JP4404331B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池、特に、SOFC(Solid Oxide Fuel Cells)などと呼ばれる固体電解質型の燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体電解質型の燃料電池の典型的なセル形式として、円板状の電極付き固体電解質を挟み、その両面側に電池反応空間が形成されるように、円板状のインターコネクタを板厚方向に積層スタック配置する平板タイプが知られている。
【0003】
円板状の電極付き固体電解質は、イットリア安定化ジルコニアなどからなる薄く脆い固体電解質板の一方の表面にアノード電極層を形成し、他方の表面にカソード電極層を形成した円形薄体である。アノード電極層とこれに対向するインターコネクタとの間は燃料ガス側の電池反応空間であり、外周側に開放している。ここには、燃料ガスとしての水素ガスがセル中心部からセル外周部へ向けて流通される。カソード電極層とこれに対向するインターコネクタとの間は酸化ガス側の電池反応空間であり、やはり外周側に開放している。ここには空気等の酸化ガスがセル中心部からセル外周部へ向けて流通される。
【0004】
このように、平板タイプの固体電解質型燃料電池では、円板状の電極付き固体電解質の両面側に形成された2つの電池反応空間を、燃料ガス及び酸化ガスがセル中心部からセル外周部へ並行流的に流れることにより、発電が行われる。両側の電池反応空間には、通気性のある導電体が集電体として配置される。インターコネクタはステンレス鋼などからなる集電体であり、ガス分離板を兼ねることからセパレータとも呼ばれる。
【0005】
このような平板タイプの固体電解質型燃料電池で問題となる現象の一つは、電極付き固体電解質に生じる熱応力である。即ち、電極付き固体電解質の両面側に形成された2つの電池反応空間をセル中心部からセル外周部へ並行流的に流れる燃料ガス及び酸化ガスは、反応の進行につれて温度が上昇し、電池反応空間から排出された時点で両ガスが合流して燃焼反応を起こす。その結果、電極付き固体電解質は、中心部から外周部にかけて温度が上昇し、中心部近傍に特に大きな熱応力が発生することにより、割れを生じる危険性がある。
【0006】
この問題を解決する一つの手段が、特許文献1に記載された熱交換器の形成であり、今一つの手段が、特許文献2に記載されたセル外周部からのガス導入である。
【0007】
【特許文献1】
特許第3100988号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平8−279364号公報
【0009】
即ち、特許文献1では、燃料ガスをセル中心部から燃料ガス側の電池反応空間に導入すると共に、空気等の酸化ガスをインターコネクタ内に外周部から中心部へ流通させ、中心部で電池反応空間に導入して同空間を中心部から外周部へ流通させる。そして、インターコネクタ内を外周部から中心部へ流通する酸化ガスと、電池反応空間を中心部から外周部へ流通する酸化ガスとを向流形式で熱交換させるという、Uターン形式の酸化ガス熱交換により、電池反応空間に流入する酸化ガスを予熱する。これにより、電池反応空間を中心部から外周部へ流通する酸化ガスの温度分布が均一化され、電極付き固体電解質の径方向温度勾配が緩和される。
【0010】
他方、特許文献2では、インターコネクタの外周部に燃料ガス導入孔及び酸化ガス導入孔が、板厚方向に貫通して設けられると共に、隣接するインターコネクタ間に配置されたスリーブ状のスペーサにより、対応するガス導入孔が積層方向に連通して積層方向のマニホールドを形成する。そして、燃料ガス導入孔及び酸化ガス導入孔に連通する径方向の流路がインターコネクタ内に形成されることにより、電極付き固体電解質の中心部に対して両面側から燃料ガス及び酸化ガスが導入される。その結果、電極付き固体電解質の中心部においてはガス孔が不要となり、この点から電極付き固体電解質の割れが防止される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されているように、インターコネクタに酸化ガスのUターンによる熱交換部を形成することにより、電極付き固体電解質の径方向温度勾配が緩和される。しかしながら、インターコネクタ内に酸化ガスを導入するにあたり、インターコネクタの外周面に口金を取付けてガス導入を行うため、インターコネクタが厚み方向に大型化すると共に、口金による径方向の寸法増大も避けられない。その結果、セルが径方向及び積層方向に大型化する問題がある。
【0012】
即ち、インターコネクタに熱交換部を形成することにより、そのインターコネクタは厚くなる。しかし、本発明者の調査によると、熱交換部の形成によるインターコネクタの厚肉化よりも、インターコネクタの外周面に口金を取付けることによる厚肉化の方が格段に大きく、本来の熱交換機能の面からではなく、付帯設備の面からインターコネクタが必要以上に厚肉化していることが判明した。
【0013】
また、電極付き固体電解質の径方向温度勾配を緩和する効果も不十分であることが判明した。
【0014】
特許文献2に記載されている対策は、電極付き固体電解質の中心部からガス孔を排除することにより、電極付き固体電解質の径方向温度勾配による応力集中は緩和できる。しかしながら、径方向温度勾配自体を緩和する機能は持ち合わせない。
【0015】
本発明の目的は、Uターンによる熱交換により電極付き固体電解質の径方向温度勾配を効果的に緩和でき、しかも、熱交換部の形成による大型化を効果的に回避できる燃料電池を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池は、板状の電極付き固体電解質を挟み、その両面側に電池反応空間が形成されるように、板状のインターコネクタを板厚方向に積層し、電極付き固体電解質を挟む一方の電池反応空間に燃料ガスを中心部から周辺部へかけて流通させ、他方の電池反応空間に酸化ガスを中心部から周辺部へかけて流通させると共に、前記インターコネクタを前記電極付き固体電解質の外縁より外側に張り出し、インターコネクタ周辺部間の電極付き固体電解質外縁より外側で未反応の燃料ガス及び酸化ガスを燃焼させる平板タイプの固体電解質型燃料電池において、前記インターコネクタの周辺部に燃料ガス導入孔及び酸化ガス導入孔を、板厚方向に貫通して設けると共に、隣接するインターコネクタ間に設けられた接続スリーブにより、対応するガス導入孔を積層方向に連通させて積層方向のマニホールドを形成し、更に、各ガス導入孔から導入される各ガスをインターコネクタ内の周辺部から中心部へ導き、それらのガスを、それぞれの電池反応空間を中心部から周辺部へ流通する各ガスと熱交換させる、Uターン形式の向流型熱交換部をインターコネクタの周方向全域に形成したものである。そして、前記Uターン形式の向流型熱交換部は、本発明の燃料電池では、前記電極付き固体電解質の外縁より外側に張り出して前記電極付き固体電解質外側の燃焼領域に臨んでいる。
【0017】
本発明の燃料電池においては、燃料ガス導入及び酸化ガス導入に関し、積層方向のマニホールドが形成される。このマニホールドは、板状のインターコネクタの外縁内に収まり、外側への張り出しを伴わない上に、口金によるインターコネクタの厚肉化を伴わない。Uターン形式の向流型熱交換部が、酸化ガスだけでなく、燃料ガス及び酸化ガスの両方について形成されるので、電極付き固体電解質の温度勾配を緩和する効果が向上する。これにより、電極付き固体電解質の割れが効果的に防止される。燃料ガス及び酸化ガスの両方がインターコネクタの周辺部から導入されるため、電極付き固体電解質においては中心部のガス孔が不要となり、この点からも電極付き固体電解質の割れ防止が図られる。
【0018】
前記インターコネクタは導電性の円形薄板からなり、且つ当該インターコネクタを周方向に区画して形成され全体で当該インターコネクタの周方向全域に形成された複数の扇形の熱交換部を有し、扇形の各熱交換部は、その外周側に位置してインターコネクタの外周部に設けられた対応ガスの導入孔と連通する構成が、熱交換性の点から好ましい。
【0019】
ここで、前記扇形の熱交換部は、各ガスがインターコネクタ内の扇形の領域を円周方向に往復しつつ外周側から内周側へ流通するガス流路により形成された構成が、熱交換性の点から好ましい。
【0020】
本発明の燃料電池においては更に、前記熱交換部は、前記電極付き固体電解質の外縁より外側に張り出して前記電極付き固体電解質外側の燃焼反応領域に臨む。即ち、電池反応空間を通過した未反応の燃料ガス及び酸化ガスは、インターコネクタ周辺部間の電極付き固定電解質外縁より外側で燃焼反応をおこす。熱交換部が電極付き固定電解質の外縁より外側に張り出し、未反応の燃料ガス及び酸化ガスの燃焼反応領域に臨む構成により、インターコネクタに導入された燃料ガス及び酸化ガスは、燃焼反応により効率的に加熱されることになる。また、積層方向のマニホールド形成により、この張り出し構造によっても横方向の寸法増大は最小限に抑制される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す燃料電池セルの縦断面図、図2は燃料電池セルの別の縦断面図、図3は図1中のC−C線矢示図、図4(a)(b)はインターコネクタの分割構造を示す縦断面図であり、図1は図3中のA−A線矢示図、図2は図3中のB−B線矢示図に相当する。
【0022】
本実施形態の燃料電池は、図1及び図2に示すように、円板状の電極付き固体電解質10を間に挟み、その両面側に電池反応空間20A,20Bを形成するように、所定枚数のインターコネクタ30が板厚方向に所定間隔で積層されたセル構造を有している。隣接するインターコネクタ30,30の間には、電極付き固体電解質10と共に、複数の接続スリーブ40が電極付き固体電解質10を取り囲むように配置されている。また、電池反応空間20A,20Bには、スペーサを兼ねる通気性の集電体50A,50Bが配設されている。
【0023】
電極付き固体電解質10は、イットリア安定化ジルコニアなどからなる薄い固体電解質板の一方の表面にアノード電極層を形成し、他方の表面にカソード電極層を形成した円形薄板である。電極付き固体電解質10の厚みは通常0.05〜2mmである。
【0024】
インターコネクタ30は、図3に示すように、耐食性、耐熱性に優れたステンレス鋼などの導電性材料からなる円形薄板であり、その直径D2は電極付き固体電解質10の直径D1より大きく設定されており、これにより、インターコネクタ30は電極付き固体電解質10の外周縁より外側に張り出している。インターコネクタ30の外周部(周辺部)には、板厚方向に貫通する燃料ガス導入孔31A及び酸化ガス導入孔31Bが周方向に等間隔で設けられており、ここでは90度間隔で設けられている。インターコネクタ30の中心部及び外周部を除く環状部分には、燃料ガス及び酸化ガスの各Uターンによる向流形式の熱交換部32A及び32Bが、燃料ガス導入孔31A及び酸化ガス導入孔31Bに各対応して等角度で形成されている。
【0025】
熱交換部32Aは燃料ガス用であり、熱交換部32Bは酸化ガス用である。これらの熱交換部は、インターコネクタ30の前記環状部分を周方向で等角に区分して形成される扇形である。そして、この扇形の領域に径方向リブ及び周方向リブの組み合わせによって両表面に平行なガス流路33A及び33Bを形成すると共に、ガス流路33A及び33Bを挟む両面側の壁厚を薄くすることにより、熱交換部32A及び32Bは構成されている。
【0026】
インターコネクタ30内のガス流路33A及び33Bは、何れも対応ガスが円周方向に往復しながら外周側から内周側へ向かう構成であり、外周側の燃料ガス導入孔31A及び酸化ガス導入孔31Bと連通している。ガス流路33A及び33Bの内周側は、インターコネクタ30の中心部に設けられた燃料ガス導出孔34A及び酸化ガス導出孔34Bと連通している。燃料ガス導出孔34A及び酸化ガス導出孔34Bは、ガス流路33A及び33Bに対応して周方向に等角配置された板厚方向のガス孔であるが、燃料ガス導入孔31A及び酸化ガス導入孔31Bのような貫通孔ではなく、一方は電池反応空間20Aの側にのみ、もう一方は電池反応空間20Bの側にのみ開口している。
【0027】
熱交換部32A及び32Bは、インターコネクタ30の前記環状部分に全周にわたって形成されている。熱交換部形成領域の直径D3は、電極付き固体電解質10の直径D1より大きく設定されており、これにより、熱交換部32A及び32Bは電極付き固体電解質10の外周縁より外側に張り出している。
【0028】
隣接するインターコネクタ30,30は、電極付き固体電解質10の両側に配置された集電体50A,50Bにより所定の間隔を保持している。これにより、電極付き固体電解質10のアノード電極層とこれに対向するインターコネクタ30との間には、外周側に開放する所定厚の燃料ガス側の電池反応空間20Aが形成されることになり、電極付き固体電解質10のカソード電極層とこれに対向するインターコネクタ30との間には、外周側に開放する所定厚の酸化ガス側の電池反応空間20Bが形成されることになる。
【0029】
電池反応空間20A,20Bに配置される集電体50A,50Bは導電性、通気性、耐熱性及び剛性を有する必要から、ここでは金属メッシュからなるが、インターコネクタ30の裏面に一体的に形成されたリブなどで構成することも可能である。
【0030】
接続スリーブ40は、隣接するインターコネクタ30,30間の電気的短絡を防止するためにセラミックスなどの電気的絶縁材料により構成されており、隣接するインターコネクタ30,30の対応する燃料ガス導入孔31A,31A同士、及び酸化ガス導入孔31B,31B同士をそれぞれ接続している。これにより、インターコネクタ30の積層方向に連続する燃料ガス導入用のマニホールド60A、及び酸化ガス導入用のマニホールド60Bが、インターコネクタ30の積層空間内に形成されている。
【0031】
なお、インターコネクタ30は、例えば図4(a)に示すように、2枚の薄板30a,30bを積層することにより作製される。即ち、一方の薄板30aの表面には、ガス流路33A及び33Bに対応する凹部がエッチング等により形成されており、その表面に他方の薄板30bを拡散接合やろう付けなどで接合することにより、ガス流路33A及び33Bを有するインターコネクタ30が作製される。
【0032】
これ以外には、例えば図4(b)に示すように、3枚の薄板30c,30d,30eを積層することによっても、インターコネクタ30は作製される。後者のインターコネクタ30では、中間の薄板30dに、ガス流路33A及び33Bに対応する抜き部がエッチング等により形成されており、その両面に薄板30c,30eを拡散接合やろう付けなどで接合することにより、ガス流路33A及び33Bを有するインターコネクタ30が作製される。
【0033】
次に、本実施形態の燃料電池の機能について説明する。
【0034】
燃料ガス導入用のマニホールド60Aに燃料ガスとしての水素ガスが導入され、酸化ガス導入用のマニホールド60Bに酸化ガスとしての空気が導入される。マニホールド60Aに導入された水素ガスは、インターコネクタ30の燃料ガス導入孔31Aからインターコネクタ30内のガス流路33Aに流入し、ここを外周部から内周部に向けて流通する。その後、燃料ガス導出孔34Aから電極付き固体電解質10の燃料電極側(図1及び図2では上側)に位置する電池反応空間20Aの中心部に流入し、この電池反応空間20Aを中心部から外周部に向けて流通する。
【0035】
一方、マニホールド60Bに導入された水素ガスは、インターコネクタ30の酸化ガス導入孔31Bからインターコネクタ30内のガス流路33Bに流入し、ここを外周部から内周部に向けて流通する。その後、酸化ガス導出孔34Bから電極付き固体電解質10の酸化電極側(図1及び図2では下側)に位置する電池反応空間20Bの中心部に流入し、この電池反応空間20Bを中心部から外周部に向けて流通する。
【0036】
これにより、電極付き固体電解質10を挟む電池反応空間20A,20Bを水素ガス及び空気が中心部から外周部へ並行流的に流通することになり、その結果、発電が行われ、これらを挟む1組のインターコネクタ30,30間に起電力が生じる。
【0037】
電池反応空間20A,20Bを放射状に流通する水素ガス及び空気は中心部から外周部へ至るにつれて温度を上げ、電池反応空間20A,20Bの外側(電極付き固体電解質10の外周縁より外側)に排出された段階で燃焼反応を起こす。これのような水素ガス及び空気の温度勾配が原因で電極付き固体電解質10には径方向の温度勾配が生じ、これが割れの原因になるが、本実施形態の燃料電池では、ガス流路33A,33Bにより熱交換部32A,32Bが形成され、熱交換部32A,32Bを外周部から内周部に向けて流通する水素ガス及び空気が、電池反応空間20A,20Bを中心部から外周部へ温度を上げながら流通する水素ガス及び空気と向流形式で熱交換し予熱される。
【0038】
このような水素ガス及び空気の予熱により、電池反応空間20A,20Bに流入する水素ガス及び空気の温度が上がり、電池反応空間20A,20Bにおける水素ガス及び空気の温度勾配が緩和される。その結果、電極付き固体電解質10における径方向の温度勾配が緩和され、電極付き固体電解質10の割れが効果的に防止される。
【0039】
しかも、本実施形態の燃料電池では、熱交換部32A,32Bがインターコネクタ30の全周にわたって全面的に形成されているので、熱交換効率が高い。また、熱交換部32A,32Bが電池反応空間20A,20Bの外側(電極付き固体電解質10の外周縁より外側)に張り出し、燃焼領域に臨んでいる。これにより、水素ガス及び空気の予熱効率が上がり、この点からも熱交換効率が向上する。従って、電極付き固体電解質10の割れの危険性が一層が低下する。
【0040】
これに加え、燃料ガス導入用のマニホールド60A及び酸化ガス導入用のマニホールド60Bが、インターコネクタ30の積層空間内に積層方向へ形成されている。このため、インターコネクタ30内の熱交換部32A,32Bに、燃料ガス及び酸化ガスを外周部から内周部へ流通させる構成であるにもかかわらず、インターコネクタ30の外周面にガス導入用の口金が不要となる。その結果、インターコネクタ30の厚みが純粋に熱交換の観点から設定できるようになり、インターコネクタ30の必要以上の厚肉化が回避される。また、インターコネクタ30の外周側への張り出しも回避される。
【0041】
従って、インターコネクタ30内に高効率な熱交換部32A,32Bを保有する構成でありながら、セル規模は径方向及び積層方向とも小さく抑制されることになる。
【0042】
ちなみに、インターコネクタ30の厚みは、熱交換部32A及び32Bを含めて0.6〜6mmが好ましい。なぜなら、これが薄すぎると表面酸化による耐久性の低下などが問題になり、厚すぎる場合は積層方向の寸法増大が問題になるからである。ガス流路33A及び33Bを挟む両面側の壁厚は0.2〜2mmが好ましい。なぜなら、これが薄すぎると表面酸化による耐久性の低下などが問題になり、厚すぎる場合は伝熱効率の低下が問題になるからである。また、ガス流路33A及び33Bの厚みは0.2〜2mmが好ましい。なぜなら、これが薄すぎると圧力損失の増大が問題になり、厚すぎる場合は積層方向の寸法増大やガス流の不均一分布が問題になるからである。
【0043】
インターコネクタ30における熱交換部形成領域の直径D3の好ましい範囲は、電極付き固体電解質10の直径D1に対する倍率で表して1.05〜1.5であり、特には1.1〜1.3である。なぜなら、D3が小さいと燃焼による十分なガス予熱を期待できなくなり、大きい場合はセル積層時の径方向寸法が必要以上に増大するからである。
【0044】
電池反応空間20A,20Bの各厚みは0.2〜2mmが好ましい。なぜなら、これが薄すぎると圧力損失の増大が問題になり、厚すぎる場合はセル積層方向の寸法増大やガス流の不均一分布が問題になるからである。
【0045】
なお、上記実施形態では、インターコネクタ30を周方向に4等分して90度角の燃料ガス用熱交換部32Aを2つ、90度角の酸化ガス用熱交換部32Bを2つ対角的に形成したが、周方向の区分数はこれに限るものではなく、6分割、8分割等でもよい。また、区分角度は燃料ガス用熱交換部32Aと酸化ガス用熱交換部32Bで同じにする必要はなく、前者より後者を大きくすることも可能であり、両ガスの流量の違いを考慮するならば、むしろ燃料ガス用熱交換部32Aより酸化ガス用熱交換部32Bを大きくするほうが好都合といえる。また、周方向の温度分布の点からは、同種の熱交換部を中心を挟む対角位置に配置する構成が好ましい。
【0046】
セル形状については、上記実施形態では円形としたが、角形を排除するものではない。
【0047】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明の燃料電池は、Uターン形式の向流型熱交換部を酸化ガスだけでなく、燃料ガス及び酸化ガスの両方について形成すると共に、両ガスの向流型熱交換部を電極付き固体電解質の外側の燃焼領域に臨ませ、更にその燃料ガスの導入及び酸化ガスの導入に関して、積層方向のマニホールドを形成したので、電極付き固体電解質の径方向温度勾配を効果的に緩和でき、しかも、熱交換部の形成による大型化を効果的に回避できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す燃料電池セルの縦断面図で、図3中のA−A線矢示図である。
【図2】燃料電池セルの別の縦断面図で、図3中のB−B線矢示図である。
【図3】図1中のC−C線矢示図である。
【図4】(a)(b)はインターコネクタの分割構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 電極付き固体電解質
20A,20B 電池反応空間
30 インターコネクタ
31A,31B ガス導入孔
32A,32B 熱交換部
33A,33B ガス流路
34A,34B ガス導出孔
40 接続スリーブ
50A,50B 集電体
60A,60B マニホールド
Claims (6)
- 板状の電極付き固体電解質を挟み、その両面側に電池反応空間が形成されるように、板状のインターコネクタを板厚方向に積層し、電極付き固体電解質を挟む一方の電池反応空間に燃料ガスを中心部から周辺部へかけて流通させ、他方の電池反応空間に酸化ガスを中心部から周辺部へかけて流通させると共に、前記インターコネクタを前記電極付き固体電解質の外縁より外側に張り出し、インターコネクタ周辺部間の電極付き固体電解質外縁より外側で未反応の燃料ガス及び酸化ガスを燃焼させる固体電解質型燃料電池において、
前記インターコネクタの周辺部に燃料ガス導入孔及び酸化ガス導入孔を、板厚方向に貫通して設けると共に、
隣接するインターコネクタ間に設けられた接続スリーブにより、対応するガス導入孔を積層方向に連通させて積層方向のマニホールドを形成し、
更に、各ガス導入孔から導入される各ガスをインターコネクタ内の周辺部から中心部へ導き、それらのガスを、それぞれの電池反応空間を中心部から周辺部へ流通する各ガスと熱交換させる、Uターン形式の向流型熱交換部をインターコネクタの周方向全域に形成し、
前記Uターン形式の向流型熱交換部は、前記電極付き固体電解質の外縁より外側に張り出して前記電極付き固体電解質外側の燃焼領域に臨むことを特徴とする燃料電池。 - 前記電極付き固体電解質は円形薄板である請求項1に記載の燃料電池。
- 前記Uターン形式の向流型熱交換部は、前記インターコネクタの中心部及び周辺部を除く環状部分に全周にわたって設けられている請求項1又は2に記載の燃料電池。
- 前記インターコネクタは導電性の円形薄板からなり、且つ当該インターコネクタを周方向に区画して形成され全体で当該インターコネクタの周方向全域に形成された複数の扇形の熱交換部を有し、扇形の各熱交換部は、その外周側に位置してインターコネクタの外周部に設けられた対応ガスの導入孔と連通する請求項3に記載の燃料電池。
- 前記扇形の熱交換部は、各ガスがインターコネクタ内の扇形の領域を円周方向に往復しつつ外周側から内周側へ流通するガス流路により形成されている請求項4に記載の燃料電池。
- 前記マニホールドは、板状のインターコネクタの外縁内に収まり、外側への張り出しを伴わない請求項1〜5の何れかに記載の燃料電池。
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