JP5131452B2 - 固体電解質型燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の燃料電池ユニットを積層して成るスタック構造体を備えた固体電解質型燃料電池の改良に関するものである。
従来、固体電解質型燃料電池としては、平板型セルの両側にインタコネクタを配置すると共に、セルの両側に燃料ガス及び酸化剤ガスの流路を形成して、これをスタックとし、このスタックを積層すると共に、燃料ガス及び酸化剤ガスの流動方向をスタック毎に変化させることにより、セル間の温度差を小さくして、セル温度の平均化を図ったものがあった(特許文献1参照)。
特開平6−275306号公報
しかしながら、上記したような従来の固体電解質型燃料電池では、燃料ガス及び酸化剤ガスの流動方向をスタック毎に変化させるには、スタック毎にガスの導入部や排出部を異なる配置にする必要上、外部との間のガス流路となる配管数が増大したり配管が複雑になりやすい。このため、実質的には、夫々のガスの流動方向を2方向程度にして、スタック毎にガスの流動方向を交互に変えるような構造にせざるを得なかった。
したがって、従来の固体電解質型燃料電池は、セル温度を平均化するには必ずしも充分なものではなく、セル温度や燃料電池全体の温度の平均化を実現するうえでさらなる改善が要望されていた。
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたもので、燃料電池ユニットを積層して成るスタック構造体を備えた固体電解質型燃料電池であって、ガス流路の構造が簡単であるうえに、スタック構造体の温度のさらなる均一化を実現することができる固体電解質型燃料電池を提供することを目的としている。
本発明の固体電解質型燃料電池は、単セルを保持したセル板とセル板に対向するセパレータ板の外周縁部同士を接合して燃料電池ユニットを構成すると共に、燃料電池ユニットを複数積層してスタック構造体を構成している。
そして、固体電解質型燃料電池は、各燃料電池ユニットに対して燃料ガス及び酸化剤ガスのいずれか一方のガスを流通させるガス流路として、スタック構造体において燃料電池ユニットの積層方向に沿って設けた主流路と、主流路から分岐して個々の燃料電池ユニット内に通じる夫々の支流路を備え、隣接する燃料電池ユニット同士の間で互いの支流路をずらせた配置にした構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
本発明の固体電解質型燃料電池は、ガス流路の構造が簡単であるうえに、各燃料電池ユニットにおけるガスの流れを多方向に設定することが可能となり、燃料電池ユニット間の温度差を小さくして、スタック構造体の温度のさらなる均一化を実現することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の固体電解質型燃料電池の実施形態を説明する。
図1(a)に示す固体電解質型燃料電池は、単セル1を保持したセル板2と、セル板2に対向するセパレータ板3の外周縁部同士を接合して燃料電池ユニットUを構成し、この燃料電池ユニットUを複数積層してスタック構造体Sを構成している。そして、図示しないケースにスタック構造体Sを収容して、燃料電池システムの主要部としている。
単セル1は、いわゆる発電要素であって、固体電解質層を燃料極と空気極で挟んだ構造を有している。セル板2及びセパレータ板3は、金属製であって、例えば単セル1との熱膨張係数を合わせた材料を用いることが望ましく、溶接、ロウ付け又は超音波接合法などの接合手段により互いの外周縁部同士を接合している。このとき、セパレータ板3は、単セル1の燃料極側に対向し、単セル1及びセル板2との間に燃料ガスの流通空間を形成している。なお、燃料電池ユニットUの内部や同ユニットU同士の間には、不織布状や多孔質状の集電体(図示略)を設け、この集電体を介して外部に電力を取り出す。
一例として、単セル1の電解質層の材料は、10モル%イットリア安定化ジルコニアである。燃料極の材料は、ニッケル+イットリア安定化ジルコニアのサーメットである。空気極の材料は、ランタンストロンチュウムマンガナイトである。セル板2及びセパレータ板3の材料はSUS430である。また、燃料電池ユニットU同士はガラス接合する。
上記の燃料電池ユニットUは、その内部に水素を含む燃料ガスを導入して単セル1の燃料極に供給すると共に、ケース内に酸化剤ガス(空気)を導入して単セル1の空気極に供給し、単セル1における電気化学反応により電気エネルギーを発生する。
また、上記の燃料電池ユニットUは、円盤型を成しており、その中央部に、燃料ガスを流通させるガス流路を形成するための扁平円柱状の流路部品4を備えている。
流路部品4は、図1(b)に示すように、ガス流路として、燃料電池ユニットUの中心部に同心配置した貫通孔10Pと、貫通孔10Pから燃料電池ユニットUの半径方向に分岐して燃料電池ユニットU内に通じる導入用支流路10Bを備えている。この流路部品4は、燃料電池ユニットUを積層した状態で、貫通孔10Pが互いに連通して、スタック構造体Sにおいて燃料電池ユニットUの積層方向に沿う導入用主流路10Aを形成する。
また、この実施形態では、ガス流路として、図1(c)に示すように、燃料電池ユニットUの外周部に同心配置した環状の排出用主流路20Aと、排出用主流路20Aから分岐して燃料電池ユニットU内に通じる排出用支流路20Bを備えている。なお、排出用主流路20Aは、例えば流路形成用のケーシングにより形成してある。このケーシングには、各燃料電池ユニットUの空気極に対する酸化剤ガスの流通を妨げないように、適当な位置に開口部を有する。上記の導入用主流路10A及び排出用主流路20Aは、ケース外部との間で燃料ガスを流通させる。
そして、固体電解質型燃料電池は、隣接する燃料電池ユニットU同士の間で、互いの支流路すなわち導入用支流路10B及び排出用支流路20Bをずらせた配置にしており、この際、スタック構造体Sの中心軸回りにずらせた配置にしている。
より具体的には、この実施形態の導入用支流路10B及び排出用支流路20Bは、図1(c)中に矢印で示すように、燃料ガスの導入方向と排出方向とが互いに逆向きになる位置関係にある。図1(c)において左側から上段、中段及び下段の各燃料電池ユニットUを示すように、各支流路10B,20Bが、中心軸回りの同一方向に45度ずつ順次ずれた配置になっている。なお、ここでは3枚の燃料電池ユニットUを図示したが、実際には多数枚を積層し、隣接する燃料電池ユニットU間で各支流路10B,20Bをずらせた配置にする。
上記の構成を備えた固体電解質型燃料電池は、ガス流路の構造が簡単であるうえに、燃料電池ユニットU間の温度差をより小さくして、スタック構造体Sの温度のさらなる均一化を実現することができる。
つまり、この種の燃料電池では、燃料電池ユニットUにおいて、導入した燃料ガスをユニット内のほぼ全域に流した後に排出するのであるが、導入部付近ではガス濃度が高いので発熱量が大きく、排出部付近ではガス濃度が低くなるうえに発電により水蒸気が発生するので発熱量が小さくなる。
このため、積層した燃料電池ユニットUの燃料ガスの導入部と排出部が同じ位置(同じ位相)にあると、図2(b)に模式的に示すように、各燃料電池ユニットUの高温領域Hが積層方向に重なり、燃料電池ユニットU及びスタック構造体Sの温度分布が偏ったものとなる。これにより、局所的な温度差で各部品の歪みや割れが生じたり、局所的な高温で各部品の変形や酸化が生じることがある。
また、燃料電池ユニットU内に局所的な低温領域Cが存在すると、燃料電池ユニットU間は並列接続になるので、単ユニットの出力が低温領域Cから発生する出力値に淘汰される。
これに対して、当該燃料電池は、燃料ガスの導入用及び排出用の支流路10B,20Bを中心軸回りにずらせているので、図2(a)に模式的に示すように、各燃料電池ユニットUの高温領域Hが積層方向に重なることがなく、隣接する燃料電池ユニットU同士の間で、高温領域Hと低温領域Cとが重なって熱交換が行われる。これにより、燃料電池ユニットU及びスタック構造体Sの温度分布が均一なものとなり、各部品の歪みや割れ並びに変形や酸化などを防止することができる。
また、当該燃料電池は、局所的な低温領域Cが解消されるので、単ユニットの出力が向上し、その結果、燃料電池ユニットUを直列に接続したスタック構造体S全体の出力向上も実現できる。
しかも、当該燃料電池では、燃料ガスの導入用のガス流路が、燃料電池ユニットUの中心部に同心配置した主流路10Aと支流路10Bで構成してあると共に、排出用のガス流路が、燃料電池ユニットUの外周部に同心配置した主流路20Aと支流路20Bで構成してあるので、夫々の支流路10B,20Bを中心軸回りにずらせても、夫々の主流路10A,20Aの位置は何ら変化しない。
つまり、各燃料電池ユニットUは、同一構成のものを用いることができ、これらを中心軸回りにずらせて積層すれば、所望のガス流路を備えたスタック構造体Sを簡単に構成することができる。したがって、当該燃料電池は、製造コストの面で有利であって、ガス流路の構造が簡単であるにも関わらず、各燃料電池ユニットUにおけるガスの流れを多方向に設定することを可能にして、電池ユニットU及びスタック構造体Sの温度のさらなる均一化を実現している。
さらに、当該燃料電池は、円盤型の燃料電池ユニットUを用いているので、熱膨張による局所的な応力負荷部分が生じ難く、しかも、中心軸回りにずらせて積層しても、図3(a)に平面を示すように、スタック構造体Sの外観形状に変化が無くて省スペース化に有利である。これに対して、図3(b)に示すように、矩形型の燃料電池ユニットUxを用いた場合には、中心軸回りにずらせて積層すると、スタック構造体Sxの容積が大きくなって省スペース化に不利である。
ここで、燃料電池ユニットUは、単セル1の形状や数を選択することが可能であり、その形態に応じてガス流路の配置も様々なものとなる。
例えば、図4(a)に示す流路部品14は、円盤型の燃料電池ユニットUの中央に設けるものである。この流路部品14は、中心部に、積層状態で主流路Aを形成する中央貫通孔Pcを有すると共に、その周囲に、同じく主流路Aを形成する4つの側部貫通孔Psを90度間隔で有している。側部貫通孔Psは、図4(b)に示すように、その内周縁及び外周縁が中心軸回りの所定角度θに対応する円弧になっている。
また、上記の流路部品14は、中央貫通孔Pcから当該部品の外周側すなわち燃料電池ユニットの内部に至る複数の支流路Bと、側部貫通孔Psから同じく燃料電池ユニットの内部に至る複数の支流路Bを備えている。このような流路部品14は、例えば、中央貫通孔Pcにより形成した主流路Aを導入用にすると共に、側部貫通孔Psにより形成した主流路Aを排出用にしたり、導入用と排出用の関係を逆にしたりすることができる。また、側部貫通孔Psにより形成した主流路Aのいずれかを導入用にして、残りを排出用にするなどの構成としても良い。
さらに、上記の側部貫通孔Psを有する流路部品14を使用する場合には、例えば図5に示すように、側部貫通孔Psにより形成する主流路Aに対して、1つの支流路Bの位置が異なる少なくとも2種類の燃料電池ユニットを用いることができる。この場合には、異種の燃料電池ユニットU同士が隣接する状態に積層してスタック構造体Sを形成する。
これにより、とくに図5(b)に示すように、隣接する燃料電池ユニット同士において、主流路Aを同じ位置にして、導入用又は排出用の支流路Bが中心軸回りにずれた配置となり、少ない部品数で燃料電池ユニット間の温度差の均一化を実現し、ひいてはスタック構造体Sにおける温度分布の均一化を実現する。
図6に示す燃料電池ユニットUは、円盤型を成すと共に、ガス流路の主流路A及び支流路(図示せず)を中心部に配置したものであって、単セル1の形状や数が異なっている。すなわち、単セル1は、図6(a)に示すように環状を成すもの、図6(b)及び(d)に示すように、扇状を成して円周上に複数配置したもの、図6(c)に示すように、円形を成して円周上に複数配置したもの、図6(e)に示すように、図6(c)の円形セルをさらに小径の3つの円形セルに分割したものなどにすることができ、これら以外の形態も当然あり得る。
また、図6(b)〜(e)に示すように、複数の単セル1を備えたものでは、単セル1同士の間に整流用のリブRを配置して、燃料電池ユニットUの内部全域に燃料ガスが充分に行き渡るようにしている。
図7に示す燃料電池ユニットUは、円盤型を成すと共に、ガス流路の主流路A及び支流路(図示せず)を外周部に配置したものであって、単セル1の形状や数が異なっている。すなわち、単セル1は、図7(a)に示すように円形状を成すもの、図6(b)に示すように矩形状を成すもの、図6(c)に示すように、矩形セルを複数配置したものなどにすることができ、これら以外の形態も当然あり得る。
また、図7に示す燃料電池ユニットUは、外周部の180度異なる2箇所に、円周方向に長い長孔状の外周部貫通孔Poを有し、積層状態で互いの外周部貫通孔Poを連続させて主流路Aを形成する。
ところで、先に図5に基づいて説明したように、燃料電池ユニットUは、図6に示すような流路部品14を使用した場合には、支流路の位置が異なる少なくとも2種類を交互に積層してスタック構造体Sを構成することで、一定の効果を得ることができる。
しかも、燃料電池ユニットUは、図6に示す如く中心部に側部貫通孔Psによる主流路Aを有するものや、図7に示す如く外周部に外周部貫通孔Poによる主流路Aを有するものでは、夫々の支流路を同数で同位置にして部品の共通化を図ったうえで、積層する際に、隣接するユニット同士の間で互いの貫通孔Ps,Poを一部重複した状態ずらせることによって、互いの支流路をずらせた配置にすることができる。
図8は、中央貫通孔Pcによる主流路Aを導入用とし、側部貫通孔Psによる主流路Aを排出用として用いた場合を示す図である。先述したように燃焼ガスの導入部付近では高温領域Hが発生する。そこで、側部貫通孔Psが一部重複した状態でずれるように燃料電池ユニットUを積層することで、積層方向において高温領域Hがずれることになり、燃料電池ユニットU同士の間で熱交換が行われて、燃料電池ユニットU及びスタック構造体Sにおける温度分布の均一化を実現する。
また、図9は、外周部貫通孔Poよる主流路Aの一方を導入用とし、他方を排出用として用いた場合を示す図である。この場合も、同様に燃焼ガスの導入部付近では高温領域Hが発生する。そこで、外周部貫通孔Poが一部重複した状態でずれるように燃料電池ユニットUを積層することで、積層方向において高温領域Hがずれることになり、燃料電池ユニットU同士の間で熱交換が行われて、燃料電池ユニットU及びスタック構造体Sにおける温度分布の均一化を実現する。
なお、図8に示すように、ガス流路の主流路A及び支流路を中心部に配置した燃料電池ユニットUでは、積層後のユニット同士の締結を中心部だけで行うことができる。これにより、各燃料電池ユニットUにおいて、温度可変時の熱膨張により発生する内部応力を外周部分でフリーにして、変形や位置ずれを防止することができる。また、高熱容量体を中心にもつことで内部の保温能力を高めて放熱量を減らすこともできる。
さらに、図9に示すように、ガス流路の主流路A及び支流路が外周部に配置した燃料電池ユニットUでは、ガス流路が簡単であるうえに、中央部の構造をより簡略なものにすることができる。
図10は、スタック構造体Sにおける各燃料電池ユニットUの貫通孔P及び主流路Aと、支流路Bの関係を示す図である。
図10(a)のスタック構造体Sは、先に図5に基づいて説明したように、貫通孔Pに対して支流路Bの位置が異なる2種類の燃料電池ユニットUを用い、これらを交互に積層して支流路Bの位置を中心軸回りにずらせたものである。
図10(b)のスタック構造体Sは、貫通孔Pに対して支流路Bの位置が同じ燃料電池ユニットUを用い、貫通孔Pが一部重複した状態で交互にずれるように積層して、支流路Bの位置を中心軸回りに交互にずらせたものである。
図10(c)のスタック構造体Sは、先に図8及び図9に基づいて説明したように、貫通孔Pに対して支流路Bの位置が同じ燃料電池ユニットUを用い、貫通孔Pが一部重複した状態で中心軸回りの一方向に順次ずれるように積層して、支流路Bの位置を中心軸回りの一方向に順次ずらせたものである。
いずれのスタック構造体Sにおいても、同様の作用及び効果を得ることができるが、とくに、図10(b)及び(c)に示すように、主流路Aを形成する貫通孔Pを一部重複させてずらせた構成にした場合には、図11及び図12に示すように、主流路A内に露出している燃料電池ユニットUの外面Qが、昇温した燃料ガスにより直接加熱される。これにより、燃料電池ユニットUの昇温速度が上がって起動時間を短縮することが可能となり、電気自動車用の燃料電池により一層好適なものとなる。
また、上記の如く主流路Aを形成する貫通孔Pを一部重複させてずらせた構成にした場合には、図12に示すように、実質的な主流路Aは貫通孔P同士のずれ量に対応して傾斜したものとなる。そこで、図13に示すように、各貫通孔Pは、積層方向に隣接する貫通孔P同士のずれ量に対応して傾斜した内周面を有するものにしても良い。これにより、貫通孔Pは、互いの内面を連続させて主流路Aを形成する。このように、貫通孔Pを傾斜したものにすれば、燃料電池ユニットU間のシール部30を最大限に確保して、スタック構造体Sの強度も高められるという利点がある。
さらに、上記の如く主流路Aを形成する貫通孔Pを一部重複させてずらせた構成にした場合には、スタック構造体Sの中心軸方向において、貫通孔P同士のずれ角度αや貫通孔Pの傾斜角度βを異ならせることができる。このとき、ずれ角度αは、例えば図9に示すように、スタック構造体Sの中心軸回りの角度である。また、傾斜角度βは、例えば図13に示すように、スタック構造体Sの中心軸(図中において上下方向の軸)に対する角度である。
そして、上記の如くずれ角度αや傾斜角度βを異ならせる場合には、とくに有効な構成として図14に示すものがある。すなわち、スタック構造体Sの中心軸方向の一端部及び他端部の範囲における貫通孔P同士のずれ角度をα1とし、スタック構造体Sの中心軸方向の中央部における貫通孔P同士のずれ角度をα2としたときに、これらのずれ角度をα1>α2の関係にする。図14に示すように、一端部(上部)と他端部(下部)の範囲において、貫通孔Pのずれ量が大きくなっている。
換言すれば、スタック構造体Sの中心軸方向の一端部及び他端部の範囲における貫通孔Pの傾斜角度をβ1とし、スタック構造体Sの中心軸方向の中央部における貫通孔Pの傾斜角度をβ2としたときに、これらの傾斜角度をβ1>β2の関係にする。
この種のスタック構造体Sでは、上記した様々な構成を採用することで、各燃料電池ユニットUの温度分布の均一化を実現し得るのであるが、全体の発熱状況をより厳密に考慮すると、図15(b)に中心軸方向における温度変化を示すように、一端部及び他端部である末端部は、放熱によって中央部よりも温度が低くなる。
そこで、上述のように、貫通孔Pのずれ角度をα1>α2の関係にし、あるいは貫通孔Pの傾斜角度をβ1>β2の関係にすることで、末端部の範囲にある貫通孔P内の圧損を意図的に大きくし、末端部の燃料電池ユニットUへ分配するガス量を多くする。これにより、末端部では発電による発熱量が上がるので、図15(a)に示すように、中央部と末端部との温度差が小さくなり、スタック構造体Sの温度分布のさらなる均一化を実現することができる。
図16に示す燃料電池ユニットUは、矩形型であって、両側の長辺に沿って長孔状の貫通孔P,Pを有しており、積層状態において各貫通孔P,Pが互いに連通して導入用主流路10A及び排出用主流路20Aとなる。また、図示の燃料電池ユニットUは、夫々異なる位置に、導入用支流路10B及び排出用支流路20Bを有しており、積層したスタック構造体を構成したときに、積層方向に隣接する導入用支流路10B及び排出用支流路20Bが互いにずれた配置となる。
上記の矩形型の燃料電池ユニットUを用いたスタック構造体においても、先の円盤型のものと同様に、ガス流路の構造が簡単であるうえに、隣接する燃料電池ユニットU同士の間で熱交換を行って、燃料電池ユニットU間の温度差を小さくし、全体の温度のさらなる均一化を実現することができる。
本発明の固体電解質型燃料電池は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の細部を適宜変更することができる。
また、上記の各実施形態では、燃料電池ユニット内に燃料ガスを供給する場合を例示したが、燃料電池ユニット内に酸化剤ガス(空気)を供給する構成もあり得る。このとき、燃料ガスを供給する場合には、図8や図9に示す如くガスの導入部付近に高温領域Hが生じるが、酸化剤ガスを供給する場合には、単セル1の発電反応により酸化剤ガスが加熱されるので、ガスの排出部付近に高温領域が生じる。このような場合にあっても、支流路をずらせた構成、又は主流路とともに支流路をずらせた構成にすることで、積層方向に各燃料電池ユニットの高温領域が重ならないようにし、上記各実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
本発明の固体電解質型燃料電池の一実施形態を説明する断面図(a)流路部品の断面図(b)及び分解説明図(c)である。 本発明の一実施形態における燃料電池の温度分布を説明する断面図(a)及び従来の燃料電池の温度分布を説明する断面図(b)である。 円盤型の燃料電池ユニットを用いたスタック構造体の平面図(a)及び矩形型の燃料電池ユニットを用いたスタック構造体の平面図(b)である。 流路部品の他の実施形態を説明する平面図(a)及び側部貫通孔を説明する平面図(b)である。 主流路に対して異なる位置に支流路を有する燃料電池ユニットを説明する各々要部の平面図(a)(b)である。 中央部にガス流路を有する燃料電池ユニットであって、単セルの異なる例を説明する各々平面図(a)〜(e)である。 外周部にガス流路を有する燃料電池ユニットであって、単セルの異なる例を説明する各々平面図(a)〜(c)である。 図6に示す燃料電池ユニットにおけるガスの流れ及び高温領域を説明する分解説明図である。 図7に示す燃料電池ユニットにおけるガスの流れ及び高温領域を説明する分解説明図である。 主流路と支流路の異なる配置を示す各々説明図(a)(b)である。 主流路をずらせた構成を説明する断面図である。 図11に示す主流路におけるガスの流れを説明する断面図である。 貫通孔の内面を傾斜させた構成を説明する断面図である。 貫通孔のずれ角度を変化させた構成を示す説明図である。 図14に示す構成のスタック構造体の温度分布を示す説明図(a)及び貫通孔のずれ角度が一定であるスタック構造体の温度分布を示す説明図(b)である。 矩形型の燃料電池ユニットを用いたスタック構造体を示す分解説明図である。
符号の説明
1 単セル
2 セル板
3 セパレータ板
10A 導入用主流路
10B 導入用支流路
20A 排出用主流路
20B 排出用支流路
A 主流路
B 支流路
P 貫通孔
Pc 中央貫通孔
Ps 側部貫通孔
Po 外周部貫通孔
S スタック構造体
U 燃料電池ユニット

Claims (10)

  1. 単セルを保持したセル板とセル板に対向するセパレータ板の外周縁部同士を接合して燃料電池ユニットを構成すると共に、燃料電池ユニットを複数積層してスタック構造体を構成した固体電解質型燃料電池であって、
    各燃料電池ユニットに対して燃料ガス及び酸化剤ガスのいずれか一方のガスを流通させるガス流路として、
    スタック構造体において燃料電池ユニットの積層方向に沿って設けた主流路と、主流路から分岐して個々の燃料電池ユニット内に通じる夫々の支流路を備え、
    隣接する燃料電池ユニット同士の間で互いの支流路をずらせた配置にしたことを特徴とする固体電解質型燃料電池。
  2. ガス流路として、ガス導入用の主流路及び支流路と、ガス排出用の主流路及び支流路を備え、隣接する燃料電池ユニット同士の間でガス導入用の支流路及びガス排出用の支流路の両方をずらせた配置にしたことを特徴とする請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
  3. 各燃料電池ユニットが、円盤型であって、各燃料電池ユニットの支流路が、スタック構造体の中心軸回りにずらせてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質型燃料電池。
  4. 主流路に対して支流路の位置が異なる少なくとも2種類の燃料電池ユニットを用いると共に、異種の燃料電池ユニット同士が隣接する状態に積層してスタック構造体を形成したことを特徴とする請求項3に記載の固体電解質型燃料電池。
  5. 各燃料電池ユニットが、積層状態で互いに連通して主流路を形成する貫通孔を有しており、隣接する燃料電池ユニット同士の間で互いの貫通孔を一部重複した状態でずらせることにより互いの支流路をずらせた配置にしたことを特徴とする請求項3に記載の固体電解質型燃料電池。
  6. スタック構造体の中心軸方向の一端部から他端部に至る間において、各燃料電池ユニットの貫通孔をスタック構造体の中心軸回りの一方向に順次ずらせたことを特徴とする請求項5に記載の固体電解質型燃料電池。
  7. 各燃料電池ユニットの貫通孔が、積層方向に隣接する貫通孔同士のずれ量に対応して傾斜した内面を有しており、互いの内面を連続させて主流路を形成していることを特徴とする請求項6に記載の固体電解質型燃料電池。
  8. スタック構造体の中心軸回りの角度に関して、スタック構造体の中心軸方向の一端部及び他端部の範囲における貫通孔同士のずれ角度をα1とし、スタック構造体の中心軸方向の中央部における貫通孔同士のずれ角度をα2としたときに、これらのずれ角度がα1>α2の関係であることを特徴とする請求項6又は7に記載の固体電解質型燃料電池。
  9. ガス流路の主流路及び支流路が、燃料電池ユニットの中心部に配置してあることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
  10. ガス流路の主流路及び支流路が、燃料電池ユニットの外周部に配置してあることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
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