JP4747685B2 - ツインスケグ船の推進性能改善装置 - Google Patents

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本発明は、二軸船のうち、船尾船体に左右のプロペラ軸を支持するスケグ部を船体と一体に備えてなる型式のツインスケグ船における推進性能を向上化させるツインスケグ船の推進性能改善装置に関するものである。
左右一対のプロペラ(スクリュープロペラ)を備えた二軸船の船尾形状としては、たとえば、図4(イ)(ロ)に示す如く、船体1の船尾部の左右位置に、下方へ延びる左右一対のスケグ部2をそれぞれ船体1と一体に設け、該各スケグ部2に左右のプロペラ3のプロペラ軸(図示せず)をそれぞれ支持させるようにしてあるツインスケグ型式としたものがある(たとえば、特許文献1参照)。なお、図中、符号4は左右のスケグ部2の間に形成されるトンネル状船底凹部、5は舵である。又、6は船体フレームライン、CLは船体中心線、LWLは計画満載吃水線をそれぞれ示す。
又、二軸船の船尾形状として別の型式のものとしては、図5(イ)(ロ)に示す如く、船体7の船尾部における船体中心線CLに沿う位置に、V型船体又は船体中心線CLに沿って下方へ延びるスケグ状の軸間船体部8を設けて、該軸間船体部8の左右両側に左右のプロペラ9のプロペラ軸10を船外の水中へ露出させて配置すると共に、該各プロペラ軸10における先端部のプロペラ9近傍位置を、上記軸間船体部8の左右両側の船底にシャフトブラケット11を介してそれぞれ支持させてなる型式のものがある(たとえば、特許文献2参照)。なお、図5(イ)(ロ)における符号12は船尾ボッシング、13はプロペラ9のプロペラディスク、14はプロペラボス、15は舵である。
ところで、従来、船舶の推進性能の向上化を図る手法の一つとして、船舶の航行時に発生する船尾流れを整流するようにする手法が考えられてきている。
この種の船尾流れの整流により船舶の推進性能を向上化させる手法の一つとして、たとえば、上記図5(イ)(ロ)に示した型式の二軸船において推進性能の向上化を図るものが提案されている。すなわち、図5(イ)(ロ)に示した二軸船において左右の各プロペラ9の回転方向を外回り(矢印r方向)とした場合には、船尾側の船体付近における伴流分布が船体中心線CLに近づくにつれて流れの上昇成分が高くなり、プロペラディスク13内の伴流は、船体中心線CL寄りで強い上昇流を生じ、プロペラ効率の低下が懸念されることから、図5(イ)(ロ)に示す如く、上記軸間船体部8の左右両側面に、側方へ水平に突出する左右一対のフィン16を設けて、プロペラ効率を向上させるような構成とすることが提案されている。かかる構成によれば、上記各フィン16により、船体中心線CL寄りの部分で各プロペラ9へ流入する伴流17の上昇成分が低減されるように整流されて、プロペラディスク13における伴流分布が一様化されることから、プロペラ効率が向上するようになる。更に、上記各フィン16に生じる揚力の前向き成分による推力も得られることから、推進性能の大幅な向上が期待されるとされている。
又、船尾流れの整流により船舶の推進性能を向上化させる手法を、船体中心とプロペラ軸心が一致した一軸船に適用するものとしては、図6乃至図8に示すようなものが提案されている。
たとえば、図6に示すものは、船舶の船尾を最後端に向けて窄まるように形成して、水線WLよりも下方となる船体外壁18の最後端に、推進用プロペラ19をプロペラ軸20を介し取り付けている。又、船尾の船体外壁18には、プロペラ軸20上方の横断面形状が外曲がりになるよう湾曲した船尾フレア部18aを形成すると共に、プロペラ軸20から船底にかけて球面状になるように湾曲させて船尾ビルジ部18bを形成した構成の一軸船としてある。この一軸船の航行時には、上記船尾ビルジ部18bから生じる上昇流21と、上記船尾フレア部18aから生じる下降流22によって船尾渦(3次元渦)が発生し、この船尾渦の渦中心と船体表面との間の強い下降流のために圧力損失が発生し、更に、この船尾渦は船尾端に近くなるほど強くなるため、上記圧力損失も船尾端へ行くほど強くなり、かかる圧力損失が船体抵抗の増大に結びつくようになってしまう。そのため、図6に示す一軸船の場合は、船尾の船体外壁18の左右両側に、左右対称な一対のフィン(船尾渦整流板)23を、上記船尾渦の渦中心まで水平に張り出すように設けた構成とすることが提案されている。かかる構成によれば、船尾ビルジ部18bから船体後方へ向かう速い流れを伴った上昇流21にはさほど影響を与えることなく、船尾フレア部18aからの強い下降流22を上記左右のフィン23にて規制することができることから、上記下降流22は該フィン23の上面に沿って軸流方向に整流される。このようにして上記強い下降流22を弱めることによって上記フィン23の上方の船体表面圧力が高められるようになって、上記フィン23がない場合に生じていた如き船体表面から渦中心までの強い下降流22に起因する圧力損失を低減させることができて、船体抵抗が効果的に低減されるようになるものとしてある(たとえば、特許文献3参照)。
更に、図7に示すものは、図6に示したと同様の構成において、船尾の船体外壁18の左右両側に、左右対称な一対のフィン24を、船体の左右方向へ水平線25より外側が上位となるように所要角度傾斜させて取り付けてなる構成とし、上記各フィン24による下降流の整流効果を増大させて抵抗低減効果を高めると共に、該各フィン24に作用する波浪衝撃力の影響を弱めることができるようにするものである(たとえば、特許文献4参照)。
又、図8に示すものは、一軸又は複数軸船舶の船尾26の両舷又は片舷の船体外壁(外板)27における水線WLよりも下方に、片舷につき2条の短冊状のフィン28と29を、それぞれ前後方向に間隙をあけて配置し、前方のフィン28は、船体中央より後方位置の船体外壁27に、プロペラ30中心線の高さ以下の位置を起点として後方に向かって上り勾配となるように取り付け、且つ後方のフィン29は、プロペラ30直前の船体外壁27におけるプロペラ30中心線からプロペラチップ高さの間となる位置に、船底に平行もしくは平行に近い傾きで装備した構成のものとしてある。一般に、船体中央部から船幅が狭くなる船尾にかけて船舶の進行方向に沿った軸を有し且つ船底から船側へ回り込む渦、所謂ビルジ渦31が発生し、このビルジ渦31に起因して船側の近傍に斜め下方の流れが発生するが、図8のような構成とすることにより、かかる流れを上記前方のフィン28により遮ってビルジ渦31を弱めることができ、次いで、後方のフィン29によって上記ビルジ渦31の拡散が防止され、且つビルジ渦31に誘発される二次流れ(進行方向に対する直角面内の流れ)が抑制される。これにより、ビルジ渦31に起因する誘導抵抗が減少させられると共に、船舶の船体抵抗も減少されるようになる。更には、前後のフィン28と29の間隙から取り込まれる船側に沿った流れによる整流作用及び後方のフィン29によるプロペラ30前方での整流作用により、船尾部での圧力が高められて圧力回復が図られ、船体抵抗が低減されるようになる(たとえば、特許文献5参照)。
特開平8−133172号公報 特開平11−20789号公報 特許第2623895号公報 特開平4−339096号公報 特開2002−362485号公報
ところが、特許文献1に記載されたような図4(イ)(ロ)に示すツインスケグ船の航行時に発生する船尾流れは、左右のスケグ部2の外側となる船体1の左右の両舷では、船底側からの上昇流と、船側に沿って回り込む下降流とから形成される渦を伴った図6乃至図8に示した如き一軸船の船尾流れとほぼ同様の船尾流れが発生するが、各スケグ部2の間に形成されているトンネル状船底凹部4においては、船底側からの流れが主となるため、該トンネル状船底凹部4にて生じる船尾流れは、上記各スケグ部2の外側の船尾流れとは相違している。このため、上記左右の各スケグ部2では、それぞれ支持しているプロペラ軸心の左右で非対称な船尾流れが発生する。そのために、上記ツインスケグ船の船尾流れを整流して推進効率の向上化を図るためには、左右の各プロペラ3に流入する全ての船尾流れ、すなわち、各スケグ部2の外側の船尾流れと、該各スケグ部2の内側(トンネル状船底凹部4側)の船尾流れを共に効果的に整流することが望まれるが、従来、上記ツインスケグ船の左右のプロペラ3へ流入するすべての船尾流れを効果的に整流するための手段は提案されていないというのが実状である。
すなわち、特許文献2に記載された図5(イ)(ロ)に示す二軸船は、左右のプロペラ9を外回りに回転させると、左右のプロペラ軸10の間に船体中心線CLに沿って設けてある軸間船体部8の左右両側に生じる伴流分布が、上記軸間船体部8を中心に左右対称となる。このために、上記左右の各プロペラ9のいずれに対しても船体中心線CL寄りの部分で流入する伴流17の上昇成分を低減させるように整流するためには、上記軸間船体部の8の左右両側面に設けるフィン16は左右対称な形状とする必要がある。
又、特許文献3及び特許文献4に記載された一軸船の船体外壁18の左右両側に設けるフィン23及び24は、通常、一軸船の航行時に生じる船尾流れが船体中心線に対して左右対称であることから、いずれも左右対称な形状としてある。
したがって、上記特許文献2、3、4に記載されたフィン16、23、24のように左右対称に設計された一対のフィンを、上記特許文献1に記載されたようなツインスケグ船のそれぞれのスケグ部2に取り付けても、該各スケグ部2の外側と内側で発生する船尾流れは元々相違しているものであることから、上記各スケグ部2の外側と内側に生じる船尾流れを共に効果的に整流することは困難である。
しかも、上記特許文献2、3、4のいずれにも、船尾部にトンネル状船底凹部を備えたツインスケグ船の船尾流れを整流する考えは全く記載されておらず、示唆すらされていない。
又、特許文献5には、一軸又は複数軸船舶の船尾26の両舷又は片舷の船体外壁(外板)27に、片舷につき2条の短冊状のフィン28と29を設ける考えが示されているだけであり、複数軸船舶の左右の舷に非対称にフィン28と29を設けることができるとしても、ツインスケグ船の船尾部のトンネル状船底凹部内の船尾流れを整流することに関する考えは全く記載されていない。したがって、上記特許文献5に記載されたものは、トンネル状船底凹部内における船尾流れをも考慮しなければならないツインスケグ船の左右のスケグ部の内側及び外側のすべての船尾流れを効果的に整流するための手段として適用できるものではない。
そこで、本発明は、ツインスケグ船における左右の各スケグ部における船尾流れをそれぞれ効果的に整流することができて、該ツインスケグ船の推進性能の向上化を図ることができるツインスケグ船の推進性能改善装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、船尾部の左右位置に左右のプロペラ軸を個別に支持するスケグ部を備えてなるツインスケグ船における上記各スケグ部の外側の壁面の所要高さ位置に、船尾流れのうちの下降流を規制するためのフィンを、上記ツインスケグ船の航行時に船底から船側へ回り込むよう発生する渦の中心付近まで左右方向に突出させて設けると共に、上記各スケグ部の内側の壁面の所要高さ位置に、船尾流れのうちの下降流を規制するためのフィンを、上記ツインスケグ船の航行時に該各スケグ部同士の間のトンネル状船底凹部にて生じる上昇流が上記各スケグ部の内側壁面に巻き込まれて下降流に転じる点付近まで上記各スケグ部の外側のフィンよりも小さく左右方向に突出させて設けるようにした構成とする。
更に、上記各構成における各スケグ部の内側のフィンの該各スケグ部におけるプロペラ軸心位置からの突出量を、プロペラのボス径以上で且つ外側のフィンのプロペラ軸心位置からの突出量の2/3以下となるようにした構成とする。
本発明のツインスケグ船の推進性能改善装置によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)ツインスケグ船における各スケグ部の外側の壁面の所要高さ位置に、船尾流れのうちの下降流を規制するためのフィンを、上記ツインスケグ船の航行時に船底から船側へ回り込むよう発生する渦の中心付近まで左右方向に突出させて設けると共に、上記各スケグ部の内側の壁面の所要高さ位置に、船尾流れのうちの下降流を規制するためのフィンを、上記ツインスケグ船の航行時に該各スケグ部同士の間のトンネル状船底凹部にて生じる上昇流が上記各スケグ部の内側壁面に巻き込まれて下降流に転じる点付近まで上記各スケグ部の外側のフィンよりも小さく左右方向に突出させて設けるようにした構成とし、具体的には、各スケグ部の内側のフィンの該各スケグ部におけるプロペラ軸心位置からの突出量を、プロペラのボス径以上で且つ外側のフィンのプロペラ軸心位置からの突出量の2/3以下となるようにした構成としてあるので、上記スケグ部の内側及び外側のいずれにおいても、航走時に発生する船尾流れのうちの上昇流を遮ることなく下降流を弱めるように効果的に整流することができる。このため、上記各フィンの上方の船体表面圧力を高めることができて、上記フィンを具備しないツインスケグ船にて生じていた如きスケグ部の内外両側の下降流に起因する圧力損失を低減させることができることから、船体抵抗を効果的に低減することができる。
(2)したがって、ツインスケグ船の船尾における圧力損失を回復して、推進性能を改善することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明のツインスケグ船の推進性能改善装置の実施の一形態を示すもので、以下のような構成としてある。
すなわち、図4(イ)(ロ)に示したと同様に、船体1の船尾部の左右位置に、左右のプロペラ3のプロペラ軸(図示せず)を支持するためのスケグ部2を船体1と一体に設けてなるツインスケグ船における上記左右の各スケグ部2の外側(舷側側)に、図6に示したフィン23と同様のフィン32を、水平方向に所要幅で突出する(張り出す)よう設けると共に、上記左右の各スケグ部2の内側(トンネル状船底凹部4側)に、上記外側フィン32よりも突出量(張り出し寸法)が小さい狭幅のフィン33を設ける。
以下、詳述する。
ここで、先ず、ツインスケグ船の航行時に生じる船尾流れについて説明すると、該ツインスケグ船の各スケグ部2の間に形成されるトンネル状船底凹部4の内側では、船体1の両舷とは異なって水面側からの水の供給が行われないため、船底側から該トンネル状船底凹部4を通過する流れが主となる。このために、図2に示す如きツインスケグ船の船体中心線CLの片側のプロペラ回転面3aにおける船尾流れを示す図より明らかなように、プロペラの軸心位置3bよりも船体中心線CL側、すなわち、トンネル状船底凹部4の内側では強い上昇流34が生じるようになる。このトンネル状船底凹部4に生じる上昇流34は、上記プロペラの軸心位置3bよりも船体幅方向の外側にて生じる上昇流35、すなわち、ツインスケグ船の航走時に一軸船と同様にして船尾ビルジ部より発生する上昇流35よりも強い。又、比較として、図3に示す如き一軸船の船体中心線CLの片側のプロペラ回転面3aにおける船尾流れを示す図にて、一軸船の船尾ビルジ部から発生している上昇流36よりも強くなっている。
このように、上記トンネル状船底凹部4の内側にて強い上昇流34が発生していることに起因して、スケグ部2の内側壁面と、上記トンネル状船底凹部4の上昇流34が該スケグ部2の内側壁面に巻き込まれるようにして下降流に転じる点との距離は、スケグ部2の外側壁面と、該スケグ部2の外側で発生している上昇流35が船体側面に巻き込まれて下降流に転じる点との距離よりも近接しており、距離比は約2/3以下となっている。なお、上記スケグ部2の外側にて発生している上昇流35が下降流に転じる点のプロペラ軸心位置3bとの相対位置は、図3における一軸船の船側にて発生している上昇流36が下降流に転じる点のプロペラ軸心位置3bとの相対位置とあまり変化しない。更に、上記スケグ部2の内側で生じる下降流は、該スケグ部2の外側で生じる下降流よりも弱いものとなっている。
以上のことに鑑みて、本発明では、ツインスケグ船の各スケグ部2の外側に、該各スケグ部2の外側で発生している上昇流35が船体側面に巻き込まれて下降流に転じる点付近まで突出する外側フィン32を設け、且つ上記各スケグ部2の内側に、上記外側フィン32よりも小さく、且つ該スケグ部2の内側にてトンネル状船底凹部4で発生している強い上昇流34がスケグ部2の内側壁面に巻き込まれて下降流に転じる点の付近まで突出する内側フィン33を設ける構成とする。
より具体的には、上記各内側フィン33のそれぞれ対応するスケグ部2に支持されているプロペラ軸心位置3bからの突出量を、上昇流34の内側(プロペラ軸心位置3b側)で下降流を遮るよう上記各外側フィン32のプロペラ軸心位置3bからの突出量の2/3以下とする。又、各内側フィン33の上記プロペラ軸心位置3bからの突出量の下限値は、プロペラ3のボス径以上とする。上記フィン33のプロペラ軸心位置3bからの突出量をプロペラボス径以上としたのは、突出量をプロペラボス径以下とすると、プロペラ3へ流入する船尾流れに対する上記内側フィン33による整流効果が期待できないためである。
上記外側フィン32と内側フィン33のスケグ部2の高さ方向に対する設置位置は、プロペラ3へ流入しようとする下降流を整流できるようにするために、プロペラ軸心位置3bよりも上で且つプロペラ3の上端以下の範囲とする。なお、図2では、上記外側フィン32と内側フィン33の高さ位置を同じとして示してあるが、両者の高さ位置は上記した範囲内であれば、必ずしも同じ高さ位置に設けなくてもよい。
なお、図2及び図3におけるwは伴流の分布を示している。
以上の構成としてあるので、本発明のツインスケグ船の推進性能改善装置を採用したツインスケグ船を航行させるときには、各スケグ部2の内側では、該各スケグ部2の内側壁面に設けた内側フィン33により、船底側からトンネル状船底凹部4を流れる強い上昇流はほとんど遮られることなしに上記スケグ部2の内側壁面に沿って巻き込まれる下降流のみが規制されて、該下降流は内側フィン33の上面に沿って軸流方向に整流された後、プロペラ3へ流入させられるようになる。一方、各スケグ部2の外側では、該各スケグ部2の外側壁面に設けた外側フィン32により、船底側より船体後方へ向かう上昇流35にはさほど影響を与えることなく船側に沿って巻き込まれる下降流が規制されて、該下降流は外側フィン32の上面に沿って軸流方向に整流された後、プロペラ3へ流入されるようになる。
このように、上記スケグ部2の内側及び外側のいずれにおいても下降流を弱めるように効果的に整流することができることにより、上記フィン32,33の上方の船体表面圧力を高めることができて、上記フィン32,33がないツインスケグ船にて生じていた如きスケグ部2の内外両側の下降流に起因する圧力損失を低減させることができ、船体抵抗を効果的に低減することができる。したがって、ツインスケグ船の船尾における圧力損失を回復して、推進性能を改善することができる。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、ツインスケグ船の設計に応じて各スケグ部2の外側及び内側にてそれぞれ上昇流35及び34が下降流に転じる点が変化する場合には、その上昇流35及び34が下降流に転じる点の位置の変化に対応させて上記各外側フィン32及び内側フィン33の突出量や設置する高さ位置を変化させてもよい。外側フィン32及び内側フィン33は、いずれも三角形状のものとして示したが、略矩形状となるようにしてもよい。又、外側フィン32及び内側フィン33の船首尾方向の寸法は船体1のサイズに応じて適宜変更してもよい。その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明のツインスケグ船の推進性能改善装置の実施の一形態を示す船尾部分の概略切断平面図である。 図1の装置を採用したツインスケグ船の船体中心線の片側の船尾流れをプロペラ回転面に沿って示す図である。 一軸船の船体中心線の片側の船尾流れをプロペラ回転面に沿って示す図である。 ツインスケグ船を示すもので、(イ)は船体後部の概略側面図、(ロ)は船体を船尾側より見た図である。 船尾に軸間船体部を備えた型式の二軸船の推進性能を改善するために提案されている装置を示すもので、(イ)は概略側面図、(ロ)は船尾側から見た図である。 一軸船の推進性能を改善するために従来提案されている装置の一例を示す概要図である。 一軸船の推進性能を改善するために従来提案されている装置の他の例を示す概要図である。 一軸船の推進性能を改善するために従来提案されている装置の更に他の例を示す概要図である。
符号の説明
1 船体
2 スケグ部
3 プロペラ
4 トンネル状船底凹部
32 外側フィン
33 内側フィン
34 上昇流
35 上昇流

Claims (2)

  1. 船尾部の左右位置に左右のプロペラ軸を個別に支持するスケグ部を備えてなるツインスケグ船における上記各スケグ部の外側の壁面の所要高さ位置に、船尾流れのうちの下降流を規制するためのフィンを、上記ツインスケグ船の航行時に船底から船側へ回り込むよう発生する渦の中心付近まで左右方向に突出させて設けると共に、上記各スケグ部の内側の壁面の所要高さ位置に、船尾流れのうちの下降流を規制するためのフィンを、上記ツインスケグ船の航行時に該各スケグ部同士の間のトンネル状船底凹部にて生じる上昇流が上記各スケグ部の内側壁面に巻き込まれて下降流に転じる点付近まで上記各スケグ部の外側のフィンよりも小さく左右方向に突出させて設けるようにした構成を有することを特徴とするツインスケグ船の推進性能改善装置。
  2. 各スケグ部の内側のフィンの該各スケグ部におけるプロペラ軸心位置からの突出量を、プロペラのボス径以上で且つ外側のフィンのプロペラ軸心位置からの突出量の2/3以下となるようにした請求項記載のツインスケグ船の推進性能改善装置。
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