JP2009107577A - エアバッグ及びエアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】助手席乗員用のエアバッグの展開特性を容易に向上する。
【解決手段】インストルメントパネル部から展開する助手席乗員用のエアバッグ11の内側に内側パネル34を配置し、膨出部33を中間気室37とこの中間気室37の両側に沿った側部気室36,36とに区画する。ガス導入部50から導入したガスを、まず、両側の側部気室36,36に導入し、側部気室36,36が展開する。次いで、中間連通部54を介してガスを中間気室37に導入し、中間気室37が展開する。側部気室36,36により助手席の乗員の肩を確実に拘束して支持できるとともに、中間気室37により乗員の頭部は適切な力で支持できる。
【選択図】図1
【解決手段】インストルメントパネル部から展開する助手席乗員用のエアバッグ11の内側に内側パネル34を配置し、膨出部33を中間気室37とこの中間気室37の両側に沿った側部気室36,36とに区画する。ガス導入部50から導入したガスを、まず、両側の側部気室36,36に導入し、側部気室36,36が展開する。次いで、中間連通部54を介してガスを中間気室37に導入し、中間気室37が展開する。側部気室36,36により助手席の乗員の肩を確実に拘束して支持できるとともに、中間気室37により乗員の頭部は適切な力で支持できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、自動車のインストルメントパネル部に備えられる助手席乗員用のエアバッグ及びエアバッグ装置に関する。
従来、例えば、自動車のインストルメントパネル部に備えられる助手席乗員用のエアバッグ装置が知られている。このエアバッグ装置は、箱状をなすケース体を備え、このケース体の内側に、ガスを供給するインフレータと、所定の形状に折り畳まれたエアバッグとを収納している。そして、自動車の衝突などの際には、インフレータからガスを供給して、助手席に着席した乗員の前方にエアバッグを膨張展開させ、乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている。
そして、このようなエアバッグについて、乗員がインストルメントパネル部に近接した状態でエアバッグ装置が作動した場合などにも、乗員を適切に保護できるように、種々の構成が提案されている。例えば、助手席乗員用のエアバッグ装置について、エアバッグの左右方向の中央部を所定の長さのテザーなどを用いてインフレータ側に連結し、エアバッグをいわば1カ所の基部から2カ所の先端部を有する平面略V字状に展開させる構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この構成では、エアバッグの内側は1個の気室であり、この気室にガスを導入して展開したエアバッグが、2カ所の先端部で乗員の肩を受け止めて拘束し、さらに、ベントホールからガスを排気して、乗員を適切に保護することが図られている。
ところで、この構成では、ベントホールの排気能力を大きくすると、乗員の肩を拘束した状態で内圧が小さくなりいわゆる底づきし易くなるため、ベントホールの排気能力は、肩の拘束に対して適正な値となるように調整する必要がある。一方、乗員の頭部は、肩が拘束された後に、V字状に展開したエアバッグの谷間の部分に入って拘束される。すなわち、この谷間の傾斜面に当接するまで、頭部は実質的に無拘束であり、その後、肩を拘束している高圧のエアバッグに当接して拘束されることになるが、拘束の際に頭部が急減速することがないように内圧を小さくすることが求められ、適切な展開特性の設定は必ずしも容易でない。
特開2006−176091号公報 (図10)
上記のように、従来の構成では、エアバッグの適切な展開特性の設定が容易でない問題を有している。本発明は、このような点に鑑みなされたもので、容易に適切な展開特性を実現できるエアバッグ及びエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグは、ガスが導入され乗員に対向して展開する膨出部を備えたエアバッグであって、前記膨出部は、中間気室と、この中間気室の両側部に沿って層状に配置された一対の側部気室と、前記各側部気室に連通するガス導入部と、前記各側部気室と前記中間気室とを連通させる中間連通部とを具備するものである。
そして、この構成では、エアバッグのガス導入部にガスを導入すると、このガスは両側の側部気室に導入され、これら側部気室を展開させる。ついで、中間連通部を介して、側部気室からガスが中間気室に導入され、この中間気室を展開させる。乗員に対向して展開するエアバッグは、中央部に比べて両側部が迅速かつ高圧に展開し、乗員の肩や胸を確実に拘束して保護するとともに、中央部が比較的低速かつ低圧に展開し、乗員の頭部や胸部の中央部を適切に拘束して保護する適切な展開特性が容易に実現される。
請求項2記載のエアバッグは、請求項1記載のエアバッグにおいて、乗員に対向する対向面部と、この対向面部の左右両側の端部から反乗員方向に向かう側面部と、これら対向面部及び側面部の上側の端部を互いに連結する上面部と、これら対向面部及び側面部の下側の端部を互いに連結する下面部と、前記各側面部の内側に沿って配置され、中間気室と側部気室とを区画する内側面部とを具備するものである。
そして、この構成では、中央部に比較して両側部が迅速かつ高圧に展開し、乗員の肩や胸を確実に拘束して保護するとともに、中央部が比較的低速かつ低圧に展開し、乗員の頭部や胸部の中央部を適切に拘束して保護する適切な展開特性が容易に実現される。
請求項3記載のエアバッグは、請求項1または2記載のエアバッグにおいて、中間気室を膨出部の外部に連通するベントホールを備えたものである。
そして、この構成では、中間気室にベントホールを設けることにより、乗員の頭部や胸部の中央部に加わる圧力の軽減が容易になる。
請求項4記載のエアバッグは、請求項2記載のエアバッグにおいて、側面部と内側面部とを環状に接合する接合部と、この接合部に囲まれた位置で中間気室を膨出部の外部に連通するベントホールとを備えたものである。
そして、この構成では、中間気室からエアバッグの側方に直接にガスを排気可能となる。側面部と内側面部とを接合する接合部により、側部気室の展開形状が容易に規制される。
請求項5記載のエアバッグ装置は、助手席の乗員に対向してインストルメントパネル部に配置される助手席乗員用のエアバッグ装置であって、ガスが導入されて乗員の上体に対向して展開する請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグと、このエアバッグのガス導入部にガスを供給するインフレータとを具備するものである。
そして、この構成では、請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグを備えたため、助手席に着席した乗員に対向して展開するエアバッグは、中央部に比較して両側部が迅速かつ高圧に展開し、乗員の肩や胸を確実に拘束して保護するとともに、中央部が比較的低速かつ低圧に展開し、乗員の頭部や胸部の中央部を適切に拘束して保護する適切な展開特性が容易に実現される。
本発明によれば、乗員に対向して展開するエアバッグは、中央部に比べて両側部が迅速かつ高圧に展開し、乗員の肩や胸を確実に拘束して保護できるとともに、中央部が比較的低速かつ低圧に展開し、乗員の頭部や胸部の中央部を適切に拘束して保護できる適切な展開特性を容易に実現できる。
以下、本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、1はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置1は、移動体である車両としての自動車2の助手席、すなわち被保護物である助手席の乗員Aの前方に位置する被設置部としてのインストルメントパネル部4の内側に配置され、助手席乗員用のエアバッグ装置1を構成している。なお、以下、前後方向、両側方向、及び上下方向は、それぞれエアバッグ装置1を自動車に取り付けた状態における自動車の直進方向を基準として説明する。そして、インストルメントパネル部4は、後側すなわち助手席側に向かって若干下降する曲面状などに形成され、このインストルメントパネル部4の内側に配置された被取付部材としての図示しないステアリングメンバに、エアバッグ装置1が正面側Bを上方から若干後側すなわち乗員A側に向けて傾斜した状態でねじ止めなどして固定されている。また、インストルメントパネル部4の上方には、前側下方から上側後方に向かって傾斜したウインドシールドであるフロントガラス5が配置されている。
そして、このエアバッグ装置1は、基布にて構成された袋状のエアバッグ11、このエアバッグ11にガスを供給するインフレ−タ12、これらエアバッグ11とインフレ−タ12となどが取り付けられるケース体14、リテーナプレート15、及び展開前のエアバッグ11を覆う図示しないカバー体などを備えている。
そして、ケース体14は、略箱状に形成され、正面側Bあるいはフロントガラス5に向かう上側を開口部である矩形状の突出口21とし、内側が、折り畳んだエアバッグ11を収納するエアバッグ収納部22とされている。そして、この突出口21は、通常時は、カバー体により覆われている。
また、インフレ−タ12は、本実施の形態では、2個一組で用いられ、各インフレ−タ12は、円盤状をなす本体部12aを備え、この本体部12aの高さ方向の中間位置から、四角板状のフランジ部12bが突設され、このフランジ部12bの四隅には取付孔である通孔が形成されている。そして、この本体部12aの上側部、すなわちフランジ部12bの上方に位置して、本体部12aの外周面に、複数のガス噴射口が形成されている。そして、本体部12aの内側には、点火器及び薬剤が収納され、底部に接続されたコネクタからの電気信号により、点火器が薬剤を燃焼させ、ガス噴射口から膨張用のガスを急速に供給するようになっている。そして、このインフレ−タ12は、ガス噴射口を設けた本体部12aをエアバッグ11の内側に挿入した状態で、ケース体14の底部に取り付けられ、あるいはケース体14の内側に配置されている。なお、インフレ−タ12は、種々の形状があり、例えば、円柱状の本体部をエアバッグ11の内側に配置する構成を採ることもできる。
そして、リテーナプレート15は、枠状をなすリテーナ本体と、このリテーナ本体から突設された取付ボルトなどを備えている。
また、カバー体は、樹脂にてインストルメントパネル部4と一体あるいは別体をなして形成され、他の部分より薄肉で容易に破断するテアラインが平面略H字状などに形成されている。
そして、エアバッグ11は、図1ないし図10に示すように、主として、基布であるメインパネル31とサイドパネル32とを組み合わせて袋状の外殻を構成し、この外殻の内側にガスが導入されて膨張展開する膨出部33が形成されているとともに、この膨出部33に基布である内側パネル34が配置され、この内側パネル34により、膨出部33が両側の側部気室(側面チャンバ)36,36と中間気室(中央チャンバ)37とに区画されている。
そして、メインパネル31は、図7などに示すように、全体としては所定の幅寸法を有する細長な帯状で、長手方向の一方の端縁部31aと、他方の端縁部31bとを対向させるようにして、側面視略C字状に配置される。そして、このメインパネル31の長手方向の中央部が正面部である対向面部41となり、この対向面部41の一方の端縁部31a側が上面部42となり、この対向面部41の他方の端縁部31b側が下面部43となっている。
また、サイドパネル32は、図8などに示すように、変形した円形状などをなす両側一対の側面部45,45を、基部連接部46で連接した平面亜鈴状をなしている。そして、各側面部45の上側部には、それぞれ排気口であるベントホール48を構成する外側ベントホール48aが円孔状に形成されている。また、基部連接部46には、2個のインフレ−タ12を装着可能な亜鈴状の開口であるガス導入部50が形成されている。さらに、このガス導入部50の周囲には、図示しない取付孔が複数形成されている。
また、内側パネル34は、図9などに示すように、サイドパネル32と略同形状で、変形した円形状などをなす両側一対の内側面部52,52を、内側連接部53で連接した平面亜鈴状をなしている。そして、各内側面部52の上側部には、それぞれベントホール48を構成する内側ベントホール48bが外側ベントホール48aと同じ径寸法で円孔状に形成されている。さらに、各内側面部52の下側部には、それぞれ円孔である中間連通部54が形成されている。そして、この中間連通部54の径寸法すなわち開口面積は、ベントホール48の径寸法すなわち開口面積よりも小さく形成されている。さらに、内側連接部53には、作業用開口部55がスリット状に形成されている。
そして、エアバッグ11は、これらメインパネル31、サイドパネル32、及び内側パネル34を互いに縫い合わせるなどして接合して袋状に構成されている。具体的には、図3及び図4に示すように、サイドパネル32と内側パネル34とを重ねて外周部を内側接合部57に沿って糸で縫い合わせ、さらに、各外側ベントホール48aと内側ベントホール48bとが位置合わせされ互いに連通した状態で、これら外側ベントホール48aと内側ベントホール48bの周囲を囲んで糸で縫い合わせるなどして接合し、サイドパネル32と内側パネル34とを接合する円環状の接合部60を形成するとともに、この接合部60に囲まれた円孔状のベントホール48を形成する。
そして、袋の内側と外側とを反転した状態で、これらサイドパネル32及び内側パネル34の外周部をメインパネル31に外側接合部58に沿って糸で縫い合わせる。すなわち、サイドパネル32の側面部45及び内側パネル34の内側面部52の外周部を、メインパネル31の長手方向に沿った部分に接合し、サイドパネル32の基部連接部46及び内側パネル34の内側連接部53の外周部を、メインパネル31の端縁部31a,31bに沿った部分に接合し袋状とする。そして、ガス導入部50及び作業用開口部55を介して、袋の外殻の内外を反転させることにより、乗員Aの上体に対向して展開する対向面部41と、この対向面部41の左右両側端部から反乗員方向すなわち前方に向けて形成された左右の側面部45と、左右の側面部45の上下各端縁を相互に連結する上面部42及び下面部43とを備えるとともに、内部の膨出部33に、左右両側部にそれぞれ層状に形成した一対の側部気室36,36と、これら側部気室36,36同士の間に層状に形成された中間気室37とを備えた立体形状のエアバッグ11が形成される。
また、この状態で、エアバッグ11のサイドパネル32の基部連接部46の上下の部分には、正面側に向かういわば襠が形成され、サイドパネル32の基部連接部46と内側パネル34の内側連接部53とが離間し、これら基部連接部46と内側連接部53との間に、ガス導入部50を構成し両側の側部気室36,36に直接連通する連通空間61が構成され、いわば、側部気室36,36にガス導入部50を形成した状態となっている。
なお、図示しないが、このエアバッグ11のメインパネル31、サイドパネル32、及び内側パネル34には、補強布ないし防炎布などと呼ばれる基布であるパッチが複数の重ねて縫い合わされ、機械的及び熱的な強度の向上が図られており、また、折り畳んだエアバッグ11の形状を保持するとともにエアバッグ11の展開時に破断するラッピング部材であるシートが重ねて縫い合わされている。
さらに、内側パネル34の作業用開口部55は、図4に示すように、閉塞部材62により閉塞する。この閉塞部材62は、図10に示す基布でありスリット塞ぎパネルであるパッチ63を2枚用いて構成する。すなわち、これらパッチ63は、内側パネル34の外側すなわちサイドパネル32側の面に重ねられ、長手方向に沿った一側部63aを作業用開口部55の長手方向に沿って縫合などして接合し、さらに、長手方向に沿った中間部で折り曲げるようにして、長手方向に沿った他側部63bをサイドパネル32のガス導入部50側に立ち上げ、これら他側部63bを互いに縫合などして接合し、スリットである作業用開口部55をガスが流れないように構成されている。
このようにして、いわば2ピース3チャンバのエアバッグ11が構成されている。
そして、このように構成されたエアバッグ11は、リテーナプレート15のリテーナ本体をガス導入部50の内側に配置し、リテーナプレート15の取付ボルトを取付孔から引き出した状態で、所定の形状に折り畳まれ、シートなどにより形状を保持する。そして、折り畳んだエアバッグ11をケース体14のエアバッグ収納部22に収納するとともに、ガス導入部50にインフレ−タ12のガス噴射口を設けた本体部12aを挿入し、リテーナプレート15の取付ボルトをインフレ−タ12のフランジ部12b及びケース体14の底部に設けた取付孔に挿入し、さらに取付ボルトの先端からナットを螺合して締め付ける。この状態で、リテーナ本体とナットとの間に、エアバッグ11のガス導入部50の周囲の部分とケース体14、及びインフレ−タ12が共締めして固定され、エアバッグ装置1が構成される。
そして、このエアバッグ装置1は、自動車2のインストルメントパネル部4に取り付けられ、センサなどを備えた図示しない制御装置に電気的に接続される。
そして、このように構成されたエアバッグ装置1は、自動車2の衝突などの際に、制御装置がインフレ−タ12を作動させ、このインフレ−タ12からガスを噴射させる。すると、このエアバッグ11は、図2に示すように、ガスの流入に伴い膨張展開し、カバー体のテアラインを破断して突出口21から突出し、直接に、あるいはフロントガラス5に沿って、正面側Bに向かい膨張展開して、助手席に着席した乗員Aの上体の前方に対向面部41を対向させて展開し、乗員Aを拘束して衝突の衝撃から保護する。
ここで、エアバッグ11は、中間気室37と、この中間気室37の両側に沿った層状の側部気室36,36とを備えるが、ガス導入部50から導入されたガスは、このガス導入部50を構成する連通空間61から直接には両側の側部気室36,36に供給され、中間気室37より先に、両側の側部気室36,36を膨張展開させる。すなわち、まず、対向面部41の内、両側の側部気室36,36に対応する部分が、乗員Aの上体の両側部に向かって展開する。次いで、各側部気室36に導入されたガスは、これら側部気室36を介して、いわば間接的に、図1(b)及び図3に矢印G1で示すように、中間連通部54を通って中間気室37に導入され、中間気室37を膨張展開させる。そして、この中間気室37を膨張展開させたガスは、図1(b)及び図3に矢印G2で示すように、ベントホール48を介して、中間気室37の外側に、本実施の形態では両側方に向かいエアバッグ11の外側に排気される。
エアバッグ装置1の作動時の、エアバッグ11の中間気室37及び側部気室36の内圧の変化をグラフを図11に示す。縦軸Pは対数目盛で示す圧力[kPa]、横軸tは時間[ミリ秒]である。このグラフに示すように、実線Xに示す側部気室36の内圧は、実線Yに示す中間気室37の内圧よりも常に大きく、特に展開初期に大きく、中間気室37に対して側部気室36が迅速に展開することが示されている。
このように、本実施の形態では、助手席乗員用のエアバッグ装置1について、エアバッグ11は、乗員Aに対して縦方向に3層に分割され、中間気室37と、この中間気室37の両側に沿った層状の側部気室36,36とが形成されているとともに、ガス導入部50から導入されたガスは、直接的には側部気室36,36に供給され、これら側部気室36,36から中間連通部54を通っていわば間接的に中間気室37に導入される。そこで、エアバッグ11は、両側の側部気室36,36を迅速に展開させ、エアバッグ11の好ましい展開形状を迅速に形成できるとともに、これら側部気室36,36の内圧を、中央部の中間気室37よりも高くすることができる。このため、比較的高圧でいわば硬く展開した側部気室36,36により、乗員Aの肩や胸部の外側を確実に拘束して、乗員Aが底つきなどしないように確実に支持して保護できるとともに、比較的低圧でいわば柔らかく展開した中間気室37で乗員Aの頭部や胸部の中央部を受け止め、衝撃を吸収しつつ拘束できる。そこで、乗員Aの拘束時に、頭部が急減速することがなく、また、乗員Aがエアバッグ装置1すなわちインストルメントパネル部4に胸部あるいは頭部を近接させたいわゆるOOPの状態でも、乗員Aの胸部や頭部に加わる圧力は小さく適切な力で支持し、いわゆる首振り現象や胸変位を容易に抑制して乗員Aを保護でき、助手席乗員用のエアバッグ装置1に用いるエアバッグ11として、好ましい特性を容易に実現できる。
また、側部気室36と中間気室37とを連通する中間連通部54の開口面積よりも、中間気室37からエアバッグ11の外部に連通するベントホール48の開口面積を大きくしたため、中間気室37に導入されるガスに対して、エアバッグ11外にガスを排気し易くなり、側部気室36の内圧よりも、中間気室37の内圧を容易に小さくできるとともに、近接展開時などにも中間気室37の内圧を容易に小さくできる。
また、サイドパネル32の側面部45と内側パネル34の内側面部52とを円環状の接合部60で接合するとともに、この接合部60に囲まれた部分にベントホール48を設けたため、乗員Aへの影響の小さい側方に向けてガスを排気できるとともに、接合部60により、側部気室36,36を両側方向の幅寸法が規制された層状の好ましい形状で展開させることができる。
そして、エアバッグ11の内側に複数のテザーを配置する構成に比べて、各テザーの位置を正確に確認しながら折り畳むなどの煩雑な作業の必要がなく、エアバッグ11の折り畳み作業を容易にするなどして、エアバッグ装置1の製造コストを低減できる。
なお、ベントホール48は、サイドパネル32と内側パネル34とを接合した接合部60の内側に設けて中間気室37から側方に排気する他、上下方向に排気し、あるいは、側部気室36,36から排気するなど、種々の構成を採ることができる。
例えば、図12に示すように、メインパネル31の上面部42の、展開時にフロントガラス5などの他の部材に当接しない位置にベントホール71を形成し、矢印G3に示すように、乗員Aへの影響の小さい前方に向けてガスを排気することができる。あるいは、図13に示すように、メインパネル31の下面部43の端縁部31bに近い位置、すなわちガス導入部50に近接してベントホール72を形成し、矢印G4に示すように、インストルメントパネル部4の内側にガスを排気して、乗員Aへの影響を抑制することもできる。
また、図示しないが、ベントホールは、中間気室37から直接にエアバッグ11の外部に排気するものの他、中間気室37から他の気室に排気することもできる。
さらに、図14に示すように、サイドパネル32の側面部45にベントホール74を設けて側部気室36,36を外部に連通させ、矢印G5に示すように、中間気室37ではなく側部気室36,36から外部にガスを排気させることもできる。そしてこの構成においても、側部気室36と中間気室37とを連通する中間連通部54の開口面積よりも、中間気室37からエアバッグ11の外部に連通するベントホール74の開口面積を大きくしたため、中間気室37に導入されるガスに対して、エアバッグ11外にガスを排気し易くなり、側部気室36の内圧よりも、中間気室37の内圧を容易に小さくできるとともに、近接展開時などにも中間気室37の内圧を容易に小さくできる。
また、上記の構成に限られず、エアバッグ11の外殻の構成は種々の構成を採ることができ、例えば、主として上下2枚の基布でエアバッグ11の外殻が構成されるいわゆる2ピースバッグなどについて、単数あるいは複数の基布でガスが導入される膨出部33を層状に区画し、中間気室37と側部気室36,36とを形成することもできる。
例えば、図15ないし図21に示すように、このエアバッグ11では、主として上部パネル81及び下部パネル82の2枚の基布の外周部を接合線83で縫い合わせて側面視扇状の外殻を構成し、基端側から乗員側すなわち正面側Bである先端側に向かって拡開する膨出部33を形成している。すなわち、上面部42は上部パネル81により形成され、下面部43は下部パネル82により形成されているが、対向面部41及び側面部45は、上部パネル81及び下部パネル82にわたって形成されている。そして、下部パネル82には、円孔状のガス導入部50が設けられ、このガス導入部50の周囲には、リテーナプレート15の取付ボルトが挿入される取付孔50aが形成されている。また、上部パネル81には、ベントホール85が形成されている。
また、膨出部33を区画する内側パネル88は、下部内側パネル89と、両側一対の上部内側パネル90,90とを縫い合わせるなどして接合して構成されている。そして、下部内側パネル89には、ガス導入部50の内側を覆う内側連接部92と、この内側連接部92の両側に連続する両側一対の内側下部パネル部93,93とが形成されている。また、内側連接部92には、作業用開口部55がスリット状に形成され、図4に示す構成と同じく、エアバッグ11を縫製して反転した後に、一対のパッチ63を縫い合わせた閉塞部材62により閉塞されている。さらに、内側下部パネル部93,93には、それぞれ円孔である中間連通部54が形成されている。また、上部内側パネル90,90は、それぞれ扇状をなし、それぞれ内側下部パネル部93,93の外側の縁部に沿った接合線95で下部内側パネル89に縫い合わせるなどして接合され、内側パネル88の両側の内側面部52,52が構成されている。
そして、この内側パネル88は、内側面部52,52が外殻の側面部45の内側を覆い、内側連接部92がガス導入部50の内側方を覆うようにして、外縁部に沿って、外殻を構成する上部パネル81及び下部パネル82に上下の接合線96,97で縫合などして縫い合わされ、両側一対の層状の側部気室36,36と、これら側部気室36,36の間に位置する中間気室37とが形成されている。
そこで、この構成においても、インフレータ12からガス導入部50にガスを導入すると、内側連接部92に沿ってガスが左右両側に振り分けられ、まず、側部気室36,36にガスが導入されてこれら側部気室36,36が迅速に展開し、次いで、矢印G6に示すように、中間連通部54を介して中間気室37にガスが導入され、中間気室37が展開するようになっている。そして、ガスは、矢印G7に示すように、側部気室36,36に設けた両側のベントホール85,85から、エアバッグ11の外側に排気されるようになっている。
なお、この図15ないし図21に示す実施の形態においても、図1などに示す実施の形態と同様に、上部内側パネル90,90に円孔を形成するとともに、上部パネル81と上部内側パネル90,90とを接合する円環状の接合部60を形成し、中間気室37から直接に外側にガスを排気することもできる。
本発明は、例えば、車両の助手席乗員用のエアバッグ装置の他、前席の座席の後部から、後席の座席の乗員の上体に向かって展開するエアバッグを備えたエアバッグ装置に適用できる。
1 エアバッグ装置
4 インストルメントパネル部
11 エアバッグ
12 インフレータ
33 膨出部
36 側部気室
37 中間気室
41 対向面部
42 上面部
43 下面部
45 側面部
48 ベントホール
50 ガス導入部
52 内側面部
54 中間連通部
60 接合部
A 乗員
4 インストルメントパネル部
11 エアバッグ
12 インフレータ
33 膨出部
36 側部気室
37 中間気室
41 対向面部
42 上面部
43 下面部
45 側面部
48 ベントホール
50 ガス導入部
52 内側面部
54 中間連通部
60 接合部
A 乗員
Claims (5)
- ガスが導入され乗員に対向して展開する膨出部を備えたエアバッグであって、
前記膨出部は、
中間気室と、
この中間気室の両側部に沿って層状に配置された一対の側部気室と、
前記各側部気室に連通するガス導入部と、
前記各側部気室と前記中間気室とを連通させる中間連通部と
を具備することを特徴とするエアバッグ。 - 乗員に対向する対向面部と、
この対向面部の左右両側の端部から反乗員方向に向かう側面部と、
これら対向面部及び側面部の上側の端部を互いに連結する上面部と、
これら対向面部及び側面部の下側の端部を互いに連結する下面部と、
前記各側面部の内側に沿って配置され、中間気室と側部気室とを区画する内側面部と
を具備することを特徴とする請求項1記載のエアバッグ。 - 中間気室を膨出部の外部に連通するベントホールを備えた
ことを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ。 - 側面部と内側面部とを環状に接合する接合部と、
この接合部に囲まれた位置で中間気室を膨出部の外部に連通するベントホールとを備えた
ことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ。 - 助手席の乗員に対向してインストルメントパネル部に配置される助手席乗員用のエアバッグ装置であって、
ガスが導入されて乗員の上体に対向して展開する請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグと、
このエアバッグのガス導入部にガスを供給するインフレータと
を具備することを特徴とするエアバッグ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007284386A JP2009107577A (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | エアバッグ及びエアバッグ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007284386A JP2009107577A (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | エアバッグ及びエアバッグ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009107577A true JP2009107577A (ja) | 2009-05-21 |
Family
ID=40776556
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007284386A Pending JP2009107577A (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | エアバッグ及びエアバッグ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009107577A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011037398A (ja) * | 2009-08-17 | 2011-02-24 | Autoliv Development Ab | 運転席用エアバッグ |
JP2019031159A (ja) * | 2017-08-07 | 2019-02-28 | Joyson Safety Systems Japan株式会社 | エアバッグ及びエアバッグ装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007216724A (ja) * | 2006-02-14 | 2007-08-30 | Autoliv Development Ab | エアバッグ装置 |
JP2007276535A (ja) * | 2006-04-03 | 2007-10-25 | Toyoda Gosei Co Ltd | 助手席用エアバッグ装置 |
-
2007
- 2007-10-31 JP JP2007284386A patent/JP2009107577A/ja active Pending
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