JP4394433B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車の乗員の側方に展開するエアバッグを備えたエアバッグ装置に関する。
従来、例えば、自動車の乗員の側方にエアバッグを展開し、側面衝突時に乗員を保護する側突用のエアバッグ装置が知られている。
そして、この種のエアバッグ装置として、座席の側部に収納され、乗員とドアとの間に展開して、乗員の胸部と胴部とを保護するサイドエアバッグと呼ばれるエアバッグ装置が知られている。
そして、このエアバッグ装置は、袋状のエアバッグと、このエアバッグの後側部に収納されてガスを供給するインフレータを備えている(例えば、特許文献1参照。)。そして、このエアバッグの内側は、分割シームにより上下に区画され、乗員の胸部を保護する第1チャンバと、この第1チャンバの下側に位置して乗員の腰部を保護する第2チャンバとが形成されている。さらに、インフレータは、ハウジングに収納され、このハウジングに、第1チャンバに連通する第1の開口と、第2チャンバに連通する第2の開口が形成されている。そして、この特許文献1には、エアバッグの展開時に、第1チャンバ内の圧力を0.5bar、第2チャンバ内の圧力を1.5barと互いに異ならせ、乗員の適正な保護を図った構成が示されている。
特開2000−177527号公報
それぞれ乗員に対向する複数の分室を備えたエアバッグ装置において、これら分室の好ましい反力は、それぞれ乗員の体重や衝突の態様に応じて変化する。一方、各分室にそれぞれ専用のインフレータを備える構成が考えられるが、多数のインフレータを備える構成は、装置の大型化や質量の増加を招き好ましくない。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、各分室のガスの圧力を状況に応じてそれぞれ容易に設定可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグ装置は、互いに隔壁で区画された第1の分室及び第2の分室を備えたエアバッグと、互いに独立して動作しそれぞれガスを噴射可能な第1のガス噴射口及び第2のガス噴射口を備えたインフレータと、前記第1のガス噴射口に対して傾斜した傾斜面として形成されたガス案内部とを具備し、前記第1のガス噴射口から噴射されたガスは、前記ガス案内部で分配されて前記第1の分室及び第2の分室の両方に供給され、前記第2のガス噴射口から噴射されたガスは、前記第1の分室及び第2の分室のいずれか一方に供給されものである。
そして、この構成では、第1のガス噴射口及び第2のガス噴射口の両者からあるいは選択的にガスを噴射することにより、条件に応じた最適な反力が容易に得られる。すなわち、第1のガス噴射口からガスを噴射することにより、傾斜面であるガス案内部でガスを分配し、第1の分室と第2の分室とを所定の割合の反力でそれぞれ膨張させることが可能になり、第1のガス噴射口及び第2のガス噴射口からガスを噴射することにより、一方の分室の反力をさらに大きくすることが可能になり、第2のガス噴射口ガスを噴射することにより、一方の分室のみを膨張させることが可能になる。互いに独立して動作しそれぞれガスを噴射可能な第1のガス噴射口及び第2のガス噴射口を備えたインフレータは、いわゆるツインスクイブタイプのインフレータにより構成可能であり、各分室に対してそれぞれ別個のインフレータを備える構成に比べて、構成が簡略化され、装置の小型化、軽量化や製造コストの低減が容易になる。
請求項2記載のエアバッグ装置は、請求項1記載のエアバッグ装置において、エアバッグは、乗員の側方に展開し、第1の分室は、乗員の腰部に対向して展開する腰部保護室を構成し、第2の分室は、乗員の胸部に対向して展開する胸部保護室を構成し、インフレータを保持するインフレータ保持部及び内側面がガス案内部となる内側挟持部を備えたリテーナと、前記内側挟持部との間に前記隔壁の端部を挟み込み、前記エアバッグとリテーナの内側挟持部とを密着させる外側固定具とを具備したものである。
そして、この構成では、条件に応じて乗員の腰部に対向して展開する腰部保護室と乗員の胸部に対向して展開する胸部保護室とに適切な反力が容易に得られ、乗員の側方に展開するエアバッグとして好ましい特性が容易に実現される。さらに、ガス案内部は気密性を向上する構造である内側挟持部の内周面に一体に形成されているため、部品点数の増加もなく、製造コストを容易に抑制できる。
請求項3記載のエアバッグ装置は、請求項2記載のエアバッグ装置において、衝撃及び乗員の状態に応じて、第1のガス噴射口及び第2のガス噴射口からそれぞれガスを噴射させるか否かを制御する制御手段を具備したものである。
そして、この構成では、衝撃及び乗員の状態に応じて、乗員の側方に展開するエアバッグとして好ましい特性が容易に実現される。
本発明のエアバッグ装置によれば、第1のガス噴射口及び第2のガス噴射口の両者からあるいは選択的にガスを噴射することにより、条件に応じた最適な反力を容易に得ることができる。構成を簡略化でき、装置の小型化、軽量化や製造コストの低減を容易に実現できる。
以下、本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2において、11はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置11は、被取付部材である自動車の座席に取り付けられて、座席に着座した被保護物である乗員と対向物である車体のドアとの間に膨張展開して乗員を保護するいわゆるサイドエアバッグを構成している。
そして、このエアバッグ装置11は、ガスを発生させ噴射するインフレータ12と、このインフレータ12が供給するガスにより膨張展開する袋状のエアバッグ14と、これらインフレータ12とエアバッグ14とを連結して座席に固定する固定具16と、これら部材を収納するカバーである図示しない樹脂製のケース体となどを備えている。
そして、インフレータ12は、図1ないし図3に示すように、1本の略円柱状の本体部20に、互いに独立してガスを噴射可能な複数のガス供給手段、いわゆる複数のスクイブを備えたマルチスクイブインフレータであり、本実施の形態では、第1のスクイブ21と第2のスクイブ22との2個のスクイブを備えたいわゆるツインスクイブのインフレータ12を構成している。すなわち、本実施の形態では、本体部20の一端側である下側に位置する第1のスクイブ21と、他端側である上側に位置する第2のスクイブ22とが直列に配置され、第1のスクイブ21の第1のコネクタ21aは一端部である下端部、第2のスクイブ22の第2のコネクタ22aは他端部である上端部に設けられている。また、第1のスクイブ21には、本体部20の下端部近傍に位置してディフューザである第1のガス噴射口21bが設けられ、第2のスクイブ22には、本体部20の上端部から若干離間して位置してディフューザである第2のガス噴射口22bが設けられている。そして、各ガス噴射口21b,22bは、本体部20の他の部分より径寸法の小さいあるいは略同じ径寸法をなし、それぞれ本体部20の周面にガス吐出口となる複数の孔部23が形成されている。そして、第1のスクイブ21は、第1のコネクタ21aに点火信号が流れることにより、内部に充填した推進薬を反応させ、あるいは内部のボンベに貯留したガスを開放などして、第1のガス噴射口21bからガスを噴射する。同様に、第2のスクイブ22は、第2のコネクタ22aに点火信号が流れることにより、内部に充填した推進薬を反応させ、あるいは内部のボンベに貯留したガスを開放などして、第2のガス噴射口22bからガスを噴射する。また、本実施の形態では、第1のスクイブ21は、第2のスクイブ22よりも出力の大きいいわばメイン側(ファースト側)となっており、第1のスクイブ21と第2のスクイブ22との出力比は、8:2 〜 6:4 に設定されている。
また、固定具16は、内側固定具としてのリテーナ25と、外側固定具26とを有している。さらに、この外側固定具26は、第1固定具であるセパレータ27と、このセパレータ27に組み合われる第2固定具であるプレートスペーサ28とを備えている。
そして、リテーナ25は、板金を折曲形成したリテーナ本体部31と、このリテーナ本体部31に溶接などして固着された取付手段であるボルト32とを備えている。そして、リテーナ本体部31は、略平板状の基板部33と、この基板部33から一体に延設されたインフレータ保持部34と、同じく基板部33から一体に延設された内側挟持部35とを備えている。また、インフレータ保持部34は、インフレータ12の本体部20が挿入可能な略円筒状に湾曲され、先端側に設けた固定部34aが図示しないリベットにより基板部33に固定されるとともに、インフレータ12に弾性的に当接して位置決め保持する複数の位置決め固定部34bが一体に切り起こしなどして形成されている。
また、内側挟持部35は、内周面が、インフレータ保持部34に保持されたインフレータ12の第1のガス噴射口21bに対し、所定の寸法の間隔Lだけ離間して対向するガス案内部37となるように湾曲されている。さらに、このガス案内部37は、リテーナスカート部とも呼びうるもので、インフレータ12の軸方向である長手方向に対して、一方向に拡開する円錐台状に形成されている。すなわち、ガス案内部37は、第1のガス噴射口21bに対して傾斜した傾斜面として形成され、所定の分配率で他方向に対してよりも一方向に対してガスを多く分配するようになっている。そして、本実施の形態では、ガス案内部37は、インフレータ12の一端側となる下方に向かって拡開し、下方に向かってガスを多く分配するように形成されている。
また、リテーナ本体部31の基板部33には、内側挟持部35に近接して、円孔状の取付孔39が形成されている。
一方、セパレータ27は、板金を折曲などして形成され、外側挟持部41と、この外側挟持部41の両端部から延設された取付片部42,43とを備えている。そして、外側挟持部41は、内側挟持部35の外周面に密着可能に湾曲されている。また、取付片部42,43には、取付手段であり締付手段であるボルト46,47が挿入されあるいは溶接などして固着されている。
また、プレートスペーサ28は、板金を折曲などして形成され、本実施の形態では、リテーナ本体部31の長手方向に略沿った第1の片部51と、セパレータ27の長手方向に略沿った第2の片部52とを備えた略T字状に形成されている。そして、第1の片部51には、リテーナ本体部31に固着したボルト32が挿通する一対の取付孔53が形成され、第2の片部52には、セパレータ27に固着したボルト46,47が挿通する一対の取付孔54,55が形成されている。
また、エアバッグ14は、1枚あるいは複数枚の基布を縫合して構成されている。本実施の形態では、互いに略同型の2枚の基布を重ね合わせ、部品挿入部となる開口部58の部分を除いて外周部近傍を縫合部59で縫い合わせることにより、偏平な袋体の外殻が構成されている。そして、この袋体の内側には、基端部が縫合部59に重なる線分状の隔壁60が形成され、この隔壁60により、この隔壁60の下側に位置する分室である第1の分室としての腰部保護室61と、隔壁60の上側に位置する分室である第2の分室としての胸部保護室62とが略気密に区画形成されているとともに、隔壁60の開口部58側の端部64に臨み、ガス導入部65が形成されている。すなわち、隔壁60により、腰部保護室61と胸部保護室62とが略気密に区画されているとともに、これら腰部保護室61と胸部保護室62とは、ガス導入部65のみを介して互いに連通している。
また、この隔壁60は、単に基布同士を縫い合わせて形成することもできるが、本実施の形態では、上端部を折り線66とした細長矩形状の中間基布67の両側縁近傍を、縫合線68で長手方向に沿ってそれぞれ基布に縫合することにより、若干のまちを有し、すなわちエアバッグ14が所定の幅寸法で偏平に展開するように形成されている。
そして、このエアバッグ14には、ガス導入部65に2対と、端部64近傍の隔壁60の部分とに、それぞれ取付孔71,71,72,72,73が形成されている。なお、これら取付孔71,71,72,72,73のうち、開口部58に近接して上下に対をなす外側取付孔71,71と、隔壁60の端部64の取付孔73とは、重ね合わせた基布を貫通して形成されているが、開口部58から離間して上下に対をなす内側取付孔72,72は、一方の基布のみに貫通して形成されている。
なお、これらの基布には、必要に応じて防炎布などとも呼ばれる補強布が重ねて縫い合わされている。例えば、本実施の形態では、エアバッグ14の下側部を保護する補強布75と、ガス導入部65の近傍に配置された補強布76とが、それぞれ両側の基布に縫い合わされているとともに、隔壁60の端部64に形成した取付孔73に同軸状に配置された円形状の補強布77がそれぞれ基布に縫い合わされている。
次に、このエアバッグ装置11の組立工程を説明する。
まず、インフレータ12をリテーナ25のインフレータ保持部34に挿入した状態で、固定部34aをリベットで基板部33に固定することにより、インフレータ保持部34がインフレータ12に圧接されるとともに、位置決め固定部34bがインフレータ12の本体部20に設けた凹部に係合し、インフレータ12が位置決め保持され、インフレータ12とリテーナ25とを組み合わせた組立体が構成される。
次いで、この組立体を開口部58からエアバッグ14に挿入し、2本のボルト32をそれぞれ内側取付孔72から外側に引き出す。さらに、エアバッグ14の開口部58の部分を折返し、各ボルト32を外側取付孔71に挿入する。
この状態で、リテーナ本体部31の基板部33の一部が、隔壁60を構成する中間基布67の端部64に折り線66に沿って形成された切欠部66aに挿入され、基板部33の取付孔39とエアバッグ14の取付孔73とが位置合わせされる。
さらに、この状態で、エアバッグ14の一側にセパレータ27を配置するとともに、エアバッグ14の他側にプレートスペーサ28を配置し、これらセパレータ27とプレートスペーサ28とでリテーナ25とともにエアバッグ14を挟持する。すなわち、セパレータ27の一方のボルト46を取付孔73,39に挿入し、他方のボルト47はエアバッグ14の外方に配置する。そして、これらボルト46,47及びリテーナ25のボルト32,32を、それぞれプレートスペーサ28の取付孔54,55,53,53に挿入し、セパレータ27のボルト46,47にそれぞれ固着具であり締付具であるナット80,80を螺合して締め付ける。すると、ボルト46,47で締め付けられた部分でセパレータ27の取付片部42,43とプレートスペーサ28とが互いに圧着されるとともに、セパレータ27の外側挟持部41とリテーナ25の内側挟持部35とが互いに圧着される。
そして、適宜の状態にエアバッグ14を折り畳み、容易に破断可能なテープなどの保形手段でエアバッグ14の折り畳み形状を保持する。
そして、このエアバッグ装置11を、図示しないケースに収納した上で、座席の側部に収納し、ナットなどを用いて、リテーナ25のボルト32を座席のフレームなどに固定することにより、エアバッグ装置11が自動車の座席に取り付けられる。
さらに、このエアバッグ装置11のインフレータ12の各コネクタ21a,22aは、図示しないハーネスを介して、車両側に備えられた制御手段としての制御装置に接続される。この制御装置は、CPUを備えるとともに、単数あるいは複数のセンサが接続され、乗員や衝突の状態に応じてインフレータ12の第1のスクイブ21及び第2のスクイブ22の一方あるいは両方を起動させる点火信号を送る。そして、センサは、乗員の体型や姿勢を検知するものとして、CCDカメラ、シートに内蔵された体重(ウェイト)センサ、及びシートの前後位置やリクライニング状態を検出するシートスライドリクライニングセンサなどを備えている。また、センサは、衝突の状態を検知するものとして、車体側面に衝突検知センサを備えている。
そこで、車両が側面衝突などの衝撃を受けると、各センサのセンシング信号に基づき、制御手段は、乗員の保護に適切な状態すなわち反力及び形状で、通常は1個、必要に応じて2個のスクイブ21,22を起動し、第1のガス噴射口21bあるいは第2のガス噴射口22bからガスを噴射する。すると、このガスの圧力により、エアバッグ14はカバーを開いて座席から突出し、乗員とドアパネルとの間に膨張展開する。
ここで、2個のスクイブ21,22を用いたエアバッグ14の展開パターンとしては、第1のスクイブ21のみを作動させる第1のパターンと、第1のスクイブ21及び第2のスクイブ22を作動させる第2のパターンと、第2のスクイブ22をのみを作動させる第3のパターンがあり、制御手段は、乗員や衝突の状態に応じていずれかのパターンを選択する。
そして、第1のパターンは、比較的小柄な乗員を想定した通常すなわち基本のパターンであり、第1のスクイブ21の第1のガス噴射口21bから噴射されたガスは、図1に示すように、リテーナ25のガス案内部37に案内されて所望の分配率で上下に分配され、下方に向かう主流Aと、上側に向かう副流Bとなる。そして、主流Aは腰部保護室61に、副流Bは胸部保護室62に、それぞれ直接的に同時に供給され、これら保護室61,62を互いに異なる反力で膨張展開させ、所定の形状及び反力で乗員を保護する。
また、第2のパターンは、比較的大柄な乗員を想定したパターンであり、第1のスクイブ21の第1のガス噴射口21bから噴射されるガスA,Bに加え、第2のスクイブ22の第2のガス噴射口22bから胸部保護室62に直接的にガス流Cを供給し、胸部保護室62の反力を増加させた状態で、乗員を保護する。
さらに、乗員や衝突の状態に応じて、第3のパターンが選択され、この第3のパターンは、第2のスクイブ22の第2のガス噴射口22bから供給したガス流Cにより主として胸部保護室62を膨張展開させた形状及び反力で乗員を保護する。
このように、本実施の形態によれば、乗員の胸部あるいは胸部から腰部を保護するサイドエアバッグにおいて、隔壁60で区画形成した腰部保護室61及び胸部保護室62を備えるとともに、第1のスクイブ21及び第2のスクイブ22を備えたマルチスクイブタイプのインフレータ12を用い、車両からのセンシング信号によりインフレータ12の出力を変化させたため、複数のインフレータを用いる構成に比べて構造を簡略化しつつ、複数の分室を備えたエアバッグ14の形状及び反力特性を変化させることが可能になり、乗員の体型・姿勢や衝突条件に応じて最適なエアバッグ14の反力を容易に実現できる。すなわち、基本的には、乗員の体重・体格がより大きい場合に、必要反力はより大きくなり、衝突速度がより大きい場合に、必要反力がより大きくなるが、マルチスクイブ化によりエアバッグ14の各分室61,62の反力を容易に変化させることができ、所望の特性を容易に実現できる。
また、本実施の形態では、第1のスクイブ21と第2のスクイブ22とをそれぞれ腰部保護室61と胸部保護室62との専用として配置するのではなく、出力の大きい第1のスクイブ21は腰部保護室61と胸部保護室62とが連通するガス導入部65に配置し、この第1のスクイブ21から供給するガスを、リテーナ25のガス案内部37で案内して腰部保護室61と胸部保護室62とに分配し、第1のスクイブ21より出力の小さい第2のスクイブ22から供給するガスを一方の分室である胸部保護室62に供給するようにしたため、可能性の高いパターンで利用されないスクイブを小さくして、インフレータ12の容量すなわち出力を有効に利用できる。そこで、インフレータ12の大型化を抑制し、エアバッグ装置11の小形化、軽量化、製造コストの低減を容易にすることができる。
また、本実施の形態では、エアバッグ14の隔壁60に接して、固定具16を構成するセパレータ27及びプレートスペーサ28で、外側からリテーナ25の内側挟持部35の部分とともにエアバッグ14を挟み込み、さらには、隔壁60の一部である端部64を挟み込んだため、エアバッグ14とリテーナ25の内側挟持部35とを密着させ、すなわち、隔壁60の端部64の気密を保持できる。そこで、分室である腰部保護室61と胸部保護室62とを区画する隔壁60の気密性を容易に向上でき、インフレータ12から供給される高圧のガスに抗して、これら分室61,62の気密を確保できるため、1個のスクイブ21からガスを供給する場合にも、各分室61,62に供給するガスの圧力をそれぞれ容易に制御でき、所望の最適な圧力特性すなわち展開特性を容易に実現できる。例えば、腰部保護室61は、ガスの圧力を急速に、かつピーク圧も大きくするとともに、胸部保護室62は、比較的に緩やかに、かつ、ピーク圧も比較的低い状態で展開させ、乗員を保護対象に適した特性で効果的に保護することができる。
また、腰部保護室61と胸部保護室62とは、第1のガス噴射口21bとガス案内部37との間の間隔Lを介して連通しているため、内側挟持部35の内周面であるガス案内部37により所望の割合で容易にガスを分配することができる。すなわち、第1のガス噴射口21bに対するこのガス案内部37の傾斜角度などを調整することにより、各分室61,62へのガスの分配率を容易に調整できる。さらに、ガス案内部37は気密性を向上する構造である内側挟持部35の内周面に一体に形成されているため、部品点数の増加もなく、製造コストを容易に抑制できる。また、上記の各実施の形態において、必要に応じて、リテーナ25とセパレータ27となどに挟まれる部分に、シール材として、ウレタンあるいはネオプレンゴムなどの軟質なパッキンを配置することにより、エアバッグ14と固定具16との密着性を容易に向上でき、より容易に気密性を向上できる。このパッキンは、リテーナ25の内側挟持部35の外周面に設け、あるいは、セパレータ27の内周面などに設けることもできる。
なお、上記の実施の形態では、第1のスクイブ21により、腰部保護室61及び胸部保護室62の両分室すなわちエアバッグ14全体にガスを供給し、第2のスクイブ22により、胸部保護室62にガスを供給したが、この構成に限られず、第2のスクイブ22により、腰部保護室61側にガスを供給することもできる。
また、上記の実施の形態では、エアバッグ14は、腰部保護室61と胸部保護室62とを備える2室の構成を説明したが、この構成に限られず、3室以上の複数の分室を設けることもできる。例えば、隔壁60に加えて、この隔壁60と略平行に第2の隔壁を設けるとともに、これら隔壁60のガス導入部65側の端部を第3の隔壁で閉塞し、腰部保護室61と胸部保護室62との間に第3の分室としての腹部保護室を設ける3室の構成とすることもできる。そして、この構成では、第2の隔壁に連通口が設けられ、胸部保護室62に供給された副流Bが、胸部保護室62を介して腹部保護室に供給される。そこで、この構成では、乗員の腰部、胸部、腹部について、それぞれ所望の特性で効果的に保護することができ、また、例えば、アームレストが存在する場合にも、乗員を効果的に保護することなどが可能になる。
また、インフレータ12は、第1のスクイブ21と第2のスクイブ22との2個のスクイブを備えたが、さらに、分室の数などに応じて、第3のスクイブを備えたいわばトリプルスクイブあるいは4個以上のスクイブを備えた構成とし、第1のスクイブとともに、必要に応じてこれら第2及び第3のスクイブなどを起動してガスを供給することもできる。例えば、腹部保護室を設けた場合には、この腹部保護室に直接的にガスを供給する第3のスクイブを設けることができる。
また、上記の実施の形態では、第1のスクイブ21と第2のスクイブ22とは同時に起動したが、この構成に限られず、制御手段の制御により、複数のスクイブを互いに時間差を持って起動させることもできる。例えば、第1のスクイブ21に対し第2のスクイブ22など他のスクイブを遅延させて起動させることもできる。
また、上記の実施の形態では、腰部保護室61と胸部保護室62とは、ガス導入部65のみを介して互いに連通し、各分室61,62は隔壁60により互いに略気密に構成したが、この構成に限られず、例えば、隔壁60に連通部を設け、ガスが挿通可能とすることもできる。
また、第1のスクイブ21が供給するガスの各分室61,62への分配率の調整については、例えば、第1のガス噴射口21bの形状などによることもできる
また、インフレータ、リテーナ、エアバッグの形状や構成は上記のものに限られず、種々の構成のものを用いることができる。例えば、リテーナは、インフレータから供給されるガスを冷却する冷却手段を備えることもできる。また、エアバッグには、供給されたガスを排気可能な排気口を設けることもできる。
本発明は車両の座席に備えられるエアバッグ装置の他、車両のピラー部分に備えることもでき、また、車両以外の移動体に備えることもできる。
本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を示す展開状態の説明図である。 同上エアバッグ装置の分解状態の説明図である。 同上エアバッグ装置のインフレータとリテーナを示す斜視図である。
符号の説明
11 エアバッグ装置
12 インフレータ
14 エアバッグ
21b 第1のガス噴射口
22b 第2のガス噴射口
25 リテーナ
26 外側固定具
34 インフレータ保持部
35 内側挟持部
37 ガス案内部
60 隔壁
61 第1の分室としての腰部保護室
62 第2の分室としての胸部保護室

Claims (3)

  1. 互いに隔壁で区画された第1の分室及び第2の分室を備えたエアバッグと、
    互いに独立して動作しそれぞれガスを噴射可能な第1のガス噴射口及び第2のガス噴射口を備えたインフレータと、
    前記第1のガス噴射口に対して傾斜した傾斜面として形成されたガス案内部とを具備し、
    前記第1のガス噴射口から噴射されたガスは、前記ガス案内部で分配されて前記第1の分室及び第2の分室の両方に供給され、前記第2のガス噴射口から噴射されたガスは、前記第1の分室及び第2の分室のいずれか一方に供給される
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. エアバッグは、乗員の側方に展開し、第1の分室は、乗員の腰部に対向して展開する腰部保護室を構成し、第2の分室は、乗員の胸部に対向して展開する胸部保護室を構成し、
    インフレータを保持するインフレータ保持部及び内側面がガス案内部となる内側挟持部を備えたリテーナと、
    前記内側挟持部との間に前記隔壁の端部を挟み込み、前記エアバッグとリテーナの内側挟持部とを密着させる外側固定具とを具備した
    ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
  3. 衝撃及び乗員の状態に応じて、第1のガス噴射口及び第2のガス噴射口からそれぞれガスを噴射させるか否かを制御する制御手段を具備した
    ことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ装置。
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