JPH0130316Y2 - - Google Patents

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JPH0130316Y2
JPH0130316Y2 JP1982146086U JP14608682U JPH0130316Y2 JP H0130316 Y2 JPH0130316 Y2 JP H0130316Y2 JP 1982146086 U JP1982146086 U JP 1982146086U JP 14608682 U JP14608682 U JP 14608682U JP H0130316 Y2 JPH0130316 Y2 JP H0130316Y2
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stern
hull
hydrofoil
wedge
hydrofoils
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JP1982146086U
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【考案の詳細な説明】 本考案は双胴船等の多胴船に係り、特に、フル
ード数の比較的大きい高速艇用の多胴船の船体構
造の改良に関する。
一般に船体はその船体のフルード数がどのよう
なものであつても各々ある速度において最高航走
トリム角を有しており、それより過大トリムでも
過小トリムでも船体の抵抗増を招き(第1図参
照)、推進性能の低下をきたすものである。なお、
フルード数とは船体が航走するときの速度を代表
長さと重力の加速度の積の平方根で除した無次元
値であり、フルード数が大きくなると船体に対す
る重力の影響が相対的に低下し慣性力が支配的に
なつてくる。また、トリム角とはある喫水状態で
浮んだ船体のキール面が水平面となす角度であ
る。
ところで、単胴高速艇にあつては、航走中に過
剰船尾トリムとなる場合、その姿勢を補正する目
的で船尾船底にくさび形出張部、すなわち、船尾
ウエツジが設置されているのが通常である。
一方、双胴高速艇にあつては、航走中の船体姿
勢を補正する目的で主として船尾近くの双胴間に
水中翼が配置され、また、双胴中低速艇にあつて
は減揺効果を狙つて主として船首側に水中翼が設
置されるのが通常であつた。
船尾ウエツジは水中翼に比べて発生する揚力の
割に抵抗増加が少なく、航走中に過大トリムとな
る船体には非常に有利であるが、元来最適トリム
角で航走する船体に船尾ウエツジが設置されると
船首が下がり過ぎて過小トリムとなり、かえつて
抵抗増加をまねいてしまうものである。また、水
中翼にあつても、水中翼自身が抵抗を有するもの
であるため、設置位置や設置方法によつては抵抗
増加をまねいて推進性能が低下されるものであつ
た。
本考案の目的は、航走時の抵抗が極めて小さ
く、推進性能の優れた多胴高速艇を提供するにあ
る。
複数の船体によりフルード数0.5以上かつ船体
の水線長さLの多胴高速艇を形成し、船体の船尾
側の船底を船尾に向かつて長さ0.005〜0.05Lでく
さび角2.0〜25度に船底面から連続的に隆起させ
ていわゆる船尾ウエツジ等の船尾浮揚部材を形成
するとともに、船底以外の胴間に弦長0.01〜
0.05Lで仰角1〜10度に形成された水中翼を船尾
から船首に向かつて0.3〜0.9Lの範囲内の少なく
とも1箇所に配置し、前記船尾浮揚部材及び水中
翼の各々において発生する揚力によるモーメント
を適切にバランスさせることにより最適な航走ト
リム角が容易に得られるようにし、しかも、前記
船尾浮揚部材及び水中翼により船体全体を上昇さ
せて船体抵抗、特に摩擦抵抗を著しく減少させて
推進性能を向上させるとともに、前記水中翼を船
体間に配置しかつ船尾浮揚部材を船体底部に配置
することにより、船尾浮揚部材が水中翼の後流の
影響を受けないようにして船尾浮揚部材を推進抵
抗の小さな船尾ウエツジ等でも十分な揚力を発生
しうるように構成し、これにより前記目的を達成
しようとするものである。
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。
第2〜4図には本考案による多胴高速艇の一実
施例が示されており、図中多胴船体としての双胴
船体1は高速艇用の船体形状を有しており、フル
ード数は概ね0.5以上である。フルード数が0.5に
満たない場合は、船尾浮揚部材および水中翼によ
る船体上昇および最適航走トリム角の実現という
効果が現われにくい。
双胴船体1の両舷の各々の船尾船底には、水面
からの反力により船尾側に航走時揚力を発生させ
る船尾浮揚部材としての船尾ウエツジ2が設けら
れている。
船尾ウエツジ2は、第4図にも拡大して示され
るように、船尾側の船底を船尾に向かつて連続的
に隆起させ、船底より下方側に断面くさび形状に
突出して形成されている。船尾ウエツジ2の長さ
は双胴船体1の水線長さをLとして0.005L〜
0.05L程度であることが好ましく、そのうちでも
0.01L〜0.03L程度であることが特に好ましい。船
尾ウエツジ2の長さが0.005L程度に満たない場合
は船尾側にて十分な揚力を得ることが極めて困難
となり、一方、0.05L程度を超える場合は抵抗増
が激しくなり、航走トリム角も不適切なものとな
り易い。
また、船尾ウエツジ2の双胴船体1の船底に対
する角度、換言すれば、断面くさび形状の船尾ウ
エツジ2のくさび形先端の角度は、2.0〜25度程
度であることが好ましく、そのうちでも5〜15度
程度であることが特に好まししい。船尾ウエツジ
2の角度が2.0度程度に満たない場合は十分な揚
力が得られにくく、一方、25度程度を超える場合
は大きな揚力が得られる反面抵抗増が著しくな
る。
また、船尾以外すなわち船尾より船首側の所定
位置における双胴間には水中翼3が所定の迎角を
もつて配置されている。水中翼3はいわゆる全通
水中翼であり、この水中翼3により船首側に航走
時揚力が発生するようになつている。水中翼3の
配置位置及び迎角は、船尾ウエツジ2及び水中翼
3にて各々発生する揚力によりモーメントがバラ
ンスされて最適な航走トリム角が実現されるよ
う、適切な位置及び角度に構成されており、本実
施例の如く水中翼3を1ケ所にだけ配置する場合
にあつては、双胴船体1の水線長さをLとして船
尾端から船首側に向つて0.3Lの位置から更に船首
側に向つて0.9Lの位置の範囲内に水中翼3が設け
られていることが好ましく、また、付加される船
尾ウエツジ2の角度および長さが大きいほど船首
側の位置に配置されることが好ましい。
水中翼3が船尾側から船首側に向つて0.3L以内
にある場合は最適航走トリム角の実現が困難であ
り、一方、0.9Lよりも更に船首側にある場合は水
中翼3が航走時に水中より飛び出しやすいものと
なつてしまう。
また、水中翼3の弦長は0.01L〜0.05Lであるこ
とが好ましく、そのうちでも0.02L〜0.03Lである
ことが特に好ましい。弦長が0.01Lに満たない場
合は十分な揚力が得られず、一方、0.05Lを超え
ると相対没水度が小さくなり抵抗増が著しい。さ
らに、水中翼3の迎角は、1度〜10度であること
が好ましく、そのうちでも2度〜5度であること
が特に好ましい。前記迎角が1度に満たない場合
は十分な揚力が得られず、一方、10度を超えると
抵抗増が著しい。
次に本実施例の作用につき説明する。
航走時の双胴船体1の船尾側には船尾ウエツジ
2により揚力が与えられ、これだけでは船首が下
つて過小トリムとなるが、船首側には水中翼3に
より揚力が与えられ、しかも、これら2つの揚力
により双胴船体1に作用するモーメントのバラン
スがはかられているため双胴船体1は最適トリム
角にて航走することとなる。
また、航走に際しては、船尾ウエツジ2による
揚力と水中翼3による揚力とによつて双胴船体1
全体が上昇され、双胴船体1がフルード数略0.5
以上であることから、船体上昇による抵抗の減
少、特に摩擦抵抗の減少は水中翼3を設けること
による水中翼3自体の有する抵抗に起因する抵抗
増加をはるかに凌ぐものである。
このような本実施例によれば次のような効果が
ある。
船尾ウエツジ2と水中翼3との揚力のバランス
により航走時の双胴船体1には最適トリム角が容
易に実現されることとなり、航走時の抵抗が減少
され、推進性能が向上される。
しかも、単に最適トリム角が得られるばかりで
なく、双胴船体1全体を上昇させて水面からの抵
抗を小さくすることができるため、推進性能はこ
の点からも著しく向上される。ここにおいて、船
尾ウエツジ2および水中翼3が設けられることに
よる船体上昇の効果をより具体的に示せば第5図
のようになり、この第5図からも船尾ウエツジ2
及び水中翼3が設けられることにより船体上昇量
が著しく向上することが判る。なお、船体上昇量
は船体の有するフルード数が大きいもの程著しい
効果がみられるが、反対にフルード数が0.5に満
たない船体構造を有する場合にあつては船体上昇
についての著しい効果は認められない。
また、船尾ウエツジ2は、従来は専ら航走トリ
ム角の修正のためにのみ利用されていたが、本実
施例の如く水中翼3と組合せて船体全体を上昇さ
せることにより、例えば、水中翼3を船尾ウエツ
ジ2の代わりに船尾に設けた場合に比し、抵抗が
極めて少なくできるとともに、水中翼3を双胴船
体1の間に配置しかつ船尾ウエツジ2を船体1後
方の底面に配置することにより、船尾ウエツジ2
に対する水中翼3の後流の影響を回避でき、推進
抵抗の小さな船尾ウエツジ等でも十分な揚力を得
ることができ、この点からも推進性能が向上され
る。
さらに、水中翼3が双胴間の比較的前方に設け
られているため、波浪中での運動応答において減
揺効果がある。
また、水中翼3は、船殻構造の強度メンバーと
なるものであり、従つて双胴船体1の振動防止効
果をも有している。
第6図には前記以外の実施例が示されており、
図中双胴船体1には第1、第2の水中翼3A,3
Bが設けられいる。第1の水中翼3Aは船尾から
船首側に向つて0.1L〜0.5L内に配置され、一方、
第2の水中翼3Bは0.4L〜0.9L内に配置されてい
る。このような実施例にあつては、水中翼の数が
増加した分だけ水中翼自体の有する抵抗増加はあ
るが、船体上昇量は一層大きくなり結果として抵
抗は一層減少される。また、減揺効果や防振効果
も大きくなり、モーメントのバランスもはかりや
すく最適トリム角が一層容易に実現される。
なお、前述の各実施例においては船尾浮揚部材
は船尾ウエツジ2であるとしたが、船尾浮揚部材
はこれに限らず、例えば船尾船底をトランサムよ
り後方下向きに延長してトランサムフラツプとし
たり、あるいは船底のバトツクラインに切り返し
をつける等して船尾船底の船型を前記船尾ウエツ
ジ2と類似の形状にするようなものであつてもよ
く、要するに水面からの反力を受けて船尾側に揚
力を与え得るものであればよい。
また、水中翼3,3A,3Bは、1ケ所または
2ケ所に設けられているものに限らず、3ケ所以
上に設けられていてもよい。ただし、複数の水中
翼を配置する場合は水中翼同士をあまり近接させ
ると水中翼同士が互いに干渉してしまい水中翼本
来の機能を発揮することが困難となるため、互い
に非干渉状態が保たれるだけの間隔を設ける必要
がある。
さらに、本考案が適用されるのは双胴船に限ら
ず、3胴以上の多胴船でもよく、3胴以上の多胴
船の場合は必ずしも全ての船体の各々に船尾ウエ
ツジ等が設けられていなくともよく、また、全て
の胴間に水中翼が設けられていなくともよい。
上述のように本考案によれば、航走時の抵抗が
極めて小さく、推進性能の優れた多胴高速艇を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はトリム角と船体抵抗との関係を種々の
フルード数において示す線図、第2図は本考案に
よる多胴高速艇の一実施例の全体構成を示す側面
図、第3図は前記実施例の背面図、第4図は前記
実施例の船尾船底に設けられた船尾浮上部材とし
ての船尾ウエツジの形状を示す拡大斜視図、第5
図は前記実施例における船体上昇量を示す線図、
第6図は前記以外の実施例の全体構成を示す側面
図である。 1……双胴船体、2……船尾浮揚部材としての
船尾ウエツジ、3,3A,3B……水中翼。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 複数の船体を有しフルード数0.5以上かつ船
    体の水線長さLに形成された多胴高速艇におい
    て、船体の船尾側の船底を船尾に向かつて長さ
    0.005〜0.05Lでくさび角2.0〜25度に船底面から
    連続的に隆起されて船尾側を水面からの反力に
    より浮揚させる船尾浮揚部材が設けられている
    とともに、船底以外の胴間に弦長0.01〜0.05L
    で仰角1〜10度に形成された水中翼が船尾から
    船首に向かつて0.3〜0.9Lの範囲内の少なくと
    も1箇所に配置されていることを特徴とする多
    胴高速艇。 (2) 実用新案登録請求の範囲第1項において、前
    記水中翼は2箇所に設けられ、各々船尾から船
    首に向かつて0.1〜0.5Lの範囲内および0.4〜
    0.9Lの範囲内に配置されていることを特徴とす
    る多胴高速艇。
JP14608682U 1982-09-27 1982-09-27 多胴高速艇 Granted JPS5949591U (ja)

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JP14608682U JPS5949591U (ja) 1982-09-27 1982-09-27 多胴高速艇

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JP14608682U JPS5949591U (ja) 1982-09-27 1982-09-27 多胴高速艇

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JPS5949591U JPS5949591U (ja) 1984-04-02
JPH0130316Y2 true JPH0130316Y2 (ja) 1989-09-14

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS55119582A (en) * 1979-03-03 1980-09-13 Tadashi Okajima Sliding boat with wing

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JPS5495796U (ja) * 1977-12-19 1979-07-06

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JPS55119582A (en) * 1979-03-03 1980-09-13 Tadashi Okajima Sliding boat with wing

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JPS5949591U (ja) 1984-04-02

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