JP4404477B2 - 水流バルブ取り付けシステム - Google Patents

Description

【０００１】
［発明の背景］
本発明は、トイレのタンクからの水の流出（水流）を制御する水流バルブに関する。本発明は、特に、トイレが製造された後にタンクに水流バルブを簡単に取り付けることができない構造を有する「一体型」トイレと共に利用される。
【０００２】
殆どの一体型トイレの場合に、水槽底側壁の下側には出入りできない。その理由は、タンクからトイレ便器及び／又はトイレ吸管支持部への管はタンクの下側に直接鋳造されているからである。
【０００３】
このようなトイレの場合に、従来の水流バルブをタンクの底にある隠れた孔に取り付けることは一層困難である。タンクの底側壁の下側に簡単に到達する方法がない場合、底側壁の下側にナットを配置し、そのナットをタンク壁の下にあるバルブハウジングの端に通すことは非常に困難である。
【０００４】
そのため、配管業界では、見えないところにある流出孔に非常に適した水流バルブ取り付けシステムが開発されている。米国特許第4,433,446号には、水流バルブ組立体をトイレタンク壁に連結する目隠し（ブラインド）式取り付けシステムが開示されている。このシステムは、一部の断面形状の低い設計に有効であるが、タンクの垂直壁への連結が行なえる目隠し取り付けシステムが依然として要求されている。
【０００５】
垂直タンク壁連結を備えた一体型トイレの利点は、従来のフード板が不要になる点である。これにより、水流が通過し、バルブ取り付け面が設けられている底側水平壁がタンク部に備えられる。底側タンク壁がリムの上部よりも下にある一体型トイレの場合、フード板のような付加的な部品を形成する必要がある。
【０００６】
したがって、改良された水流バルブ取り付け組立体を提供することが求められる。
【０００７】
［発明の概要］
一面において、本発明は、水流バルブをトイレタンクの本質的に垂直壁に連結する水流バルブ取り付けシステムを提供する。流出口はタンクの垂直壁に製作される。水流バルブは流出口を通って延びるハウジングを有し、ハウジングは壁の外側に放射外方に延在する突起部が設けられる。上記ハウジングは、上記突起部が上記流出口を通過できる第１の位置と、上記突起部が上記壁の外側に引っ掛る第２の位置との間で回転可能である。排水管部材は、上記水流バルブの上記ハウジングと流動的に連通し、少なくとも２個の垂直方向に離間したクリップ部材を備える。上記ハウジングは上記排水管部材と上記流出口との間に延在する管（水路）を有する。フラッパーバルブは、上記クリップ部材の中の少なくとも一つに連結され、上記管の上に着座するよう構成され配置されている。
【０００８】
好ましい実施例において、水流バルブ取り付けシステムは、上記排水管部材の外側に沿って垂直方向に離間し、上記管の反対側で上記排水管部材の壁に配置された複数のクリップ部材を含む。
【０００９】
一局面において、水流バルブ取り付けシステムは、上記トイレタンクの内側垂直壁に押圧するよう適合し、上記タンクの壁の上記流出口を囲むよう適合し、上記流出口と揃えられた中心孔が設けられた弾性シールを更に有する。
【００１０】
他の局面において、上記水流バルブ取り付けシステムの上記ハウジングは、上記排水管部材の流入口に対し本質的に９０°で配置された流出口を有する。
【００１１】
更に他の局面において、上記トイレタンクは、低い断面形状タイプの一体型トイレの一部を形成する。
【００１２】
したがって、本発明の目的は以下の通りである。
【００１３】
ａ．トイレタンクの垂直壁に形成された隠れた孔に取り付けることができる上記のタイプの水流バルブ組立体を提供すること
ｂ．フラッパーバルブに対し高さ調節を行なうことができる上記のタイプの水流バルブ組立体を提供すること
ｃ．弁座の高さと、排水管部材の高さが種々の鋳造コアを用いることによって簡単に調節できる上記のタイプの水流バルブ組立体を提供すること
ｄ．バルブの排水容量がフラッパーバルブの構造によって制限されない上記のタイプの水流バルブ組立体を提供すること
ｅ．排水管が高さ調節と、フラッパーバルブ用のストップ及びガイドとして働く上記のタイプの水流バルブ組立体を提供すること
ｆ．垂直壁との連結がこの種の従来の連結方式よりも効率的に行なわれる上記のタイプの水流バルブ組立体を提供すること
［好ましい実施例の説明］
図１を参照するに、「一体型」トイレ１０は、流出路１６に通じる流出口１５が設けられた垂直壁１４を備えたタンク部１１を含む。流出路１６は一体型トイレのリム１２に通じる。
【００１４】
水流バルブ組立体２０は、クリップ部材２４によってフラッパーバルブ２２が連結された排水部材若しくは排水管２１を有する。フラッパーバルブ２２は、多数の従来の移動機構の中の一つの機構（図示しない）によって台座に着座し、台座から離れることに注意する必要がある。この点に関して、タンクが満たされるとき、フラッパーバルブは図１の実線で示された位置にあり、水がタンクから送出されるとき、フラッパーバルブは破線で示されるように（フラッパーバルブの上部に取り付けられた鎖を用いることによって）台座から離される。
【００１５】
図２乃至４を参照するに、水流バルブ組立体２０は、円筒形流入管２７を備えたハウジング２６を有し、流入管２７の上端がフラッパーバルブ２２の弁座になる。ハウジング２６から、フランジ２９と、突起部３２とが延びる。これらの突起部は、垂直壁１４のキー溝に嵌まるように寸法が決められる。
【００１６】
図４に最も明瞭に示されるように、水流バルブ組立体がタンク部１１の垂直位置にあるとき、キー溝２４は突起部３２から外れている。したがって、水流バルブ組立体を連結する必要がある場合、水流バルブ組立体は突起部３２がキー溝３４と整列するように傾けられる。水流バルブ組立体は、次に、突起部３２が壁１４の反対側に通り抜けるまで内向きに動かされる。この段階で、水流バルブハウジングは直立位置まで回転され、これにより、壁１４の反対側とフランジ２９の間にシール３０が挟まれた状態で突起部が壁１４の反対側と係合する。この状態は図２に示されている。
【００１７】
図５乃至８と組み合わせて図２を参照するに、フラッパーバルブ２２の排水管２１の裏側壁３６への取り付けが示される。図２からわかるように、フラッパーバルブ２２は、支持部４３に相互連結された２本のアーム部４０及び４１を有する。本例の場合に、フラッパーバルブ２２は弾性材により作られる。アーム部４０及び４１は、本質的に平坦なリム部４５に連結され、リム部４５は円筒形管２７の上部に着座し、この上部を封止する（図３を参照のこと）。図５及び６には、クリップ部材２４の通常の設置位置にあるフラッパーバルブの支持部４３が示されている。支持部４３をクリップ部材２４に位置決めするため、支持部４３は、図７及び８に示されるように、延長若しくは伸長される。これにより、支持部４３は、Ｃ字型クリップ部材２４の開口部を通過できる。
【００１８】
図９には、水流バルブ組立体１０Ａの別の実施例が示されている。図９の水流バルブ組立体１０Ａにおいて、図１に示された水流バルブ組立体１０の部品と類似した部品は、末尾に“Ａ”が付された点を除いて同じ番号で示される。両方の水流バルブ組立体の相違点は、水流バルブ組立体１０Ａの方が、長い、すなわち、高い排水管２２Ａと円筒形ハウジング拡張部５０Ａとを有することである。この円筒形ハウジング拡張部５０Ａはフラッパーバルブ２２Ａとリム部４５Ａのための弁座を設ける。このハウジング拡張部５０Ａは、バルブ組立体２０内の円筒形管２７の延長部分である。水流バルブ組立体１０と水流バルブ組立体１０Ａを比較すると、排水管とハウジング拡張部５０Ａが高くなった点を除いて同じ部品を含むことが認められる。これは本発明の重要な特徴である。なぜならば、フラッパーバルブの二つのバージョンが種々の鋳型コアの調節だけによって製作され得るからである。これにより、水流バルブを異なるタンク構造を有する一体型トイレに使用できるようになる。
【００１９】
本発明の別の利点は、クリップ部材を排水管の裏側に設置する際に得られる。排水管の裏側へのクリップ部材の配置は、ストップとして排水管の表側を使用し、アーム部４１及び４２のガイドとして排水管の側面を使用する点が有利である。この点に関しては、図１及び図９に示されている。
【００２０】
上述の通り、水流バルブ組立体を垂直壁に配置することによって、ガラス状の取り付け面がトイレの上部リムの下にある場合に、フード板を製造する必要がなくなる。
【００２１】
垂直取り付け設計の別の利点は、フラッパーバルブの錐体によってバルブの排水容量が邪魔されないように保たれることである。従来の水流バルブは、排水のサイズではなく、フラッパーの錐体構造により制限されているのに対し、垂直取り付け水流バルブの排水は、バルブの非常に大きい水平部分に送り出されるので、フラッパーの錐体ではなく、排水のサイズだけによって制限される。
【００２２】
本発明の更に別の重要な特徴は、垂直取り付け水流バルブ組立体が、三角形状のワンケルタイプの孔ではなく、キー状の孔に備え付けられることである。これにより、垂直バルブは、より小さいタブと、より小さいガスケット若しくはシールを使用できるようになる。したがって、必要とされる取り付け表面が小さくなる。
【００２３】
本発明は、説明した具体的な実施例以外の形態で実現できることが認められる。たとえば、ハウジング上に複数の突起部が存在することは重要でない。１個若しくは２個の突起部で十分である。また、拡張可能若しくは伸長可能な支持部を有するような特定のタイプのフラッパーを利用する必要がない。フラッパーは、排水管の裏側でクリップ部材に取り付けられるよう適合しているだけで十分である。そのため、上記の実施例には、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変形及び変更がなされる。このような変形及び変更は、本発明に含まれることが意図される。したがって、本発明は上記の例示によって制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明を具現化する水流バルブ組立体が装着された一体型トイレの断面図である。
【図２】 図１に示された水流バルブ組立体の組立図である。
【図３】 トイレタンクの垂直壁に連結された水流バルブ組立体を示す拡大断面図である。
【図４】 図１の線４−４による断面図である。
【図５】 フラッパーバルブの一部分が連結された水流バルブ組立体の排水管の背面図である。
【図６】 図５の線６−６による断面図である。
【図７】 排水管の一つの溝孔に挿入されたフラッパーバルブを示す図５に類似した図である。
【図８】 図７の線８−８による断面図である。
【図９】 本発明を具現化する図１に類似したより大きい水流バルブ取り付け組立体の断面図である。

Claims (9)

1. トイレタンクの流出口が設けられた本質的に垂直の壁に水流バルブを連結する水流バルブ取り付けシステムであって、
   上記流出口を通って延在するよう適合し、上記壁の外側で放射外方に延在する突起部を備えたハウジングを有する水流バルブと、
   上記水流バルブの上記ハウジングと流動的に連通し、少なくとも２個の垂直方向に離間したクリップ部材を備えた排水管部材と、
   上記クリップ部材の中の少なくとも一つに連結され、後記管の上に着座するよう構成、配置されたフラッパーバルブとを含み、
   上記ハウジングは、上記突起部が上記流出口を通過できる第１の位置と、上記突起部が上記壁の外側に引っ掛る第２の位置との間で回転可能であり、
   上記ハウジングは上記排水管部材と上記流出口との間に延在する管を有する、水流バルブ取り付けシステム。
2. 上記クリップ部材は上記排水管部材の外側に沿って垂直方向に離間した複数のクリップ部材によって画成される、請求項１記載の水流バルブ取り付けシステム。
3. 上記クリップ部材は上記管の反対側で上記排水管部材の壁に配置されている、請求項２記載の水流バルブ取り付けシステム。
4. 上記クリップ部材は本質的にＣ字形である、請求項３記載の水流バルブ取り付けシステム。
5. 上記トイレタンクの内側垂直壁に押圧するよう適合し、上記タンクの壁の上記流出口を囲むよう適合し、上記流出口と揃えられた中心孔が設けられた弾性シールを更に有する請求項１記載の水流バルブ取り付けシステム。
6. 上記ハウジングは上記排水管部材の流入口に対し本質的に９０°で配置された流出口を有する、請求項１記載の水流バルブ取り付けシステム。
7. 上記フラッパーバルブは本質的に平坦な形状のバルブシール部を有する、請求項１記載の水流バルブ取り付けシステム。
8. 上記トイレタンクは一体的なタンク及び便器を有するトイレの一部を形成する、請求項１記載の水流バルブ取り付けシステム。
9. 上記フラッパーバルブは上記クリップ部材に着座する伸長可能な支持部を有する、請求項１記載の水流バルブ取り付けシステム。

Images