JP4297930B2 - 船尾ダクト - Google Patents
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Description
そして、特開2005−59715号公報に開示の発明の概要は、船尾船底面105の後端部の下方に、船底面105と所要の距離を隔てて船幅方向に船底面105とほぼ平行に延びる平板状のフィン106を配置し、支持ステー108を介し船底面105に取り付ける。フィン106は、船底面105との間に形成される隙間107が船首側から船尾側に向けて広くなるよう船底面105のプロファイル線に対して所要の迎角θで取り付ける。船体101を前進させることにより相対的に船底面105に沿って生じる水流を、フィン106と船底面105との隙間7を通過させるときに、この船底面105に沿う水流に対し迎角θを持ったフィン106の上面にて翼の原理により水流を加速させ、この加速された水流109によりトランサム型船尾103の下端の水切り能を改善させる、というものである。
また、本願請求項2に係る船尾ダクトは、請求項1に記載の船尾ダクトであって、前記所定の深さ(H)を船尾側における深さ、前記所定の幅(B)を船尾側における幅、前記所定の長さ(L1)を水平に投影された長さおよび前記上辺の長さ(L2)を水平に投影された長さとしたときに、前記所定の深さ(H)は0.10〜0.25%Lppであり、前記所定の幅(B)は35〜60%Bmldであり、前記所定の長さ(L1)は0.30〜0.60%Lppであり、前記上辺の長さ(L2)は0.40〜0.75%Lppであり、前記所定の迎角度(α)は略5度〜30度であり、前記所定の挟角度(β)は略3度〜15度である、ことを特徴としている。
そして、本願請求項3に係る船尾ダクトは、請求項1に記載の船尾ダクトであって、バトックフロー型の常用速度におけるフルード数(Fn)が略0.20の船尾端近傍の船底面に位置し、船体中心線から船底面に略平行に船幅両方向に延伸する平面的な形状が船側の辺を斜辺とする等辺台形である船底水平板と、該船底水平板の両端部から垂直方向に曲折して該船底面に固着される一対の船底垂直板とからなり、前記船底水平板は船尾側における前記船底面に対する深さ(H)が略0.25%Lppであり、船尾側の船幅方向の幅(B)は略60%Bmldであり、水平に投影された長さ(L1)は略0.60%Lppであり、該船底水平板の両端部の平面的に見た船尾側から船首側に拡がる迎角度(α)は略20度であり、かつ、前記船底水平板は船側から見て前記船底面に対し挟角度(β)を略8度として船尾側から船首側に拡がるように固定され、前記船底垂直板は船側から見て船尾側の辺が略垂直に立ち上がり船首側の辺が船首に向けて斜め上方に立ち上がる略台形を呈し、前記船底面における該船底垂直板の水平に投影された長さ(L2)は略0.75%Lppである、ことを特徴としている。
また、本願請求項5に係る船尾ダクトは、請求項1に記載の船尾ダクトであって、バトックフロー型の常用速度におけるフルード数(Fn)が略0.30の船尾端近傍の船底面に位置し、船体中心線から船底面に略平行に船幅両方向に延伸する平面的な形状が船側の辺を斜辺とする等辺台形である船底水平板と、該船底水平板の両端部から垂直方向に曲折して該船底面に固着される一対の船底垂直板とからなり、前記船底水平板は船尾側における前記船底面に対する深さ(H)が略0.10%Lppであり、船尾側の船幅方向の長さ(B)は略35%Bmldであり、水平に投影された長さ(L1)は略0.30%Lppであり、該船底水平板の両端部の平面的に見た船尾側から船首側に拡がる迎角度(α)は略5度であり、かつ、前記船底水平板は船側から見て前記船底面に対し挟角度(β)を略3度として船尾側から船首側に拡がるように固定され、前記船底垂直板は船側から見て船尾側の辺が略垂直に立ち上がり船首側の辺が船首に向けて斜め上方に立ち上がる略台形を呈し、前記船底面における該船底垂直板の水平に投影された長さ(L2)は略0.40%Lppである、ことを特徴としている。
船舶30は船尾部がオーバーハングしたバトックフローを有する、例えば、コンテナ専用船を想定していて、常用速度におけるフルード数(Fn)は略0.20である。
さらに、船底水平板11は、船側から見て船尾船底35の表面に対し所定の挟角度(β)を略8度として船尾側から船首側に拡がるように固定されている。なお、ここにいう挟角度とは、船尾船底面と船底水平板のなす角度をいう。
このような船尾ダクト1の構成により、船尾ダクト1と船尾船底35が形成する直方体状の空間は、船首側から船尾側にかけて平面的にも立体的にも狭まった漏斗状となっている。
また、図2(a)は、船尾船底に生ずる水線・船尾波見上げ図であるが、右側が船尾ダクト1を取付けた船舶30の船底図であり、左側が船尾ダクト1を取付けていない同型の船舶30の船底図である。そして、図2(b)は船尾船底35の船尾端における流速分布を示したグラフであり、X軸を船尾船底35における船体中心線からの距離とし、Y軸を船速に対する流速の割合としたものであり、実線は船尾ダクト1を取付けていないもの、点線は船尾ダクト1を取付けたものである。
また、船尾船底35下を流れる水流の船速について説明すると、図2(b)に示すように、船尾船底35下を流れる水流の流速の船速に対する割合は、船側縁では船速と同一となって「1」となるが、船体中心部では船速よりも流速が遅くなって「0」に近づき、その間は上に凸の双曲線状となっている。そして、船体中心部における船速に対する流速の割合は、自動車運搬船やロールオンロールオフ貨物船よりも大きくなっている(図5(b)および図8(b)参照)。
グラフから判断できるように、フルード数(Fn)が略0.20の船舶30では、船尾ダクト1を取付けたもののほうが、船尾ダクト1を取付けないものよりも剰余抵抗の低下率が大きいが、常用速度で航行するときに、低下率が略最大となっている。
グラフから判断できるように、常用速度で航行するときのフルード数(Fn)が略0.20の船舶30では、馬力低減率は0.5%となっている。
なお、図5(a)は、船尾船底に生ずる水線・船尾波見上げ図であるが、右側が船尾ダクト2を取付けた船舶30の船底図であり、左側が船尾ダクト2を取付けていない同型の船舶30の船底図である。また、図5(b)は船尾船底35の船尾端における流速分布を示したグラフであり、X軸を船尾船底35における船体中心線からの距離とし、Y軸を船速に対する流速の割合としたものであり、実線は船尾ダクト2を取付けていないもの、点線は船尾ダクト2を取付けたものである。そして、図5(c)は、船速に対する剰余抵抗比較グラフであるが、X軸を船舶の航行速度とし、Y軸を形状抵抗と造波抵抗を合わせた剰余抵抗としたものであり、実線は船尾ダクト2を取付けていないもの、点線は船尾ダクト2を取付けたものである。さらに、図6は、船尾ダクト2を取付けた船舶と船尾ダクトを取り付けていない船舶との船速−馬力比較グラフであり、X軸を馬力(kw)とし、Y軸を船速(knots)としたものであり、実線は船尾ダクト2を取付けていないもの、点線は船尾ダクト2を取付けたものである。
船尾ダクト2では、所定の迎角度(α)は略15度であり、所定の挟角度(β)は略5度である。また、所定の深さ(H)は0.2%Lppであり、所定の幅(B)は略55%Bmldであり、所定の長さ(L1)は0.5%Lppであり、所定の長さ(L2)は0.65%Lppである。
このような船尾ダクト2の構成により、船尾ダクト2と船尾船底35が形成する直方体状の空間は、船首側から船尾側にかけて平面的にも立体的にも狭まった漏斗状となっている。
なお、図8(a)は、船尾船底に生ずる水線・船尾波見上げ図であるが、右側が船尾ダクト3を取付けた船舶30の船底図であり、左側が船尾ダクト3を取付けていない同型の船舶30の船底図である。また、図8(b)は船尾船底35の船尾端における流速分布を示したグラフであり、X軸を船尾船底35における船体中心線からの距離とし、Y軸を船速に対する流速の割合としたものであり、実線は船尾ダクト3を取付けていないもの、点線は船尾ダクト3を取付けたものである。そして、図8(c)は、船速に対する剰余抵抗比較グラフであるが、X軸を船舶の航行速度とし、Y軸を形状抵抗と造波抵抗を合わせた剰余抵抗としたものであり、実線は船尾ダクト3を取付けていないもの、点線は船尾ダクト3を取付けたものである。さらに、図9は、実施例3に係る船尾ダクトを取付けた船舶と船尾ダクトを取り付けていない船舶との船速−馬力比較グラフであり、X軸を馬力(kw)とし、Y軸を船速(knots)としたものであり、実線は船尾ダクト3を取付けていないもの、点線は船尾ダクト3を取付けたものである。
船尾ダクト3では、所定の迎角度(α)は略5度であり、所定の挟角度(β)は略3度である。また、所定の深さ(H)は0.1%Lppであり、所定の幅(B)は略35%Bmldであり、所定の長さ(L1)は0.3%Lppであり、所定の長さ(L2)は0.4%Lppである。
このような船尾ダクト3の構成により、船尾ダクト3と船尾船底35が形成する直方体状の空間は、船首側から船尾側にかけて平面的にも立体的にも狭まった漏斗状となっている。
2 実施例2に係る船尾ダクト
3 実施例3に係る船尾ダクト
11 船底水平板
13 船底垂直板
33 船尾底端部
35 船尾船底
Claims (5)
- 略垂直に切り立った船尾端を有するバトックフロー型の船尾端近傍の船底面に位置し船体中心線から該船底面に略平行に所定の深さ(H)を隔てて船幅両方向に延伸する所定の長さ(L1)および所定の幅(B)の船底水平板と、該船底水平板の両端部から垂直方向に曲折して該船底面に固着される一対の船底垂直板とからなり、
前記船底水平板の両端部は平面的に見て船尾側から船首側に所定の迎角度(α)をもって拡がるように形成され、
かつ、前記船底水平板は船側から見て船尾側から船首側に前記船底面に対し所定の挟角度(β)をもって拡がるように固定され、
前記船底垂直板は船側から見て下辺の長さは前記所定の長さ(L1)と同一であり前記船底面に当接する上辺の長さ(L2)は該所定の長さ(L1)よりも大きく船尾側の辺は前記船舶に対して略垂直である略台形となっている、ことを特徴とする船尾ダクト。 - 前記所定の深さ(H)を船尾側における深さ、前記所定の幅(B)を船尾側における幅、前記所定の長さ(L1)を水平に投影された長さおよび前記上辺の長さ(L2)を水平に投影された長さとしたときに、
前記所定の深さ(H)は0.10〜0.25%Lppであり、前記所定の幅(B)は35〜60%Bmldであり、前記所定の長さ(L1)は0.30〜0.60%Lppであり、前記上辺の長さ(L2)は0.40〜0.75%Lppであり、前記所定の迎角度(α)は略5度〜30度であり、前記所定の挟角度(β)は略3度〜15度である、ことを特徴とする請求項1に記載の船尾ダクト。 - バトックフロー型の常用速度におけるフルード数(Fn)が略0.20の船尾端近傍の船底面に位置し、船体中心線から船底面に略平行に船幅両方向に延伸する平面的な形状が船側の辺を斜辺とする等辺台形である船底水平板と、該船底水平板の両端部から垂直方向に曲折して該船底面に固着される一対の船底垂直板とからなり、
前記船底水平板は船尾側における前記船底面に対する深さ(H)が略0.25%Lppであり、船尾側の船幅方向の幅(B)は略60%Bmldであり、水平に投影された長さ(L1)は略0.60%Lppであり、該船底水平板の両端部の平面的に見た船尾側から船首側に拡がる迎角度(α)は略20度であり、
かつ、前記船底水平板は船側から見て前記船底面に対し挟角度(β)を略8度として船尾側から船首側に拡がるように固定され、
前記船底垂直板は船側から見て船尾側の辺が略垂直に立ち上がり船首側の辺が船首に向けて斜め上方に立ち上がる略台形を呈し、前記船底面における該船底垂直板の水平に投影された長さ(L2)は略0.75%Lppである、ことを特徴とする請求項1に記載の船尾ダクト。 - バトックフロー型の常用速度におけるフルード数(Fn)が略0.24の船尾端近傍の船底面に位置し、船体中心線から船底面に略平行に船幅両方向に延伸する平面的な形状が船側の辺を斜辺とする等辺台形である船底水平板と、該船底水平板の両端部から垂直方向に曲折して該船底面に固着される一対の船底垂直板とからなり、
前記船底水平板は船尾側における前記船底面に対する深さ(H)が略0.20%Lppであり、船尾側の船幅方向の幅(B)は略55%Bmldであり、水平に投影された長さ(L1)は略0.50%Lppであり、該船底水平板の両端部の平面的に見た船尾側から船首側に拡がる迎角度(α)は略15度であり、
かつ、前記船底水平板は船側から見て前記船底面に対し挟角度(β)を略5度として船尾側から船首側に拡がるように固定され、
前記船底垂直板は船側から見て船尾側の辺が略垂直に立ち上がり船首側の辺が船首に向けて斜め上方に立ち上がる略台形を呈し、前記船底面における該船底垂直板の水平に投影された長さ(L2)は略0.65%Lppである、ことを特徴とする請求項1に記載の船尾ダクト。 - バトックフロー型の常用速度におけるフルード数(Fn)が略0.30の船尾端近傍の船底面に位置し、船体中心線から船底面に略平行に船幅両方向に延伸する平面的な形状が船側の辺を斜辺とする等辺台形である船底水平板と、該船底水平板の両端部から垂直方向に曲折して該船底面に固着される一対の船底垂直板とからなり、
前記船底水平板は船尾側における前記船底面に対する深さ(H)が略0.10%Lppであり、船尾側の船幅方向の長さ(B)は略35%Bmldであり、水平に投影された長さ(L1)は略0.30%Lppであり、該船底水平板の両端部の平面的に見た船尾側から船首側に拡がる迎角度(α)は略5度であり、
かつ、前記船底水平板は船側から見て前記船底面に対し挟角度(β)を略3度として船尾側から船首側に拡がるように固定され、
前記船底垂直板は船側から見て船尾側の辺が略垂直に立ち上がり船首側の辺が船首に向けて斜め上方に立ち上がる略台形を呈し、前記船底面における該船底垂直板の水平に投影された長さ(L2)は略0.40%Lppである、ことを特徴とする請求項1に記載の船尾ダクト。
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