JP4399578B2 - 超音波探触子高精度定荷重押え治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種材料の超音波による非破壊試験において、試験片に超音波探触子を押付けるための超音波探触子高精度定荷重押え治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超音波探触子を押付ける従来技術としては、図1に示されるように、各種材料の超音波による非破壊試験において、試験片に接触媒質を介して超音波探触子を手動により直接荷重を加えて押し続けることにより行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
安定した再現性のある超音波による測定データを取得するには、超音波探触子を試験片の表面に一定圧力で一定時間押付け保持する必要がある。従来、通常の操作では、手動により超音波探触子を押えて測定が行われているため、安定性のあるデータを得るためにはかなりの経験と技術が要求されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このことから簡単な操作で安定したデータを取得できる超音波探触子高精度定荷重押え治具を発明した。本発明における押付け治具は遠隔操作性も考慮したものである。
【0005】
即ち、本発明の治具は、トグルクランプにより探触子を一定圧力で一定時間押付け保持することができ、押付け力調整ブロックの位置可変により、押付け荷重を自由に選択し変えることができ、ロードセルの装着により押付け荷重をモニターすることができ、探触子ホルダーの首振り機構により、試験片の多少の傾きにも対応でき、探触子高さ調整ダイヤル機構により、種々の形状寸法を有する試験片の高さ及びそれに負荷される荷重に対応できるものである。
【0006】
本発明の治具の構造は、基台に垂直な支柱を設け、この支柱に探触子高さ調節ダイヤルにより上下に摺動可能な摺動板を設け、この摺動板にトグルクランプ機構を持った押付け力調整ブロック及び探触子ホルダー機構を固着し、前記探触子ホルダー機構下端にロードセルを介して探触子ホルダーを設け、前記探触子ホルダーに試験片に荷重をかけて押付ける超短波探触子を内装し、前記トグルクランプ機構下端及び上端にそれぞれ探触子押付け力調整ネジ及びトグルクランプを設け、前記ロードセルにアンプを介して荷重出力計を結合し、前記超音波探触子に超音波測定器を結合したことからなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の超音波探触子高精度定荷重押え治具においては、図2に示されるように、基台1に垂直な支柱2が設けられ、この支柱に探触子高さ調節ダイヤル7により上下摺動可能な摺動板18が設けられることにより、これに固定されたトグルクランプ機構を持った押付け力調整ブロック3及び探触子ホルダー機構が一体で上下移動可能に設置される。このブロック3には駆動調整部材6が固設され、その部材に探触子高さ調整ダイヤル7が設けられているので、このダイヤルを回転させて調整ブロック3を固着した摺動板18の上下動を調整することにより、荷重が加えられる試験片の大きさにしたがって超音波探触子4と試験片5の距離を適宜調整することができる。又、この調整ブロック3を上下にスライドさせることにより探触子ホルダー17を介して超音波探触子4を試験片5に押付ける荷重を変化させることができる。
【0008】
摺動板18の下方には支持部材8が固設されており、この部材8に固設されたシリンダ9内にピストン10が上下動可能に内装され、そのピストン頂部は探触子押付け用スプリング11によって下方に押されている。ピストン下端にはロードセル16を介して探触子ホルダー17が設けられ、その内部に超音波探触子4が内装されている。この探触子は探触子ホルダーの首振り機構により試験片の多少の傾きにも対応できるようになっている。
【0009】
摺動板18の上方には調整ブロック3とその支持部材12が固設されており、この支持部材に摺動部材13が上下動可能に支持されており、この部材13の上端にはトグルクランプ14が設けられ、このトグルクランプを上下に操作することにより部材13を上下動させることができる。この部材の下端には探触子押付け力調整ネジ15が設けられており、このネジ自体を回すことによりネジの長さが調節される。
【0010】
ロードセル16はアンプを経て荷重出力計と結合されていて、このロードセルの装着により探触子押付け荷重がモニターできるようになっている。又、超音波探触子4には超音波測定器が結合されており、試験片5の高さが変わっても押付け荷重一定の測定が可能であるようになっている。
【0011】
本発明においては、押付け力調整ブロックの位置可変により、押付け荷重を自由に選択して変えることができる。即ち、押付け力調整ブロック3は、探触子高さ調整ダイヤル7の操作で上下移動する摺動板18に4本のネジで固定されており、トグルクランプを操作して探触子押付け力調整ネジ15をシリンダ9上部に接触させた後のシリンダの移動量を粗調整するために、この4本のネジを緩め、摺動板に上下に延長して開けられたネジ穴に沿って押付け調整ブロックを摺動板上でスライドさせることができる。なお、摺動板には1mmピッチのスケールが刻印してあり、押付け力調整ブロックの固定位置を任意に設定することが可能である。更に本発明おいては、探触子押付け力調整ネジによりシリンダの移動量を微調整できる機構となっている。
【0012】
上記操作により、トグルクランプを下方に回転させて探触子押付け力調整ネジがシリンダ上端部に接触した後のシリンダの移動量を調整することで、シリンダ内に装荷されているスプリングの収縮量が変わり、スプリングの収縮量とバネ定数の関係から押付け荷重を決定できる。
【0013】
又、本発明においては、探触子高さ調整ダイヤル機構により種々の形状寸法を有する試験片の高さ及びそれに負荷される荷重に対応することができる。即ち、探触子高さ調整ダイヤル7の操作で上下動する摺動板18には、押付け力調整ブロック3及び探触子ホルダー17がそれそれ取付られているため、ダイヤルの操作によって両者が一体となって上下移動でき、トルグクランプ14を下方に回転させ超音波探触子4を試験片5に押付ける前の探触子と試験片上面との距離を任意に設定することができる。探触子4が試験片5に接触した後のスプリング11の収縮量は、前述の押付け力調整ブロック3と探触子押付け力調整ネジ15で設定される。
【0014】
このため、対象となる試験片の厚さが変化した場合にも、トグルクランプを下方に回転させる前の探触子4と試験片5上面との距離を一定にするための調整を探触子高さ調整ダイヤル7を用いて行えば、探触子が試験片に接触し、トグルクランプがロックした後のスプリングの全収縮量は常に一定に保つことができ、負荷される荷重も一定となる。以下、本発明の一実施例である超音波探触子高精度定荷重押え治具の操作について説明する。
【0015】
【実施例】
図2に示される探触子高精度定荷重押え治具において、まず試験片5を超音波探触子4の真下に置き、探触子高さ調節ダイヤル7を回転して押付け力調整ブロック3を下降させて探蝕子4と試験片5の上面との距離を任意に調節する。次に、トグルクランプ機構の下端に設けられた探触子押付け用調整ネジ15を回転してその下降長さを調整する。
【0016】
その後、トグルクランプ13を下方に回転させて摺動部材13を下降させ、その部材の下端に設けられた調整ネジ15の先端でシリンダ9を押付け、探触子押付け用スプリング11を圧迫することより、ピストン10及びロードセルを介して超音波探触子4を試験片5に一定荷重で押付けて保持し、その状態で試験片の超音波測定を行う。
【0017】
【発明の効果】
本発明の探触子高精度定荷重押え治具により、次の本発明に特有の顕著な効果を生ずる。
【0018】
(1) トグルクランプにより探触子を一定圧力で一定時間押付け保持することができる。また、このトグルクランプは遠隔操作により容易に扱うことができる機構となっている。
【0019】
(2) 押付け力調整ブロックの位置可変により、押付け荷重を自由に選択し変えることができる。
【0020】
(3) ロードセルの装着により押付け荷重をモニターすることができる。
【0021】
(4) 探触子ホルダーの首振り機構により、試験片の多少の傾きにも対応できる。
【0022】
(5) 探触子高さ調整ダイヤル機構により、種々の形状寸法を有する試験片の高さ及びそれに負荷される荷重に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の探触子による試験片の押え方を示す図である。
【図2】 本発明の探触子高精度定荷重押え治具による試験片の押え方を示す図である。
【符号の説明】
1: 基台
2: 支柱
3: 押付け調整ブロック
4: 超音波探触子
5: 試験片
6: 駆動調整部材
7: 探触子高さ調整ダイヤル
8: 支持部材
9: シリンダ
10: ピストン
11: 探触子押付け用スプリング
12: 支持部材
13: 摺動部材
14: トグルクランプ
15: 探触子押付け力調整ネジ
16: ロードセル
17: 探触子ホルダー
18: 摺動板

Claims (5)

  1. 基台に垂直な支柱を設け、この支柱に探触子高さ調節ダイヤルにより上下に摺動可能な摺動板を設け、この摺動板にトグルクランプ機構を持った押付け力調整ブロック及び探触子ホルダー機構を固着し、前記探触子ホルダー機構下端にロードセルを介して探触子ホルダーを設け、前記探触子ホルダーに試験片に荷重をかけて押付ける超短波探触子を内装し、前記トグルクランプ機構下端及び上端にそれぞれ探触子押付け力調整ネジ及びトグルクランプを設け、前記ロードセルにアンプを介して荷重出力計を結合し、前記超音波探触子に超音波測定器を結合したことを特徴する超音波探触子高精度定荷重押え治具。
  2. 押付け力調整ブロックの位置可変により、押付け荷重を自由に選択し変えることができることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子高精度定荷重押え治具。
  3. ロードセルの装着により押付け荷重をモニターすることができることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子高精度定荷重押え治具。
  4. 探触子ホルダーの首振り機構により試験片の多少の傾きにも対応できることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子高精度定荷重押え治具。
  5. 探触子高さ調整ダイヤル機構により種々の形状寸法を有する試験片の高さ及びそれに負荷される荷重に対応できることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子高精度定荷重押え治具。
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