JP6687673B2 - 風圧抵抗の少ない船舶 - Google Patents

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Description

本発明は、特に斜め向かい風に対する風圧抵抗の少ない船舶に関し、更に詳細には、船橋や居住区などの上部構造物の船尾側の形状を工夫することにより斜め向かい風に対する風圧抵抗を少なくした船舶に関する。
水上を走行する商船の殆どの船舶においては、船舶の水面下の船体形状の工夫による抵抗減少や船体とプロペラと舵などの関係による推進性能の向上が進められ、また、水面付近での波による造波抵抗や砕波抵抗や反射波における抵抗減少についても船首形状や船尾形状の工夫により抵抗減少が図られている。
一方、水面上の空気による抵抗に関しても、空気抵抗即ち風圧抵抗への改善の要求があり、様々な努力がなされてきている。特に、乾舷が高く風圧面積が大きい自動車運搬船(自動車専用船)や積み荷の積載により風圧面積が増加するコンテナ船や上部構造部が大きい客船等は水面上の風圧面積が大きいため、風圧力の影響を受け易く、風圧抵抗の減少は省エネルギーにつながるので、大きな期待が寄せられている。
これに関連して、上甲板上に設けた上部構造物の船尾側の形状、または、水面上の船体の船尾側の形状の少なくとも一方の水面上構造物の形状を、この水面上構造物の上下方向の範囲のうちで少なくとも0%〜50%の範囲における、水面に平行な各断面の形状において、最大幅Bの船尾側最後部を下辺とし、該下辺の長さB1を0.9×Bとし、底角θ1を40deg〜80degとし、上辺の長さB2を0.5×Bとする等脚台形よりも外側の範囲で、かつ、前記最大幅Bの船尾側最後部を底辺とし、該底辺の長さB3を1.2×Bとし、底角θ2を40deg〜80degとする二等辺三角形よりも内側の領域に入るように形成した風圧抵抗の少ない船舶が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この風圧抵抗の少ない船舶では、水面上の風圧面積が比較的大きく、風圧力の影響を受け易い自動車運搬船、コンテナ船、客船などの風圧力の影響を低減できて、船舶の運航性能を向上することを目的としているが、主に正面からの向かい風に関して、水面上構造物の後方において、死水領域に生じる停滞渦やカルマン渦のような流出渦の発生を防止する形状を提案している。
また、一方で、船の進行方向への空気力学的揚力を相対風により発生し、船殻が帆として機能するように、水面上の船穀の形状を対称形のNASA翼型の空中翼とし、船尾側となる後縁をカットオフして、船殻の前後方向に垂直な断面としている船殻が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この船殻では、約13から39度の風のセクターで船の移動方向に作用する風力の成分が得られたとの風洞試験の結果を開示している。
このように、船舶の進行方向の正面からの向かい風だけではなく、船舶が航行する航路や航行時の気象条件により、斜め向かい風に対しても風圧抵抗の減少を図ることが重要視されるようになってきた。
特開2011−57052号公報 特表2014−501194号公報
本発明の発明者らは、船舶の航行中においては、船舶の自身の船速と自然風の風速とが同程度の大きさになり、相対風向で考えると斜め向かい風になる確率が高いとの知見を得た。そして、斜め向かい風での風洞実験の結果等により、特に船尾における形状が風圧抵抗に大きな影響を与えることと、船舶の水面上構造物の外形の形状を工夫することで、特に帆を設けることなく、斜め向かい風のときに推力を得ることができるとの知見も得た。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、水面上の風圧面積が比較的大きく、風圧力の影響を受け易い自動車運搬船、客船、コンテナ船、木材運搬船などにおいて、斜め向かい風の影響を低減するとともに、船体又は上部構造物とコンテナ等の積載貨物30で形成する水面上構成物で揚力を発生し、この揚力の船体の前後方向の成分から推力を得ることできて、船舶の推進性能を向上することができる風圧抵抗の少ない船舶を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の風圧抵抗の少ない船舶は、航海速力が、フルード数で0.13〜0.30の船舶で、水面上の船体、又は、上甲板上に設けた上部構造物の少なくとも一方の水面上構造物において、前記水面上構造物の最大幅の船尾側最後部における船体中心線上の点を第1位置とし、この第1位置と船体の最後尾との間を船尾側第1範囲とし、前記水面上構造物の上下方向の任意の連続部分での50%以上かつ100%以下の範囲を上下第1範囲として、前記水面上構造物の前記船尾側第1範囲かつ前記上下第1範囲における水面に平行な各水平断面で、船体中心線上の仮想点から船体の前後方向の船首方向に対して第1角度で延びる線を第1傾斜線とし、前記仮想点から船体の前後方向の船首方向に対して第2角度で延びる線を第2傾斜線とし、前記第1角度を50度とし、前記第2角度を80度とし、前記第1傾斜線と前記第2傾斜線との間を扇形領域として、前記仮想点を船体中心線上で移動させて、扇形領域を船体の前後方向に移動させたときに、前記水平断面の外形線の長さの50%以上100%以下の長さの外形線が前記扇形領域に入るような前記仮想点の位置があり、かつ、前記上部構造物を水面上構造物とした場合において、前記船尾側第1範囲かつ前記上下第1範囲で、各水平断面で前記上部構造物の側壁部の50%以上を直線で形成して、この直線の船体中心線に対する第1角度の上下方向に関しての上下第1範囲における平均値を第1平均角度αmとし、前記上部構造物の下の前記船体の側壁部における前記上部構造物の前面よりも船尾側の20%以上を直線で形成し、この直線の船体中心線に対する第3角度の上下方向に関しての船体の乾舷の範囲における平均値を第3平均角度θmとし、角度γ1を5度としたときに、前記第1平均角度αmと前記第3平均角度θmの関係を、(αm−γ1)≦θm≦(αm+γ1)の関係とすることを特徴とする。
また、航海速力が、フルード数で0.13〜0.30の船舶で、水面上の船体、又は、上甲板上に設けた上部構造物の少なくとも一方の水面上構造物において、前記水面上構造物の最大幅の船尾側最後部における船体中心線上の点を第1位置とし、この第1位置と船体の最後尾との間を船尾側第1範囲とし、前記水面上構造物の上下方向の任意の連続部分での50%以上かつ100%以下の範囲を上下第1範囲として、前記水面上構造物の前記船尾側第1範囲かつ前記上下第1範囲における水面に平行な各水平断面で、船体中心線上の仮想点から船体の前後方向の船首方向に対して第1角度で延びる線を第1傾斜線とし、前記仮想点から船体の前後方向の船首方向に対して第2角度で延びる線を第2傾斜線とし、前記第1角度を50度とし、前記第2角度を80度とし、前記第1傾斜線と前記第2傾斜線との間を扇形領域として、前記仮想点を船体中心線上で移動させて、扇形領域を船体の前後方向に移動させたときに、前記水平断面の外形線の長さの50%以上100%以下の長さの外形線が前記扇形領域に入るような前記仮想点の位置があり、かつ、前記船体を水面上構造物とした場合において、前記船尾側第1範囲かつ前記上下第1範囲で、前記水面上構造物の船尾側の30%以上を直線で形成し、この直線の船体中心線に対する第3角度の上下方向に関しての平均値を第3平均角度θmとし、角度γ2を20度とし、θ1を50度としたときに、前記第3平均角度θmを、(θ1−γ2)≦θm≦(θ1+γ2)の関係とすることを特徴とする。
また、フルード数Fnは、航海速力をV(m/s)、垂線間長をLpp(m)、重力加速度をg(m/s2)としたときに、Fn=V/(Lpp×g)1/2となる。ここで、本発明の対象とする船舶のフルード数Fnを0.13〜0.30とする理由は、フルード数Fnが0.30より大きい場合が殆どの高速の艦艇では、レーダー反射をする少なくするためのステルス技術に関して、船体全体を覆いでカバーすることがあるので、このようなステルス用のカバーと区別するためである。
この構成によれば、水面上の船体、又は、上甲板上に設けた上部構造物の少なくとも一方の水面上構造物の船尾形状を、片舷側の角度αが40度(degree)〜80度の比較的大きく開いたV字形状として、船尾の流れを翼の後端の流れに類似させることで、斜め向かい風の時に揚力を発生できるような形状にすることができる。
この形状により、斜め向かい風のときに船尾における風の抜けがよくなり、水面上構造物の後方への流れが円滑になると共に、この水面上構造物の部分が翼の機能を発揮して揚力を発生させることができ、この揚力の船体前後方向の成分により船舶の推力を得ることができる。なお、この揚力及び推力の発生は、風洞実験の結果で確認されている
また、水面上構造物の鈍角的な船尾側形状により、全長が同じ船舶であれば、容積が増えて、その分積載量が多くなるというメリットもある。
上記の風圧抵抗の少ない船舶において、前記上下第1範囲(Rz1)の前記各水平断面の形状において、前記船尾側第1範囲の側壁部を、凹凸の幅が前記水面上構造物の最大幅の5%以下となる滑らかな曲線状の部分、又は、凹凸の幅が前記水面上構造物の最大幅の5%以下となる直線部分、又は、両者の組み合わせで形成していると、次のような効果を得ることができる。
この構成によれば、この凹凸の少ない滑らかな曲線状又は直線状に形成することにより、この曲線状の部分又は直線状の部分で流れに剥離が生じて大きな渦が発生することを抑制することができる。
上記の風圧抵抗の少ない船舶において、前記水面上構造物の船尾側を形成する側壁部を、前記船尾側第1範囲かつ前記上下第1範囲において、水平面に対して30度以上かつ90度以下の傾斜角を有するように形成していると、次のような効果を得ることができる。
この構成によれば、この船尾側の側壁部を水平面に対して30度以上90度以下で傾斜させることにより、水面上構造物の船尾側を形成する船尾側上面と船側側壁部との角部で生じる渦流を抑制することができる。また、更に、この船尾側上面と船側側壁部との角部に角取り又は丸めを設けることにより、より効果的に渦流を抑制することができるようになる。
上記の風圧抵抗の少ない船舶において、前記上部構造物を水面上構造物とした場合において、前記船尾側第1範囲かつ前記上下第1範囲で、各水平断面で前記上部構造物の側壁部の50%以上を直線で形成して、この直線の船体中心線に対する第1角度の上下方向に関しての上下第1範囲における平均値を第1平均角度αmとし、前記上部構造物の下の前記船体の側壁部における前記上部構造物の前面よりも船尾側の20%以上を直線で形成し、この船体中心線に対する第3角度の上下方向に関しての船体の乾舷の範囲における平均値を第3平均角度θmとし、角度γ1を5度としたときに、前記第1平均角度αmと前記第3平均角度θmの関係を、(αm−γ1)≦θm≦(αm+γ1)の関係とすると、次のような効果を発揮できる。
この構成によれば、この船尾側の上部構造物と船体の乾舷との間で、上下方向に流れが少なくなり、平面的な流れの維持により、上部構造物と船体のそれぞれによる翼形状の後端効果を発揮を維持でき、斜め向風における船舶全体の風圧抵抗の増加を抑制しつつ、揚力発生に起因する推進性能の向上を図ることができる。
上記の風圧抵抗の少ない船舶において、前記船体を水面上構造物とした場合において、前記船尾側第1範囲かつ前記上下第1範囲で、前記水面上構造物の船尾側の30%以上を直線で形成し、この船体中心線に対する第3角度の上下方向に関しての船体の乾舷の範囲における平均値を第3平均角度θmとし、角度γ2を20度とし、θ1を50度としたときに、前記第3平均角度θmを、(θ1−γ2)≦θm≦(θ1+γ2)の関係とする。
この構成によれば、コンテナ船等の上部構造物を船体前後方向において前方又は中間に配置しているような船舶においても、船体の船尾形状で翼形状の後端効果を発揮して、斜め向風における船舶全体の風圧抵抗の増加を抑制しつつ、揚力発生に起因する推進性能の向上を図ることができる。
また、コンテナ等の積載貨物30の上甲板上への配置の仕方により、積載時の貨物の全体としての形状を船体の船尾形状に合わせたり、類似形状にしたりすることで、船体の船尾側の翼形状の後端効果に加えて、上甲板上の積載時の貨物の全体としての形状においても、翼形状の後端効果を発揮させることができるようになる。
本発明の風圧抵抗の少ない船舶によれば、水面上の風圧面積が比較的大きく、風圧力の影響を受け易い自動車運搬船、客船、コンテナ船、木材運搬船などにおいて、斜め向かい風の影響を低減するとともに、船体又は上部構造物とコンテナ等の積載貨物で形成する水面上構成物で揚力を発生し、この揚力の船体の前後方向の成分から推力を得ることできて、船舶の推進性能を向上することができる推力を得ることできて、船舶の推進性能を向上することができる。その結果、燃費が向上し、省エネルギー化を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態における船舶を斜め左舷上方の後方から見た図である。 図1の船舶における水面上構造物としての船体の後部側の側面図である。 図1の船舶における水面上構造物としての船体の水平断面の船尾側形状を示した平面図である。 本発明の第2の実施の形態における船舶の右側面図である。 図4の船舶における水面上構造物としての上部構造物を斜め上方の前方から見た図である。 図4の船舶の船尾部分の右側面図である。 図4の船舶の船尾部分の水平断面図である。 図4の船舶の上部構造物の後側の側壁部と船体の側壁部との平面視における角度の関係を示す模式的な平面図である。 本発明の第3の実施の形態における船舶の右側面図である。 図9の船舶における、船体の側壁部の平面視における角度の関係を示す模式的な平面図である。
以下、図面を参照して本発明に係る風圧抵抗の少ない船舶の実施の形態について説明する。ここでは、第1の実施の形態では自動車運搬船(自動車専用船)を例にして説明し、第2の実施の形態では上甲板より上に設けられた居住区兼船橋の上部構造物を有する貨物船を例にして説明している。しかしながら、本発明は、自動車運搬船や貨物船のみならず、客船等の他の船舶にも適用できる。なお、ステルス技術のために船体を覆いでカバーしている艦艇を除くために、船舶の航海速力Vに関係するフルード数Fnが、0.13〜0.30の船舶としている。なお、船首垂線F.P.と船尾垂線A.P.の間の距離を垂線間長Lppという。
先ず、第1の実施の形態の風圧抵抗の少ない船舶(以下船舶という)について説明する。図1〜図3に示すように、この第1の実施形態の船舶1は、自動車運搬船を例にしたものであり、船体2の船首から船尾にわたって、自動車を固定して搬送するために、階層構造の複数の甲板を有し、最上部の甲板である上甲板3には、マスト4や煙突5は設けるが、船橋や居住区等の船楼を設けない。この船舶1では、船橋も居住区も上甲板3より下に設け、上甲板3より上にはできるだけ突出するものを設けず、風圧抵抗を減少させる。例えば、船橋は上甲板3より下で見晴らしがよい船首部に設け、居住区はエンジンのある機関室に近い船尾側に設ける。
また、水面より下には、船首側に船首バルブ2aが、船尾側にプロペラ6と舵7が設けられている。この図1の船舶1では1軸1舵となっているが、これに限定されることなく、2軸2舵の多軸船等であってもよい。
この構成では、船首部では、船首前縁上端から上甲板3に向かって上向きの傾斜面3aを形成する。この傾斜面3aは、水平面に対する上向き角度が20度(degree)〜60度で、好ましくは38度になるように形成される。これにより、風の流れが船首前縁上端から上甲板3に向かって流れる際に、上甲板3の部分における剥離と渦の発生を抑制して、風圧抵抗を低減する。
船体2の上甲板3と舷側部8とがなす角部に、船首から船尾のほぼ全長にわたって切欠段部9を設ける。この切欠段部9は、図1に示すように、船体中央における、上甲板から船底(キールライン)までの深さDからバラスト喫水dbを引き算したバラスト状態における乾舷fbの5〜20%の深さdsと幅bsを有して形成される。例えば、積み荷となる自動車1台〜2台分の幅で、方形状に切り欠くことによって形成される。
この切欠段部9により斜め方向の風に対して上甲板3と舷側部8とを結ぶ角部での剥離及び渦の発生が抑制されて、風圧による抵抗、横力、ヨーモーメントが軽減される。なお、この切欠段部9は、船首から船尾のほぼ全長にわたって設けると効果が大きいが、船首からほぼ船体中央部までの範囲にわたって設けてもよい。
また、図1の構成では、船体2の舷側部8の水面上の部分(水面上構造物)の船尾に、自動車の荷役を行うためのランプウエイ用の開口部とその扉10を設けている。また、船体2の中央部付近の舷側部8にも自動車の荷役を行うためのランプウエイ用の開口部とその扉を設けてもよい。
図1〜図3に示すように、この水面上の船体である水面上構造物2において、船体2の最大幅Bmaxの船尾側最後部における船体中心線Lc上の点を第1位置P1とし、この第1位置P1と船体2の最後尾Paとの間を船尾側第1範囲Rx1とする。また、水面上構造物2の上下方向の任意の連続部分での50%以上かつ100%以下、好ましくは40%以上かつ100%以下の範囲を上下第1範囲Rz1とする。この水面上構造物2の船尾側第1範囲Rx1で、かつ、上下第1範囲Rz1を船尾特定範囲Sa1(図1及び図2のクロスハッチング部分)とする。なお、この上下方向の全範囲としては、水面位置を下端とし、マスト4と煙突5などを除いた船体2の最上部までとし、上部構造物(図示しない)が有る場合はその最上部までとする。
そして、この船尾特定範囲Sa1における水面に平行な各水平断面Sh(z)で、船体中心線Lc上の仮想点P2(z)から船体2の前後方向Xの船首方向(プラスX方向)に対して第1角度α1で延びる線を第1傾斜線L1とし、仮想点P2(z)から船体2の前後方向Xの船首方向(プラスX方向)に対して第2角度α2で延びる線を第2傾斜線L2とする。さらに、ここで、第1角度α1を50度(degree)、好ましくは55度とし、第2角度α2を80度、好ましくは65度とする。また、第1傾斜線L1と第2傾斜線L2との間を扇形領域Rα(z)とする。
上記の条件の下で、仮想点P2(z)を船体中心線Lc上で移動させて、扇形領域Rα(z)を船体の前後方向Xに移動させたときに、水平断面Sh(z)の外形線Ls(z)の長さの50%以上100%以下の長さ、好ましくは60%以上100%以下の長さの外形線Ls(z)が扇形領域Rα(z)に入るような仮想点P2(z)の位置があるように構成する。言い換えれば、船体中心線Lc上の適当な位置に仮想点P2(z)を設けた場合に、仮想点P2(z)を頂点とする扇形領域Rα(z)の内部に水平断面Sh(z)の外形線Ls(z)の長さの50%以上100%以下の長さ、好ましくは60%以上100%以下の長さの外形線Ls(z)が入る構成とする。
この構成によれば、水面上の船体2の水面上構造物の船尾形状を、片舷側の角度αが40度(degree)〜80度、好ましくは55度〜65度の比較的大きく開いたV字形状とすることができる。この船尾形状にすると、船尾の流れが翼の後端の流れに類似した流れとなり、斜め向かい風のときに翼と同じく、揚力を発生できるようになる。
つまり、この船尾形状を持つ船体2により、斜め向かい風のときに船尾における風の抜けがよくなり、水面上構造物2の後方への流れが円滑になると共に、この水面上構造物2の部分が翼の機能を発揮して揚力を発生させることができる。この揚力の船体2の前後方向Xの成分により船舶1の推力を得ることができる。なお、この揚力及び推力の発生は、風洞実験の結果で確認されている。
この自動車運搬船や客船などのように、暴露甲板上に起立する上部構造物が殆んどないか、非常に小さくて、水面上の部分が、水面から船体2がそのまま上に延びたような形状をした船舶では、この船首から船尾までの船体2が、翼形状に類似した形状となるので、船尾形状を翼の後端とほぼ同じ機能を持つような形状とすることで、斜め向風において発生する揚力を大きくすることができ、この揚力から推力を得ることができる。
また、この構成によれば、斜め向風に対して、船体2の船尾側における風の抜けがよくなるので、船体2の船尾部分における渦流の発生を少なくして、この部分での風による船体横方向Yの風力を小さくすることができ、船体2に作用する風による旋回モーメントを減少することができる。これにより、旋回モーメントを相殺するための当舵の角度を小さくすることができ、この面からも推進効率を向上することができ、また、操縦性も向上することができる。
また、船体2の鈍角的な船尾側形状により、全長が同じ船舶であれば、容積が増えて、その分積載量が多くなるというメリットもある。
また、水面上構造物2の船尾側を形成する船尾特定範囲Sa1の側壁部(舷側部)8を、上下第1範囲Rz1の各水平断面Sh(z)の形状において、凹凸の幅が船体2の最大幅Bmaxの5%以下となる滑らかな曲線状の部分、又は、凹凸の幅が船体2の最大幅Bmaxの5%以下となる直線部分、又は、両者の組み合わせで形成することが好ましい。この構成にすることにより、この曲線状の部分又は直線状の部分で流れに剥離が生じて大きな渦が発生することを抑制することができる。
また、水面上構造物2の船尾側を形成する側壁部8を、船尾側第1範囲Rx1かつ上下第1範囲Rz1において、水平面に対して30度以上かつ90度以下の傾斜角βを有するように形成していると、水面上構造物2の船尾側を形成する船尾側上面の上甲板3と側壁部8との角部で生じる渦流を抑制することができる。なお、この側壁部8は、水面上の全体又は上側の一部分が外側に凸となる曲面状に形成すると、水面上構造物2の上側(デッキや船橋の上面等)を流れてきた空気流れが、この側壁部8の曲面に沿って下降できて、渦流などの発生による抵抗増加を抑制できるようにしてもよい。この場合には、曲面上の各点における接面が水平面となす角度を傾斜角βとする。
この傾斜角βを30度より小さくすると、船尾側部分の下部が大きく船尾方向に延びることになり、90度より大きくし過ぎると、実用的ではなくなる。また、更に、この上甲板3と側壁部8との角部に角取り又は丸めを設けることにより、より効果的に渦流を抑制することができるようになる。
次に、第2の実施の形態の風圧抵抗の少ない船舶(以下船舶という)について説明する。図4〜図8に示すように、この第2の実施形態の船舶1Aは、貨物船(ここではバルカー)を例にしたものであり、船尾部の上甲板3の上に艦橋21と居住区22を備えた上部構造物20が配置されている船尾船橋船である。この貨物船としては、バルカー、タンカー、一般貨物船等の居住区が船尾にある船舶が例としてある。この上部構造物20の上面には、マスト4や煙突5が設けられ、さらには、船橋21の両舷側に航海船橋甲板の一部で船側に張り出している部分であるナビゲーションウイング(ドジャー)21aが設けられている。
図4〜図8に示すように、上甲板3上に設けた上部構造物20である水面上構造物20において、上部構造物20の最大幅Bmaxの船尾側最後部における船体中心線Lc上の点を第1位置P1とし、この第1位置P1と船体2の最後尾Paとの間を船尾側第1範囲Rx1とする。また、水面上構造物20の上下方向の50%以上かつ100%以下、好ましくは40%以上かつ100%以下の範囲を上下第1範囲Rz1とする。この上下方向の全範囲としては、上部構造物20の下端、即ち、上甲板3の上面から、マスト4と煙突5などを除いた上部構造物20の最上部までとする。
そして、水面上構造物20の船尾側第1範囲Rx1で、かつ、上下第1範囲Rz1を船尾特定範囲Sa1(図4〜図6のクロスハッチング部分)とする。この船尾特定範囲Sa1における水面に平行な各水平断面Sh(z)で、船体中心線Lc上の仮想点P2(z)から船体2の前後方向Xの船首方向(プラスX方向)に対して第1角度α1で延びる線を第1傾斜線L1とし、仮想点P2(z)から船体2の前後方向Xの船首方向(プラスX方向)に対して第2角度α2で延びる線を第2傾斜線L2とする。さらに、ここで、第1角度α1を50度(degree)、好ましくは55度とし、第2角度α2を80度、好ましくは65度とする。また、第1傾斜線L1と第2傾斜線L2との間を扇形領域Rα(z)とする。
上記の条件の下で、仮想点P2(z)を船体中心線Lc上で移動させて、扇形領域Rα(z)を船体2の前後方向Xに移動させたときに、水平断面Sh(z)の外形線Ls(z)の長さの50%以上100%以下の長さ、好ましくは60%以上100%以下の長さの外形線Ls(z)が扇形領域Rα(z)に入るような仮想点P2(z)の位置があるように構成する。言い換えれば、船体中心線Lc上の適当な位置に仮想点P2(z)を設けた場合に、仮想点P2(z)を頂点とする扇形領域Rα(z)の内部に水平断面Sh(z)の外形線Ls(z)の長さの50%以上100%以下の長さ、好ましくは60%以上100%以下の長さの外形線Ls(z)が入る構成とする。
この構成によれば、上部構造物20の水面上構造物20の船尾形状を、片舷側の角度αが40度(degree)〜80度、好ましくは55度〜65度の比較的大きく開いたV字形状とすることができる。この船尾形状にすると、船尾の流れが翼の後端の流れに類似した流れとなり、斜め向かい風のときに翼と同じく、揚力を発生できるようになる。
つまり、この船尾形状を持つ上部構造物20により、斜め向かい風のときに船尾における風の抜けがよくなり、水面上構造物20の後方への流れが円滑になると共に、この水面上構造物20の部分が翼の機能を発揮して揚力を発生させることができる。この揚力の船体2の前後方向Xの成分により船舶1の推力を得ることができる。なお、この揚力及び推力の発生は、風洞実験の結果で確認されている。
この第2の実施の形態の船舶1Aのように、船尾部分に上部構造物20を有する船舶では、上甲板3上にコンテナ船ではコンテナ(積載貨物)30を、木材運搬船では木材等の積載するため、上甲板3の上の形状が全体として細長い形状となる。このような船舶では、この船首から船尾までの上部構造物20と積載貨物30とにより、翼形状に類似した形状となるので、上部構造物20の船尾側形状を翼の後端とほぼ同じ機能を持つような形状とすることで、斜め向風において発生する揚力を大きくすることができ、この揚力から推力を得ることができる。
また、この構成によれば、斜め向風に対して、上部構造物20の船尾側における風の抜けがよくなるので、この船尾側部分における渦流の発生を少なくして、この部分での風による船体横方向Yの風力を小さくすることができ、上部構造物20に作用する風による旋回モーメントを減少することができる。これにより、旋回モーメントを相殺するための当舵の角度を小さくすることができ、この面からも推進効率を向上することができ、また、操縦性も向上することができる。この旋回モーメントに関する効果は、上部構造物20の前方の上甲板3の上に積載貨物30を積載していない状態でも発揮でき、推進効率と操縦性を向上することができる。
また、上部構造物20の鈍角的な船尾側形状により、全長が同じ船舶であれば、容積が増えて、その分積載量が多くなるというメリットもある。
また、水面上構造物20の船尾側を形成する船尾側第1範囲Rx1の側壁部(上部構造物10の壁面)28を、上下第1範囲Rz1の各水平断面Sh(z)の形状において、凹凸の幅が上部構造物20の最大幅Bmaxの5%以下となる滑らかな曲線状の部分、又は、凹凸の幅が上部構造物20の最大幅Bmaxの5%以下となる直線部分、又は、両者の組み合わせで形成することが好ましい。この構成にすることにより、この曲線状の部分又は直線状の部分で流れに剥離が生じて大きな渦が発生することを抑制することができる。
また、水面上構造物20の船尾側を形成する側壁部28を、船尾側第1範囲Rx1かつ上下第1範囲Rz1において、水平面に対して30度以上かつ90度以下の傾斜角βを有するように形成していると、水面上構造物20の船尾側を形成する船尾側上面27と側壁部28との角部で生じる渦流を抑制することができる。なお、この側壁部28は、水面上の全体又は上側の一部分が外側に凸となる曲面状に形成することが好ましく、この場合には、曲面上の各点における接面が水平面となす角度を傾斜角βとする。
この傾斜角βを30度より小さくすると、船尾側部分の下部が大きく船尾方向に延びることになり、90度より大きくし過ぎると、実用的ではなくなる。また、更に、この船尾側上面27と側壁部28との角部に角取り又は丸めを設けることにより、より効果的に渦流を抑制することができるようになる。
また、この上部構造物20を水面上構造物20とした貨物船1Aにおいては、船尾側第1範囲Rx1かつ上下第1範囲Rz1で、さらに次のように構成することが好ましい。
つまり、図8に示すように、各水平断面で上部構造物20の側壁部28の50%以上を直線L3(z)で形成して、この直線L3(z)の船体中心線Lcに対する第1角度α(z)の上下方向Zに関しての上下第1範囲Rz1における平均値を第1平均角度αmとする。また、上部構造物20の下の船体2の側壁部(乾舷)8における上部構造物20の前面よりも船尾側の20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上を直線L4(z)で形成する。
それと共に、この直線L4(z)の船体中心線Lcに対する第3角度θ(z)の上下方向Zに関しての船体2の乾舷8の範囲における平均値を第3平均角度θmとし、角度γ2を5度とする。このときに、第1平均角度αmと第3平均角度θmの関係を、(αm−γ2)≦θm≦(αm+γ2)の関係とする。
これにより、この船尾側の上部構造物20と船体2の乾舷8との間で、平面視における第1平均角度αmと第3平均角度θmとの間に大きな差が無くなるため、上部構造物20と船体2との上下方向の流れによって乱される可能性が少なくなり、平面的な流れが維持され易くなるので、上部構造物20と船体2のそれぞれによる翼形状の後端効果を発揮でき、斜め向風における船舶1A全体の風圧抵抗の増加を抑制しつつ、揚力発生に起因する推進性能の向上を図ることができる。
渦流を抑制することができるようになる。
次に、第3の実施の形態の風圧抵抗の少ない船舶(以下船舶という)について説明する。図9及び図10に示すように、この第3の実施形態の船舶1Bは、第1の実施の形態の船舶1において、さらに、船尾形状を限定したものである。なお、図9はコンテナ船の例である。
この船舶1Bは、コンテナ船などで上甲板3の上に艦橋21と居住区22を備えた上部構造物20を持つが、この上部構造物20が船体前後方向Xに関して船尾側ではなく、船首側や中間位置に配置されている船舶が主に対象となる。
この船体2を水面上構造物2とした船舶1Bにおいて、第1の実施の形態の船舶1と同様に、船尾側第1範囲Rx1と上下第1範囲Rz1を設けて、この船尾側第1範囲Rx1で、かつ、上下第1範囲Rz1を、船尾特定範囲Sa1とし、この部分での船尾形状を次のように形成する。
つまり、船体(水面上構造物)2の船尾側の30%以上を直線L4(z)で形成し、この直線L4(z)の船体中心線Lcに対する第3角度θ(z)の上下方向(Z)に関しての平均値を第3平均角度θmとし、角度γ2を20度、好ましくは10度、より好ましくは5度とし、θ1を50度としたときに、第3平均角度θmを、(θ1−γ2)≦θm≦(θ1+γ2)の関係とする。
この構成によれば、コンテナ船などの上部構造物20を船体前後方向Zにおいて前方又は中間に配置しているような船舶1Bにおいても、船体2の船尾形状で、翼形状の後端効果を発揮し易くすることができ、斜め向風における船舶全体の風圧抵抗の増加を抑制しつつ、揚力発生に起因する推進性能の向上を図ることができる。
また、コンテナ等の積載貨物30の上甲板3上への配置の仕方により、積載時の貨物の全体としての形状を船体2の船尾形状に合わせたり、類似形状にしたりすることで、船体2の船尾側の翼形状の後端効果に加えて、上甲板3上の積載時の積載貨物30の全体としての形状においても、翼形状の後端効果を発揮させることができるようになる。
上記の構成の船舶1、1A、1Bによれば、水面上の風圧面積が比較的大きく、風圧力の影響を受け易い自動車運搬船、客船、コンテナ船、木材運搬船などにおいて、斜め向かい風の影響を低減するとともに、船体2又は上部構造物20とコンテナ等の積載貨物30で形成する水面上構成物2、20で揚力を発生し、この揚力の船体2の前後方向Xの成分から推力を得ることできて、船舶1、1A、1Bの推進性能を向上することができる。その結果、燃費が向上し、省エネルギー化を図ることができる。
1、1A、1B 船舶
2 船体(水上構造物)
3 上甲板
8 舷側部
20 上部構造物
21 艦橋
22 居住区
30 積載貨物(コンテナ)
A.P. 船尾垂線
Bmax 最大幅
F.P. 船首垂線
L1 第1傾斜線
L2 第2傾斜線
Lc 船体中心線
Lpp 垂線間長
Ls(z) 水平断面の外形線
P1 第1位置
P2 仮想点
Pa 船体の最後尾
Rx1 船尾側第1範囲
Rz1 上下第1範囲
Rα(z) 扇形領域
Sa1 船尾特定範囲
Sh(z)船尾特定範囲における水平断面
X 船体の前後方向
Y 船体の左右方向
Z 船体の上下方向
α 片舷側の角度
α1 第1角度
α2 第2角度
β 傾斜角
θ 第3角度

Claims (4)

  1. 航海速力が、フルード数で0.13〜0.30の船舶で、水面上の船体、又は、上甲板上に設けた上部構造物の少なくとも一方の水面上構造物において、
    前記水面上構造物の最大幅の船尾側最後部における船体中心線上の点を第1位置とし、この第1位置と船体の最後尾との間を船尾側第1範囲とし、前記水面上構造物の上下方向の任意の連続部分での50%以上かつ100%以下の範囲を上下第1範囲として、
    前記水面上構造物の前記船尾側第1範囲かつ前記上下第1範囲における水面に平行な各水平断面で、
    船体中心線上の仮想点から船体の前後方向の船首方向に対して第1角度で延びる線を第1傾斜線とし、前記仮想点から船体の前後方向の船首方向に対して第2角度で延びる線を第2傾斜線とし、前記第1角度を50度とし、前記第2角度を80度とし、前記第1傾斜線と前記第2傾斜線との間を扇形領域として、前記仮想点を船体中心線上で移動させて、扇形領域を船体の前後方向に移動させたときに、
    前記水平断面の外形線の長さの50%以上100%以下の長さの外形線が前記扇形領域
    に入るような前記仮想点の位置があり、かつ、
    前記上部構造物を水面上構造物とした場合において、
    前記船尾側第1範囲かつ前記上下第1範囲で、
    各水平断面で前記上部構造物の側壁部の50%以上を直線で形成して、この直線の船体中心線に対する第1角度の上下方向に関しての上下第1範囲における平均値を第1平均角度αmとし、
    前記上部構造物の下の前記船体の側壁部における前記上部構造物の前面よりも船尾側の20%以上を直線で形成し、この直線の船体中心線に対する第3角度の上下方向に関しての船体の乾舷の範囲における平均値を第3平均角度θmとし、角度γ1を5度としたときに、
    前記第1平均角度αmと前記第3平均角度θmの関係を、(αm−γ1)≦θm≦(αm+γ1)の関係とすることを特徴とする風圧抵抗の少ない船舶。
  2. 航海速力が、フルード数で0.13〜0.30の船舶で、水面上の船体、又は、上甲板上に設けた上部構造物の少なくとも一方の水面上構造物において、
    前記水面上構造物の最大幅の船尾側最後部における船体中心線上の点を第1位置とし、この第1位置と船体の最後尾との間を船尾側第1範囲とし、前記水面上構造物の上下方向の任意の連続部分での50%以上かつ100%以下の範囲を上下第1範囲として、
    前記水面上構造物の前記船尾側第1範囲かつ前記上下第1範囲における水面に平行な各水平断面で、
    船体中心線上の仮想点から船体の前後方向の船首方向に対して第1角度で延びる線を第1傾斜線とし、前記仮想点から船体の前後方向の船首方向に対して第2角度で延びる線を第2傾斜線とし、前記第1角度を50度とし、前記第2角度を80度とし、前記第1傾斜線と前記第2傾斜線との間を扇形領域として、前記仮想点を船体中心線上で移動させて、扇形領域を船体の前後方向に移動させたときに、
    前記水平断面の外形線の長さの50%以上100%以下の長さの外形線が前記扇形領域に入るような前記仮想点の位置があり、かつ、
    前記船体を水面上構造物とした場合において、
    前記船尾側第1範囲かつ前記上下第1範囲で、
    前記水面上構造物の船尾側の30%以上を直線で形成し、この直線の船体中心線に対する第3角度の上下方向に関しての平均値を第3平均角度θmとし、角度γ2を20度とし、θ1を50度としたときに、
    前記第3平均角度θmを、(θ1−γ2)≦θm≦(θ1+γ2)の関係とすることを特徴とする風圧抵抗の少ない船舶。
  3. 前記上下第1範囲の前記各水平断面の形状において、前記船尾側第1範囲の側壁部を、凹凸の幅が前記水面上構造物の最大幅の5%以下となる滑らかな曲線状の部分、又は、凹凸の幅が前記水面上構造物の最大幅の5%以下となる直線部分、又は、両者の組み合わせで形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の風圧抵抗の少ない船舶。
  4. 前記水面上構造物の船尾側を形成する側壁部を、前記船尾側第1範囲かつ前記上下第1範囲において、水平面に対して30度以上かつ90度以下の傾斜角を有するように形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の風圧抵抗の少ない船舶。
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