JP4394153B2 - タンデム型薄膜光電変換装置の製造方法 - Google Patents

タンデム型薄膜光電変換装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は非晶質光電変換ユニット層と結晶質光電変換ユニット層との間で、部分的に光を反射しかつ透過する導電性の中間反射層を含むタンデム型薄膜光電変換装置の特性を改善するための製造方法に関するものである。
薄膜太陽電池は、一般に少なくとも表面が絶縁性の基板上に順に積層された第一電極、1以上の半導体薄膜光電変換ユニット、及び第二電極とを含んでいる。そして1つの光電変換ユニットはp型層とn型層でサンドイッチされたi型層を含んでいる。
光電変換ユニットの厚さの大部分は、実質的に真性の半導体層であるi型層によって占められ、光電変換作用は主としてこのi型層内で生じる。従って、光電変換層であるi型層の膜厚は光吸収のためには厚いほうが好ましいが、必要以上に厚くすればその堆積のためのコストと時間が増大することになる。
他方、p型やn型の導電型層は光電変換ユニット内に拡散電位を生じさせる役目を果たし、この拡散電位の大きさによって薄膜太陽電池の重要な特性の1つである開放端電圧の値が左右される。しかし、これらの導電型層は光電変換には寄与しない不活性な層であり、導電型層にドープされた不純物によって吸収される光は発電に寄与せず損失となる。したがって、p型とn型の導電型層の膜厚は、十分な拡散電位を生じさせる範囲内で可能な限り薄くすることが好ましい。
ところで、薄膜太陽電池の変換効率を向上させる方法として、2以上の光電変換ユニットを積層してタンデム型にする方法がある。この方法においては、薄膜太陽電池の光入射側に光電変換層のバンドギャップが大きい光電変換ユニットを配置し、その後ろに順に光電変換層のバンドギャップが小さい光電変換ユニットを配置することで、入射光の広い波長範囲にわたって光電変換を可能にし、これによって太陽電池全体としての変換効率の向上が図られる。このようなタンデム型薄膜太陽電池の中でも、非晶質光電変換ユニットと結晶質光電変換ユニットの両方を含むものは、特にハイブリッド型薄膜太陽電池と称されることもある。
例えば、バンドギャップの広いi型非晶質シリコンを光電変換層に使用した非晶質シリコン光電変換ユニットと、バンドギャップの狭いi型結晶質シリコンを光電変換層に使用した結晶質シリコン光電変換ユニットからなるハイブリッド型薄膜太陽電池においては、i型非晶質シリコンが光電変換し得る光の波長は長波長側において800nm程度までであるが、i型結晶質シリコンはそれより長い約1100nm程度までの光を光電変換することが可能であるため、入射光のより広い範囲を有効に光電変換することが可能になる。
この場合、一般に非晶質光電変換ユニットは結晶質光電変換ユニットに比べて出力電流密度が小さく、ハイブリッド薄膜光電変換装置全体としての出力電流密度が非晶質光電変換ユニットによる小さな出力電流密度によって制限される傾向となる。この傾向は、非晶質光電変換ユニットの膜厚が小さくその光吸収が不十分な場合に顕著となる。
一方タンデム型薄膜太陽電池においては、積層された複数の光電変換ユニットの間に光透過性及び光反射性の双方の特性を有する導電性の中間反射層を挿入することがある。この中間反射層を設けた場合、タンデム型薄膜太陽電池の光入射側に位置する光電変換ユニットに入射した光は、一部が中間反射層で反射して光入射側に位置する光電変換ユニットに再入射するため、光入射側に位置する光電変換ユニットの実効的な膜厚が増加する。すなわち出力電流密度を増大させることができる。
本構造について図1を用いて説明する。中間反射層を有するタンデム型の薄膜光電変換装置101は、透明絶縁基板111上に透明電極層112、非晶質光電変換ユニット113、中間反射層114、結晶質光電変換ユニット115、裏面金属電極層116から構成される。
非晶質光電変換ユニット113は、一般にp型の不純物がドープされたp型非晶質シリコン層113pと、不純物がドープされていない真性半導体からなる光電変換層としてのi型非晶質シリコン層113iと、n型の不純物がドープされたn型シリコン層113nから構成される。
結晶質光電変換ユニット115は、一般にp型の不純物がドープされたp型シリコン層115pと、不純物がドープされていない真性半導体からなる光電変換層としてのi型結晶質シリコン層115iと、n型の不純物がドープされたn型シリコン層115nから構成される。
透明電極層112には溝117が形成されており、溝117を介して非晶質光電変換ユニット113がガラス基板111に接続されている。非晶質光電変換ユニット113と中間反射層114に溝118が形成されている。溝118には結晶質光電変換ユニット115が充填されている。非晶質光電変換ユニット113、中間反射層114、結晶質光電変換ユニット115に溝119が形成されている。溝119には裏面金属電極116が充填されている。非晶質光電変換ユニット113、中間反射層114、結晶質光電変換ユニット115、裏面金属電極層116を分離するように溝120が形成されている。
一般的には、このような薄膜光電変換セル101が複数個接続されて、太陽電池が形成される。
上述のように、非晶質シリコン光電変換ユニット、及び結晶質シリコン光電変換ユニットからなるハイブリッド型のシリコン薄膜光電変換装置に対して中間反射層を挿入した場合、i型非晶質シリコンの膜厚を増やすことなく非晶質シリコン光電変換ユニットによる出力電流密度を増大させることができる。もしくは同一の出力電流密度を得るために必要なi型非晶質シリコンの膜厚を薄くすることができるため、i層膜厚の増加に応じて光劣化が顕著となる非晶質シリコン光電変換ユニットの特性低下を抑えることが可能となる。
しかしながら、このように透明絶縁基板側から順にpinの接合を含むpin型非結晶質ユニットを形成し、引き続いて中間反射層を形成し、更に順にpinの接合を含むpin型結晶質ユニットを形成した場合、中間反射層を形成した後に形成するp型層の結晶化度が不十分となり、さらに良質のi型結晶質シリコン層が得られなかったため、必ずしも期待した特性とはならなかった。
同様の構造については、特許文献1に記載されているが、これは、中間反射層上の光電変換層として単にpin型もしくはnip型非晶質光電変換ユニットを形成するものであり、中間反射層上のp型層、n型層の結晶化度は低く、結晶質光電変換ユニットの導電型層としては適していない。
また特許文献2においても、透明導電膜上に多結晶光電変換ユニットを製膜しているが、本ユニットも単にpinもしくはnip接合を有するものであり、同様にp型層、n型層の結晶性は低いと考えられる。
特開2001−308354 特開平7−263731
上述のような状況に鑑み、本発明は、非晶質光電変換ユニット層と結晶質光電変換ユニット層との間に中間反射層を含むハイブリッド型薄膜光電変換装置において、中間反射層を形成した後にその上に形成する結晶質光電変換ユニットの膜質を改善し、出力特性を向上することを目的としている。
本発明は、光電変換ユニットの上に部分的に光を反射しかつ透過する導電性の中間反射層を有し、更にその上に結晶質シリコン系光電変換ユニットが形成された構成を有するタンデム型薄膜光電変換装置であって、中間反射層の上に形成された結晶質シリコン系光電変換ユニットが、順次堆積されたn型層、p型層、結晶質i型光電変換層、およびn型層を含んでいるタンデム型薄膜光電変換装置、および該タンデム型薄膜光電変換装置(セル)を、複数個接続した太陽電池の製造方法に関する。
本発明のタンデム型薄膜光電変換装置の製造方法は、中間反射層の上にプラズマCVDにより結晶質n型層を形成した後、p型層、結晶質i型光電変換層、およびn型層を順次形成することで結晶質シリコン系光電変換ユニットを形成することを特徴とする。
また、本発明の太陽電池の製造方法は、透明絶縁基板上に透明電極層を形成する工程、透明電極層を厚み方向に貫通する第1の溝を形成する工程、透明電極層上に非晶質シリコン系光電変換ユニットを形成する工程、非晶質シリコン系光電変換ユニット上に中間反射層を形成する工程、非晶質シリコン系光電変換ユニットおよび中間反射層を厚み方向に貫通する第2の溝を形成する工程、中間反射層の上にプラズマCVDにより結晶質n型層を形成した後、p型層、結晶質i型光電変換層、およびn型層を順次形成することにより結晶質シリコン系光電変換ユニットを形成する工程、非晶質シリコン系光電変換ユニット、中間反射層、および結晶質光電変換ユニットを厚み方向に貫通する第3の溝を形成する工程、結晶質シリコン系光電変換ユニット上に裏面金属電極層を形成する工程、非晶質シリコン系光電変換ユニット、中間反射層、結晶質光電変換ユニット、裏面金属電極層を厚み方向に貫通する第4の溝を形成する工程を順次有する。第1ないし第4の溝を形成することによって、各層をタンデム型薄膜光電変換セルに分離し、かつ分離されたセルを電気的に直列に接続される。
上記製造方法によって得られる光電変換ユニットあるいは太陽電池によれば、中間反射層とその上に形成される結晶質シリコン系光電変換ユニットのp型層の間にn型層が形成されていることにより、p型層、更にその上に形成される結晶質i型光電変換層の膜質を改善することが可能となり、出力特性を向上することができることとなる。
中間反射層については、酸化亜鉛をその成分とすることが好ましく、更に膜厚は3〜100nmであることが好ましい。また、その形成法として、原材料は気相状態で製膜室に導入し、かつ非晶質光電変換ユニット、中間反射層は大気中に取り出すことなく連続して形成することが好ましい。
本発明によれば、非晶質光電変換ユニット層と結晶質光電変換ユニット層の間に中間反射層を含むタンデム型薄膜光電変換装置の出力特性を改善することができる。
以下、本発明の実施形態にかかるタンデム型薄膜光電変換装置について、図2を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明にかかる一つの実施の例により得られるタンデム型の薄膜光電変換装置201は、透明絶縁基板211上に透明電極層212、非晶質光電変換ユニット213、中間反射層214、結晶質光電変換ユニット215、裏面金属電極層216を形成して構成される。
透明絶縁基板211としては、例えばガラス基板が好ましく用いられる。また透明電極層212は透明導電性酸化物で形成することが好ましい。
非晶質光電変換ユニット213は、p型の不純物がドープされたp型シリコン層213pと、不純物がドープされていない真性半導体からなる光電変換層としてのi型非晶質シリコン層213iと、n型の不純物がドープされたn型シリコン層213nから構成される。i型非晶質シリコン層213iの厚さは0.01〜0.05μmの範囲であることが好ましい。なお、本発明における非晶質光電変換ユニット213は中間反射層214により部分的に反射された光を吸収することができるため、中間反射層214が存在しない時に比べて薄くすることが出来る。このことは、非晶質光電変換ユニット213の光劣化を低減する点においても好ましい。
中間反射層214は、ZnO膜、SiO2膜、InO2膜、Al23膜、Y23膜およびTiO2膜のような透明酸化物層で構成することができ、特にZnO膜のような透明導電性酸化物層で構成されていることが好ましい。通常これらの膜は多結晶体として製膜される。中間反射層214は、スパッタリング法、蒸着法、EB法、CVD法等に代表される既知の各種方法で形成することが可能であるが、特にMOCVD法のような原材料として気相を用いる方法が好ましく、更に非晶質光電変換ユニット形成後連続して大気中に取り出すことなく形成することが望ましい。これは、蒸着法やEB法では膜厚や膜質の均一性を確保しつつ、装置をスケールアップすることが困難であり、基板の大面積化には不向きであること、スパッタリング法では基板の大面積化は比較的容易であるが、製膜時に印加する数百V〜数kVという高い電圧により、下地層へダメージが生じ太陽電池の特性を低下させる恐れがあるからである。また非晶質ユニットの表面が大気にさらされると、表面の汚染などにより接合界面の状態に悪影響を及ぼすからである。中間反射層214の厚さは3〜100nmの範囲にあることが好ましい。これは、中間反射層214が過剰に薄い場合には十分な光反射性が得られず、過剰に厚い場合には十分な光透過性が得られないことがあるからである。
多結晶光電変換ユニット215は、n型の不純物がドープされたn型シリコン層215n1とp型の不純物がドープされたp型シリコン層215pと、不純物がドープされていない真性半導体からなる光電変換層としてのi型結晶質シリコン層215iと、n型の不純物がドープされたn型シリコン層215n2から構成される。i型結晶質シリコン層215iのその厚さ範囲は0.1〜10μmの範囲内にあることが好ましく、0.1〜5μmの範囲内にあることがより好ましい。
本発明のタンデム型薄膜光電変換装置の製造方法では、中間反射層214の上に直接p型シリコン層215pを形成するのではなく、先ずn型の不純物がドープされたn型シリコン層215n1を形成した後に、p型シリコン層215p、i型結晶質シリコン層215i、n型シリコン層215n2と形成することで、出力特性の向上を可能とする。これは、中間反射層214の上にp型層を形成する場合には、p型層の結晶化度が低くなり、p型層上に高性能のi型結晶質光電変換層を形成することが困難であったのに対し、先ずn型シリコン層を形成することで、p型層、更にその上のi型結晶質シリコン層215nの結晶化度の低下が防がれた為であると推察される。ここで、p型シリコン層215pの結晶化率は、n型シリコン層215n1の結晶化率に比較し、実質同等か、これよりも大きいことが好ましい。ここで、実質同等とは、結晶化率が同一か、他方に比べプラスマイナス10%の範囲内にあることを意味する。
また、ここで言う結晶化率は、以下の分光エリプソメトリによって測定される値である。分光エリプソメトリでは反射光をs成分、p成分に分けた時それぞれフレネル反射係数Rs,Rpの比率ρは次の式で表すことができる。
ρ=Rp/Rs=tan(Ψ)exp(iΔ) (iは虚数単位)
p型シリコン層115pまで積層した状態で、このp型シリコン層に波長範囲が250〜1100nmの光を入射角55〜70°で入射し反射させることにより、波長とΨの関係を示す曲線と波長とΔの関係を示す曲線を得る(実測曲線)。また、本半導体層のシリコン膜の組成について結晶シリコンと非晶質シリコンとボイドの3要素からなるモデルを仮定し、それぞれの体積分率、膜厚、屈折率を設定して、上記の2曲線をシミュレートする(シミュレ−ション曲線)。上記の実測曲線とシミュレ−ション曲線を誤差率10%以内で分散分析することで比較し、結晶シリコンの体積分率を計算し結晶化率とする。
ここで、本願のn型シリコン215n1としては、例えば導電型決定不純物分子であるリンが0.001原子%以上ドープされたシリコン薄膜などが用いられ得る。しかしこれらの条件は限定的なものではなく、不純物としては窒素などでもよく、材料としてはシリコンゲルマニウムなどのシリコン系合金材料の膜を用いても良い。さらにn型シリコン215n1は、多結晶、微結晶、または、非晶質のいずれでも良く、膜厚は2nm以上、100nm以下であることが好ましく、更に、5nm以上、30nm以下であることがより好ましい。
裏面金属電極層216は良好な導電性と光反射性を有していることが好ましく、例えばAgやAlのような種々の金属が用いられる。また、必要に応じて、裏面金属電極層216は、複数種類の金属層の積層体またはZnO層のような非金属材料からなる透明導電性膜(図示せず)を含む積層体として形成してもよい。
透明電極層212には第1の溝217が形成され、溝217を介して非晶質光電変換ユニット213がガラス基板211に接続される。非晶質光電変換ユニット213と中間反射層214に第2の溝218が形成される。溝218には結晶質光電変換ユニット115が充填される。非晶質光電変換ユニット213、中間反射層214、結晶質光電変換ユニット215に第3の溝219が形成される。溝219には裏面金属電極層216が充填される。非晶質光電変換ユニット213、中間反射層214、結晶質光電変換ユニット215、裏面金属電極層216を分離するように第4の溝220が形成される。但し、セルを分離する方法としては、各種方法を適用することが可能である。このような薄膜光電変換セル201を、複数個接続して、太陽電池を形成することが可能である。
上述のような実施の形態の具体的な例として、以下において、いくつかの実施例が比較例と共に説明される。
(比較例1)比較例1として、図1および図3に示されるようなハイブリッド型薄膜太陽電池を作製した。まず910mm×455mmのガラス基板111上に、SnO2からなる表面に微細な凹凸構造を有する透明電極層112が熱CVD法により形成された。次にYAGIRパルスレーザーを用いて基板の短辺に平行にレーザースキャンすることによりSnO2膜112を複数の帯状パタ−ンへと分割する幅40μmの溝117を形成した。その後、超音波洗浄および乾燥を行い、さらにガラス基板111を非晶質光電変換ユニットを形成するためのプラズマCVD装置内に導入し、所定の温度に加熱した。
そして非晶質光電変換ユニット113として、厚さ15nmのp型非晶質シリコンカーバイド層113p、厚さ330nmのノンドープi型非晶質シリコン光電変換層3i、及び厚さ15nmのn型シリコン層113nからなる非晶質シリコン光電変換ユニットを順次積層した。
プラズマCVD装置から非晶質光電変換ユニット113を形成した基板を中間反射層114を形成するために、引き続き大気中に取り出すことなくMOCVD装置内に導入し、所定の温度に加熱した上で厚さ50nmの酸化亜鉛膜をジエチルジンク、水、ジボランを用いた気相反応により堆積した。
引き続いてMOCVD装置から大気中に取り出した基板を、YAG SHGパルスレーザーを用いて基板の短辺に平行な方向にレーザースキャンすることにより、これら非晶質光電変換ユニット113および中間反射層114のスクライブを行い、幅60μmの溝118を形成した。なお溝117と溝118との中心間距離は100μmとした。
次に結晶質光電変換ユニット115を形成するために、基板をプラズマCVD装置内に導入し、所定の温度に加熱した上で、厚さ12nmのp型シリコン層115p、厚さ2.5μmのi型結晶質シリコン光電変換層115i、及び厚さ15nmのn型シリコン層115nを順次積層し、結晶質シリコン光電変換ユニット115を形成した。その際に、p型シリコン層115pのプラズマCVD条件において、反応ガス流量として、シランが60sccm、水素が10000sccm、そして1000ppmに水素希釈されたジボランが60sccmに設定された。また、反応ガス圧は133Paに設定され、プラズマ励起用高周波電力が150mW/cm2の密度で印加した。
続いて、YAG SHGパルスレーザーを用いて基板の短辺に平行な方向にレーザースキャンすることにより、非晶質光電変換ユニット113、中間反射層114、結晶質光電変換ユニット115のスクライブを行い、幅60μmの溝119を形成した。なお、溝119と溝118との中心間距離は100μmとした。
その後、裏面金属電極116としてスパッタリング法により、ZnO膜(図示せず)およびAg膜を順次製膜し、裏面金属電極116を形成した。次いで、YAGSHGパルスレーザーを用いて基板の短辺に平行な方向に非晶質光電変換ユニット113、中間反射層114、結晶質光電変換ユニット115、裏面金属電極116のスクライブを行い、幅60μmの溝120を形成した。なお、溝120と溝119との中心間距離は100μmとした。
続いてYAG IRパルスレーザーを用いて基板1の周囲に沿ってレーザースキャンすることにより、透明電極層112、非晶質光電変換ユニット113、中間反射層114、結晶質光電変換ユニット115、裏面金属電極116に溝を形成して発電領域を確定した。
以上のようにして900mm×445mmのサイズを有しかつ基板の短辺に平行に直列接続された100段の薄膜光電変換セル10を形成した。さらに、セル10が形成する直列アレイ11の両端に一対の電極バスバー12を設けることにより、図3に示すモジュール1を得た。
なお、比較例1におけるp型シリコン層115pの結晶化率を推測すべく、分光エリプソメトリによって評価したところ、結晶化率は70%であった。
以上のようにして得られた比較例1のハイブリッド型薄膜太陽電池について、その光電変換特性を測定した。すなわちAM1.5のスペクトル分布を有するソーラシミュレータを用いて、擬似太陽光を25℃の下で100mW/cm2のエネルギー密度で照射して出力特性を測定したところ、一段あたりの特性として、開放端電圧が1.33V、短絡電流密度が12.3mA/cm2、曲線因子が68.0%、そして変換効率が11.12%であった。
(実施例1)実施例1において、図2に示されているようなハイブリッド型薄膜太陽電池を作製した。ただし、結晶質光電変換ユニット215において、p型シリコン層215pの下地層としてn型シリコン層215n1が挿入されていることのみにおいて比較例と異なっていた。
その際、n型シリコン層215n1のプラズマCVD条件において、反応ガス流量として、シランが100sccm、水素が9600sccm、そして5000ppmに水素希釈されたホスフィンが400sccmに設定された。また、反応ガス圧は133Paに設定され、プラズマ励起用高周波電力が150mW/cm2の密度で印加された。
なお、実施例1におけるn型シリコン層215n1とp型シリコン層215pの結晶化率を推測すべく、分光エリプソメトリによって評価したところ、それぞれ72%であった。
こうして得られた実施例1のハイブリッド型薄膜太陽電池に関して、比較例1の場合と同一条件で擬似太陽光を照射して出力特性を測定したところ、一段あたりの特性として、開放端電圧が1.33V、短絡電流密度が12.4mA/cm2、曲線因子が69%、そして変換効率が11.37%であった。
以上の比較例1と実施例1の比較から、実施例1のハイブリッド型薄膜太陽電池は比較例1に比べて明らかに出力特性が改善していることがわかる。この理由としては、以下のことが考えられる。
一般にn型結晶質シリコン層に比べてp型シリコン層は結晶化しにくく、特に比較例1のように大気中に一旦暴露されたZnO層上では、不純物等の付着により結晶化が困難であると考えられる。これに対して実施例1では、下地層として結晶化しやすいn型シリコン層が存在するため、n型シリコン層を結晶核とすることによりp型シリコン層の結晶化度も向上したと考えられる。そして実施例1では結晶化度の向上したp型シリコン層215pを下地層としてその上に良質のi型結晶質シリコン層215iが形成され、ハイブリッド型薄膜太陽電池の性能が改善されたものと考えられる。
(実施例2)実施例2においても、実施例1と同様に図2に示されている構造のハイブリッド型薄膜太陽電池を作製した。ただし、実施例2は、p型シリコン層215pを形成する際のCVD条件のみが実施例1と異なる。具体的には、p型シリコン層215pのプラズマCVD条件において、反応ガス流量として、シランを50sccm、水素を10000sccm、そして1000ppmに水素希釈されたジボランを100sccmに設定した。また、反応ガス圧は350Paに設定し、プラズマ励起用高周波電力を150mW/cm2の密度で印加したなお、実施例2におけるn型シリコン層215n1とp型シリコン層215pの結晶化率を推測すべく、分光エリプソメトリによって評価したところ、それぞれ72%と75%であった。
以上のようにして形成した実施例2のハイブリッド型薄膜太陽電池を比較例1と同一の条件下で出力特性を測定したところ、開放端電圧が1.35V、短絡電流密度が12.4mA/cm2、曲線因子が70.0%、そして変換効率が11.71%となり、比較例1はもとより実施例1と比較しても更なる性能改善がみられた。
この原因についてはさだかではないが、p型シリコンの製膜条件において、シランに対する水素希釈率および反応ガス圧を高めることにより結晶化度が向上し、さらに良質のi型結晶質シリコン層215iが形成され、ハイブリッド型薄膜太陽電池の性能が改善されたものと考えられる。
以上のように、本発明の製造方法によれば、非晶質光電変換ユニット層と結晶質光電変換ユニット層の間に中間反射層を含むタンデム型薄膜光電変換装置の出力特性を改善することができる。
本発明の比較例によるタンデム型薄膜光電変換装置の積層構造を示す模式的な断面図である。 本発明の実施例によるタンデム型薄膜光電変換装置の積層構造を示す模式的な断面図である。 本発明の実施例によるタンデム型薄膜光電変換装置の概略的な平面図である。
符号の説明
1 薄膜光電変換モジュ−ル
10 薄膜光電変換セル
11 直列アレイ
12 電極バスバー
101 薄膜光電変換セル
111 透明絶縁基板
112 透明絶縁層
113 非晶質光電変換ユニット
113p p型シリコン層
113i i型非晶質シリコン層
113n n型シリコン層
114 中間反射層
115 結晶質光電変換ユニット
115p p型シリコン層
115i i型結晶質シリコン層
115n n型シリコン層
116 裏面金属電極層
117 溝
118 溝
119 溝
120 溝
201 薄膜光電変換セル
211 透明絶縁基板
212 透明絶縁層
213 非晶質光電変換ユニット
213p p型シリコン層
213i i型非晶質シリコン層
213n n型シリコン層
214 中間反射層
215 結晶質光電変換ユニット
215n1 n型シリコン層
215p p型シリコン層
215i i型結晶質シリコン層
215n2 n型シリコン層
216 裏面金属電極層
217 溝
218 溝
219 溝
220 溝

Claims (2)

  1. 透明絶縁基板上に順次積層された透明電極層、少なくとも1つの非晶質シリコン系光電変換ユニット、部分的に光を反射しかつ透過する導電性の中間反射層、少なくとも1つの結晶質シリコン系光電変換ユニット、および裏面金属電極層を有するタンデム型薄膜光電変換装置の製造方法であって、
    前記中間反射層の上にプラズマCVDにより結晶質n型層を形成した後、p型層、結晶質i型光電変換層、およびn型層を順次形成することで結晶質シリコン系光電変換ユニットを形成することを特徴とするタンデム型薄膜光電変換装置の製造方法。
  2. 透明絶縁基板上に順次積層された透明電極層、少なくとも1つの非晶質シリコン系光電変換ユニット、部分的に光を反射しかつ透過する導電性の中間反射層、少なくとも1つの結晶質シリコン系光電変換ユニット、および裏面金属電極層を有するタンデム型薄膜光電変換セルを、複数個接続した太陽電池の製造方法であって、
    前記透明絶縁基板上に透明電極層を形成する工程、
    前記透明電極層を厚み方向に貫通する第1の溝を形成する工程、
    前記透明電極層上に非晶質シリコン系光電変換ユニットを形成する工程、
    前記非晶質シリコン系光電変換ユニット上に中間反射層を形成する工程、
    前記非晶質シリコン系光電変換ユニットおよび中間反射層を厚み方向に貫通する第2の溝を形成する工程、
    前記中間反射層の上にプラズマCVDにより結晶質n型層を形成した後、p型層、結晶質i型光電変換層、およびn型層を順次形成することにより結晶質シリコン系光電変換ユニットを形成する工程、
    前記非晶質シリコン系光電変換ユニット、中間反射層、および結晶質光電変換ユニットを厚み方向に貫通する第3の溝を形成する工程、
    結晶質シリコン系光電変換ユニット上に裏面金属電極層を形成する工程、
    前記非晶質シリコン系光電変換ユニット、中間反射層、結晶質光電変換ユニット、裏面金属電極層を厚み方向に貫通する第4の溝を形成する工程
    を順次有し、
    前記第1ないし第4の溝によって、各層をタンデム型薄膜光電変換セルに分離し、かつ分離されたセルを電気的に直列に接続することを特徴とする太陽電池の製造方法。
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