JP4399920B2 - コンクリート離型剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリート離型剤に関するもので、より詳細にはコンクリート離型性に優れると共に耐久性、耐水性に優れ、同時に操作性や安全性も兼ね備えたコンクリート離型剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート工事やコンクリート成形品の製造では、コンクリートを型から脱型しやすくるためにコンクリート離型剤が使用される。一般に コンクリート離型剤には、離型性の他にも表面仕上がり、使用時の安全性などの性能が要求される。
従来より使用されているコンクリート離型剤としては、安価な鉱物油類、動植物油、合成油、それら油剤のエマルジョンタイプのものやシリコンオイル類が知られている。
【0003】
しかし、鉱物油類のトランス廃油、マシン油、スピンドル油等又はそれらの混合物は、他と比較して安価で離型性も比較的良く、型が錆びにくいなどの長所があり工事現場ではよく使用されるものであるが、臭気や皮膚刺激性などの安全面の問題、コンクリート仕上げ面の気泡、残留シミ等の欠点がある。このため、離型性や気泡の問題を改良する目的で、例えば特開昭52−53916号公報には鉱物油に特定の非イオン型界面活性剤を添加する技術が開示されているが、臭気等安全性の面や残留シミ等の問題を改善し得るものではない。一方、エマルジョンタイプのものとしては、例えば特開昭52−36588号公報、特開昭58−8602号公報には外観の向上、気泡の減少、作業環境等の改善効果が開示されているが、離型性が劣る、貯蔵安定性が悪い、カスが多い、型が錆びやすい等の問題もある。このように、これまでの離型剤では、離型性、表面仕上げ、作業環境、経済性等の諸要求性能を具備したものはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、コンクリートの離型性、表面仕上がりが良好であるとともに、耐久性を有し、作業環境、貯蔵安定性の面でも優れるコンクリート離型剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題点に鑑み鋭意検討した結果、所定の平均分子量の液状ポリブテンに、高分子量のポリブテンを添加することにより、また 特定の界面活性剤やリン系極圧剤を組み合わせて用いることにより問題点を解決できることの知見を得て、本発明を完成した。本発明の第一の発明は、平均分子量150〜400の液状ポリブテン95〜99.9重量%及び平均分子量700〜2000の液状ポリブテン0.1〜5重量%からなるコンクリート離型剤である。第二の発明は、第一の発明にさらに非イオン型界面活性剤を0.01〜5重量%を含有してなるコンクリート離型剤である。第三の発明は、第一の発明又は第二の発明にさらにリン系極圧剤を0.05〜5重量%含有してなるコンクリート離型剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のコンクリート離型剤の主成分は常温で液状のポリブテンであり、その平均分子量は150〜400の範囲、好ましくは250〜350の範囲のものである。この場合、平均分子量は蒸気圧浸透圧計による数平均分子量(以下分子量と略す)を示し、分子量150では揮発性が高く十分な離型性が得られず、分子量400を超えると油シミ、塗布性の問題を生じ使用に適さない。本発明に用いるの液状ポリブテンは、公知の重合技術により得ることができ、例えばイソブチレンやイソブチレンとブテン等の混合オレフィンを原料に塩化アルミニウム等の酸触媒により0〜100℃の反応温度でカチオン重合させて、量体分布を持ったポリイソブチレン又はイソブチレンを主成分とする共重合体として得られる。また、さらに得られた液状ポリブテンは必要に応じて蒸留、水添等の処理を行い精製したものであってもよい。このような分子量150〜400の液状ポリブテンは、本発明のコンクリート離型剤において、コンクリートに対する離型性、型への塗布作業性、液膜形成性を付与することができ、さらに無臭で安全性が高いため作業環境の面でも優れた特徴を有する。
【0007】
本発明のコンクリート離型剤に配合される高分子量の液状ポリブテンは、分子量700〜2000の範囲のものである。この場合、分子量700未満では油膜形成の向上が得られず、また分子量2000を超えると粘度が高過ぎて溶解性が悪くなる。ここで用いる高分子量の液状ポリブテンは、本発明のコンクリート離型剤において、耐摩耗性、離型性を向上する性質を有している。このような高分子量の液状ポリブテンは、例えば前記ポリブテン製造法によって比較的低温で得られた高分子量の液状ポリブテンを使用することができ、必要に応じて蒸留により低分子量体をカットしたものを使用してもよい。
前記高分子量の液状ポリブテンの含有量は、0.1〜5重量%の範囲、好ましくは0.2〜3重量%の範囲のである。この場合、含有量は0.1重量%未満では添加効果が得られず、5重量%を超えると油シミ、塗布性の問題を生じ好ましくない。
【0008】
本発明に用いる非イオン型界面活性剤は、前記液状ポリブテンに溶解して用いるが、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、これらを1種ないし2種以上混合して使用することができる。この非イオン型界面活性剤の含有量は0.01〜5重量%の範囲、好ましくは0.02〜3重量%の範囲であり、0.01重量%未満では離型性、表面仕上がりの向上効果が不十分となり、5重量%を超えるとかえって表面仕上がりが悪くなる。
【0009】
本発明に用いるリン系極圧剤としては公知のものが使用でき、例えばn−ブチルジ−n−オクチルホスフィネート、ジ−n−ブチルヘキシルホスホネート、ジ−n−ブチルフェニルホスホネート、トリブチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジブチルホスホロアミデート、アミンジブチルホスフェート等が挙げられ、これらを1種ないし2種以上混合して使用することができる。
このリン系極圧剤は、本発明のコンクリート離型剤において、耐摩耗性、離型性を向上する性質を有しており、その含有量は、5重量%以下の範囲、好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。この場合、含有量が0.05重量%未満では添加効果が少なく、5重量%を超えるとかえって離型性の低下、表面仕上がりに問題を生じる。
【0010】
本発明のコンクリート離型剤を調整する場合は、前記各成分を10〜80℃の温度で、撹拌機や超音波分散機などの機械的な攪拌により10分〜3時間溶解混合して容易に得ることができる。
本発明のコンクリート離型剤の型枠への塗布方法としては、スプレー、ディッピング、刷毛塗り、ローラー法等により行うことができる。コンクリートの種類としては、特に限定されるものではなく、硬練りのものから高流動性のものまで使用でき、セメントについても普通、早強、中庸熱タイプのポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメントの混合ポルトランドセメント、その他空気連行剤、凝結調整剤、防水剤などの添加剤を含んだものであってもよい。
本発明のコンクリート離型剤は前記成分の他に、例えば灯油、軽油、スピンドル油、ミネラルスプリット等の鉱物油、大豆油、菜種油、亜麻仁油等の油脂、オレイン酸ブチル、ステアリン酸ブチル等の合成エステル油、シリコーンオイル、変性シリコンオイル等の液状ポリブテンと相溶性の良い油性成分を混合することができる。また、公知の他の極圧剤、防錆剤、酸化防止剤、消泡剤等の添加剤を用いることもできる。
【0011】
【発明の効果】
本発明のコンクリート離型剤は、無臭で安全性が高く、貯蔵安定性のよい油性離型剤であり、スプレー、ディッピング、刷毛塗り等の簡単な操作によりコンクリート用型枠に塗布できる。さらに、外的接触に対して油膜損傷が少なく、コンクリートの離型性及び表面仕上がりが良好であるとともに、型へのコンクリートの付着物や錆の発生が少ない等の優れた特性を有している。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
分子量270の液状ポリブテン298.5gと分子量1000の液状ポリブテン1.5gを、撹拌機を付した500mlのフラスコ中に仕込み、室温で1時間混合撹拌してコンクリート離型剤を得た。
離型テストは、直径7cm、深さ3cmのステンレス製ボール(底に直径1cmの穴)に離型剤を塗布しただけの未処理のものと、離型剤を塗布した該ステンレス製ボールをさらにガラスビーズ(粒径1mm)/水(重量比2/1)中で30分間振とう処理したものとを用意し、各々のステンレス製ボールにセメント/水(重量比5/1)120gを容量分注入し、室温で72時間硬化させた。
硬化後のステンレス製ボールについて、離型性を評価するため引張試験機を用いステンレス製ボールの底穴からピンを押し込み密着強度を測定した。
また、コンクリート脱着後、ステンレス製ボール内面のコンクリート付着状態を、付着なし○、数個付着あり△、多数付着あり×として目視により評価した。
さらにコンクリート表面の気泡状態を、なし○、数個あり△、多数あり×として、コンクリート表面の色を、白○、黄色△、褐色×として、各々目視により評価した。それらの結果を表2に示した。
【0013】
実施例2〜8
表1に示した配合組成に従って実施例1と同様の方法で離型剤を調製し、同様に評価を行った。結果を表2に示した。
【0014】
【表1】
【0015】
表中の略号は下記のとおりである。
SMO:ソルビタンモノオレート
PES:ポリオキシエチレンステアリルエーテル
PEN:ポリオキシエチレンノニルフェノール
【0016】
【表2】
【0017】
実施例9
分子量270の液状ポリブテン297g、分子量1000の液状ポリブテン1.5g、リン系極圧剤としてトリクレジルホスフェート1.5gの配合組成で実施例1と同様の方法で離型剤を調製し、同様に評価を行った。結果を表2に示した。
【0018】
実施例10
分子量270の液状ポリブテン291g、分子量1350の液状ポリブテン1.5g、リン系極圧剤としてトリクレジルホスフェート1.5g、界面活性剤としてソルビタンモノオレート6gの配合組成で実施例1と同様の方法で離型剤を調製し、同様に評価を行った。結果を表2に示した。
【0019】
比較例1〜3
離型剤として、平均分子量270の液状ポリブテン単独(比較例1)、軽油(比較例2)、タービン油(比較例3)を用いて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示した。
【0020】
実施例11〜17
表3に示した配合組成に従って実施例1と同様の方法で離型剤を調製し、同様に評価を行った。結果を表4に示した。
【0021】
【表3】
【0022】
表中の略号は下記のとおりである。
SMO:ソルビタンモノオレート
PES:ポリオキシエチレンステアリルエーテル
PEN:ポリオキシエチレンノニルフェノール
TCP:トリクレジルホスフェート
TBP:トリブチルホスフェート
【0023】
【表4】
【0024】
*密着強度の単位:kg/cm2
以上表2及び4の結果から、実施例により得られたコンクリート離型剤は、コンクリートに対する密着力が低く離型性に優れ、外的接触に対してもその効力を維持しており、比較例の油性離型剤と比べて離型性、表面仕上がり、型への付着物の点で総合的に優れていることがわかる。なお、実施例のものは全て無臭であったが、比較例2、3は鉱油臭が強かった。
Claims (3)
- 平均分子量150〜400の液状ポリブテン95〜99.9重量%及び平均分子量700〜2000の液状ポリブテン0.1〜5重量%からなるコンクリート離型剤。
- 請求項1に記載されたコンクリート離型剤が、さらに非イオン型界面活性剤0.01〜5重量%を含むことを特徴とするコンクリート離型剤。
- 請求項1又は2に記載されたコンクリート離型剤が、さらにリン系極圧剤0.05〜5重量%を含むことを特徴とするコンクリート離型剤。
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