JP4398580B2 - パタ−ン状二酸化ケイ素転化膜の形成方法 - Google Patents

パタ−ン状二酸化ケイ素転化膜の形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリシラザンを光酸化分解して直接二酸化ケイ素膜に転化してなる二酸化ケイ素転化膜とパタ−ン状二酸化ケイ素転化膜の形成方法に関する。このものは高品質セラミック硬化膜として各分野での有効利用が期待される。
【0002】
【従来の技術】
酸化ケイ素系セラッミクス膜は、その優れた特性(耐熱性、耐蝕性、耐摩耗性、透明性、電気絶縁性等)から種々の用途に利用されている。とりわけ電子機器分野(例えば半導体デバイス、液晶表示デバイス、プリント基板等)での使用が多い。
ところでこの酸化ケイ素系セラッミクス膜の形成には、一般に二酸化ケイ素又は有機ケイ素化合物を原料として、これを一般に知られている薄膜形成手段(スパッタリング等による物理的方法又はCVDによる化学的方法)により行なっているが、
近年ポリシラザンを原料としてこれを化学的(空気・水分・触媒・熱の存在下)に処理して二酸化ケイ素膜を形成する方法が開発され話題にもなっている。これは、このポリシラザンによりなる二酸化ケイ素膜は、基体との密着性、膜純度(硬質で緻密)等がより高いものであるといった理由からである。
【0003】
一方、前記ポリシラザンによる二酸化ケイ素膜をパタ−ン化するための手段として、該シラザンに感光性を付与し、パタ−ンマスキング−紫外線露光して後、未露光部分を現像する方法(以下写真製版法)とか(例えば特開平11−92666号公報、特開2000−181069号公報で公開)、又は該ポリシラザンを酸化雰囲気下で該写真製版法によって得る方法が知られている(例えば特開平5−88373号公報で公開)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリシラザンから直接二酸化ケイ素に転化する手段に付き鋭意検討した結果、新たに特殊手段を見出し達成されたものである。それは次の手段である。
【0005】
【問題を解決するための手段】
請求項1の発明によるパタ−ン状二酸化ケイ素転化膜の形成方法は、
基体面に塗膜されたポリシラザン面に、常圧以上の空気の存在下でパタ−ンマスクを載置し、これに100〜280nmの波長を有する短波長紫外線を露光して後、未露光部分を現像溶剤にて溶解除去するパタ−ン状二酸化ケイ素転化膜の形成方法において、
前記基体面に塗膜されたポリシラザン面が、100〜280nmの波長を有する短波長紫外線で予備露光され、僅少の酸化分解によって乾燥固化されてなる塗膜面であることを特徴としている。
【0006】
請求項2の発明によるパタ−ン状二酸化ケイ素転化膜の形成方法は、請求項1に記載のパタ−ン状二酸化ケイ素転化膜の形成方法において、基体がロール状フイルムであることを特徴としている。
【0007】
請求項3の発明によるパタ−ン状二酸化ケイ素転化膜は、請求項1に記載の方法により製造したことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
酸化ケイ素膜の形成の出発物質であるポリシラザン(以下Psnと略す)は、これまで数多くの特許出願公報でも公開されているように、一般に次の化1で示されるSi−Nを反復単位とする窒化ケイ素ポリマーである。
【0012】
【化1】
Figure 0004398580
【0013】
ここでR、R、Rは水素原子、メチル,エチル等のアルキル基、フエニル等のアリ−ル基等の有機基である。該ポリマーの分子量(例えば数平均分子量)は、膜(Psn塗膜及二酸化ケイ素膜としての強度)として最低限必要な強度及びPsnの有機溶媒に対する溶解性によって適正が決められるが、一般的には約500〜2500の範囲で適宜選ばれる。
又R、R、Rが全て水素原子である場合を特にペルヒドロポリシラザン(以下H・Psnと略す)、有機基である場合をオルガノペルヒドロポリシラザン(以下O・Psnと略す)と呼称するが、本発明ではいずれのものも有効に酸化分解し二酸化ケイ素膜に変わる。勿論両者混合のPsnであっても良い。
尚、Psnは、基本的には該一般式に示す直鎖状のポリマーであるが、分子内で架橋構造を有していても良い。但しこの架橋も有機溶媒に難溶であるような過度の架橋密度であっては望ましくない。
【0014】
前記Psnは、光酸化分解が行なわれるのに前駆して、ある基体面に塗膜状態に置かれる。その塗膜の形成は、まず該Psnの所定量を一般に知られている有機溶剤(水分が含有されるとか、吸湿し易いものは避ける)に溶解する。ここで該溶剤は、例えばキシレン等の芳香族炭化水素、ジブチルエ−テル、ジオキサン等の直鎖状又は環状のエ−テル等である。またPsnの溶液濃度は、所望する二酸化ケイ素膜の厚さとか、塗膜精度、塗膜手段等によって異なる。ただ本発明による手段では、より厚い塗膜でも容易に二酸化ケイ素膜に変化するので、塗膜厚さにはあまり影響されないので、塗膜手段に困難がない限り高濃度で溶解するのがよい。
又、ある基体とは該塗膜支持体であるが、その形状とか、透明性等とかは一切問わない。但しこれが本発明の短波長紫外線に少なくとも露光している間に分解して強度を低下させるような素材は、避けねばならない。
尚、該塗膜手段は例えば、ロ−ルコーティング、グラビヤコーティング、スプレ−コーティング、スピンコーティング、浸漬コーティング等の方法であり、このコーティングの際には、可能な限り低湿度環境下で行うのがよい。これはPsn自身が水分によって加水分解されやすいからである。
【0015】
前記基体にPsn溶液が塗工されたならば、まず乾操(常温又は加熱)して有機溶剤を蒸発除去する必要がある。この操作は前記短波長紫外線での露光によって乾燥し、そのまま酸化分解のための本露光を連続して行っても良いし、該露光の前に別途乾燥工程を設けて予め乾燥固化して置いても良い。
尚、この乾燥工程は一般に風乾(常温又は加熱)で行うが、例えば該短波長紫外線で露光(単なる乾燥固化のための予備露光)しても乾燥できる。この予備露光は、特にPsnの分子量が小さい場合に塗膜面に粘着性があり、これを除去するための事前操作である。従ってこの予備露光における露光時間は、短時間(一般に数秒レベル)であり、実質的なPsnの二酸化ケイ素への転換はあってはならない。このような非粘着面にしておくことは、例えばシ−ト状の基体を積み重ねて保管する場合とか、ロ−ル状の基体をロ−ル巻きして保管するような場合に有効であるからである。
【0016】
次に前記Psn塗膜は、特に酸素分子の存在下で、100〜280nmの波長を有する短波長紫外線で露光される。この露光によって、Psnは直ちに光酸化分解されて二酸化ケイ素に転化して二酸化ケイ素膜となる。ここでまず露光中常に少なくとも酸素分子(従って空気でも良い)の存在が必須である。この酸素分子は二酸化ケイ素の形成に使用されるが、そのまま酸素分子がケイ素原子と結合するのではなく、一旦活性酸素原子に変化して反応に関与するものと考えられる。従って、酸素分子の存在しない環境下では、二酸化ケイ素への転化は実質的にない。
【0017】
前記酸素分子の反応関与は、特に100〜280nmの波長を有する短波長紫外線で露光することによってのみ行われる。従って酸素分子の存在、非存在に関わらず、280nmを超える300nm以上の長波長の光では、二酸化ケイ素へ光酸化分解するように作用をしない。また100nmより短波長の光では、あまりにも光エネルギ−が高いためか、円滑に二酸化ケイ素に転換せずに高純度の二酸化ケイ素膜にならない。勿論280nmより長波長の紫外線は全く存在してはならないと言うことではない。これは該波長の存在は悪影響を及ぼすと言うことではなく、本発明に言う前記作用効果には、実質的に寄与しないと言うことからである。
【0018】
前記2つの条件下での反応機構は次のように考えられる。
まず露光がスタ−トすると100〜280nmの波長中、特に100〜200nmの波長エネルギ−は酸素分子を励起して活性酸素原子雰囲気に変える。
一方、特に200〜280nmの波長エネルギ−は、PsnのSi−N結合、Si−H結合又はSi−C結合を切断して、活性(反応性)Siがつくられる。この活性Siに活性酸素原子が直ちに化学結合し二酸化ケイ素に転換すると言う推定である。
【0019】
前記100〜200nmの波長では、より具体的には、例えば140〜160nmにピ−ク波長を有し、200〜280nmの波長では240〜260nmにピ−ク波長を有しており、その光源としては例えば低圧水銀灯が好ましく挙げられる。
【0020】
前記露光条件下における操作上の条件は、一般には(常圧)空気存在下で所定時間露光するが、この時酸素分子の雰囲気濃度が低くなるような環境、例えば真空状態にするとか、非活性ガスを存在させるとか、密閉容器中で行うとかと言ったような環境では行わないことが必要である。ここで露光時間であるが、これは勿論Psn塗膜厚さにもよるが、主として前記短波長紫外線の露光量(mj/cm)(光源ランプの出力と露光距離)によって決まるので、具体的には事前テストにより具体的に設定するのが良い。
【0021】
前記によりなる二酸化ケイ素膜は、その優れた特性から各種基体の被覆(保護)用材としての使用を始め、電子部品作製用材等に有効に利用される。電子部品作製用材としての使い方は、該二酸化ケイ素膜を何らか形にパタ−ン化して使われる場合が多い。そこで本発明では、この二酸化ケイ素膜がパタ−ン化して使われる場合のその形成方法について説明する。
【0022】
まず前記したようにPsnの有機溶剤溶液を、金属基板、ガラス基板、プラスチック基板、半導体基板(シリコンウエハ等)、透明導電性膜付き液晶基板、金属薄膜付きのプリント回路基板等の基体面に所定厚さで塗布する。塗布法は前記の通りであるが、より高精度で塗布したい場合には、一般にスピンコーティング法が良い。
【0023】
前記塗布が終了すると、少なくとも有機溶媒を蒸発除去して固形塗膜状態にするために乾燥が行われる。乾燥は(前記したように)、一般には常温又は加熱の風乾で行うが、本発明では、この乾燥を請求項で提供する方法でも行うこともできる。特にこの乾燥固化方法を採ると、現象としては塗膜に粘着性がなくなり、さらっとした面になる。このような塗膜面では、次の工程の該塗膜面へのパタ−ンマスク(例えが合成石英ガラスを基板とする該マスクの場合)の載置において、該マスクが密着状態にはならないので、僅かのクリアランスをもった状態で載置することができる。これはPsnの酸化分解に必要な酸素分子の介在に有効になる。勿論前記するように、使用する基体がロ−ル状のフイルムである場合に、ロ−ル巻きしてもブロッキングするようなこともなくなると言う効果がある。尚、パタ−ンマスクが(後述するように)基板のないメタルマスクのような場合には、ある程度の粘着性がある方が良い場合もある。これは該マスクのような場合には、粘着性があることで該マスクが良く密着する。これは該マスク部分(光線不透過部分で現像される部分)への短波長紫外線の光線漏れがないので、パタ−ンの再現精度が増すことになるからである。
【0024】
しかし請求項に記載する条件は、単なる乾燥固化である。つまり、これはPsnの二酸化ケイ素への酸化分解は僅少に留まり実質的転化されないことで達成される。これを具体的に示せば、例えば水酸化ナトリウム水溶液(例えば3〜5重量%の希薄水溶液)に浸漬(常温)して3〜10秒でPsn塗膜が溶解されるかどうかを見る。溶解すれば単に粘着性をなくした適正な乾燥固化だけと判断する。
【0025】
次に、前記得られたPsn塗膜面にパタ−ンマスクを載置する。ここで該マスクは、まず100〜280nmの短波長紫外線には実質的に影響(該紫外線で分解されるとか、それを吸収するとか)されない素材でもって、所望するパタ−ン(例えば格子状、ライン状、網点状)が形成されているもので、従って該マスクは該紫外線の透過部分と非透過部分からなっている。具体的には、該素材として金属シ−トを使い、これに網点状パタ−ンを穿設した、一般にメタルマスクと呼ばれている基板のないマスクや、1mm程度以下の合成石英板の片面上にクロムでパタ−ンを形成した、基板のあるマスク等が例示できる。ここでメタルマスクのような基板のないマスクでは、載置されても常に酸素分子が存在(該紫外線の透過部分)している状態にあるが、該石英板マスクのように基板のあるマスクでは、載置の状態では酸素分子が遮断されるような露光環境になり易い。従って、このようなマスクを使う場合には、可能な限り軽量なマスクを使い、Psn塗膜面も前記するように粘着性でない等の手段を講じるのがよい。
【0026】
前記パタ−ンマスクが載置されたら、露光を行うが、この時の環境は常圧以上の空気存在下である。この常圧以上の空気は、より多くの酸素分子が存在する方がより好ましいからである。従って酸素分子の濃度が低くなるような真空下とか、仮に常圧以上であっても、酸素濃度が低くなる(例えば窒素ガスを混合する)ような環境は避けねばならない。加圧にするにしても、少なくとも露光時間内の酸化反応に必要な濃度を維持するに相当する圧力で良く。過多になるのは好ましくない(特に前記ガラス製マスクパタ−ンような基板のある該パタ−ンにとって)。一般には常圧で行う。この時の雰囲気温度については、一般には常温であるが、加熱下であっても良い。但し温度は、後述する光源自身の温度にも影響を及ぼすことになり、これがあまり高くなると該光源の出力低下を引き起こすことになる。40℃以上にはならないようにするのが良い。
【0027】
露光は、前記条件でPsn塗膜面に載置されたパタ−ンマスクの上から100〜280nmの波長を有する短波長紫外線、好ましくは140〜160nmと240〜260nmとに最大ピ−ク波長を有する該紫外線を照射することで行なう。この理由は前記の通りである。具体的に該光線を有効に発生する光源は、低圧水銀灯(封入される水銀蒸気圧の低いもの)であり、300nm以上の長波長を主とする高圧水銀灯は対象外である。
【0028】
前記二酸化ケイ素膜への転換時間は、光源出力とPsn塗膜厚さが一定であれば、露光時間(比例)と露光距離(二乗に反比例)とによって決まる。具体的には予備テストを行って決めることになる。例えばそのテストでは、Psn塗膜厚さ60nmに、出力1W/cmの低圧水銀灯を、露光面間距離100mmで60秒間照射したところ、ほぼ完全に二酸化ケイ素に転化していた。より完全に二酸化ケイ素への転化をしたいがために、必要以上の長い時間の露光は極力避けた方が良い。これは一般に行われる真空下(パタ−ンマスクの完全な密着と、酸素の排除のため)での露光とは異なり、パタ−ンマスクの完全な密着ではないので、非露光部への光の漏れが起こりやすい状態にあるからである。
尚、この光りの漏れの防止には、可能な限り直線光線とするのがよいが、そのためには例えば載置されたパタ−ンマスクと光源の間にハニカム状の透過板を平設することでも改善できる。
【0029】
次に前記露光が終了したら、未露光部分を現像溶剤にて溶解除去する(現像処理)。ここで該溶剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ水溶液(一般に3〜5重量%の希薄溶液)、トルエン、キシレン、ジブチルエ−テル、ジオキサン又はこれらの混合の有機溶剤が例示できる。
この現像処理は、一般に20〜50℃程度の温度で該現像溶剤に接して未露光部分を溶解除去する。該接しの仕方には、単に該溶剤に接するとか、スプレ−噴射するとか、ブラッシングする等によって行うが、適宜効率の良い方法を選べば良い。現像したら適宜表面洗浄して乾燥する。
以上により、基体上には所望する二酸化ケイ素パタ−ンがしっかりと形成されているが、この形成だけで初期の目的が達せられるならば、これで全行程は終了するが、更に導電回路等を作製しようとするならば、エッチング工程が必要になる。勿論この場合は、基体としては、導電体が絶縁基体に積層されたものが使用されることになる。
【0030】
【実施例】
以下に比較例と共に実施例によって更に詳述する。
(実施例1)
まずH・Psn溶液(分子量・700、有機溶剤・キシレン、固形分濃度・5重量%)を、100mm角のPETフイルム(脱脂洗浄後、コロナ放電にて前処理済み)に次の条件で塗布し乾燥した。
つまりスピンコ−タ−の回転テ−ブルの上に該PETフイルムを固定し、該H・Psn溶液をほぼ全面に液滴下し、回転を開始する。回転は徐々に速度を上げ、1500rpmに到達したら、その速度で20秒間回転し続けた。回転を終わったら約110℃で10分間乾燥した。表面は若干粘着状態にあったが、該溶剤は除かれH・Psn塗膜が強固に形成されていた。
【0031】
次に前記得られたPETフイルム上のH・Psn塗膜に次の条件で全面に露光した。
光源として出力1W/cmの低圧水銀灯(185nmと254nmとに最大波長を有している)を使い、この光源の下に100mm離して(露光面間距離)該塗膜フイルムをセットした。そして常温、常圧の空気の下で70秒間全面露光を行った。得られた塗膜表面はガラス的で,硬質であり、膜厚は60nmであった。
【0032】
そして、前記露光して得られたPETフイルムを1/2にカットして次のテストを行い、H・Psn膜の二酸化ケイ素膜への転化の確認を行った。
テストの1つは、一つのPETフイルムを5重量%の水酸化ナトリウム水溶液に常温で5分間浸漬し、そして水洗して乾燥した。これを拡大顕微鏡で表面状態を観察したが、溶解したとか浸食したようなことは一切観察されず、又膜厚を測定したが頭初の60nmと同じであった。
もう一つのテストとして、残る一枚のPETフイルムをIR分析装置にかけて赤外スペクトル分析を行った。得られた赤外スペクトルチャ−トからH・Psnに由来する吸収波長(3400cm−1のN−H、2200cm−1のSi−H、830cm−1のSi−N)と二酸化ケイ素転換に由来する吸収波長(1080cm−1のSi−0)とをチェックした。その結果H・Psnに由来する吸収波長の全てが消失し、1080cm−1のSi−0の吸収のみが観察された。
以上のテストから明らかなように、本発明は極めて簡単操作で短時間にして容易に、高純度の二酸化ケイ素膜が得られることが判る。
【0033】
(実施例2)
まずO・Psn溶液(分子量・900で末端にメチル基を有する)、有機溶剤・ジブチルエ−テル、固形分濃度・4重量%)を使い、100mm角のPETフイルム2枚(脱脂洗浄後、コロナ放電の前処理済み)に、実施例1と同様にスピンコーティングして乾燥した。表面は若干粘着状態にあったが、該溶剤は除かれO・Psn塗膜が強固に形成されていた。
【0034】
次に、まず前記得られたPETフイルム上のO・Psn塗膜の粘着性を取るために次の条件で予備露光を行った。つまり実施例1で行った露光条件であるが、露光時間を8秒とした。得られたO・Psn塗膜面の粘着性は、消失し滑り易い状態になった。ここでのO・Psn塗膜厚さは62nmであった。
尚、該フイルムの1部をカットして、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液に常温で7秒間浸漬して見た。その結果該塗膜面は完全に溶解除去されたので、この予備露光は適正な粘着性除去のための予備処理であったことも確認できた。
【0035】
そして、引き続き前記フイルムの1枚を使い、次の条件で本露光を行った。
つまり実施例1における露光時間を60秒とする以外は、同様条件で全面露光を行った。得られた塗膜面はガラス的で硬質面であった。
そしてこれについても、実施例1と同様に5重量%の水酸化ナトリウム水溶液での浸漬テストと、IR分析装置による同定分析を行った。
該浸漬テストでは、実施例1と同様に浸食等も一切なく、またIRスペクトルにも二酸化ケイ素に基づく1080cm−1の吸収のみで他の吸収は観察されなかった。
【0036】
(比較例1)
実施例1において、露光条件中、光源とH・Psn塗膜PETフイルムとの間に常にNガスを流し続けることと、露光を5分間行う以外は同一条件で塗膜形成から露光を行った。
そして得られたものを、常温の5重量%の水酸化ナトリウム水溶液に40秒間浸漬して引き上げた。該塗膜は1部溶解され、1部は膜の状態で剥離され、その膜に指先を触れると簡単に崩れてしまった。つまりこのことは、酸素分子が実質的に存在していなかったことで、二酸化ケイ素への酸化分解が行われなかったことを意味している。
【0037】
(比較例2)
実施例2で予備乾燥して得たPsn塗膜PETフイルムの残る1枚を使い、次の条件で露光した。
つまり実施例2において行った本露光において、光源を高圧水銀灯(出力1W/cm)に変え、露光時間を3分間とすること以外は同一条件で露光を行った。得られた塗膜面は、一応硬膜の状態にはあったが、二酸化ケイ素への転化が行われたかどうかを確認するために、実施例2で行ったと同じ2つのテストを行った。
尚、ここでの膜厚は63nmであった。
【0038】
まずテストの1つの5重量%の水酸化ナトリウム水溶液での浸漬テストでは、表面が浸食したためか、表面荒れが観察され、膜厚を測定すると36nmであった。
もう一つのIRスペクトル分析では、Si−0の吸収波長もあるが、Si−Nの吸収の吸収が大きく存在していることが観察された。
以上の結果は、300〜400nmに主波長を有する光源では、酸素分子存在下でも、Psnの二酸化ケイ素への実質的転化は行われないことを証明している。
【0039】
(実施例3)
まず、100mm角のガラス板2枚にITO(インジュウム酸化錫)をスパッタリングしたITO導電膜付きのガラス板を作製しこれを基体として使用した。
【0040】
そして、前記ガラス基板を使い、これに実施例1と同じH・Psn溶液(分子量・700、有機溶剤・キシレン、固形分濃度・5重量%)を、同一条件でスピンコーティングして塗布し乾燥してITO導電膜面にH・Psn塗膜を形成した。
【0041】
次に、前記得られたH・Psn塗膜面は実施例1と同様に若干粘着性があったので、この粘着性を取るために、実施例1と同一条件で8秒間の予備露光を行った。
粘着性は完全に除去され、さらさらした面に変わった。以下これを予備乾燥ガラス板と呼ぶ。
【0042】
次に、前記予備乾燥ガラス板を使い、次の条件でパタ−ン状二酸化ケイ素転化膜を形成した。
パタ−ンマスクとして、厚さ20μmのステンレス箔に直径50μmの細孔を90μmの等ピッチで穿設したものを、該予備乾燥ガラス板のH・Psn塗膜面に載置し、これを実施例1で使用した光源の80mm下に置いた。そして該H・Psn塗膜面から上方10mmの位置にハニカム状の透過板(厚さ15mm)を水平に置き、常温・常圧の空気下で光源を点灯した。露光時間は70秒とした。そして該マスクを取り、露光面に常温の5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を3分間噴射し現像を終えた。
【0043】
前記現像面を拡大顕微鏡で観察したところ、まず該マスクの円形パタ−ンが二酸化ケイ素膜でしっかりと形成されていることを確認した。そしてその径を測定したところ55μmであった。若干円形パタ−ンの径は大きくなっているが、ほぼ1対1で再現されていることが判る。
尚、この現像後に更に非円形部分(未露光で溶解除去された部分−下地のITO膜部分)のエッチング(例えば塩化第二鉄水溶液)を行えば、下地のITO膜が非円形パタ−ン状でガラス板に形成されることになる。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、前記の通り構成されることで、次のような効果を奏する。
【0045】
Psn塗膜からより高純度の二酸化ケイ素膜が簡単にして迅速に、一挙に製造できるようになった。
【0046】
前記により生産管理もし易くなり製造時間が大きく短縮されるようになった。

Claims (2)

  1. 基体面に塗膜されたポリシラザン面に、常圧以上の空気の存在下でパタ−ンマスクを載置し、これに100〜280nmの波長を有する短波長紫外線を露光して後、未露光部分を現像溶剤にて溶解除去するパタ−ン状二酸化ケイ素転化膜の形成方法において、
    前記基体面に塗膜されたポリシラザン面が、100〜280nmの波長を有する短波長紫外線で予備露光され、僅少の酸化分解によって乾燥固化されてなる塗膜面であることを特徴とするパタ−ン状二酸化ケイ素転化膜の形成方法。
  2. 前記基体がロール状フイルムであることを特徴とする請求項1に記載のパタ−ン状二酸化ケイ素転化膜の形成方法。
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