JP4403713B2 - 低Ca含有Al合金の製造方法及び低Ca含有Al合金製造用地金 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,Ca含有量が低い低Ca含有Al合金を安価に製造することができる製造方法及びこの製造方法に適用可能なAl合金地金に関する。
【0002】
【従来技術】
Al合金においては,不純物としてのCaが合金特性に様々な悪影響を与えるため,様々な手法により不要なCaを極力低減させていた。そして,Al合金の鋳造メーカにおいては,高価なCa含有量が低い金属Si等を原料にした低Ca含有Al合金地金を用いていたので,製品の低コスト化が困難であった。
【0003】
また,従来のCa低減方法としては,特許文献1に記載の「アルミニムまたはその合金の脱カルシウム方法」がある。特許文献1には,アルミニウムまたはその合金の溶湯にその中において遊離の硼素を発生する硼素源を添加して,上記アルミニウムまたはその合金の溶湯内に含まれるカルシウムをカルシウム−硼素化合物として除去することを特徴とするアルミニウムまたはその合金の脱カルシウム法が開示されている。
【0004】
また,特許文献2の「Al−Cu−Si−Mg系合金の製造方法」においては,必須元素として,Cu:0.5〜5%,Si:6〜20%,Mg:0.3〜4%を含み,任意元素としてNiまたは/およびMnを含有するAl−Cu−Si−Mg系合金を溶製するにあたり,少なくとも一種以上の上記の元素を含む溶湯に弗化アルミニウムカリウムもしくは弗化アルミニウムカリウムと弗化アルミウムを反応させて,上記溶湯中のCa含有量を低減することを特徴とするAl−Cu−Si−Mg系合金の製造方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特公昭61−28005号公報
【特許文献2】
特公昭61−51616号公報
【0006】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記の特許文献1に記載の方法は,Caを低減できる効果が期待できるが,「硼素を添加し静置した後除滓する」という処理プロセスの追加が新たに必要になり,コスト高になる。そのため,このCa低減方法を適用できる範囲は限られていた。また,残存する硼素が介在物となって鋳造品に混入し性能や加工性を阻害することが懸念された。
また,上記の特許文献2に記載の方法も,同様にCaを低減できる効果が期待できるが,新たな処理プロセスが必要なことには変わりがなく,コスト高となる問題がある。
【0007】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,低コストで確実にCaを低減できる低Ca含有Al合金の製造方法,及びその製造方法に適用可能なAl合金地金を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
第1の発明は,Ca含有量が0.002mass%以下である低Ca含有Al合金を製造する方法であって,
Caを0.003mass%以上含有すると共にMg含有量が0.1mass%以下であるAl合金地金を溶解する地金溶解工程と,
該地金溶解工程によって得られた溶湯の表面を20分以上大気に露呈することによりCa含有量を0.002mass%以下に低減する溶湯保持工程と,
上記溶湯を所望形状の鋳型に注湯する注湯工程とを有することを特徴とする低Ca含有Al合金の製造方法にある(請求項1)。
【0009】
本発明の低Ca含有Al合金の製造方法において注目すべき点は,上記のごとく,Ca含有量が0.003mass%と比較的高い濃度のCaを含有する一方,Mg含有量が0.1mass%以下と比較的Mg含有量が低いAl合金地金を用いたうえで,上記溶湯保持工程を必須工程とする点にある。なお,ここでいうAl合金地金とは,いわゆる地金として流通している素材のみならず,溶解可能なあらゆる素材を含む概念であり,1種類でも,複数種類の素材の混合物でも良い。
【0010】
上記溶湯保持工程においては,上記のごとく,溶湯の表面を20分以上大気に露呈する。これにより,上記溶湯中に含有されているCaが溶湯表面において優先的に酸化されてCaを含有する酸化物被膜となり,溶湯保持工程の後,溶湯上の表面被膜を除去することによってCaが溶湯中から除去される。そのため,上記溶湯保持工程を行うことによって,溶湯中のCa含有量を十分に低減することができる。なお,上記の溶湯を大気に露呈する時間は,60分以上とすることによってより効果的にCa含有量を低減することができ,さらに120分以上とすることによってさらにその効果を確実に高めることができる。
【0011】
そして,上記地金溶解工程の後に行う上記溶湯保持工程によってCaの低減が可能であるので,上記Al合金地金としては,Ca含有量が0.003mass%以上という比較的高い濃度のCaを含有する安価な地金を積極的に採用することができる。そのため,原料コストの低減により,得られる低Ca含有Al合金を安価なものとすることができる。上記Al合金地金のCa含有量が0.003mass%未満の場合には,地金コストが高くなるという問題がある。
【0012】
さらに,上記Al合金地金としては,Mg含有量が0.1mass%以下のものを用いる。これにより,上記溶湯保持工程におけるCa低減効果を実現可能な保持時間の範囲で十分に得ることができる。これは,Mgを多く含有する溶湯では,Mgが優先的に酸化するため,Caが酸化しにくいという理由によると考えられる。したがって,上記Al合金地金のMg含有量が1mass%を超える場合には,上記溶湯保持工程におけるCa低減効果が低くなるという問題がある。
【0013】
第2の発明は,上記第1の発明の低Ca含有Al合金の製造方法に用いるAl合金地金であって,Ca含有量が0.003mass%以上であると共にMg含有量が0.1mass%以下であることを特徴とする低Ca含有Al合金製造用地金にある(請求項9)。
【0014】
本発明の低Ca含有Al合金製造用地金は,上記第1の発明の製造方法を実施することを前提として,その製造方法に用いるためのAl合金地金である。そして,このAl合金地金は,上記のごとく,Ca含有量が0.003mass%以上であると共にMg含有量が0.1mass%以下である。そのため,上記Al合金地金は,安価で,かつ,その後の溶湯保持工程によってCa低減効果が高いという優れた作用効果を発揮しうるものとなる。一方,Ca含有量が0.003mass%未満にすると価格が高くなり,また,Mg含有量が1mass%を超えると,その後の溶湯保持工程におけるCa低減効果が低下するという問題がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
上記第1の発明においては,上記Al合金地金としては,Mg含有量が0.1mass%以下のものを用いる。なお,Mg含有量は少ないほど好ましく,その下限値は,不可避的不純物となり得る値とすることが好ましい。
【0016】
また,上記溶湯保持工程の後に,所望量のMgを上記溶湯に添加するMg添加工程を行うことが好ましい(請求項2)。この場合には,Mgを含有する低Ca含有Al合金を低コストで,かつ,効率良く製造することができる。即ち,上記のごとく,Al合金地金としては,Ca含有量が比較的高い低価格の地金を採用し,上記溶湯保持工程においては上記のごとく効率よくCa含有量の低減を行う。その後に所望量のMgを添加する。これによって,上記溶湯保持工程におけるCa低減効果を低下させることなく所望量のMgを含有する低Ca含有Al合金を低コストで,かつ効率良く製造することができる。
【0017】
また,上記溶湯保持工程の後に,所望量の微量Caを上記溶湯に添加するCa添加工程を行うことが好ましい(請求項3)。この場合には,微量のCaを含有する低Ca含有Al合金を低コストで,かつ,精度良く製造することができる。即ち,上記のごとく,Al合金地金としては,所望のCa量よりも著しく多いCaを含有する低価格の地金を採用し,上記溶湯保持工程を行うことによって,いったんCa含有量を所望量よりも低減させる。その後に所望量に達するように微量のCaを添加する。これによって,安価な地金を用いても,微量のCaを積極的に含有する低Ca含有Al合金を,低コストで,かつ,精度良く製造することができる。
【0018】
また,上記溶湯保持工程の前には,上記溶湯中の酸化物等の非金属介在物を除去する脱酸処理工程を行うことが好ましい(請求項4)。この場合には,脱酸処理においてもCa含有量の低減を図ることができ,上記溶湯保持工程との相乗効果で優れた脱Ca効果を得ることができる。また,脱酸処理工程の後に溶湯保持工程を行う方が,逆の順序の場合に比べてより効果的に脱Caを行うことができる。
上記脱酸処理としては,公知の様々な方法をとることができる。通常は,ハロゲン化物を含有するフラックスを用いて行われることが多い。例えばフラックス粉末を溶湯に添加し,撹拌して,10分間ほど静置した後除滓することによって行われる。この脱酸処理によりCaはフラックスと反応して滓を生成し溶湯から取り除かれる。脱酸用フラックスとしては主にNa系のものとK系のものがあるが,いずれでも同様に脱Ca効果が得られる。
【0019】
また,上記脱酸処理工程と上記溶湯保持工程との間,または上記溶湯保持工程後に,上記溶湯中の水素を除去する脱ガス工程を行うことが好ましい(請求項5)。この場合には,さらに一層Ca含有量の低減効果を向上させることができる。また,ポロシティが発生しにくく,かつ低Caの合金を効率よく比較的安価に得ることができる。
上記脱ガス処理の具体的方法としては,例えば,真空中で溶湯を保持する真空脱ガス法,ArやN2ガスを溶湯中に吹き込むガスバブリング法などがある。
【0020】
また,上記Al合金地金としては,Si含有量が4mass%以上のものを用いることも好ましい(請求項6)。Al合金地金がSiを含有する場合には,不純物としてCaを含有している場合が多い。特に安価な低純度Si原料を用いている場合には,Ca含有量が多いので,本発明の製造方法が特に有効であり,実用上の意義がきわめて大きい。
【0021】
上記安価な低純度Si原料としては,Caを300ppm以上含有する高Ca含有金属Siがある。そして,この高Ca含有金属Siを他の成分と共に溶解して凝固させて得たAl合金地金は,Ca含有量が0.003mass%以上となりうるので,このAl合金地金を溶解(再溶解)させて用いる場合には,本発明の方法が製造法が非常に有効である。
【0022】
また,得ようとする上記低Ca含有Al合金は,Mg:7mass%以下,Si:4〜25mass%,Cu:7mass%以下,Fe:1.5mass%以下,Ni:7mass%以下を含有する合金であることが好ましい。この場合には,得られる低Ca含有Al合金が,高強度,耐熱性に優れた合金となる。そして,この場合にも,本発明のCa低減効果を十分に得ることができる。
【0023】
ここで,上記成分の限定理由について簡単に説明する。
Mg:7mass%以下,
Mg含有量が7mass%を超えると,Mgを含有する化合物が多量に晶出し,延性が著しく低下するという問題がある。
Cu:7mass%以下,
Cu含有量が7mass%を超えると,Cuを含有する化合物が多量に晶出し,延性が著しく低下する。また気孔(ポロシティ)欠陥も多くなり,疲労特性の低下が懸念されるという問題がある。
【0024】
Si:4〜25mass%,
Si含有量が4%未満の場合,湯流れ性が悪くなるとともに気孔(ポロシティ)が生じ易いという問題がある。一方,Si含有量が25%を超えると,粗大な初晶Siが多量に生成して,低温での延性や靭性が著しく低下するおそれがある。また,被削性が著しく低下するおそれがある。また,溶解温度が著しく高くなり,溶湯の酸化や水素の含有量が多くなる問題が生じる。
また,過共晶組織を得るためには,少なくとも10mass%以上のSiの含有が必要である。過共晶凝固しやすくするため,および初晶Siの微細化のためにPを添加することが望ましい。
【0025】
Fe:1.5mass%以下,
Fe含有により,Fe化合物が晶出物として生成する。この晶出物の分散強化により高温耐力が向上する。1.5mass%を越えると,粗大なFe化合物が生成し,延性や靭性が低下するおそれがある。なお,Fe化合物とはFeを含む化合物の総称とする。
【0026】
Ni:7mass%以下,
Ni含有により,Niを含有する化合物が晶出物として生成する。この晶出物の分散強化により高温耐力が向上する。7mass%を超えると粗大なNiを含有する化合物が多量に晶出し,延性や靭性が低下する。
【0027】
さらに,Ti,Zr,Vを各々0.05〜0.5mass%含有することがより好ましい。これらの成分の含有により,合金の耐熱性がさらに高まる。各成分の含有量が0.05mass%未満ではその効果は小さく,0.5mass%を超えると粗大化合物が生成し,延性や靱性が低下するおそれがある。
【0028】
また,得ようとする上記低Ca含有Al合金は,Si:10〜25mass%を含有し,初晶Siが存在する過共晶組織を有する合金であることが好ましい(請求項8)。この場合には,特に,高い強度と耐熱性に優れた合金が得られる。
なお,Si含有量が10mass%未満の場合には,上記のごとく過共晶組織がえられにくく,一方,25mass%を超えると,上記のごとく,粗大な初晶Siが多量に生成して,低温での延性や靭性の低下,被削性の低下,あるいは溶湯の酸化や水素量が多くなる等の問題が生じる。
【0029】
また,上記第2の発明の低Ca含有Al合金製造用地金においては,上記と同様にMg含有量は0.1mass%以下である。
また,さらにSiを4mass%以上含有していることも好ましい(請求項10)。上記のSiを4mass%以上含有する低Ca含有Al合金製造用地金を製造するには,安価な低純度Si原料,例えばCaを300ppm以上含有する高Ca含有金属Siを用いることができる。
【0030】
【実施例】
本発明の実施例に係る低Ca含有Al合金の製造方法及び低Ca含有Al合金製造用地金につき,図1〜図24を用いて説明する。
【0031】
実施例1
本例は,図1に示すごとく,Caを0.003mass%以上含有すると共にMg含有量が1mass%以下であるAl合金地金(Ca含有Mgレス地金)を溶解する地金溶解工程S1と,地金溶解工程S1によって得られた溶湯の表面を大気に露呈する溶湯保持工程S2とを行った。そして,溶湯保持工程S2における保持時間を変更して順次溶湯を鋳型に注湯する注湯工程S3を行って,溶湯保持工程の保持時間とCa含有量との関係を求めた。
【0032】
より具体的には,上記Al合金地金としては,工業用純Al(99.8%)を黒鉛るつぼで溶解後,Al−0.25mass%Caを用いてCa添加量が100ppm(0.01mass%)になるように調整したものを用いた。そして,本例では,この調整のための溶解を上記地金溶解工程S1として位置づけ,調整直後の保持時間を上記溶湯保持工程S2における大気に露呈させる保持時間とした。
【0033】
本例では,上記調整直後,20min保持後,60min保持後に,φ40mm×高さ25mmの金型に溶湯を注湯する注湯工程S3をそれぞれ行い,得られた鋳造合金におけるCa含有量を分析した。なお,上記地金溶解工程S1及び溶湯保持工程S2における溶湯温度は,いずれも750℃±20℃の範囲に制御した。また,Ca含有量の分析は,標準試料を用いた蛍光X線分析により行った。
【0034】
Ca含有量の分析結果を図2に示す。同図は,横軸にCa分析時期を,縦軸にCa分析値(ppm)をとったものである。
同図に示すごとく,溶湯保持工程S2における保持時間が長くなると共にCa含有量が低減した。すなわち,Ca含有量は初期の段階にすでに100ppmから34ppmに減少していたが,これが60min間の保持により,さらに半分程度の18ppmにまで顕著に低下していることがわかる。
【0035】
実施例2
本例では,図3に示すごとく,Al合金地金におけるCa添加量を実施例1の場合より多く180ppm(0.018mass%)とし,かつ,180分保持後にMgを積極的に添加するMg添加工程S25を行って,実施例1と同様に溶湯保持工程S2における保持時間とCa含有量との関係を求めた。
【0036】
その結果を図4に示す。同図に示すごとく,初期Ca含有量は54ppmと高かったが,保持時間とともに激減し,60min保持で約24ppmに低下し,180min保持後には14ppmまで低下した。その後Mgを約1mass%添加し,直後と30min保持後に分析試料を採取した。Mgの添加により,Ca含有量は変化せず,30min保持後もほぼ同じ含有量が維持されていた。最終的なMg量は0.94mass%であった。この結果より,Mg量が低い合金で脱Caを実施した後,Mgを添加すれば,容易にMgを含有する低Ca含有Al合金が作製できることがわかる。
【0037】
実施例3
本例では,図5に示すごとく,実施例2における製造工程において,さらに溶湯保持工程S2の前に脱酸処理工程S15を行った例である。その他は実施例2と同様である。本例における脱酸処理は,脱酸処理はNa系ハロゲン化物を主成分とする市販のAl脱酸用フラックスを溶湯に添加し,撹拌後,10min間静置した後,除滓して行った。
【0038】
本例におけるCa含有量の推移を図6に示す。同図より知られるごとく,脱酸処理前に48ppmであったCa量は,脱酸処理により19ppmまで激減し,その後の保持によりさらに低下して,60min以後は10ppm以下と極めて低い値となった。120min後,Mgを約1.5mass%添加し,60min間の保持を行った。最終的なMg量は1.4mass%であった。Mg添加によりCa量は変化せず,その後も低い値を維持した。この結果より,脱酸処理を追加するとさらに脱Ca効果が顕著になり,100ppm以上もCaを含有する低純度原料を用いて10ppm以下という極めて低いCa量のMg含有合金を容易に得られることがわかる。
【0039】
実施例4
本例は,実施例3における脱酸処理工程S1の脱酸方法を,過共晶Al−Si合金用のK系ハロゲン化物を主成分とする市販の脱酸用フラックスを用いて行った例である。そして,実施例3におけるMg添加工程を行う前までのCa含有量の分析のみを行った。その結果を図7に示す。この場合も脱酸処理および保持により著しい脱Ca効果が認められることから,フラックスの種類に関わらず,脱Ca効果が得られることがわかる。
【0040】
参考例1
本例は,実施例1における製造方法(図1)と同様の方法の例であり,用いるAl合金地金としてAl−0.5mass%Mg合金を用い,かつ脱酸処理なしの場合の例である。この場合においても,図8に示すごとく,初期Ca量35ppm以上であったが,60min間の保持により11ppmまでCa量が激減しており,少量のMgを含有しても十分な脱Ca効果が得られることを示している。
【0041】
参考例2
本例は,参考例1と同様に,Al合金地金としてMg含有合金を用い,さらに,脱酸処理を加えた場合の例である。脱酸処理用フラックスにはNa系ハロゲン化物を主成分とする市販品を用いた。この場合も,図9に示すごとく,脱酸処理およびその後の保持により著しく脱Caが生じており,Ca初期含有量が47ppmと高かったにも関わらず,60min以上の保持により8ppm以下の高純度合金が得られている。
【0042】
実施例5
本例は,実施例1における製造方法(図1)と同様の方法の例であり,用いるAl合金地金としてSi含有Al合金を用い,かつ脱酸処理なしの場合の例である。
より具体的には,工業用純Al(99.8%)を黒鉛るつぼで溶解後,Caを多量に含有する低純度金属Siを加え,Al−13.8mass%Siの合金溶湯を溶製し,これを地金溶解工程S1(図1)とした。その後,そのまま保持する溶湯保持工程S2を行い,上記と同様に注湯工程S3を行ってサンプリングした分析試料によりCa量の変化を調べた。溶解温度,保持温度は同様に750℃±20℃である。
【0043】
図10に示すごとく,極めて低純度のSiを用いたため溶製初期のCa含有量は70ppmと極めて高い値であった。しかし,保持とともに脱Caが生じており210min保持後には44ppmと大幅に低下した。
【0044】
実施例6
本例は,溶解原料として,実施例5と同様の低純度Siを用いて溶製したAl−25mass%Si合金地金(Ca含有量150ppm)を用い,これを黒鉛るつぼで溶解した工業用純Al(99.8%)に添加して溶製したAl−13.8mass%Siの合金を上記Al合金地金として用いた例である。なお,本例では,上述した図5に示すごとく,地金溶解工程S1の後にはK系ハロゲン化物を主成分とするフラックスによる脱酸処理工程S15を実施した。さらに,図5に示すごとく,溶湯保持工程S2の後には,Mg添加工程S25も実施した。
【0045】
図11に示すごとく,脱酸処理およびその後の保持によりCaは著しく低減し60min後以降は10ppm以下と極めて低レベルに達している。120min保持後にMgを添加し,その後60min間保持したが,Mg添加後およびその後の保持によりCa量はあまり変化せず,10ppm以下を維持していた。この結果から,極めてCa量が高い低純度金属Siを原料として用いても,脱酸処理工程S15および溶湯保持工程S2の実施により,Ca含有量が10ppm以下の極めて高純度の合金が得られることがわかる。また,Mg添加工程S25を最終工程で行うことにより低CaのMg含有合金も容易に得られることがわかった。低純度金属Siは安価であるので,このような簡単なプロセスにより高純度な合金が得られることは実用上の意義が極めて大きい。
【0046】
実施例7
本例は,実施例6における脱酸処理工程S15(図5)を,市販のNa系ハロゲン化物フラックスによる脱酸処理に変更し,Mg添加工程S25の前まで行った例である。図12に示すごとく,実施例6と同様の脱Ca効果が得られていることから,フラックスの種類に関わらず脱Caができることがわかる。
【0047】
参考例3
実施例6,7と同様の方法でAl−13.8%Si合金溶湯を溶製し,これに工業用純Mgを加えてAl−13.8mass%Si−0.7mass%Mg合金溶湯を溶製し,これを上記Al合金地金として用いた例を示す。脱酸処理工程にはK系ハロゲン化物を主成分とする市販フラックスを用いた。また,本例ではMg添加工程は実施しなかった。
【0048】
図13に示すごとく,初期Ca含有量は45ppm以上であったが,脱酸処理および保持によりCa量は著しく低下し,60min保持後には15ppmまで低減し,120min後には12ppmまで低減した。但し,Al合金地金にMgを含有しない実施例6および実施例7の場合に比べると60min保持以降のCa含有量はやや高い値となった。すなわち,10ppm以下の極めて低いCa量を実現するにはMgを含有しない合金について脱Caを行い,最終工程においてMgを添加することが望ましい。
【0049】
参考例4
本例では,上記Al合金地金として,Al−12.5Si−3Cu−0.8Mg−2.4Ni−0.4Fe−0.4Mn−0.2Ti−0.1Zr−0.1V(mass%)合金に,Al−0.25mass%Caを加えてCaを添加した合金を用い,上述した実施例1と同様の製造方法(図1参照)を実施した例である。脱酸処理工程及びMg添加工程は行っていない。
【0050】
図14に示すごとく,60min保持後まではCa量が変動しており,脱Ca効果は明らかではないが,120min以上の保持により5ppm以下までCa量が低減している。
【0051】
参考例5
本例は,参考例4における溶湯保持工程S2の前に,市販のK系ハロゲン化物フラックスによる脱酸処理工程S15を追加した例である。
図15に示すごとく,脱酸処理およびその後の保持とともにCaの低減が認められ,120min以上の保持により9ppm以下までCaが低減できた。
【0052】
本例及び上述した参考例4の結果から,Cu,Ni,Fe,Mn等の実用合金の強化元素を含有しても,同様に脱Caが実現できると言える。但し,より確実に脱Caを行うには溶湯保持だけでなく脱酸処理を実施した方が望ましい。なお,この合金の鋳造材はCu,Ni,Fe,Mn等の強化元素を含まない合金に比べて著しく高い強度を有していた。
【0053】
実施例8
本例では,上記Al合金地金として,Al−13Si−3Cu−2.3Ni−0.4Fe−0.4Mn−0.2Ti−0.1Zr−0.1V(mass%)合金を用い,上述した実施例1と同様の製造方法(図1参照)を実施した例である。脱酸処理工程及びMg添加工程は行っていない。
【0054】
図16に示すごとく,保持時間とともに確実に脱Caが生じており210min後には8ppm以下までCaが低減できた。この結果からCu,Ni,Fe,Mn等の実用合金の強化元素を含有する合金系においても,Mgを含まないものの方がより安定して脱Caが得られることがわかる。
【0055】
実施例9
本例は,実施例8における溶湯保持工程S2の前に,市販のK系ハロゲン化物フラックスによる脱酸処理工程S15を追加した例である。
図17に示すごとく,脱酸処理によりCaは著しく低下し60min以上の保持により8ppm以下に低減することができた。この結果からCu,Ni,Fe,Mn等の実用合金の強化元素を含有する合金系においても,Mgを含まないものの方がより著しい脱Ca効果が得られ,脱酸処理の追加により短時間の保持で確実にCa量が10ppm以下の高純度合金が得られることがわかる。
【0056】
実施例10
本例は,初期Ca含有量を20ppmに調整した,Al−13Si−3Cu−2.3Ni−0.4Fe−0.4Mn−0.2Ti−0.1Zr−0.1V(mass%)合金を上記Al合金地金として用いた例である。また,本例は,図18に示すごとく,地金溶解工程S1の後に,K系ハロゲン化物フラックスによる脱酸処理と0.2Torr以下の真空中で40min間保持する脱ガス処理を行う,脱酸処理+脱ガス処理工程S16を行った。
図19に示すごとく,脱酸処理および脱ガス処理によりCa量は8ppm以下に低減し,その後保持しても低い値を維持していた。
【0057】
実施例11
本例は,実施例6,7と同し低純度金属Siを用いて溶製したAl−25mass%Si合金(Ca含有量150ppm)を,黒鉛るつぼで溶製したAl合金溶湯に添加して作製したAl−13.5Si−3Cu−2.3Ni−0.4Fe−0.4Mn−0.2Ti−0.1Zr−0.1V(mass%)合金を上記Al合金地金として用いた例である。本例でも,図18に示すごとく,実施例10と同様の脱酸処理+脱ガス処理工程S16を行っている。
【0058】
図20に示すごとく,地金溶解工程S1初期のCa含有量は実施例6,7並の値であると想定されるが,脱酸および脱ガス処理後には12ppmに著しく低下しており,120min後以降は3ppm以下の極めて低い値を維持している。
本例及び実施例10の結果から,脱ガス処理を施しても脱Ca効果が同様に得られること,および低純度の金属Siを原料として用いても,再溶解,脱酸処理,および溶湯保持工程の実施により,極めて低Caの高純度実用合金が容易に得られることが分かる。
【0059】
実施例12
本例は,Al−14Si−3.2Cu−2.6Ni−0.4Fe−0.4Mn(mass%)合金を上記Al合金地金として用い,黒鉛るつぼで溶解して地金溶解工程S1を行った(図5参照)。そして,市販のK系ハロゲン化物フラックスによる脱酸処理工程を実施し,その後の溶湯保持工程によるCa量の変化を調べた例である。なお,本例では,Mg添加工程S25は行わなかった。
【0060】
本例では,上記Al合金地金を溶製するに当たり,実施例6,7,11と同じ低純度金属Siを用い,さらに脱酸処理を実施して地金として鋳造した。そして,このAl合金地金を再溶解する工程として上記地金溶解工程S1を実施した。
図21に示すごとく,溶解初期のCa含有量は21ppmであった。地金溶解工程S1後の脱酸処理工程S15によってCa量は著しく低下し5ppm以下になり,その後も極めて低いレベルを維持した。
【0061】
このように低純度の金属Siを原料として用いても1次地金作製時の脱酸処理と再溶解(地金溶解工程S1),および再溶解時の脱酸処理工程S15および溶湯保持工程S2の実施により極めて低Caの高純度実用合金が容易に安定して得られる。
【0062】
通常の鋳造部品製造においては,地金メーカーで作製したAl合金地金を再溶解,即ち地金溶解工程S1を実施して鋳造を行うので,地金メーカから入手する地金のMg量を低くしておいて,部品鋳造の最終工程で脱Caが十分に行われたあとMgを添加するMg添加工程S25を実施すれば,通常の製造プロセスで容易に高純度の鋳造部品が製造できる。
また,Mgを最終工程,つまり溶湯保持工程S2の後に添加すればMgを含有する低Caの鋳造部品も容易に製造できる。
【0063】
また,Caを添加してCa量を調整することは容易であるので,材料の組織改良のために微量Caを含有させたい場合には,やはり最終工程,つまり溶湯保持工程S2の後でCaの調整を行えば良い。Mgを含有した合金では地金溶解工程S1および,溶湯保持工程S2においてガス吸収(水素の含有)を起こし易いので,このようにMgを含有しない合金で最終工程まで持って行き,注湯工程S3前にMgを添加すれば,鋳造欠陥の少ない高品質な鋳造部品を容易に得ることができるメリットむ合わせて得られる。
【0064】
実施例13
本例では,実施例12における地金溶解工程S1を行った際に純Mgを加えてMgを0.1mass%含有させることにより,上記Al合金地金としてMgを0.1mass%含有させた場合を想定した例である。その他は実施例12と同様とした。
図22に示すごとく,Mgを0.1mass%含有しても,含有しない場合と同様に著しい脱Ca効果が得られている。
【0065】
参考例6
本例は,実施例13と同様に,Mgを0.2mass%含有させた場合の結果である。図23に示すごとく,この場合も実施例13と同様に著しい脱Ca効果が認められる。
【0066】
参考例7
本例は,実施例13と同様に,Mgを5mass%含有させた場合の例である。図24に示すごとく,脱酸処理工程S15およびその後の溶湯保持工程S2により脱Ca効果は認められるが,Mg量が0.2mass%以下の実施例12〜参考例6の結果,およびMg量が0.8mass%の参考例2の結果に比べてその効果は緩やかである。したがって,好適な脱Ca効果を得るためにはMg量が1mass%以下の合金について処理することが望ましく,最適な脱Ca効果を得るためにはMg量が0.2mass%以下の合金について処理することがより望ましい。Mgの含有が必要な場合には脱Caを行った後工程においてMg添加工程S25を行うことにより添加すればよく,これにより低CaのMg含有合金も容易に製造可能である。また,材料組織の改良などの目的で微量Caを含有させたい場合には,脱Caの後に必要に応じてCaを添加するCa添加工程を溶湯保持工程S2の後に行うことによって客易に微量Ca含有合金を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における,低Ca含有Al合金を製造する工程を示す説明図。
【図2】 実施例1における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図3】 実施例2における,低Ca含有Al合金を製造する工程を示す説明図。
【図4】 実施例2における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図5】 実施例3における,低Ca含有Al合金を製造する工程を示す説明図。
【図6】 実施例3における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図7】 実施例4における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図8】 参考例1における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図9】 参考例2における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図10】 実施例5における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図11】 実施例6における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図12】 実施例7における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図13】 参考例3における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図14】 参考例4における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図15】 参考例5における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図16】 実施例8における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図17】 実施例9における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図18】 実施例10における,低Ca含有Al合金を製造する工程を示す説明図。
【図19】 実施例10における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図20】 実施例11における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図21】 実施例12における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図22】 実施例13における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図23】 参考例6における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【図24】 参考例7における,Ca分析値の推移を示す説明図。
【符号の説明】
S1...地金溶解工程,
S15...脱酸処理工程,
S16...脱酸処理+脱ガス処理工程,
S2...溶湯保持工程,
S25...Mg添加工程,
S3...注湯工程,
Claims (10)
- Ca含有量が0.002mass%以下である低Ca含有Al合金を製造する方法であって,
Caを0.003mass%以上含有すると共にMg含有量が0.1mass%以下であるAl合金地金を溶解する地金溶解工程と,
該地金溶解工程によって得られた溶湯の表面を20分以上大気に露呈することによりCa含有量を0.002mass%以下に低減する溶湯保持工程と,
上記溶湯を所望形状の鋳型に注湯する注湯工程とを有することを特徴とする低Ca含有Al合金の製造方法。 - 請求項1において,上記溶湯保持工程の後に,所望量のMgを上記溶湯に添加するMg添加工程を行うことを特徴とする低Ca含有Al合金の製造方法。
- 請求項1又は2において,上記溶湯保持工程の後に,所望量の微量Caを上記溶湯に添加するCa添加工程を行うことを特徴とする低Ca含有Al合金の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項において,上記溶湯保持工程の前には,上記溶湯中の酸化物等の非金属介在物を除去する脱酸処理工程を行うことを特徴とする低Ca含有Al合金の製造方法。
- 請求項4において,上記脱酸処理工程と上記溶湯保持工程との間,または上記溶湯保持工程後に,上記溶湯中の水素を除去する脱ガス工程を行うことを特徴とする低Ca含有Al合金の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項において,上記Al合金地金としては,Si含有量が4mass%以上のものを用いることを特徴とする低Ca含有Al合金の製造方法。
- 請求項6において,得ようとする上記低Ca含有Al合金は,Mg:7mass%以下,Si:4〜25mass%,Cu:7mass%以下,Fe:1.5mass%以下,Ni:7mass%以下を含有する合金であることを特徴とする低Ca含有Al合金の製造方法。
- 請求項7において,得ようとする上記低Ca含有Al合金は,Si:10〜25mass%を含有し,初晶Siが存在する過共晶組織を有する合金であることを特徴とする低Ca含有Al合金の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の低Ca含有Al合金の製造方法に用いるAl合金地金であって,
Ca含有量が0.003mass%以上であると共にMg含有量が0.1mass%以下であることを特徴とする低Ca含有Al合金製造用地金。 - 請求項9において,さらにSiを4mass%以上含有していることを特徴とする低Ca含有Al合金製造用地金。
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