JP4403576B2 - ポリカーボネート製造用触媒及びポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
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また、ジフェニルカーボネート等の炭酸ジエステルをカルボニル源として使用して加熱溶融して反応させる方法(溶融法)も知られているが、この溶融法では炭酸ジエステルの製造や溶融のために加熱が必要であり、高温に加熱するために得られたポリカーボネートが着色する等の問題がある。
この問題を解決するために、パラジウム化合物/無機レドックス触媒/有機レドックス触媒/ハロゲン化オニウム化合物/脱水剤の触媒系で酸化的カルボニル化反応を行い、ポリカーボネートオリゴマーを製造し、その後エステル交換反応によりポリカーボネートを得る方法がある。(例えば、特許文献2参照)
しかし、この方法は高い重合度のポリカーボネートが得られるが、2段階の反応工程が必要である。また、パラジウム化合物が溶媒に溶解する(均一触媒)ため、パラジウム(0)のクラスターを形成し、失活する可能性があり、また、触媒の分離が困難であり、金属成分がポリカーボネート中に残留し易い。
(1)、(a)触媒担体と(b)パラジウム化合物および(c)レドックス触媒能を有する金属化合物との反応生成物Aと、(d)有機担体または無機担体の窒素またはリンの一部または全部をアルキルハライドで四級化した化合物Bとを含有することを特徴とするポリカーボネート製造用触媒。
(2)、(a)の触媒担体が、下記の一般式(I)で表されるポリマー、ポリビニルピロリドン、ジフェニルホスフィノ−ポリスチレンから選ばれた少なくとも一種である (1)のポリカーボネート製造用触媒。
(3)、(c)のレドックス触媒能を有する金属化合物が、コバルト化合物である(1)又は(2)のポリカーボネート製造用触媒。
(4)、更に(e)脱水剤を含有する(1)〜(3)のいずれかのポリカーボネート製造用触媒。
(5)、更に(f)有機レドックス剤を含有する(1)〜(4)のいずれかのポリカーボネート製造用触媒。
(6)、芳香族ジヒドロキシ化合物及び一価フェノールと、一酸化炭素及び酸素とを反応させてポリカーボネートプレポリマーを製造する第一工程と、該ポリカーボネートプレポリマーを固相重合してポリカーボネートを製造する第二工程を含み、前記第一工程において(1)〜(5)のいずれかのポリカーボネート製造用触媒を用いることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
従って、本発明のポリカーボネート製造用触媒は、繰返し使用が可能で、触媒効率が高い。また、有機レドックス剤を用いずに、溶剤不要の脱水剤と組み合わせて着色の無いポリカーボネートが得ることも可能である。
更に、本発明のポリカーボネート製造方法では、有害な塩素ガスやホスゲン、環境に悪影響を与えると考えられるジクロロメタンやクロロホルムのようなハロゲン化有機溶媒を用いずに、重合度の高い高品質のポリカーボネートを効率良く製造することができる。
なお、本発明のポリカーボネート製造用触媒はジヒドロキシ化合物だけでなく、モノヒドロキシ化合物のカルボニル化にも有用であり、ジフェニルカーボネートの合成にも適用可能である。
以下、各触媒成分について説明する。
ポリカーボネート製造用触媒のパラジウム及びレドックス触媒能を有する金属を固定するための触媒担体には、下記一般式(I)で表されるポリマー、ポリビニルピロリドン、ジフェニルホスフィノ−ポリスチレンが好適に用いられる。
更に、パラジウム及びレドックス触媒能を有する金属を固定するためのジフェニルホスフィノ−ポリスチレンは、下記の一般式で表されるものである。
このようにジフェニルホスフィノポリスチレンは、各種ポリスチレンビーズにトリフェニルホスフィンが結合した構造をとっており、市販のものとしては、アルゴノート(Argonaut) 製のPS−トリフェニルホスフィン(PS−TPP)などどして入手できる。一般にポリスチレンは、ジビニルベンゼンとの共重合で架橋されている。
(b)成分としては、パラジウム原子を含有する化合物であればいかなる化合物であっても良い。このようなパラジウム化合物として具体的には、一般的な塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、塩化カルボニルパラジウム、酢酸パラジウム(II)等の他、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロルビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)等が用いられる。これらのパラジウム化合物は単独で用いても、二種以上を併用しても差し支えない。
レドックス触媒能を有する金属としては、ランタノイド、周期律表第5〜7族の遷移金属、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等が挙げられ、中でもコバルトが好ましい。コバルト化合物としては、塩化コバルト(II)、酢酸コバルト(II)等が適している。中でも塩化コバルト(II)が好ましい。使用量はパラジウム1モルに対して0.5〜100モル程度である。これらのレドックス触媒能を有する金属は単独で用いても二種以上併用しても構わない。
パラジウム及びレドックス触媒能を有する金属の固定化(錯体形成)は金属塩が溶解する溶剤中、室温で混合することにより得られる。例えば、ジクロロメタンにポリ(4−ビニルピリジン)を溶解させ、そこへジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)のジクロロメタン溶液を加え、その後塩化コバルト(II)のアセトン溶液を加えることにより固定化触媒(錯体)が得られる。固定化された構造は、未確認であるが以下に示すような構造となっていると考えられる。
窒素またはリンをアルキルハライドで四級化できる有機担体としては、ジフェニルホスフィノ−ポリスチレンチレン、ポリ‐4-ビニルピリジン、ポリ‐2−ビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ビピリジノ‐ポリスチレン、N,N-(ジイソプロピル)アミノメチルポリスチレン、N-(メチルポリスチレン)-4-(メチルアミノ)ピリジン、N,N-ジエタノールアミノメチル‐ポリスチレン等が挙げられ、無機担体としては、ジフェニルホスフィノ‐2−シリカ、ピリジノ‐2−シリカ等が挙げられ、中でもジフェニルホスフィノ−ポリスチレンが好ましい。ジフェニルホスフィノ−ポリスチレンとしては、グラム当たりジフェニルホスフィノ基が1〜5ミリモル程度結合したのを用いることができる。ジフェニルホスフィノ−ポリスチレンの市販のものとしてはArgonaut製PS-Triphenylphosphine(PS-TPP)がある。
有機担体または無機担体の四級化反応は、一般的な方法でよく、例えば担体とアルキルハライドを溶媒中加熱することにより行なわれる。この際の溶媒も特に制限はなく、メタノール、エタノール、DMF、THF等が用いられ、メタノールが好ましい。
四級化反応の例として、ジフェニルホスフィノ−ポリスチレンチレンを臭化ブチルにより四級化する場合の反応は次式で表される。
必要に応じて添加される脱水剤としては、モレキュラーシーブスやゼオライト等が用られ、特に制限はない。中でも好ましいのは合成ゼオライトのモレキュラーシーブである。A−3,A−4が好ましく、より好ましくはA−3である。
必要に応じて添加される有機レドックス剤としては、ハイドロキノン、ベンゾキノン、α−ナフトキノン、アントラキノン、カテコール、2,2'-ビフェノール、4,4'-ビフェノール等が挙げられる。これらのレドックス触媒は単独で用いても2種以上併用しても差し支えない。使用量はパラジウム1モルに対して0.5〜100モル程度である。
なお、本発明においては、有機レドックス剤を用いずに、溶剤不要の脱水剤と組み合わせて着色の無いポリカーボネートが得ることが可能である。
本発明のポリカーボネート製造用触媒には、必要に応じて、ヒドロキシ化合物を活性化させると考えられるオニウム塩を含有させても良い。オニウム塩としては、アンモニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレノニウム塩などが挙げられる。中でもアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましい。例えばアンモニウム塩として、テトラ(n−ブチル)アンモニウムブロマイド、ビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムブロマイド等が用いられる。ホスホニウム塩として、テトラ(n−ブチル)ホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド等が用いられる。オニウム塩の使用量は、ヒドロキシ化合物に対し、0.1モル%程度以上あればよい。
本発明の触媒においては、触媒活性、目的とする生成物への選択率、収率あるいは寿命の向上を目的に助触媒を添加することができる。助触媒は反応に悪影響を及ぼさない限りいかなるものも使用できるが、ヘテロポリ酸やヘテロポリ酸のオニウム塩等が好適に用いられる。
ヘテロポリ酸としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンタングストモリブデン酸、ケイタングストモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸等が挙げられる。また、これらのオニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩等も用いることが可能である。これらは単独でも、二種以上併用しても差し支えない。
本発明のポリカーボネートの製造方法においては、芳香族ジヒドロキシ化合物及び一価フェノールと、一酸化炭素及び酸素とを反応させてポリカーボネートプレポリマーを製造する第一工程と、該ポリカーボネートプレポリマーを固相重合してポリカーボネートを製造する第二工程を含み、かつ前記第一工程において上記のポリカーボネート製造用触媒を用いる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、一般式(II)
また、反応圧力は、一酸化炭素や酸素等のガス状の原料を用いるため、加圧状態に設定することが一般的であり、一酸化炭素分圧は1×10-2〜20MPa、好ましくは1×10-2〜10MPaの範囲内で、酸素分圧は1×10-2〜10MPa、好ましくは1×10-2〜5MPaの範囲内であればよい。特に、酸素分圧は、反応系内のガス組成が爆発範囲を外れるように調節することが望ましく、反応圧力があまり低圧では反応速度が低下し、また高圧過ぎると反応装置が大型となり、建設費用が高く、経済的に不利である。不活性ガスや水素等を用いる際には、その分圧は特に規定されないが、適宜実用的な圧力範囲で用いればよい。
反応時間は、たとえば回分式の場合は1〜48時間、好ましくは2〜36時間、より好ましくは3〜24時間である。1時間未満だと収率が低く、48時間を超えれば収率の向上が見られなくなる。
プレポリマー製造の際の反応方式は、回分式、原料と触媒等を連続的に投入する半連続式、原料と触媒等を連続的に投入し、反応生成物を連続的に抜き出す連続式のいずれでも可能である。
固相重合に使用する四級ホスホニウム塩としては、特に制限はなく、各種のものがあるが、例えば下記一般式(III)又は(IV)
(PR3 4) + (X2) -・・・・・(III)
(PR3 4) + 2 (Y1)2- ・・・(IV)
で表される化合物を用いることができる。
ここで炭素1〜20のアルキル基の例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n又はイソペンチル基、n又はイソヘキシル基、n又はイソオクチル基、n又はイソデシル基、n又はイソドデシル基、n又はイソテトラデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などが挙げられる。また、これらのアルキル基の置換基としては、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基の例としては、フェニル基, ナフチル基, ビフェニル基などが挙げられる。また、これらのアリール基の置換基としては、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられる。炭素数7〜20のアラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、1,1,1−トリフェニルメチル基などが挙げられる。また、これらのアラルキル基の置換基としては、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられる。
前記四つのR3 は互いに同一でも異なっていてもよく、また二つのR3 が結合して環構造を形成していてもよい。
X2 はハロゲン原子, 水酸基,アルキルオキシ基, アリールオキシ基,R'COO,HCO3 ,(R'O)2 P(=O)O又はBR''4 などの1価のアニオン形成が可能な基を示す。ここで、R'はアルキル基やアリール基などの炭化水素基を示し、二つのR'Oは互いに同一でも異なっていてもよい。またR''は水素原子又はアルキル基やアリール基などの炭化水素基を示し、四つのR''は互いに同一でも異なっていてもよい。Y1 はCO3 などの2価のアニオン形成が可能な基を示す。
前記X2 の具体例としては、ヒドロキシド;ボロヒドリド;テトラフェニルボレート;アルキルトリフェニルボレート;ホルメート;アセテート;プロピオネート;ブチレート;フルオリド;クロリド;ヒドロカーボネートなどを挙げることができる。また、Y1 の具体例としては、カーボネートなどを挙げることができる。
また、触媒効果と得られるポリカーボネートの品質とのバランスからテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートが好ましく用いられる。
さらにシクロヘキシルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートやシクロペンチルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートが触媒効果と得られるポリカーボネートの品質とのバランスに優れる点で好ましく使用することができる。
Tm'−50≦Tp<Tm' ・・・(V)
で示される範囲の温度において、1 分〜100時間、好ましくは0.1〜50時間程度加熱することにより、固相重合反応を行う。
本工程における膨潤状態とは、以下に示した反応条件の範囲において、反応原料であるプレポリマーフレークを熱膨潤値以上に体積的又は重量的に増加した状態をいい、膨潤溶媒とは、下記反応条件の範囲において完全に気化する沸点を有するか、又は通常6.7kPa以上の蒸気圧を有する単一化合物又はそれらの混合物であり、同時に上記の膨潤状態を形成させることができるものをいう。
なお、以下の実施例および比較例において、数平均分子量(Mn)および重量数平均分子量(Mw)はGPC装置を用いて測定した。
遊離液:クロロホルム
カラム:Shodex K−804L
検量線:ポリスチレン標準分子量:1050、5870、17100、
98900、355000の5サンプルで作成した。
検出器:紫外線(UV)検出器
ポリ(4−ビニルピリジン) 〔広栄化学工業株式会社製、重量平均分子量:100000〕1.26gをジクロロメタン40mlに溶解させた。これにジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)のジクロロメタン溶液〔ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II):1.0ミリモル、ジクロロメタン:30ml〕をゆっくり加え、続いて塩化コバルト(II)のアセトン溶液〔塩化コバルト(II):5.0ミリモル、アセトン:70ml〕を加えて、室温で2時間攪拌した。その後、沈殿物を濾過し、アセトンで洗浄し、60℃で24時間真空乾燥した。収量1.90gで目的の固定化触媒Aを得た。
ポリビニルピロリドン(K:30、直鎖タイプ)1.33gをジクロロメタン40mlに溶解させ、これにジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)のジクロロメタン溶液〔ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II):2.0ミリモル、ジクロロメタン:30ミリモル〕をゆっくり加えた。続いて塩化コバルト(II)のアセトン溶液〔塩化コバルト(II):4.0ミリモルl 、アセトン:70ml〕を加え、室温で2時間攪拌した。その後、沈殿物を濾過し、アセトンで洗浄し、60℃、24時間真空乾燥した。収量1.75gで目的の固定化触媒Bを得た。
PS−TPP(Argonaut製, TPP:1.51ミリモル/g、Lot No. 01740)3.97gをアセトン20mlにサスペンドさせ、これにジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)のアセトン溶液〔ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II):0.5ミリモル、アセトン:20ml〕を加え、室温で4時間攪拌した。続いて塩化コバルト(II)のアセトン溶液〔塩化コバルト(II):2.5ミリモル、、アセトン:35ml〕を加え、室温で24時間攪拌した。その後、沈殿物を濾過し、アセトン及びメタノールで洗浄し、60℃、24時間真空乾燥し、目的の固定化触媒Cを得た。
PS−TPP(Argonaut製, TPP:2.22ミリモル/g、Lot No. 0289)5.00g、1−ブロモブタン1.52g及びメタノール70mlを内容量200mlのオートクレーブに入れ、窒素パージし、100℃で加熱攪拌し、48時間後、冷却した。沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、80℃、24時間真空乾燥した。収量は6.19gであり、増量からリンの78%が四級化されていると見られる。
内容量30mlのオートクレーブに、ビスフェノールA:4.16ミリモル、製造例1で得られた固定化触媒A:28.5mg、製造例4で得られた固定化触媒D:223mg、ベンゾキノン0.125ミリモル、合成ゼオライトA−3粉末(和光純薬製 粒径75μm未満)1.0g、プロピレンカーボネート10mlを入れ、一酸化炭素6.0MPa、酸素0.3MPaを25℃で充填した。封入した後に容器を閉構造とし、100℃で24時間加熱した。反応終了後、合成ゼオライト及び固定化触媒を分離し、メタノール再沈殿により、目的のポリカーボネートを得、100℃で24時間、真空乾燥した。目視におけるポリカーボネート粉末の色は薄い黄色であった。得られたポリカーボネートの収率(%)と、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を第1表に示す。
実施例1において、ベンゾキノンを加えなかった他は実施例1と同様に実施した。目視におけるポリカーボネート粉末の色は白色であった。得られたポリカーボネートの収率(%)と、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を第1表に示す。
実施例2において、固定化触媒Aの代わりに、製造例2で得られた固定化触媒B:13.8mgを用いた他は実施例2と同様に実施した。得られたポリカーボネートの収率(%)と、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を第1表に示す。
実施例2において、固定化触媒Aの代わりに、製造例3で得られた固定化触媒C:130mgを用いた他は実施例2と同様に実施した。得られたポリカーボネートの収率(%)と、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を第1表に示す。
実施例2で分離した合成ゼオライトおよび固定化触媒を130℃で24時間真空乾燥した。内容量30mlのオートクレーブに、ビスフェノールA:4.16ミリモル、乾燥させた合成ゼオライト及び固定化触媒(回収した全量)、プロピレンカーボネート10mlを入れ、一酸化炭素6.0MPa、酸素0.3MPaを25℃で充填した。封入した後に容器を閉構造とし、100℃で24時間加熱した。反応終了後、合成ゼオライト及び固定化触媒を分離し、メタノール再沈殿により、再度ポリカーボネートを得、100℃で24時間、真空乾燥した。得られたポリカーボネートの収率(%)と、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を第1表に示す。この参考例より本発明の触媒は再使用できることが分かる。
実施例3で分離した合成ゼオライトおよび固定化触媒を130℃で24時間真空乾燥した。内容量30mlのオートクレーブに、ビスフェノールA:4.16ミリモル、乾燥させた合成ゼオライト及び固定化触媒(回収した全量)、プロピレンカーボネート10mlを入れ、一酸化炭素6.0MPa、酸素0.3MPaを25℃で充填した。封入した後に容器を閉構造とし、100℃で24時間加熱した。反応終了後、合成ゼオライト及び固定化触媒を分離し、メタノール再沈殿により、再度ポリカーボネートを得、100℃で24時間、真空乾燥した。得られたポリカーボネートの収率(%)と、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を第1表に示す。この参考例より本発明の触媒は再使用できることが分かる。
(第一工程)内容量100mlのオートクレーブに、ビスフェノールA:12.48ミリモル、p-tert-ブチルフェノール6.72ミリモル、製造例1で得られた固定化触媒A:85.5mg、合成ゼオライトA−3粉末(和光純薬製 粒径75μm未満)3.0g、プロピレンカーボネート30mlを入れ、一酸化炭素6.0MPa、酸素0.3MPaを25℃で充填した。封入した後に容器を閉構造とし、100℃で24時間加熱した。反応終了後、合成ゼオライト及び固定化触媒を分離し、メタノール再沈殿により、目的のポリカーボネートプレポリマーを得、100℃で、24時間、真空乾燥した。
(第二工程)第一工程で得られたポリカーボネートプレポリマー500mgにシクロヘキシルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートを300ppm添加し、内径 1.3cmのSUS管に入れ、窒素ガス100ml/分の速度で導入し、190℃で2時間、210℃で2時間、230℃で4時間、計8時間の固相重合を実施し、目的のポリカーボネートを得た。ポリカーボネート中の残存パラジウム量は25ppm以下であった。
第一工程で得られたポリカーボネートプレポリマーおよび第二工程で得られたポリカーボネートの分子量(Mn,Mw)を第2表に示す。
実施例5において、p-tert-ブチルフェノールを用いなかった他は実施例5と同様に実施した。第一工程で得られたポリカーボネートプレポリマーおよび第二工程で得られたポリカーボネートの分子量(Mn,Mw)を第2表に示す。
Claims (5)
- (a)触媒担体と(b)パラジウム化合物および(c)レドックス触媒能を有する金属化合物との反応生成物Aと、(d)有機担体または無機担体の窒素またはリンの一部または全部をアルキルハライドで四級化した化合物Bとを含有することを特徴とするポリカーボネート製造用触媒であって、(a)の触媒担体が、下記の一般式(I)で表されるポリマー、ポリビニルピロリドン、ジフェニルホスフィノ−ポリスチレンから選ばれた少なくとも一種であるポリカーボネート製造用触媒。
- (c)のレドックス触媒能を有する金属化合物が、コバルト化合物である請求項1に記載のポリカーボネート製造用触媒。
- 更に(e)脱水剤を含有する請求項1又は2に記載のポリカーボネート製造用触媒。
- 更に(f)有機レドックス剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート製造用触媒。
- 芳香族ジヒドロキシ化合物及び一価フェノールと、一酸化炭素及び酸素とを反応させてポリカーボネートプレポリマーを製造する第一工程と、該ポリカーボネートプレポリマーを固相重合してポリカーボネートを製造する第二工程を含み、前記第一工程において請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート製造用触媒を用いることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
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