JP4400820B2 - 保冷容器 - Google Patents

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本発明は、保冷を要する物品の包装運搬に適した合成樹脂発泡体製の保冷容器に関するものである。
合成樹脂発泡体よりなる成形容器は、軽量であること、耐圧縮性があって適度の強度を保有すること、断熱性が高いこと等の理由から、多くの分野で使用されている。特に、容器本体とこれに被着自在な蓋体とよりなる断熱容器とし、果菜類、肉、魚介類等の各種食品用の生鮮物の保管用、輸送用として使用されることも多い。
このような生鮮物の物流あるいは保管等の使用においては、保冷のために容器内に氷あるいは冷却した蓄冷体等を収容して、容器内部を保冷することが行われており、かかる保冷容器として種々の提案がなされている。
例えば、下記の特許文献1には、大型の容器本体の側壁内周面に蓄冷体を収容する縦方向の凹部を設けるとともに、該凹部の両側部に該凹部内に収容される蓄冷体を保持するためのガイド溝を設け、前記蓄冷体を前記ガイド溝に沿って収容して、所要の高さに保持するようにしたものが示されている。
また、下記の特許文献2には、容器本体の内部において仕切棚板としての中敷板を側壁内面に突設した柱状凸部による所要高さに保持して、包装対象の生鮮物等の保冷対象の物品(被保冷物)の収容部を上下2段に構成し、該収容部にそれぞれ保冷対象の物品と共に保冷のための氷を収納するようにした容器が示されている。
特開2000−159271号公報 特開平11−100069号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示の場合、容器本体の側壁内面に形成した縦方向の凹部に板状の蓄冷体を収納するものであって、保冷対象の物品の収納後、蓋体を被着して密閉する直前に蓄冷体を収納することができるものの、前記凹部を形成するために側壁の厚みを大きくする必要があり、容器側壁が厚肉化し、容器本体自体の大型化や容器内容積の減少が避けられないものである。
しかも、前記のように収納した蓄冷体を内方への倒れなく安定性よく保持するために、前記凹部両側に形成したガイド溝に蓄冷体の両側縁もしくは該両側縁に形成した凸縁を嵌め合わせる必要があり、その嵌め合わせを含む収納操作が面倒である上、前記凹部やガイド溝によって前記蓄冷体の大きさや形状が制限され、前記凹部より幅広のものが使用できないだけでなく、前記凹部の幅よりあまり小さいものも使用できず、使用上の融通性に乏しいものである。
また、前記特許文献2に開示の容器の場合、中敷板により容器内の収納部を上下に多段(通常、上下2段)に形成し、保冷対象の物品(被保冷物)を重なりを生じさせずに収納できるようにしたもので、重なりによる変質等を防止できるとは言うものの、上下それぞれの収納部において、収納対象の物品と共に保冷のための氷を同時に収納することを前提としており、物品や保冷材(氷)の収納作業に手間がかかることになる上、前記保冷材の補充や取り換えが難しいものである。しかも、前記中敷板を支持する柱状凸部が側壁内面に内方に突設されているため、それだけ下側の収納部の面積が狭くなり、保冷対象物品の収納効率も低くなる。
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、保冷対象物品の収納作業時における蓄冷体の挿入セット作業が容易で、しかも挿入した蓄冷体を安定性よく保持できて、該蓄冷体による保冷効果を良好に持続できる保冷容器を提供するものである。
上記の課題を解決する本発明の保冷容器は、合成樹脂発泡体よりなる容器本体及びこれに被着自在な蓋体と、該容器本体内に挿入される仕切棚板と、該容器本体内に収容される蓄冷体とからなり、前記容器本体の一方の相対向する側壁内面に、開口端部から所要の高さ位置まで延びる縦方向の凹部が形成され、該凹部の下端段部が棚板受支用の段部として形成されており、前記仕切棚板は、一方の相対向辺部における前記凹部との対応位置に、前記凹部に嵌合しかつ前記段部に係止する突出縁が形成され、該突出縁の部分で前記段部により受支されるとともに、四周辺部の少なくとも一辺部において前記容器本体の側壁内面との間に蓄冷体挿入のための間隙を保有するように形成されるとともに、前記間隙を形成する前記側壁内面の下端部に、前記間隙に挿入される前記蓄冷体を支承する支承段部が、底部より高くかつ棚板受支用の段部より低い位置に設けられ、前記蓄冷体が前記間隙に挿入されて前記支承段部上に保持されることを特徴とする。
この保冷容器によれば、容器内の下部に前記保冷対象の生鮮物等の物品を収納した後、前記仕切棚板を容器本体の側壁内面に有する段部に係止して受支させる。この状態において、前記仕切棚板の少なくとも一辺部と前記容器本体の側壁内面との間に形成されている前記間隙に、容器本体内方より蓄冷体を挿入すればよく、その挿入セット作業を容易に行うことができ、かつ内方への倒れ等のおそれなく安定性よく保持することができる。
しかも、前記仕切棚板の上に物品を収納して蓋体を被着した状態においては、前記蓄冷体が仕切棚板と容器本体の側壁内面との間に保持されていて、該仕切棚板により仕切られた上下の収納部の側面に露出することになるため、この蓄冷体で上下双方の収納部を効率よく冷却でき、かつ保冷状態に良好に保持できることになる。
その上、蓋体を取って内部を確認する際、あるいは上側収納部の物品を出し入れする際に、前記仕切棚板により下側収納部の冷気を逃がさないばかりか、蓄冷体の外気に触れる部分が一部的になって、外気との接触による保冷効果の低下を抑えることができる。そのため、再度蓋体を被せて密閉すれば、下部収納部の冷気が仕切棚板と側壁との間の隙間等から上側の収納部にも流通することで、もとの保冷状態に比較的短時間に戻り、その後も保冷状態を良好に持続できる。
前記の保冷容器において、前記仕切棚板の一方の相対向辺部が前記容器本体の一方の相対向する側壁内面に有する段部により受支されるとともに、他方の相対向辺部の少なくとも一部が容器本体の側壁内面との間に蓄冷体挿入のための間隙を保有するように切欠形成されてなるものが好ましい。
これにより、容器本体内に挿入される前記仕切棚板を、容器本体の一方の相対向する側壁内面の段部により安定性よく受支できるとともに、他方の相対向する側壁内面と仕切棚板との間にそれぞれ蓄冷体を挿入保持でき、容器内全体を満遍に効率よく冷却し保冷できる。
特に、本発明の場合は、前記のように、容器本体には、一方の相対向する側壁内面に開口端部から所要の高さ位置まで延びる縦方向の凹部が形成されて、該凹部の下端段部が棚板受支用の段部として形成されており、前記仕切棚板には、一方の相対向辺部における前記凹部との対応位置に、前記凹部に嵌合しかつ前記段部に係止する突出縁が形成され、該突出縁の部分が前記凹部による段部に受支されている。
これにより、前記容器本体内にセットされる仕切棚板は、一方の相対向辺部に有する突出縁がこれに対応する側壁内面の前記凹部に嵌合した状態でずれなく所定の位置に保持されるるため、該仕切棚板の一辺部と容器本体の側壁内面との間、特には該仕切棚板の他方の相対向辺部と容器本体の側壁内面との間にそれぞれ蓄冷体挿入のための間隙を確実に保有でき、蓄冷体の挿入操作を容易に行える。また、仕切棚板を受ける段部が側壁内方に存在しないため、柱状凸部により仕切棚板を受けるようにしたものに比して、容器内部の収納部を広く使え、保冷対象の物品を効率よく収納できる。
さらに、本発明の保冷容器の場合は、前記蓄冷体挿入のための間隙を形成する前記容器本体の側壁内面の下端部に、前記間隙に挿入される前記蓄冷体を支承する支承段部が、底部より高くかつ前記棚板受支用の段部より低い位置に設けられ、前記蓄冷体が前記間隙に挿入されて支承段部上に保持されるようになっている。すなわち、前記容器本体の側壁内面と、これに対向する仕切棚板の辺部との間の前記間隙に挿入される蓄冷体が、前記支承段部により容器内の所定の高さに保持されることになって、該蓄冷体の冷気が容器内全域にまわり易くなる。その上、下側の収納部に保冷対象の物品を収納した後で前記蓄冷体を挿入するにも拘わらず、該物品が前記支承段部の内側にあって前記蓄冷体の挿入の邪魔にならず、該蓄冷体を容易に挿入セットでき、また収納された生鮮物等の収納物品を傷めることもない。
本発明の保冷容器は、各種生鮮物等の物品の収納作業時における蓄冷体の収容作業が容易で、しかも収容した蓄冷体を安定性よく保持できて、該蓄冷体による保冷効果を良好に持続できる。
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に係る保冷容器の各構成部材を分離して示す斜視図であり、図2は容器本体の平面図、図3は仕切棚板の平面図、図4は仕切棚板を容器本体内にセットした後の蓄冷体の挿入セット作業状態を示す断面図、図5及び図6は仕切棚板及び蓄冷体をセットし蓋体を被着した断面図である。
本発明の保冷容器Aは、合成樹脂発泡体製の容器本体10及び蓋体20と、前記容器本体10内に挿入される仕切棚板30と、該容器本体10内に収容される1もしくは複数の板状の蓄冷体40とを組み合わせてなる。
前記容器本体10は、合成樹脂の発泡成形体よりなる容器であって、上方に開口する平面略長方形の箱形状をなしており、縦横の相対向する側壁11,11及び12,12のうち、少なくとも一方の相対向する側壁、好ましくは長辺側の側壁11,11には、前記の仕切棚板30を受ける棚板受支用の段部13,13が設けられている。図示する実施例の場合は、前記容器本体10の開口端部14から前記仕切棚板30を受ける所要の高さ位置まで延びる縦方向の凹部15,15が間隔をおいて複数個所に形成され、該凹部15,15の下端段部が前記棚板受支用の段部13,13として形成されている。
前記凹部15による前記段部13の幅、間隔および個数等は、受支状態の安定性や受支強度及び側壁11の強度等を考慮して適宜設定でき、例えば、図のように一つの側壁11において、両端部近傍と中央部との3個所に形成する場合のほか、両端部近傍のみに形成することも、また中央部に一つのやや幅広の前記凹部15による段部13を形成することもできる。
また、前記凹部15,15による前記段部13,13は、相対向する両側壁11,11において対称に配置するのが好ましいが、このほか、仕切棚板30を受支できれば、両側壁11,11で非対称に配置して実施することもできる。また、前記凹部15の深さは、前記側壁11の厚みに応じて該凹部15の部分の側壁の厚みがあまり薄くならないように設定される。図中の符号16,16は後述するように挿入セットされる蓄冷体40を支承する支承段部である。
前記容器本体10の底部17には、碁盤目状の縦横の溝18が形成されており、結露水が前記溝18に流れ込むことで、収納される保冷対象の物品には直接接触しないようになっている。
前記蓋体20は、基本的に前記容器本体10と同種の合成樹脂の発泡成形体よりなるもので、その下面には周縁部に沿って前記容器本体10の開口端部14の内側に嵌合可能な凸縁21が形成されており、これにより前記容器本体10に対し被着自在に設けられている。容器本体10に対する蓋体20の被着自在な嵌合構造としては、該容器に一般に利用される種々の構造による実施が可能である。
前記仕切棚板30は、前記容器本体10の内部に挿入できる平面略長方形の板状体よりなり、縦横の相対向辺部31,31及び32,32のうち、前記容器本体10の前記側壁11,11に対応する一方の相対向辺部31,31には、前記凹部15,15との対応位置に、それぞれ前記凹部15,15に嵌合しかつ前記段部13,13に係止し得る突出縁33,33が形成されており、該突出縁33、33の部分で前記段部13,13により受支されるようになっている。
さらに、前記仕切棚板30の四周辺部のうち、少なくとも一辺部、好ましくは前記受支側の辺部31,31とは交差方向の他方の相対向辺部32,32において、少なくとも一部が容器本体10の他方の側壁12,12の内面との間に、蓄冷体40の挿入保持するための間隙S,Sを保有するように切欠形成されている。例えば、前記仕切棚板30の四周の辺部が容器本体10の四周側壁11,11および12,12に内接する本来の平面略長方形(図3の鎖線)に対し、図のように前記両辺部32,32においてその全長に渡って板状の蓄冷体40の厚みに略相当する寸法分が切欠形成されることにより、前記のように段部13,13により前記突出縁33、33の部分で受支した状態において、前記両辺部32,32と前記側壁12,12の内面との間に、1もしくは複数の蓄冷体40を挿入できる間隙Sを保有するように形成されている。図3における34,34は前記の切欠部を示す。
そして、前記側壁12,12の内側における前記間隙Sに対応する部分の下方部に前記支承段部16,16が設けられており、前記間隙Sに挿入される蓄冷体40を所定の高さに支承できるようになっている。この支承段部16の高さは、前記底部17より高くて、かつ前記段部13より低い位置にあって、蓄冷体40の高さ寸法等に応じて該蓄冷体40を容器内部の上部位置に安定性よく保持できて、しかも収納される保冷対象の物品が該支承段部16の上には載らない程度に設定するのが好ましい。
前記の蓄冷体挿入のための間隙Sは、必ずしも、前記辺部32の全長に渡って形成する必要はなく、蓄冷体40の幅に応じて、1もしくは複数を挿入できるように、該辺部32の一部を、例えば図7のように両端部を除く中央部を切欠形成することにより、該切欠部34により前記側壁12の内面との間に蓄冷体40を挿入できる間隙Sを形成することもできる。この場合、前記仕切棚板30の辺部32における残余の両端部を受ける棚板受支用の段部を側壁12の内側に形成しておくこともできる(図示せず)。いずれにしても、前記辺部32における切欠形状は、使用する蓄冷体40の形状に応じて決定でき、例えば、棒状の蓄冷体を挿入保持できるように形成することもできる。
また、前記一方の側壁11,11と対応する辺部31,31の部分においても、前記段部13による受支部分以外個所において、上記同様の蓄冷体挿入のための間隙Sを保有するように一部を切欠形成しておくことができる。
前記仕切棚板30は、ブラスチック段ボールや発泡もしくは非発泡のプラスチック板その他の各種ボード等の、保冷対象の物品を受けることができる強度を有する種々の板状体を使用でき、中でも、プラスチック段ボールが、軽量で取り扱い易くて強度もあり、特に好ましく用いられる。図中の符号35は冷気の流通孔を兼ねる把持用孔である。
前記蓄冷体40としては、合成樹脂製の容体内部に液状の蓄冷剤を封入した略四角形の板状をなすもののほか、蓄冷効果のある種々の構成形態の蓄冷体を使用できる。図の場合、前記仕切棚板30の辺部32,32と前記容器本体10の側壁12,12の内面との間の前記間隙Sに、2つの蓄冷体40を並列して挿入できる板状をなしている。
前記の容器本体10及び蓋体20を構成する合成樹脂発泡成形体は、その原料に、発泡性合成樹脂粒子を予備発泡して得られた予備発泡粒子を使用して発泡成形したものよりなる。
前記発泡性合成樹脂粒子は、合成樹脂に物理型発泡剤を含浸させてなり、加熱によって発泡するものであり、予備発泡させたものも含まれる。なお、本発明では、予備発泡させた所謂予備発泡粒子を主に使用する。上記発泡性合成樹脂粒子を構成する合成樹脂としては、例えばポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレンーエチレン共重合体、スチレン改質ポリエチレン系樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体及びスチレン−アクリロニトリル共重合体等のポリスチレン系樹脂、あるいはポリメチルメタクリレート樹脂等のポリメタクリル系樹脂、あるいはポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、あるいはポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの合成樹脂の混合物やモノマーの共重合体なども使用できる。
また、前記の物理型発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、あるいはシクロペンタン、シクロブタン等の脂肪族環化水素類、あるいはトリクロロトリフルオロエタン、メチルクロライド、メチレンクロライド、エチルクロライド等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。これらの物理型発泡剤は単体で用いても、2種類を以上を併用してもよい。
上記実施例の保冷容器Aの使用においては、容器内の下部に保冷対象の生鮮物等の物品(図示省略)を収納した後、前記仕切棚板30を容器本体10の一方の相対向側壁11,11の内面に有する縦方向の凹部15,15下端の段部13、13に係止して受支させる(図4)。この際、前記仕切棚板30の一方の相対向辺部31,31に有する突出縁33,33を、前記凹部15,15に嵌合して前記段部13,13に係止させればよい。これにより、前記仕切棚板30は、ずれなく所定の位置に保持されることになり、該仕切棚板30の他方の相対向辺部32,32と前記容器本体10の側壁12,12の内面との間にそれぞれ蓄冷体挿入のための間隙S,Sが形成される。
この状態において、前記仕切棚板30と前記側壁12の内面との間の前記間隙Sに対し、図4のように容器本体10内方側上方より蓄冷体40を挿入して、前記側壁12の内側下部に有する支承段部16の上に載せるだけでよく、その挿入セット作業を容易に行うことができる。特に、下側収納部に収納された物品は、前記支承段部16の内方に収納されているため、該物品が前記蓄冷体40の挿入を邪魔することがなく、また蓄冷体40の挿入によって前記物品を傷つけるおそれもなく、蓄冷体40の挿入を容易に行える。
しかも、こうして挿入された蓄冷体40は、前記支承段部16の上に載り、容器内部の所定の高さ位置に保持され、かつ仕切棚板30により内方への倒れが阻止されて、安定性よく保持される。
そして、前記仕切棚板30の上に保冷対象の物品を収納して蓋体20を被着した状態においては、前記仕切棚板30の相対向辺部32,32と前記側壁12,12との間にそれぞれ保持されている前記蓄冷体40が、該仕切棚板30により仕切られた上下両収納部の側面に露出することになるため、該蓄冷体40により上下の収納部を効率よく冷却でき、かつ保冷状態に良好に保持できることになる。特に、前記蓄冷体40が前記支承段部16により容器内の上部に支持されていると、該蓄冷体40の冷気が容器内全域にまわり易くなる。
また、輸送途中において、蓋体20を取外して内部を確認する際、あるいは上側収納部の物品を出し入れする際に、前記仕切棚板30のために下側収納部の冷気を逃がさないばかりか、蓄冷体40自体が外気に触れる部分が一部的になり、外気との接触による保冷効果の低下を抑えることができる。そのため、再度蓋体20を被せて密閉すれば、下側収納部の冷気が仕切棚板30と側壁との間の隙間等から上側収納部にも流れることで、比較的短時間でもとの保冷状態に戻り、その後も保冷状態を良好に持続できる。
なお、上記した実施例の保冷容器Aは、これを単独で使用するほか、例えば容器本体に手提げ用のベルトや取っ手を付設したり、また、該容器を手提げ用のベルトを備えるカバーと組み合わせて使用することもできる。
本発明は、果菜類、肉類、魚介類等の生鮮物その他の保冷を要する物品の保管、運搬用の保冷容器に好適に利用でき、さらには保冷を要する各種商品の持ち帰り容器にも好適に利用できる。
本発明の1実施例の保冷容器を示す各構成部材を分離した斜視図である。 同上の容器本体の平面図である。 同上の仕切棚板の平面図である。 同上の仕切棚板を容器本体内にセットした後の蓄冷体の挿入セット作業状態を示す断面図である。 仕切棚板及び蓄冷体をセットし蓋体を被着した図6のV−V線の断面図である。 同上の図5におけるVI−VI線の断面図である。 仕切棚板の他の実施例を示す一部の平面図である。
符号の説明
A 保冷容器
S 間隙
10 容器本体
11,11 一方の相対向する側壁
12,12 他方の相対向する側壁
13,13 棚板受支用の段部
14 開口端部
15,15 縦方向の凹部
16,16 支承段部
17 底部
20 蓋体
21 凸縁
30 仕切棚板
31,31 一方の相対向辺部
32,32 他方の相対向辺部
33、33 突出縁
34 切欠部
40 蓄冷体

Claims (2)

  1. 合成樹脂発泡体よりなる容器本体及びこれに被着自在な蓋体と、該容器本体内に挿入される仕切棚板と、該容器本体内に収容される蓄冷体とからなり、
    前記容器本体の一方の相対向する側壁内面に、開口端部から所要の高さ位置まで延びる縦方向の凹部が形成され、該凹部の下端段部が棚板受支用の段部として形成されており、前記仕切棚板は、一方の相対向辺部における前記凹部との対応位置に、前記凹部に嵌合しかつ前記段部に係止する突出縁が形成され、該突出縁の部分で前記段部により受支されるとともに、四周辺部の少なくとも一辺部において前記容器本体の側壁内面との間に蓄冷体挿入のための間隙を保有するように形成されるとともに、前記間隙を形成する前記側壁内面の下端部に、前記間隙に挿入される前記蓄冷体を支承する支承段部が、底部より高くかつ棚板受支用の段部より低い位置に設けられ、前記蓄冷体が前記間隙に挿入されて支承段部上に保持されることを特徴とする保冷容器。
  2. 前記仕切棚板の一方の相対向辺部が前記段部により受支されるとともに、他方の相対向辺部の少なくとも一部が容器本体の側壁内面との間に蓄冷体挿入のための間隙を保有するように切欠形成されてなる請求項1に記載の保冷容器。
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