JP4401891B2 - 船舶 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車専用船,コンテナ船等の貨物船、タンカー、客船等の船舶に関する。
図10に示すように、推進力Pで航走する船舶1が受ける抵抗は、水中抵抗と風圧抵抗に分けることができる。水中抵抗には、造波抵抗R1と摩擦抵抗R2とがあり、全抵抗のうち多くを占めている。このため、水中抵抗に関しては従来から研究され、その解析結果が現在の船舶の形状に反映されている。ところが、風圧抵抗R3に関しては軽視されており、風圧抵抗R3を軽減するような形状の改良がなされていないのが実情であった。
しかしながら、船舶1、特に風圧を受け易い水面上形状を有する自動車専用船,コンテナ船,タンカー等は、前方から風を受けると、その風の直接的な影響によって船速が低下するばかりでなく、風に起因する船体の姿勢変化(斜航)により水中抵抗が増加して、運行性能に影響を及ぼすことがあった。
例えば、図11に示すように、船舶1は、針路3に対して左斜め前から風2を受けた場合、左舷から右舷方向に横力Sが生じ、船体に時計方向の回転力を与えるヨーモーメントMが発生する。このヨーモーメントMに対抗して船首方位を針路3の方向に維持しようとすると当て舵4を取る必要がある。このときに舵4に働く水の力が抵抗となる。また船舶1は、横力を受けているため斜め(矢印5の方向)に進むことになる。このように斜航することによって船体に働く水中抵抗は増大する。このときの斜航角度αが大きいほど当て舵4量も大きく、また、船体が水から受ける抵抗も大きくなる。
この発明は、斜航角度を小さく、また船体に働く水中抵抗を小さくできるようにした船舶を提供しようとするものである。
この発明は、船体と、
この船体の上甲板と両舷側部とがなすそれぞれの角部に船首から船尾の方向に沿って形成された切欠段部と、
少なくとも一方の切欠段部に設けられた換気ユニットと、
この換気ユニットを覆うとともに上面と側面とがなす前記舷側部側に位置する角部が第1の傾斜面に形成されたハウジングと
を具備したことを特徴とする船舶にある。
前記換気ユニットは、前記切欠段部の水平面に形成された開口部に対応する前記切欠段部の上面に設けられたベントダクトと、このベントダクトに対応する前記切欠段部の下面側に設けられた換気ファンとを備えていることが好ましい。
前記ハウジングの幅寸法は、前記切欠段部の幅寸法よりも小さく設定されていることが好ましい。
船首部に、船首前縁上端から上甲板に向かって水平面に対して上向きの第2の傾斜面が形成されていることが好ましい。
前記切欠段部の上甲板からの深さを、バラスト積載時の乾舷に対して5〜20%に設定されることが好ましい。
前記第2の傾斜面の水平面に対する上向き角度を20〜60度に設定されることが好ましい。
この発明によれば、風圧による抵抗、横力、ヨーモーメントを軽減できる船体構造となるから、斜航角度が小さく、また船体に働く水中抵抗が小さい船舶を提供できる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
この実施の形態は、この発明のうち全長にわたる切欠段部を自動車専用船に適用した場合であって、自動車専用船の船体概略図を図1に示し、船体の切欠段部を設けた部位を幅方向に切断したときの断面模式図を図2に示し、船首部の側面図及び上面図を図3(a),(b)に示す。
この自動車専用船は、船体11の船首12から船尾13にわたって水平面にほぼ平行の複数の甲板14−1,14−2,14−3,…,14−nで仕切られた階層構造を有している。最上部の甲板、いわゆる上甲板14−1には、船首側に船楼15が設けられている。
上甲板14−1と両舷側部16a,16bとを結ぶ両角部17a,17bに、それぞれ船首12から船尾13のほぼ全長にわたって切欠段部18a,18bが形成されている。船体の上甲板14−1からキール19までの深さをDとし、バラスト航海状態,つまり積荷が無く適当量のバラストを搭載して航海するときの喫水をd,乾舷をf(f=D−d)としたとき、両切欠段部18a,18bの上甲板14−1からの深さgは、前記乾舷fに対して5〜20%に設定されている。また、両切欠段部18a,18bの幅hは、深さgとほぼ等しくなるように設定されている。
因みに、この実施の形態では、両切欠段部18a,18bは、上甲板14−1から第2甲板14−2に亙って、積荷となる自動車1台分の幅で、方形状に切り欠くことによって形成されている。
船体11の船首12には、船首前縁上端12aから上甲板14−1に向かって上向きの第2の傾斜面20が形成されている。この第2の傾斜面20は、水平面に対する上向き角度が20〜60度(deg.)の幅で設定されている。好ましくは、積荷積載量等を考慮すると、ほぼ38度(deg.)がよい。
一対の切欠段部18a,18bの船尾13側の部分には、それぞれ船体11の内部を換気するための複数の換気ユニット21(1つのみ図示)が設けられている。換気ユニット21は図4と図5に示すように切欠段部18a,18bの水平な上面に設けられたベントダクト22を有する。
切欠段部18a,18bの水平面には開口部31が形成され、ベントダクト22はこの開口部31に対応する位置に設けられている。ベントダクト22は円筒状であって、開口した上面は蓋体22aによって開閉される。この蓋体22aはベントダクト22の上面開口を開放した所定の角度で保持可能となっている。
上甲板14−1の切欠段部18a,18bの水平面に形成された部分の下面に対応する位置には、筒状のファンケース32が設けられている。このファンケース32内には換気ファン23が保持されている。換気ファン23を作動させれば、船体11の内部の換気を行なうことができる。
換気ファン23を切欠段部18a,18bの下面に設けたことで、ベントダクト22の内部に設けた場合に比べ、ベントダクト22の高さ寸法を低くすることができる。
換気ユニット21はハウジング24によって覆われている。ハウジング24は、切欠段部18a,18bの上面に立設された複数の脚部材25によって支持されている。ハウジング24の幅寸法は切欠段部18a,18bの幅寸法の約半分に設定されている。それによって、ハウジング24が切欠段部18a,18bの幅方向全長を塞ぐことがないようにしている。
ハウジング24の上面と両舷側部16a,16b側に位置する側面とがなす角部は第1の傾斜面26に形成されている。第1の傾斜面26の角度は45度程度が好ましく、この実施の形態では45度に設定されている。
第1の傾斜面26の高さ寸法hは、できるだけ大きい方が好ましく、例えばハウジング24の高さ寸法Hの3分の2〜3分の1程度が好ましく、この実施の形態では約3分の1に設定されている。つまり、第1の傾斜面26の高さ寸法hは、ベントダクト22の蓋体22aの開閉に支障がない範囲で大きくすることが好ましく、大きくすることで、横風を受けたときの抵抗を低減することができる。
ベントダクト22の高さ寸法を低くできたことで、それに応じてハウジング24の高さ寸法も低くすることができる。この実施の形態では、ハウジング24の高さ寸法は、切欠段部18a,18bの深さ(高さ)g、つまり上甲板14−1の最上面よりもわずかに低くなっている。
この他の船体構造は、従来周知の自動車専用船と同じであり、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、この実施の形態の船体構造を有する自動車専用船が風圧抵抗の軽減に効果があることを、風洞実験の結果と、CFD(Computational Fluid Dynamics)ソルバーを用いた数値解析の結果から説明する。
因みに、風洞実験は、上流と下流に開口部を有する風路(高さ110m,幅480m,長さ600m)を造り、その内部に実験対象となる自動車専用船を船首が風路の上流側を向くように設置して、風路上流側から風向きが異なる風(相対風向=β)を適宜流すことにより、船体に生じる流体力を実測するというものである。
一方、CFDソルバーを用いた数値解析、いわゆるCFD解析は、風洞実験と同様の風路を計算機内の仮想空間内に形成し、その内部に実験対象となる自動車専用船を船首が風路の上流側を向くように設置して風路上流側から風向きが異なる風を流すというシミュレーションにより、船体に生ずる流体力を解析するというものである。このとき、風路壁面の摩擦はないものとし、また、風路入口からは完全な一様流が流入することにした。
実験対象となる自動車専用船の主要寸法を[表1]に示す。この[表1]は、実験対象となる自動車専用船の垂線間長Lpp、船幅B(mld.)、深さD(mld.)、バラスト積載時の喫水d、バラスト積載時の乾舷f、代表面積(=B×f)及び代表長さ(=Lpp)を示すものである。
Figure 0004401891
風洞実験においては、前記主要寸法を有する従来構造の自動車専用船(以下、原型船と称する)と、この原型船に対して、深さgが2.2m(乾舷fに対して約8.6%)で幅が1.8mの各切欠段部18a,18bと、水平面に対する角度が38度(deg.)の第2の傾斜面20を形成したこの実施の形態の自動車専用船(以下、最終型船と称する)を用いた。
CFD解析においては、前記原型船及び最終型船に加えて、最終型船に対して第2の傾斜面20の角度のみそれぞれ20度(deg.),45度(deg.),60度(deg.)及び90度(deg.)に設定した自動車専用船を用いた。
風洞実験及びCFD解析において得られる流体力は、実験対象となる自動車専用船の船体水線面の中央を原点とし、船体固定座標系における流体力としてまとめた。その座標系を図6に示す。得られた流体力は、次に示す無次元化係数によりまとめた。
抵抗係数:CFx=Fx/q・A
横力係数:CFy=Fy/q・A
ヨーモーメント係数:CMz=Mz/q・A・L
ここで、
q:動圧(=ρV/2)
ρ:空気密度
V:船に対する相対風速
A:代表面積(=船幅B×乾舷f)
L:代表長さ(=垂線長Lpp)である。
最終型船に対する風洞実験の結果を[表2]に、原型船に対する風洞実験の結果を[表3]に、最終型船に対するCFD解析結果を[表4]に、原型船に対するCFD解析結果を[表5]にそれぞれ示す。[表2]〜[表5]は、各種の相対風向β度に対する抵抗係数CFx、横力係数CFy及びヨーモーメント係数CMzを示すものである。
Figure 0004401891
Figure 0004401891
Figure 0004401891
Figure 0004401891
以下、これらの結果に基づいて、原型船と最終型船との各流体力係数について分析する。
(1)抵抗係数CFx
原型船に対する風洞実験結果及びCFD解析結果と、最終型船に対する風洞実験結果及びCFD解析結果の、相対風向βに対する抵抗係数CFxの関係を、図7に示す。
風洞実験及びCFD解析によって得られた結果によると、解析を行なった全ての相対風向で、最終型船は原型船に対して抵抗係数CFxが小さな値を示した。CFD解析において、それぞれの相対風向での最終型船の原型船に対する抵抗係数CFxの軽減率は、相対風向0度(deg.)において約18%、相対風向20度(deg.)において約21%、相対風向30度(deg.)において約19%であった。また、風洞実験においても、相対風向0度(deg.)における軽減率は約20%、相対風向20度(deg.)おける軽減率は約20%、相対風向30度(deg.)における軽減率は約22%で、最終型船の方が原型船よりも抵抗係数CFxが軽減された。
CFD解析結果と風洞実験結果とを対比すると、CFD解析結果は風洞実験結果に比べて抵抗係数CFxが大きな値を示しているが、相対風向に対する軽減率は、定性的には比較的良好な一致を示した。
(2)横力係数CFy
原型船に対する風洞実験結果及びCFD解析結果と、最終型船に対する風洞実験結果及びCFD解析結果の、相対風向βに対する横力係数CFyの関係を、図8に示す。
風洞実験及びCFD解析によって得られた結果によると、解析を行なった全ての相対風向で、最終型船は原型船に対して横力係数CFyが小さな値を示した。CFD解析において、それぞれの相対風向での最終型船の原型船に対する横力係数CFyの軽減率は、相対風向20度(deg.)において約13%、相対風向30度(deg.)において約19%であった。また、風洞実験においても、相対風向20度(deg.)おける軽減率は約19%、相対風向30度(deg.)における軽減率は約21%で、軽減率に若干の違いはあるものの、最終型船の方が原型船よりも横力係数CFyが軽減された。
(3)ヨーモーメント係数CMz
原型船に対する風洞実験結果及びCFD解析結果と、最終型船に対する風洞実験結果及びCFD解析結果の、相対風向βに対するヨーモーメント係数CMzの関係を、図9に示す。
風洞実験及びCFD解析によって得られた結果によると、相対風向20度(deg.)以上で最終型船は原型船に対してヨーモーメント係数CMzが小さな値を示した。CFD解析において、それぞれの相対風向での最終型船の原型船に対するヨーモーメント係数CMzの軽減率は、相対風向20度(deg.)において約21%、相対風向30度(deg.)において約21%であった。また、風洞実験においても、相対風向20度(deg.)における軽減率は約12%、相対風向30度(deg.)における軽減率は約12%で、CFD解析結果の方が風洞実験結果よりも船型変更による違いを大きく評価しているが、いずれにしても、相対風向や形状の違いによるヨーモーメント係数CMzの大小関係はおよそ捉えることができている。
次に、原型船及び最終型船について、CFD解析によって得られた風の流場情報を検討する。図6に示すように、針路をX方向に向けた原型船及び最終型船に対して左斜め前方(相対風向β=20度)より風Wを流すと、原型船と最終型船とは、船体右舷下流側に生じる、流速が遅くなる領域の広さに大きな違いがある。原型船では、船体によって作られた渦や剥離によって流速が遅くなる領域が船体右舷下流側に広がる。一般に、流速が遅くなる領域が広くなるほど風圧抵抗は大きくなる。最終型船は、船側部に形成された切欠段部18a,18bや船首部に形成された第2の傾斜面20によって、この流速が遅くなる領域が小さくなっており、抵抗改善の効果を覗うことができる。
また、同じく左斜め前方(相対風向β=20度)から風を流したときの船首部の流速分布を見ると、原型船と最終型船とは、船首部上甲板面の流速に大きな違いがある。船首部上甲板面の流速を比較すると、原型船は最終型船に比べて非常に流速が遅い。原型船は、船首部のエッジ部分で流れが剥離したために流速が遅くなったと思われ、抵抗悪化の原因と認めることができる。最終型船は、船首部に水平面に対して上向きの第2の傾斜面20を形成しているので、この部分において流速が十分に速く剥離が発生し難いため、風圧抵抗を小さくできる。
さらに、同じく左斜め前方(相対風向β=20度)から風を流したときの船側部の流速分布を見ると、原型船と最終型船とは、上甲板14−1上で発生する渦の有無に大きな違いがある。渦が発生した場合は、渦が発生しない場合と比べて、渦による2次流れによる損失が発生し、風圧抵抗増加の原因となる。原型船では、大きな渦が発生しているが、最終型船では大きな渦は発生していない。この効果は、最終型船が、船体の上甲板と両舷側部とを結ぶ両角部を切り欠いたことにより達成されていると思われる。
最終型船の船首部の第2の傾斜面20の水平線に対する角度をそれぞれ20度(deg.),45度(deg.),60度(deg.)及び90度(deg.)に設定した自動車専用船を用いてCFD解析を行なった結果を[表6]に示す。[表6]は、各種の傾斜面角度(船首傾斜角)毎に、相対風向20度(deg.)における抵抗係数CFx、横力係数CFy及びヨーモーメント係数CMzを示すものである。
Figure 0004401891
CFD解析によって得られた結果によると、抵抗係数CFxは、第2の傾斜面20の水平線に対する角度の増加とともに増加するが、角度が45度(deg.)以上になると抵抗係数CFxの増加が大きくなり、特に60度(deg.)を超え90度(deg.)の範囲ではその増加が顕著となる。一方、45度(deg.)以下の角度では大きな差はないことが確認できる。一方、横力係数CFy及びヨーモーメント係数CMzは、第2の傾斜面20の水平線に対する角度が異なっても、大きな差はないことが確認できる。
さらに、第2の傾斜面20の角度が異なる各自動車専用船について、CFD解析によって得られた風の流場情報を検討する。第2の傾斜面20の水平面に対する角度が90度(deg.)の自動車専用船においては、前述の原型船と同様に、上甲板14−1上で流れが剥離している領域を確認することができる。第2の傾斜面20の角度が60度(deg.)の船においても若干の剥離の兆候を認めることができるが、第2の傾斜面20の角度が45度(deg.)以下では、剥離の兆候はほとんど見られない。すなわち、第2の傾斜面20の角度が45度(deg.)以下であれば、抵抗係数CFxに大きな違いはない。
以上説明した風洞実験及びCFD解析の結果から、次のような事項を確認することができる。
(1) 最終型船は、原型船に対して抵抗係数CFxの軽減を達成できる。その軽減率は、相対風向β=0,20,30度(deg.)において、約20%程度である。
(2) 最終型船は、原型船に対して横力係数CFyの軽減を達成できる。その軽減率は、相対風向β=20,30度(deg.)において、約20%程度である。
(3) 最終型船は、原型船に対してヨーモーメント係数CMzの軽減を達成できる。その軽減率は、相対風向β=20,30度(deg.)において、約10〜20%程度である。
(4) 船首部に形成した第2の傾斜面20の水平面に対する角度と抵抗係数CFxとの関係は、角度の増加とともに増加し、角度が45度(deg.)以上になると抵抗係数CFxの増加が大きくなり、特に60度(deg.)を超え90(deg.)度の範囲ではその増加が顕著となるが、45度(deg.)以下の角度では大きな差はない。一方、横力係数CFyとヨーモーメント係数CMzとは、第2の傾斜面20の水平面に対する角度が異なっても大きな差がない。
一方、船体11の幅方向両側に設けられた一対の切欠段部18a,18bには換気ユニット21が設けられ、この換気ユニット21はハウジング24によって覆われている。ハウジング24の上面と側面とがなす角部は第1の傾斜面26に形成されている。
船体11が斜め前方若しくは側方からの風、つまり横風を受けた場合、その横風はハウジング24の側面に当たる。ハウジング24の側面に当たる横風のほとんどは第1の傾斜面26に沿って流れる。そのため、ハウジング24に当たる風によって船体11の水中抵抗が増加するのを抑制することができる。
つまり、換気ユニット21を覆うハウジング24の側面と上面とがなす角部を第1の傾斜面26としたことで、船体11が横風を受けたときに、ハウジング24によって生じる抵抗を低減することができる。
換気ユニット21の換気ファン23を切欠段部18a,18bの下面に設けたことで、ベントダクト22の高さ寸法を低くすることができる。ベントダクト22の高さを低くできれば、ハウジング24の高さを低くすることができる。
ハウジング24の高さを低くできれば、このハウジング24が横風を受けたときの抵抗が小さくなるから、そのことによっても、ハウジング24によって生じる船体11の水中抵抗を低減することができる。
ハウジング24の幅寸法は、切欠段部18a,18bの幅寸法の約半分に設定されている。そのため、ハウジング24は、切欠段部18a,18bの幅方向全長を塞ぐことがないから、切欠段部18a,18bに沿う風の流れを遮断するということがない。
ハウジング24が切欠段部18a,18bに沿う風の流れを遮断しなければ、これら切欠段部18a,18bによる上述した作用、つまり上甲板14−1で大きな渦が発生するのを抑制できるという作用が損なわれることがほとんどない。
なお、この発明は、自動車専用船に限らず、コンテナ船などの貨物船や、タンカー、客船等にも適用することによって、風圧による抵抗,横力,ヨーモーメントの軽減を図ることができる。横力,ヨーモーメントを軽減することにより、斜航及び必要な当て舵量を小さくすることができ、それらによる水中抵抗も軽減できる。
また、前記実施の形態では、船体11の上甲板14−1と両舷側部16a,16bとを結ぶ両角部17a,17bに、それぞれ船首12から船尾13のほぼ全長にわたって切欠段部18a,18bを設けたが、同様な切欠段部を船首からほぼ船体中央部までの範囲にわたって設けるだけでもほぼ同様な作用効果を奏し得る。すなわち風圧下の斜航を減らすには、前述したように横力とヨーモーメントの少なくとも一方を減らすことができればよい。横力は、風を斜め前方から受けた場合には船体中央よりも前方(船首側)に作用する。横力の作用位置は、ヨーモーメントMzを横力Fyで除することによって求まる。例えば[表2]に示した最終型船に対する風洞実験結果から相対風向20度(deg.)の場合には、ヨーモーメント係数CMzが0.398であり、横力係数CFyが1.920であるので、横力作用位置(CMz/CFy)は0.21となる。すなわち、このとき横力は、船体中央より前方0.21Lの位置に働いていることになる。そこで、船体前半部に働く横力を軽減させれば、これによるヨーモーメントをより軽減できる可能性がある。このため、船体前半部だけに切欠段部を設置することも有効である。
また、一対の切欠段部18a,18bの両方に換気ユニットが設けられている場合について説明したが、一方の切欠段部だけに換気ユニットが設けられる場合であっても、この発明は適用できる。
この発明の一実施の形態である自動車専用船の船型概略図。 自動車専用船の船体の切欠段部を設けた部位を幅方向に切断したときの縦断面模式図。 自動車専用船の船首部における側面図及び上面図。 切欠段部に設けられたハウジングを示す斜視図。 切欠段部に設けられた換気ユニットを示す断面図。 風洞実験及びCFD解析の説明に用いる座標系を示す図。 原型船に対する風洞実験結果及びCFD解析結果と、最終型船に対する風洞実験結果及びCFD解析結果の、相対風向βに対する抵抗係数CFxの関係を示す図。 原型船に対する風洞実験結果及びCFD解析結果と、最終型船に対する風洞実験結果及びCFD解析結果の、相対風向βに対する横力係数CFyの関係を示す図。 原型船に対する風洞実験結果及びCFD解析結果と、最終型船に対する風洞実験結果及びCFD解析結果の、相対風向βに対するヨーモーメント係数CMzの関係を示す図。 船舶に作用する抵抗の説明図。 風向きと船舶との関係を示す図。
符号の説明
11…船体、12…船首、13…船尾、14−1…上甲板、15…船楼、16a,16b…舷側、17a,17b…角部、18a,18b…切欠段部、20…第2の傾斜面、21…換気ユニット、22…ベントダクト、23…換気ファン、24…ハウジング、26…第1の傾斜面、32…ファンケース。

Claims (6)

  1. 船体と、
    この船体の上甲板と両舷側部とがなすそれぞれの角部に船首から船尾の方向に沿って形成された切欠段部と、
    少なくとも一方の切欠段部に設けられた換気ユニットと、
    この換気ユニットを覆うとともに上面と側面とがなす前記舷側部側に位置する角部が第1の傾斜面に形成されたハウジングと
    を具備したことを特徴とする船舶。
  2. 前記換気ユニットは、前記切欠段部の水平面に形成された開口部に対応する前記切欠段部の上面に設けられたベントダクトと、このベントダクトに対応する前記切欠段部の下面側に設けられた換気ファンとを備えていることを特徴とする請求項1記載の船舶。
  3. 前記ハウジングの幅寸法は、前記切欠段部の幅寸法よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1記載の船舶。
  4. 船首部に、船首前縁上端から上甲板に向かって水平面に対して上向きの第2の傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1項記載の船舶。
  5. 前記切欠段部の上甲板からの深さを、バラスト積載時の乾舷に対して5〜20%に設定されることを特徴とする請求項1記載の船舶。
  6. 前記第2の傾斜面の水平面に対する上向き角度を20〜60度に設定されることを特徴とする請求項4記載の船舶。
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