JP4393996B2 - ガスジェネレータ、及びガスジェネレータとの電気接触のための装置 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の前文に記載の、自動車のエアバッグにガス充填を行うガスジェネレータ（「ガス発生器」ともいう）、及び請求項１４の前文に記載の、ガスジェネレータとの電気接触のための装置に関するものである。

自動車用のガスジェネレータは、膨張エアバッグの目的を果たすものであり、特に事故の場合に必要とされる。この場合、このガスジェネレータは、一般的に電気信号によって作動し、車両の接地電位に接地される。既知のガスジェネレータでは、接地の目的で固定手段が使用され、その固定手段によって、ガスジェネレータあるいはそのハウジングが車両に固定される。これら導電性の固定手段は、同様に導電性の車両部品、特には車体部品あるいは車両シートの金属部品にガスジェネレータを接続するのに使用される。当該接続により、ガスジェネレータハウジングと車両の接地電位との間に接触が生じる。この方法による接地電位への接地ないし接続の信頼性は、例えば漏電の発生や、各固定部品の正確な配置といったような多数の外部要素に依存する。また、独自の接地電位にガスジェネレータの接地を規定するのが不可能となる複合接地が形成される可能性がある。そのうえ、例えば漏電の発生により、車両の異なる位置において接地電位が異なる値となるため、車両の異なる箇所に配置された２またはそれ以上の数のガスジェネレータは、車両の異なる接地電位に接続される。

そこで、本発明の目的は、ガスジェネレータのための接地接続手段の改善を図ることである。

本発明の目的は、請求項１に記載の特徴を備えるガスジェネレータ（「ガス発生器」ともいう）によって達成される。従って、このガスジェネレータは、当該ガスジェネレータが車両に対し電気的に絶縁されるように設置され、また、独立した接地接続手段（「アース接続手段」または「アース結線部分」ともいう）によって、車両の電気接地（「電気アース」または「アース導体部分」ともいう）、特には規定の（定義された）接地電位（「アース電位」ともいう）に直接的に接続される。ガスジェネレータを車両に対し電気的に絶縁し、また規定の接地電位に接続することは、ガスジェネレータが規定の接地電位にあることを意味する。車両の異なる箇所に設置された多数のガスジェネレータが使用されるときであっても、接地電位は設置場所によらないため、全てのガスジェネレータが同一の接地電位に設定される。

この場合、ガスジェネレータの接地接続手段の直接的な接続を行うことは、当該接地接続手段が、設定された接地電位に直接的に接続されることを意味する。このことは、例えばガスジェネレータと、車両において接地電位を規定する箇所、特には自動車バッテリの一方の電極との間を繋ぐ電気線によって達成される。従って、この接地接続手段として、特に車両シート、車両部品あるいは機械的な固定手段は用いない。

既知のガスジェネレータは、ガスジェネレータのガスジェネレータハウジングを経由して接地に接続されているため、ガスジェネレータハウジングを、独立した接地接続部によって車両の電気接地に接続するのが有益である。従って、既知のガスジェネレータは用いられない。

接地接続手段がガスジェネレータハウジングと接触するように、当該接地接続手段を、ガスジェネレータハウジングと点火プラグとの間でクランプ（clamp）固定（「つかむ」あるいは「締める」ともいう）可能とすることによって、簡単な配置態様が達成される。点火プラグをガスジェネレータに接続するとき、接地接続手段をクランプ固定することによって、同時にガスジェネレータハウジングの規定の接地接続手段が形成される。これは、点火プラグの挿入という単一の作業ステップにおいて達成される。そのうえ、接地接続手段を、点火プラグとガスジェネレータハウジングとの間にクランプ固定することによって、接地接続手段のためのそれ以上の接続が必要とならず、結果として、既知のガスジェネレータにおける通常の設計方針を維持することが可能とされる。接地接続手段のガスジェネレータへの確実な接続は、点火プラグをガスジェネレータ上および／またはガスジェネレータハウジング上にラッチ（latch）固定（「係合」ともいう）可能とすることによって達成される。これにより、点火プラグ、あるいは当該点火プラグとガスジェネレータハウジングとの間にクランプされた接地接続手段が、機械的な振動によって接続解除状態となるのが防止される。とはいえ、プラグ接続にラッチ機構を用いることによって簡単な配置を形成することが可能とされる。

ガスジェネレータハウジングと点火プラグとの間に接地接続手段がクランプ固定されるとき、ガスジェネレータハウジングとの接触を簡単な方法によって行うべく、接地接続手段は、ガスジェネレータハウジングとの接触という機能を果たす環状接触部を備える。この環状接触部は、例えば点火プラグの接触部を含み、同時に点火プラグのハウジングの残り部分よりも小さい寸法を有する。これにより、点火プラグの接触部及び接地接続手段の両方が、ガスジェネレータに同時に接触するようになることが可能とされる。弾性を有する状態あるいは弾性ディスク（a spring disk）の形状とされた環状接触部によって、当該環状接触部をガスジェネレータハウジングに確実に接触させることが可能である。さらに製造上の公差があるときや、精密にはまり込まない、あるいは完全には挿入されない点火プラグを用いるときでも、これを弾性を有する環状接触部によって補うことが可能とされ、この場合、弾性を有する環状接触部は、ガスジェネレータハウジングに対し点火プラグを加圧し、これにより例えばがたつきが防止される。

ガスジェネレータの車両に対する電気的な絶縁を簡単に行うには、ガスジェネレータハウジング外面上に電気的な絶縁、特には車両に対する電気的な絶縁の目的のためのコーティングが施されたガスジェネレータハウジングを用いることによって達成される。そのような電気的絶縁を、ガスジェネレータハウジングの外面上に用いる際には、別の方法として一般的な導電性の固定部品を、ガスジェネレータを車両に固定する目的で使用することが可能である。このとき、ガスジェネレータは、車両に対し電気的に絶縁される。

ガスジェネレータを車両に対し電気的に絶縁するために、特には、少なくとも部分的に電気的絶縁材料によって形成されるか、あるいは絶縁部を有する電気的絶縁固定装置を用いる。

また、プラグ接続を用いることによって、ガスジェネレータを車両の電気接地に直接的に接続することが可能である。プラグ接続は、確実に接続ができ、また操作が容易であるという一般的な有利点を奏する。１つの有利な実施の形態では、接地接続手段は、点火プラグに統合される。

本発明の目的は、更に、請求項１４に記載の特徴を備えたガスジェネレータとの電気接触のための装置によって達成される。

従って、この装置は、ガスジェネレータの点火装置との電気的な接触を形成する点火プラグ、車両の電気接地（「電気アース」または「アース導体部分」ともいう）、特には規定の（定義された）接地電位（「アース電位」ともいう）に、ガスジェネレータを直接的に接続する目的のために準備された、独立した接地接続手段（「アース接続手段」または「アース結線部分」ともいう）を備える。従って、この装置は、同時に、点火プラグによって、ガスジェネレータの点火装置との接触を形成する目的を果たし、またガスジェネレータと車両の接地電位との間の直接的な接続を形成するという目的を果たす。

接地接続手段は、ガスジェネレータのガスジェネレータハウジングと、車両の電気接地との間に形成されるのが有益である。この場合、上述のように、接地接続手段は、当該接地接続手段がガスジェネレータハウジングと接触状態となるように、点火プラグとガスジェネレータハウジングとの間にクランプ固定される。簡単な配置及びコスト効果の高い生産のために、接地接続手段に、特には弾性を有するかあるいは弾性ディスク形状の環状接触部を設けることが可能である。従って、接地接続手段とガスジェネレータハウジングとの間に確実な接続が形成されることが可能とされる。

本発明は、ガスジェネレータあるいはガスジェネレータハウジングが、確実な方法で車両の接地電位に接続されているという点において有利である。この場合、１つの信号のみの場合には、規定の接地経路が設けられ、その結果として、複合接地のおそれ、すなわち独自に規定されない電位のおそれがなくなる。これにより、機能上信頼性のある設備が提供される。

本発明は、図面を参照しつつ本文中に記載の例に基づいて説明される。

図１は、ガスジェネレータハウジング（a gas generator housing）１０を備えるガスジェネレータ（a gas generator）１（「ガス発生器」ともいう）を示すものである。このガスジェネレータ１は、固定手段（図示省略）を介して車両の車両部品（同様に図示省略）に接続されている。このガスジェネレータ１の車両からの絶縁は、ガスジェネレータハウジング１０の絶縁コーティング（an insulating coating）によって達成される。

ガスジェネレータ１の内部に配置される点火装置（図示省略）によって電気的な接続が形成され、ガスジェネレータ１は、当該点火装置によって点火プラグ（an ignition plug）２０を介して作動する。図１は、ガスジェネレータ１に接続された位置にある点火プラグ２０、各点火線２３と電気的な接触状態にある点火装置を示している。ラッチ機構（a latching mechanism）２２は、点火プラグ２０をガスジェネレータ１に固定状にラッチ（latching）固定（「係合」ともいう）する目的を果たす。

点火プラグ２０のハウジングとガスジェネレータハウジング１０との間に、接地接続手段（the ground connection）３０（「アース接続手段」または「アース結線部分」ともいう）の環状接触部（an annular contact region）３１が配置されている。図２に示すように、点火プラグ２０と、接地接続手段３０の環状接触部３１とは、独立した（別個の）構成要素となっている。この接地接続手段３０の環状接触部３１は、点火プラグ２０をガスジェネレータ１に接続することによって、点火プラグ２０のハウジングとガスジェネレータハウジング１０との間にクランプ（clamp）固定（「つかむ」あるいは「締める」ともいう）される。このガスジェネレータハウジング１０は、その接触部分に絶縁層を備えておらず、その結果として、環状接触部３１がガスジェネレータハウジング１０に直接的に接触する。点火プラグ２０のハウジングは、他方で、絶縁材料によって形成されており、その結果として、クランプ固定状態とされた環状接触要素３１によって、接地接続手段３０とガスジェネレータハウジング１０との間に接地接触状態が形成される。

弾性を有する環状接触部３１によって、当該環状接触部３１とガスジェネレータハウジング１０との間が確実に接触する。従って、点火プラグ２０が押圧され、当該点火プラグ２０のラッチ装置（ラッチ機構）２２が実質的にラッチ固定されることによって、弾性圧縮荷重を受けた状態の環状接触部３１がラッチ固定される。これにより、たとえ点火プラグの公差が比較的大きい場合でも、環状接触部３１もまた、ガスジェネレータハウジング１０と確実に接触する。

接地接続手段３０は、車両の接地電位（「アース電位」ともいう）を規定する中央電位レール（図示省略）上に接続されている。そのため、ガスジェネレータ１は、接地接続手段３０によって、車両に対し直接的及び独占的に接続される。

図２は、ガスジェネレータ１の接触部（図示省略）に接続される、点火プラグ２０の接触部２１を示している。

図２は、ガスジェネレータハウジング１０から分離された状態の点火プラグ２０を示している。接地接続手段３０は、弾性を有する環状接触部３１を備えている。点火プラグ２０は、ガスジェネレータハウジング１０への接続のために、接地接続手段３０の環状接触部３１に通される。この場合、環状接触部３１の径は、点火プラグ２０のハウジング部品が環状接触部３１をこえて突出するように設定される。そのため、点火プラグ２０が、ガスジェネレータハウジング１０あるいはハウジング部品上に配置されたプラグソケットに接続されるとき、点火プラグ２０のハウジング部品は、点火プラグ２０のハウジング部品と、ガスジェネレータハウジング１０との間において、環状接触部３１を固定状にクランプする。これによって、接地接続手段３０の環状接触部３１は、ガスジェネレータハウジング１０上に直接的にクランプ固定され、これら両者間に直接的な接触が生じる。

図１は、点火プラグ及び環状接触部を有する接地接続手段を備える、本発明におけるガスジェネレータの斜視図を示すものである。 図２は、図１に示される、本発明におけるガスジェネレータの斜視図であって、ガスジェネレータから分離された状態の点火プラグ及び接地接続手段を示すものである。

符号の説明

１ ガスジェネレータ
１０ ガスジェネレータハウジング
２０ 点火プラグ
２１ 接触部
２２ ラッチ装置（ラッチ機構）
２３ 点火線
３０ 接地接続手段
３１ 環状接触部

Claims (14)

1. 車両のエアバッグにガス充填を行うためのガスジェネレータであって、
   ガスジェネレータ（１）は、車両に対し電気的に絶縁されるように当該車両に配置されるとともに、独立した接地接続手段（３０，３１）によって、前記車両の電気接地に直接的に接続され、
   接地接続手段（３０）によって車両の電気接地に接続されるガスジェネレータハウジング（１０）を備え、
   接地接続手段（３０）は、環状接触部（３１）を備え、環状接触部（３１）とガスジェネレータハウジング（１０）との間の接触を形成することが可能とされ、
   環状接触部（３１）は、弾性を有することを特徴とするガスジェネレータ。
2. 請求項１に記載のガスジェネレータであって、
   接地接続手段（３０，３１）がガスジェネレータハウジング（１０）と電気的に接触した状態となるように、当該接地接続手段（３０，３１）が、ガスジェネレータハウジング（１０）と点火プラグ（２０，２１）との間でクランプ固定されることを特徴とするガスジェネレータ。
3. 請求項２に記載のガスジェネレータであって、
   点火プラグ（２０）は、ガスジェネレータ（１）および／またはガスジェネレータハウジング（１０）上にラッチ固定されることを特徴とするガスジェネレータ。
4. 請求項１〜請求項３のいずれか１項に記載のガスジェネレータであって、
   環状接触部（３１）は、弾性ディスクであることを特徴とするガスジェネレータ。
5. 請求項１〜請求項４のいずれか１項に記載のガスジェネレータであって、
   ガスジェネレータハウジング（１０）は、その外面上において電気的に絶縁されていることを特徴とするガスジェネレータ。
6. 請求項５に記載のガスジェネレータであって、
   ガスジェネレータハウジング（１０）は、車両に対し電気的に絶縁する目的のコーティングを備えていることを特徴とするガスジェネレータ。
7. 請求項１〜請求項６のいずれか１項に記載のガスジェネレータであって、
   ガスジェネレータ（１）を車両に固定する目的の固定装置が、車両に対しガスジェネレータ（１）を電気的に絶縁する構成であることを特徴とするガスジェネレータ。
8. 請求項７に記載のガスジェネレータであって、
   前記固定装置は、電気的に絶縁されていることを特徴とするガスジェネレータ。
9. 請求項１〜請求項８のいずれか１項に記載のガスジェネレータであって、
   ガスジェネレータ（１）および／またはガスジェネレータ（１）のガスジェネレータハウジング（１０）は、プラグ接続によって車両の電気接地に接続されていることを特徴とするガスジェネレータ。
10. 請求項９に記載のガスジェネレータであって、
    前記プラグ接続は、付加的にガスジェネレータ（１）の点火装置との電気的な接触を形成するという目的を果たすことを特徴とするガスジェネレータ。
11. ガスジェネレータとの電気的な接触を形成し、前記ガスジェネレータの点火装置との電気的な接触を形成するための点火プラグを備える装置であって、
    独立した接地接続手段（３０，３１）が、ガスジェネレータ（１）を車両の電気接地に直接的に接続する目的のために設けられ、
    接地接続手段（３０）は、環状接触部（３１）を備え、前記環状接触部（３１）とガスジェネレータハウジング（１０）との間の接触を形成することが可能とされ、
    環状接触部（３１）は、弾性を有することを特徴とする装置。
12. 請求項１１に記載の装置であって、
    接地接続手段（３０，３１）は、ガスジェネレータハウジング（１０）を車両の電気接地に接続する目的を果たすことを特徴とする装置。
13. 請求項１１または請求項１２に記載の装置であって、
    接地接続手段（３０，３１）がガスジェネレータハウジング（１０）と接触した状態となるように、当該接地接続手段（３０，３１）が、点火プラグ（２０，２１）とガスジェネレータハウジング（１０）との間でクランプされることを特徴とする装置。
14. 請求項１１〜請求項１３のいずれか１項に記載の装置であって、
    環状接触部（３１）は、弾性ディスクであることを特徴とする装置。

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