JP4400351B2 - 多気筒内燃機関の排気装置 - Google Patents

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Description

この発明は、触媒コンバータで排気浄化を行う多気筒内燃機関の排気装置、特に、メイン触媒コンバータが活性化していない冷間始動直後に、別の触媒コンバータを備えたバイパス流路側に排気を案内するようにした形式の排気装置の改良に関する。
従来から知られているように、車両の床下などの排気系の比較的下流側にメイン触媒コンバータを配置した構成では、内燃機関の冷間始動後、触媒コンバータの温度が上昇して活性化するまでの間、十分な排気浄化作用を期待することができない。また一方、触媒コンバータを排気系の上流側つまり内燃機関側に近付けるほど、触媒の熱劣化による耐久性低下が問題となる。
そのため、特許文献1に開示されているように、メイン触媒コンバータを備えたメイン流路の上流側部分と並列にバイパス流路を設けるとともに、このバイパス流路に、別のバイパス触媒コンバータを介装し、両者を切り換える切換弁によって、冷間始動直後は、バイパス流路側に排気を案内するようにした排気装置が、従来から提案されている。この構成では、バイパス触媒コンバータは排気系の中でメイン触媒コンバータよりも相対的に上流側に位置しており、相対的に早期に活性化するので、より早い段階から排気浄化を開始することができる。
特開平5−321644号公報
上記従来の排気装置では、バイパス流路は、排気マニホルドの合流点よりも下流側においてメイン流路から分岐している。つまり、多気筒内燃機関において、各気筒の排気流路が1本の流路に合流した合流点よりも下流側の部分で、メイン流路とバイパス流路とが並列に配置された構成となっている。従って、バイパス流路に介装されたバイパス触媒コンバータは、メイン触媒コンバータよりは上流側位置となるものの、各気筒の排気ポートからの距離はかなり大きく、始動直後から直ちに排気浄化を開始することができない。
しかも、排気マニホルドの下流側でバイパス流路へと分岐するので、大型部品である排気マニホルド全体の熱容量によって、バイパス流路へ流入する排気の温度が低下し、それだけバイパス触媒コンバータによる排気浄化の開始が遅れてしまう。
特に、近時の排気マニホルドは、排気干渉の回避を考慮した設計となっており、例えば直列4気筒機関では、いわゆる「4本−2本−1本」の形式として、♯1,♯4気筒と、♯2,♯3気筒と、を集合させた上で、両者を1本に集合させる構成となるので、1本の流路となる合流点までの距離がより長くなる傾向にある。従って、バイパス触媒コンバータの位置が必然的により下流となってしまう。そして、排気マニホルドの形状の複雑化に伴い、上述した排気マニホルドの熱容量がさらに大きなものとなる。
この発明に係る多気筒内燃機関の排気装置は、メイン流路として、各気筒にそれぞれ接続された気筒毎の上流側メイン通路と、多気筒の中で排気行程が連続しない2つの気筒の上流側メイン通路が互いに合流してなる複数の中間メイン通路と、この複数の中間メイン通路が1本の流路に合流してなる下流側メイン通路と、この下流側メイン通路の途中に介装されたメイン触媒コンバータと、を備えている。また、バイパス流路として、上記上流側メイン通路の上流側部分からそれぞれ分岐するとともに該上流側メイン通路よりも通路断面積の小さな気筒毎の上流側バイパス通路と、この複数の上流側バイパス通路が1本の流路に合流してなる下流側バイパス通路と、この下流側バイパス通路の途中に介装されたバイパス触媒コンバータと、を備えている。上記下流側バイパス通路の下流端は、上記下流側メイン通路に上記メイン触媒コンバータ上流側の位置において接続している。そして、各気筒から排出された排気が上記上流側バイパス通路へ流れるように、一対の上流側メイン通路と中間メイン通路との合流部においてメイン流路の開閉を行う切換弁、を備えている。
本発明の排気装置においては、気筒数と同じ数の上流側バイパス通路を備えており、メイン流路の合流点よりも上流側の位置において、メイン流路つまり上流側メイン通路から分岐する。従って、メイン流路の合流点の位置に制約されずに、バイパス触媒コンバータをより上流側に配置することが可能となる。また、バイパス流路側へ分岐する点が各気筒に近い位置となるので、冷間始動直後などに、メイン流路の熱容量による冷却作用を比較的受けずにバイパス流路側に排気が流入する。
上記上流側バイパス通路は最終的に1本の下流側バイパス通路に合流するので、排気干渉の懸念が生じるが、上流側バイパス通路の通路断面積を十分に小さく設定することで、配管レイアウト(各気筒の排気流の集合のレイアウト)に拘わらずに、排気干渉を実用上支障のないレベルに抑制することが可能である。換言すれば、排気干渉の点に制約されずに、バイパス触媒コンバータまでの通路長を最短とする配管レイアウトとすることが可能である。
一つの態様では、多気筒の中で、隣接した位置にある2つの気筒の上流側バイパス通路が中間バイパス通路として互いに合流しており、さらに、複数の中間バイパス通路が上記下流側バイパス通路として合流したものとなる。この場合、複数の上流側バイパス通路をバイパス触媒コンバータ直前の1点で集合させるものよりも、バイパス触媒コンバータまでの全体の通路長(各気筒のバイパス通路の総和)が短くなり得る。
一方、メイン流路については、排気干渉の回避を考慮した配管レイアウトとなっている。つまり、多気筒の中で、排気行程が連続しない2つの気筒の上流側メイン通路が中間メイン通路として互いに合流しており、さらに、複数の中間メイン通路が上記下流側メイン通路として合流している。
具体的には、直列4気筒内燃機関の場合、望ましくは、メイン流路として、♯1,♯4気筒の上流側メイン通路が合流してなる中間メイン通路と、♯2,♯3気筒の上流側メイン通路が合流してなる中間メイン通路と、を備え、この2本の中間メイン通路が下流側メイン通路として1本に合流している。そして、バイパス流路として、♯1,♯2気筒の上流側バイパス通路が中間バイパス通路として合流し、かつ♯3,♯4気筒の上流側バイパス通路が中間バイパス通路として合流し、この2本の中間バイパス通路が下流側バイパス通路として1本に合流している。つまり、メイン流路は、排気干渉の回避を考慮した配管レイアウトとなっており、他方、バイパス流路は、排気干渉回避よりも、バイパス触媒コンバータまでの全通路長を最短とする配管レイアウトとなっている。
排気の流れつまり流路を切り換える手段となる切換弁は、一対の上流側メイン通路と中間メイン通路との合流部においてメイン流路側を開閉する。切換弁を閉じた状態とすれば、排気は上流側バイパス通路からバイパス触媒コンバータへと流れる。切換弁を開いた状態では、バイパス流路側は通路断面積が小さくかつバイパス触媒コンバータが介在することから、通路抵抗の差により、排気は主にメイン流路側を流れ、バイパス流路側には殆ど排気が流れない。
一つの態様では、上記切換弁の閉時に、一対の上流側メイン通路が互いに非連通状態となる。切換弁を閉状態としたときに各上流側メイン通路が互いに連通していると、各気筒で順次排気行程が到来することから、一つの気筒の上流側メイン通路から他の気筒の上流側メイン通路へと排気が回り込む現象が生じる。そのため、外部へ熱が逃げやすくなり、バイパス触媒コンバータの温度上昇が阻害される。切換弁の閉時に各上流側メイン通路が互いに非連通状態となるようにすることで、この回り込みの現象を完全に回避できる。
例えば、上記切換弁は、一対の上流側メイン通路の先端がそれぞれ接続される開口部が隣接して配置され、この一対の開口部を、揺動動作する1つの弁体が同時に開閉するように構成される。あるいは、例えば、上記切換弁は、回転軸から弁体が両側へ延びたバタフライバルブからなり、一対の上流側メイン通路の先端が上記回転軸の両側に位置し、上記弁体の回転軸の両側の部分が各上流側メイン通路をそれぞれ開閉する。
また、上記の直列4気筒内燃機関用の排気装置の場合、♯1,♯4気筒用の切換弁と♯2,♯3気筒用の切換弁とを、1つのバルブユニットとして一体に構成することが可能である。
この発明によれば、一般に排気マニホルドとして構成されるメイン流路の合流点の位置に制約されずに、バイパス触媒コンバータをより上流側つまり各気筒に近い位置に配置することが可能となり、しかもメイン流路を構成する排気マニホルド等の熱容量による冷却作用が低減するので、冷間始動後、早期に排気浄化作用を得ることができる。
以下、この発明を直列4気筒内燃機関の排気装置として適用した一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はこの排気装置の配管レイアウトを模式的に示した説明図であり、始めに、この図1に基づいて、排気装置全体の構成を説明する。
直列に配置された♯1気筒〜♯4気筒からなる各気筒1には、気筒毎に上流側メイン通路2が接続されている。4つの気筒の中で、排気行程が連続しない♯1気筒の上流側メイン通路2と♯4気筒の上流側メイン通路2とが1本の中間メイン通路3として合流しており、同様に排気行程が連続しない♯2気筒の上流側メイン通路2と♯3気筒の上流側メイン通路2とが1本の中間メイン通路3として合流している。ここで、各2本の上流側メイン通路2が合流する合流部には、それぞれ切換弁4が設けられている。この切換弁4は、冷間時に閉じられるものであって、閉時には、上流側メイン通路2と中間メイン通路3との間の上下の連通を遮断するとともに、2本の上流側メイン通路2の間を非連通状態とする構成となっている。一対の切換弁4は、後述するように、1つのバルブユニット5として構成されている。バルブユニット5の下流に位置する2本の中間メイン通路3は、合流点6において互いに合流し、1本の下流側メイン通路7となる。この下流側メイン通路7の途中には、メイン触媒コンバータ8が介装されている。このメイン触媒コンバータ8における触媒としては、三元触媒とHCトラップ触媒とを含んでいる。なお、このメイン触媒コンバータ8は、車両の床下に配置される容量の大きなものである。以上の上流側メイン通路2と中間メイン通路3と下流側メイン通路7とメイン触媒コンバータ8とによって、通常の運転時に排気が通流するメイン流路が構成される。このメイン流路は、直列4気筒内燃機関において周知の「4−2−1」の形で集合する配管レイアウトとなっており、従って、排気動的効果を利用した充填効率向上が実現される。
一方、バイパス流路として、上流側メイン通路2の各々から、上流側バイパス通路11が分岐している。この上流側バイパス通路11は、上流側メイン通路2よりも通路断面積が十分に小さなものであって、その上流端となる分岐点12は、上流側メイン通路2のできるだけ上流側の位置に設定されている。そして、互いに隣接した位置にある♯1気筒の上流側バイパス通路11と♯2気筒の上流側バイパス通路11とが合流点13において1本の中間バイパス通路14として互いに合流しており、同様に互いに隣接した位置にある♯3気筒の上流側バイパス通路11と♯4気筒の上流側バイパス通路11とが合流点13において1本の中間バイパス通路14として互いに合流している。なお、各通路を模式的に示した図1では、各上流側バイパス通路11が比較的長く描かれているが、実際には、可能な限り短くなっている。換言すれば、最短距離でもって中間バイパス通路14として合流している。2本の中間バイパス通路14は、合流点15において1本の下流側バイパス通路16として互いに合流している。この下流側バイパス通路16の下流端は、下流側メイン通路7のメイン触媒コンバータ8より上流側の合流点17において、下流側メイン通路7に合流している。そして、上記下流側バイパス通路16の途中には、三元触媒を用いたバイパス触媒コンバータ18が介装されている。このバイパス触媒コンバータ18は、バイパス流路の中で、可能な限り上流側に配置されている。つまり、中間バイパス通路14もできるだけ短くなっている。
なお、本発明においては、中間バイパス通路14として集合させることなく4本の上流側バイパス通路11をバイパス触媒コンバータ18直前位置で1本の下流側バイパス通路16として集合させた構成も可能であるが、分岐点12の位置とバイパス触媒コンバータ18の位置を一定のものとして比較した場合、4本の上流側バイパス通路11を長く引き回すよりも、上記実施例のように上流側で2本の中間バイパス通路14にまとめた方が、全体の通路長(各気筒のバイパス通路の総和)が短くなり、配管自体の熱容量ならびに外気に対する放熱面積が小さくなる。
上記バイパス触媒コンバータ18は、その内部に、前後に分割された2つのモノリス触媒担体つまり第1触媒18aと第2触媒18bとを備えている。そして、これらの第1触媒18aと第2触媒18bとの間の間隙19に、排気還流通路20の一端が接続されている。この排気還流通路20の他端は、図示せぬ排気還流制御弁を介して機関吸気系へと延びている。つまり、上記間隙19が、還流排気の取り出し口となっている。上記バイパス触媒コンバータ18は、メイン触媒コンバータ8に比べて容量が小さな小型のものであり、望ましくは、低温活性に優れた触媒が用いられる。
上記のように構成された排気装置においては、冷間始動後の機関温度ないしは排気温度が低い段階では、適宜なアクチュエータを介して切換弁4が閉じられ、メイン流路が遮断される。そのため、各気筒1から吐出された排気は、その全量が、分岐点12から上流側バイパス通路11および中間バイパス通路14を通してバイパス触媒コンバータ18へと流れる。バイパス触媒コンバータ18は、排気系の上流側つまり気筒1に近い位置にあり、かつ小型のものであるので、速やかに活性化し、早期に排気浄化が開始される。また、このとき、切換弁4が閉じることで、各気筒1の上流側メイン通路2が互いに非連通状態となる。そのため、ある気筒から吐出された排気が他の気筒の上流側メイン通路2へと回り込む現象が防止され、この回り込みに伴う排気温度の低下が確実に回避される。さらに、この切換弁4の閉状態の下で排気還流を行う場合、排気還流通路20から吸気系へ取り出される還流排気は、第1触媒18aを通過した後の清浄な排気つまり異物や未燃成分等が除去されたものとなっているので、排気還流制御弁や吸気系におけるデポジットの付着や汚損が防止される。
一方、機関の暖機が進行して、機関温度ないしは排気温度が十分に高くなったら、切換弁4が解放される。これにより、各気筒1から吐出された排気は、主に、上流側メイン通路2から中間メイン通路3および下流側メイン通路7を通り、メイン触媒コンバータ8を通過する。このときバイパス流路側は特に遮断されていないが、バイパス流路側の方がメイン流路側よりも通路断面積が小さく、かつバイパス触媒コンバータ18が介在しているので、両者の通路抵抗の差により、排気流の大部分はメイン流路側を通り、バイパス流路側には殆ど流れない。従って、バイパス触媒コンバータ18の熱劣化は十分に抑制される。またバイパス流路側が完全に遮断されないことから、排気流量が大となる高速高負荷時には、排気流の一部がバイパス流路側を流れることで、背圧による充填効率低下を回避することができる。
またメイン流路側は、前述したように、排気干渉回避を考慮した「4−2−1」の配管レイアウトとなっているので、排気動的効果による充填効率向上効果を得ることができる。ここで、バイパス流路側は、排気干渉回避を特に考慮しない形で連通・集合しているが、上流側バイパス通路11の通路断面積を十分に小さなものとすることで、各気筒の連通による排気干渉を、実質的に無視し得るレベルにまで低減することが可能である。なお、上流側バイパス通路11の通路断面積をある上限寸法よりも大きくすると上記の排気干渉による充填効率低下が生じ、また逆にある下限寸法よりも小さくすると、切換弁4が閉状態にある間の排気流量が過度に小さく制限されてしまい、運転可能な領域が過度に狭められる。従って、上流側バイパス通路11の通路断面積の最適な値は、機関排気量等に応じた所定の上限寸法と下限寸法との範囲内となる。一例として、総排気量が約2000ccの内燃機関において、等価直径が5mm〜15mmの範囲内で、良好な結果が得られた。
さらに、この切換弁4の開状態の下で排気還流を行う場合、還流排気は、やはりバイパス触媒コンバータ18から取り出される。このとき、仮に一部の排気が下流側メイン通路7から下流側バイパス通路16を逆流するような形で排気還流通路20へと流れることがあっても、排気還流通路20から吸気系へ取り出される還流排気は、第2触媒18bを通過した後の清浄な排気となるので、やはり排気還流制御弁や吸気系におけるデポジットの付着や汚損が防止される。なお、このように第2触媒18bを逆流する際の流れの速度は比較的遅く、第2触媒18b内での滞留時間(通過時間)が長くなるので、図示するように、第2触媒18bの軸方向長さを第1触媒18aの軸方向長さよりも短く設定することが可能である。
図2は、上記の排気装置をより具体的な形態として示したものであり、シリンダブロック32とシリンダヘッド33とを有する内燃機関31が、車両のエンジンルーム内に所謂横置形式に搭載されており、そのシリンダヘッド33の車両後方となる側面に、上流側メイン通路2を主に構成する排気マニホルド34が取り付けられている。この排気マニホルド34の出口部には、一対の切換弁4を備えたバルブユニット5が取り付けられ、その下流に、下流側メイン通路7となるフロントチューブ35が接続されている。このフロントチューブ35の上流側の一部は、内部で2つの通路に区画されており、つまり上記の中間メイン通路3を構成している。メイン触媒コンバータ8は、上記フロントチューブ35の途中に設けられている。
バイパス流路となるバイパス触媒コンバータ18等は、シリンダヘッド33から車両後方へ延びるメイン流路の下側の空間に配置されている。バイパス触媒コンバータ18は、エンジンルーム内に位置し、かつ車両走行方向に対し、フロントチューブ35よりも前方側となるので、走行中は走行風によって効果的に冷却され、該バイパス触媒コンバータ18の過昇温が防止される。
また、上流側メイン通路2に対し上流側バイパス通路11は鋭角をなすように分岐しており、これによって、切換弁4閉時に、バイパス流路側に円滑に排気が流れる。
図3および図4は、上記排気マニホルド34のより具体的な一実施例を示しており、図3は、下方から見た下面図、図4は上方から見た上面図である。これらの図に示すように、排気マニホルド34は、上流側メイン通路2となる4本のブランチ部41〜44を有し、各ブランチ部41〜44の上流部(シリンダヘッド取付フランジ45,46の直後)の位置から、上流側バイパス通路11となる小径の管が分岐している。この4本の管からなる上流側バイパス通路11は、前述したように最短距離でもって中間バイパス通路14として合流した上で、中央部の触媒コンバータ取付フランジ47に接続されている。
図5,図6は、上記排気マニホルド34の下流端のフランジ48に接続されるバルブユニット5の一実施例を示している。このバルブユニット5は、ケーシング51に、各気筒の上流側メイン通路2の先端がそれぞれ接続される4つの開口部52〜55が設けられており、特に、♯1気筒用の開口部52と♯4気筒用の開口部55とが隣接し、かつ♯2気筒用の開口部53と♯4気筒用の開口部54とが隣接するような形で、四角形の頂点の位置に各開口部52〜55が配置されている。そして、各切換弁4は、後述するアクチュエータにより回転方向に駆動されるシャフト56と、このシャフト56に取り付けられたアーム57と、このアーム57に支持された長方形状の弁体58と、から構成されており、一方の切換弁4の弁体58が♯1,♯4気筒用の2つの開口部52,55を同時に開閉し、他方の切換弁4の弁体58が♯2,♯3気筒用の2つの開口部53,54を同時に開閉する。つまり各弁体58は、シャフト56の回転に伴ってフラップ型に揺動し、一対の上流側メイン通路2と中間メイン通路3との間を、開放もしくは遮断する。弁体58が閉じた状態では、各開口部52〜55は個々に全周に亘って閉塞されるので、隣接した2つの開口部52,55,53,54が互いに連通することはない。つまり、一対の上流側メイン通路2の間が、互いに非連通状態となる。そして、このバルブユニット5の下流に接続されるフロントチューブ35の内部を2本の中間メイン通路3に仕切るように、2つの切換弁4の間に、仕切壁59が設けられている。この仕切壁59は、♯1,♯4気筒用の開口部52,55と、♯2,♯3気筒用の開口部53,54と、を区画している。従って、一対の切換弁4が同時に開いている状態において、♯1,♯4気筒の排気と♯2,♯3気筒の排気とは、互いに干渉することなく、下流の中間メイン通路3にそれぞれ流入する。なお、図5では、説明のために一方の弁体58が開状態に、他方の弁体58が閉状態に図示されているが、2本のシャフト56はリンク機構により連係しており、単一のアクチュエータによって2つの弁体58が同時に開閉される構成となっている。
図7は、2つの切換弁4を連係するリンク機構の構成を示したものであり、2本のシャフト56にそれぞれ約90°異なる方向でリンクプレート61が取り付けられているとともに、四節リンクを構成するように、両リンクプレート61がロッド62によって互いに連係している。そして、一方のシャフト56に第2のリンクプレート63が取り付けられており、該第2のリンクプレート63が、負圧式や電磁式のアクチュエータ64にロッド65を介して連係している。従って、アクチュエータ64によりロッド65が進退すると、2つの切換弁4の弁体58が、互いに対称に開閉動作する。
次に、図8は、バルブユニット5の第2の実施例を示している。このバルブユニット5は、各切換弁4として、回転軸71に板状の弁体72が取り付けられたバタフライバルブ70を用いたものであり、特に、上記弁体72は、回転軸71から両側へそれぞれ延びているとともに、それぞれの部分72a,72bが、回転軸71の中心から僅かにオフセットした形で回転軸71に取り付けられている。そして、♯1気筒の上流側メイン通路2と♯4気筒の上流側メイン通路2との間、ならびに、♯2気筒の上流側メイン通路2と♯3気筒の上流側メイン通路2との間、を仕切る隔壁73が、それぞれ上記回転軸71にほぼ接する位置まで延びている。なお、ケーシング51には、前述の実施例と同様に、開口部52〜55が設けられており、かつ内部を2本の中間メイン通路3に仕切るように、仕切壁59が設けられている。
この実施例では、図示するようにバタフライバルブ70が閉位置にあると、弁体72の先端縁がそれぞれシール部74に接し、上流側メイン通路2と中間メイン通路3との間が遮断される。同時に、2つの上流側メイン通路2が互いに非連通状態となる。また、回転軸71が図示の状態から約90°回転すると、弁体72が隔壁73と平行な開位置となり、上流側メイン通路2と中間メイン通路3との間が連通する。換言すれば、回転軸71から両側へ延びた弁体72のそれぞれの部分72a,72bが、各気筒の上流側メイン通路2先端をそれぞれ開閉している。
なお、図8では、図示の都合上、4つの開口部52〜55を一列に展開して描いているが、実際には、前述した実施例と同じく、四角形の頂点の位置に各開口部52〜55が配置されている。従って、2つのバタフライバルブ70の回転軸71は、実質的に1本のシャフトとして構成することが可能である。
次に、図は、バルブユニット5の第の実施例を示している。この実施例は、各切換弁4を、板状の弁体91が開口部52〜55の開口面に沿ってスライドするゲートバルブ90として構成したものであって、一方のゲートバルブ90が♯1,♯4気筒用の開口部52,55を開閉し、他方のゲートバルブ90が♯2,♯3気筒用の開口部53,54を開閉している。
以上、この発明を直列4気筒内燃機関に適用した一実施例を説明したが、この発明は、直列4気筒以外の直列多気筒内燃機関あるいはV型多気筒内燃機関等の種々の形式の内燃機関の排気装置として適用することが可能である。
この発明に係る排気装置の一実施例を示す構成説明図。 より具体的に示した排気装置の側面図。 排気マニホルドの具体的な実施例を示す下面図。 同じく上面図。 バルブユニット付近の断面図。 バルブユニットの正面図。 2つの切換弁を連係するリンク機構の構成説明図。 バルブユニットの第2の実施例を示す断面図。 バルブユニットの第3の実施例を示す断面図
符号の説明
2…上流側メイン通路
3…中間メイン通路
4…切換弁
7…下流側メイン通路
8…メイン触媒コンバータ
11…上流側バイパス通路
14…中間バイパス通路
16…下流側バイパス通路
18…バイパス触媒コンバータ

Claims (6)

  1. 各気筒にそれぞれ接続された気筒毎の上流側メイン通路と、
    多気筒の中で排気行程が連続しない2つの気筒の上流側メイン通路が互いに合流してなる複数の中間メイン通路と、
    この複数の中間メイン通路が1本の流路に合流してなる下流側メイン通路と、
    この下流側メイン通路の途中に介装されたメイン触媒コンバータと、
    上記上流側メイン通路の上流側部分からそれぞれ分岐するとともに該上流側メイン通路よりも通路断面積の小さな気筒毎の上流側バイパス通路と、
    多気筒の中で、隣接した位置にある2つの気筒の上記上流側バイパス通路が互いに合流してなる複数の中間バイパス通路と、
    この複数の中間バイパス通路が1本の流路に合流してなり、かつ下流端が上記下流側メイン通路に上記メイン触媒コンバータ上流側の位置において接続した下流側バイパス通路と、
    この下流側バイパス通路の途中に介装されたバイパス触媒コンバータと、
    各気筒から排出された排気が上記上流側バイパス通路へ流れるように、各々が一対の上流側メイン通路と1本の中間メイン通路との合流部においてメイン流路の開閉を行うとともに、閉時に、一対の上流側メイン通路を互いに非連通状態とする切換弁と、
    を備えていることを特徴とする多気筒内燃機関の排気装置。
  2. 上記切換弁は、一対の上流側メイン通路の先端がそれぞれ接続される開口部が隣接して配置され、この一対の開口部を、揺動動作する1つの弁体が同時に開閉するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の多気筒内燃機関の排気装置。
  3. 上記切換弁は、回転軸から弁体が両側へ延びたバタフライバルブからなり、一対の上流側メイン通路の先端が上記回転軸の両側に位置し、上記弁体の回転軸の両側の部分が各上流側メイン通路をそれぞれ開閉することを特徴とする請求項に記載の多気筒内燃機関の排気装置。
  4. 上記上流側バイパス通路は、複数気筒が連通することによる排気干渉が所定レベル以下となるように、その通路断面積が小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の多気筒内燃機関の排気装置。
  5. ♯1,♯4気筒の上流側メイン通路が合流してなる中間メイン通路と、♯2,♯3気筒の上流側メイン通路が合流してなる中間メイン通路と、を備え、この2本の中間メイン通路が下流側メイン通路として1本に合流している直列4気筒内燃機関に用いられる排気装置であって、
    ♯1,♯2気筒の上流側バイパス通路が中間バイパス通路として合流し、かつ♯3,♯4気筒の上流側バイパス通路が中間バイパス通路として合流し、この2本の中間バイパス通路が下流側バイパス通路として1本に合流していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多気筒内燃機関の排気装置。
  6. ♯1,♯4気筒用の切換弁と♯2,♯3気筒用の切換弁とが、1つのバルブユニットとして一体に構成されていることを特徴とする請求項に記載の多気筒内燃機関の排気装置。
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