JP4402546B2 - 光学素子の成形装置及び成形方法 - Google Patents

光学素子の成形装置及び成形方法 Download PDF

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本発明は、加熱したガラス等の光学素子素材を成形型でプレスすることによりレンズ、プリズム等の光学素子を成形する光学素子の成形方法及び装置に関し、特に、成形型に加わる押圧力の方向を補正することにより、成形品たる光学素子の偏芯精度及び面精度を向上させることができる光学素子の成形装置及び成形方法に関する。
図6は従来の光学素子の成形型を示す部分断面図である。同図において、光学素子の成形型100は、上下に対向する一対の上型110と下型120とを有し、これら上型110と下型120との、図示しない金型形成面の反対面には、それぞれフランジ111,121が設けてあった。そして、これら上型110と下型120との外側に円筒状のスリーブ130を装着し、さらに、その外側に同じく円筒状のSUS胴140を装着した構成となっていた(特開平8−259240号公報)。
このような従来の光学素子の成形型100は、上下一対のヒータープレート151,152の間に配置され、上側のヒータープレート151により上側のフランジ111を押圧することで、ガラス等の光学素子素材101をプレス加工していた。
このとき、これら上型110と下型120との軸心(図中の一点鎖線参照)を精度よく一致させて、成形品たる光学素子の偏芯精度や、金型成形面と光学素子素材101との密着性を維持する必要がある。このため、従来の成形型100では、スリーブ130のクリアランスによって、上型110と下型120とをシフト方向(金型の水平方向:図中の矢印S参照)に位置決めするとともに、両端を平行に加工してある前記SUS胴140にヒータープレート151,152を当接させて、ヒータープレート151,152の傾きを補正することで、上型110と下型120とをチルト方向(金型の斜め方向:図中の矢印C参照)に位置決めしていた。
なお、図7はその他の従来の光学素子の成形型を示す部分断面図である。同図において、光学素子の成形型200は、上下に対向する一対の上型210と下型220との外側にスリーブ230を装着してなり、上記従来の成形型100からフランジ111,121及びSUS胴140を排除した簡単な構成となっていた(特開平2−34526号公報)。
このような従来の光学素子の成形型200では、スリーブ230のクリアランスによって、上型110と下型120とをシフト方向Sに位置決めするのみで、上型110と下型120とのチルト方向Cの位置決めは、専ら上下のヒータープレート241,242の平行性にゆだねられていた。
特開平8−259240号公報 特開平2−34526号公報
しかし、上述した図6に示す従来の光学素子の成形型100では、二つのフランジ111,121とSUS胴140とを必要とし、部品点数の増加を招き、製品毎に必要な型構成が複雑となり、上型110と下型120との小型化が困難であるという問題があった。
一方、上述した図7に示す従来の光学素子の成形型200では、上型210と下型220とのチルト方向C位置決めは、専ら上下のヒータープレート241,242の平行性にゆだねられていた。しかし、現実は、図8(a)に示すように、エアシリンダ等によってヒータープレート241の進直度(進行方向に傾きがないこと)を数μm単位で出すことが困難であった。このため、上型210及び下型220をヒータープレート241で押圧する最中に、該ヒータープレート241の押圧力の方向に傾きが生じてしまい(図中矢印O参照)、これに起因して、上型210及び下型220とヒータープレート241,242との相互間にシフト方向Sの摩擦が発生し、上型210と下型220とがスリーブ230内で偏芯してしまい、又はチルト方向Cに浮いてしまい、成形品たる光学素子の偏芯精度及び面精度を悪化させてしまうという問題があった。同様に図6で説明したSUS胴140を用いた構成であっても、図8(b)に示すように、上型110と下型120は進直度の影響を受けてしまう。
なお、ヒータープレート241の進直度を機械的に高精度にするためには、経時変化、装置のサイズ、又は温度による変形等を厳密に制御しなければならず、現実的に難しい。また、冷却過程における金型の相対的な位置移動により、成形面にアス又はコマが発生してしまう。さらに、押圧方向以外のベクトル方向に移動する力が摩擦を発生させ、摺動抵抗増加、スリーブ及び金型の変形等の問題を誘発してしまう。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、成形型に加わる押圧力の方向を補正することにより、成形品たる光学素子の偏芯精度及び面精度を向上させることができる光学素子の成形装置及び成形方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の光学素子の成形方法は、加熱軟化させた光学素子素材を成形型でプレス成形する光学素子の成形方法において、昇降可能な押圧部材によって前記成形型を押圧する押圧工程を備え、前記押圧工程では、前記成形型に加わる押圧力の伝達を一時的に断つことを特徴とする。
上記の光学素子の成形方法において、前記押圧工程では、前記成形型と前記押圧部材との間に気体を供給することにより、該成形型と該押圧部材との接触を一時的に断つようにする。
上記の光学素子の成形方法において、前記押圧工程では、前記押圧部材を昇降させる第1及び第2軸部材の間に設けられた上下一対の平行板の間に気体を供給することにより、該平行板同士の接触を一時的に断つようにする。
上記の光学素子の成形方法において、前記押圧工程では、前記押圧部材を昇降させる第1及び第2軸部材の間に設けられた上下一対の平行板の間に設けられた圧電素子を振動させることにより、該圧電素子と該平行板との接触を一時的に断つようにする。
上記の光学素子の成形方法において、前記押圧工程では、前記押圧部材又は前記成形型が載置された基台に圧電素子により振動を与えることにより、該成形型と該押圧部材との接触を一時的に断つようにする。
上記目的を達成するために、本発明の光学素子の成形装置は、昇降可能な押圧部材によって前記成形型を押圧する押圧部材と、前記押圧部材によって前記成形型を押圧する際に、該成形型に加わる押圧力の伝達を一時的に断つ補正手段と、を備えることを特徴とする。
上記の光学素子の成形装置において、前記補正手段は、気体供給手段であり、前記気体供給手段は、前記押圧部材によって前記成形型を押圧する際に、該成形型と該押圧部材との間に気体を供給することにより、該成形型と該押圧部材との接触を一時的に断つようにする。
上記の光学素子の成形装置において、前記補正手段は、前記押圧部材を昇降させる第1及び第2軸部材と、前記第1及び第2軸部材の間に設けられた上下一対の平行板と、前記一対の平行板の間に気体を供給する気体供給手段と、を備え、前記気体供給手段は、前記押圧部材によって前記成形型を押圧する際に動作することにより、前記平行板同士の接触を一時的に断つようにする。
上記の光学素子の成形装置において、前記気体は、窒素ガスである。
上記の光学素子の成形装置において、前記補正手段は、前記押圧部材を昇降させる第1及び第2軸部材と、前記第1及び第2軸部材の間に設けられた上下一対の平行板と、前記一対の平行板の間に設けられた圧電素子と、を備え、前記圧電素子は、前記押圧部材によって前記成形型を押圧する際に振動することにより、該圧電素子と前記平行板との接触を一時的に断つようにする。また、上記の光学素子の成形装置において、前記補正手段は、圧電素子であり、前記圧電素子は、前記押圧部材によって前記成形型を押圧する際に、前記押圧部材又は前記成形型が載置された基台に振動を与えることにより、該成形型と該押圧部材との接触を一時的に断つようにする。さらに、上記の光学素子の成形装置において、前記圧電素子は、超音波振動子である。
本発明の光学素子の成形装置及び成形方法によれば、成形型に加わる押圧力の方向を補正することにより、成形品たる光学素子の偏芯精度及び面精度を向上させることができる。具体的に説明すると、押圧部材によって成形型を押圧したときに、該押圧部材の進直度が数μm単位で得られず、その押圧力の方向に傾きが生じた場合でも、例えば、成形型への押圧力の伝達を一時的に断つことにより、該押圧力と直交する方向に、押圧部材がその傾きに応じた量だけ移動して、成形型に対する押圧力の方向を補正することができる。また、押圧部材によって成形型を押圧したときに、軸部材の傾きを押圧部材に伝達させないようにすることにより、成形型に対する押圧力の方向を補正することができる。これによって、スリーブ内における上型と下型のシフト方向のずれ、チルト方向の浮きを防止することができ、成形品たる光学素子の偏芯精度及び面精度を向上させることができる。
以下、本発明の光学素子の成形装置及び成形方法の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。まず、本発明の第1実施形態に係る光学素子の成形装置及び成形方法について、図1を参照しつつ説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る光学素子の成形装置を示す部分断面図である。
同図において、1は本実施形態に係る光学素子の成形装置であり、10は成形型である。該成形型10は、上下に対向する一対の上型11と下型12との外側にスリーブ13を装着してなる。該成形型10は下側のヒータープレート(基台)15に載置され、上側のヒータープレート(押圧部材)14により押圧される。
なお、上側のヒータープレート14は、図示しないエアシリンダのロッドに連結してあり、昇降可能となっている。また、上下のヒータープレート14,15には、図示しないSICヒータ,カートリッジヒータ又は平面パネルヒータがそれぞれ内蔵してある。
成形型10は、スリーブ13のクリアランスによって、上型11と下型12とをシフト方向S(図7参照)に位置決めするのみで、上型11と下型12とのチルト方向C(図7参照)の位置決めは、専ら上下のヒータープレート14,15の平行性にゆだねられている。
下側のヒータープレート15は、ベースプレート17に載置してあるが、これらヒータープレート15とベースプレート17の間には、二つの圧電素子(補正手段)16,16が介在させてある。各圧電素子16は、上側のヒータープレート14による成形型10の押圧時に、断続的又は継続的な振動を発生し、下側のヒータープレート15と成形型10との間に微細なクリアランスL1を発生させて、両者の接触を一時的に断つ。
ここで、各圧電素子16は、加熱溶融させた光学素子素材18のプレス過程において、成形型10に振動を与えるものであるから、各圧電素子16として、成形品たる光学素子の光学面に悪影響のない振動を発生する超音波振動子を用いることが望ましい。また、各圧電素子16は、上側のヒータープレート14の押圧荷重に耐え得る強度を要する。さらに、各圧電素子16は、断続的又は継続的に振動させてもよいが、長時間にわたって振動が継続すると、成形型10と上下のヒータープレート14,15との間に摩擦が生じるので、短時間の振動を継続的に発生させることが望ましい。
これらに加え、例えば、製造する成形品の種類に応じて、上側のヒータープレート14の押圧力を変更するような場合は、該押圧力に応じて各圧電素子16の振動数を変更し、下側のヒータープレート15と成形型10とのクリアランスL1が両者の接触を一時的に断つのに十分な距離を確保することが望ましい。
次に、本実施形態に係る光学素子の成形方法について説明する。図1において、上型11と下型12の間に光学素子素材18を載置するとともに、これら上型11と下型12との外側にスリーブ13を装着して成形型10を組み立てる。該成形型10を図示しない搬送手段によって下側のヒータープレート15上に載置し、押圧部材たる上側のヒータープレート14を下降させて該成形型10を加圧する(図中の白抜きの矢印参照)。
このとき、該ヒータープレート14の進直度が数μm単位で得られず、その押圧力の方向に傾きが生じる。そこで、各圧電素子16を断続的又は継続的に振動させると、この振動が下側のヒータープレート15及び成形型10に伝達し、両者の接触が一時的に断たれる。これによって、ヒータープレート14の成形型10への押圧力の伝達が一時的に断たれ、該押圧力と直交する方向(図中の水平方向の矢印参照)に、ヒータープレート14がその傾きに応じた量だけ移動して、成形型10に対する押圧力の方向が補正される。
この結果、成形型10と上下のヒータープレート14,15との相互間におけるシフト方向Sの摩擦、又は成形型10のチルト方向Cの浮きが解消され、成形品たる光学素子の偏芯精度及び面精度を向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、各圧電素子16によって下側のヒータープレート15に振動を与える構成としたが、上側のヒータープレート14に各圧電素子16を設けて振動を与える構成としても、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る光学素子の成形装置及び成形方法について、図2を参照しつつ説明する。図2は本発明の第2実施形態に係る光学素子の成形装置を示す部分断面図である。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
同図において、本実施形態に係る光学素子の成形装置2は、成形型10を上側のヒータープレート14によって押圧したときに、高圧気体(補正手段)を成形型10と上側のヒータープレート14との間に供給することにより、該ヒータープレート14をエアフローティングさせ、両者の間に微細なクリアランスL2を発生させて接触を一時的に断つようにしてある。
上側のヒータープレート14の中央には、前記高圧気体を供給するためのノズル21が埋設してあり、該ノズル21には、チューブ22を介して高圧気体供給装置23が接続してある。本実施形態では、成形型10の温度低下を防止するとともに、成形品に悪影響を与えないという観点から、前記高圧気体として高温窒素ガスN2を採用している。
また、図2中の拡大図に示すように、上型11又は上側のヒータープレート14の、ノズル21の噴出口に対応する箇所には、凹部11a又は14aが形成してある。これら凹部11a又は14aにより、前記高圧気体との接触面積が大きくなり、なるべく少量かつ低圧の前記高圧気体によって、上側のヒータープレート14のエアフローティングを可能としている。
さらに、上記第1実施形態と同様に、上側のヒータープレート14の押圧力を変更するような場合は、該押圧力に応じて前記高圧気体の供給量を変更し、上側のヒータープレート14と成形型10とのクリアランスL2を常に一定に保つことが望ましい。
次に、本実施形態に係る光学素子の成形方法について説明する。上側のヒータープレート14により成形型10を押圧したときに(図中の白抜きの矢印参照)、該ヒータープレート14の進直度が数μm単位で得られず、その押圧力の方向に傾きが生じる。そこで、高圧気体供給装置23を動作させ、ノズル21から前記高圧気体を短時間で断続的に噴出させると、上側のヒータープレート14がエアフローティングし、該ヒータープレート14と成形型10の接触が一時的に断たれる。これによって、ヒータープレート14の成形型10への押圧力の伝達が一時的に断たれ、該押圧力と直交する方向(図中の水平方向の矢印参照)に、ヒータープレート14がその傾きに応じた量だけ移動して、成形型10に対する押圧力の方向が補正される。
この結果、成形型10と上下のヒータープレート14,15との相互間におけるシフト方向Sの摩擦、又は成形型10のチルト方向Cの浮きが解消され、成形品たる光学素子の偏芯精度及び面精度を向上させることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る光学素子の成形装置及び成形方法について、図3を参照しつつ説明する。図3は本発明の第3実施形態に係る光学素子の成形装置を示す部分断面図である。なお、本実施形態において、上述した第1及び第2実施形態と同一の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
同図において、本実施形態の光学素子の成形装置3は、上側のヒータープレート(押圧部材)14を昇降させる第1軸部材31と、該第1軸部材31からの押圧力が伝達される第2軸部材32と、これら第1及び第2軸部材31,32の間に介設した上下一対の平行板33,34と、これら平行板33,34の間に介設した圧電素子35,35とからなる補正手段を備えた構成としてある。
平行板33,34は、リテーナ36の内部に所定のクリアランスを確保して図中の水平方向に移動可能に収納してある。また、第1軸部材31は、図示しないエアシリンダのロッドに連結してあり、昇降動作可能となっている。さらに、上下のヒータープレート14,15には、成形型10を加熱するための複数のヒータ19,19…が内蔵してある。
ここで、各圧電素子35は、上側の平行板33に固定してあり、下側の平行板34には固定していない。したがって、第1及び第2駆動軸31,32を下降させ、上側のヒータープレート14が成形型10を押圧したときに、各圧電素子35が下側の平行板34に当接するようになっている。この状態で各圧電素子35を断続的又は継続的に振動させると、各圧電素子35と下側の平行板34との間に微細なクリアランスL3が発生し、両者の接触が一時的に断たれるようになっている。上述した第1実施形態と同様に、各圧電素子35として超音波振動子を採用することが望ましい。
次に、本実施形態に係る光学素子の成形方法について説明する。上側のヒータープレート14により成形型10を押圧したときに(図中の白抜きの矢印参照)、該ヒータープレート14の進直度が数μm単位で得られず、その押圧力の方向に傾きが生じる。そこで、各圧電素子35を断続的又は継続的に振動させると、該圧電素子35と下側の平行板34との接触が一時的に断たれる。
これによって、該平行板34、及びこれに連結した第2軸部材32、上側のヒータープレート14への押圧力の伝達が一時的に断たれ、該押圧力と直交する方向(図中の水平方向の矢印参照)に、平行板34、第2軸部材32、ヒータープレート14がその傾きに応じた量だけ移動して、成形型10に対する押圧力の方向が補正される。
この結果、成形型10と上下のヒータープレート14,15との相互間におけるシフト方向Sの摩擦、又は成形型10のチルト方向Cの浮きが解消され、成形品たる光学素子の偏芯精度及び面精度を向上させることができる。
このような本実施形態に係る光学素子の成形装置及び成形方法によれば、第1及び第2実施形態と同様に、成形型10に加わる押圧力の方向を補正することができるとともに、補正手段を構成する圧電素子35,35を高温のヒータープレート14,15から離れた箇所に設置することができる。したがって、押圧力の方向を精度高く補正することができ、補正手段の耐熱性が不要となって装置のローコスト化が可能となる。
次に、本発明の第4実施形態に係る光学素子の成形装置及び成形方法について、図4を参照しつつ説明する。図4は本発明の第4実施形態に係る光学素子の成形装置を示す部分断面図である。なお、本実施形態において、上述した第1〜第3実施形態と同一の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
同図において、本実施形態の光学素子の成形装置4は、上側のヒータープレート(押圧部材)14を昇降させる第1軸部材31と、該第1軸部材31からの押圧力が伝達される第2軸部材32と、これら第1及び第2軸部材31,32の間に介設した上下一対の平行板33,34と、上側の平行板33に埋設した二本のノズル41,41とからなる補正手段を備え、これらノズル41から高圧気体(高温窒素ガスN2)を平行板33,34間に供給する構成としてある。
ここで、上側の平行板33と下側の平行板34とは、互いに固定していないフリーな状態となっている。したがって、第1及び第2駆動軸31,32を下降させ、上側のヒータープレート14が成形型10を押圧したときに、これら平行板33,34が互いに当接するようになっている。この状態で各ノズル41から前記高圧気体を噴出させると、これら平行板33,34との間に微細なクリアランスL4が発生し、両者の接触が一時的に断たれるようになっている。
なお、上述した第2実施形態と同様に、平行板33,34の、各ノズル41の噴出口に対応する箇所には、それぞれ凹部を形成することが望ましい(図2中の拡大図、符号11a又は14a参照)。これら凹部により、前記高圧気体との接触面積が大きくなり、なるべく少量かつ低圧の前記高圧気体によって、上側の平行板33のエアフローティングが可能となる。
次に、本実施形態に係る光学素子の成形方法について説明する。上側のヒータープレート14により成形型10を押圧したときに(図中の白抜きの矢印参照)、該ヒータープレート14の進直度が数μm単位で得られず、その押圧力の方向に傾きが生じる。そこで、図示しない高圧気体供給装置を動作させ、各ノズル41から前記高圧気体を短時間で断続的に噴出させると、上側の平行板33がエアフローティングし、該平行板33と下側の平行板34の接触が一時的に断たれる。
これによって、該平行板34、及びこれに連結した第2軸部材32、上側のヒータープレート14への押圧力の伝達が一時的に断たれ、該押圧力と直交する方向(図中の水平方向の矢印参照)に、平行板34、第2軸部材32、ヒータープレート14がその傾きに応じた量だけ移動して、成形型10に対する押圧力の方向が補正される。
この結果、成形型10と上下のヒータープレート14,15との相互間におけるシフト方向Sの摩擦、又は成形型10のチルト方向Cの浮きが解消され、成形品たる光学素子の偏芯精度及び面精度を向上させることができる。
このような本実施形態に係る光学素子の成形装置及び成形方法によれば、第1及び第2実施形態と同様に、成形型10に加わる押圧力の方向を補正することができるとともに、補正手段を構成する各ノズル41や図示しないチューブ等を高温のヒータープレート14,15から離れた箇所に設置することができる。したがって、押圧力の方向を精度高く補正することができ、補正手段の耐熱性が不要となって装置のローコスト化が可能となる。
次に、本発明の第5実施形態に係る光学素子の成形装置及び成形方法について、図5を参照しつつ説明する。図5は本発明の第5実施形態に係る光学素子の成形装置を示す部分断面図である。なお、本実施形態において、上述した第1〜第4実施形態と同一の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
同図において、本実施形態の光学素子の成形装置5は、上側のヒータープレート(押圧部材)14を昇降させる第1軸部材31と、該第1軸部材31からの押圧力が伝達される第2軸部材32と、これら第1及び第2軸部材31,32の間に介設した上下一対の平行板33,34と、これら平行板33,34の間に介設したベアリング(可動手段)51,51…とからなる補正手段を備えた構成としてある。
このような構成によれば、上側のヒータープレート14により成形型10を押圧したときに(図中の白抜きの矢印参照)、第1軸部材31の進直度が数μm単位で得られず、その押圧力の方向に傾きが生じる。すると、ベアリング51,51…により、第1軸部材31、及びこれに連結した上側の平行板33が、該第1軸部材31の押圧力の方向と直交する方向に移動するが(図中の水平方向の矢印参照)、かかる移動は下側の平行板34には伝達しない。
これにより、該平行板34、及びこれに連結した第2軸部材32、上側のヒータープレート14の押圧力の方向に傾きが生じず、この結果、成形型10と上下のヒータープレート14,15との相互間におけるシフト方向Sの摩擦、又は成形型10のチルト方向Cの浮きを未然に防止して、成形品たる光学素子の偏芯精度及び面精度を向上させることができる。
このような本実施形態に係る光学素子の成形装置及び成形方法によれば、第1及び第2実施形態と同様に、成形型10に加わる押圧力の方向を補正することができるとともに、補正手段を構成するベアリング51,51…を高温のヒータープレート14,15から離れた箇所に設置することができる。したがって、押圧力の方向を精度高く補正することができ、補正手段の耐熱性が不要となって装置のローコスト化が可能となる。
なお、上述した本実施形態では、上下の平行板33,34の間に可動手段としてベアリング51,51…を介設した構成としたが、これに限らず、第1軸部材31の進直度が数μm単位で得られない場合に、上側の平行板33の前記移動を吸収することができるものであれば、例えば、弾性体や該移動方向に配設したガイド及びレール等に変更することもできる。この場合、これら弾性体、ガイド及びレール等の耐熱性は考慮する必要がない。
上述した第1〜第4実施形態に係る光学素子の成形装置及び成形方法の実施例を下記表1に示す。上側ヒータープレートの水平方向変位量が0.5μmで成形品たる光学素子に影響を与え、軸部材の傾きが1分、5分、10分の場合に分けて該傾きをそれぞれ補正した。また、圧電素子又は高圧気体による補正は断続的に行った。なお、押圧速度は0.2mm/secとなっている。
Figure 0004402546
本発明の第1実施形態に係る光学素子の成形装置の部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係る光学素子の成形装置の部分断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光学素子の成形装置の部分断面図である。 本発明の第4実施形態に係る光学素子の成形装置の部分断面図である。 本発明の第5実施形態に係る光学素子の成形装置の部分断面図である。 従来の光学素子の成形型を示す部分断面図である。 他の従来の光学素子の成形型を示す部分断面図である。 図7に示す成形型のプレス成形時の状態を示す説明図である。
符号の説明
1〜5 光学素子の成形装置
10 成形型
11 上型
12 下型
13 スリーブ
14 上側のヒータープレート(押圧部材)
15 下側のヒータープレート(基台)
16 圧電素子(補正手段)
19 ヒータ
21,41 ノズル
22 チューブ
23 高圧気体供給装置
31 第1軸部材
32 第2軸部材
33,34 平行板
35 圧電素子
36 リテーナ
51 ベアリング

Claims (12)

  1. 加熱軟化させた光学素子素材を成形型でプレス成形する光学素子の成形方法において、
    昇降可能な押圧部材によって前記成形型を押圧する押圧工程を備え
    前記押圧工程では、前記成形型に加わる押圧力の伝達を一時的に断つことを特徴とする光学素子の成形方法。
  2. 請求項1記載の光学素子の成形方法において、
    前記押圧工程では、前記成形型と前記押圧部材との間に気体を供給することにより、該成形型と該押圧部材との接触を一時的に断つことを特徴とする光学素子の成形方法。
  3. 請求項1記載の光学素子の成形方法において、
    前記押圧工程では、前記押圧部材を昇降させる第1及び第2軸部材の間に設けられた上下一対の平行板の間に気体を供給することにより、該平行板同士の接触を一時的に断つことを特徴とする光学素子の成形方法。
  4. 請求項1記載の光学素子の成形方法において、
    前記押圧工程では、前記押圧部材を昇降させる第1及び第2軸部材の間に設けられた上下一対の平行板の間に設けられた圧電素子を振動させることにより、該圧電素子と該平行板との接触を一時的に断つことを特徴とする光学素子の成形方法。
  5. 請求項1記載の光学素子の成形方法において、
    前記押圧工程では、前記押圧部材又は前記成形型が載置された基台に圧電素子により振動を与えることにより、該成形型と該押圧部材との接触を一時的に断つことを特徴とする光学素子の成形方法。
  6. 加熱軟化させた光学素子素材を成形型でプレス成形する光学素子の成形装置において、
    昇降可能な押圧部材によって前記成形型を押圧する押圧部材と、
    前記押圧部材によって前記成形型を押圧する際に、該成形型に加わる押圧力の伝達を一時的に断つ補正手段と、
    を備えることを特徴とする、光学素子の成形装置。
  7. 請求項6記載の光学素子の成形装置において、
    前記補正手段、気体供給手段であり
    前記気体供給手段は、前記押圧部材によって前記成形型を押圧する際に、該成形型と該押圧部材との間に気体を供給することにより、該成形型と該押圧部材との接触を一時的に断つことを特徴とする光学素子の成形装置。
  8. 請求項6記載の光学素子の成形装置において、
    前記補正手段は、
    前記押圧部材を昇降させる第1及び第2軸部材と、
    前記第1及び第2軸部材の間に設けられた上下一対の平行板と、
    前記一対の平行板の間に気体を供給する気体供給手段と、を備え、
    前記気体供給手段は、前記押圧部材によって前記成形型を押圧する際に動作することにより、前記平行板同士の接触を一時的に断つことを特徴とする光学素子の成形装置。
  9. 請求項7又は8記載の光学素子の成形装置において、
    前記気体は、窒素ガスであることを特徴とする光学素子の成形装置。
  10. 請求項6記載の光学素子の成形装置において、
    前記補正手段
    前記押圧部材を昇降させる第1及び第2軸部材と、
    前記第1及び第2軸部材の間に設けられた上下一対の平行板と、
    前記一対の平行板の間に設けられた圧電素子、を備え、
    前記圧電素子は、前記押圧部材によって前記成形型を押圧する際に振動することにより、該圧電素子と前記平行板との接触を一時的に断つことを特徴とする光学素子の成形装置。
  11. 請求項6記載の光学素子の成形装置において、
    前記補正手段は、圧電素子であり
    前記圧電素子は、前記押圧部材によって前記成形型を押圧する際に、前記押圧部材又は前記成形型が載置された基台に振動を与えることにより、該成形型と該押圧部材との接触を一時的に断つことを特徴とする光学素子の成形装置。
  12. 請求項10又は11記載の光学素子の成形装置において、
    前記圧電素子は、超音波振動子であることを特徴とする光学素子の成形装置。
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