JP4403086B2 - 厚鋼板の圧下矯正方法 - Google Patents

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本発明は、厚鋼板を圧下矯正する方法に関する。
従来、圧延機で圧延した例えば厚みが4.5mm以上100mm以下の厚鋼板のうち、その表面の平坦度が悪いものについては、更に軽圧下(軽圧下矯正ともいう)を行い、厚鋼板の形状の矯正を行っている。なお、厚鋼板に圧下率が例えば0.1%以上1.0%以下の軽圧下矯正を行った際、厚鋼板の降伏点が低下することが一般的に知られている(例えば、特許文献1参照)。このように、厚鋼板の降伏点を低下させることで、例えば、厚鋼板の曲げ加工、プレス加工時の加工力、及び摩耗を低減でき、更に設備コストも低減できる。
特開2002−66603号公報
しかしながら、降伏点を低下させない方がよい厚鋼板、例えば、造船用鋼板又は海構用鋼板を製造する場合でも、厚鋼板の形状を矯正するため前記した軽圧下矯正を行うことで、その降伏点が低下してしまう。
一般に鋼材には規格があり、降伏点の下限が規定されている。このため、その規定を満足するためには、例えば、厚鋼板の成分として合金元素を添加したり、また厚鋼板の圧延条件を制御して、予め降伏点を高めておくことが考えられるが、厚鋼板の製造コストの上昇及び生産性の阻害を引き起こす。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、圧下矯正する厚鋼板の温度により、その降伏点が低下したりしなかったりすることを見出したことで、降伏点を低下させない厚鋼板と低下させた厚鋼板とを造り分け、それぞれの使用目的に応じた良好な品質の厚鋼板を提供可能な厚鋼板の圧下矯正方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る厚鋼板の圧下矯正方法は、厚鋼板を、圧下率が0.1%以上1.0%以下で圧下矯正を行う方法において、
前記圧下矯正により前記厚鋼板の降伏点を低下させない場合には、時効が生じる温度以上でAr1変態点未満の温度範囲で前記厚鋼板を圧下矯正し、前記圧下矯正により前記厚鋼板の降伏点を低下させる場合には、該厚鋼板に前記時効が生じる温度未満で該厚鋼板を圧下矯正する。
ここで、厚鋼板の降伏点を低下させない方法としては、例えば、圧延機で圧延した厚鋼板をその冷却過程で圧下矯正したり、また一旦冷却した厚鋼板を再加熱して圧下矯正する方法がある。
本発明に係る厚鋼板の圧下矯正方法において、前記圧下矯正により前記厚鋼板の降伏点を低下させない場合に、前記厚鋼板の温度が前記圧下矯正前に前記時効を生じる温度未満に低下した際には、この厚鋼板を加熱手段により前記時効が生じる温度以上でAc1変態点未満の温度範囲に加熱昇温した後、前記圧下矯正を行うことが好ましい。
ここで、加熱手段としては、例えば、誘導加熱又は加熱炉を使用できる。
本発明の厚鋼板の圧下矯正方法は、厚鋼板の圧下矯正の際の温度を規定することで、厚鋼板の製造コストの上昇及び生産性の阻害を引き起こすことなく、降伏点を低下させない厚鋼板と低下させた厚鋼板とを造り分け、それぞれの使用目的に応じた良好な品質の厚鋼板を提供することが可能になる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1、第2の実施の形態に係る厚鋼板の圧下矯正方法の説明図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る厚鋼板の圧下矯正方法は、圧延機(仕上圧延機ともいう)10で圧延した厚鋼板11を、軽圧下矯正機12により圧下率が0.1%以上1.0%以下で圧下矯正を行う方法において、圧延機10で圧延した厚鋼板11の冷却過程又は冷却後に、軽圧下矯正機12によって圧下矯正を行い、降伏点を低下させない厚鋼板と低下させた厚鋼板とを造り分ける方法である。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る厚鋼板の圧下矯正方法を適用する厚鋼板製造設備について説明した後、厚鋼板の圧下矯正方法について詳しく説明する。
図1に示すように、厚鋼板製造設備は、厚鋼板11の進行方向の上流側から下流側へかけて、圧延機10、冷却装置14、冷却床15、及び軽圧下矯正機12が順次配置されている。なお、冷却装置14は水冷式のものであり、冷却床15は自然放冷式のものである。ここで、冷却床15は、例えば、並列に少なくとも3系列(軽圧下矯正を行わない厚鋼板用、降伏点を低下させない厚鋼板用、及び降伏点を低下させる厚鋼板用)以上区分されているものとする。
この厚鋼板製造設備を使用して、降伏点が異なる厚鋼板を製造する方法について説明する。
圧下矯正を行う厚鋼板11は、従来厚鋼板に使用されている一般的なものであり、その成分は、例えば、C、Si、Mn、P、S、Al、及びNを含み、更に、Cu、Cr、Mo、W、Ta、Ni、Nb、Ti、V、B、Ca、Mg、及び希土類元素のいずれか1種又は2種以上を含むものである。上記した各元素の含有量の一例を以下に示す。
C:0.01質量%以上0.20質量%以下、Si:0.02質量%以上1.0質量%以下、Mn:0.2質量%以上2.5質量%以下、P:0.025質量%以下、S:0.020質量%以下、Al:0.002質量%以上0.10質量%以下、N:0.0010質量%以上0.0080質量%以下、Cu:0.05質量%以上1.5質量%以下、Cr:0.05質量%以上1.0質量%以下、Mo:0.05質量%以上0.50質量%以下、W:0.05質量%以上0.50質量%以下、Ta:0.05質量%以上0.50質量%以下、Ni:0.05質量%以上3.5質量%以下、Nb:0.003質量%以上0.05質量%以下、Ti:0.002質量%以上0.10質量%以下、V:0.005質量%以上0.10質量%以下、B:0.0003質量%以上0.0030質量%以下、Ca:0.0003質量%以上0.0050質量%以下、Mg:0.0005質量%以上0.0060質量%以下、希土類元素:0.0005質量%以上0.0060質量%以下である。
まず、圧延する圧延材を、例えば、1000℃以上1300℃以下に予め加熱した後、例えば、Ar3点以上1100℃以下の温度のもと、累積圧下率が50%以上になるように圧延機10で圧延し、厚みが4.5mm以上100mm以下の厚鋼板11を製造する。
次に、この厚鋼板11を冷却装置14で冷却した後、引き続き行われる圧下矯正によって、降伏点を低下させない厚鋼板と低下させる厚鋼板との造り分けを行う。
ここで、軽圧下矯正機12の圧下矯正により、厚鋼板11の降伏点を低下させない場合には、時効が生じる温度以上でAr1変態点未満の温度範囲で、厚鋼板11を圧下矯正する必要がある。従って、冷却床15の降伏点を低下させない方の系列により、厚鋼板11の搬送速度を速くして、厚鋼板11を軽圧下矯正機12まで搬送し圧下矯正を行う。
なお、圧下矯正を行う厚鋼板の温度がAr1変態点以上の場合、厚鋼板の矯正後、この厚鋼板に更に変態に伴う歪みが発生してしまい、十分な矯正効果が得られない場合がある。一方、圧下矯正を行う厚鋼板の温度が、時効が生じる温度未満の場合、Ti又はAlに固定されていない固溶Nが転位に固着されないため、厚鋼板の降伏点が低下してしまう。
このため、圧下矯正を行う厚鋼板の温度を、時効が生じる温度以上でAr1変態点未満の温度範囲としている。
また、軽圧下矯正機12の圧下率が0.1%未満の場合、厚鋼板の形状を矯正できない。一方、圧下率が1.0%を超える場合、厚鋼板の転位密度が過剰に多くなるため、強度が上昇し過ぎて、厚鋼板の延性及び靱性が低下する。
このため、圧下率を0.1%以上1.0%以下としている。
ここで、時効が生じる温度Tは、簡易な下式により求めた値でもよい。
T=250−26000×{(N質量%)−(Ti質量%)/3.4−(Al質量%)/29}
但し、{(N質量%)−(Ti質量%)/3.4−(Al質量%)/29}<0の場合は0とする。
また、軽圧下矯正機12の圧下矯正により、厚鋼板11の降伏点を低下させる場合には、厚鋼板11に時効が生じる温度未満で厚鋼板11を圧下矯正する必要がある。このため、冷却床15の降伏点を低下させる方の系列により、前記した降伏点を低下させない方の系列で搬送する厚鋼板11の搬送速度よりも、厚鋼板11の搬送速度を遅くして、厚鋼板11を軽圧下矯正機12まで搬送し圧下矯正を行う。
以上のように、厚鋼板11の圧延ラインに、冷却床15を並列に複数系列区分し、各系列での厚鋼板11の搬送速度を調整することで、軽圧下矯正機12による圧下矯正時の厚鋼板11の温度を制御し、降伏点を低下させない厚鋼板と低下させた厚鋼板とを造り分けることができる。しかし、厚鋼板11の圧延ラインに冷却床を複数系列に区分できない場合には、冷却床の入側と出側に軽圧下矯正機をそれぞれ設け、厚鋼板11の圧下矯正を行う時期を調整することで、各軽圧下矯正機による圧下矯正時の厚鋼板11の温度を制御し、降伏点を低下させない厚鋼板と低下させた厚鋼板とを造り分けることもできる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る厚鋼板の圧下矯正方法について説明する。
図1に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る厚鋼板の圧下矯正方法は、圧延機10で圧延した厚鋼板11を、圧下率が0.1%以上1.0%以下で圧下矯正を行う方法において、圧延機10で圧延した後に温度が低下してしまった厚鋼板11を加熱手段16により加熱昇温して、軽圧下矯正機12による圧下矯正を行うことで、その厚鋼板11の降伏点を低下させることなく使用可能にする方法である。
また、圧延機10で圧延した後に温度が低下してしまった厚鋼板11は、加熱手段16を稼働させずにそのままの状態で、軽圧下矯正機12による圧下矯正を行うことにより、その降伏点を低下させることができる。その結果、降伏点を低下させない厚鋼板と低下させた厚鋼板とを造り分けることができる。
なお、加熱手段16は、冷却床15と軽圧下圧延機12との間に配置されており、この加熱手段16として、誘導加熱を使用し、厚鋼板11を搬送しながら加熱しているが、加熱炉などの加熱手段を使用し、厚鋼板を装入して加熱昇温することも可能である。
前記した条件のもと、圧延機10で圧延されて冷却装置14で冷却され、更に冷却床15で冷却された厚鋼板11は、厚鋼板11の温度が、時効が生じる温度未満に低下している場合がある。このため、この状態で軽圧下矯正機12による圧下矯正を行った場合、その厚鋼板11の降伏点は低下する。
そこで、軽圧下矯正機12の圧下矯正により、厚鋼板11の降伏点を低下させない場合、即ち厚鋼板11の降伏点が低下することを救済する場合には、加熱手段16により、時効が生じる温度以上でAc1変態点未満の温度範囲に加熱昇温した後、厚鋼板11を圧下矯正する。ここで、加熱温度がAc1変態点以上の場合、オーステナイトへの変態が開始するために、熱間圧延で造り込んだ組織及び材質が大きく変化してしまう。一方、圧下矯正により、厚鋼板11の降伏点を低下させる場合には、加熱手段16を稼働させることなく、厚鋼板11をそのままの状態で圧下矯正する。
前記したように、厚鋼板11の圧延ラインに、加熱手段16と軽圧下矯正機12を順次配置しているが、厚鋼板11の圧延ラインとは別に、加熱手段16と軽圧下矯正機12を設置することも可能である。ここで、厚鋼板11の降伏点を低下させない場合は、圧延ラインで製造した厚鋼板11を、例えば一旦保管した後、必要に応じて、加熱手段16によって加熱昇温して、軽圧下矯正機12で圧下矯正する。なお、厚鋼板11の降伏点を低下させる場合は、圧延ラインで製造した厚鋼板11を、温度が低下したままの状態で、軽圧下矯正機12により圧下矯正する。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
なお、使用する軽圧下矯正機12のワークロールの直径は300mm、胴長は5500mmであり、バックアップロールは分割型のものであり、その直径は750mm、胴長は300mmである。また、加熱手段としては、最高温度が600℃の誘導加熱装置を使用した。
ここで、厚鋼板として、前記実施の形態で示した化学成分を含む4種類の厚鋼板A〜Dを使用した。この各厚鋼板A〜Dの化学成分、及びその各成分量を表1に示し、それぞれのAr1変態点、Ac1変態点、及び板厚を表2に示す。
Figure 0004403086
Figure 0004403086
まず、上記した厚鋼板A〜Dを使用し、その降伏点を低下させない場合について説明する。
ここで、実施例を1〜6、及び比較例を1〜8として、圧下矯正前の鋼板温度、加熱装置での加熱温度、及び圧下率を表3に示し、各引張特性の結果を表4に示す。なお、引張特性は、JIS 1A号 C方向引っ張り試験に基づいて測定した。
Figure 0004403086
Figure 0004403086
表3から明らかなように、実施例1、2、5、6の各厚鋼板は、鋼板温度が時効を生じる温度以上でAr1変態点未満の温度範囲になった状態で圧下矯正を行ったものである。また、実施例3、4の各厚鋼板は、鋼板温度が時効を生じる温度未満に低下したため、この厚鋼板の圧下矯正時に降伏点が低下することを防止するため、鋼板温度を時効を生じる温度以上でAc1変態点未満の温度範囲に加熱して圧下矯正を行ったものである。なお、実施例1〜6の各厚鋼板は、いずれも圧下矯正時の圧下率が0.1%以上1.0%以下となっている。
一方、比較例1、2の各厚鋼板は、鋼板温度が時効を生じる温度未満になった状態で圧下矯正を行ったものである。また、比較例3の厚鋼板は、圧下矯正時の圧下率が0.1%未満であり、比較例4の厚鋼板は、圧下矯正時の圧下率が1.0%を超えている。そして、比較例5の厚鋼板は、加熱装置での加熱温度がAc1変態点を超えており、比較例6の厚鋼板は、加熱装置での加熱温度が時効を生じる温度未満になっている。更に、比較例7の厚鋼板は、鋼板温度がAr1変態点を超えており、比較例8の厚鋼板は、鋼板温度が時効を生じる温度未満になった状態で圧下矯正を行ったものである。
表4から明らかなように、実施例1〜6の各厚鋼板については、引張特性変化代の降伏強度、即ち、未矯正の厚鋼板の降伏強度(降伏点)と、矯正後の厚鋼板の降伏強度(降伏点)との差が、評価の基準となる20MPa(N/mm2 )以内となっており、降伏点を低下させることなく圧下矯正できることを確認できた。また、各厚鋼板の平坦度についても、前記した圧下率の範囲内で厚鋼板の圧下矯正を行っているため良好であった。
一方、比較例1、2、6、8の各厚鋼板については、引張特性変化代の降伏強度が、評価の基準となる20MPaを超えており、降伏点の大幅な低下が確認された。また、圧下矯正時の圧下率が0.1%未満の比較例3の厚鋼板では、降伏点の大幅な低下は無かったが、圧下率が小さ過ぎるため、圧下矯正後の平坦度が悪かった。そして、圧下矯正時の圧下率が1.0%を超える比較例4の厚鋼板では、強度が上昇し過ぎたため、他の厚鋼板と比較して伸びが低下した。比較例5の厚鋼板は、加熱温度がAc1変態点を超えていたため、組織が変わり強度が低下した。更に、鋼板温度がAr1変態点を超える比較例7の厚鋼板では、矯正後に発生した変態歪により、圧下矯正後の平坦度が悪かった。
以上のことから、本願発明の圧下矯正方法を適用することにより、厚鋼板の製造コストの上昇及び生産性の阻害を引き起こすことなく、降伏点を低下させない厚鋼板を製造できることを確認できた。
続いて、前記した厚鋼板A〜Dを使用し、その降伏点を低下させる場合について説明する。
ここで、実施例を1〜4、及び比較例を1〜8として、圧下矯正前の鋼板温度、加熱装置での加熱温度、及び圧下率を表5に示し、その結果を表6に示す。
Figure 0004403086
Figure 0004403086
表5から明らかなように、実施例1〜4の各厚鋼板は、鋼板温度が時効を生じる温度未満になった状態で圧下矯正を行ったものである。なお、実施例1〜4の各厚鋼板は、いずれも圧下矯正時の圧下率が0.1%以上1.0%以下となっている。
一方、比較例1〜6の各厚鋼板は、鋼板温度が時効を生じる温度以上で圧下矯正を行ったものである。なお、比較例3、4の各厚鋼板は、加熱装置の加熱により、鋼板温度を時効が生じる温度以上にしている。また、比較例7の厚鋼板は、圧下矯正時の圧下率が0.1%未満であり、比較例8の厚鋼板は、圧下矯正時の圧下率が1.0%を超えている。
表6から明らかなように、実施例1〜4の各厚鋼板については、引張特性変化代の降伏強度が、評価の基準となる20MPaを超えており、降伏点の大幅な低下が確認された。なお、厚鋼板の平坦度についても、前記した圧下率の範囲内で厚鋼板の圧下矯正を行っているため、良好であった。
一方、比較例1〜6の各厚鋼板については、引張特性変化代の降伏強度が、評価の基準となる20MPa以内となっており、降伏点を低下できないことが確認された。また、圧下矯正時の圧下率が0.1%未満の比較例7の厚鋼板では、降伏点の低下が基準値を超えることができず、更に圧下率が小さ過ぎるため圧下矯正後の平坦度も悪かった。そして、圧下矯正時の圧下率が1.0%を超える比較例8の厚鋼板では、加工効果により降伏点を低下させることができず、更に他の厚鋼板と比較して伸びも低下した。
以上のことから、本願発明の圧下矯正方法を適用することにより、厚鋼板の製造コストの上昇及び生産性の阻害を引き起こすことなく、降伏点を低下させた厚鋼板を製造できることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の厚鋼板の圧下矯正方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
本発明の第1、第2の実施の形態に係る厚鋼板の圧下矯正方法の説明図である。
符号の説明
10:圧延機、11:厚鋼板、12:軽圧下矯正機、14:冷却装置、15:冷却床、16:加熱手段

Claims (2)

  1. 厚鋼板を、圧下率が0.1%以上1.0%以下で圧下矯正を行う方法において、
    前記圧下矯正により前記厚鋼板の降伏点を低下させない場合には、時効が生じる温度以上でAr1変態点未満の温度範囲で前記厚鋼板を圧下矯正し、前記圧下矯正により前記厚鋼板の降伏点を低下させる場合には、該厚鋼板に前記時効が生じる温度未満で該厚鋼板を圧下矯正することを特徴とする厚鋼板の圧下矯正方法。
  2. 請求項1記載の厚鋼板の圧下矯正方法において、前記圧下矯正により前記厚鋼板の降伏点を低下させない場合に、前記厚鋼板の温度が前記圧下矯正前に前記時効を生じる温度未満に低下した際には、この厚鋼板を加熱手段により前記時効が生じる温度以上でAc1変態点未満の温度範囲に加熱昇温した後、前記圧下矯正を行うことを特徴とする厚鋼板の圧下矯正方法。
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