20に対して昇降可能に取り付ける昇降装置40とを有する。
脚部20は、前後左右の四本のフレームが矩形状に連結されてなる台枠21と、当該台枠21の四隅に取り付けられるキャスタ22を有しており、台枠21はキャスタ22によって或る程度の高さに持ち上げられている。
キャスタ22は、フットペダル23やフットフレーム24が操作されることにより、回転がロックされて走行不能状態になったり当該ロックが解除されて走行可能状態になったりする。
台枠21の四隅に取り付けられるキャスタ22のロック機構並びにフットペダル23及びフットフレーム24はリンケージ25によって相互に連動するように構成され、フットペダル23とフットフレーム24とのうちのどちらか一方が操作されることによって四つのキャスタ22の全ての回転が同時にロックされたり当該ロックが同時に解除されたりする。
ベース側支柱41が、台枠21の内側空間に配置され、当該台枠21を構成する左右のフレームの間に左右方向に沿って掛け渡される支持フレーム26を介して台枠21に対して固定されて取り付けられる。図に示す例では、台枠21を構成する左フレーム寄りの位置に配設されるものと右フレーム寄りの位置に配設されるものとの、左右一対のベース側支柱41,41が取り付けられる。
支持部30は、患者の主に上半身を支える上半身支持部分31と、主に臀部を支える臀部支持部分32と、主に脚部を支える脚支持部分33とを有する。
臀部支持部分32の前側に脚支持部分33が折り曲げ可能に連結されると共に臀部支持部分32の後ろ側に上半身支持部分31が折り曲げ可能に連結され、ベッド形態(例えば図1)と椅子形態(例えば図7)とに変形可能であるように構成される。
図に示す例では、上半身支持部分31と臀部支持部分32とを構成するものとして連なる第一のマット34が備えられ(尚、第一のマット34内部のクッション部材は上半身支持部分31に相当する部分と臀部支持部分32に相当する部分とで分断されて別個のものとして構成される)、当該第一のマット34とは別個の第二のマット35が脚支持部分33を構成するものとして備えられる。
ベッド形態においては、第一のマット34の上面と第二のマット35の上面とが平らに揃って水平になる。
第一のマット34のうちの臀部支持部分32に相当する部分(言い換えると、第一のマット34のうちの、脚支持部分33を構成する第二のマット35寄りの部分)の下面に基部36が取り付けられ、臀部支持部分32が、延いては支持部30が基部36によって支持される。
基部36は、左右方向において離間して相互に対向しつつ各々が下向きに延出する左右一対の側壁構造を有するものとして構成される。
第一のマット34のうちの臀部支持部分32に相当する部分(言い換えると、第一のマット34のうちの、脚支持部分33を構成する第二のマット35の側の部分)は、基部36によって下面側から支持される。
基部36は、第一のマット34のうちの臀部支持部分32に相当する部分の下面に固定されて取り付けられる。
第一のマット34のうちの上半身支持部分31に相当する部分(言い換えると、第一のマット34のうちの、脚支持部分33を構成する第二のマット35とは反対側の部分)は、基部36から上半身支持部分31の側へと延設される上半身支持フレーム1によって下面側から支持される。
上半身支持フレーム1は、第一のマット34のうちの上半身支持部分31に相当する部分の下面に、左右方向において離間して前後方向に沿って相互に平行に配設される左右一対のものとして固定されて取り付けられる。
左右一対の上半身支持フレーム1は、それぞれ、上半身支持部分31の下面に沿う支持部1aと、第一のマット34を構成する上半身支持部分31と臀部支持部分32との境界位置の大凡下方に於いて前記支持部1aから臀部支持部分32の下方へと前方斜め下向き(別言すると、第一のマット34の下面から離れる向き)に屈曲して延伸するガイドアーム部1cとを有する。第一のマット34を構成する上半身支持部分31と臀部支持部分32との境界位置の大凡下方に位置する、前記の支持部1aとガイドアーム部1cとの連接部分を屈曲部1bと呼ぶ。
上半身支持フレーム1の支持部1aとガイドアーム部1cとは、これら支持部1aの長手方向とガイドアーム部1cの長手方向とのなす角(言い換えると、屈曲の程度)が所定の角度で変化することなく固定された状態が維持されるように屈曲部1bにおいて固定的に連接されて構成される。
上半身支持フレーム1の後端部に、第一のマット34のうちの上半身支持部分31に相当する部分を傾動させる際に把持して操作するための把持バー7が取り付けられる。
第二のマット35(別言すると、脚支持部分33)は、基部36から脚支持部分33の側へと延設される脚支持フレーム2によって下面側から支持される。
脚支持フレーム2は、第二のマット35の下面に、左右方向において離間して前後方向に沿って相互に平行に配設される左右一対のものとして固定されて取り付けられる。
左右一対の脚支持フレーム2は、それぞれ、脚支持部分33の下面に沿う支持部2aと、第二のマット35と第一のマット34との境界位置の大凡下方に於いて前記支持部2aから脚支持部分33の下方へと前方斜め下向き(別言すると、第二のマット35の下面から離れる向き)に屈曲して延伸するアーム部2cとを有する。第二のマット35と第一のマット34との境界位置の大凡下方に位置する、前記の支持部2aとアーム部2cとの連接部分を屈曲部2bと呼ぶ。
脚支持フレーム2の支持部2aとアーム部2cとは、これら支持部2aの長手方向とアーム部2cの長手方向とのなす角(言い換えると、屈曲の程度)が所定の角度で変化することなく固定された状態が維持されるように屈曲部1bにおいて固定的に連接されて構成される。
基部36の上半身支持部分31の側の端部と左右一対の上半身支持フレーム1それぞれの屈曲部1bとが左右方向に沿って配設される第一の回動軸3によって連結され、これにより、基部36に対して上半身支持フレーム1が屈曲部1b/第一の回動軸3を中心として回動可能であるように連結される。
基部36の脚支持部分33の側の端部と左右一対の脚支持フレーム2それぞれの屈曲部2bとが左右方向に沿って配設される第二の回動軸4によって連結され、これにより、基部36に対して脚支持フレーム2が屈曲部2b/第二の回動軸4を中心として回動可能であるように連結される。
基部36の下端部と昇降側支柱42の上端部とが左右方向に沿って配設される第三の回動軸5によって連結され、これにより、昇降側支柱42に対して基部36が第三の回動軸5を中心として回動可能であるように連結される。第三の回動軸5は、第一の回動軸3と第二の回動軸4との前後方向における中心位置の下方若しくは大凡中心位置の下方に配置される(具体的には、左右方向に沿って配設される)。
図に示す例では、上半身支持部分31の左右両側方のそれぞれにサイドガード37Aが設けられると共に、臀部支持部分32の左右両側方のそれぞれにサイドガード37Bが設けられる。すなわち、上半身支持部分31に左右一対のサイドガード37A,37Aが設けられ、臀部支持部分32に左右一対のサイドガード37B,37Bが設けられる。
上半身支持部分31に対して設けられる左右一対のサイドガード37A,37Aは、それぞれ、上半身支持部分31の下面のうちの左右両側の縁部のそれぞれに前後方向に沿って固定されて取り付けられる取付けフレーム38Aに対し、前後方向に沿って配設される係合軸支部39を介し、立っている状態(別言すると、上向き姿勢;図1,図7)から左右側方へと開くように倒れて水平状態を経て垂れ下がる状態(別言すると、下向き姿勢)になるように回動可能に取り付けられる。
臀部支持部分32に対して設けられる左右一対のサイドガード37B,37Bは、それぞれ、臀部支持部分32の下面のうちの左右両側の縁部のそれぞれに前後方向に沿って固定されて取り付けられる取付けフレーム38Bに対し、前後方向沿って配設される係合軸支部39を介し、立っている状態(別言すると、上向き姿勢;図1,図7)から左右側方へと開くように倒れて水平状態を経て垂れ下がる状態(別言すると、下向き姿勢)になるように回動可能に取り付けられる。
各サイドガード37A,37Bは、立っている状態(図1,図7)では上側部分が第一のマット34の上面よりも上方に出っ張って患者が左右側方へと転げ落ちてしまうことを防止し、垂れ下がっている状態では第一のマット34の上面よりも上方には出っ張ることがなく患者を支持部30から移動させたり支持部30へと移動させたりする際の障害になってしまうことが防止される。ただし、各サイドガード37A,37Bは、本発明において必須の構成ではなく、これらサイドガード37A,37Bが設けられないようにしても良い。
昇降装置40は、脚部20に対して支持部30を昇降可能に支えつつ取り付けるものである。
昇降装置40は、脚部20の側に設けられる左右一対のベース側支柱41,41と、支持部30の側に設けられる昇降側支柱42と、これらベース側支柱41,41と昇降側支柱42との間に介在するように設けられてこれら支柱41,42を連結する二本の平行リンク43,44とからなる四節リンク機構45、並びに、昇降側支柱42をベース側支柱41,41に対して昇降させる昇降用アクチュエータ46を有する。
図に示す例では、左右一対のベース側支柱41,41が脚部20の台枠21の後部位置に固定されて取り付けられると共に昇降側支柱42が支持部30の臀部支持部分32を支持する基部36に対して回動可能に連結され、ベース側支柱41,41の前方に昇降側支柱42が降りるように配置される。
図に示す例では、昇降側支柱42は、左右方向において離間して相互に対向する複数の板状部材が相互に固定された構造を有するものとして構成される。そして、離間して相互に対向する複数の板状部材同士の空き間のうちの一部若しくは全部に掛け渡されたり固定されたりして以下に述べる複数の回動軸が設けられる。
二本の平行リンク43,44は、上下方向において所定の間隔をあけて相互に平行に配設され(図に示す例では、符号43が上側のリンク,符号44が下側のリンク)、各々の一端部(別言すると、前端部)が昇降側支柱42に対して回動可能に連結されると共に他端部(別言すると、後端部)がベース側支柱41に対して回動可能に連結される。
平行リンク43,44それぞれの一端部(前端部)は、上下方向において所定の間隔をあけつつ左右方向に沿って相互に平行に配設される二本のリンク回動軸48,48により、昇降側支柱42に対して前後方向の鉛直面に沿って回動可能であるように連結される。
また、平行リンク43,44それぞれの他端部(後端部)は、上下方向において所定の間隔をあけつつ左右方向に沿って相互に平行に配設される二本のリンク回動軸49,49により、ベース側支柱41に対して前後方向の鉛直面に沿って回動可能であるように連結される。
図に示す例では、昇降側支柱42の左側方に上下二本の平行リンク43,44が設けられて左右一対のベース側支柱41,41のうちの左側のベース側支柱41に連結されると共に、昇降側支柱42の右側方に上下二本の平行リンク43,44が設けられて左右一対のベース側支柱41,41のうちの右側のベース側支柱41に連結される。
四節リンク機構45は平行運動機構であり、脚部20側のベース側支柱41と支持部30側の昇降側支柱42とが四節リンク機構45によって連結されることにより、ベース側支柱41に対して昇降側支柱42が傾斜/傾動することなく昇降し、延いては脚部20に対して支持部30が傾斜/傾動することなく(即ち、例えば、ストレッチャがベッド形態(図1)である場合に支持部30の水平状態が維持されながら(図13))昇降する。
昇降側支柱42の左側方の上下二本の平行リンク43,44と右側方の上下二本の平行リンク43,44との左右方向における間に、ベース側支柱41と昇降側支柱42との間に介在するように昇降用アクチュエータ46が設けられる。図中における符号47は、昇降用アクチュエータ46を駆動させるための、バッテリーを含む電源部である。
昇降用アクチュエータ46は、一端部(別言すると、前端部)が、昇降側支柱42に対し、左右方向に沿って配設される回動軸50を介して回動可能であるように連結される。
昇降用アクチュエータ46は、他端部(別言すると、後端部)が、左右一対のベース側支柱41,41に対し、これら左右一対のベース側支柱41,41の間に保持フレームが設けられた上で、左右方向に沿って配設されて保持フレームに対して取り付けられる回動軸51を介して回動可能であるように連結される。
昇降用アクチュエータ46としては、具体的には例えば、電動シリンダ,ガス圧シリンダ,油圧シリンダなどが用いられ得る。
昇降用アクチュエータ46が作動すると、ベース側支柱41,41に対して昇降側支柱42が上昇したり下降したりして支持部30の高さが変わる。なお、昇降用アクチュエータ46は、図示していないリモコンによって操作される。
昇降装置40の各リンクは平行運動機構となる四節リンク機構45を構成しており、支持部30が昇降する際に支持部30は脚部20に対して傾斜/傾動しない(即ち、例えば、ストレッチャがベッド形態(図1)である場合に支持部30の水平状態が維持される(図13))。
なお、昇降用アクチュエータ46の代わりに、昇降側支柱42を押し上げる向きに付勢するガススプリングなどが用いられるようにしても良い。
そして、本実施形態の座部と背部との連動機構は、支持部1aとガイドアーム部1cとが連接して構成されると共にガイドアーム部1cにベアリング12が設けられる上半身支持フレーム1と、第三の回動軸5によって回動可能に設けられる基部36と、上半身支持フレーム1のベアリング12が移動可能に係合する傾動ガイド部11と、上半身支持フレーム1と基部36とを相互に回動可能に連結する第一の回動軸3とを有し、上半身支持フレーム1が傾斜動作すると上半身支持フレーム1のベアリング12が傾動ガイド部11を伝って移動すると共に第一の回動軸3が移動して基部36が傾斜動作するようにしている。
本実施形態の座部と背部との連動機構は、特に、上半身支持フレーム1のベアリング12が傾動ガイド部11を伝って移動するときの第一の回動軸3の移動を所定の挙動に制御し得るように、曲率半径が一定でない湾曲形状に傾動ガイド部11が形成されるようにしている。
本実施形態の座部と背部との連動機構は、さらに、支持部2aとアーム部2cとが連接して構成される脚支持フレーム2と、基部36と脚支持フレーム2とを相互に回動可能に連結する第二の回動軸4と、上半身支持フレーム1のガイドアーム部1cと脚支持フレーム2のアーム部2cとを連結する連係リンク6とを更に有し、上半身支持フレーム1が傾斜動作すると上半身支持フレーム1のガイドアーム部1cが回動して連係リンク6を介して脚支持フレーム2のアーム部2cが回動して脚支持フレーム2が傾斜動作するようにしている。
昇降側支柱42の、上半身支持部分31の側に、左右方向において離間して相互に対向する一対のガイドフレーム10,10が固定されて取り付けられる。
左右一対のガイドフレーム10,10のそれぞれに、傾動ガイド部11が設けられる。図に示す例では、傾動ガイド部11は、左右方向において貫通する係合長孔11として形成される。
傾動ガイド部11は、上半身支持部分31の傾斜動作と臀部支持部分32の傾斜動作とを連動させ且つ上半身支持部分31の傾斜の度合いに対する臀部支持部分32の傾斜の度合いを制御し調節するためのものである。
上半身支持フレーム1のガイドアーム部1cの、臀部支持部分32の側の先端部(別言すると、前端部,下端部)にベアリング12(具体的には、転がり軸受)が設けられる。
上半身支持フレーム1のガイドアーム部1cの先端部に設けられるベアリング12がガイドフレーム10の傾動ガイド部11としての係合長孔11と係合する。
なお、ガイドアーム部1cの先端部やガイドフレーム10の傾動ガイド部11の態様は、ガイドアーム部1cの先端部がガイドフレーム10の傾動ガイド部11に対して転動したり摺動したりなどして移動可能に係合し得るものであれば、ベアリング12や係合長孔11に限定されるものではない。
ガイドアーム部1cの先端部やガイドフレーム10の傾動ガイド部11の態様としては、例えば、ガイドアーム部1cの先端部に左右方向に沿う柱状部/軸部が形成されて当該柱状部/軸部が係合長孔11へと進入して移動可能に係合するようにしても良い。この場合は、良好な摺動性を確保するため、前記柱状部/軸部の外周面と係合長孔11の内縁面とのうちの少なくとも一方に、ポリアセタール樹脂(POM),ポリアミド樹脂(PA),フッ素樹脂(PTFE)などの良好な摺動性を備える樹脂製の部材が備えられるようにしても良い。具体的には例えば、前記柱状部/軸部に円筒状の樹脂カラーが取り付けられるようにしたり、前記柱状部/軸部が上述のような樹脂によって形成されるようにしたり、或いは、係合長孔11の内縁部が上述のような樹脂によって覆われるようにしたりしても良い。
把持バー7が掴まれて上半身支持フレーム1の支持部1aが水平状態から引き起こされて傾斜したり(この際、上半身支持部分31が臀部支持部分32に対して折り曲げられる)傾斜状態から引き倒されて水平にされたり(この際、上半身支持部分31と臀部支持部分32とが平らになる)する際に、上半身支持フレーム1は屈曲部1b/第一の回動軸3を中心として回動する。
このとき、上半身支持フレーム1の支持部1aと屈曲部1bを挟んで連接するガイドアーム部1cの先端(即ち、臀部支持部分32の側の端部;別言すると、前端部,下端部)のベアリング12が係合長孔11の形状に沿って移動し、これに伴って屈曲部1b/第一の回動軸3も移動する。
すなわち、上半身支持フレーム1は、回動中心(即ち、屈曲部1b/第一の回動軸3)が移動しながら回動する。
また、ベアリング12が係合長孔11の形状に沿って移動することに伴って屈曲部1b/第一の回動軸3が移動すると、第一の回動軸3と連結する基部36が第三の回動軸5を中心として回動する。
つまり、上半身支持フレーム1(支持部1a)及び上半身支持部分31が傾動するとベアリング12が係合長孔11の形状に沿って移動することに伴って屈曲部1b/第一の回動軸3が移動し、第一の回動軸3が移動することによって基部36及び臀部支持部分32が傾動する。
上半身支持フレーム1(支持部1a)及び上半身支持部分31の傾斜の度合いに対する基部36及び臀部支持部分32の傾斜の度合いは、係合長孔11の形状によって規定される。
図に示す例を前提として説明のために極端な例を挙げると、ストレッチャがベッド形態である状態から上半身支持フレーム1(支持部1a)及び上半身支持部分31が引き起こされるとき、係合長孔11が鉛直方向の単に直線状である場合は、係合長孔11が水平方向の単に直線状である場合と比べ、ベアリング12の下向きの移動に伴ってガイドアーム部1cを介して第一の回動軸3が引き下げされ、上半身支持フレーム1(支持部1a)及び上半身支持部分31の傾斜の度合いに対する基部36及び臀部支持部分32の傾斜(別言すると、臀部支持部分32の、脚支持部分33の側に対する上半身支持部分31の側の沈み込み)の度合いが大きい(尚、係合長孔11が水平方向の単に直線状である場合、上半身支持フレーム1(支持部1a)及び上半身支持部分31の引き起こしの最初の段階では臀部支持部分32のうちの上半身支持部分31の側が脚支持部分33の側に対して持ち上げられる)。
本発明では第一の回動軸3は第三の回転軸5を回転中心として公転し得るものであるので、第一の回動軸3は、上半身支持フレーム1が回動する際の瞬間瞬間における回動中心であるという点で「瞬間中心」であるとも言える。
また、ベアリング12が第一の回動軸3を中心とする円弧上を動く(即ち、第一の回動軸3の軸心とベアリング12の回転中心との間の寸法で半径が一定である円弧を中心線とする円弧形状に係合長孔11が形成される)ようにすると、ベアリング12の円弧上の移動に伴ってガイドアーム部1cが屈曲部1b/第一の回動軸3を中心としたままで回動し(即ち、第一の回動軸3は移動しないので)、上半身支持フレーム1(支持部1a)及び上半身支持部分31が傾斜しても基部36及び臀部支持部分32は傾斜しない。
つまり、上半身支持フレーム1の回動に伴うベアリング12の移動の軌跡が係合長孔11の形状によって制御されることにより、上半身支持フレーム1のガイドアーム部1cによって前記ベアリング12と一定の位置関係で繋がれる第一の回動軸3の移動の軌跡が制御され、上半身支持フレーム1(支持部1a)の傾動に伴う基部36の傾動の程度が制御され、延いては、上半身支持部分31の傾斜の度合いに対する臀部支持部分32の傾斜の度合いが制御される。
例えば、ストレッチャがベッド形態である状態から上半身支持フレーム1(支持部1a)を傾動させる初期段階における第一の回動軸3の下向きの移動量が上半身支持フレーム1(支持部1a)の傾動の終盤における第一の回動軸3の下向きの移動量よりも大きくなるように制御されることにより、ベッド形態から椅子形態へと変形する際には変形の初期段階において上半身支持部分31が水平に近い角度のときは第一のマット34の上に仰臥位になっている患者の上半身を単に起こすだけであるものの上半身支持部分31が起き上がり立ち上がってくるに伴って上半身支持部分31が患者を水平方向前向きに押す力が強くなるのに対し、ベッド形態から椅子形態への変形の初期段階における臀部支持部分32のうちの上半身支持部分31の側(即ち、後ろ側)の沈み込みが大きくなるので、ストレッチャをベッド形態から椅子形態へと変形させる際の患者の前方へのずり落ちを防止することができる。
このため、図に示す例では、傾動ガイド部11としての係合長孔11が、ストレッチャがベッド形態であるときのベアリング12の位置からの当該ベアリング12の移動の初期は下向きの移動の方が後ろ向きの移動よりも優勢であると共にベアリング12が移動するに従って下向きの移動よりも後ろ向きの移動の方が次第に優勢になるように湾曲形状であり、且つ、ストレッチャがベッド形態であるときの第一の回動軸3の軸心位置とベアリング12の回転中心との間の寸法がベアリング12が移動するに従って長くなるように調整された湾曲形状に形成される。
上記は、傾動ガイド部11としての係合長孔11が、ストレッチャがベッド形態であるときの第一の回動軸3の軸心位置を中心とする半径が次第に長くなる円弧が順に連なってなる円弧を中心線とする湾曲形状に形成されると言い換えられ、さらに、ストレッチャがベッド形態であるときの第一の回動軸3の軸心位置を曲率中心として曲率半径が次第に長くなる曲率円の円弧を中心線とする湾曲形状に形成されると言い換えられる。
また、上記は、ストレッチャが椅子形態であるときの第一の回動軸3の軸心位置を基準とすると、傾動ガイド部11としての係合長孔11が、ストレッチャが椅子形態であるときの第一の回動軸3の軸心位置を中心とする半径が次第に短くなる円弧が順に連なってなる円弧を中心線とする湾曲形状に形成されると言い換えられ、さらに、ストレッチャが椅子形態であるときの第一の回動軸3の軸心位置を曲率中心として曲率半径が次第に短くなる曲率円の円弧を中心線とする湾曲形状に形成されると言い換えられる。
図に示す例では、上記のような係合長孔11の形状により、ストレッチャがベッド形態である状態から上半身支持フレーム1(支持部1a)を傾動させるに従い、第一の回動軸3が後方斜め下向きに移動する。
ベッド形態から椅子形態への変形の初期段階における第一の回動軸3の下向きの移動量を大きくして臀部支持部分32のうちの上半身支持部分31の側(即ち、後ろ側)の沈み込みを大きくすることはベッド形態から椅子形態へと変形させる際の患者の前方へのずり落ちを防止することができる点で好ましいところ、ベッド形態から椅子形態への変形の初期段階で臀部支持部分32の傾斜が十分に得られている場合で上半身支持フレーム1(支持部1a)の傾動の終盤では臀部支持部分32を傾斜させないようにする場合はベアリング12の移動の終盤に対応する区間では係合長孔11の湾曲形状を構成する円弧の半径を一定にすれば良く、或いは、ベッド形態から椅子形態への変形の初期段階では臀部支持部分32を傾斜させると共に中盤では臀部支持部分32を傾斜させないようにし且つ終盤では再び臀部支持部分32を傾斜させるようにする場合にはベアリング12の移動の序盤に対応する区間では係合長孔11の湾曲形状を構成する円弧の半径(即ち、ストレッチャがベッド形態であるときの第一の回動軸3の軸心位置を曲率中心とする曲率半径)を次第に長くすると共にベアリング12の移動の中盤に対応する区間では係合長孔11の湾曲形状を構成する円弧の半径を一定にし且つベアリング12の移動の終盤に対応する区間では係合長孔11の湾曲形状を構成する円弧の半径を再び次第に長くすれば良い。
あるいは、連動機構が組み込まれる機器や臀部支持部分32を傾斜させる目的によっては、上半身支持フレーム1(支持部1a)の傾動の初期段階では臀部支持部分32を傾斜させないようにするためにベアリング12の移動の序盤に対応する区間では係合長孔11の湾曲形状を構成する円弧の半径を一定にし、上半身支持フレーム1(支持部1a)の傾動の中盤や終盤に臀部支持部分32を傾斜させるためにベアリング12の移動の中盤や終盤に対応する区間では係合長孔11の湾曲形状を構成する円弧の半径(即ち、ストレッチャがベッド形態であるときの第一の回動軸3の軸心位置を曲率中心とする曲率半径)を次第に長くするようにしても良い。
いずれにしても、本発明に係る座部と背部との連動機構は、ストレッチャがベッド形態であるときの第一の回動軸3の軸心位置を曲率中心とした上で、ベアリング12が係合して移動する係合長孔11の曲率半径が一定でない(即ち、曲率が一定でない)ように構成される。
第一のマット34のうちの臀部支持部分32に相当する部分の下方に、ロック機構を備えるガススプリング13が備えられる。
ガススプリング13は、第一のマット34のうちの上半身支持部分31に相当する部分の傾動をロックしたり当該ロックを解除したりするための、言い換えると、ストレッチャ(具体的には、第一・第二のマット34,35)のベッド形態と椅子形態との間での変形をロックしたり当該ロックを解除したりするための仕組みとして備えられる。
ガススプリング13は、シリンダと当該シリンダに対して出没可能であるピストンロッドとを有すると共にピストンロッドの先端に設けられるプッシュバルブ(「プッシュピン」とも呼ばれる)を介して操作・制御可能であるロック機構を備える機序として構成される。
ガススプリング13は、上半身支持部分31と臀部支持部分32との間に介在するように、上半身支持フレーム1と基部36とのそれぞれに連結される。
ガススプリング13の一端部(別言すると、後端部)は、上半身支持フレーム1に対し、当該上半身支持フレーム1のガイドアーム部1cの、屈曲部1bとベアリング12との間に於いて、左右方向に沿って配設される回動軸14を介して回動可能であるように連結される。
ガススプリング13の他端部(別言すると、前端部)は、基部36に対し、左右方向に沿って配設される回動軸15を介して回動可能であるように連結される。
上半身支持部分31と臀部支持部分32との間に介在するガススプリング13のロック機構が利用されて当該ガススプリング13の伸縮動作が制限されたり許容されたりすることにより、上半身支持部分31及び臀部支持部分32の傾斜の程度の固定と当該固定の解除とが(言い換えると、上半身支持部分31及び臀部支持部分32の傾動の制限と許容とが)制御され、上半身支持部分31及び臀部支持部分32が所望の傾斜の程度に固定されたり当該固定が解除されたりする。
図に示す例では、把持バー7に対して回動可能であるように取り付けられる操作レバー7aの操作によってガススプリング13のプッシュバルブが動作するように構成される。
図に示す例では、具体的には、操作レバー7aに対してワイヤ(図示していない)の一端が連結され、また、ガススプリング13のプッシュバルブを押すように動作し得る態様で設けられる操作片16が前記ワイヤの他端に連結される。
把持バー7と操作レバー7aとが一緒に握り絞られることにより、ワイヤを介して操作片16が動作し、プッシュバルブが押し込まれてガススプリング13のロックが解除され、ガススプリング13が伸縮可能な状態になる。
一方、操作レバー7aが放されて絞りが解放されることにより、操作片16によるプッシュバルブの押し込みが解放されてガススプリング13がロックされ、ガススプリング13が伸縮不能な状態になる。
例えば、ストレッチャは、ベッド形態(例えば図1)から椅子形態(例えば図7)へと変形する際に、把持バー7と操作レバー7aとが一緒に握り絞られてロックが解除された状態で把持バー7と操作レバー7aとが一緒に握られたまま上半身支持フレーム1(支持部1a)が引き起こされ、第一のマット34のうちの上半身支持部分31に相当する部分が傾斜するように立てられて臀部支持部分32に対して上半身支持部分31が傾斜させられる。この状態で操作レバー7aが放されて絞りが解放されることにより、ストレッチャは椅子形態のまま固定される。
ストレッチャは、また、椅子形態(例えば図7)からベッド形態(例えば図1)へと変形する際に、把持バー7と操作レバー7aとが一緒に握り絞られてロックが解除された状態で把持バー7と操作レバー7aとが一緒に握られたまま上半身支持フレーム1(支持部1a)が引き倒され、第一のマット34のうちの上半身支持部分31に相当する部分が倒されて臀部支持部分32と上半身支持部分31とが水平にされる(即ち、第一のマット34全体が平らにされる)。この状態で操作レバー7aが放されて絞りが解放されることにより、ストレッチャはベッド形態のまま固定される。
また、ベッド形態と椅子形態との間の途中の形態として、把持バー7と操作レバー7aとが一緒に握り絞られてロックが解除された状態で把持バー7と操作レバー7aとが一緒に握られたまま上半身支持フレーム1(支持部1a)が傾動させられる。そして、上半身支持部分31が所望の傾斜角度になったときに操作レバー7aが放されて絞りが解放されることにより、上半身支持部分31が所望の傾斜角度のまま固定される。
第一のマット34のうちの臀部支持部分32に相当する部分の下方に、第一のマット34のうちの上半身支持部分31に相当する部分の傾斜動作と脚支持部分33を構成する第二のマット35の傾斜動作とを連動させるための連係リンク6が設けられる。
連係リンク6は、ストレッチャがベッド形態から椅子形態へと変形する際に臀部支持部分32に対して上半身支持部分31が次第に折れ曲げられると同時に脚支持部分33を臀部支持部分32に対して次第に折り曲げ、また、ストレッチャが椅子形態からベッド形態へと変形する際に臀部支持部分32と上半身支持部分31とが次第に平らにされると同時に脚支持部分33を臀部支持部分32に対して次第に平らにするためのものであり、つまり、臀部支持部分32に対する上半身支持部分31の傾斜動作と脚支持部分33の傾斜動作とを連動させるためのものである。
連係リンク6は、上半身支持部分31と脚支持部分33との間に介在するように、上半身支持フレーム1と脚支持フレーム2とのそれぞれに連結される。
連係リンク6の一端部(別言すると、後端部)は、上半身支持フレーム1に対し、当該上半身支持フレーム1のガイドアーム部1cの、屈曲部1bとベアリング12との間に於いて、左右方向に沿って配設される回動軸8を介して回動可能であるように連結される。
連係リンク6の他端部(別言すると、前端部)は、脚支持フレーム2に対し、当該脚支持フレーム2のアーム部2cの先端部(別言すると、前端部,下端部)に於いて、左右方向に沿って配設される回動軸9を介して回動可能であるように連結される。
以上のように構成された座部と背部との連動機構やストレッチャによれば、部材同士の単なる連結構造というシンプルな連結構造によって上半身支持フレーム1(支持部1a)・上半身支持部分31の傾斜動作と基部36・臀部支持部分32の傾斜動作とを連動させることができる。このため、種々の機器へと組み込まれる連動機構としての汎用性の向上を図ることが可能になる。
以上のように構成された座部と背部との連動機構やストレッチャによれば、また、傾動ガイド部11/係合長孔11の湾曲形状の曲率半径が調整されることによって上半身支持フレーム1(支持部1a)・上半身支持部分31の傾斜(別言すると、角度変化)の度合いに対する基部36・臀部支持部分32の傾斜(別言すると、角度変化)の度合いを任意に調節することができ、例えば上半身支持フレーム1(支持部1a)・上半身支持部分31の傾斜動作の初期段階において基部36・臀部支持部分32の傾斜を大きくして患者のずり落ちを防止するようにすることもできる。このため、連動機構が組み込まれる種々の機器の安全性や使用の快適性の向上を図ることが可能になる。
なお、上述の実施形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。
例えば、上述の実施形態では本発明に係る座部と背部との連動機構の実施形態の一例が図1や図7などに全体構造を示すストレッチャに組み込まれている場合を例に挙げて説明したが、本発明に係る座部と背部との連動機構が組み込まれ得るストレッチャは図1や図7などに全体構造を示すストレッチャに限られるものではなく、さらに言えば、本発明に係る座部と背部との連動機構が組み込まれ得る機器はストレッチャに限られるものではなく、患者の主に上半身を支える上半身支持部分(別言すると、背部)の傾斜動作と主に臀部を支える臀部支持部分(別言すると、座部)の傾斜動作とが連動するように構成され得る多様な機器(具体的には例えば、治療台,術後のリカバリチェア,リラックスチェア,及び透析用椅子などが挙げられる)に本発明に係る座部と背部との連動機構は組み込まれ得る。
上記とも関連し、上述の実施形態では連係リンク6によって上半身支持部分31の傾斜動作と脚支持部分33の傾斜動作とを連動させるようにしているが、上半身支持部分31と脚支持部分33とが連動して傾斜することは本発明において必須の構成ではなく、上半身支持部分31と脚支持部分33とは連動しなくても良く、また、脚支持部分33は常に傾斜していたり常に水平であったりしても良く、さらに言えば、上述の実施形態における脚支持部分33に相当する部材をそもそも有しない(即ち、本発明に係る座部と背部との連動機構が、例えば、フットレストを備えない単なるリクライニングチェアの類いに組み込まれる)ようにしても良い。
また、上述の実施形態では昇降側支柱42にガイドフレーム10が取り付けられた上で当該ガイドフレーム10に傾動ガイド部11が設けられるようにしているが、傾動ガイド部11が設けられる態様は上述の実施形態における態様に限定されるものではなく、上述の実施形態における昇降側支柱42に相当する部材に傾動ガイド部11が直接設けられる(即ち、上述の実施形態におけるガイドフレーム10に相当するような別部材は用いられない)ようにしても良い。
上記も踏まえ、本発明に係る座部と背部との連動機構は下記のように一般化される。まず、上半身支持フレーム1は第一傾動部材,上半身支持フレーム1の支持部1aは傾動部,上半身支持フレーム1のガイドアーム部1cはアーム部,基部36は第二傾動部材,第三の回動軸5は第二傾動部材の回動中心軸,第一の回動軸3は第一傾動部材と第二傾動部材との連結回動軸,傾動ガイド部11/係合長孔11は傾動ガイド部,さらにベアリング12は係合部として一般化される。そして、本発明に係る座部と背部との連動機構は、傾動部とアーム部とが連接して構成されると共にアーム部に係合部が設けられる第一傾動部材と、回動中心軸によって回動可能に設けられる第二傾動部材と、第一傾動部材の係合部が移動可能に係合する傾動ガイド部と、第一傾動部材と第二傾動部材とを相互に回動可能に連結する連結回動軸とを有し、第一傾動部材が傾斜動作すると第一傾動部材の係合部が傾動ガイド部を伝って移動すると共に連結回動軸が移動して第二傾動部材が傾斜動作するものであると一般化され、特に、曲率半径が一定でない湾曲形状に傾動ガイド部が形成されるものであると一般化される。なお、上記の構成において、傾動ガイド部は回動中心軸に対する相対位置が固定されて設けられ、一方、連結回動軸は回動中心軸に対する相対位置が移動し得る。
また、本発明に係る座部と背部との連動機構は、連係リンク6によって上半身支持部分31の傾斜動作と脚支持部分33の傾斜動作とを連動させるようにする場合については下記のように一般化される。まず、脚支持フレーム2は第三傾動部材,脚支持フレーム2の支持部2aは傾動部,脚支持フレーム2のアーム部2cはアーム部,第二の回動軸4は第二傾動部材と第三傾動部材との連結回動軸(「第二連結回動軸」と呼ぶ),連係リンク6はリンク部材として一般化される。そして、傾動部とアーム部とが連接して構成される第三傾動部材と、第二傾動部材と第三傾動部材とを相互に回動可能に連結する第二連結回動軸と、第一傾動部材のアーム部と第三傾動部材のアーム部とを連結するリンク部材とを更に有し、第一傾動部材が傾斜動作すると第一傾動部材のアーム部が回動してリンク部材を介して第三傾動部材のアーム部が回動して第三傾動部材が傾斜動作するものであると一般化される。